特許第6739785号(P6739785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739785
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】卓上カレンダー
(51)【国際特許分類】
   B42D 5/04 20060101AFI20200730BHJP
【FI】
   B42D5/04 J
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-94257(P2016-94257)
(22)【出願日】2016年5月10日
(65)【公開番号】特開2017-202587(P2017-202587A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2019年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】597067220
【氏名又は名称】株式会社トーダン
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】強口 邦雄
【審査官】 渡邉 勇
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3165614(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3039442(JP,U)
【文献】 特開昭53−031420(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3197669(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3121144(JP,U)
【文献】 特開2004−330597(JP,A)
【文献】 米国特許第05058296(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00 −15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上縁側に複数の孔が形成されているベース体と、一辺側に複数の孔が形成されている複数枚のカレンダー用紙とが、それぞれの孔を貫く綴じ具によって綴じられ、前記カレンダー用紙が回動可能とされている卓上カレンダーであって、
前記ベース体は、互いの上縁を突き合わした配置の前面部と背面部と、前記前面部の下縁と前記背面部の下縁とを繋ぐ配置の底面部と、前記底面部と面一に延在した姿勢安定部と、を有しており、
前記背面部は、前記底面部に対し垂直に立設されており、
前記姿勢安定部は、前記背面部に対し垂直に設けられており、
前記前面部の両側の縁には、同じ高さに前側係止部が設けられ、前記背面部の両側の縁には、同じ高さに背側係止部が設けられており、
前記背側係止部は、前記前側係止部よりも前記底面部寄りに設けられており、
前記ベース体の前面部側に眼鏡のレンズが位置するように、前記眼鏡のツルが前記前側係止部と前記背側係止部に架け渡されて係止された状態で、前記眼鏡が前記ベース体に保持されるように構成されていることを特徴とする卓上カレンダー。
【請求項2】
前記複数枚のカレンダー用紙には、それぞれ顔が印刷されており、
前記前面部側に前記カレンダー用紙が配されている場合、前記顔の目が前記前側係止部の間に位置することを特徴とする請求項に記載の卓上カレンダー。
【請求項3】
前記前面部には前記カレンダー用紙の下端側でその一部が隠れる位置に設けられた折り線と、前記折り線の両端部を繋ぐ切り込みが形成されており、前記切り込みに沿って切られた前記前面部の一部が折り起こされて形成される用紙調整片が設けられていることを特徴とする請求項に記載の卓上カレンダー。
【請求項4】
記前面部側に配されている前記カレンダー用紙に重ねて設置される装飾部材を、前記綴じ具に着脱可能に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の卓上カレンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卓上カレンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底面部と前面部と背面部とを有し、側面視して略二等辺三角形に形成されている台紙に、複数枚のカレンダー用紙が回動可能に綴じられている卓上カレンダーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−214449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の卓上カレンダーの場合、前面部側にあるカレンダー用紙の枚数と背面部側にあるカレンダー用紙の枚数とに差がある状態はバランスが悪く、潜在的に姿勢を崩し易く不安定であることがわかった。これは、台紙に綴じられているカレンダー用紙の枚数が多くなるほど顕在化してくる。
【0005】
本発明の目的は、姿勢安定性がよい卓上カレンダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
上縁側に複数の孔が形成されているベース体と、一辺側に複数の孔が形成されている複数枚のカレンダー用紙とが、それぞれの孔を貫く綴じ具によって綴じられ、前記カレンダー用紙が回動可能とされている卓上カレンダーであって、
前記ベース体は、互いの上縁を突き合わした配置の前面部と背面部と、前記前面部の下縁と前記背面部の下縁とを繋ぐ配置の底面部と、前記底面部と面一に延在した姿勢安定部と、を有しており、
前記背面部は、前記底面部に対し垂直に立設されており、
前記姿勢安定部は、前記背面部に対し垂直に設けられており、
前記前面部の両側の縁には、同じ高さに前側係止部が設けられ、前記背面部の両側の縁には、同じ高さに背側係止部が設けられており、
前記背側係止部は、前記前側係止部よりも前記底面部寄りに設けられており、
前記ベース体の前面部側に眼鏡のレンズが位置するように、前記眼鏡のツルが前記前側係止部と前記背側係止部に架け渡されて係止された状態で、前記眼鏡が前記ベース体に保持されるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、卓上カレンダーのベース体は、底面部と面一に延在して背面部に対し垂直に設けられている姿勢安定部を備えているので、ベース体(卓上カレンダー)は背面部側に傾倒し難くなっている。
例えば、前面部側に多くのカレンダー用紙があって、分厚く束なったカレンダー用紙の重みで押されるような力が作用しても、姿勢安定部を備えているベース体は姿勢を崩し難くなっており、卓上カレンダーがその自重の作用で背面部側に倒れてしまうことはない。
【0008】
また、ベース体の背面部は底面部に対し垂直に立設されているので、前面部側から背面部側へ移動させたカレンダー用紙を、背面部に沿って自立させるようにすることができる。
例えば、万年日めくりカレンダーのように、多くのカレンダー用紙がベース体に綴じられている場合、そのカレンダー用紙の重みによって、ベース体に歪みが生じてしまうことがある。これに対し、底面部に対し垂直に立設されている背面部を有しているベース体であれば、背面部側へ移動させたカレンダー用紙を自立させることができ、その自立したカレンダー用紙をベース体の姿勢保持部材として機能させることができるので、ベース体の歪みを生じ難くすることができる。
また、背面部側に分厚く束なったカレンダー用紙がある場合でも、それらカレンダー用紙は自立してベース体の姿勢保持部材として機能するので、卓上カレンダーがその自重の作用で前面部側や背面部側に倒れてしまうことはない。
【0009】
このように卓上カレンダーは、ベース体の前面部側により多くのカレンダー用紙がある場合でも、ベース体の背面部側により多くのカレンダー用紙がある場合でも、姿勢を崩し難くなっており、姿勢安定性がよい。
つまり、この卓上カレンダーは姿勢安定性がよいので、ユーザーは所望する場所に置いて好適に使用することができる。
また、ベース体の前面部側に眼鏡のレンズが位置するように、眼鏡のツルを前側係止部と背側係止部に架け渡して、その眼鏡を卓上カレンダーに掛け置くことができるので、卓上カレンダーを眼鏡スタンドとして使用することができる。
特に、ベース体の背側係止部は、前側係止部よりも底面部寄りの下側に設けられているので、前側係止部と背側係止部に架け渡された眼鏡のツルが背面部側に滑り落ちるようにして、眼鏡のレンズ部分を前面部側に近接させた状態で、その眼鏡をベース体で保持することができる。
つまり、一般的な眼鏡はレンズ側に重心があるので、眼鏡のレンズ部分を前面部側に寄り掛からせるようにすれば、眼鏡の姿勢を安定させた状態で保持することができ、この卓上カレンダーを、眼鏡スタンドとして好適に使用することができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の卓上カレンダーにおいて、
前記複数枚のカレンダー用紙には、それぞれ顔が印刷されており、
前記前面部側に前記カレンダー用紙が配されている場合、前記顔の目が前記前側係止部の間に位置することを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明によれば、卓上カレンダーに眼鏡を掛け置いた際に、カレンダー用紙に印刷されている顔が眼鏡を掛けたような状態になる。こうすることで、ユーザーは眼鏡の有無による顔の表情変化を楽しむことができる。
また、ユーザーは、眼鏡の有無による顔の表情変化を楽しむことに加え、様々なタイプの眼鏡を付け替えて、眼鏡の着せ替えを行うようにして顔の表情変化を楽しむこともできる。このように、卓上カレンダーに掛け置く眼鏡を付け替えるなどすれば、趣向性に富んだ卓上カレンダーとして使用することができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の卓上カレンダーにおいて、
前記前面部には前記カレンダー用紙の下端側でその一部が隠れる位置に設けられた折り線と、前記折り線の両端部を繋ぐ切り込みが形成されており、前記切り込みに沿って切られた前記前面部の一部が折り起こされて形成される用紙調整片が設けられていることを特徴とする。
ここでの切り込みは、折り線と重ならず、また交差しないように形成されている。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、前面部の一部を折り起こして用紙調整片を形成すれば、用紙調整片の上端部にカレンダー用紙の下端部が載った状態になり、その用紙調整片によってカレンダー用紙を僅かに持ち上げた位置にずらすように調整できる。
こうすることで、卓上カレンダーに掛け置いた眼鏡に対し、カレンダー用紙に印刷されている顔の位置を調整できる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の卓上カレンダーにおいて
前記前面部側に配されている前記カレンダー用紙に重ねて設置される装飾部材を、前記綴じ具に着脱可能に備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、前面部側に配されているカレンダー用紙に重ねて装飾部材を設置するようにして、カレンダー用紙に印刷されている顔などに装飾を施すことができる。
例えば、装飾部材がポリプロピレン製やポリ塩化ビニル製の薄く透明な樹脂板であって、その装飾部材にカレンダー用紙に印刷されている顔に対応させた図柄がプリントされていれば、装飾部材をカレンダー用紙に重ねて設置することで、ユーザーは装飾部材の図柄を付け加えたカレンダー用紙の顔を楽しむことができる。
このように、卓上カレンダーに取り付ける装飾部材を付け替えるようにすれば、趣向性に富んだ卓上カレンダーとして使用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、姿勢安定性がよい卓上カレンダーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1の卓上カレンダーの前面側を示す斜視図である。
図2】実施形態1の卓上カレンダーの背面側を示す斜視図である。
図3】実施形態1の卓上カレンダーを示す側面図である。
図4】卓上カレンダーを折り畳んだ状態を示す側面図である。
図5】卓上カレンダーの背面側にカレンダー用紙を移動させた状態を示す斜視図である。
図6】実施形態1の卓上カレンダーに装飾部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
図7】実施形態2の卓上カレンダーの前面側を示す斜視図である。
図8】実施形態2の卓上カレンダーの背面側を示す斜視図である。
図9】実施形態2の卓上カレンダーを示す側面図である。
図10】実施形態2の卓上カレンダーに眼鏡を掛け置いた状態を示す斜視図である。
図11】実施形態2の卓上カレンダーに眼鏡を掛け置いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る卓上カレンダーの実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0021】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の卓上カレンダー100の前面側を示す斜視図であり、図2は、その卓上カレンダー100の背面側を示す斜視図である。図3は、卓上カレンダー100の側面図である。
【0022】
卓上カレンダー100は、図1に示すように、上縁側に複数の孔Hが形成されているベース体10と、一辺側に複数の孔Hが形成されている複数枚のカレンダー用紙20とを備え、そのベース体10と複数枚のカレンダー用紙20がそれぞれの孔Hを貫く綴じ具30によって綴じられている。
【0023】
ベース体10は、所定箇所に切欠き(切り込み)が設けられている硬質紙(厚台紙)を、例えば、側面視略「4」字形状を呈するような略三角形状に折り曲げて形成した部材である。
ベース体10は、前面部12と背面部13と底面部14と姿勢安定部15を有している。
前面部12と背面部13は互いの上縁を突き合わした配置になっており、底面部14は前面部12の下縁と背面部13の下縁とを繋ぐ配置になっている。この底面部14は、前面部12と一体の部分と背面部13と一体の部分とが重なった構造になっている。
【0024】
具体的に、前面部12と背面部13の境と、前面部12の下端で硬質紙が山折りされている。また、背面部13の下端で硬質紙が谷折りされ、その谷折り箇所よりも先で硬質紙が山折りされて折り返されている。この折り返し部分で硬質紙が二重になるように接着されている。この折り返し部分の接着箇所が姿勢安定部15となる。つまり、姿勢安定部15は、背面部13と底面部14の間の硬質紙を二重に接着して形成されている。
また、山折りされた状態で前面部12と一体になっている硬質紙の一部が底面部14となり、谷折りされた状態で姿勢安定部15を介して背面部13と一体になっている硬質紙の一部が底面部14となる。なお、背面部13側の底面部14には、谷折り状の折り目14Lが形成されている。
そして、前面部12側の底面部14であって前面部12下端寄りの底面部14の一部と、背面部13側の底面部14であって折り目14Lよりも先の自由端側の底面部14の一部とが接着されている(図4参照)。
【0025】
また、前面部12側の底面部14の端部には凸片14aが形成されており、その凸片14aを背面部13の係止スリット13aに挿し込むように係止して、ベース体10が組み立てられている。
このベース体10が組み立てられた状態で、背面部13は底面部14に対し垂直に立設されている。また、姿勢安定部15は底面部14と面一に延在し、背面部13に対し垂直に設けられている。換言すれば、底面部14と姿勢安定部15との境界において、背面部13は底面部14と姿勢安定部15に対し垂直に立設されている。
なお、係止スリット13aは、背面部13が底面部14と接する位置に設けられている。
具体的に、係止スリット13aは、背面部13が底面部14と接する位置に略H字形状の切り込みを形成して設けられている。
この係止スリット13aは、凸片14aの厚みに相当する隙間を有しており、係止スリット13aに凸片14aを好適に挿し込むことが可能になっている。
また、係止スリット13aの上部には撓ませることができる可撓片13cが形成されているので、係止スリット13aに凸片14aを挿し込んだり、係止スリット13aから凸片14aを外したりし易くなっている。
そして、図4に示すように、背面部13の係止スリット13aから底面部14の凸片14aを外した状態で、その凸片14aを綴じ具30側に向けつつ、底面部14の折り目14Lを谷折りするようにして、ベース体10(卓上カレンダー100)を折り畳むことができる。
【0026】
なお、ベース体10は紙製であることに限らず、薄い樹脂板を折り曲げて形成したものや、ユポ(登録商標)など合成樹脂を主原料とする合成紙を折り曲げて形成したものでもよい。
【0027】
カレンダー用紙20は、例えば少なくとも一方の面に暦の情報が印刷されている洋紙である。
複数枚のカレンダー用紙20はリング状の綴じ具30によってベース体10に綴じられており、そのカレンダー用紙20が1枚ずつ回動されて、ベース体10の前面部12側から背面部13側へ移動可能になっている。
本実施形態の卓上カレンダー100は、万年日めくりカレンダーであり、例えば1日から31日までの31枚のカレンダー用紙20がベース体10に綴じられている。
【0028】
綴じ具30は、例えば、金属材料、樹脂材料あるいは紙材料からなり、ベース体10に複数枚のカレンダー用紙20を回動可能に保持している。
この綴じ具30は、複数のリング部材からなるものであっても、複数のリング部が一体に形成された部材であってもよい。
本実施形態の卓上カレンダー100では、ベース体10の上縁側に4つの孔Hが2組形成されており、そのベース体10の孔Hに対応するように、複数枚のカレンダー用紙20の一辺側に4つの孔Hが2組形成されている。
そして、O字状の4つのリング部が一体に形成されている2つの綴じ具30によって、複数枚のカレンダー用紙20がベース体10に回動可能に綴じられている。
【0029】
次に、本実施形態の卓上カレンダー100の構造的な特徴について説明する。
【0030】
この卓上カレンダー100のベース体10は、底面部14と面一に延在して背面部13に対し垂直に設けられている姿勢安定部15を備えているので、ベース体10(卓上カレンダー100)は背面部13側に傾倒し難くなっている。
具体的に、前面部12側に多くのカレンダー用紙20があって、分厚く束なったカレンダー用紙20の重みで押されるような力が作用しても、姿勢安定部15を備えているベース体10は姿勢を崩し難くなっており、卓上カレンダー100がその自重の作用で背面部13側に倒れてしまうことはない。
【0031】
また、ベース体10の背面部13は底面部14に対し垂直に立設されているので、図5に示すように、前面部12側から背面部13側へ移動させたカレンダー用紙20を、背面部13に沿って自立させるようにすることができる。
万年日めくりカレンダーのように、多くのカレンダー用紙20がベース体10に綴じられている場合、そのカレンダー用紙20の重みによって、ベース体10に歪みが生じてしまうことがある。
これに対し、本実施形態のベース体10のように、底面部14に対し垂直に立設されている背面部13を有しているものであれば、背面部13側へ移動させたカレンダー用紙20を自立させることができ、その自立したカレンダー用紙20をベース体10の姿勢保持部材として機能させることができるので、ベース体10の歪みを生じ難くすることができる。
【0032】
また、背面部13側に分厚く束なったカレンダー用紙20がある場合でも、それらカレンダー用紙20は自立してベース体10の姿勢保持部材として機能するので、卓上カレンダー100がその自重の作用で前面部12側や背面部13側に倒れてしまうことはない。
このように卓上カレンダー100は、姿勢を崩し難く、姿勢安定性がよいので、ユーザーは所望する場所に卓上カレンダー100を置いて好適に使用できる。
【0033】
以上のように、実施形態1の卓上カレンダー100は、ベース体10の前面部12側により多くのカレンダー用紙20がある場合でも、ベース体10の背面部13側により多くのカレンダー用紙20がある場合でも、姿勢を崩し難くなっているので、その姿勢安定性がよい卓上カレンダー100をユーザーは所望する場所に置いて使用することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図6に示すように、卓上カレンダー100は、ベース体10の前面部12側に配されているカレンダー用紙20に重ねて設置される複数(本実施形態では3枚)の装飾部材1を備えていてもよい。
装飾部材1は、例えば、ポリプロピレン製やポリ塩化ビニル製の薄く透明な樹脂板であり、上縁側に左右一対のフック部1aが設けられている。
このフック部1aはリング状の綴じ具30に係着させることができる形状に形成されており、装飾部材1は綴じ具30に着脱可能になっている。
【0035】
そして、本実施形態の卓上カレンダー100のカレンダー用紙20には、それぞれ顔が印刷されており、そのカレンダー用紙20がベース体10の前面部12側に配されている場合、ユーザーはその顔を視認して楽しむことができるようになっている。
本実施形態の卓上カレンダー100では、31枚のカレンダー用紙20に31匹の猫の顔が印刷されている。
また、装飾部材1には、カレンダー用紙20に印刷されている顔に対応させた図柄がプリントされているので、その装飾部材1をカレンダー用紙20に重ねて設置すれば、ユーザーは、装飾部材1の図柄を付け加えたカレンダー用紙20の顔を視認して楽しむことができる。
図6では、図柄として眼鏡がプリントされた装飾部材1、図柄としてサングラスがプリントされた装飾部材1、図柄として眉毛がプリントされた装飾部材1を例示している。
【0036】
このような装飾部材1が、卓上カレンダー100の綴じ具30に着脱可能に備えられていれば、ユーザーは、装飾部材1の図柄となっている装飾物の着せ替えを行うようにしてカレンダー用紙20の顔の表情変化を楽しむことができる。
つまり、着脱可能な複数の装飾部材1を備えた卓上カレンダー100であれば、その装飾部材1を付け替えるなどして、趣向性に富んだ卓上カレンダーとして使用することができる。
なお、装飾部材1の図柄は眼鏡やサングラスや眉毛であることに限らず、その図柄は任意であり、例えば、帽子やマスク、首輪やネックレスやペンダント、まつ毛や髭やアイシャドウなどであってもよい。
【0037】
また、装飾部材1は綴じ具30に着脱可能であるとしたが、装飾部材1はカレンダー用紙20の上縁や、ベース体10の上縁に着脱可能に備えられるようにしてもよい。
このようにカレンダー用紙20やベース体10の上縁に装飾部材1を取り付けた場合でも、装飾部材1は綴じ具30に接触するので、本発明でいう「綴じ具30に着脱可能な装飾部材1」は、卓上カレンダー100に装飾部材1を取り付けた際に、綴じ具30に接触する装飾部材1を含むものである。
【0038】
(実施形態2)
次に、本発明に係る卓上カレンダーの実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
【0039】
図7は、実施形態2の卓上カレンダー100の前面側を示す斜視図であり、図8は、その卓上カレンダー100の背面側を示す斜視図である。図9は、卓上カレンダー100の側面図である。
ベース体10は、前面部12と背面部13と底面部14と姿勢安定部15とを備えて構成されており、底面部14と姿勢安定部15との境界において、背面部13は底面部14と姿勢安定部15に対し垂直に立設されている。
本実施形態2の卓上カレンダー100のベース体10には、前面部12に前側係止部2が設けられており、背面部13に背側係止部3が設けられている。
【0040】
具体的に、ベース体10の前面部12の両側の縁には、同じ高さに前側係止部2が設けられている。
また、ベース体10の背面部13の両側の縁には、同じ高さに背側係止部3が設けられている。背側係止部3は、前側係止部2よりも底面部14寄りに設けられている。
この前側係止部2と背側係止部3は、ベース体10に眼鏡GのツルTを架けるために設けられている。
【0041】
前側係止部2は、前面部12の側縁が略コ字状に切り欠かれて形成された切欠部2aと、前面部12の側縁から張り出している張出部2bを有している。
この張出部2bの上縁部分と切欠部2aの縁の一部は一直線状に連なっており、この部分が前側係止部2に架けられた眼鏡GのツルTに当接して、そのツルTを下支えする。
【0042】
背側係止部3は、背面部13の側縁が略コ字状に切り欠かれて形成された切欠部3aと、背面部13の側縁から張り出している張出部3bを有している。
この張出部3bの上縁部分と切欠部3aの縁の一部は一直線状に連なっており、この部分が背側係止部3に架けられた眼鏡GのツルTに当接して、そのツルTを下支えする。
【0043】
そして、図10に示すように、ベース体10の前面部12側に眼鏡GのレンズLが位置するように、眼鏡GのツルTが前側係止部2と背側係止部3に架け渡されて係止された状態で、眼鏡Gがベース体10に保持されるようになっている。
特に、このベース体10において、背側係止部3は前側係止部2よりも底面部14寄りの下側に設けられているので、前側係止部2と背側係止部3に架け渡された眼鏡GのツルTが背面部13側に滑り落ちるようにして、眼鏡GのレンズL部分を前面部12側のカレンダー用紙20に近接させた状態で、その眼鏡Gをベース体10が保持するようになっている。例えば、一般的な眼鏡GはレンズL側に重心があるので、眼鏡GのレンズL部分を前面部12側に寄り掛からせるようにすれば、眼鏡Gの姿勢を安定させた状態で保持することができる。
こうして眼鏡GのレンズL部分を前面部12側に寄り掛からせるように、眼鏡Gを卓上カレンダー100に掛け置くことができる。
【0044】
ここで、本実施形態の卓上カレンダー100のカレンダー用紙20には、それぞれ顔(猫の顔)が印刷されており、そのカレンダー用紙20がベース体10の前面部12側に配されている場合、その顔の目が左右一対の前側係止部2の間に位置するようになっている。
こうすることで、図10に示すように、この卓上カレンダー100に眼鏡Gを掛け置いた際に、カレンダー用紙20に印刷されている顔が眼鏡Gを掛けたような状態になる。
そして、ユーザーは眼鏡Gの有無による顔の表情変化を楽しむことができる。
【0045】
また、図7図10に示すように、ベース体10の前面部12には、用紙調整片12aが設けられている。用紙調整片12aは、カレンダー用紙20の上下位置を調整するために設けられている。
図7図10に示すように、前面部12にはカレンダー用紙20の下端側でその一部が隠れる位置に設けられた折り線12bと、その折り線12bの両端部を繋ぐ切り込み12cが形成されている。そして、図11に示すように、切り込み12cに沿って切られた前面部12の一部を折り線12bに沿って折り起こして、用紙調整片12aを形成することができる。
【0046】
本実施形態の用紙調整片12aは、例えば、略「フ」字形状の切り込み12cを前面部12に形成し、その切り込み12cに沿って切り離した部分を折り線12bに沿って表側に折り起こして設けられている。
特に、折り線12bの上部がカレンダー用紙20の下端側で隠れる位置に形成されているので、用紙調整片12aを折り起こすと、用紙調整片12aの上端部にカレンダー用紙20の下端部が載った状態になる。
なお、この切り込み12cは、折り線12bと重ならず、また折り線12bと交差しないように形成されている。また、切り込み12cは、略「フ」字形状であることに限らず、例えば、略「コ」字形状などであってもよい。また、切り込み12cは、鏡文字の「フ」字形状や、鏡文字の「コ」字形状などであってもよい。
【0047】
カレンダー用紙20の上端部はリング状の綴じ具30で綴じられており、カレンダー用紙20は吊り下がった状態で保持されているので、このカレンダー用紙20にはその綴じ代分の遊びがあり、上下に僅かにずらすことが可能になっている。
つまり、前面部12の一部を折り起こした用紙調整片12aの上端部にカレンダー用紙の下端部を載せるようにすれば、この用紙調整片12aによってカレンダー用紙20を僅かに持ち上げた位置にずらすように調整できるようになっている。
そして、用紙調整片12aを利用してカレンダー用紙20を僅かに持ち上げた位置にずらすようにすれば、カレンダー用紙20に印刷されている顔と眼鏡Gの位置を調整できる。こうして、卓上カレンダー100に掛け置いた眼鏡Gに対し、カレンダー用紙20に印刷されている顔の位置を調整して、その顔が眼鏡Gを適正に掛けた状態にすることができる。
なお、卓上カレンダー100に掛け置いた眼鏡Gと、カレンダー用紙20に印刷されている顔の位置が適正である場合には、用紙調整片12aを折り起こさず使用しないようにする。
【0048】
以上のように、実施形態2の卓上カレンダー100であっても、ベース体10の前面部12側により多くのカレンダー用紙20がある場合でも、ベース体10の背面部13側により多くのカレンダー用紙20がある場合でも、姿勢を崩し難くなっているので、その姿勢安定性がよい卓上カレンダー100をユーザーは所望する場所に置いて使用することができる。
【0049】
特に、実施形態2の卓上カレンダー100であれば、ベース体10の前面部12側に眼鏡GのレンズLが位置するように、眼鏡GのツルTを前側係止部2と背側係止部3に架け渡して、その眼鏡Gを卓上カレンダー100に掛け置くことができるので、卓上カレンダー100を眼鏡スタンドとして使用することができる。
【0050】
また、ベース体10の背側係止部3が前側係止部2よりも底面部14寄りの下側に設けられていることによって、卓上カレンダー100に掛け置いた眼鏡GのレンズL部分を前面部12側のカレンダー用紙20に近接させた状態にすることができるので、カレンダー用紙20に印刷されている顔が眼鏡Gを掛けたようにして楽しむことができる。
そして、ユーザーは、眼鏡Gの有無による顔の表情変化を楽しむことに加え、様々なタイプの眼鏡Gを付け替えて、眼鏡Gの着せ替えを行うようにして顔の表情変化を楽しむこともできる。
このように、卓上カレンダー100に掛け置く眼鏡Gを付け替えるなどすれば、趣向性に富んだ卓上カレンダーとして使用することができる。
更に、実施形態1で前述した装飾部材1を、実施形態2の卓上カレンダー100に適用すれば、より一層趣向性に富んだ卓上カレンダーとして使用することができる。
【0051】
以上、上述したように、本発明に係る卓上カレンダー100は、ベース体10の前面部12側により多くのカレンダー用紙20がある場合でも、ベース体10の背面部13側により多くのカレンダー用紙20がある場合でも、姿勢を崩し難くなっており、姿勢安定性がよい。
この卓上カレンダー100は姿勢安定性がよいので、ユーザーは所望する場所に置いて好適に使用することができる。
【0052】
なお、以上の実施の形態においては、卓上カレンダー100は、万年日めくりカレンダーであり、1日から31日までの31枚のカレンダー用紙20がベース体10に綴じられているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、月毎のカレンダー用紙が12枚綴じられている卓上カレンダーであってもよい。勿論、週めくりの卓上カレンダーであっても、2か月めくりの卓上カレンダーなどであってもよい。
【0053】
また、本実施形態の卓上カレンダー100では、31枚のカレンダー用紙20に31匹の猫の顔が印刷されているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カレンダー用紙20に印刷されている顔は任意であり、例えば、31枚のカレンダー用紙20に31匹の犬の顔が印刷されていたり、動物園で飼育されている31種類の動物の顔が印刷されていたりしてもよい。また、31人のタレントやモデルの顔、またアニメなどのキャラクターの顔が印刷されていてもよい。
また、カレンダー用紙20に印刷されている顔は、写真であってもイラストであってもよい。
【0054】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
1 装飾部材
1a フック部
2 前側係止部
2a 切欠部
2b 張出部
3 背側係止部
3a 切欠部
3b 張出部
10 ベース体
12 前面部
12a 用紙調整片
12b 折り線
12c 切り込み
13 背面部
13a 係止スリット
13b 切欠部
13c 可撓片
14 底面部
14a 凸片
14L 折り目
15 姿勢安定部
20 カレンダー用紙
30 綴じ具
100 卓上カレンダー
H 孔
G 眼鏡
L レンズ
T ツル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11