(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739790
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】動画広告配信サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20200730BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20200730BHJP
H04N 21/854 20110101ALI20200730BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20200730BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20200730BHJP
G06F 3/0485 20130101ALI20200730BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/431
H04N21/854
G06Q30/02 446
G06F3/048
G06F3/0485
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-152408(P2016-152408)
(22)【出願日】2016年8月3日
(65)【公開番号】特開2018-22995(P2018-22995A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】515124509
【氏名又は名称】株式会社オープンエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(72)【発明者】
【氏名】高松 雄康
【審査官】
川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−015046(JP,A)
【文献】
特開2015−165686(JP,A)
【文献】
特許第5941568(JP,B1)
【文献】
特開2016−021094(JP,A)
【文献】
特開2015−060460(JP,A)
【文献】
特開2015−154165(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0288913(US,A1)
【文献】
ティドウェル ジェニファー Jenifer Tidwell,デザイニング・インターフェース 第2版 初版 Designing Interfaces,2nd Edition,株式会社オライリー・ジャパン オライリー ティム,2011年12月26日,第1版,pp.459-461
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
G06Q 30/02
G06F 3/048
G06F 3/0485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介してアクセスした、タッチディスプレイを有するユーザ端末に動画広告を含むウェブページを配信するサーバにおいて、
上下方向に連続し、画面幅で表示される複数の見出枠を含む閲覧ページの表示プログラムを配信するコンテンツ配信手段と、
動画広告の再生開始回数および/または完全視聴回数をカウントする再生状況監視手段と、を備え、
前記見出枠が、画像表示枠と、画像表示枠の横に表示される個別タイトル部とを備え、
前記見出枠が、前記画像表示枠に動画広告が表示される広告枠を含み、
前記広告枠が、前記広告枠を拡大する拡大操作部を含み、
前記閲覧ページの表示プログラムが、
前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以上であることを検出して前記動画広告を自動再生させる自動再生手段と、
前記自動再生後、前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以下となったことを検出した場合に前記動画広告の再生を停止させる再生停止手段と、
前記拡大操作部をユーザがタップすると前記画像表示枠が画面幅に拡大し、拡大された画像表示枠の下方に広告ページへのリンクが付された広告記事および縮小操作部を表示させる拡大表示手段と、
前記縮小操作部をユーザがタップすると拡大された広告枠を拡大前の大きさに縮小して表示させる縮小表示手段と、
を備えることを特徴とする動画広告配信サーバ。
【請求項2】
前記広告枠を含む複数の見出枠の上下高さが、いずれも同幅であることを特徴とする請求項1に記載の動画広告配信サーバ。
【請求項3】
前記拡大表示手段が、前記拡大操作部をユーザがタップした時点で前記動画広告が再生されていた場合に、当該タップした時点の再生位置から拡大後の動画広告の再生を開始することを特徴とする請求項1または2に記載の動画広告配信サーバ。
【請求項4】
前記広告枠内の全部が前記拡大操作部を構成すること、および/または、
前記広告枠内の全部が前記縮小操作部を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の動画広告配信サーバ。
【請求項5】
前記広告枠内に前記拡大操作部を構成するボタンを表示すること、および/または、
前記広告枠内に前記縮小操作部を構成するボタンを表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の動画広告配信サーバ。
【請求項6】
拡大された広告枠がスクリーンアウトしたことを検出し、当該広告枠の表示ステータスを拡大表示から縮小表示に更新し、当該広告枠が再びスクリーンインした際に縮小表示された広告枠を表示させる、
拡大された広告枠がスクリーンアウトしたことを検出し、さらに予め定められた方向に予め定められたドット以上のスクロール動作がされた場合に当該広告枠の表示ステータスを拡大表示から縮小表示に更新し、当該広告枠が再びスクリーンインした際に縮小表示された広告枠を表示させる、または、
拡大された広告枠がスクリーンアウトしたことを検出し、さらにスクリーンアウトの状態が予め定められた時間以上継続した場合に当該広告枠の表示ステータスを拡大表示から縮小表示に更新し、当該広告枠が再びスクリーンインした際に縮小表示された広告枠を表示させる自動縮小手段を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の動画広告配信サーバ。
【請求項7】
前記広告枠の動画広告が完全視聴されたことを検出し、当該広告枠が拡大されている場合には当該広告枠を縮小表示させる視聴後縮小手段を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の動画広告配信サーバ。
【請求項8】
前記閲覧ページの表示プログラムが、前記ユーザ端末にインストールされるアプリケーションに含まれることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の動画広告配信サーバ。
【請求項9】
請求項8に記載のアプリケーションがインストールされたことを特徴とするタッチディスプレイを有するユーザ端末。
【請求項10】
インターネットを介してアクセスした、タッチディスプレイを有するユーザ端末に動画広告を含むウェブページを配信するサーバ用の動画広告配信プログラムにおいて、
前記サーバを、上下方向に連続し、画面幅で表示される複数の見出枠を含む閲覧ページの表示プログラムを配信するコンテンツ配信手段、
動画広告の再生開始回数および/または完全視聴回数をカウントする再生状況監視手段、として機能させること、
前記見出枠が、画像表示枠と、画像表示枠の横に表示される個別タイトル部とを備え、
前記見出枠が、前記画像表示枠に動画広告が表示される広告枠を含み、
前記広告枠が、前記広告枠を拡大する拡大操作部を含み、
前記閲覧ページの表示プログラムが、
前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以上であることを検出して前記動画広告を自動再生させる自動再生手段と、
前記自動再生後、前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以下となったことを検出した場合に前記動画広告の再生を停止させる再生停止手段と、
前記拡大操作部をユーザがタップすると前記画像表示枠が画面幅に拡大し、拡大された画像表示枠の下方に広告ページへのリンクが付された広告記事および縮小操作部を表示させる拡大表示手段と、
前記縮小操作部をユーザがタップすると拡大された広告枠を拡大前の大きさに縮小して表示させる縮小表示手段と、
を備えることを特徴とする動画広告配信サーバ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチディスプレイを備えたポータブル電子装置(例えば、スマートフォンやタブレット)において、ユーザビリティを損なわずに動画広告を配信する動画広告配信サーバおよびプログラムに関する。本明細書における「動画広告」には、営利用途の動画広告のみならず、非営利用途の動画も含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットの検索サイトで入力された検索キーワードに関連する広告を表示させる広告手法(例えば、リスティング広告)が知られている。また、ユーザが過去に閲覧したウェブページのコンテンツと適合性が高い広告を表示するインタレストマッチ広告が知られている(特許文献1)。
【0003】
近年、液晶パネルなどにユーザの指の位置を検出する機能を持たせたタッチディスプレイを備えたポータブル電子装置が広く販売されているが、このような電子装置の画面領域は狭いため、広告表示には工夫が必要である。例えば、特許文献2の
図5には、広告をオーバーレイで表示させる態様が例示され、同
図6では広告をタイムライン上の記事として表示させる態様が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−27086号公報
【特許文献2】特開2014−75006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の広告システムは、いわゆるアフリエイト広告を念頭においたものが多く、ランディングページへの遷移率を高めることが重要であった。
しかしながら、興味がある記事を読んでいる最中に他のサイトへ意図しない遷移が生じることは、ユーザのストレスとなっていた。ユーザが広告にストレスを感じない、リピート率の高いWebサイトの構築が求められている。
【0006】
近年、通信環境やハードウェアの進展に伴い、ポータブル電子装置を対象としたWebサイトでも、動画広告の配信が増えている。動画広告についてもユーザがストレスを感じない態様で配信することが求められている。
【0007】
そこで、本発明では、ユーザがストレスを感じない態様で動画広告を提供することを可能とする動画広告配信サーバおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の動画広告配信サーバは、インターネットを介してアクセスした、タッチディスプレイを有するユーザ端末に動画広告を含むウェブページを配信するサーバにおいて、
上下方向に連続し、画面幅で表示される複数の見出枠を含む閲覧ページの表示プログラムを配信するコンテンツ配信手段と、
動画広告の再生開始回数および/または完全視聴回数をカウントする再生状況監視手段と、を備え、
前記見出枠が、画像表示枠と、画像表示枠の横に表示される個別タイトル部とを備え、
前記見出枠が、前記画像表示枠に動画広告が表示される広告枠を含み、
前記広告枠が、前記広告枠を拡大する拡大操作部を含み、
前記閲覧ページの表示プログラムが、
前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以上であることを検出して前記動画広告を自動再生させる自動再生手段と、
前記自動再生後、前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以下となったことを検出した場合に前記動画広告の再生を停止させる再生停止手段と、
前記拡大操作部をユーザがタップすると前記画像表示枠が画面幅に拡大し、拡大された画像表示枠の下方に広告ページへのリンクが付された広告記事および縮小操作部を表示させる拡大表示手段と、
前記縮小操作部をユーザがタップすると拡大された広告枠を拡大前の大きさに縮小して表示させる縮小表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
上記動画広告配信サーバにおいて、前記広告枠を含む複数の見出枠の上下高さが、いずれも同幅であることを特徴としてもよい。
上記動画広告配信サーバにおいて、前記拡大表示手段が、前記拡大操作部をユーザがタップした時点で前記動画広告が再生されていた場合に、当該タップした時点の再生位置から拡大後の動画広告の再生を開始することを特徴としてもよい。
上記動画広告配信サーバにおいて、前記広告枠内の全部が前記拡大操作部を構成すること、および/または、前記広告枠内の全部が前記縮小操作部を構成することを特徴としてもよい。
上記動画広告配信サーバにおいて、前記広告枠内に前記拡大操作部を構成するボタンを表示すること、および/または、前記広告枠内に前記縮小操作部を構成するボタンを表示することを特徴としてもよい。
【0010】
上記動画広告配信サーバにおいて、拡大された広告枠がスクリーンアウトしたことを検出し、当該広告枠の表示ステータスを拡大表示から縮小表示に更新し、当該広告枠が再びスクリーンインした際に縮小表示された広告枠を表示させる、
拡大された広告枠がスクリーンアウトしたことを検出し、さらに予め定められた方向に予め定められたドット以上のスクロール動作がされた場合に当該広告枠の表示ステータスを拡大表示から縮小表示に更新し、当該広告枠が再びスクリーンインした際に縮小表示された広告枠を表示させる、または、
拡大された広告枠がスクリーンアウトしたことを検出し、さらにスクリーンアウトの状態が予め定められた時間以上継続した場合に当該広告枠の表示ステータスを拡大表示から縮小表示に更新し、当該広告枠が再びスクリーンインした際に縮小表示された広告枠を表示させる自動縮小手段を備えることを特徴としてもよい。
上記動画広告配信サーバにおいて、前記広告枠の動画広告が完全視聴されたことを検出し、当該広告枠が拡大されている場合には当該広告枠を縮小表示させる視聴後縮小手段を備えることを特徴としてもよい。
上記動画広告配信サーバにおいて、前記閲覧ページの表示プログラムが、前記ユーザ端末にインストールされるアプリケーションに含まれることを特徴としてもよい。
本発明のタッチディスプレイを有するユーザ端末は、前記アプリケーションがインストールされたことを特徴とする。
【0011】
本発明の動画広告配信サーバ用プログラムは、インターネットを介してアクセスした、タッチディスプレイを有するユーザ端末に動画広告を含むウェブページを配信するサーバ用の動画広告配信プログラムにおいて、
前記サーバを、上下方向に連続し、画面幅で表示される複数の見出枠を含む閲覧ページの表示プログラムを配信するコンテンツ配信手段、
動画広告の再生開始回数および/または完全視聴回数をカウントする再生状況監視手段、として機能させること、
前記見出枠が、画像表示枠と、画像表示枠の横に表示される個別タイトル部とを備え、
前記見出枠が、前記画像表示枠に動画広告が表示される広告枠を含み、
前記広告枠が、前記広告枠を拡大する拡大操作部を含み、
前記閲覧ページの表示プログラムが、
前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以上であることを検出して前記動画広告を自動再生させる自動再生手段と、
前記自動再生後、前記タッチディスプレイ内に表示される前記広告枠の前記画像表示枠の面積が、予め定められた割合以下となったことを検出した場合に前記動画広告の再生を停止させる再生停止手段と、
前記拡大操作部をユーザがタップすると前記画像表示枠が画面幅に拡大し、拡大された画像表示枠の下方に広告ページへのリンクが付された広告記事および縮小操作部を表示させる拡大表示手段と、
前記縮小操作部をユーザがタップすると拡大された広告枠を拡大前の大きさに縮小して表示させる縮小表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザがストレスを感じない態様で動画広告を提供することを可能とする動画広告配信サーバおよびプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態例に係る動画広告配信システムの構成図である。
【
図2】実施形態例に係るWebサイトの閲覧ページである。
【
図3】広告枠内をタップすることで拡大表示された様子を説明する変形例である。
【
図4】広告枠内をタップすることで拡大表示された様子を説明する他の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<構成>
実施形態例に係る本発明の動画広告配信システムは、
図1に示すように、コンテンツ配信サーバ1と、複数台のユーザ端末2とを備えて構成される。
コンテンツ配信サーバ1は、CPUを有する制御部、HDDを有する記憶部、および、LANポートを有する通信部を備えたサーバ装置にコンテンツ配信ソフトウェアおよびデータベースソフトウェアをインストールして構築されている。コンテンツ配信ソフトウェアは、閲覧ページ配信手段と、再生状況監視手段とを備えている。
【0015】
閲覧ページ配信手段は、コンテンツ提供サイトにWebブラウザでアクセスしたユーザに閲覧ページの表示プログラムを配信するサーバ用プログラムであり、例えば、Java Servlet(登録商標)で作成される。閲覧ページの表示プログラムは、ブログや特集記事等のコンテンツと共に広告記事がいわゆるネイティブ形式でユーザ端末2に表示させる。閲覧ページの表示プログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)で作成される。
【0016】
再生状況監視手段は、閲覧ページの表示プログラムと連携して動画広告の再生開始回数および動画広告が最後まで再生された回数をカウントし、データベースに記録する。動画広告によっては、完全視聴をしないと広告情報を看取できないストーリーであったり、課金が完全視聴と紐付いていたりする場合もあるので、最後まで再生された回数をカウントする手段を設けることは重要である。
なお、
図1の例では、コンテンツ配信サーバ1を1台で構成する例を説明したが、複数台のサーバによりコンテンツ配信サーバ1を実現することも可能である。
【0017】
ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末(タブレットPC)、ノートパソコン、デスクトップパソコンなどのWebブラウザが搭載されたコンピュータである。ユーザ端末2の種類は特に限定されないが、本発明により実現されるユーザインターフェースは、タッチディスプレイを備えたポータブル電子装置において有利な効果を奏し、主として片手で操作されるポータブル電子装置において特に有利な効果を奏する。
【0018】
閲覧ページを表示するためのWebブラウザは汎用的なもので足り、例えば、インターネットエクスプローラー、サファリ、クローム、アンドロイドブラウザ、オペラを含む。ただし、Webブラウザは、汎用Webブラウザに限定されるものではなく、ユーザ端末2にダウンロードしてインストールされるアプリケーション(ブラウジング専用以外のものを含む)に組み込まれたWebブラウザも含まれる。この場合、閲覧ページの表示プログラムは、アプリケーション側に実装される場合もある。
本発明では、ユーザの閲覧履歴を利用しないので、クッキー(Cookie)の設定は無効とされていてもよい。
【0019】
以下では、コンテンツ配信サーバ1が提供するコンテンツ提供サイト(Webサイト)に、スマートフォンでアクセスした場合の動作例を説明する。このスマートフォンは、アンドロイドやiOSなどの汎用的なオペレーティングシステム(OS)が稼働しており、汎用的なWebブラウザを搭載している。
【0020】
図2は、実施形態例に係るWebサイトの閲覧ページ20である。閲覧ページ20は、最上部にナビゲーション部21が表示されており、その下方には、タイトル部22、インフィード枠23の順で表示されるレイアウトとなっている。
タイトル部22には、見出枠24のコンテンツを総括するタイトル(テキスト)が表示される。
インフィード枠23には、上下方向に連続表示される複数の記事(コンテンツおよび広告)の見出枠24が表示される。インフィード枠23に表示される見出枠24の数は、表示する端末の画面解像度により異なるが、3つ以上の見出枠24を常時表示させることが好ましい。ユーザがスクロール動作(例えば、ディスプレイ上で指をスライドさせる動作)をするとインフィード枠23内の見出枠24がスクロールされる。
【0021】
見出枠24は、対応するページで内使用されている画像の縮小画像等を表示する画像表示枠241と、誘導メッセージを表示する個別タイトル部242を備えている。見出枠24a〜24dの上下高さはいずれも同幅に構成されており、各見出枠24内の任意の場所をタップすると拡大表示される仕様である(拡大表示の詳細は
図3を参照しながら後述する。)。
図2では、見出枠24a〜24cがコンテンツページのダイジェストを表示し、見出枠24dが動画広告ページのダイジェストを表示している。以下では、動画広告ページのダイジェストを表示する見出枠を広告枠という場合がある。
【0022】
見出枠24a〜24cの画像表示枠241a〜241cは静止画であるが、見出枠24dの画像表示枠241dは動画であり、例えばスプライト描画により表示される。画像表示枠241dで動画が自動再生される点を除くと、見出枠24a〜24cと見出枠24dのデザインは実質的に同一であり、いわゆるネイティブ広告を実現している。従来は、例えばバナー広告を消すための操作(例えば、閉じるボタンのタップ)が必要になるなど、閲覧時にストレスを感じていたが、ネイティブ広告を提供する本発明ではそのようなストレスは最小限である。
【0023】
見出枠24a〜24cの個別タイトル部242a〜242cは、対応するページの個別タイトルと共に「ブログ」、「特集」などのカテゴリ表示をすることで、コンテンツの種別を一瞥して判別可能としている。
見出枠24dの個別タイトル部242dは、対応するページの個別タイトルと共に「[PR]XYZ company」、「Ads by XYZ company」などの表示をすることで、広告ページであることを一瞥して判別可能としている。
図2では見出枠24a〜24dに文章2行とカテゴリ1行の合計3行を表示する仕様としているが、これに限定されず、例えば合計4〜8行であってもよい。
【0024】
見出枠24の右下には、見出枠24を拡大するための拡大操作部を構成する拡大ボタン243が表示されている。拡大ボタン243をタップすると見出枠24の上下高さが拡大する。ただし、実施形態例では、見出枠24内の任意の場所をタップしても拡大される仕様としている。これとは異なり、動画の画像表示枠241を1回タップすると動画の再生が停止し、見出枠24内の任意の場所を2回タップすると拡大される仕様としてもよい。
図2に示す拡大ボタン243のデザインは単なる例示に過ぎず、他のデザインを採用することも当然可能である。また、拡大ボタン243そのものを見出枠24に表示しない仕様としてもよい(この場合、見出枠24内の全てが拡大操作部となる。)。
【0025】
<動作>
ユーザが、ユーザ端末2のブラウザによりコンテンツ配信サーバ1が配信する閲覧ページ20にアクセスすると、ナビゲーション部21、タイトル部22およびインフィード枠23が表示される。
インフィード枠23内には複数の見出枠24が表示されている。見出枠24のうち、広告ページを表示する見出枠の画像表示枠241の面積の一定割合以上(例えば50%以上)が画面内に表示されると(以下、この状態を「スクリーンイン」という)、動画広告の冒頭から所定の秒数(例えば、5秒)までの内容のループ再生が開始される。なお、ループ再生に代えて1回のみ再生する仕様とすることも当然に可能である。
【0026】
ユーザが画面をスクロールし、ユーザ端末2の画面表示される画像表示枠241の面積が50%未満となると、ループ再生は停止される(以下、この状態を「スクリーンアウト」という)。スクリーンアウトされた画像表示枠241が、再びスクリーンインの状態になると、ループ再生が開始される。この際、スクリーンアウトの時点における再生位置から再生を再開してもよいし、最初から再生を開始してもよい。また、予め設定した時間(例えば、3秒)を経過した場合には最初から再生を開始し、予め設定した時間以内にスクリーンインの状態に戻った場合にはスクリーンアウトの時点における再生位置から再生を再開するようにしてもよい。
【0027】
図3は、広告枠内をタップすることで拡大表示された様子を説明する変形例である。
図3の左図では、非拡大時の広告枠24を点線で囲って表示している。この広告枠24は、個別タイトル部242の上段に広告枠であることを示す「Ads by NATIVETAP」の表示があり、下段にブランド名「@cosme store」の表示がある。画像表示枠241は、略正方形のもの、長方形のもの、円形のものが混在しているが、画面2/3以下(好ましくは半分以下)収まるようにしている。変形例では、画像表示枠241の縦横比を16:9としているが、この比率に限定されず、任意の比率とすることができる。
【0028】
図3の右図では、拡大時の広告枠25を点線で囲って表示している。広告枠24がタップされると、画像表示枠251の左右幅が画面幅に拡大され、上下高さは縦横比16:9を維持する高さに拡大される。広告枠24のタップ時に動画広告が再生されている場合は、拡大後もタップ時の再生位置から動画広告が再生される。動画広告では文字以外の情報(例えば、登場人物の表情)を伝達することも重要となる場合があるところ、表示領域全幅にわたる動画表示枠を提供することで、文字以外の情報を高いレベルで伝達することを可能としている。
【0029】
画像表示枠251の直下には、個別タイトル部252が表示される。個別タイトル部252に表示される内容は、個別タイトル部242に表示される内容と一致させてもよいし、一致させなくてもよい。個別タイトル部252の直下には、広告記事部254が表示される。広告記事部254の左右幅は画面幅であり、上下高さは広告記事部254に記載されるテキスト文字数により決せられる。ただし、広告記事部254の上下高さを無制限に拡大可能とするとユーザにストレスを与える蓋然性があるため、例えば、見出枠24の上下高さの5倍以下(好ましくは4倍以下)を上限値に設定したり、画像表示枠251の上下高さと同じ高さを上限値に設定したりすることにより、ユーザのストレスを軽減することが開示される。
【0030】
広告記事部254の任意の場所をタップすると、当該広告の提供者が運営するランディングページへと遷移する。別の言い方をすれば、広告枠24をタップしただけではランディングページへの遷移は開始されないので、ユーザはストレスを感じること無く広告枠24をタップすることが可能であり、また間違えてタップした場合にもストレスを感じさせないようにしている。すなわち、ユーザは拡大された広告枠25に表示された広告記事部254の記事を読み、当該広告に興味を持った場合はランディングページへ遷移し、興味を持たなかった場合は広告枠25を縮小またはスクリーンアウトして次の見出枠24を閲覧することが可能となっている。
【0031】
広告記事部254の右下の隅部には縮小操作部を構成する縮小ボタン253が表示されている。縮小ボタン253をタップすると広告枠25が縮小し、
図3の左図の状態になる。拡大した広告枠内の任意の場所をタップしても縮小される仕様としてもよいし、さらに、縮小ボタン253そのものを広告枠25に表示しない仕様としてもよい(この場合、広告枠25内の全てが縮小操作部となる。)。
【0032】
スクリーンアウトの状態で再生が停止する点は、拡大された広告枠25も、非拡大時の広告枠24と同様である。ここで、スクリーンアウトにより自動で広告枠25が縮小する仕様、スクリーンアウト後さらに所定ドット以上のスクロールが行われた場合に自動で広告枠25が縮小する仕様、或いは、スクリーンアウト後、予め設定した時間を経過した場合には、自動で広告枠25が縮小する仕様を採用してもよい。さらには、動画広告の完全視聴をトリガーとして、自動で広告枠25が縮小する仕様を組み合わせてもよい。
【0033】
図4は、広告枠内をタップすることで拡大表示された様子を説明する他の変形例である。広告記事部254の直下には、ランディングページへのリンクが張られた誘導部255が配置されている。角丸長方形の誘導部255内には「詳細はコチラ」の文字が表示されていることから、ユーザはランディングページへの遷移を予測した上で誘導部255をタップすると推察される(すなわち、不測の遷移によるストレスを防ぐことができる。)。
誘導部255の右下の隅部に表示された縮小ボタン253をタップすると広告枠25が縮小する点は、
図3と同様である。
なお、
図4に示す誘導部255内のメッセージは一例に過ぎず、例えば、「ダウンロードはこちら」、「さっそくチェック」、「コールセンターへ電話をする」などの任意のメッセージを表示できることは言うまでもない。ここで重要なことは、ユーザがタップ後の遷移を予測可能なメッセージを誘導部255内に表示し、不測の遷移によるストレスを防ぐことである。
【0034】
以上に説明した実施形態例および変形例の動画広告配信システムによれば、ユーザはストレスを感じること無く、広告を含む閲覧ページを閲覧することが可能となる。本システムは、アフリエイト広告を念頭においておらず、ランディングページへの遷移率を高めることを目的としていないため、広告を縮小したり、スクリーンアウトしたりするためのユーザの操作負荷が最小限である(すなわち、親指のみの操作で広告の表示態様をコントロールできる。)。別の観点からは、ユーザがストレス無く広告を目にするので、いわゆる認知広告の手段としての利用することも考えられる。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1 コンテンツ配信サーバ
2 ユーザ端末
20 閲覧ページ
21 ナビゲーション部
22 タイトル部
23 インフィード枠
24 見出枠
25 (拡大時の)広告枠
241 画像表示枠
242 個別タイトル部
243 拡大ボタン
251 画像表示枠
252 個別タイトル部
253 縮小ボタン
254 広告記事部