特許第6739852号(P6739852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6739852
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】演出用バルーン
(51)【国際特許分類】
   A63H 27/10 20060101AFI20200730BHJP
   A63J 5/02 20060101ALI20200730BHJP
   B64B 1/50 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   A63H27/10 Z
   A63J5/02
   B64B1/50
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-188257(P2019-188257)
(22)【出願日】2019年10月12日
【審査請求日】2019年12月16日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 以下の日付、場所において発明に係る演出用バルーンを公開するとともに当該演出用バルーンの打ち上げ方法を使用。2018年10月14日ノートルダム周南、2018年11月3日ノートルダム北九州、2018年12月15日アニヴェルセル福岡シェフズガーデン、2018年12月23日マリエール広島、2019年1月30日ガーデンテラス福岡、2019年3月8日ベルクラッシック防府、2019年4月6日ノートルダム宇部、2019年4月11日ベルクラッシック防府、2019年4月21日ノートルダム北九州、2019年4月29日マリーゴールド熊本、2019年5月5日ノートルダム北九州、2019年5月12日ノートルダム周南、2019年5月18日マリアージュ下関、2019年6月15日ノートルダム宇部、2019年7月7日ブライダルスクエア ザ・ゼニス、2019年7月7日ホーリーザイオンパーク セントヴァレンタイン福山、2019年7月14日ホテルオークラJRハウステンボス、2019年7月14日CASA FELIZ、2019年7月20日三瀧荘、2019年7月20日リビエール、2019年7月21日ホテルオークラJRハウステンボス、2019年8月24日ノートルダム北九州、2019年8月31日ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート、2019年8月31日ロイヤルチェスター福岡、2019年9月1日ノートルダム周南、2019年9月8日ノートルダムマリノア、2019年9月8日ホテル日航福岡、2019年9月14日松柏園ホテル、2019年9月15日ガーデンテラス福岡、2019年9月15日ホテルオークラJRハウステンボス、2019年9月22日ブライダルスクエア ザ・ゼニス、2019年9月22日ノートルダム周南
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519066441
【氏名又は名称】株式会社テクノス
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】古田 英子
【審査官】 比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0319226(US,A1)
【文献】 特開2014−212834(JP,A)
【文献】 実開平07−037695(JP,U)
【文献】 特開2000−105562(JP,A)
【文献】 実開平01−130185(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
G09F 1/00−27/00
F21L 2/00−27/00
F21S 2/00−45/70
F21V 1/00−99/00
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風船及び前記風船の口を留める留め具を有し、浮力を発生する浮力発生部と、
前記留め具に第1の線条体を介して連結され、内部に光源が収められる容器部と、
前記留め具に第2の線条体を介して連結され、該浮力発生部を係留するための係留用重りと、を備え、結婚式披露宴を演出するための室内にて使用される演出用バルーンであって、
前記容器部が、上部が開口し半透明の紙によって形成された容器であり、
前記容器部の内部に、浮上速度を調整するための浮力調整用重りを備えた演出用バルーン。
【請求項2】
請求項1記載の演出用バルーンにおいて、
前記半透明の紙が、トレーシングペーパーである演出用バルーン。
【請求項3】
請求項1記載の演出用バルーンにおいて、
前記半透明の紙が、ディフュージョントレーシングペーパーである演出用バルーン。
【請求項4】
請求項2又は3記載の演出用バルーンにおいて、
前記浮力調整用重りの厚みが、前記光源の光を遮らない寸法に設定されている演出用バ
ルーン。
【請求項5】
請求項記載の演出用バルーンにおいて、
前記第1の線条体及び前記第2の線条体の長さが、前記浮力発生部が前記係留用重りに係留されている状態で前記容器部が床面から浮き上がるように設定されている演出用バルーン。
【請求項6】
請求項記載の演出用バルーンにおいて、
前記光源の発光色が少なくとも2色である演出用バルーン。
【請求項7】
風船及び前記風船の口を留める留め具を有し、浮力を発生する浮力発生部と、
前記留め具に第1の線条体を介して連結され、内部に光源が収められる容器部と、を備え、イベントを演出するための室内にて使用される演出用バルーンであって、
前記容器部が、上部が開口し半透明の紙によって形成された容器であり、
前記容器部の内部に、厚みが前記光源の光を遮らない寸法に設定され、浮上速度を調整するための浮力調整用重りが投入される演出用バルーン。
【請求項8】
請求項7記載の演出用バルーンにおいて、
前記半透明の紙が、トレーシングペーパー又はディフュージョントレーシングペーパーである演出用バルーン。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項に記載の演出用バルーンにおいて、
前記浮力調整用重りが、針金によって形成された円弧状の重りである演出用バルーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出用バルーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加熱空気の浮力により紙製の袋状風船本体を空中に浮き上がらせる熱風船が記載されている。
この熱風船は、紙製の袋状風船本体の開口部を下向きとし、開口端部にリング状の枠体が設けられて開口状態が保持され、この枠体には開口部の中央に位置して取り付け部材を介して加熱部が取り付けられている熱風船である。袋状風船本体は水解性または水溶性の紙で形成され、枠体は水解性または水溶性の紙を用いた紙軸で形成され、取り付け部材は不燃糸または不燃性の紙撚で形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−172823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、室内でのイベントを効果的に演出できる演出用バルーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、風船及び前記風船の口を留める留め具を有し、浮力を発生する浮力発生部と、前記留め具に第1の線条体を介して連結され、内部に光源が収められる容器部と、前記留め具に第2の線条体を介して連結され、該浮力発生部を係留するための係留用重りと、を備え、結婚式披露宴を演出するための室内にて使用される演出用バルーンであって、前記容器部が、上部が開口し半透明の紙によって形成された容器であり、前記容器部の内部に、浮上速度を調整するための浮力調整用重りを備えた演出用バルーンである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の演出用バルーンにおいて、前記半透明の紙が、トレーシングペーパーである
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項記載の演出用バルーンにおいて、前記半透明の紙が、ディフュージョントレーシングペーパーである
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3記載の演出用バルーンにおいて、前記浮力調整用重りの厚みが、前記光源の光を遮らない寸法に設定されている
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の演出用バルーンにおいて、前記第1の線条体及び前記第2の線条体の長さが、前記浮力発生部が前記係留用重りに係留されている状態で前記容器部が床面から浮き上がるように設定されている
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の演出用バルーンにおいて、前記光源の発光色が少なくとも2色である
【0011】
請求項7に記載の発明は、風船及び前記風船の口を留める留め具を有し、浮力を発生する浮力発生部と、前記留め具に第1の線条体を介して連結され、内部に光源が収められる容器部と、を備え、イベントを演出するための室内にて使用される演出用バルーンであって、前記容器部が、上部が開口し半透明の紙によって形成された容器であり、前記容器部の内部に、厚みが前記光源の光を遮らない寸法に設定され、浮上速度を調整するための浮力調整用重りが投入される演出用バルーンである
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の演出用バルーンにおいて、前記半透明の紙が、トレーシングペーパー又はディフュージョントレーシングペーパーである
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項4〜8のいずれか1項に記載の演出用バルーンにおいて、前記浮力調整用重りが、針金によって形成された円弧状の重りである
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、室内でのイベントを効果的に演出できる演出用バルーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態に係る演出用バルーンの説明図である。
図2】同演出用バルーンが備える留め具の説明図である。
図3】同演出用バルーンが備える浮力調整用重りの説明図である。
図4】同演出用バルーンが備える容器部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合が
ある。
【0017】
本発明の一実施の形態に係る演出用バルーン10(図1参照)は、スカイランタン(天灯)に用いる火の代わりにLEDを光源とした浮上体である。演出用バルーン10は、例えば結婚式披露宴等のイベントにおける演出用として、室内にて用いることができる。
演出用バルーン10は、浮力発生部20、容器部30及び係留用重り40を備えている。
【0018】
浮力発生部20は、風船22及び留め具24を有している。
風船22は、内部にヘリウムガスが注入され、浮力を発生することができる。
留め具24は、内部のヘリウムガスが漏れないように、風船22の口222を留めることができる。
留め具24は、図2に示すように、U字状に屈曲した弾性部242、弾性部242の一端部に設けられた固定部244及び弾性部242の他端部に設けられた被固定部246を有している。留め具24は、固定部244の先端部及び被固定部246の先端部により構成されたスナップフィット248によって、図2の矢印で示すように、被固定部246が固定部244にワンタッチで容易に固定され、風船22の口222を間に挟んで閉じることができる。
【0019】
容器部30は、図1及び図3に示すように、その内部に光を発する発光器32が収められる。
容器部は、図4に示すように、底面302及び側面304a〜304dを有し、上側が開口した袋状の容器である。
容器部の幅、奥行及び高さは、それぞれ例えば、30〜60mm、30〜60mm及び60〜110mmである。
容器部30は、半透明の紙によって形成されている。この紙は、トレーシングペーパーが好ましく、ディフュージョントレーシングペーパーが更に好ましい。ただし、容器部30を形成する材料は、半透明の紙に限定されるものではなく、発光器32による発光が外側から視認できる材料であれば任意で良い。
容器部30には、側面304a〜304dの上端部がそれぞれ内側に折り返されることにより形成された折り返し部306a〜306dを有している。折り返し部306a〜306dが形成されることにより、容器部30の上端部が補強される。
【0020】
容器部30は、浮力発生部20の留め具24に一本の第1の線条体51を介して連結される。
第1の線条体51の中央部は留め具24に固定されている。
第1の線条体51の一方の端部51aは、折り返し部306aの外側から内側へ入り、折り返し部306aの内側にて接着剤により固定されている。
第1の線条体51の他方の端部51bは、折り返し部306aに対向する折り返し部306cの上端部の外側から内側へ入り、折り返し部306cの内側にて接着剤により固定されている。
【0021】
発光器32は、図1に示すように、LED(光源の一例)322と、LED322の駆動回路(不図示)及びバッテリ(不図示)を内部に収めた筐体324と、を有している。
LED322は、筐体324の上面に設けられる。
筐体324は、平面視してその外形が円形である。
発光器32の全体の重さは、浮力発生部20が発生できる浮力よりも軽くなるように設定されている。
【0022】
浮力調整用重り34は、図1に示すように、容器部30に入れられることで演出用バルーン10の浮上速度を調整できる。
浮力調整用重り34は、図3に示すように、円弧状の重り342、直線状の重り343又は円弧状の重り344であり、それぞれ針金により形成されている。重り342、343は、容器部30の底面302の上であって平面視して発光器32の外周に沿って配置される。重り344は、筐体324の上面であってLED322の周囲に配置される。
なお、重り342、343、344の厚みは、それぞれLED322の光を遮らない寸法に設定されている。
従って、浮力調整用重り34が発光器32の外周に沿って配置されるため、発光器32及び浮力調整用重り34が入った容器部30の重心が大きく偏ることが抑制される。
【0023】
係留用重り40は、図1に示すように、浮力発生部20の留め具24に第2の線条体52を介して連結され、打ち上げ前の浮力発生部20を係留することができる。打ち上げの際には、第2の線条体52が切断される。
従って、係留用重り40の重さは、浮力発生部20の浮力よりも重くなるように設定されている。
係留用重り40は、例えば釣具として使用されるカミツブシである。
第2の線条体52の係留用重り40が設けられた側とは反対側の端部には、連結金具が取り付けられ、この連結金具が留め具24に連結されることが好ましい。この連結金具は、例えば、釣具として使用されるスナップである。
【0024】
なお、前述の第1の線条体51及び第2の線条体52は、それぞれ例えば釣り糸である。第1の線条体51及び第2の線条体52の長さは、浮力発生部20が係留用重り40に係留されている状態において、浮力発生部20にぶら下がった容器部30が床面から浮き上がるように設定されている。
【0025】
次に、演出用バルーン10の打ち上げ方法について説明する。
演出用バルーン10は、以下のステップS1〜S5に従って打ち上げられる。ただし、可能な場合には、各ステップは順番を入れ替えて実施されてもよいし、並行して実施されてもよい。
【0026】
(ステップS1)
風船22にヘリウムガスを注入する前の演出用バルーン10を複数準備する。
【0027】
(ステップS2)
LED322を点灯させ、各容器部30に点灯した発光器32を入れる。
ここで、LED322の発光色は少なくとも2色であることが好ましい。各容器部30に入れるLED322の発光色を例えばイエロー及びオレンジとし、イエローに発光する演出用バルーンとオレンジに発光する演出用バルーンとを混在させることで、本物の炎による光のように見え、演出効果が向上する。
【0028】
(ステップS3)
各風船22にヘリウムガスを注入し、膨らませる。
【0029】
(ステップS4)
ヘリウムガスの量を調整することで、各風船22の浮上速度を調整する。
浮力が足りず浮かない場合には、ヘリウムガスを更に注入する。一方、浮力が大きすぎる場合には、ヘリウムガスを抜く。
前述の通り、留め具24はスナップフィット248によってワンタッチで開閉できるため、風船22の口222から容易にヘリウムガスを注入したり抜いたりできる。
なお、ヘリウムガスを調整したにもかかわらず浮力がやや大きい場合には、容器部30に浮力調整用重り34を投入し、ゆっくりと浮上するように微調整できる。
【0030】
(ステップS5)
予め決められたタイミングにて、浮力発生部20と係留用重り40とを連結していた第2の線条体52をそれぞれ切断する。
係留用重り40が切り離されると、発光器32が入った容器部30がそれぞれゆっくりと浮上し、結婚式披露宴等のイベントを効果的に演出できる。
【0031】
以上説明した演出用バルーン10によれば、多数の浮力発生部20の浮力調整が容易となり、打ち上げ準備の負担が低減される。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0033】
10 演出用バルーン
20 浮力発生部
22 風船
24 留め具
30 容器部
34 浮力調整用重り
40 係留用重り
32 発光器
51 第1の線条体
51a、51b 端部
52 第2の線条体
222 口
242 弾性部
244 固定部
246 被固定部
248 スナップフィット
302 底面
304a〜304d 側面
306a〜306d 折り返し部
322 LED
324 筐体
342、343、344 重り
【要約】
【課題】浮力調整が容易な演出用バルーン及びその打ち上げ方法を提供する。
【解決手段】演出用バルーン10は、浮力発生部20と、浮力発生部20に第1の線条体51を介して連結され、内部に光源322が入る容器部30と、浮力発生部20に第2の線条体52を介して連結され、前記浮力発生部を係留するための係留用重り40と、を備え、浮力発生部20が、風船22と、風船22の口222を留める留め具24と、を有し、第1の線条体51及び第2の線条体52の一端部が、それぞれ留め具24に取り付けられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4