(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6739897
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】レンダリングを行う方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20200730BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20200730BHJP
G06T 15/08 20110101ALN20200730BHJP
【FI】
A61B6/03 360G
A61B5/055 380
!G06T15/08
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-520472(P2014-520472)
(86)(22)【出願日】2012年7月18日
(65)【公表番号】特表2014-524810(P2014-524810A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】CA2012000684
(87)【国際公開番号】WO2013010261
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2015年7月9日
【審判番号】不服2017-10205(P2017-10205/J1)
【審判請求日】2017年7月7日
(31)【優先権主張番号】61/509,092
(32)【優先日】2011年7月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512137681
【氏名又は名称】カデンス メディカル イメージング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】トリスタン ラパルム
【合議体】
【審判長】
福島 浩司
【審判官】
伊藤 昌哉
【審判官】
▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−532202(JP,A)
【文献】
特開2004−21307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法であって、
遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するステップであって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけられる、前記投影モデルを提供するステップと、
画像データを取得するステップと、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行うステップと、
第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、前記画像データの他の部分についての第2投影を行うステップと、
前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを表示するステップとを含み、
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える、レンダリングを行う方法。
【請求項2】
所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法であって、
遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するステップであって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけられる、前記投影モデルを提供するステップと、
画像データを取得するステップと、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行うステップと、
第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、前記画像データの他の部分についての第2投影を行うステップと、
前記第1投影データと前記第2投影データを備える投影データを提供するステップと
を含み、
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える、レンダリングを行う方法。
【請求項3】
前記半球投影モデルは下記の式、即ち
【数1】
により特徴づけられる、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記円筒投影モデルは下記の式、即ち
【数2】
により特徴づけられる、請求項
2又は3に記載の方法。
【請求項5】
所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法であって、
遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するステップであって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけられる、前記投影モデルを提供するステップと、
画像データを取得するステップと、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行うステップと、
第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、前記画像データの他の部分についての第2投影を行うステップと、
前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを表示するステップとを含み、
前記投影モデルの前記第1部分は楕円投影モデルの一部を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は湾曲円筒投影モデルを備える、レンダリングを行う方法。
【請求項6】
所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法であって、
遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するステップであって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけられる、前記投影モデルを提供するステップと、
画像データを取得するステップと、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行うステップと、
第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、前記画像データの他の部分についての第2投影を行うステップと、
前記第1投影データと前記第2投影データを備える投影データを提供するステップと
を含み、
前記投影モデルの前記第1部分は楕円投影モデルの一部を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は湾曲円筒投影モデルを備える、レンダリングを行う方法。
【請求項7】
前記画像データを取得するステップは、磁気共鳴撮像(MRI)装置、陽電子放出断層撮影(PET)装置、X線装置、超音波装置、及びそれらの任意の組み合わせ、からなるグループの中から選択された装置から前記画像データを受け取るステップを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記投影データを提供するステップは、スクリーン上に前記投影データを表示するステップを含む、請求項2、3、4及び6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記投影データを提供するステップは、前記投影データを格納するステップと、前記投影データを離れた場所に送信するステップと、のうち少なくとも1つを行うステップを含む、請求項2、3、4及び6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記画像データを取得するステップは、前記画像データをDICOMサーバから受け取るステップを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分のそれぞれが、前記所定の視点から投影視点に延びる軸の周りに軸対称である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ実行可能命令を格納したコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、当該命令が実行されると、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法を演算装置に実行させるものである
コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項13】
フライスルーの実行に用いる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行うシステムであって、
遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供する投影モデル提供部であって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけられる、投影モデル提供部と、
画像データを取得する画像データ取得部と、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行う第1投影実行部と、
第2投影データを提供するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、前記画像データの他の部分についての第2投影データを行う第2投影実行部と、
前記第1投影データと前記第2投影データを受け取り、前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを生成し、且つ、前記所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域をそれによってレンダリングするために前記投影データを提供するための、投影データ提供部と、
を備え、
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える、システム。
【請求項15】
所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行うシステムであって、
表示装置と、
画像データ提供部と、
中央演算部と、
プログラムを備える記憶装置と
を備え、
前記プログラムは、前記記憶装置に格納され、前記中央演算部によって実行されるように構成されているプログラムであって、
遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するための命令であって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけられる、前記投影モデルを提供するための命令と、
前記画像データ提供部から画像データを取得するための命令と、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行うための命令と、
第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、提供された前記画像データの他の部分についての第2投影を行うための命令と、
第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを生成するための命令と、
生成された前記投影データを前記表示装置に提供するための命令と
を備え、
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備えるプログラムである、システム。
【請求項16】
さらに出力装置を備え、さらに前記プログラムは生成された前記投影データを前記出力装置に送信するための命令を備える、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、米国特許仮出願第61/509,092号“レンダリングを行う方法及びシステム”(2011年7月18日出願)からの優先権を主張する。この仮出願明細書は、本明細書において参照により全体として組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ボリューム画像の改善した可視化表現を生成するための方法及びシステム、特に、管腔臓器のような対象物のボリューム画像を生成するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ断層撮影(CT)内視鏡検査としても知られている仮想内視鏡検査は、人体中の解剖学的構造の内外表面を検査するための非侵襲的な診断方法である。近年このような方法は、大腸(結腸直腸)がんのスクリーニング用途として、特許文献1及び2で提案されているように、結腸のような管腔臓器を詳しく調べるために用いられている。この方法は、仮想大腸内視鏡検査若しくはCT大腸内視鏡検査として知られている。
【0004】
当初、CT大腸内視鏡検査は特許文献3で詳述されているように、結腸の内側部分の3Dビューを表す仮想環境を生成し、この3D環境を透視レンダリングすることによって、光学内視鏡検査を模擬していた。しかしながら、それは、光学内視鏡検査の制約、すなわち結腸膨起襞の後ろ側や深い襞の間に位置するような光線が届かない領域を観察できないということをも同様に模擬することとなった。
【0005】
それゆえ、仮想カメラを通じて可視化される結腸粘膜の量を増やすための新技術が現れた。新技術とは、(1)特許文献2で詳述されている結腸内面を平坦に開く投影法(flat colon technique、以下平坦投影法)、(2)特許文献4で詳述されている
図1Aに示した立方体ビュー投影法(cube view)、(3)特許文献5で詳述されている
図1B及びCに示したパノラマ投影法、(4)特許文献6で詳述されている展開された(unfolded)結腸投影法、及び、より最近の(5)特許文献7で詳述されている結腸の内側部分の歪みを範囲内に収める対物固有径円筒投影法(object diameter-specific cylindrical projection techniques)、等である。
【0006】
特許文献2、6及び7に詳述されている技術は、共通の制約を有している。共通の制約とは、人間が物体を認識することに関して、透視3D投影から2D投影へ変換したときにパラダイムシフトがあることである。これらの技術は形状に視覚的な歪みをもたらし、観察者は情報を解釈する方法を再習得する必要がある。そして結局は、結腸粘膜の評価に悪影響を及ぼすことがある。加えて、特許文献6及び7はこれらのアーチファクトを減らすことを目的としているが、結腸の限られた部分を評価するにすぎない。このことは、検査時間の増加、及び従来の透視投影法におけるより広い範囲の提示とは対照的に病変に対する視覚提示範囲(visual exposition)の減少、という2つの制約につながる。
【0007】
さらに、特許文献4に詳述されている技術は固有のデメリットを有している。そのデメリットとは前方及び後方投影の連続提示であり、さながら車の運転中に常にバックミラーを見ているようなものである。加えて、立方体ビューだけで360度の全環境を表すので、部分的にはいくつかの対象物が異なる立方体ビューの辺縁の重なる部分(multiple edges of different cube views)に存在することがある。これら2つのデメリットはこの技術にとって明らかな制約となっており、非効率な臨床読影方法を余儀なくしている。
【0008】
辺縁にある対象物が複数のビューにまたがった分裂ビュー(split-view)となるのを打開するために特許文献4を発展させて創られた情報(the information overflow)が、特許文献5に詳述されている。その技術は、前記立方体ビューのうち側面にあたるものを歪ませ、前方の表示の周りにそれらを組み合わせ、一方では後方の表示をなくしている。特許文献4では2つの異なる配置を提案しているが、本質的には前方の表示の中心から発する半径方向の線に沿った画像の中で歪みが均質ではない。そしてその歪みは、「歪んだ状態で組み合わされたビュー」のどの位置に物体があるかによって同一物体であっても異なって見えるという意味を含んでおり、観察者にとってさらなるアーチファクトを生成することとなる。さらに、視野が限定され非線形に歪んでいるせいでほとんどの情報が隠れて見えなくなっているような特定の部分において結腸の襞が非常に小さいものである場合には、立方体ビューの歪みについての実用的な代替解決法はない。最終的に、特許文献4は原情報を最終的な合成空間に合わせるために、削除したり、内挿したり、なんとか変換したり、といった何れか一つのマッピング処理を必要とし、これは処理時間の増大及び本質的には臨床情報の変換を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,694,163号
【特許文献2】米国特許第5,891,030号
【特許文献3】米国特許第5,782,762号
【特許文献4】米国特許第6,947,039号
【特許文献5】米国特許第7,609,910号
【特許文献6】米国特許出願公開第2011/0116692号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2010/0142788号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記において把握されたデメリットのうち少なくとも1つを打開する方法及び装置が必要とされている。
【0011】
本発明の特徴は、以下に記した開示内容、図面、発明の説明を検討することで明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野(visual areas)の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法が提供される。前記方法は、遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するステップであって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけら
れる、前記投影モデルを提供するステップと、画像データを取得するステップと、第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行うステップと、第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、前記画像データの他の部分についての第2投影を行うステップと、前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを表示するステップと、を含む。
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える。
【0013】
本発明の他の態様によれば、所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法が提供される。前記方法は、遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するステップであって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけら
れる、前記投影モデルを提供するステップと、
画像データを取得するステップと、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データ
の少なくとも一部についての第1投影を行うステップと、第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって
、前記画像データの他の部分についての第2投影を行うステップと、第1投影データと前記第2投影データを備える投影データを提供するステップと、を含む。
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える。
【0014】
ある一つの実施態様によれば、前記画像データを提供するステップは、磁気共鳴撮像(MRI)装置、陽電子放出断層撮影(PET)装置、X線装置、超音波装置、及びそれらの任意の組み合わせ、からなるグループの中から選択された装置から前記画像データを受け取るステップを含む。
【0015】
他の一つの実施態様によれば、前記投影データを提供するステップは、スクリーン上に前記投影データを表示するステップを含む。
【0016】
他の一つの実施態様によれば、前記投影データを提供するステップは、前記投影データを格納するステップと、前記投影データを離れた場所に送信するステップと、のうち少なくとも1つを行うステップを含む。
【0017】
ある実施態様によれば、前記画像データを提供するステップは、前記画像データをDICOMサーバから受け取るステップを含む。
【0018】
ある実施態様によれば、前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える。
【0019】
他の一つの実施態様によれば、前記半球投影モデルは、下記の式、即ち
【数1】
により特徴づけられる。
【0020】
ある一つの実施態様によれば、前記円筒投影モデルは、下記の式、即ち
【数2】
により特徴づけられる。
【0021】
ある実施態様によれば、前記投影モデルの前記第1部分は楕円投影モデルの一部を備え、前記投影モデルの前記第2部分は湾曲円筒投影モデルを備える。
【0022】
ある実施態様によれば、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分のそれぞれが、前記所定の視点から投影視点に延びる軸の周りに軸対称である。
【0023】
本発明の一態様によれば、コンピュータ実行可能命令を格納したコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。前記コンピュータ実行可能命令は当該命令が実行されると上記開示された方法を演算装置に実行させるものである。
【0024】
ある実施態様によれば、上記開示された方法はフライスルー(空間を自由に飛び回る疑似体験)を行うために用いられる。
【0025】
本発明の一態様によれば、所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行うシステムが開示される。前記システムは、遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供する投影モデル提供部であって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけら
れる、投影モデル提供部と、画像データを取得する画像データ取得部と、第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行う第1投影実行部と、第2投影データを提供するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、前記画像データの他の部分についての第2投影データを行う第2投影実行部と、前記第1投影データと前記第2投影データを受け取り、前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを生成し、且つ、前記所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域をそれによってレンダリングするために前記投影データを提供するための投影データ提供部と、を備える。
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える。
【0026】
本発明の一態様によれば、所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行うシステムが開示される。前記システムは、表示装置と、画像データ提供部と、中央演算部と、プログラムを備える記憶装置とを備える。前記プログラムは前記記憶装置に格納され、前記中央演算部によって実行されるように構成されているプログラムであって、遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルを提供するための命令であって、前記投影モデルは、前記視野の少なくとも一部についてのレンダリングを前記投影モデルの前記第2部分を用いて行うようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられ、前記遠いビューは、前記所定の視点での前記透視レンダリング法でレンダリングされ、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の境界に1つの投影ベクトルがあり、前記略同一の投影ベクトルは、投影光線の起点と光線軌道とによって特徴づけら
れる、前記投影モデルを提供するための命令と、
前記画像データ提供部から画像データを取得するための命令と、
第1投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第1部分によって、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影を行うための命令と、第2投影データを生成するために、前記投影モデルの前記第2部分によって、提供された前記画像データの他の部分についての第2投影を行うための命令と、第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを生成するための命令と、生成された前記投影データを前記表示装置に提供するための命令と、を備える。
前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、さらに前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える。
【0027】
ある一つの実施態様によれば、前記システムはさらに出力装置を備える。さらに前記プログラムは生成された前記投影データを前記出力装置に送信するための命令を備える。
【発明の効果】
【0028】
本明細書で開示した方法の効果は、従来の内視鏡の投影を模擬した透視投影の生成を可能にすることであり、前記透視投影は、形状、若しくは検査者の認識、のいずれか1つにおいて最小限の歪みで、内視鏡では隠れて見えなかった領域を有効にレンダリングするものである。
【0029】
本明細書で開示した方法がCTコロノグラフィで用いられるときの効果は、従来の典型的な投影法、又は平坦投影法、展開投影法、若しくは立方体投影法を用いたレンダリングによって生成される大きな歪みや非線形性を防ぎつつ、従来技術に比べて1回の走査の間に検査される結腸粘膜の量が増えることである。
【0030】
本明細書で開示した方法の他の効果は、線形の半径方向の歪みを人間の知覚に合わせることができることである。
【0031】
本発明の理解を容易にするために、添付した図面中の例を用いて本発明の実施態様を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1A,B及びCは、先行技術文献から引用した図面である。
【
図2A】所定の視点でレンダリングを行う方法の第一の実施形態を示すフローチャートである。
【
図2B】所定の視点でレンダリングを行う方法の第二の実施形態を示すフローチャートである。
【
図5】第1部分及び第2部分を備える投影モデルの斜視図であり、ここでは、前記第1部分が半球投影モデルを備え、前記第2部分が円筒投影モデルを備える。
【
図6】
図6Aは、楕円投影モデルと半球投影モデルの側面図である。一方
図6Bは、楕円投影モデルに半球投影モデルを重ねたモデルの側面図である。
【
図7】半球投影モデルを備える第1部分、及び円筒投影モデルを備える第2部分、を備える投影モデルの第1実施態様、並びに楕円投影モデルを備える第1部分、及び湾曲円筒投影モデルを備える第2部分、を備え、点線で示されている投影モデルの第2実施態様の側面図である。
【
図8A】半球投影モデルを備える第1部分、及び円筒投影モデルを備える第2部分、を備える投影モデルの実施態様の側面図、並びに画像平面にて前記投影モデルを用いて生成された対応する投影画像を示している。
【
図8B】従来技術の投影モデルを用いて生成された投影画像の例を示すスクリーンショットである。
【
図8C】
図8Aで開示した投影モデルを用いて生成された投影画像の例を示すスクリーンショットである。
【
図9A】直腸から盲腸までのフライスルーの間に生成された画像であって、本明細書で開示した方法の実施態様に従って生成された画像のスクリーンショットである。
【
図9B】直腸から盲腸までのフライスルーの間に生成された画像であって、従来の透視レンダリング法によって生成された画像のスクリーンショットである。
【
図9C】盲腸から直腸までのフライスルーの間に生成された画像であって、本明細書で開示した方法の実施態様に従って生成された画像のスクリーンショットである。
【
図9D】盲腸から直腸までのフライスルーの間に生成された画像であって、従来の透視レンダリング法によって生成される画像のスクリーンショットである。
【
図9E】さらなる検査のために観察者がクリックした場所にある病変を透視レンダリングして、画面の一部に組み込んだ画像のスクリーンショットである。
【
図9F】その通常のフライスルー軌道とは異なる位置に手動で3Dカメラを回転させることによって従来の透視レンダリング法の画像上で病変を示すスクリーンショットである。
【
図10A】所定の視点でレンダリングを行うシステムの第1実施態様を示すブロック図である。
【
図10B】所定の視点でレンダリングを行うシステムの第2実施態様を示すブロック図である。
【
図11】半球投影モデルと円筒投影モデルを含んでいる投影モデルの特定の場合の投影ベクトルを示す図である。前記投影モデルの移行
部に2本の略同一のベクトルを示している。
【
図12】本発明のある一態様を示す図であり、ここでの投影モデルの一部は遠いビュー(far view)用の45度の視野(FOV)を有することを特徴とする半球投影モデルであり、他の部分は近いビュー(near view)用の90度の視野を有することを特徴とする円筒投影モデルである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の実施態様の説明において、添付図面についての言及は、それによって本発明が実施される可能性がある一例を表すためのものである。開示された本発明の範囲から外れることなく、他の実施態様が作られる可能性があることを理解されよう。
【0034】
ここで、
図2Aを参照すると、所定の視点での透視レンダリングに対しては隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法の第1実施態様が示されている。
【0035】
本明細書で開示される前記方法は、CTコロノグラフィとの関連で用いられるとき、従来の典型的な投影法、又は平坦投影法、展開投影法、若しくは立方体投影法を用いたレンダリングに起因する大きな歪みや非線形性を防ぎつつ、従来技術に比べて1回の走査の間に検査される結腸粘膜の量を増やすのに特に有用であること、そしてそれが極めて有利であることを理解されよう。
【0036】
より具体的には、処理ステップ202によれば、遠いビューをレンダリングするために用いられる第1部分と近いビューをレンダリングするために用いられる第2部分を備える投影モデルが提供される。ある一つの実施態様において、遠いビューとは従来の透視投影法を用いてもカバーされていた領域として解釈されることが理解されよう。
【0037】
前記視野の内の少なくとも一部は前記投影モデルの前記第2部分を用いてレンダリングされることが理解されよう。さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分の間の移行
部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられることが理解されよう。以下さらに説明するように、このことは大いに有利であることを当業者は理解するだろう。
【0038】
投影ベクトルは2つの要素の組み合わせにより特徴づけられる。その要素とは、
図11に例として図示されているように、レンダリングされるべき対象物に対する投影光線の起点と、その光線軌道である。続けて
図11を参照するに、この図は、半球投影モデルと円筒投影モデルを備える投影モデルについての特定の場合における投影ベクトルを示していることを理解されよう。移行
部に2本の略同一のベクトルを例示している。当業者は実施態様によっては、前記光線軌道が前記投影モデル上の前記起点からの投影と一致しないことを理解するだろう。さらに、前記起点がレイキャスティング法のような最先端の3Dレンダリング技術において用いられる近接平面要素に関連することを当業者は理解するだろう。
【0039】
本明細書の以下の部分でさまざまな実施態様が開示される一方、好ましい実施態様においては、前記投影モデルの前記第1部分は次式によって特徴づけられることが理解されよう。
(半球投影モデル)
【数3】
【0040】
引き続き好ましい実施態様において、前記投影モデルの前記第2部分は次式によって特徴づけられる。
(円筒投影モデル)
【数4】
【0041】
図12は、上記の実施態様において用いられている前記半球投影モデル及び前記円筒投影モデルを例示している。
【0042】
続けて
図2Aを参照すると、処理ステップ204によれば、画像データが取得される。前記画像データはさまざまなソースから取得されることが理解されよう。好ましい実施態様においては、画像データは、X線装置、磁気共鳴撮像(MRI)装置、超音波装置、陽電子放出断層撮影(PET)装置及びそれらの任意の組み合わせからなるグループの中から選択された装置から受け取られる。あるいは、前記画像データはDICOMストレージサーバによって提供されうる。
【0043】
処理ステップ206によれば、前記画像データの少なくとも一部についての第1投影が、前記投影モデルの前記第1部分によって行われる。対応する第1投影データは前記第1投影から生成される。
【0044】
続けて
図2Aを参照するに、処理ステップ208によれば、前記画像データの他の部分についての第2投影が、前記投影モデルの前記第2部分によって行われる。対応する第2投影データは前記第2投影から生成される。
【0045】
処理ステップ210によれば、投影データは前記第1投影データと前記第2投影データを用いて表示される。
【0046】
前記投影データは前記第1投影データと前記第2投影データを備えることが理解されよう。前記第1投影データと前記第2投影データを用いて行う前記投影データの生成においては、前記第1投影データと前記第2投影データのどちらも修正しなくて済む、ということが当業者により理解されよう。このことは従来技術に比べて大いに有利である。なぜならば、データを修正する際に情報を失う危険が減少し、また前記投影データを生成するために必要とされる情報処理リソースの量が抑えられる、すなわち前記第1投影データと前記第2投影データのうち少なくとも1つを修正するための余分な情報処理リソースが不要になるからである。
【0047】
次に、
図2Bを参照すると、所定の視点でレンダリングを行う方法の第2実施態様が示されている。
【0048】
処理ステップ212によれば、画像データが提供される。ある1つの実施態様において、前記画像データを提供するステップは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)サーバから前記画像データを受け取るステップを含む。
【0049】
処理ステップ214によれば、投影モデルの第1部分によって前記画像データの少なくとも一部についての第1投影が行われる。前記投影モデルは、遠いビューのレンダリングに用いられる前記第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備え、前記視野の少なくとも一部が前記投影モデルの前記第2部分を用いてレンダリングされるようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記第2部分との間の移行
部は略同一の投影ベクトルによって特徴づけられる。
【0050】
図2Bに示される実施態様で述べられている前記投影モデルは
図2Aに開示されている前記投影モデルと一致することが、当業者によって理解されよう。
【0051】
処理ステップ216によれば、前記画像データの他の部分についての第2投影が、前記投影モデルの前記第2部分によって行われる。第2投影データはそれに応じて生成される。
【0052】
処理ステップ218によれば、前記第1投影データと前記第2投影データを備える投影データが提供される。
【0053】
ある一つの実施態様において、前記投影データを提供するステップはスクリーン上に前記投影データを表示するステップを含む。
【0054】
他の一つの実施態様において、前記投影データを提供するステップは、前記投影データを格納するステップと前記投影データを離れた場所に送信するステップのうち少なくとも一つを行うことを含む。ある実施態様においては、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分のそれぞれが前記所定の視点から投影視点に向かって延びる軸の周りに軸対称であることが、理解されよう。そこで
図3を参照すると、半球投影モデルの実施態様が示されている。ある実施態様において、前記半球投影モデルは前記投影モデルの第1部分として用いられ、より具体的には、遠いビューのレンダリングに用いられる、ということが理解されよう。
【0055】
図4を参照すると、円筒投影モデルの実施態様が示されている。ある実施態様において、前記円筒投影モデルは投影モデルの第2部分として用いられ、より具体的には、近いビューのレンダリングに用いられる、ということが理解されよう。
【0056】
そこで
図5を参照するに、第1部分と第2部分を備える投影モデルについての他の実施態様についての斜視図が示されている。ここでは、前記半球投影モデルが前記投影モデルの前記第1部分となっており、さらに前記円筒投影モデルが前記投影モデルの前記第2部分となっている。
【0057】
次に、
図6Aを参照するに、ここには楕円投影モデルの楕円面上に位置する各点がその点自身を対応する画像平面上にどのように投影するのかが示されている。半球投影モデルの半球面上に位置する各点がその点自身を前記画像平面上にどのように投影するのかも示されている。
【0058】
楕円投影モデルの実施態様では、前記画像平面、具体的には投影視点に近い投影画像に沿って、より大きな精度と均質性が得られることが、当業者によって理解されよう。臨床的に言うと、大きな病変だけは遠くから見つけられ、より小さい病変は見つけることがより困難であるので、この実施態様が特に医療用途に関連することを当業者は理解するだろう。
【0059】
図6Bは、半球投影モデルを表す半球面上のいくつかの点及び楕円投影モデルを表す楕円面上のいくつかの点における投影ベクトルを示している。
【0060】
次に、
図7を参照すると、投影モデルの第1実施態様と第2実施態様が示されている。
【0061】
前記投影モデルの前記第1実施態様は第1部分と第2部分を備える。前記投影モデルの前記第1部分は半球投影モデルの半球部分を備え、一方前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える。
【0062】
前記投影モデルの前記第2実施態様は点線で示されており、第1部分と第2部分を備える。前記投影モデルの前記第1部分は楕円投影モデルの一部を備え、一方前記投影モデルの前記第2部分は湾曲円筒投影モデルの一部を備える。
図7はさらに、前記投影モデルの前記第1部分と前記第2部分の間の境界における投影ベクトルも示していることが理解されよう。その境界における投影ベクトルは前記投影モデルの前記第1実施態様と前記第2実施態様のそれぞれについて略同一であることが理解されよう。具体的には、前記両投影光線の起点は異なっているが近くにあり、前記投影軌道は略同一である。
【0063】
図8Aを参照すると、第1部分と第2部分を備える投影モデルの実施態様が示されている。前記第1部分は半球投影モデルを備え、一方前記投影モデルの前記第2部分は円筒投影モデルを備える。さらに、前記画像平面における投影モデルの前記投影から得られる結果も示されている。
【0064】
上記のように、前記投影モデルの前記第1部分と前記第2部分の間の移行
部は略同一の投影ベクトルによって特徴づけられる。このことは、前記投影モデルの前記第1部分による投影に対応する画像の部分と前記投影モデルの前記第2部分に対応する画像の部分との間の移行をなめらかで歪みのないものとすることができ、フライスルーを実行するときに大いに有利である。
【0065】
ここで
図8Cを参照すると、
図8Aに開示される前記投影モデルを用いて生成された投影画像の例を表すスクリーンショットが示されている。前記投影画像に包含される領域が、
図8Bに示される従来技術によって生成された投影画像に包含される領域よりもずっと広いことが理解されよう。当業者はさらに、前記投影モデルの前記第1部分による投影に対応するスクリーンショットの部分と前記投影モデルの前記第2部分による投影に対応するスクリーンショットの部分との間の移行がなめらかで歪みのないものであることを理解するだろう。
【0066】
さらに、前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分のそれぞれが前記視点から前記投影視点に向かって延びる軸の周りに軸対称である実施態様において、前記投影画像は半径方向の歪みがなく、そのことは大いに有利であることが理解されよう。半径方向の歪みはその半径方向の位置によって病変の大きさを過大にしたり過小にしたりすることがあり、そのことは特許文献4に表されているように臨床医の仕事を複雑にすることがあるので、当業者はこのことが大いに有利であることを理解するだろう。具体的には、(
図1に)312と412で表されている特許文献4の実施態様は同じ視点でレンダリングしているが、マッピングプロセスに依存して、同じ膨起襞がそれぞれ異なる形状で表され、312では正方形、412では円形で表されている。さらに、(
図1に)例示されている308と306の間の移行
部に近づけば近づくほど、観察者はより大きな歪みを見ることになる。
【0067】
ここで
図9B及びDを参照すると、従来技術の透視レンダリング法によって生成され、直腸から盲腸へのフライスルー又は盲腸から直腸へのフライスルーのどちらか1つから生じた画像が示されている。それらの画像は襞の間にある6mmの大きさの病変を見せることができていない。より具体的には、
図9Bは直腸から盲腸へのフライスルーの間に生成された画像で、一方
図9Dは盲腸から直腸へのフライスルーの間に生成された画像である。
【0068】
図9A,C及びEは、本明細書で開示されている方法によって生成され、直腸から盲腸へのフライスルー又は盲腸から直腸へのフライスルーのどちらか1つから生じた画像を示しており、すべての場合において、6mmの大きさの病変が見つけられていることを示している。より具体的には、
図9Aは直腸から盲腸へのフライスルーの間に生成された画像で、一方
図9Cは盲腸から直腸へのフライスルーの間に生成された画像である。
【0069】
図9Eは、さらなる検査のために観察者がクリックした場所にある病変を透視レンダリングして、画面の一部に組み込んだ図を示している。両透視レンダリング画像が同じようになることが理解されよう。
【0070】
次に、
図10Aを参照すると、所定の視点でレンダリングを行うシステム1000の実施態様が示されている。
【0071】
前記システム1000は、中央演算部(CPU)1002と、表示装置1004と、入力装置1006と、画像データ提供部1008と、データバス1010と、記憶装置1012とを備える。
【0072】
前記中央演算部(CPU)1002、前記表示装置1004、前記入力装置1006、前記画像データ提供部1008及び前記記憶装置1012は、それぞれ前記データバス1010を介して動作可能なように結合されている。
【0073】
前記中央演算部(CPU)1002は、コンピュータ読み取り可能命令を実行するために用いられる。前記中央演算部(CPU)1002の様々な実施態様が提供されうることを当業者は理解するだろう。好ましい実施態様において、前記中央演算部(CPU)1002はワークステーション及びラップトップPCのうちの1つである。
【0074】
前記表示装置1004は、画像を表示するために用いられる。前記表示装置1004の様々な実施態様が提供されうることを当業者は理解するだろう。好ましい実施態様において、前記表示装置1004はPCモニタ又は携帯型装置である。
【0075】
前記入力装置1006は、操作者が前記システム1000とやり取りできるようにするために用いられる。前記入力装置1006の様々な実施態様が提供されうることを当業者は理解するだろう。好ましい実施態様において、前記入力装置1006はマウス及びキーボードである。
【0076】
前記画像データ提供部1008は、前記システム1000に画像データを提供するために用いられる。前記画像データ提供部1008の様々な実施態様が提供されうることを当業者は理解するだろう。好ましい実施態様において、前記画像データ提供部1008は、ハードディスクドライブ(HD)、記憶装置、撮像システムとの通信インターフェース、医療用画像管理システム(PACS)及びCTスキャナからなるグループから選択される。前記画像データ提供部1008は、入力装置と称されることもあることが理解されよう。
【0077】
前記記憶装置1012は、データを格納するために用いられる。前記記憶装置1012の様々な実施態様が提供されうることを当業者は理解するだろう。好ましい実施態様において、前記記憶装置1012は、オペレーティングシステムモジュール1014とレンダリング実行アプリケーション1016を備える。引き続き好ましい実施態様において、前記オペレーティングシステムモジュール1014は、Microsoft(登録商標)が製造しているWindows7(登録商標)である。前記レンダリング実行アプリケーション1016は、画像データ提供部1008から画像データを取得するための命令を備える。前記レンダリング実行アプリケーション1016はさらに、投影モデルの第1部分によって前記画像データの少なくとも一部について第1投影を行うための命令を備える。ここで前記投影モデルは、遠いビューのレンダリングに用いられる前記第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分とを備え、前記視野の少なくとも一部が前記投影モデルの前記第2部分を用いてレンダリングされるようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記第2部分との間の移行
部は略同一の投影ベクトルによって特徴づけられる。前記レンダリング実行アプリケーション1016はさらに、第2投影データを生成するために前記投影モデルの前記第2部分によって前記画像データの他の部分についての第2投影を行うための命令を備える。前記レンダリング実行アプリケーション1016はさらに、前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを生成するための命令を備える。前記レンダリング実行アプリケーション1016はさらに、生成された投影データを前記表示装置に対して提供するための命令を備える。前記レンダリング実行アプリケーション1016は、前記生成された投影データを
図10Aには示されていない出力装置であって、生成された投影データを格納するステップ及び生成された投影データを離れた場所にある処理部に送信するステップのうち少なくとも1つを実行するために用いられうる出力装置に対して送信するための命令をさらに備えうることが理解されよう。
【0078】
次に、
図10Bを参照すると、所定の視点でレンダリングを行うシステム1019についての第2実施態様が示されている。
【0079】
所定の視点でレンダリングを行う前記システム1019は、画像データ提供部1020を備える。前記画像データ提供部1020は、画像データを受け取って提供するために用いられる。
【0080】
所定の視点でレンダリングを行う前記システム1019は、第1投影実行部1022をさらに備える。前記第1投影実行部1022は、前記提供された画像データの少なくとも一部についての投影を投影モデルの第1部分によって行うために用いられる。前記投影モデルは、遠いビューのレンダリングに用いられる前記第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分と備え、前記視野の少なくとも一部が投影モデルの前記第2部分を用いてレンダリングされるようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行
部は略同一の投影ベクトルによって特徴づけられる。さらに前記第1投影実行部1022は、第1投影データを提供するために用いられる。
【0081】
所定の視点でレンダリングを行う前記システム1019は、第2投影実行部1024をさらに備える。前記第2投影実行部1024は、前記提供された画像データの他の部分についての投影を前記投影モデルの前記第2部分によって行うために、及び、第2投影データを提供するために用いられる。
【0082】
所定の視点でレンダリングを行う前記システム1019は、さらに投影データ提供部1026を備える。前記投影データ提供部1026は、前記第1投影データと前記第2投影データを受け取り、前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを生成し、且つこの投影データを提供するために用いられる。
【0083】
また、コンピュータ読み取り可能記憶媒体がコンピュータ実行可能命令を格納するために提供されうることを、理解されよう。当該コンピュータ実行可能命令はそれが実行されるときに、コンピュータ装置に対して、所定の視点での透視レンダリング法では隠れて見えない視野の内の少なくとも一部の領域を前記所定の視点でレンダリングを行う方法を実行させる。前記方法は、遠いビューのレンダリングに用いられる第1部分と近いビューのレンダリングに用いられる第2部分を備える投影モデルであって、前記視野の少なくとも一部が前記投影モデルの前記第2部分を用いてレンダリングされるようになっており、さらに前記投影モデルの前記第1部分と前記投影モデルの前記第2部分との間の移行
部が略同一の投影ベクトルによって特徴づけられる投影モデルを提供するステップと、画像データを取得するステップと、第1投影データを生成するために前記投影モデルの前記第1部分によって前記画像データの少なくとも一部について第1投影を行うステップと、第2投影データを生成するために前記投影モデルの前記第2部分によって前記画像データの他の部分について第2投影を行うステップと、前記第1投影データと前記第2投影データを用いて投影データを表示するステップと、を含む。
【0084】
図面には例示されていないが、ある代替実施態様において、前記視点がカメラ位置と一致しないこともあり、又はカメラ位置が対象物の形状に応じて変わることもあり、あるいは前記視点の方が代わりに所定のカメラ位置に合わせて対象物の形状に応じて変わることもある、ということが理解されよう。
【0085】
本発明はCTコロノグラフィとの関連で用いられると記載してきたが、あらゆるタイプの2次元又は3次元の撮像システムにおいて対象物の内部構造を見る目的で本発明が用いられることを当業者は理解するだろう。特に、仮想内視鏡検査による管腔臓器の検査によく適している。ある代替実施態様において、本明細書で開示された方法は、2次元又は3次元撮像を含む非医療用途に用いることができる。当該応用の1つには、配管の評価及び亀裂の確認が挙げられよう。