特許第6740090号(P6740090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6740090
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】ねじ送り装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/20 20060101AFI20200730BHJP
   F16H 25/24 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   F16H25/20 F
   F16H25/20 B
   F16H25/24 G
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-220335(P2016-220335)
(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公開番号】特開2018-76940(P2018-76940A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 陽介
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−069962(JP,U)
【文献】 特開2011−069449(JP,A)
【文献】 特開平08−090380(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0059503(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/20
F16H 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回転するリードスクリューと、前記リードスクリューに螺合したナットと、前記ナットを回転不能に支持するとともにねじ軸方向に沿う外力によって前記ナットに押圧されるナットホルダーと、前記ナットホルダーを回転させずにねじ軸方向に沿う直進方向へ案内するガイド部材とを備え、
前記ナットと前記ナットホルダーのうち、その一方の部材には、前記リードスクリューを中心側に置いた径方向の両側で他方の部材に押圧されるように一対の押圧突起が設けられ、
前記ナットホルダーは、前記一対の押圧突起の並び方向に交差する径方向の一端側に前記外力を受ける作用点を有することを特徴とするねじ送り装置。
【請求項2】
前記各押圧突起は、外面が凸曲線状の断面を前記並び方向へ連続させた突条であることを特徴とする請求項1記載のねじ送り装置。
【請求項3】
前記ナットホルダーの作用点は、前記一対の押圧突起の並び方向に略直交する直線上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のねじ送り装置。
【請求項4】
前記ガイド部材は軸状に形成され、前記一対の押圧突起の並び方向の端部側で、前記ナットホルダーをねじ軸方向へ貫通していることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のねじ送り装置。
【請求項5】
請求項1〜4何れか1項記載のねじ送り装置を具備したことを特徴とする駆動機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードスクリューの回転によってこのリードスクリューに螺合したナット及びナットホルダーを直進させるようにしたねじ送り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、駆動モータの回転力によって回転するリードスクリューと、このリードスクリューに螺合したナットと、このナットを回転不能に支持するナットホルダーとを備え、前記ナットホルダーにより搬送対象物を、ねじ軸方向に沿う直進方向へ搬送するようにしたものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−203007号公報
【特許文献2】特開2009−255890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のねじ送り装置では、特許文献1及び2に例示するように、ナットホルダーと搬送対象物との接続構造等により、前記ナットホルダーにおける径方向の端部寄りに偏って、外力が作用する場合がある。そして、このような場合には、ナットの中心線がねじ軸方向に対し傾き、該ナットとリードスクリューの摩擦抵抗が著しく増大するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、本発明は以下の構成を具備するものである。
駆動回転するリードスクリューと、前記リードスクリューに螺合したナットと、前記ナットを回転不能に支持するとともにねじ軸方向に沿う外力によって前記ナットに押圧されるナットホルダーと、前記ナットホルダーを回転させずにねじ軸方向に沿う直進方向へ案内するガイド部材とを備え、前記ナットと前記ナットホルダーのうち、その一方の部材には、前記リードスクリューを中心側に置いた径方向の両側で他方の部材に押圧されるように一対の押圧突起が設けられ、前記ナットホルダーは、前記一対の押圧突起の並び方向に交差する径方向の一端側に前記外力を受ける作用点を有することを特徴とするねじ送り装置。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係るねじ送り装置の分解斜視図である。
図2】(a)は、本発明に係るねじ送り装置の斜視図であり、ナット及びケースを2点鎖線で示している。(b)は、同ねじ送り装置のナットを示す斜視図である。
図3】同ねじ送り装置の縦断面図である。
図4】同ねじ送り装置の要部拡大縦断面図である。
図5】ナットホルダーの一例を示す斜視図である。
図6】(a)はナットホルダーの平面図、(b)は(a)におけるb−b線に沿う断面図、(c)は(a)におけるc−c線に沿う断面図である。
図7】本発明に係るねじ送り装置を具備した駆動機器の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。また、以下の説明では、便宜上、ねじ送り装置1の軸方向における出力側を「前」、その逆方向側を「後」と称する場合がある。
【0008】
ねじ送り装置1は、ケース20と、ケース20内の後端側に固定された環状の後側支持部材30と、回転駆動源10の回転力によって駆動回転するリードスクリュー40と、リードスクリュー40に螺合したナット50と、ナット50を回転不能に支持するとともにねじ軸方向に沿う外力によってナット50に押圧されるナットホルダー60と、ケース20の前端側に固定されてリードスクリュー40を回転自在に支持する前側支持部材70と、ナットホルダー60を回転させずにねじ軸方向に沿う直進方向へ案内するガイド部材81を具備し、ケース20の後端部に接続された回転駆動源10の回転力によってリードスクリュー40を回転させて伝動部材90を引っ張る。
【0009】
図示例の回転駆動源10は、DCモータであり、回転軸11と、回転軸11の外周に固定されたロータ(図示せず)と、前記ロータの周囲に設けられたステータ(図示せず)と、前記ステータを内周面に固定した筒状のモータケース12と、モータケース12の前端側の前部カバー13とを具備し、回転軸11を前方へ突出させている(図3参照)。
回転軸11の前端側には、リードスクリュー40の後端部に対し嵌り合って回転力を伝達する係合部11Aが設けられる。この係合部11Aは、図示例によれば、径方向の両側に平行面を有し、これら平行面をリードスクリュー40の後端の溝状の被係合部41Aの内側面に接触させるようにしている。
なお、回転駆動源10は、図示以外の構造の回転駆動源に置換することも可能である。
【0010】
ケース20は、円筒状の本体部21と、該本体部21の後端に設けられた環状の接続部22とを一体に有する。接続部22は、その中央寄りに回転駆動源10の回転軸11を遊挿するとともに、外周寄りに挿通した止着具23(例えばネジやボルト等)によって回転駆動源10の前部カバー13に止着され固定される。
【0011】
後側支持部材30は、リードスクリュー40の後端側を回転自在に支持する軸受部31と、軸受部31の外周側に一体的に固定された環状基部32とを具備している。
【0012】
軸受部31は、前端側に径外方向へ環状に突出する鍔部31Aを有する軸受部材であり、環状基部32に挿入されるとともに鍔部31Aを環状基部32の前端面に接触させて、環状基部32に対し回転不能且つ進退不能に支持される。
【0013】
環状基部32は、その外周部を、ケース20の本体部21内周面に対し、回転不能且つ進退不能に固定している。この固定手段は、例えば、嵌合や、溶接、接着等とすればよい。
【0014】
リードスクリュー40は、回転駆動源10の回転軸11に嵌り合う後側軸部41と、後側軸部41の前端側に接続された鍔部42と、環状鍔部42の前端から前方へ延設された送りネジ部43と、送りネジ部43の前端部から前方へ突出した前側軸部44とを同軸一体状に有している。
【0015】
後側軸部41は、略円柱状に形成され、その後端面に、回転軸11前端の係合部11Aに嵌り合う平行溝状の被係合部41Aを有する。この後側軸部41は、後側支持部材30の軸受部31に挿通されて回転自在に支持される。
鍔部42は、後側軸部41よりも大径の環状に形成され、後端面を軸受部31の前端面に摺接させる。
送りネジ部43は、長尺軸状に形成され、その外周面に台形ネジ状の雄ネジ部を有する。この送りネジ部43の長手方向の途中箇所には、後述するナット50が環状に嵌め合わせられ螺合している。
前側軸部44は、略円柱状に形成され、その外周面が前側支持部材70の軸受部71によって回転自在に支持されている。
【0016】
ナット50は、図示例によれば略矩形筒状に形成され、その外周の角部が凸曲面状に面取りされている。このナット50の内周面には、リードスクリュー40の雄ネジ部に嵌り合うように、台形ネジ状の雌ネジ部が形成されている。
このナット50は、後述するナットホルダー60に回転不能且つ前後移動可能に嵌め合わせられて、ナットホルダー60内の後述する押圧突起62Bに接するとともに、リードスクリュー40に螺合する。
【0017】
ナットホルダー60は、略円筒状の筒部61と、筒部61内後端の底壁部62とを一体に有する断面凹状に形成され(図5参照)、その内部に、ナット50を微小な遊びを有する状態で嵌め合わせている。
【0018】
筒部61は、外周面をケース20の内周面に沿う円筒状に形成し、内周面をナット50の外周面に沿う略矩形筒状に形成している。
この筒部61の外周面には、径方向の両側に、それぞれ、前後方向へ貫通するガイド溝61Aが設けられる。これらガイド溝61A,61Aは、後述する一対の押圧突起62B,62Bの並び方向の両端側に配置される(図5参照)。そして、各ガイド溝61Aは、ガイド部材81に嵌り合って摺接する。
【0019】
また、筒部61の周壁には、一対の押圧突起62B,62Bの並び方向に略直交する径方向の両側に、前後方向へ貫通する係止孔61Bが設けられている(図5及び図6参照)。
係止孔61Bは、内壁面の後部側の段部61B1を境にその後部側を拡径した段付き孔状に形成される。この係止孔61Bの段部61B1には、後述する伝動部材90後端側の係止部92が係止されるようになっている。この段部61B1は、伝動部材90の引っ張り力が作用する作用点を含む。
なお、この係止孔61Bは、図示例によれば、径方向の両側に二つ設けられ、選択的に用いられるようにしているが、その一方を省くことも可能である。
【0020】
底壁部62は、筒部61の後端壁として矩形板状に設けられ、その中心側にリードスクリュー40を遊挿する貫通孔62Aを有し、この貫通孔62Aの中心を通る径方向の両端側に、ナットホルダー60内に嵌り合ったナット50後端面に押圧される一対の押圧突起62B,62Bを有する。
【0021】
一対の押圧突起62B,62Bは、リードスクリュー40を中心にして、軸対象位置に配設される。各押圧突起62Bは、外面が凸曲線状(図示例によれば半円状)の断面を、径方向へ連続させた突条である。
【0022】
また、前側支持部材70は、リードスクリュー40の前側軸部44を挿通する軸受部71と、軸受部71の外周側に一体的に固定された環状基部72とを具備している。
【0023】
軸受部71は、前側軸部44を回転自在に支持する軸受部材であり、その外周部が環状基部72の前端側に嵌め合わせられ、環状基部72に対し回転不能且つ進退不能に支持される。
【0024】
環状基部72は、その外周部を、ケース20の前端側内周面に嵌め合わせ、止着具73(例えば、ネジやボルト等)によって回転不能且つ進退不能に固定されている
この環状基部72の径方向の端部側には、ナットホルダー60の係止孔61Bに対応する位置に、伝動部材90を遊挿する貫通孔72Aが設けられている。この貫通孔72Aは、図示例によれば、径方向の両側に二つ設けられるが、伝動部材90を挿通しない一方の貫通孔72Aを省くことが可能である。
【0025】
ガイド部材81は、後側支持部材30と前側支持部材70の間にわたって固定されており、図示例によれば、径方向の両側の軸対象位置に一対に設けられている(図1及び図2参照)。
各ガイド部材81は、軸状に形成され、ナットホルダー60のガイド溝61Aに対し、摺動可能に嵌め合わせられている。そして、各ガイド部材81の後端部と前端部は、後側支持部材30の環状基部32と、前側支持部材70の環状基部72に、それぞれ嵌合され固定されている。
これらの構成により、一対のガイド部材81,81は、ナットホルダー60を回転させることなく前後方向へ摺動するように保持する。
【0026】
また、伝動部材90は、長尺な可撓性のワイヤー91と、このワイヤー91の一端側に固定された係止部92とから一体に構成される。
係止部92は、ナットホルダー60における係止孔61B内の段部61B1に係止される。この係止部92に接続されたワイヤー91は、係止孔61Bの前部側、及び前側支持部材70の貫通孔72Aに挿通されて、当該ねじ送り装置1の前方へ導かれている。
【0027】
次に上記構成のねじ送り装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
回転駆動源10への通電によりリードスクリュー40をナット50に対するねじ込み方向へ回転させると、ナット50及びナットホルダー60が、ガイド部材81に沿って後退し、伝動部材90を後方へ引っ張る。
この際、ナットホルダー60における係止孔61B内の段部61B1(作用点)には、ねじ軸方向に沿う前方向きの外力が加わる。このため、ナットホルダー60は、径方向に偏った位置で伝動部材90によって前方へ引っ張られるが、ガイド部材81によって傾きが抑制される。そして、この状態において、前記外力は、一対の押圧突起62B,62Bを介してナット50後端面の中心軸に直交する線上に加わる。
したがって、径方向に偏った位置に加わる伝動部材90の張力によりナット50が傾いてナット50とリードスクリュー40間の摩擦抵抗が増大するようなことを防ぎ、ナット50及びナットホルダー60を滑らかに直進運動させることができ、ひいては、動力伝達効率及び耐久性等を向上することができる。
【0028】
また、図7は、上記構成のねじ送り装置1を具備した駆動機器の一例を示している。
この駆動機器100は、ケース110内に、上記構成の回転駆動源10、ねじ送り装置1及び伝動部材90と、伝動部材90によって牽引される可動レンズ120と、可動レンズ120を伝動部材90による牽引方向に対する逆方向へ付勢する付勢部材130(図示例によればコイルスプリング)と、可動レンズ120の光軸上に位置するようにケース110に固定された固定レンズ140と、固定レンズ140及び可動レンズ120を介してケース110外の被写体を撮像する撮像素子150とを具備し、カメラユニットを構成している。
このカメラユニットによれば、上述したねじ送り装置1の構造により、可動レンズ120を滑らかに直進運動させることができる。
【0029】
この他、上記構成のねじ送り装置1は、例えば、携帯情報端末を含む携帯機器や、義手や人口関節、産業用機器、医療用機器、その他の機器に適用することが可能である。
【0030】
なお、上記実施の形態では、押圧突起62Bをナットホルダー60内の底面に設けるようにしたが、他例としては、この押圧突起62Bに換えて、ナット50の後端面に押圧突起を設けた態様とすることも可能である。
【0031】
また、上記実施形態では、特に好ましい態様として、各押圧突起62Bを、ナット50後端面に線接触する突条としたが、押圧突起62Bの他例としては、ナット50後端面に対し点接触又は微小な面積で接触する突起とすることも可能である。
【0032】
また、上記実施形態では、特に好ましい態様として、ガイド部材81を一対の軸状部材としたが、このガイド部材81の他例としては、単数又は3以上の軸状部材とした態様や、ガイド部材81を省きケース20の内周面によってナットホルダー60の外周面を前後方向へ案内する態様、その他の直進ガイド機構を用いた態様等とすることが可能である。
【0033】
また、上記実施形態によれば、ナットホルダー60によって伝動部材90を回転駆動源10側へ引っ張るように構成したが、他例としては、ナット50及びナットホルダー60の前後方向を逆に構成して、伝動部材90を反回転駆動源10側へ引っ張る構成とすることも可能である。
【0034】
また、上記実施形態によれば、外力がワイヤー91を介して作用点(図示例によれば段部61B1)に作用する構成としたが、他例としては、ワイヤー91を省いて、外力が直接的にナットホルダー60の作用点に作用する態様とすることも可能である。
一例としては、ナットホルダー60をナット50に押し付ける弾性部材(例えばバネ等)を備え、前記弾性部材の弾性力(外力)がナットホルダー60の作用点に作用する態様等とすることも可能である。
【0035】
また、上記実施形態によれば、可撓性のワイヤー91を介してナットホルダー60における径方向に偏った位置に前後方向の力が作用するようにしたが、他例としては、ワイヤー91を剛性を有する部材に置換することも可能である。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1:ねじ送り装置 10:回転駆動源
20:ケース 30:後側支持部材
40:リードスクリュー 50:ナット
60:ナットホルダー 61B:係止孔
61B1:段部(作用点) 62B:押圧突起
70:前側支持部材 81:ガイド部材
90:伝動部材 100:駆動機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7