特許第6740102号(P6740102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

特許6740102電子レシート管理装置及びその制御プログラム
<>
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000002
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000003
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000004
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000005
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000006
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000007
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000008
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000009
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000010
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000011
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000012
  • 特許6740102-電子レシート管理装置及びその制御プログラム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6740102
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】電子レシート管理装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20200730BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20200730BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20200730BHJP
【FI】
   G07G1/06 Z
   G07G1/12 341E
   G06Q10/00
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-228823(P2016-228823)
(22)【出願日】2016年11月25日
(65)【公開番号】特開2018-85024(P2018-85024A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】桜井 謙次
(72)【発明者】
【氏名】南部 和哉
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−003741(JP,A)
【文献】 特開2004−171417(JP,A)
【文献】 特開2016−053847(JP,A)
【文献】 特開2005−352641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/14
G06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済された取引の情報を電子化した電子レシートデータをその取引の者を識別する識別情報及び表示状態又は非表示状態のステータス情報と関連付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報を含む閲覧要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータのうち前記ステータス情報が表示状態となっている前記電子レシートデータを閲覧要求元の機器へと出力する第1の出力手段と、
前記識別情報を含む編集要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータを編集要求元の機器へと出力する第2の出力手段と、
前記編集要求元の機器へと出力した前記電子レシートデータの少なくとも一部について前記編集要求元の機器から非表示が指令されると、前記記憶部に記憶されている当該電子レシートデータの前記ステータス情報を非表示状態とする変更手段と、
を具備する電子レシート管理装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記編集要求元の機器へと出力した前記電子レシートデータの少なくとも一部について前記編集要求元の機器から表示が指令されると、前記記憶部に記憶されている当該電子レシートデータの前記ステータス情報を表示状態とする、
請求項1記載の電子レシート管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記電子レシートデータをその取引の決済者に提供される付加情報と関連付けて記憶し、
前記変更手段により前記ステータス情報を非表示状態とした前記電子レシートデータと関連付けられた付加情報が無効になったことを、当該決済者を識別する識別情報を含む閲覧要求に応答して当該閲覧要求元の機器へと通知するように制御する制御手段、
をさらに具備する請求項1記載の電子レシート管理装置。
【請求項4】
前記第2の出力手段は、
前記識別情報を含む編集要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータのリストを前記編集要求元の機器の表示デバイスに表示させる手段と、
前記リストの中から選択された1つの前記電子レシートデータで電子化された取引の情報を、非表示を指定するボタン画像とともに前記表示デバイスに表示させる手段と、
を含み、
前記変更手段は、前記ボタン画像への入力を受け付けたことに応じて、前記表示デバイスに表示されている取引の情報を電子化した電子レシートデータの非表示が指令されたと認識する、
請求項1又は請求項3に記載の電子レシート管理装置。
【請求項5】
前記第2の出力手段は、
前記識別情報を含む編集要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータのリストを前記編集要求元の機器の表示デバイスに表示させる手段と、
前記リストの中から選択された1つの前記電子レシートデータで電子化された取引の情報を、当該電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が表示状態の場合には非表示を指定する第1のボタン画像とともに、非表示状態の場合には表示を指定する第2のボタン画像とともに前記表示デバイスに表示させる手段と、
を含み、
前記変更手段は、前記第1のボタン画像への入力を受け付けた場合には、前記表示デバイスに表示されている取引の情報を電子化した電子レシートデータの非表示が指令されたと認識し、前記第2のボタン画像への入力を受け付けた場合には、前記表示デバイスに表示されている取引の情報を電子化した電子レシートデータの表示が指令されたと認識する、
請求項2に記載の電子レシート管理装置。
【請求項6】
決済された取引の情報を電子化した電子レシートデータをその取引の決済者を識別する識別情報及び表示状態又は非表示状態のステータス情報と関連付けて記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータに、
前記識別情報を含む閲覧要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータのうち前記ステータス情報が表示状態となっている前記電子レシートデータを閲覧要求元の機器へと出力する機能と、
前記識別情報を含む編集要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータを編集要求元の機器へと出力する機能と、
前記編集要求元の機器へと出力した前記電子レシートデータの少なくとも一部について前記編集要求元の機器から非表示が指令されると、前記記憶部に記憶されている当該電子レシートデータの前記ステータス情報を非表示状態とする機能と、
を実現させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子レシート管理装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商取引の決済時に店舗から決済者に渡されるレシートを電子化し、この電子レシートデータを決済者が使用する情報端末にインターネット等を通じて配信するようにしたシステム、いわゆる電子レシートシステムが開発され、実用に供されている。電子レシートシステムは、電子レシートデータを保存するためのデータベースを備える。データベースに保存された電子レシートデータは、そのデータに係る商取引の決済者であれば情報端末を用いて閲覧することができる。
【0003】
ところで、データベースに保存された電子レシートデータは、購買証跡を残す等という意味合いから一定期間以上保存され、容易には削除できない仕組みとなっている。その一方で、例えば店員の操作ミスにより生じた無効なレシートが電子化されてデータベースに保存される場合がある。現状、無効なレシートであっても、電子レシートデータとしてデータベースに保存されたならば情報端末で閲覧可能である。このため、データベースに保存されている電子レシートデータ毎に決済者が使用する情報端末で閲覧可能とするか否かを設定できる仕組みが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015‐072672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、電子レシートデータ毎に情報端末での閲覧を可能とするか否かを設定できる電子レシート管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、電子レシート管理装置は、記憶部と、第1の出力手段と、第2の出力手段と、変更手段と、を備える。記憶部は、決済された取引の情報を電子化した電子レシートデータをその取引の決済者を識別する識別情報及び表示状態又は非表示状態のステータス情報と関連付けて記憶する。第1の出力手段は、前記識別情報を含む閲覧要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータのうち前記ステータス情報が表示状態となっている前記電子レシートデータを閲覧要求元の機器へと出力する。第2の出力手段は、前記識別情報を含む編集要求に応答して、当該識別情報と関連付けられた前記電子レシートデータを編集要求元の機器へと出力する。変更手段は、前記編集要求元の機器へと出力した前記電子レシートデータの少なくとも一部について前記編集要求元の機器から非表示が指令されると、前記記憶部に記憶されている当該電子レシートデータの前記ステータス情報を非表示状態とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】電子レシートシステムの概略構成図。
図2】第1の実施形態において、データベースに保存されるレコードフォーマットの一例を示す模式図。
図3】電子レシートサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図4】第1の実施形態において、情報端末から閲覧要求コマンドを受信した際の電子レシートサーバのCPUの情報処理手順を示す流れ図。
図5】第1の実施形態において、管理者用パソコンから編集開始コマンドを受信した際の電子レシートサーバのCPUの情報処理手順を示す流れ図。
図6】第1の実施形態において、管理者用パソコンから編集開始コマンドを受信した際の電子レシートサーバのCPUの情報処理手順を示す流れ図。
図7】管理者用パソコンの表示デバイスに表示される条件入力画面の一例を示す図。
図8】管理者用パソコンの表示デバイスに表示されるリスト画面の一例を示す図。
図9】管理者用パソコンの表示デバイスに表示されるレシート画面の一例を示す図。
図10】第2の実施形態において、データベースに保存されるレコードフォーマットの一例を示す模式図。
図11】第2の実施形態において、管理者用パソコンから編集開始コマンドを受信した際の電子レシートサーバのCPUの情報処理手順を示す流れ図。
図12】第2の実施形態において、情報端末から閲覧要求コマンドを受信した際の電子レシートサーバのCPUの情報処理手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、電子レシートデータ毎に情報端末での閲覧を可能とするか否かを設定できる電子レシート管理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態では、図1に示す電子レシートシステム100の電子レシートサーバ11を電子レシート管理装置として機能させる。
【0009】
[第1の実施形態]
電子レシートシステム100は、図1に示すように、電子レシート管理システム10と、複数のPOS(Point Of Sales)システム20と、インターネット等の通信網30と、この通信網30に接続された複数の基地局40と、基地局40との間で無線通信が可能な複数の情報端末50と、を含む。電子レシート管理システム10は、電子レシートサービスを統括する電子レシート管理センタに構築される。POSシステム20は、電子レシートサービスに加盟する各店舗に構築される。情報端末50は、電子レシートサービスを受けるために会員登録を行った消費者が使用する。
【0010】
POSシステム20は、複数のPOS端末21とストアサーバ22とをLAN(Local Area Network)等の通信回線23で接続して構成される。POS端末21は、商取引の決済端末として機能する。ストアサーバ22は、各POS端末21で決済された商取引のデータを基に、店舗全体の売上、在庫等を管理する。
【0011】
POS端末21は、決済者である客との商取引の情報を含むレシートデータを生成する。またPOS端末21は、決済者である客電子レシートサービスを受けるために会員登録を行った客である場合、その客に対して発行された会員IDの入力を受け付ける。
【0012】
POSシステム20は、POS端末21において会員IDの入力を受け付けると、その会員IDで識別される消費者を決済者とする商取引のレシートをテキスト化して電子レシートデータとし、その電子レシートデータを会員IDとともに通信網30を介して電子レシート管理システム10に出力する。レシートのテキスト化は、POS端末21が行ってもよいし、ストアサーバ22が行ってもよい。レシートのテキスト化をPOS端末21が行う場合、電子レシートデータはPOS端末21から通信網30を介して電子レシート管理システム10に直接出力されてもよいし、ストアサーバ22を経由して出力されてもよい。レシートのテキスト化をストアサーバ22が行う場合には、電子レシートデータはストアサーバ22から通信網30を介して電子レシート管理システム10に出力される。なお、レシートのテキスト化および電子レシートデータの生成については周知の技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0013】
情報端末50は、少なくとも表示デバイスと、入力デバイスと、無線通信デバイスとを搭載する。また情報端末50は、Webブラウザを実装する。そして電子レシートサービスを受ける消費者は、専用のアプリケーションプログラムである電子レシート閲覧プログラムを情報端末50にインストールする。この電子レシート閲覧プログラムを情報端末50にインストールすることで、会員登録及びレシート画像の閲覧等が可能となる。会員登録を行うことで、情報端末50のメモリに形成された電子レシート閲覧プログラムの管理領域に会員IDが設定される。この種の情報端末50としては、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等の電子機器が使用される。
【0014】
電子レシート管理システム10は、電子レシートサーバ11と管理者用パソコン12とを含む。電子レシートサーバ11と管理者用パソコン12とは、LAN等の通信回線13で接続される。通信回線13は、有線回線であってもよいし無線回線であってもよい。
【0015】
電子レシートサーバ11は、各POSシステム20から出力された電子レシートデータを保存するためのデータベース110を備える。
データベース110に保存されるレコード110Rのフォーマット例を図2に示す。図示するようにレコード110Rは、電子レシートデータ以外に、会員ID、取引日時、データ種別、店舗名、合計金額、取引番号、付加情報、ステータス情報等の情報を含む。
【0016】
会員IDは、電子レシートデータとともにPOSシステム20から送信されてくる。取引日時、データ種別、店舗名、合計金額及び取引番号は、電子レシートデータから得られる。因みに、データ種別は、例えば通常登録のレシートデータをテキスト化したものなのか、返品登録のレシートデータをテキスト化したものなのかを識別する情報である。
【0017】
付加情報も電子レシートデータから検出される。付加情報は、商品メーカまたは店舗等から決済者に提供される取引以外の情報である。例えば決済者が購入した商品がキャンペーン対象商品であり、そのキャンペーンに関連付けられたホームページにリンクするURL等のアクセス情報が電子レシートデータに含まれる場合がある。このようなアクセス情報が付加情報として検出される。付加情報は、必ずしも電子レシートデータに含まれるというものではない。付加情報が電子レシートデータに含まれていない場合、当該電子レシートデータのレコード110Rに付加情報は含まれない。
【0018】
ステータス情報は、該当する電子レシートデータを表示状態とするか非表示状態とするかを特定する情報である。電子レシートサーバ11は、電子レシートデータのレコード110Rをデータベース110に保存する際、そのレコード110Rのステータス情報を表示状態とする。
ここにデータベース110の記憶部は、決済された取引の情報を電子化した電子レシートデータをその取引の決済者を識別する識別情報(会員ID)及び表示状態又は非表示状態のステータス情報と関連付けて記憶する記憶部として機能する。
【0019】
図1に説明を戻す。
管理者用パソコン12は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスと、キーボード、マウス等の入力デバイスと、電子レシートサーバとの通信インターフェースとを少なくとも実装する。予め管理者として設定された特定のユーザ(以下、特定管理者と称する)だけが管理者用パソコン12を介して電子レシートサーバ11へのアクセス権を有する。
【0020】
管理者用パソコン12は、データベース110に保存された電子レシートデータの中から、例えば店員の操作ミスにより生じた無効な電子レシートデータを決済者が閲覧できないように、ステータス情報を表示状態から非表示状態に変更する作業に使用される。また、閲覧不能に設定された電子レシートデータを決済者が閲覧できるように、ステータス情報を非表示状態から表示状態に戻す作業にも使用される。
【0021】
図3は、電子レシートサーバ11の要部回路構成を示すブロック図である。電子レシートサーバ11は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM113、補助記憶デバイス114、インターフェース115及び通信ユニット116等を備える。CPU111と、ROM112、RAM113、補助記憶デバイス114、インターフェース115及び通信ユニット116とは、アドレスバス、データバス等のシステム伝送路117で接続される。
【0022】
電子レシートサーバ11は、CPU111、ROM112、RAM113及び補助記憶デバイス114と、これらを接続するシステム伝送路117とによってコンピュータを構成する。
CPU111は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU111は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、電子レシートサーバ11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0023】
ROM112は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM112は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM112は、CPU111が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0024】
RAM113は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM113は、CPU111が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM113は、CPU111によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0025】
補助記憶デバイス114は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス114は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する場合がある。また補助記憶デバイス114は、CPU111が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU111での処理によって生成されたデータを保存する場合がある。補助記憶デバイス114としては、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等を使用できる。
【0026】
本実施形態において、データベース110は、補助記憶デバイス114に形成される。補助記憶デバイス114にデータベース110を形成することで、この補助記憶デバイス114を含むコンピュータは、データベース110にアクセス可能となる。なお、データベース110は、補助記憶デバイス114以外の記憶装置に形成されてもよい。例えば電子レシートサーバ11に外付けられたHDD等の補助記憶装置にデータベース110を形成してもよい。その場合も、電子レシートサーバ11のコンピュータは、データベース110にアクセス可能であることは言うまでもない。
【0027】
インターフェース115は、管理者用パソコン12と通信回線13を介したデータ通信を行う。
通信ユニット116は、POSシステム20または情報端末50と通信網30を介して所定のプロトコルによりデータ通信を行う。
【0028】
かかる構成において、CPU111は特に、ROM112又は補助記憶デバイス114に記憶されたアプリケーションプログラムの一種である制御プログラムにしたがって、図4乃至図6の流れ図に示す手順の情報処理を実行する。なお、図4乃至図6に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
【0029】
図4は、閲覧要求元の機器である情報端末50から閲覧要求コマンドを受信した際のCPU111の情報処理手順を示す流れ図である。閲覧要求コマンドは、情報端末50のユーザ、すなわち電子レシートサービスを受けるために会員登録を行った消費者の操作により情報端末50から無線送信され、基地局40及び通信網30を介して通信ユニット116で受信される。閲覧要求コマンドには、コマンド送信元の情報端末50に設定されている会員ID、すなわち情報端末50のユーザに対して発行された会員IDが含まれる。
【0030】
閲覧要求コマンドを受信した電子レシートサーバ11のCPU111は、Act1としてRAM113に形成されているレシートリスト領域を初期化する。次いでCPU111は、Act2として閲覧要求コマンドから会員IDを検出する。そしてCPU111は、Act3としてその会員IDでデータベース110を検索する。
【0031】
この検索において、CPU111は、Act4として電子レシートデータに付加された会員IDが閲覧要求コマンドから検出した会員IDと一致するレコード110Rを探す。該当するレコード110Rを検出すると(Act4にてYES)、CPU111は、Act5としてそのレコード110Rのステータス情報を確認する。ここで、ステータス情報が表示状態の場合(Act5にてYES)、CPU111は、Act6としてそのレコード110Rの電子レシートデータを、取引日時、データ種別、店舗名、合計金額、取引番号、付加情報とともにレシートリスト領域に追加する。ステータス情報が非表示状態の場合(Act5にてNO)、CPU111は、Act6の処理を実行しない。
【0032】
CPU111は、Act7としてデータベース110の検索を終了したか否かを判断する。検索を終了していない場合(Act7にてNO)、CPU111は、Act3の処理に戻る。すなわちCPU111は、データベース110の検索を続ける。そして会員IDが一致し、かつステータス情報が表示のレコード110Rを検出する毎に、CPU111は、そのレコード110Rの電子レシートデータを取引日時、データ種別、店舗名、合計金額、取引番号、付加情報とともにレシートリスト領域に追加する処理を繰り返す。
【0033】
データベース110の検索を終了すると(Act7にてYES)、CPU111は、Act8としてレシートリスト領域に記憶されたデータでレシートリストを作成する。レシートリストは、レシートリスト領域に記憶されたデータの取引日時、データ種別、店舗名及び合計金額を一覧にしたものである。なお、レシートリストはこれに限定されるものではない。少なくとも取引日時と店舗名とを一覧にしたものであればよい。
【0034】
レシートリストを作成し終えると、CPU111は、Act9としてそのレシートリストを、閲覧要求コマンド送信元の情報端末50(以下、対象情報端末50と称する)宛に出力するように通信ユニット116を制御する。この制御により、通信ユニット116は、対象情報端末50を宛先とするレシートリストのデータを通信網30に送信する。この送信データ(レシートリストのデータ)は、基地局40を介して対象情報端末50で受信される。
レシートリストのデータを受信した対象情報端末50においては、Webブラウザにより表示デバイスにレシートリストが表示される。そこで対象情報端末50のユーザは、入力デバイスを操作してレシートリストの中から取引内容を確認したいレシートを選択する。無しの場合には、入力デバイスを操作してレシートリストの消去を指令する。
【0035】
レシートリストのデータを出力し終えた電子レシートサーバ11のCPU111は、Act10としてそのレシートリストの中からいずれかのレシートが選択されたか否かを確認する。そしてレシートが選択されていない場合、CPU111は、Act11としてレシートリストの消去が指令されたか否かを確認する。レシートリストの消去が指令されていない場合、CPU111は、Act10の処理に戻り、レシートリストの中からいずれかのレシートが選択されたか否かを確認する。すなわちCPU111は、Act10及びAct11の処理により、レシートリストの中からいずれかのレシートが選択されるか、レシートリストの消去が指令されるのを待ち受ける。
【0036】
通信ユニット116を介して受信した対象情報端末50からの信号によりレシートが選択されたことを確認すると(Act10にてYES)、CPU111は、Act12としてその選択されたレシートの電子レシートデータをレシートリスト領域から検出し、その電子レシートデータに基づいてレシート画像を作成する。そしてCPU111は、Act13としてレシート画像を対象情報端末50宛に出力するように通信ユニット116を制御する。この制御により、通信ユニット116は、対象情報端末50を宛先とするレシート画像データを通信網30に送信する。この送信データ(レシート画像データ)は、基地局40を介して宛先の対象情報端末50で受信され、対象情報端末50の表示デバイスにレシート画像が表示される。
ここにCPU111は、制御プログラムにしたがってAct1乃至Act13の処理を実行することにより、第1の出力手段を構成する。
【0037】
一方、通信ユニット116を介して受信した対象情報端末50からの信号によりレシートリストの消去が指令されたことを確認した場合には(Act11にてYES)、CPU111は、Act14としてその対象情報端末50宛に消去コマンドを出力するように通信ユニット116を制御する。この制御により、通信ユニット116は、対象情報端末50を宛先とする消去コマンドを通信網30に送信する。この送信データ(消去コマンド)は、基地局40を介して宛先の対象情報端末50で受信され、表示デバイスに表示されていたレシートリストが消去される。
消去コマンドの出力を制御したCPU111は、閲覧要求コマンドの受信処理を終了する。
【0038】
図5及び図6は、編集要求元の機器である管理者用パソコン12から編集開始コマンドを受信した際のCPU111の情報処理手順を示す流れ図である。
管理者用パソコン12に対してアクセス権を有する特定管理者は、例えば無効な電子レシートデータのステータス情報を表示状態から非表示状態に変更する作業、あるいはそのステータス情報を非表示状態から表示状態に戻す作業を実施する場合に、管理者用パソコン12にログインする。このログインにより、管理者用パソコン12は、電子レシートサーバ11と通信が可能となる。ここで、特定管理者が管理者用パソコン12の入力デバイスを操作して、上述した作業、いわゆる編集作業の実行開始を指令すると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に編集開始コマンドが送信される。
【0039】
編集開始コマンドを受信した電子レシートサーバ11のCPU111は、Act21として条件入力画面のデータを管理者用パソコン12に出力するようにインターフェース115を制御する。この制御により、管理者用パソコン12の表示デバイスに条件入力画面SC1(図7を参照)が表示される。
【0040】
図7は、条件入力画面SC1の一表示例である。図7に示すように、条件入力画面SC1には、会員IDの入力欄A1と取引期間の開始日および終了日の入力欄A2とが表示される。また、検索ボタンB1及び終了ボタンB2の画像が条件入力画面SC1に表示される。
【0041】
条件入力画面SC1を確認した特定管理者は、管理者用パソコン12の入力デバイスを操作して、編集対象の電子レシートデータを検索する条件を入力する。検索条件は、会員IDと取引期間である。会員IDまたは取引期間だけでもよい。編集対象の電子レシートデータとは、ステータス情報を表示状態から非表示状態に変更する電子レシートデータ、あるいはステータス情報を非表示状態から表示状態に戻す電子レシートデータである。特定管理者は、この編集対象の電子レシートデータに該当する会員IDを、条件入力画面SC1の入力欄A1に入力する。また、この編集対象の電子レシートデータのおおよその取引日時が判明している場合には、その取引日時を含む取引期間の開始日と終了日とを、条件入力画面SC1の入力欄A2に入力する。なお、取引日時が確定している場合には、開始日と終了日とを同じ日付とすればよい。開始日だけあるいは終了日だけの入力も可能である。検索条件を入力し終えたならば、特定管理者は、検索ボタンB1を入力する。なお、検索条件の入力を止める場合には、特定管理者は、終了ボタンB2を入力する。
【0042】
検索ボタンB1が入力されると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に対し、検索要求コマンドが送信される。この検索要求コマンドには、条件入力画面SC1の入力欄A1及び入力欄A2に入力された会員ID及び取引期間のデータが含まれる。一方、終了ボタンB2が入力されると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に対し、検索終了コマンドが送信される。
【0043】
図5に説明を戻す。
条件入力画面SC1の出力を制御した電子レシートサーバ11のCPU111は、Act22として検索要求コマンドが入力されたか否かを確認する。検索要求コマンドが入力されていない場合(Act22にてNO)、CPU111は、Act23として検索終了コマンドが入力されたか否かを確認する。検索終了コマンドが入力されていない場合、CPU111は、Act22の処理に戻る。すなわちCPU111は、Act22及びAct23の処理により、検索要求コマンドが入力されるか検索終了コマンドが入力されるのを待ち受ける。
【0044】
この待ち受け状態において、検索要求コマンドが入力されたことを検知した場合(Act22にてYES)、CPU111は、Act24としてRAM113に形成されているレシートリスト領域を初期化する。次いでCPU111は、Act25として検索要求コマンドに含まれる検索条件、すなわち会員IDと取引期間とを検出する。そしてCPU111は、Act26としてその検索条件でデータベース110を検索する。
【0045】
この検索において、CPU111は、Act27として検索条件を満足する電子レシートデータ、すなわち会員IDが検索条件の会員IDと一致し、かつ取引日時が検索条件の取引期間に含まれるレコード110Rを探す。該当するレコード110Rを検出すると(Act27にてYES)、CPU111は、Act28としてそのレコード110Rの電子レシートデータを、取引日時、データ種別、店舗名、合計金額、取引番号、付加情報、ステータス情報とともにレシートリスト領域に追加する。
【0046】
CPU111は、Act29としてデータベース110の検索を終了したか否かを確認する。検索を終了していない場合(Act29にてNO)、CPU111は、Act26の処理に戻る。すなわちCPU111は、データベース110の検索を続ける。そして検索条件を満足するレコード110Rを検出する毎に、CPU111は、そのレコード110Rの電子レシートデータを取引日時、データ種別、店舗名、合計金額、取引番号、付加情報、ステータス情報とともにレシートリスト領域に追加する処理を繰り返す。
【0047】
データベース110の検索を終了すると(Act29にてYES)、CPU111は、Act30としてレシートリスト領域に記憶されたデータでレシートリストを作成する。レシートリストは、レシートリスト領域に記憶されたデータの取引日時、データ種別、店舗名、付加情報、合計金額、取引番号を一覧にしたものである。なお、レシートリストはこれに限定されるものではない。例えば取引日時、データ種別、店舗名を一覧としたものであってもよい。
【0048】
レシートリストを作成し終えると、CPU111は、Act31としてそのレシートリストを含むリスト画面のデータを管理者用パソコン12に出力するようにインターフェース115を制御する。この制御により、管理者用パソコン12の表示デバイスにリスト画面SC2(図8を参照)が表示される。
【0049】
図8は、リスト画面SC2の一表示例である。図8に示すように、リスト画面SC2には、会員IDの表示領域D1とレシートリストの表示領域D2とが形成される。そして表示領域D1には、条件入力画面SC1の入力欄A1に入力された会員IDが表示される。また、表示領域D2には、Act31の処理で作成されたレシートリストが表示される。なお、レシートリストの付加情報については、付加情報が含まれている電子レシートデータに係る情報が表示されている行に所定のマークMが表示される。また、実行ボタンB3及び戻りボタンB4の画像がリスト画面SC2に表示される。
【0050】
リスト画面SC2を確認した特定管理者は、レシートリストから編集対象の電子レシートデータに係る情報が表示された行を選択し、実行ボタンB3を入力する。なお、編集作業を終える場合には、特定管理者は、戻りボタンB4を入力する。
【0051】
実行ボタンB3が入力されると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に対し、実行コマンドが送信される。この実行コマンドには、レシートリストから選択された行に表示されている情報、いわゆる選択行の情報が含まれる。戻りボタンB4が入力されると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に対し、戻りコマンドが送信される。
【0052】
リスト画面SC2の出力を制御した電子レシートサーバ11のCPU111は、Act32として実行コマンドを受信したか否かを確認する。実行コマンドを受信していない場合(Act32にてNO)、CPU111は、Act33として戻りコマンドを受信したか否かを確認する。戻りコマンドを受信していない場合(Act33にてNO)、CPU111は、Act32の処理に戻る。すなわちCPU111は、Act32及びAct33の処理により、実行コマンドを受信するか戻りコマンドを受信するのを待ち受ける。
【0053】
この待ち受け状態において、実行コマンドを受信したことを検知すると(Act32にてYES)、CPU111は、Act34としてその実行コマンドに含まれる選択行の情報とともにレシートリスト領域に記憶された電子レシートデータ(以下、対象電子レシートデータと称する)を検出する。そしてCPU111は、この対象電子レシートデータに基づいてレシート画像を作成する。
【0054】
レシート画像を作成後、CPU111は、図6のAct35の処理に進む。すなわちCPU111は、対象電子レシートデータに付加されたステータス情報を判別する。ステータス情報が表示状態を示す場合(Act35にてYES)、CPU111は、Act36としてレシート画像を含むレシート画面に非表示ボタンの画像を追加する。これに対し、ステータス情報が非表示状態を示す場合には(Act35にてNO)、CPU111は、Act37としてレシート画像を含むレシート画面に表示ボタンの画像を追加する。
【0055】
Act36又はAct37の処理を終えると、CPU111は、Act38としてレシート画面のデータを管理者用パソコン12に出力するようにインターフェース115を制御する。この制御により、管理者用パソコン12の表示デバイスにレシート画面SC3(図9を参照)が表示される。
【0056】
図9は、レシート画面SC3の一表示例である。図9に示すように、レシート画面SC3には、レシート画像の表示領域D3が形成される。そしてこの表示領域D3に、Act34の処理で作成されたレシート画像が表示される。また、戻りボタンB5の画像と、非表示ボタンB6または表示ボタンB7の画像とがレシート画面SC3に表示される。具体的には、対象電子レシートデータに付加されたステータス情報が表示状態を示していた場合には非表示ボタンB6が表示される。対象電子レシートデータに付加されたステータス情報が非表示状態を示していた場合には表示ボタンB7が表示される。
ここにCPU111は、制御プログラムにしたがってAct21乃至Act38の処理を実行することにより、第2の出力手段を構成する。
【0057】
非表示ボタンB6が表示されているレシート画面SC3を確認した特定管理者は、表示領域D3に表示されているレシート画像を決済者が閲覧できないようにしてよいか否かを判断する。そして閲覧できないようにする場合には、特定管理者は、非表示ボタンB6を入力する。それ以外の場合には、特定管理者は、戻りボタンB5を入力する。
【0058】
同様に、表示ボタンB7が表示されているレシート画面SC3を確認した特定管理者は、表示領域D3に表示されているレシート画像を決済者が閲覧できるようにするか否かを判断する。そして閲覧できるようにする場合には、特定管理者は、表示ボタンB7を入力する。それ以外の場合には、特定管理者は、戻りボタンB5を入力する。
【0059】
非表示ボタンB6又は表示ボタンB7が入力されると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に対し、非表示コマンド又は表示コマンドが送信される。戻りボタンB5が入力されると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に対し、戻りコマンドが送信される。
【0060】
レシート画面SC3の出力を制御した電子レシートサーバ11のCPU111は、Act39として戻りコマンドを受信したか否かを確認する。戻りコマンドを受信していない場合(Act39にてNO)、CPU111は、Act40として非表示コマンドを受信したか否かを確認する。非表示コマンドを受信していない場合(Act40にてNO)、CPU111は、Act41として表示コマンドを受信したか否かを確認する。表示コマンドを受信していない場合(Act41にてNO)、CPU111は、Act39の処理に戻る。すなわちCPU111は、Act39乃至Act41の処理により、戻りコマンドを受信するか、非表示コマンドを受信するか、表示コマンドを受信するのを待ち受ける。
【0061】
この待ち受け状態において、戻りコマンドを受信したことを検知すると(Act39にてYES)、CPU111は、Act31の処理に戻る。すなわちCPU111は、リスト画面のデータを管理者用パソコン12に出力するようにインターフェース115を制御する。この制御により、管理者用パソコン12の表示デバイスにリスト画面SC2が表示される。
【0062】
Act39乃至Act41の待ち受け状態において、非表示コマンドを受信したことを検知した場合には(Act40にてYES)、CPU111は、Act42として、対象電子レシートデータに付加されたステータス情報を表示状態から非表示状態に変更する。またCPU111は、Act43として対象電子レシートデータに付加されたデータ種別にテキストデータ(非表示)を付加する。
【0063】
また、Act39乃至Act41の待ち受け状態において、表示コマンドを受信したことを検知した場合には(Act41にてYES)、CPU111は、Act44として、対象電子レシートデータに付加されたステータス情報を非表示状態から表示状態に変更する。またCPU111は、Act45として対象電子レシートデータに付加されたデータ種別からテキストデータ(非表示)を削除する。
【0064】
Act43またはAct45の処理を終了すると、CPU111は、Act31の処理に戻る。すなわちCPU111は、リスト画面のデータを管理者用パソコン12に出力するようにインターフェース115を制御する。この制御により、管理者用パソコン12の表示デバイスにリスト画面SC2が再度表示される。
ここに、CPU111は、制御プログラムにしたがってAct42又はAct44の処理を実行することにより、変更手段を構成する。
【0065】
リスト画面SC2の出力を制御した電子レシートサーバ11のCPU111は、Act32及びAct33の待ち受け状態となる。この待ち受け状態において、戻りコマンドを受信した場合(Act33にてYES)、CPU111は、Act21の処理に戻る。すなわちCPU111は、条件入力画面のデータを管理者用パソコン12に出力するようにインターフェース115を制御する。この制御により、管理者用パソコン12の表示デバイスに条件入力画面SC1が表示される。
【0066】
条件入力画面SC1の出力を制御した電子レシートサーバ11のCPU111は、Act22及びAct23の待ち受け状態となる。この待ち受け状態において、検索終了コマンドを受信した場合(Act23にてYES)、CPU111は、Act46として消去コマンドを管理者用パソコン12に出力するようにインターフェース115を制御する。この制御により、管理者用パソコン12の表示デバイスに表示されていた条件入力画面SC1が消去される。
以上で、CPU111は、編集開始コマンドを受信した際の情報処理を終了する。
【0067】
このように本実施形態では、POS端末21において決済された取引の情報を電子化した電子レシートデータを、その取引の決済者を識別する会員ID及び表示状態または非表示状態のステータス情報等と関連付けてデータベース110に記憶している。そして、情報端末50から電子レシートサーバ11に会員IDを含む閲覧要求コマンドが送信されると、電子レシートサーバ11は、データベース110から当該会員IDが関連付けられ、かつ、ステータス情報が表示状態の電子レシートデータを検出する。データベース110から検出された電子レシートデータは、閲覧要求コマンド送信元の情報端末50にて閲覧可能である。
【0068】
一方、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に、検索条件としての会員ID及び取引期間を含む検索要求コマンドが送信されると、電子レシートサーバ11は、データベース110から当該会員IDが関連付けられ、かつ、取引日時が取引期間内の電子レシートデータを検出する。このときは、ステータス情報が表示状態の電子レシートデータだけでなく、非表示状態の電子レシートデータも検出される。そして、管理者用パソコン12の表示デバイスには、検出された電子レシートデータに係る情報を一覧にしたレシートリストを含むリスト画面SC2が表示される。
【0069】
ここで、管理者用パソコン12のアクセス権を有する特定管理者が、レシートリストから編集対象の電子レシートデータに係る情報が表示された行を選択し、実行ボタンB3を入力すると、編集対象の電子レシートデータから生成されるレシート画像を含むレシート画面SC3が表示される。このとき、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が表示状態であると、レシート画面SC3には非表示ボタンB6の画像が表示される。逆に、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が非表示状態であると、レシート画面SC3には表示ボタンB7の画像が表示される。
【0070】
因みに、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が非表示状態である場合、リスト画面SC2の当該電子レシートデータに係る情報のデータ種別にテキストデータ(非表示)が表示される。したがって、特定管理者は、ステータス情報が非表示状態の電子レシートデータと表示状態の電子レシートデータとを容易に見分けることができる。
【0071】
さて、レシート画面SC3に非表示ボタンB6の画像が表示された状態において、特定管理者が非表示ボタンB6を入力すると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に非表示コマンドが送信される。レシート画面SC3に非表示ボタンB6の画像が表示される条件は、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が表示状態のときである。電子レシートサーバ11は、管理者用パソコン12から非表示コマンドを受信すると、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報を表示状態から非表示状態に変更する。ステータス情報が表示状態から非表示状態に変更された電子レシートデータは、以後、情報端末50で閲覧することができない。
【0072】
例えば、店員の操作ミスにより生じた無効なレシートが電子化されてデータベースに保存された場合、特定管理者は、管理者用パソコン12上でその無効なレシートを電子化した電子レシートデータを特定する。そして特定管理者は、この電子レシートデータのレシート画像が表示されたレシート画面SC3の非表示ボタンB6を入力する。以上の作業を特定管理者が行うことにより、決済者が当該電子レシートデータを情報端末50で閲覧するのを防ぐことができる。
【0073】
同様に、レシート画面SC3に表示ボタンB7の画像が表示された状態において、特定管理者が表示ボタンB7を入力すると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に表示コマンドが送信される。レシート画面SC3に表示ボタンB7の画像が表示される条件は、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が非表示状態のときである。電子レシートサーバ11は、管理者用パソコン12から表示コマンドを受信すると、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報を非表示状態から表示状態に変更する。ステータス情報が非表示状態から表示状態に変更された電子レシートデータは、情報端末50で閲覧することができる。
【0074】
例えば、ステータス情報を非表示状態として一旦は情報端末50にて閲覧不能とした電子レシートデータを再度閲覧可能とする必要が生じた場合、特定管理者は、管理者用パソコン12上でその電子レシートデータを特定する。そして特定管理者は、この電子レシートデータのレシート画像が表示されたレシート画面SC3の表示ボタンB7を入力する。以上の作業を特定管理者が行うことにより、決済者が情報端末50を介して当該電子レシートデータを閲覧できるようになる。
【0075】
このように本実施形態によれば、特定管理者は、データベース110に保存された電子レシートデータ毎に情報端末50での閲覧を可能とするか否かを容易に設定することができる。
【0076】
ただし、閲覧不能となった電子レシートデータは、データベース110から削除されたわけではない。したがって、閲覧不能となった電子レシートデータも閲覧可能な電子レシートデータと同様に、データベース110のデータを分析する際の対象とすることができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、レシート画面SC3に表示される非表示ボタンB6を入力することで、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報を表示状態から非表示状態に変更することができる。同様に、レシート画面SC3に表示される表示ボタンB7を入力することで、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報を非表示状態から表示状態に変更することができる。そして、非表示ボタンB6が表示されるのは、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が表示状態のときだけであり、表示ボタンB7が表示されるのは、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報が非表示状態のときだけである。したがって、ステータス情報を非表示状態又は表示状態に変更する際の操作が簡単であるうえ、誤操作が起こり得ないので、特定管理者の作業負担を軽減できる。
【0078】
[第2の実施形態]
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、データベース110に保存される電子レシートデータのレコードフォーマットの一部と、編集要求元の機器である管理者用パソコン12から編集開始コマンドを受信した際のCPU111の情報処理手順の一部と、閲覧要求元の機器である情報端末50から閲覧要求コマンドを受信した際のCPU111の情報処理手順の一部である。そこで、第1の実施形態と共通する図(図1図3図5図7図9)はそのまま援用し、説明を省略する。
【0079】
図10は、データベース110に保存されるレコード110R2のフォーマット例である。図示するように、レコード110R2は通知フラグ(通知F)を含む。通知フラグは、当該レコード110R2の電子レシートデータを非表示としたために決済者に付加情報が提供されなくなったことを通知する場合に“1”にセットされる。通知フラグのデフォルトは、非通知を示す情報“0”である。
【0080】
図11は、第2の実施形態において、管理者用パソコン12から編集開始コマンドを受信した際のCPU111のAct35以降の情報処理手順を示す流れ図である。なお、図6と共通する部分には同一の符号を付している。すなわちAct35乃至Act45の各処理は第1の実施形態と共通である。
【0081】
第2の実施形態では、Act39乃至Act41の待ち受け状態において、非表示コマンドを受信したことを検知した場合(Act40にてYES)、CPU111は、Act51として対象電子レシートデータに付加情報が付加されているか否かを確認する。付加情報が付加されていない場合(Act51にてNO)、CPU111は、Act42の処理に進む。
【0082】
付加情報が付加されている場合には(Act51にてYES)、CPU111は、Act52として対象電子レシートデータに関連づけられた通知フラグを、通知を示す情報“1”とする。その後、CPU111は、Act42の処理に進む。
【0083】
図12は、第2の実施形態において、情報端末50から閲覧要求コマンドを受信した際のCPU111の情報処理手順を示す流れ図である。なお、図4と共通する部分には同一の符号を付している。すなわちAct1乃至Act7及びAct9の各処理は第1の実施形態と共通である。また図示しないが、Act9以降のAct10〜Act14の処理も第1の実施形態と同様である。
【0084】
第2の実施形態では、Act5においてレコード110R2のステータス情報が表示状態の場合(Act5にてYES)、CPU111は、Act61として当該レコード110R2の通知フラグを調べる。そして通知フラグが通知を示す情報“1”であった場合(Act61にてYES)、CPU111は、Act62としてレシートリスト領域に所定の通知メッセージをセットする。またCPU111は、Act63として当該レコード110R2の通知フラグを、非通知を示す情報“0”にリセットする。その後、CPU111は、Act6の処理に進む。
【0085】
これに対し、当該レコード110R2の通知フラグが非通知を示す情報“0”であった場合には(Act61にてNO)、CPU111は、Act62及びAct63の処理を実行せずに、Act6の処理に進む。
【0086】
因みに、通知メッセージは、ステータス情報が非表示状態となった電子レシートデータと関連付けられた付加情報が決済者に提供されなくなったことを、当該決済者に通知するものである。例えば付加情報が、キャンペーンに関連付けられたホームページにリンクするURL等のアクセス情報であった場合、通知メッセージとしては、「無効となったキャンペーンがあります」等が考えられる。
【0087】
第2の実施形態では、データベース110の検索を終了すると(Act7にてYES)、CPU111は、Act64としてレシートリスト領域に記憶されたデータでレシートリストを作成する。このとき、レシートリスト領域に通知メッセージがセットされていた場合、CPU111は、レシートリストに通知メッセージを含ませる。その後、CPU111は、Act9の処理に進む。
【0088】
ここに、CPU111は、制御プログラムにしたがってAct61、Act62及びAct64の処理を実行することにより、制御手段を構成する。
【0089】
このように第2の実施形態では、レシート画面SC3に非表示ボタンB6の画像が表示された状態において、特定管理者が非表示ボタンB6を入力すると、管理者用パソコン12から電子レシートサーバ11に非表示コマンドが送信される。この非表示コマンドにより、電子レシートサーバ11は、編集対象の電子レシートデータに関連付けられたステータス情報を表示状態から非表示状態に変更する。また、当該電子レシートデータに付加情報が関連付けられていた場合には、当該電子レシートデータに関連付けられた通知フラグを、通知を示す情報“1”とする。
【0090】
一方、情報端末50から電子レシートサーバ11に会員IDを含む閲覧要求コマンドが送信されると、電子レシートサーバ11は、データベース110から当該会員IDが関連付けられ、かつ、ステータス情報が表示状態の電子レシートデータを検出してレシートリスト領域に追加する。このとき、電子レシートデータに関連付けられた通知フラグが通知を示す情報“1”であると、電子レシートサーバ11は、レシートリスト領域に所定の通知メッセージをセットする。この通知メッセージは、レシートリストともに閲覧要求コマンド送信元の情報端末50にて閲覧可能である。
【0091】
したがって、例えば付加情報が、キャンペーンに関連付けられたホームページにリンクするURL等のアクセス情報であった場合、通知メッセージとして、「キャンペーンが無効になりました」を予め用意しておく。そうすることにより、無効な電子レシートデータを情報端末50で閲覧不能としたことでキャンペーンに参加できなくなったことを決済者に知らせることができる。
【0092】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるではない。
例えば前記実施形態では、条件入力画面SC1で入力する検索条件を会員IDと取引期間としたが、検索条件はこれに限定されるものではない。例えば店舗名を検索条件に含めてもよい。
【0093】
また前記実施形態では、通知メッセージを1種類としたが、付加情報の種類に応じて通知メッセージの内容を異ならせてもよい。また、レシート画面SC3で非表示ボタンB6が入力された場合に、通知メッセージを出力するか否かを特定管理者に選択させるようにしてもよい。
【0094】
なお、電子レシートサーバ11の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROM112又は補助記憶デバイス114に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0095】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
10…電子レシート管理システム、11…電子レシートサーバ、12…管理者用パソコン、20…POSシステム、30…通信網、40…基地局、50…情報端末、110…データベース、111…CPU、112…ROM、113…RAM、114…補助記憶デバイス、115…インターフェース、116…通信ユニット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12