特許第6740108号(P6740108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6740108
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20200730BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20200730BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20200730BHJP
   H01L 29/786 20060101ALN20200730BHJP
【FI】
   G09F9/30 338
   G02F1/1343
   G02F1/1368
   !H01L29/78 612B
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-233427(P2016-233427)
(22)【出願日】2016年11月30日
(65)【公開番号】特開2018-91936(P2018-91936A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 真人
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0035284(US,A1)
【文献】 特開2016−057344(JP,A)
【文献】 特開2009−134246(JP,A)
【文献】 特開2009−122636(JP,A)
【文献】 特開2009−186737(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/062575(WO,A1)
【文献】 特開2008−292995(JP,A)
【文献】 特開2015−148722(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/105700(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0082883(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
H01L 27/32
29/786
51/50
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1長辺を有する第1基板と、
表示領域及び非表示領域に亘って延出した、第1走査線及び第2走査線と、
前記非表示領域において前記第1走査線と交差するa個の第1半導体層と、
前記非表示領域において前記第2走査線と交差するb個の第2半導体層と、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層と、前記第1走査線及び前記第2走査線との間に配置される絶縁膜と、
前記第1走査線と接続された第1シフトレジスタ及び前記第2走査線と接続された第2シフトレジスタを備えた走査線駆動回路と、を備え、
前記表示領域は、前記第1長辺と平行な第1直線部と、前記第1直線部に繋がった第1ラウンド部と、第2ラウンド部と、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に繋がった第2直線部と、を備え、
前記第1走査線及び前記第2走査線は、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に交差し、
前記第1シフトレジスタ及び前記第2シフトレジスタは、前記第1長辺と前記第1ラウンド部との間の前記非表示領域に位置し、前記第1長辺と平行な直線上に並び、
前記第1走査線は前記非表示領域において第1配線長を有し、
前記第2走査線は前記非表示領域において前記第1配線長とは異なる第2配線長を有し、
a及びbは、2以上の整数であり、aはbとは異なり、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、いずれも前記絶縁膜で全体が覆われている、表示装置。
【請求項2】
前記第2配線長は前記第1配線長より長く、
bはaより大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
さらに、前記表示領域において前記第1走査線と交差するc個の第3半導体層と、
前記表示領域において前記第2走査線と交差するd個の第4半導体層と、を備え、
前記第1走査線は前記表示領域において第3配線長を有し、
前記第2走査線は前記表示領域において前記第3配線長とは異なる第4配線長を有し、
c及びdは、2以上の整数であり、cはdとは異なる、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3配線長は前記第4配線長より長く、
cはdより大きい、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1乃至第4半導体層は、いずれの多結晶シリコンによって形成されている、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1半導体層は、前記第3半導体層と同一形状である、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
a個の前記第1半導体層の少なくとも1個は、前記第3半導体層とは異なる向きに配置されている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
a個の前記第1半導体層の少なくとも1個は、前記第3半導体層とは異なる形状である、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記非表示領域は、第1領域と、前記第1領域と隣り合う第2領域とを有し、
前記第1領域及び前記表示領域は隣り合い、前記第2領域は前記第1領域よりも前記表示領域から離間し、
前記第1走査線及び前記第2走査線は、前記第1領域において第1間隔をおいて配置され、前記第2領域において前記第1間隔より小さい第2間隔をおいて配置され、
前記第2領域においては、前記第1半導体層及び前記第2半導体層のいずれも配置されていない、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1走査線及び前記第2走査線は、それぞれ第1方向に延出し、前記第1方向と交差する第2方向に並び、
さらに、前記第2領域において前記第1走査線と交差し、前記第2方向において前記第1半導体層より小さい幅を有する第5半導体層と、
前記第2領域において前記第2走査線と交差し、前記第2方向において前記第2半導体層より小さい幅を有する第6半導体層と、を備える請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
さらに、前記第1直線部に交差する第3走査線を備え、
前記走査線駆動回路は、前記第3走査線と接続された第3シフトレジスタを備え、
前記第3シフトレジスタは、前記第1長辺と前記第1直線部との間の前記非表示領域に位置し、
前記第1乃至第3シフトレジスタは、前記第1長辺と平行な直線上に並んでいる、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
第1長辺を有する第1基板と、
表示領域及び非表示領域に亘って延出した第1走査線及び第2走査線と、
前記非表示領域において前記第1走査線と交差するa個の第1半導体層と、
前記非表示領域において前記第2走査線と交差するb個の第2半導体層と、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層と、前記第1走査線及び前記第2走査線との間の絶縁膜と、
前記第1走査線と接続された第1シフトレジスタ及び前記第2走査線と接続された第2シフトレジスタを備えた走査線駆動回路と、を備え、
前記表示領域は、前記第1長辺と平行な第1直線部と、前記第1直線部に繋がった第1ラウンド部と、第2ラウンド部と、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に繋がった第2直線部と、を備え、
前記第1走査線及び前記第2走査線は、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に交差し、
前記第2走査線は、前記第1走査線と前記第2直線部との間に位置し、
前記第1シフトレジスタ及び前記第2シフトレジスタは、前記第1長辺と前記第1ラウンド部との間の前記非表示領域に位置し、前記第1長辺と平行な直線上に並び、
a及びbは2以上の整数であり、bはaより大きく、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、いずれも前記絶縁膜で全体が覆われている、表示装置。
【請求項13】
さらに、前記表示領域において前記第1走査線と交差するc個の第3半導体層と、
前記表示領域において前記第2走査線と交差するd個の第4半導体層と、を備え、
c及びdは2以上の整数であり、cはdより大きい、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
第1長辺を有する第1基板と、
表示領域及び非表示領域に亘って延出した、第1走査線及び第2走査線と、
前記非表示領域において前記第1走査線と交差するa個の第1半導体層と、
前記非表示領域において前記第2走査線と交差するb個の第2半導体層と、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層を覆う絶縁膜と、
前記第1走査線と接続された第1シフトレジスタ及び前記第2走査線と接続された第2シフトレジスタを備えた走査線駆動回路と、を備え、
前記表示領域は、前記第1長辺と平行な第1直線部と、前記第1直線部に繋がった第1ラウンド部と、第2ラウンド部と、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に繋がった第2直線部と、を備え、
前記第1走査線及び前記第2走査線は、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に交差し、
前記第1シフトレジスタ及び前記第2シフトレジスタは、前記第1長辺と前記第1ラウンド部との間の前記非表示領域に位置し、前記第1長辺と平行な直線上に並び、
前記第1走査線と前記第2走査線は前記絶縁膜上に形成され、
aはbとは異なり、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、いずれも前記絶縁膜で全体が覆われている、表示装置。
【請求項15】
aは0以上の整数であり、bは1以上の整数である、請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置における静電気放電(ESD)による破壊は、製造歩留りの低下を招く。このため、種々の静電気対策が提案されている。一例では、表示領域の外側にダミー画素を配置し、ダミー画素において、走査線と交差するダミー半導体層を設ける技術が提案されている。
一方、近年では、表示領域の形状がラウンド部を有する表示装置が提案されている。このようなラウンド部では、表示領域から走査線駆動回路までの走査線の配線長が長くなり、ESDに対する耐性が低下することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−57344号公報
【特許文献2】国際公開第2007/105700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、製造歩留りの低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、
表示領域及び非表示領域に亘って延出した、第1走査線及び第2走査線と、前記非表示領域において前記第1走査線と交差するa個の第1半導体層と、前記非表示領域において前記第2走査線と交差するb個の第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層と、前記第1走査線及び前記第2走査線との間に配置される絶縁膜と、を備え、前記第1走査線は前記非表示領域において第1配線長を有し、前記第2走査線は前記非表示領域において前記第1配線長とは異なる第2配線長を有し、a及びbは、2以上の整数であり、aはbとは異なり、前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、いずれも前記絶縁膜で全体が覆われている、表示装置が提供される。
【0006】
一実施形態によれば、
表示領域及び非表示領域に亘って延出した第1走査線及び第2走査線と、前記非表示領域において前記第1走査線と交差するa個の第1半導体層と、前記非表示領域において前記第2走査線と交差するb個の第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層と、前記第1走査線及び前記第2走査線との間の絶縁膜と、を備え、前記表示領域は、第1ラウンド部と、第2ラウンド部と、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に繋がった直線部と、を備え、前記第1走査線及び前記第2走査線は、前記第1ラウンド部及び前記第2ラウンド部に交差し、前記第2走査線は、前記第1走査線と前記直線部との間に位置し、a及びbは2以上の整数であり、bはaより大きく、前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、いずれも前記絶縁膜で全体が覆われている、表示装置が提供される。
一実施形態によれば、
表示領域及び非表示領域に亘って延出した、第1走査線及び第2走査線と、前記非表示領域において前記第1走査線と交差するa個の第1半導体層と、前記非表示領域において前記第2走査線と交差するb個の第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層を覆う絶縁膜と、を備え、前記第1走査線と前記第2走査線は前記絶縁膜上に形成され、aはbとは異なり、前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、いずれも前記絶縁膜で全体が覆われている、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態の表示装置DSPの外観を示す平面図である。
図2図2は、図1に示した表示パネルPNLに信号源が実装された一構成例を示す平面図である。
図3図3は、図1に示した表示パネルPNLの基本構成及び等価回路を示す図である。
図4図4は、図1に示した第1基板SUB1を第2基板SUB2の側から見たときの画素PXの一構成例を示す平面図である。
図5図5は、画素PXに配置される画素電極PEの一構成例を示す平面図である。
図6図6は、図4のC−D線で切断した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。
図7図7は、図1に示したラウンド部R3及びR13を含む領域を拡大した第1基板SUB1の平面図である。
図8図8は、図7に示したラウンド部R3及びその反対側のラウンド部R4を含む領域を拡大した平面図である。
図9図9は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
図10図10は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
図11図11は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
図12図12は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
図13図13は、図1に示した第1基板SUB1を第2基板SUB2の側から見たときの画素PXの他の構成例を示す平面図である。
図14図14は、画素PXに配置される画素電極PEの他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの外観を示す平面図である。ここでは、互いに交差する第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX−Y平面における表示装置DSPの平面図を示している。図中の第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で互いに交差していても良い。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置からX−Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0010】
本実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。
【0011】
表示装置DSPは、表示パネルPNLなどを備えている。表示パネルPNLは、例えば、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層(後述する液晶層LC)と、を備えている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1に対向している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。非表示領域NDAは、ICチップやフレキシブルプリント回路基板などの信号源が実装される実装領域MAを含んでいる。
【0012】
表示パネルPNLの外観に着目すると、第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した一対の短辺SS11及びSS12と、第2方向Yに沿って延出した一対の長辺LS11及びLS12と、4つのラウンド部R11乃至R14と、を有している。第2基板SUB2は、短辺SS11と重なる短辺SS21と、長辺LS11及びLS12とそれぞれ重なる長辺LS21及びLS22と、ラウンド部R11及びR12とそれぞれ重なるラウンド部R21及びR22と、ラウンド部R23及びR24と、短辺SS22と、を有している。短辺SS22は、短辺SS12とは重なっていない。より詳細には、ラウンド部R23は短辺SS22と長辺LS21とをつなぎ、ラウンド部R24は短辺SS22と長辺LS22とをつなぎ、ラウンド部R23はラウンド部R13と一部重なるように湾曲し、ラウンド部R24はラウンド部R14と一部重なるように湾曲している。実装領域MAは、第1基板SUB1において短辺SS12と短辺SS22との間に位置している。
表示領域DAは、第1方向Xに沿って延出した一対の短辺SS1及びSS2と、第2方向Yに沿って延出した一対の長辺LS1及びLS2と、4つのラウンド部R1乃至R4と、を有している。短辺SS1及びSS2、及び、長辺LS1及びLS2は、隣り合うラウンド部を繋ぐ直線部に相当する。より詳細には、表示領域DAの境界を示すラウンド部Rと、第1基板SUB1及び第2基板SUB2のラウンド部Rを、それぞれ定義する曲率半径は対応するラウンド部Rでそれぞれ一致しても良いし、それぞれ異なった曲率半径であってもよい。
また、実装領域MAの幅、すなわち短辺SS12と短辺SS22との第2方向Yに沿った間隔は、非表示領域NDAの長辺側の幅、すなわち長辺LS1と長辺LS11との第1方向Xに沿った間隔(あるいは長辺LS2と長辺LS12との間隔)と比較して同程度もしくはそれ以下の幅となっている。また、非表示領域NDAの短辺側の幅、ここでは、短辺SS1と短辺SS11との第2方向Yに沿った間隔は、非表示領域NDAの長辺側の幅と同等である。
【0013】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであっても良い。
【0014】
図2は、図1に示した表示パネルPNLに信号源が実装された一構成例を示す平面図である。
図示した例では、表示装置DSPは、表示パネルPNLの実装領域MAに実装されたフレキシブルプリント回路基板Fと、フレキシブルプリント回路基板Fに実装されたICチップCPと、を備えている。ICチップCPは、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。図中において、ICチップCPは一点鎖線で示し、ディスプレイドライバDDは点線で示し、いわゆるCOF(Chip on Film)の構造となっている。ここでのディスプレイドライバDDは、後述する信号線駆動回路SD、走査線駆動回路GD、及び、共通電極駆動回路CDの少なくとも一部を含むものである。なお、図示した例に限らず、ICチップCPは、実装領域MAに実装されている、いわゆるCOG(Chip on Glass)の構造であっても良い。
【0015】
図3は、図1に示した表示パネルPNLの基本構成及び等価回路を示す図であり、図1に示したようなラウンド部Rについては省略している。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、マトリクス状に配置されている。また、表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数本の走査線G(G1〜Gn)、複数本の信号線S(S1〜Sm)、共通電極CEなどを備えている。走査線Gは、各々第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線Sは、各々第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくても良く、それらの一部が屈曲していてもよい。それら一部が屈曲した走査線G及び信号線Sであっても第1方向X及び第2方向Yに延出するものとする。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置されている。
【0016】
走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。共通電極CEは、共通電極駆動回路CDに接続されている。信号線駆動回路SD、走査線駆動回路GD、及び、共通電極駆動回路CDは、非表示領域NDAにおいて、第1基板SUB1上に形成されても良いし、これらの一部或いは全部が図2に示したICチップCPに内蔵されていても良い。一例では、走査線駆動回路GDは、図1に点線で示したように、長辺LS1と長辺LS11との間、及び、長辺LS2と長辺LS12との間に設けられる。但し、各駆動回路のレイアウトは、図示した例に限られるものではない。
【0017】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0018】
なお、表示パネルPNLの詳細な構成については説明を省略するが、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、あるいは、基板主面の法線に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モードでは、画素電極PEが第1基板SUB1に備えられる一方で、共通電極CEが第2基板SUB2に備えられる。また、基板主面に沿った横電界を利用する表示モードでは、画素電極PE及び共通電極CEの双方が第1基板SUB1に備えられている。さらには、表示パネルPNLは、上記の縦電界、横電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応した構成を有していても良い。なお、ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX−Y平面に相当する。
【0019】
図4は、図1に示した第1基板SUB1を第2基板SUB2の側から見たときの画素PXの一構成例を示す平面図である。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示しており、画素電極や共通電極の図示を省略している。
【0020】
第1基板SUB1は、走査線G1及びG2、信号線S1及びS2、スイッチング素子SWなどを備えている。
走査線G1及びG2は、第2方向Yに沿って間隔をおいて配置され、それぞれ第1方向Xに沿って延出している。信号線S1及びS2は、第1方向Xに沿って間隔をおいて配置され、それぞれ第2方向Yに沿って延出している。図示した例では、信号線S1及びS2の一部が屈曲しているが、第2方向Yに沿って直線状に延出していても良い。画素PXは、走査線G1及びG2と信号線S1及びS2とが成すマス目の領域に相当する。なお、画素PXの形状は、図示した例に限らず、第2方向Yに延出した長方形状などであっても良く、適宜に変更することが可能である。
スイッチング素子SWは、走査線G1及び信号線S1と電気的に接続されている。図示した例のスイッチング素子SWは、ダブルゲート構造を有している。スイッチング素子SWは、半導体層SC及び中継電極REを備えている。半導体層SCは、その一部分が信号線S1と重なるように配置され、他の部分が信号線S1及びS2の間に延出し、略U字状に形成されている。半導体層SCは、信号線S1と重なる領域、及び、信号線S1及びS2の間において走査線G1と交差している。走査線G1において、半導体層SCと重畳する領域がそれぞれゲート電極GE1及びGE2として機能する。半導体層SCは、その一端部SCAにおいてコンタクトホールCH1を通じて信号線S1と電気的に接続され、また、その他端部SCBにおいてコンタクトホールCH2を通じて中継電極REと電気的に接続されている。中継電極REは、島状に形成され、信号線S1及びS2の間に配置されている。
【0021】
図5は、画素PXに配置される画素電極PEの一構成例を示す平面図である。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示しており、走査線やスイッチング素子の図示を省略している。
画素電極PEは、信号線S1及びS2の間に配置されている。画素電極PEは、コンタクト部PA及び主電極部PBを備えている。コンタクト部PA及び主電極部PBは、一体的あるいは連続的に形成され、互いに電気的に接続されている。コンタクト部PAは、中継電極REと重畳する位置に配置され、コンタクトホールCH3を通じて中継電極REと電気的に接続されている。主電極部PBは、信号線S1及びS2に沿った形状を有しており、図示した例では、信号線S1と同様に屈曲した2本のスリットPSLを有している。2本のスリットPSLは、間隔をおいて第1方向Xに並び、それぞれ第1方向Xに沿って略同一の幅を有している。なお、画素電極PEの形状は、図示した例に限定されるものではなく、画素PXの形状などに合わせて適宜変更することができる。また、スリットPSLの形状や本数などについても図示した例に限定されない。
共通電極CEは、信号線S1及びS2、及び、図示しない走査線G1に重なっている。画素電極PEは、共通電極CEの上に重なっている。共通電極CEは、中継電極REと重畳する位置に開口部OPを有している。
【0022】
図6は、図4のC−D線で切断した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された例に相当する。
【0023】
第1基板SUB1は、第1絶縁基板10、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第5絶縁膜15、下側遮光層US、半導体層SC、走査線G1、信号線S1、中継電極RE、共通電極CE、画素電極PE、第1配向膜AL1などを備えている。
第1絶縁基板10は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。下側遮光層USは、第1絶縁基板10の上に位置し、第1絶縁膜11によって覆われている。下側遮光層USは、バックライトユニットBLから半導体層SCに向かう光を遮光する。半導体層SCは、第1絶縁膜11の上に位置し、第2絶縁膜12によって覆われている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていても良い。
走査線G1の一部であるゲート電極GE1及びGE2は、第2絶縁膜12の上に位置し、第3絶縁膜13によって覆われている。なお、図示しない走査線G2も、走査線G1と同一層に配置される。走査線G1は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であっても良いし、多層構造であっても良い。なお、下側遮光層USは、ゲート電極GE1及びGE2と対向する位置の半導体層SCの直下に位置していることが望ましい。
信号線S1及び中継電極REは、第3絶縁膜13の上に位置し、第4絶縁膜14によって覆われている。なお、図示しない信号線S2も、信号線S1と同一層に配置される。信号線S1及び中継電極REは、同一材料によって形成され、上記の金属材料等が適用可能である。信号線S1は、第2絶縁膜12及び第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCH1を通じて半導体層SCにコンタクトしている。中継電極REは、第2絶縁膜12及び第3絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCH2を通じて半導体層SCにコンタクトしている。
共通電極CEは、第4絶縁膜14の上に位置し、第5絶縁膜15によって覆われている。画素電極PEは、第5絶縁膜15の上に位置し、第1配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEの一部は、第5絶縁膜15を介して共通電極CEと対向している。共通電極CE及び画素電極PEは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。画素電極PEは、共通電極CEの開口部OPと重畳する位置において、第4絶縁膜14及び第5絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH3を通じて中継電極REにコンタクトしている。
第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、及び、第5絶縁膜15は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁膜であり、単層構造であっても良いし、多層構造であっても良い。第4絶縁膜14は、アクリル樹脂などの有機絶縁膜である。
【0024】
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
第2絶縁基板20は、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、第2絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。遮光層BMは、一例では、図4に示した信号線S1及びS2や走査線G1及びG2やスイッチング素子SWなどの配線部とそれぞれ対向する位置に配置されている。カラーフィルタCFは、画素電極PEと対向する位置に配置され、その一部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFは、例えば、赤色に着色された赤色カラーフィルタ、緑色に着色された緑色カラーフィルタ、青色に着色された青色カラーフィルタなどを含み、他の色あるいは透明あるいは白色のカラーフィルタを更に含んでいても良い。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。一例では、図5に示したように、第1配向膜AL1の配向処理方向AD1は第2方向Yと平行であり、第2配向膜AL2の配向処理方向AD2は配向処理方向AD1と平行であり且つ配向処理方向AD1とは逆向きである。
なお、カラーフィルタCFは、第1基板SUB1に配置されても良い。遮光層BMは、カラーフィルタCFとオーバーコート層OCとの間、あるいは、オーバーコート層OCと第2配向膜AL2との間に配置されても良い。また、遮光層BMを配置する代わりに、異なる色のカラーフィルタを2層以上重ね合せることで透過率を低下させ、遮光層として機能させても良い。また、白色を表示する画素が追加されても良く、白色画素には白色のカラーフィルタを配置しても良いし、無着色の樹脂材料を配置しても良いし、カラーフィルタを配置せずにオーバーコート層OCを配置しても良い。また、モノクロ表示タイプの表示装置においては、カラーフィルタが省略される。
【0025】
上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が対向するように配置されている。図示しないが、スペーサは、樹脂材料によって形成され、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に配置されている。これにより、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に所定のセルギャップが形成される。但し、スペーサとして、セルギャップを形成するメインスペーサの他に、表示パネルPNLに対して外部応力が加わっていない定常状態で一方の基板に接触していないサブスペーサが含まれていても良い。セルギャップは、例えば2〜5μmである。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、所定のセルギャップが形成された状態でシール材によって貼り合わせられている。
【0026】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを含んでいる。このような液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0027】
第1基板SUB1の下方には、第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1が配置されている。また、第2基板SUB2の上方には、第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2が配置されている。一例では、第1偏光板PL1及び第2偏光板PL2は、それぞれの吸収軸がX−Y平面において互いに直交するように配置されている。なお、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、必要に応じて、1/4波長板や1/2波長板などの位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていても良い。
【0028】
このような構成例においては、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2の間で所定の方向(例えば第2方向Y)に初期配向している。このようなオフ状態では、バックライトユニットBLから表示パネルPNLに向けて照射された光は、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、バックライトユニットBLからの光の一部は、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2を透過し、明表示となる。
【0029】
図7は、図1に示したラウンド部R3及びR13を含む領域を拡大した第1基板SUB1の平面図である。
【0030】
走査線駆動回路GDは、長辺LS11に沿って設けられたシフトレジスタSRを備えている。走査線Gの各々は、表示領域DA及び非表示領域NDAに亘って延出し、非表示領域NDAにおいてシフトレジスタSRに接続されている。信号線駆動回路SDは、選択回路(マルチプレクサ)MPを備えている。複数の信号線Sは、非表示領域において1つの選択回路MPに接続されている。図示した選択回路MPは、ラウンド部R3と短辺S12との間に位置している。長辺LS1と長辺LS11との間には、平面視で走査線Gと交差する各種配線Wが設けられている。配線Wとしては、電源線などが含まれる。
【0031】
ここで、走査線Gのうち、ラウンド部R3と交差する走査線GA及びGBに着目する。走査線GBは、走査線GAよりも短辺SS2に近接している。走査線GAはシフトレジスタSRAに接続され、走査線GBはシフトレジスタSRBに接続されている。非表示領域NDAにおいて、走査線GAは配線長(第1配線長)LA1を有し、走査線GBは配線長(第2配線長)LB1を有している。配線長LB1は配線長LA1とは異なり、図示した例では、配線長LB1は配線長LA1より長い。ここでの配線長とは、表示領域DAと非表示領域NDAとの境界からシフトレジスタまでの配線の長さである。図示した例では、各走査線が非表示領域NDAにおいて第1方向Xに直線状に延出しているが、屈曲している場合もあり得るが、いずれの場合においても各走査線の非表示領域NDAにおける全長が配線長に相当する。
【0032】
なお、走査線のうち、長辺LS1と交差する走査線の配線長は略同等である一方で、ラウンド部R3と交差する走査線の配線長は、短辺SS2に近接する走査線ほど長くなる傾向がある。
【0033】
図8は、図7に示したラウンド部R3及びその反対側のラウンド部R4を含む領域を拡大した平面図である。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示しており、信号線、中継電極、共通電極、配線Wなどの図示を省略している。
【0034】
表示領域DAにおいては、先に図4乃至図7を参照して説明したように、画素電極PEが配置され、半導体層SCと電気的に接続されている。非表示領域NDAにおいては、図示したように、表示領域DAと同様に半導体層DSが配置されている一方で、画素電極は配置されていない。図示した例では、半導体層DSは、いずれも表示領域DAの半導体層SCと同一形状であり、1本の走査線Gと2か所で交差している。但し、半導体層DSは、いずれも電気的にフローティングであり、画素電極とは電気的に接続されていない。一例では、半導体層DSは、半導体層SCと同じく多結晶シリコンによって形成されている。図6に示した例と同様に、半導体層DSは、例えば第1絶縁膜11と第2絶縁膜12との間に位置し、各走査線と半導体層DSとの間には第2絶縁膜12が介在している。つまり、半導体層DSは、その全体が第2絶縁膜12によって覆われており、第2絶縁膜12には半導体層DSまで貫通するコンタクトホールが形成されていない。このような半導体層DSは、半導体層SCと同一工程で形成することができる。
【0035】
ここで、走査線Gのうち、ラウンド部R3及びR4と交差する走査線GA及びGBに着目する。一例では、ラウンド部R3は第1ラウンド部に相当し、ラウンド部R4は第2ラウンド部に相当する。また、走査線GAは第1走査線に相当し、走査線GBは第2走査線に相当する。上記の通り、非表示領域NDAでは、走査線GBの配線長LB1は走査線GAの配線長LA1より長い。
非表示領域NDAに位置する半導体層DSは、走査線GAと交差するa個の半導体層DSAと、走査線GBと交差するb個の半導体層DSBとを含む。一例では、半導体層DSAは第1半導体層に相当し、半導体層DSBは第2半導体層に相当する。半導体層DSAの個数aは、半導体層DSBの個数bとは異なる。なお、一例では、a及びbは2以上の整数である。図示した例では、bはaより大きく、ラウンド部R3側(図の左側)の非表示領域NDAにおいて、aが5であるのに対して、bが7である。ラウンド部R4側(図の右側)の非表示領域NDAにおいても同様である。また、他の走査線についても、配線長が長いほど、その走査線に交差する半導体層DSの個数が多くなる。但し、必ずしも半導体層DSAが配置されなくても良い。この場合、aは0となり、bは1以上の整数である。つまり、半導体層DSAが配置されない場合を含めると、aはbとは異なり、aは0以上の整数であれば良く、また、bは1以上の整数であれば良い。
【0036】
なお、非表示領域NDAにおいて、長辺LS1及びLS2と交差する走査線Gについては、各走査線Gと交差する半導体層DSの個数は同じである一方で、半導体層DSAなどの個数より少ない。例えば、走査線GCと交差する半導体層DSCの個数eは、長辺LS1側の非表示領域NDAにおいて、2である。
【0037】
次に、表示領域DAにおける走査線GA及びGBに着目する。表示領域DAにおいて、走査線GAは配線長(第3配線長)LA2を有し、走査線GBは配線長(第4配線長)LB2を有している。配線長LB2は配線長LA2とは異なり、図示した例では、配線長LA2は配線長LB2より長い。
表示領域DAに位置する半導体層SCは、走査線GAと交差するc個の半導体層SCAと、走査線GBと交差するd個の半導体層SCBとを含む。一例では、半導体層SCAは第3半導体層に相当し、半導体層SCBは第4半導体層に相当する。半導体層SCAの個数cは、半導体層SCBの個数dとは異なる。なお、c及びdは2以上の整数である。図示した例では、cはdより大きく、図の左側の表示領域DAにおいて、cが7であるのに対して、dが5である。図の右側の表示領域DAにおいても同様である。また、他の走査線についても、表示領域DAにおける配線長が長いほど、その走査線に交差する半導体層DSの個数が多くなる。
【0038】
なお、表示領域DAにおいて、長辺LS1及びLS2と交差する走査線Gについては、各走査線Gと交差する半導体層SCの個数は同じである一方で、半導体層SCAなどの個数より多い。例えば、走査線GCと交差する半導体層SCCの個数fは、図の左側(長辺LS1側)の表示領域DAにおいて、10である。
【0039】
本実施形態によれば、非表示領域NDAには、走査線Gと交差する半導体層DSが備えられている。この半導体層DSは、表示領域DAにおけるスイッチング素子SWや信号線Sや走査線などの静電気放電(ESD)による破壊を抑制するためのダミーパターンとして機能する。つまり、この半導体層DSは、第1基板SUB1の製造過程で蓄積した電荷に起因した静電気の表示領域DAへの侵入を抑制するものである。より具体的には、外部から走査線Gに飛び込んだ電荷が蓄積された影響で走査線Gに電圧Vがかかったとしても、非表示領域NDAにおいて半導体層DSと走査線GC1との間で電荷がバランスよく分配される。このため、表示領域DAにおける半導体層SCと走査線Gとの間の絶縁破壊あるいは走査線Gと電気的に接続されたスイッチング素子SWのESDによる破壊を防止することができる。
また、本実施形態においては、ラウンド部と交差するように非表示領域NDAに延出された各走査線Gは、それぞれの配線長が異なっている。このような場合であっても、配線長の長短に応じて、各走査線Gと交差する半導体層DSの個数が異なっている。これにより、いずれの走査線Gについても、外部から侵入した電荷をバランスよく分配することができ、ESDによる破壊を防止することができる。
したがって、ラウンド部を有する表示領域DAにおいてESD耐性を向上することができ、製造歩留りの低下を抑制することが可能となる。
【0040】
次に、他の構成例について説明する。なお、上記の構成例と同一構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
図9は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
図9に示した構成例は、図8に示した構成例と比較して、半導体層DSの少なくとも1個が他の半導体層DSとは異なる向きに配置された点で相違している。図示した例では、非表示領域NDAにおいて、走査線G2及びG3の間に導電部材CMが配置されている。導電部材CMは、各種回路、各種金属パターン、各種電極などである。
走査線G1には、半導体層SC1及び半導体層DS1が交差している。走査線G3には、半導体層SC3及び半導体層DS3が交差している。半導体層SC1及び半導体層DS1や、半導体層SC3及び半導体層DS3は、いずれも同一形状であり、同一の向きに配置されている。
走査線G2には、半導体層SC2、及び、半導体層DS21乃至DS23が交差している。半導体層SC2、及び、半導体層DS21乃至DS23は、いずれも同一形状である。半導体層DS21及びDS23は、半導体層SC2と同一の向きに配置されている。一方で、導電部材CMは、半導体層DS22と半導体層DS3との間に配置されており、半導体層DS22は、半導体層SC2とは異なる向きに配置されている。より具体的には、半導体層DS21及びDS23は、いずれも走査線G2より走査線G3に近接する側でターンするU字状に形成されているのに対して、半導体層DS22は、走査線G2より走査線G1に近接する側でターンするU字状に形成されている。
このような構成例によれば、上記の構成例と同様の効果が得られるのに加えて、非表示領域NDAにおける走査線間に導電部材CMが配置されていても、必要な個数の半導体層DSを配置することができ、各走査線におけるESD耐性の低下を抑制することができる。
【0042】
図10は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
図10の(A)及び(B)に示した構成例は、いずれも、図8に示した構成例と比較して、半導体層DSの少なくとも1個が他の半導体層DSとは異なる形状である点で相違している。走査線G1には、半導体層SC1、半導体層DS11及びDS12が交差している。半導体層SC1及び半導体層DS11は、いずれも同一形状である。半導体層DS12は、半導体層DS11とは異なる形状である。
図10の(A)に示した構成例では、半導体層DS12は、半導体層DS11と比較して小さい。半導体層DS11は第1方向Xに沿って幅WX1を有し、半導体層DS12は第1方向Xに沿って幅WX2を有している。幅WX2は、幅WX1より小さい。
図10の(B)に示した構成例では、半導体層DS12は、半導体層DS11と比較して小さい。半導体層DS11は第2方向Yに沿って幅WY1を有し、半導体層DS12は第2方向Yに沿って幅WY2を有している。幅WY2は、幅WY1より小さい。
このような構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。
【0043】
図11は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
非表示領域NDAは、第1領域A1と、第2領域A2とを有している。第1領域A1及び第2領域A2は、隣り合っている。第1領域A1及び表示領域DAは、隣り合っている。第2領域A2は、第1領域A1よりも表示領域DAから離間している。
ここでは、走査線G1が第1走査線に相当し、走査線G2が第2走査線に相当する。走査線G1及びG2は、表示領域DA及び第1領域A1においては間隔D1をおいて配置され、第2領域A2においては間隔D1より小さい間隔D2をおいて配置されている。図示した例では、走査線G1は、表示領域DA及び非表示領域NDAにわたり、第1方向Xに沿って直線状に延出している。走査線G2は、表示領域DA及び第1領域A1にわたり、第1方向Xに沿って直線状に延出し、第1領域A1と第2領域A2との間において走査線G1に近接する側に折れ曲がり、第2領域A2において第1方向Xに沿って直線状に延出している。
走査線G1は、表示領域DAにおいて半導体層SC1と交差し、第1領域A1において半導体層DS1と交差し、第2領域A2においてはいずれの半導体層も配置されていない。走査線G2についても同様であり、表示領域DAにおいて半導体層SC2と交差し、第1領域A1において半導体層DS2と交差し、第2領域A2においてはいずれの半導体層も配置されていない。
半導体層DS1の走査線G1から走査線G2に向かって第2方向Yに突出した長さWY11が間隔D2よりも大きい場合には、第2領域A2において走査線G1と交差する半導体層DS1を配置した場合に、この半導体層DS1が走査線G2にも跨ってしまう。単一の半導体層が複数の走査線と容量結合した場合、各走査線に供給される信号に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、図11に示した構成例のように、隣り合う走査線G1及びG2の間隔が小さい領域では、これらの走査線に交差する半導体層を配置しないことで、上記の悪影響を防止できる。
【0044】
図12は、半導体層DSの他のレイアウトを示す平面図である。
図12に示した構成例は、図11に示した構成例と比較して、第2領域A2において、走査線G1と交差する半導体層DS13と、走査線G2と交差する半導体層DS23と、備えた点で相違している。半導体層DS13は、半導体層DS1より小さい。また、半導体層DS13は、半導体層DS1より小さい。ここでは、半導体層DS13が第5半導体層に相当し、半導体層DS23が第6半導体層に相当する。半導体層DS13及びDS23は、図10の(B)に示した半導体層DS12と同様に、第2方向Yに沿った幅が他の半導体層とは小さい。
このような構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。
【0045】
次に、本実施形態で適用可能な半導体層SCの他の構成例について説明する。
【0046】
図13は、図1に示した第1基板SUB1を第2基板SUB2の側から見たときの画素PXの他の構成例を示す平面図である。
図13に示した構成例は、図4に示した構成例と比較して、半導体層SCが略J字状に形成された点で相違している。半導体層SCの一端部SCA及び他端部SCBは、走査線G1及びG2の間に位置している。一端部SCAは、信号線S1と重なり、コンタクトホールCH1を通じて信号線S1と電気的に接続されている。中継電極REは、島状に形成され、走査線G1及びG2の間且つ信号線S1及びS2の間に配置され、コンタクトホールCH2を通じて他端部SCBと電気的に接続されている。
このような形状の半導体層SCも、上記構成例と同様に、非表示領域NDAの半導体層DSとして適用することができる。
【0047】
次に、本実施形態で適用可能な画素電極PEの他の構成例について説明する。
【0048】
図14は、画素PXに配置される画素電極PEの他の構成例を示す平面図である。
図14に示した構成例は、図5に示した構成例と比較して、共通電極CEが画素電極PEの上に重なっている点で相違している。画素電極PEは、スリットは有していない平板状に形成され、信号線S1及びS2の間に配置されている。共通電極CEは、信号線S1及びS2、及び、画素電極PEの上に重なっている。共通電極CEは、画素電極PEの直上にスリットCSLを有している。図示した例では、共通電極CEは、1つの画素電極PEと対向する位置に、信号線S1と同様に屈曲した2本のスリットCSLを有している。2本のスリットCSLは、間隔をおいて第1方向Xに並び、それぞれ第1方向Xに沿って略同一の幅を有している。なお、画素電極PEの形状は、図示した例に限定されるものではなく、画素PXの形状などに合わせて適宜変更することができる。また、スリットCSLの形状や本数などについても図示した例に限定されない。
このような構成例において、スイッチング素子SWの半導体層SCの形状は、図4に示した略U字状であっても良いし、図13に示した略J字状であっても良い。また、非表示領域NDAに配置される半導体層の形状については、上記のいずれの構成例を適用しても良い。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、製造歩留りの低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0050】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
DSP…表示装置
PNL…表示パネル
DA…表示領域 R1乃至R4…ラウンド部 SC…半導体層
NDA…非表示領域 R11乃至R14…ラウンド部 DS…半導体層
G…走査線 S…信号線 SW…スイッチング素子 CE…共通電極 PE…画素電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14