特許第6740111号(P6740111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6740111
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】回転機構
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20200730BHJP
   H01H 19/00 20060101ALI20200730BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20200730BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20200730BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   H04N5/225 100
   H01H19/00 Y
   G03B15/00 S
   G03B15/00 P
   G03B17/00 B
   G03B17/56 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-243550(P2016-243550)
(22)【出願日】2016年12月15日
(65)【公開番号】特開2018-98700(P2018-98700A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】川上 悠太
(72)【発明者】
【氏名】長田 孝之
【審査官】 大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−316147(JP,A)
【文献】 特開2001−094840(JP,A)
【文献】 特開2001−100281(JP,A)
【文献】 特開2011−151726(JP,A)
【文献】 特開2016−138929(JP,A)
【文献】 特開2015−106104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
H04N 7/18
G03B 15/00 −15/035
G03B 15/06 −15/16
G03B 17/00
G03B 17/26 −17/34
G03B 17/38 −17/46
G03B 17/56 −17/58
H01H 19/00 −21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した有底円筒形状である第1の有底円筒部と、前記第1の有底円筒部の底面中央部を上方向に隆起するように形成されて下部が開口した有底円筒形状の第1の軸凸部を含む第1の物体と、
上部が開口した有底円筒形状であって、前記第1の有底円筒部を収容する第2の有底円筒部と、前記第2の有底円筒部の底面中央部を上方向に隆起するように形成されて下部が開口した有底円筒形状であって、前記第1の軸凸部に収容される第2の軸凸部を含む第2の物体と、
前記第1の物体の回転軸と直交する平面と前記第1の有底円筒部の周面との交線に沿って固定された複数の磁石と、
前記第1の有底円筒部が前記第2の有底円筒部に収容された状態で、前記交線と対向する前記第2の物体の部位の任意の位置に静磁場を検出する少なくとも1個の素子と、
前記第1の軸凸部の底部上面に位置する電力受給側コイルと、
前記第2の軸凸部の底部下面に位置する電力供給側コイルを含む
転機構。
【請求項2】
求項1に記載の回転機構において、
前記素子はそれぞれホール素子または磁気抵抗素子であ
転機構。
【請求項3】
求項1または請求項2に記載の回転機構において、
前記交線に沿って一巡りするように前記磁石が固定されている
転機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の物体と第2の物体を含み、第1の物体の少なくとも一部(以下、「凸部」という)が第2の物体に挿入された状態で、凸部を軸として第2の物体が凸部の周りを回転する構成を持つ回転機構に関する。より詳しくは、第2の物体が回転しても凸部が第2の物体に挿入されている状態であることを検知可能な回転機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、第1の物体と第2の物体が相互に近接した状況下にあることをメカニカルスイッチを用いずに検知することによって、第1の物体と第2の物体が相互に通信する非接触通信技術、或いは、第1の物体と第2の物体の一方から他方に給電する非接触給電技術が普及している。
【0003】
このような技術の一例として特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−061230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に、第1の物体の凸部が第2の物体に挿入された状態で、凸部を軸として第2の物体が凸部の周りを回転する構成の場合、第2の物体が回転しても凸部が第2の物体に挿入されている状態であることを検知できること(さらに言えば、凸部が第2の物体に挿入されていない状態であることも検知できること)が望ましい。そうでないと、例えば、不意に通信や給電が停止し、或いは、無負荷給電によって機器が毀損する可能性がある。
【0006】
本発明は、第1の物体と第2の物体を含み、第1の物体の凸部が第2の物体に挿入された状態で、凸部を軸として第2の物体が凸部の周りを回転する構成を持ち、第2の物体が回転しても凸部が第2の物体に挿入されている状態であることを検知可能な回転機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の回転機構は、第1の物体と第2の物体を含み、第2の物体が第1の物体の少なくとも一部(以下、「凸部」という)を受け容れた状態で、凸部を軸として、第2の物体が凸部の周りを回転する構成を持つ回転機構において、(a)回転軸と直交する平面と凸部の表面との交線に沿って複数の磁石が固定されており、かつ、第2の物体が凸部を受け容れた状態で当該交線と対向する第2の物体の部位の任意の位置に静磁場を検出する少なくとも1個の素子が固定されている、または、(b)回転軸と直交する平面と凸部の表面との交線の任意の位置に静磁場を検出する少なくとも1個の素子が固定されており、かつ、第2の物体が凸部を受け容れた状態で当該交線と対向する第2の物体の部位に複数の磁石が固定されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の回転機構は、上記(a)または上記(b)の構成を持つので、第2の物体が回転しても凸部が第2の物体に挿入されている状態であることを検知可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態を説明する分解斜視図。
図2】第1の応用例である回転カメラの外観斜視図。
図3】第1の応用例である回転カメラの断面斜視図。
図4】第1の応用例である回転カメラに含まれるカメラケースの断面斜視図。
図5】第1の応用例である回転カメラに含まれる第1の物体の斜視図。
図6】第1の応用例である回転カメラに含まれる第2の物体の斜視図。
図7】第2の応用例である回転カメラの外観斜視図。
図8】第2の応用例である回転カメラの断面斜視図。
図9】第2の応用例である回転カメラに含まれるカメラケースの断面斜視図。
図10】第2の応用例である回転カメラに含まれる第1の物体の斜視図。
図11】第2の応用例である回転カメラに含まれる第2の物体の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
実施形態の回転機構1は、第1の物体100と第2の物体200を含む(図1参照)。実施形態では、第1の物体100と第2の物体200はいずれも剛体である。第1の物体100と第2の物体200はいずれも、単一の部品で構成されている構造物であってもよいし、複数の部品で構成されている構造物であってもよい。第1の物体100が凸部101を持つこと以外に第1の物体100の形状に特に限定は無い。また、第2の物体200が凹部201を持つこと以外に第2の物体200の形状に特に限定は無い。回転機構1は、第2の物体200の凹部201が第1の物体100の凸部101を受け容れた状態で、凸部101を軸として第2の物体200が凸部101の周りを回転する構成を持つ。回転運動において静止系は任意に設定され得るから、「凸部101を軸として第2の物体200が凸部101の周りを回転する構成」を「凸部101を軸として第1の物体100が回転する構成」と等価に言い換えることができる。
【0011】
凸部101の形状は回転軸(ただし、この回転軸は有体物としての軸であり、shaftの意である)としての機能を果たす形状であればよく、凸部101の形状に特別の限定は無い。さらに、凸部101は、必ずしも、回転運動の回転軸L(ただし、この回転軸は直線であり、axisの意である)周りに任意の整数nに対してn回対称の形状を持つ必要はない。凸部101の典型的な形状として、円柱形、半球形などの回転体(ただし、回転体の回転面と回転軸(この回転軸は、当該回転面を生成する母線が周りを旋回する直線と言い換えてもよい)とは回転面の両端部を除いて交わらない。回転面の両端部の少なくとも一方は、当該回転軸と接してもよい)を例示できる。さらに、凸部101は第1の物体100の一部でもよいし、第1の物体100の全部(つまり、第1の物体100自体が凸部101である)でもよい。図1は、第1の物体100の全部が凸部101である構成を例示している。図1に示される第1の物体100(凸部101)は有底円筒状の形状を持ち、第1の物体100(凸部101)の底部に例えば位置決めや給電部として利用できる軸凸部101aが形成されている。軸凸部101aは、第1の物体100(凸部101)の底部に開口部を持つ有底円筒状の形状を持つ。なお、図1に示される実施形態では、軸凸部101aの回転面(つまり、軸凸部101aの円筒部分表面)を生成する母線が周りを旋回する直線は回転運動の回転軸Lと一致する。
【0012】
凹部201の形状は凸部101を受け容れる機能を果たす形状であればよく、凹部201の形状に特別の限定は無い。ここで「凸部101を受け容れる機能を果たす形状」として、凸部101を凹部201に挿入できる形状と、凹部201の内部空間に凸部101を収容できる形状を例示できる。凹部201は、必ずしも、回転運動の回転軸L(ただし、この回転軸は直線であり、axisの意である)周りに任意の整数mに対してm回対称の形状を持つ必要はない。凹部201の典型的な形状として、管形、椀形などの回転体(ただし、回転体の回転面と回転軸(この回転軸は、当該回転面を生成する母線が周りを旋回する直線と言い換えてもよい)とは回転面の両端部を除いて交わらない。回転面の両端部のうち一方だけは、当該回転軸と接してもよい)を例示できる。さらに、凹部201は第2の物体200の一部でもよいし、第2の物体200の全部(つまり、第2の物体200自体が凹部201である)でもよい。図1は、第2の物体200の全部が凹部201である構成を例示している。図1に示される第2の物体200(凹部201)は有底円筒状の形状を持ち、第2の物体200(凹部201)の底部に例えば位置決めや給電部として利用できる軸凸部201aが形成されている。軸凸部201aは、第2の物体200(凹部201)の底部に開口部を持つ有底円筒状の形状を持つ。なお、図1に示される実施形態では、軸凸部201aの回転面(つまり、軸凸部201aの円筒部分表面)を生成する母線が周りを旋回する直線は回転運動の回転軸Lと一致する。第2の物体200(凹部201)が第1の物体100(凸部101)を受け容れた状態では、第1の物体100(凸部101)の軸凸部101aの内部空間に第2の物体200(凹部201)の軸凸部201aが収容されている。この場合、好ましくは、軸凸部101aの内径は軸凸部201aの外径よりもやや大である。
【0013】
第1の物体100の形状と第2の物体200の形状の関係は、第2の物体200の凹部201が第1の物体100の凸部101を受け容れた状態で、凸部101を軸として第2の物体200が凸部101の周りを回転できる関係であれば十分であり、第1の物体100と第2の物体200とを自由に接続或いは分離できる関係であってもよいし、第1の物体100と第2の物体200とのいずれかを破壊しないと分離できない関係であってもよいし、凹部201が凸部101を受け容れた状態において凸部101の少なくとも一部が外部から見えるような関係でもよいし、凹部201が凸部101を受け容れた状態において凸部101が外部から全く見えないような関係でもよい。第2の物体200が凸部101の周りを回転する角度範囲に限定は無いが、この実施形態では、設計上意図された回転運動が前提とされるから、所謂ガタや緩みによる回転運動のような僅かな角度範囲は排除される。なお、この発明による効果を最も良く享受できる角度範囲は360度である。
【0014】
凸部101の外側表面或いは内側表面の一方には、回転運動の回転軸Lと直交する平面と凸部101の当該表面との交線Cに沿って複数の磁石300が固定されている。さらに、第2の物体200が凸部101を受け容れている状態で交線Cと対向する第2の物体200の部位Fの任意に定められた位置に静磁場を検出する少なくとも1個の素子400が固定されている。ここで、「交線Cと対向する部位F」は、交線C上の磁石300が作る静磁場が及ぶ範囲に部位Fが存在することを意味するのであり、交線Cと部位Fとの間に何らかの部品が存在してもよく、必ずしも交線Cと部位Fとの間に空間のみが存在することに限定する意ではない。このような構成であるから、磁石300が作る静磁場の有無が素子400によって検出される。
【0015】
少なくとも1個の素子400のそれぞれの種類は、各磁石300の静磁場の強さ、回転機構1の大きさや機能などに応じて選定されるが、例えば、ホール素子または磁気抵抗素子である。磁石300の個数は、磁石300の大きさ、回転機構1の大きさや機能、素子400の性能などに応じて選定される。図1に示す例では、図示されないものも含めて凸部101の内側表面に45個の磁石300が固定されている。なお、図1では、図の見易さを考慮して、磁石300の一部のみに符号が附されている。複数の磁石300は、回転運動の角度範囲におおむね収まるように配列していることが望ましいが、回転運動の角度範囲に係らず交線Cに沿って一巡りするように配列していてもよい。交線Cに沿って一巡りするように複数の磁石300を配列することによって、回転運動の角度範囲と素子400との位置合わせの必要が無い。隣り合う磁石300の間隔は、磁石300の静磁場の強さや素子400の性能などに応じて決定されるが、通常は等間隔である。各磁石300は、凸部101の表面に露出するように固定されていても、或いは、凸部101の表面に露出しないように固定されていてもよい。図1に示す例では、各磁石300は、凸部101の外側表面に露出しないように固定されている。
【0016】
第1の物体100と第2の物体200の関係が相対的なものであるように、磁石300と素子400との配置関係も相対的なものである。したがって、回転運動の回転軸Lと直交する平面と凸部101の外側表面或いは内側表面との交線Cの任意に定められた位置に静磁場を検出する少なくとも1個の素子400が固定されており、かつ、第2の物体200が凸部101を受け容れている状態で交線Cと対向する第2の物体200の部位Fに複数の磁石300が固定されている構成も許容される。ここで、「交線Cと対向する部位F」は、部位F上の磁石300が作る静磁場が及ぶ範囲に交線Cが存在することを意味するのであり、交線Cと部位Fとの間に何らかの部品が存在してもよく、必ずしも交線Cと部位Fとの間に空間のみが存在することに限定する意ではない。このような構成でも、磁石300が作る静磁場の有無が素子400によって検出される。
【0017】
また、このような構成においても、少なくとも1個の素子400のそれぞれの種類は、各磁石300の静磁場の強さ、回転機構1の大きさや機能などに応じて選定される(各素子400は、例えば、ホール素子または磁気抵抗素子である)。磁石300の個数は、磁石300の大きさ、回転機構1の大きさや機能、素子400の性能などに応じて選定される。複数の磁石300は、回転運動の角度範囲におおむね収まるように配列していることが望ましいが、回転運動の角度範囲に係らず交線Cと対向する第2の物体200の部位Fに沿って一巡りするように配列していてもよい。交線Cと対向する第2の物体200の部位Fに沿って一巡りするように複数の磁石300を配列することによって、回転運動の角度範囲と素子400との位置合わせの必要が無い。隣り合う磁石300の間隔は、磁石300の静磁場の強さや素子400の性能などに応じて決定されるが、通常は等間隔である。各磁石300は、凹部201の表面に露出するように固定されていても、或いは、凹部201の表面に露出しないように固定されていてもよい。
【0018】
次に、図2図11を参照して、実施形態の二つの応用例を説明する。
二つの応用例のそれぞれは、上述の実施形態を360度の可動範囲を持つ回転カメラに適用した形態である。
【0019】
まず、第1の応用例の回転カメラ901を説明する。図2図6に示す第1の応用例の回転カメラ901は、有底円筒部100a、第1円筒部103、第2円筒部105、椀状蓋部107、第3円筒部100b、複数の磁石300、素子400が組み込まれている磁気センサ401、第2の物体200を含んでいる。
【0020】
第3円筒部100bの一端には第3円筒部100bの内側に向かって延びるフランジ部が形成されており、このフランジ部に有底円筒部100aの底部が固定されている。有底円筒部100aと第3円筒部100bの組が上述の実施形態における第1の物体100(凸部101)に相当する。複数の磁石300は有底円筒部100aに固定されている。有底円筒部100aに固定されている複数の磁石300の配列については、上述の実施形態における説明で「第1の物体100」を「有底円筒部100a」に読み替えることによって理解される。
【0021】
第1円筒部103は有底円筒部100aに載せられて固定されており、第2円筒部105は第1円筒部103に載せられて固定されており、椀状蓋部107は第2円筒部105に載せられて固定されている。第1の応用例では、第1円筒部103と第2円筒部105のそれぞれの外径は、有底円筒部100aの外径にほぼ等しい。また、有底円筒部100aと第1円筒部103と第2円筒部105のそれぞれの外径は、第3円筒部100bの内径よりもやや小さい。図2図6では図示していないが、有底円筒部100aと第1円筒部103と第2円筒部105と椀状蓋部107とで囲まれた空間に、カメラ、カメラによる撮影やカメラの動作などを制御する回路装置、カメラを駆動するための電源装置などが収容されている。カメラレンズは、椀状蓋部107に形成されているレンズ孔107aから外部を覗くように位置している。
【0022】
一体的に固定されている第1の物体100と第1円筒部103と第2円筒部105と椀状蓋部107(以下、「カメラケース」と呼称する)のうち第1の物体100と第1円筒部103と第2円筒部105とで構成されている部分は、第3円筒部100bの一端に形成されているフランジ部が第2の物体200(凹部201)の底部と対向するように、第2の物体200(凹部201)に収容されている。ただし、第3円筒部100bの他端には第3円筒部100bの外側に向かって延びるフランジ部が形成されており、このフランジ部は第2の物体200(凹部201)に収容されていない。このフランジ部の表面には滑り止めの多数の溝が形成されており、回転カメラ901のユーザはこのフランジ部に触れることができる。ユーザがこのフランジ部に触れて第3円筒部100bを回転させると、カメラを収容しているカメラケースが回転する。回転カメラ901では、カメラケースの回転可能な角度範囲は360度である。
【0023】
回転カメラ901では、第2の物体200からカメラケース内の電源装置に給電する非接触給電技術が採用される。電力供給側コイルは第2の物体200の内部において軸凸部201aの底部の近傍に位置しており、電力受給側コイルは第1の物体100の内部において軸凸部101aの底部の近傍に位置している。第2の物体200(凹部201)がカメラケースを受け容れている状態では、軸凸部201aの底部と軸凸部101aの底部とが近接対向しているので、電力供給側コイルから電力受給側コイルへの電磁誘導によって第2の物体200からカメラケース内の電源装置に給電される。また、回転カメラ901では、複数の磁石300が有底円筒部100aに一巡りするように配列されており、さらに、磁石300が作る静磁場の有無が素子400によって検出されるので、カメラケースが任意の角度で回転してもカメラケースが第2の物体200(凹部201)に挿入されている状態であることを検知できる。したがって、この検知に基づいて、カメラケースが任意の角度で回転しても第2の物体200からカメラケース内の電源装置に安定して給電される(つまり、不意の給電停止を防止できる)。
【0024】
次に、第2の応用例の回転カメラ903を説明する。図7図11に示す第2の応用例の回転カメラ903は、有底円筒部100a、第1円筒部103、第2円筒部105、椀状蓋部107、キャップ部109、第3円筒部100b、複数の磁石300、素子400が組み込まれている磁気センサ401、第2の物体200を含んでいる。
【0025】
第3円筒部100bは有底円筒部100aに載せられて固定されている。有底円筒部100aと第3筒部100bの組が上述の実施形態における第1の物体100(凸部101)に相当する。複数の磁石300は有底円筒部100aに固定されている。有底円筒部100aに固定されている複数の磁石300の配列については、上述の実施形態における説明で「第1の物体100」を「有底円筒部100a」に読み替えることによって理解される。
【0026】
第2円筒部105は第3円筒部100bに載せられて固定されており、椀状蓋部107は第2円筒部105に載せられて固定されている。第2の応用例では、第3円筒部100bの外径は、有底円筒部100aの外径にほぼ等しい。また、第1円筒部103の内径は第3円筒部100bの外径とほぼ同じであり、第1円筒部103は第3円筒部100bを第1円筒部103の内部に収容している。図7図11では図示していないが、有底円筒部100aと第3円筒部100bと第2円筒部105と椀状蓋部107とで囲まれた空間に、カメラ、カメラによる撮影やカメラの動作などを制御する回路装置、カメラを駆動するための電源装置などが収容されている。カメラレンズは、椀状蓋部107に形成されているレンズ孔107aから外部を覗くように位置している。
【0027】
一体的に固定されている第1の物体100と第1円筒部103と第2円筒部105と椀状蓋部107(以下、「カメラケース」と呼称する)のうち第1の物体100と第1円筒部103の一部とで構成されている部分は、有底円筒部100aの底部が第2の物体200(凹部201)の底部と対向するように、第2の物体200(凹部201)に収容されている。第2の物体200(凹部201)の開口部と第1円筒部103との隙間はリング状のキャップ部109で封じられている。ただし、第2の物体200(凹部201)とキャップ部109とは、あるいは、第1円筒部103とキャップ部109とは摺動できるように構成されている。第1円筒部103の他部は第2の物体200(凹部201)に収容されておらず、回転カメラ903のユーザはこの他部に触れることができる。ユーザがこの他部に触れて第1円筒部103を回転させると、カメラを収容しているカメラケースが回転する。回転カメラ903では、カメラケースの回転可能な角度範囲は360度である。
【0028】
回転カメラ903では、第2の物体200からカメラケース内の電源装置に給電する非接触給電技術が採用される。電力供給側コイルは第2の物体200の内部において軸凸部201aの底部の近傍に位置しており、電力受給側コイルは第1の物体100の内部において軸凸部101aの底部の近傍に位置している。第2の物体200(凹部201)がカメラケースを受け容れている状態では、軸凸部201aの底部と軸凸部101aの底部とが近接対向しているので、電力供給側コイルから電力受給側コイルへの電磁誘導によって第2の物体200からカメラケース内の電源装置に給電される。また、回転カメラ903では、複数の磁石300が有底円筒部100aに一巡りするように配列されており、さらに、磁石300が作る静磁場の有無が素子400によって検出されるので、カメラケースが任意の角度で回転してもカメラケースが第2の物体200(凹部201)に挿入されている状態であることを検知できる。したがって、この検知に基づいて、カメラケースが任意の角度で回転しても第2の物体200からカメラケース内の電源装置に安定して給電される(つまり、不意の給電停止を防止できる)。
【0029】
以上、本発明の実施形態と応用例について説明したが、当業者にとって、本発明が本明細書中で説明された実施形態あるいは応用例に限定されないことは明らかである。例えば、他の応用例としてロボットアームを例示できる。本発明は、特許請求の範囲の記載によって定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施され得る。本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、特段の断りが無い限り、本発明に対して何ら制限的な意味を有しない。
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