【実施例1】
【0039】
本開示の実施例1は、データ転送方法と、対応するデータ転送モジュールを提供する。データ転送方法によると、データ転送方法のために、比較的に少量のCPU能力だけが必要となる。該データ転送方法は、1行においてM個画素構造を備え、1行においてKセットの画素データについてのデータを表示するディスプレイパネルに適する。M個画素構造のサブ画素構造の数は、Kセットの画素データにおけるサブ画素成分の数より大きい。開示した方法は、データ転送コストを低減する。
【0040】
本開示のCPUは、任意の適当なデータ処理ユニットである。CPUは、プロセッサー、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニット、読出し専用メモリ(ROM)ユニット、記憶ユニット、ディスプレイ、入出力インタフェースユニット、データベース及び通信インタフェースを備える。開示実施例の原則を逸脱しない範囲で他の成分を加え、または特定のデバイスを取り外すことができる。
【0041】
該データ転送方法に適するディスプレイパネルにおいて、各画素構造は、4つのサブ画素構造を備える。4つのサブ画素構造のうち、2つが同じ色を有し、異なる色の1つのサブ画素によって分離される。
【0042】
なお、ディスプレイパネルにおいては、画素構造の行とカラムを、ディスプレイパネル及び/又はユーザーの視野角の方向によって分割する。即ち、画素構造の行とカラムは相対的である。実施例1においては、該データ転送方法を画素構造の行におけるデータ転送によって例示する。従って、開示したデータ転送方法を使用する画素構造の行におけるデータ転送を、行とカラム間の特定の座標関係によって画素構造のカラムにおけるデータ転送に適用することができる。画素構造の行における、又は画素構造のカラムにおけるデータ転送は、異なる応用又は設計によって決定すべきであり、本開示の実施例によって制限されない。
【0043】
図7は、例示的なデータ転送処理のフローチャートを示す。
図7に示すように、データ転送処理は、ステップS1からS5を含む。
【0044】
ステップS1において、画素データを順に受け取り、1次キャッシュに格納する。画像データの各行は、Kセットの画素データを含む。
【0045】
ステップS1において、画素データを順に受け取って1次キャッシュに格納する。
図4に示すように、画素データの各セットは、異なる色の複数の第1サブ画素成分を含む。例えば、画素データの各セットは、3つの異なる色の第1サブ画素成分を含む。各サブ画素成分の色を、異なる輝度レベルで表示する。サブ画素成分の異なる輝度レベルの組合せは、可視域内の1画素点のいろいろな輝度レベル及び/又は色を形成する。
【0046】
ステップS2において、1次キャッシュに格納されている画素データを、CPUへ順に転送する。1次キャッシュに格納されている画素データセットの数がi以上になるとき、最初のiセットの画素データをCPUへ転送することが望ましい。K/iは正整数であり、iは2の整数倍である。
【0047】
ステップS2において、隣接の2セットの画素データは、1つのクロックサイクルをおいてCPUへ転送する。画素データの各グループは、iセットの画素データを含む。隣接の2つのグループの画素データは、h個クロックサイクルをおいてCPUへ転送する。hは2以上の偶数であり、CPUにおける処理ユニットの数と等しい。
【0048】
なお、ステップS2において、グループとしてCPUへ転送されたiセットの画素データは、開示した方法の1実施例に過ぎない。CPUへのグループとしてのiセットの画素データの転送は、隣接の画素データセットに色混合処理を適用して表示データを得るという点に主な利点がある。CPUで実行する異なる色混合処理により、受け取った画素データを、1セットずつCPUへ順に転送しても良い。CPUの処理後に得られる表示データを、1セットずつ2次キャッシュへ転送しても良い。CPUのh個処理ユニットは繰り返し使用する。画素データを表示データに変換するパイプライン処理を実行することができる。
【0049】
ステップS3において、CPUは画素データを受け取り、時分割操作によって受け取った画素データに対して色混合処理を適用し表示データを得る。例示的な色混合方法は、
図5に関連付けて後で記述する。
【0050】
例えば、CPUがiセットの画素データを受け取り、このiセットの画素データに対して色混合処理を適用してjセットの表示データを生成する。iセットの画素データにおけるサブ画素成分の数は、jセットの表示データにおけるサブ画素成分の数より大きい。
【0051】
図4を参照すると、例えば、表示データの各セットは、複数の第2サブ画素成分を含む。特定の第2サブ画素成分は、同じ色を有する。例えば、
図4に示すように、表示データの各セットは、四つの第2サブ画素成分を含む。四つの第2サブ画素成分のうち、2つは同じ色を有する。四つの第2サブ画素成分のうち、他の二つはそれぞれ異なる色を有する。同じ色を有する二つの第2サブ画素成分は、異なる色の一つのサブ画素成分によって分離される。同じ色である二つの第2画素成分の一つと1つの異なる色の隣接する第2サブ画素成分は、一サブ画素ストリングデータセットを形成する。2セットの第2サブ画素ストリングデータは、一表示データセットを形成する。CPUの各処理ユニットは、一画素データセットに対して色混合を適用し一サブ画素ストリングデータセットを得る。2セットのサブ画素データは、一表示データセットを形成する。i画素データセットにおける全ての第1サブ画素構造成分に対して色混合処理を適用することによって、jセットの表示データを得ることができる。
【0052】
図7に戻って参照すると、ステップS3において、色混合処理は、以下の実装例を含む。一例では、
図5に示すように、第1画素データの隣接のセットにおける第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用することによって、一表示データセットにおける異なる色の二つの第2サブ画素成分を得る。画素データの隣接のセットにおける第1サブ画素成分の色は、二つの第2サブ画素成分の色と対応する。異なる色の二つの第2サブ画素成分に対応する色を有する第1サブ画素成分を再利用することによって、一表示データセットにおける異なる色の二つの第2サブ画素成分を得る。画素データの隣接のセットにおける第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用することによって、一表示データセットにおける同じ色の二つの第2サブ画素成分を得る。画素データの隣接のセットにおける第1サブ画素成分の色は、同じ色の二つの第2サブ画素成分の色に対応する。同じ色の二つの第2サブ画素成分に対応する色を有する第1サブ画素成分を再利用することによって、1表示データセットにおける同じ色の二つの第2サブ画素成分も得られる。
【0053】
即ち、色混合処理を使用して第1サブ画素成分から第2サブ画素成分を得るために、表示データにおける1サブ画素ストリングデータセットにおける同じ色の第2サブ画素成分を、対応する色の第1サブ画素成分を直接再利用することによって得る。また、第1サブ画素成分は、表示データセットと同じシーケンス番号の画素データセットに含まれる。隣接の画素データセットにおける対応する色の第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用することによって、第2サブ画素成分も得られる。一表示データセットの一サブ画素ストリングデータセットにおける異なる色の第2サブ画素成分も、同じ手段によって得られる。上記の色混合処理は、実現しやすく、高解像度ディスプレイについての画素データにおける表示情報の表示データへの保存が実質的に保証される。このように、表示される画像は、忠実性が改善されることとともにより豊かになり、又はよりカラフルになる。
【0054】
なお、Kセットの画素データの最初のiセットの画素データ又は最後のiセットの画素データについて、1画素データセットにおける第1サブ画素成分を再利用して対応する表示データセットにおける第2サブ画素成分を得る。第1サブ画素成分は、第2サブ画素成分に対応する色を有する。画素データセットのシーケンス番号は、表示データセットのシーケンス番号と同じである。最初のiセット又は最後のiセット以外の画素データについて、色混合処理及び/又は再利用処理を適用して対応する表示データにおける第2サブ画素成分を得る。第2サブ画素成分を得るための特定の手段は、ここの実施例によって制限されない。
【0055】
隣接の画素データセットにおける第1サブ画素成分を混合することによって、表示データを得る。具体的には、
図5に示すように、一画素データセットは、3つの第1サブ画素成分、即ち一つの赤第2サブ画素成分と、一つの緑第2サブ画素成分と一つの青第2サブ画素成分を含む。赤第2サブ画素成分は、赤光を発するための第2サブ画素成分を表し、緑第2サブ画素成分は、緑光を発するための第2サブ画素成分を表し、青第2サブ画素成分は、青光を発するための第2サブ画素成分を表す。
図5に示すように、表示データにおいて、同じ色の二つの第2サブ画素成分は、緑第2サブ画素成分である。2セットのサブ画素ストリングデータは、赤第2サブ画素成分と緑第2サブ画素成分の組合せ、並びに青第2サブ画素成分と緑第2サブ画素成分の組合せを含む。2セットのサブ画素ストリングデータは、緑第2サブ画素成分と赤第2サブ画素成分の組合せ、並びに緑第2サブ画素成分と青第2サブ画素成分の組合せを含んでも良い。一表示データセットは、2セットのサブ画素ストリングデータを含む場合があり、ここで、2つの緑サブ画素成分は他の(即ち赤か青の)サブ画素成分によって分離される。
図6は、本開示による表示データを表示するための画素構造の例示的な配置を示す。上記のサブ画素ストリングデータを有する表示データに基づいて、画素構造は、RGBG、GRGB、BGRG及びGBGRのような配置又は構成を含む。
【0056】
より具体的には、
図4に示すデータ転送処理に戻って参照すると、画素データの各セットは、RGBとして配置される3つの第1サブ画素成分を含む。6セットの画素データは、18個第1サブ画素成分を含む。表示データの各セットは、RGBGとして配置される四つの第2サブ画素成分を含む。3セットの表示データは、12個第2サブ画素成分を含む。色混合処理を画素データの各セットに適用して一サブ画素ストリングデータセットを得る。画素データセットと同じシーケンス番号の対応するサブ画素ストリングデータセットについて、対応する色の第1サブ画素成分の値を再利用することによって、第2サブ画素成分の値を得る。隣接の第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用することによっても、第2サブ画素成分の値が得られる。第2サブ画素成分は、青第2サブ画素成分、赤第2サブ画素成分及び/又は緑第2サブ画素成分である。2セットのサブ画素ストリングデータは、一表示データセットを形成する。従って、3セットの表示データ(即ち
図4のダッシュボックス10に示す12個第2サブ画素成分)を得ることができる。
【0057】
図4に示すように、色混合処理を使って画素データから表示データを得るための処理において、色混合処理を適用する処理ユニットは
図3に示す4つの処理ユニット備える。4本のパイプラインを形成して4セットのサブ画素ストリングデータを2セットの表示データに変換する。言い換えると、同じ色(例えば緑)の2つのサブ画素成分の1つと異なる色(例えば赤か青)のサブ画素成分間の変換を、再利用−再利用、再利用−色混合、色混合−再利用及び色混合−色混合処理のうちの一つとして記述する。変換は異なる応用及び/又は設計によって決定・調節され、本開示の実施例によって制限されない。
【0058】
例示的なデータ転送方法を、
図2に更に図示する。DE_in信号が高電圧であるとき、画素データが有効である、即ち転送準備が完了している。CPUは、画素データの最初の0-hセットを収集・サンプリングする。0からhセットの画素データは、0
thからh
thセットの画素データを指す。0からhセットの画素データを、CPUの処理ユニットに順に配布・割り当てる。各処理ユニットは、1画素データセットを処理して更に一サブ画素ストリングデータセットを2次キャッシュに出力する。CPUの各処理ユニットが画素データ処理を完成すると、CPUが別の、又は新たな0からhセットの画素データを収集して該画素データを処理ユニットに転送する。処理ユニットは、新たな0からhセットの画素データを処理し始める。駆動回路の利用を改善するために、CPUの処理ユニットを時分割操作によって操作する。従って、h個クロックサイクル後、CPUが継続してhから(2h+1)セットの画素データ、即ち新たな0からhセットの画素データを収集する。各処理ユニットは1画素データセットを処理して更に一サブ画素ストリングデータセットを2次キャッシュなどへ出力する。
【0059】
色混合処理を適用することと、第1サブ画素成分と第2サブ画素成分の対応関係によって、各画素データは、一サブ画素ストリングデータセットを形成する。従って、iセットのサブ画素ストリングは、j= i/2セットの表示データを形成する。
【0060】
いくつかの実施例では、色混合処理は、平均化方法、加重平均化方法、平方根方法、ミディアンフィルタリング方法又は他の任意の適当な方法のうちの一つ以上である。方法の詳細は、ここに記述しない。
【0061】
いくつかの実施例では、他の色混合処理を使用する。該色混合処理は、該色混合処理の前に第1サブ画素成分と第2サブ画素成分の対応関係を含むマッピングテーブルを形成することを含む。該マッピングテーブルは、二次元のテーブルである。例えば、マッピングテーブルの入力データは、同じ色の2つの第1サブ画素成分の輝度レベルを含む。マッピングテーブルの出力データは、第2サブ画素成分の統合した輝度レベルを含む。第2サブ画素成分は、第1サブ画素成分に対応する色を有する。
【0062】
色混合処理において、画素データの隣接のセットにおける同じ色の第1サブ画素成分を、マッピングテーブルの入力データとして使用する。マッピングテーブルを使用して入力データに対応する色を有する出力データを構成する。第1サブ画素成分に対応する色を有する、表示データの第2サブ画素成分を得る。
【0063】
図7に戻って参照すると、ステップS4において、表示データを順に2次キャッシュへ転送してキャッシング又はバッファリングする。jセットの表示データを2次キャッシュへ転送してキャッシング又はバッファリングすることが好ましい。
【0064】
ステップS4において、jセットの表示データを2次キャッシュへ転送して一度にキャッシングする。ここで、jセットの表示データを特定のシーケンスに従って転送する。あるいは、CPUによってjセットの表示データの各々を得られた後、2次キャッシュへ転送してキャッシングしてもよい。従って、CPUを繰り返して使用してパイプライン処理を実行する。表示データを、パイプライン処理によって画素データから形成する。
【0065】
ステップS2からS4を繰り返す、即ち複数回1次キャッシュに格納されている画素データをCPUに転送して表示データを形成することと、表示データをCPUから2次キャッシュへ転送することによって、1行における画素構造についてのKセットの画素データを対応する表示データに変換することができる。
【0066】
図7を参照すると、ステップS5において、2次キャッシュが1行における画素構造についてのKセットの画素データから変換されたMセットの表示データを受け取った後、2次キャッシュは表示データを順にディスプレイパネル上の1行におけるM個画素構造へ転送する。
【0067】
ステップS5において、処理された表示データをディスプレイパネルの駆動モジュールへ転送する。画素構造上の駆動モジュールのスキャンシーケンスに基づいて、ディスプレイパネル上の1行におけるM個画素構造についての表示データを使用して該行によって表示される画像の部分を決定する。
【0068】
図2に示すように、DE_out信号が高電圧であるとき、表示データが有効である、即ち転送準備が完了している。2次キャッシュに格納されている表示データをディスプレイパネルに又はディスプレイパネルの駆動モジュールに転送する。
【0069】
従って、本開示はデータ転送モジュールも提供する。データ転送モジュールは、Kセットの画素データを1行につきMセットの画素構造を有するディスプレイパネルに転送して画像を表示するように構成される。Mセットの画素構造におけるサブ画素構造の数は、Kセットの画素データにおけるサブ画素成分の数より大きい。データ転送モジュールは、1次キャッシュ、CPU及び2次キャッシュを備える。
【0070】
1次キャッシュは、受け取った画素データを順に受け取って格納するように構成される。1次キャッシュは、画素データを順にCPUへ転送する。1次キャッシュに格納されている画素データの数がiセット以上に達するとき、1次キャッシュは画素データの最初のiセットをCPUへ転送することが好ましい。K/iは正整数であり、iは2の正の整数倍である。
【0071】
CPUは、画素データを順に受け取り、受け取った画素データに対して色混合処理を適用して表示データを得るように構成される。CPUは、時分割操作で動作して画素データに対して色混合処理を適用する。CPUは、得られた表示データを順に2次キャッシュへ転送する場合もある。CPUは、iセットの画素データを順に受け取り、iセットの画素データに対して色混合処理を適用してjセットの表示データを得るように構成されることが好ましい。iセットの画素データにおけるサブ画素成分の数は、jセットの表示データにおけるサブ画素成分の数より大きい。CPUは、jセットの表示データを順に2次キャッシュへ転送してキャッシングする。
【0072】
2次キャッシュは、表示データを順に受け取って格納するように構成される。2次キャッシュが1行における画素構造についてのKセットの画素データを処理して得られたMセットの表示データを受け取った後、2次キャッシュは、Mセットの表示データをディスプレイパネル上の1行におけるM個画素構造へ転送する。Mセットの表示データは、2次キャッシュに格納されている全てのデータである。
【0073】
データ転送モジュールでは、画素データの各セットは、異なる色の複数の第1サブ画素成分を含み、表示データの各セットは、複数の第2サブ画素成分を含む。特定の第2サブ画素成分は、同じ色を有する。
【0074】
CPUは、h個処理ユニットを備えて1ループ操作に従ってK/iグループの画素データを受け取って処理する。CPUの処理ユニットは、画素データを順に受け取って、画素データに対して色混合処理を適用して表示データを得る。hは2以上の正の偶数である。
【0075】
一表示データセットの異なる色の二つの第2サブ画素成分を、画素データの隣接のセットにおける第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用することによって得る場合がある。隣接のセットの画素データの第1サブ画素成分の色は、異なる色の二つの第2サブ画素成分の色と対応する場合がある。一表示データセットの異なる色の二つの第2サブ画素成分は、異なる色の2つのサブ画素成分に対応する色を有する第1サブ画素成分を用いても得られる。一表示データセットにおける同じ色の二つの第2サブ画素成分を、隣接のセットの画素データにおける第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用することによって得る場合がある。隣接のセットの画素データの第1サブ画素成分の色は、同じ色の二つの第2サブ画素成分の色と対応する場合がある。一表示データセットにおける異なる色の二つの第2サブ画素成分は、同じ色の2つのサブ画素成分に対応する色の第1サブ画素成分を用いても得られる。
【0076】
即ち、色混合処理を使用して第1サブ画素成分から第2サブ画素成分を得るために、一表示データセットの一サブ画素ストリングデータセットにおける同じ色の第2サブ画素成分を、第2サブ画素成分に対応する色を有する第1サブ画素成分を直接再利用することによって得る場合がある。ここで、第1サブ画素成分は、表示データセットと同じシーケンス番号を有する画素データセットに含まれる。第2サブ画素成分は、隣接のセットの画素データにおける対応する色を有する第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用することによっても得る場合もある。一表示データセットの一サブ画素ストリングデータセットにおける異なる色の第2サブ画素成分は、同じ手段によっても得られる。
【0077】
一方、データ転送方法と同様に、同じシーケンス番号を共有する画素データとサブ画素ストリングデータセットについて、1つのサブ画素から同じ色又は異なる色を有する他のサブ画素への変換又は処理は、それぞれ、再利用−再利用、再利用― 色混合、色混合―再利用及び/又は色混合―色混合の組合せのうちの一つを含む。上記組合せを、異なる応用又は設計によって使用・調節する。「色混合」と言う用語は、特定の他のサブ画素により1つのサブ画素に対して色混合処理を適用して同じ色又は異なる色を有するサブ画素を得る処理を指す。「再利用」と言う用語は、1つのサブ画素の色を再利用して同じ色を有するサブ画素を得る処理を指す。
【0078】
図4を参照すると、画素データの各セットは異なる色の3つの第1サブ画素成分を含む。表示画素データの各セットは、四つの第2サブ画素成分を含む。四つの第2サブ画素成分のうち、2つは同じ色を有する。四つの第2サブ画素成分のうち、他の2つは異なる色を有し、それぞれが互いと異なる。同じ色を有する二つの第2サブ画素成分は、1つの異なる色のサブ画素成分によって分離される。同じ色を有する二つの第2サブ画素成分の一つと1つの異なる色の隣接する第2サブ画素成分は、一サブ画素ストリングデータセットを形成する。2サブ画素ストリングデータセットは、一表示データセットを形成する。CPUがiセットの画素データにおける第1サブ画素成分に対して色混合処理を適用してjセットの表示データを得る。
【0079】
図2を参照すると、CPUが全ての受け取った画素データを処理して表示データを取得し、どの画素データ又は表示データも除外されない。
図2には、第1処理ユニットを除く、全ての他の処理ユニットを点線で描画する。点線で示す処理ユニットは、時分割操作のための同じCPU、即ち異なる又は連続的なループ操作に繰り返し使用されるCPUを示す。
【0080】
本開示により提供されるデータ転送方法とデータ転送モジュールにおいては、CPUを、異なるループ操作に繰り返して使用してデータを転送して処理し、表示データのキャッシングと処理のために必要とされるキャッシュ又はレジスター容量は小さくなる。この結果、CPUにおけるキャッシュの容量と数に関する要求が大幅に減り、ハードウェアデバイスのコストを削減できる。
【実施例2】
【0081】
実施例1に基づいて、本開示の実施例2は、ディスプレイパネルとディスプレイパネルの駆動方法を更に提供する。
【0082】
ディスプレイパネルの駆動方法によると、K個画素構造の1行についての画素データに基づいて形成される表示データは、M個画素構造の1行を駆動するように構成される。K個画素構造の1行についての画素データを1次キャッシュ、同じCPU、2次キャッシュにおいて順にパイプライン処理によって処理してM個画素構造の1行についての表示データを形成する。
【0083】
ディスプレイパネルは、ディスプレイスクリーンと実施例1において開示したデータ転送モジュールを備える。ディスプレイスクリーンの各行は、M個画素構造を備える。各画素構造は、4つのサブ画素構造を備える。4つのサブ画素構造のうち、2つは同じ色を表示する。同じ色を有する2つのサブ画素構造は、異なる色を有する1つのサブ画素構造によって分離される。
【0084】
一実施例では、ディスプレイパネルは、M×N配列に配置される複数の画素構造を備える。1行の画素構造に対応するKセットの画素データを、それぞれ1次キャッシュ、同じCPUと2次キャッシュにおいて順に処理する。M個画素構造に対応する表示データを、パイプライン処理によって形成する。具体的には、同じ行又は同じカラムについての隣接のiセットの画素データは、一駆動グループを形成する。CPUは、特定のループ操作において隣接のiセットの画素データ又は駆動グループを駆動又は処理する。K/i個駆動グループについて、h個クロックサイクルをおく2つの異なる駆動タイミングで、2つの隣接のグループの画素データを駆動する。クロックサイクルの数hは、CPUにおける処理ユニットの数と等しい。h個クロックサイクルの間、一画素データグループをCPUからレジスターへ出力する。レジスターは、実施例1における2次キャッシュと対応する。開示した方法により、K×L解像度についての画素データがM×N物理的な解像度のディスプレイパネルによって優れた表示が可能となる。KはM以上(K≧M)である。行とカラムの対応関係によって、LはN以上(L≧N)である。上記の方法において、iは2の正の整数倍である。
【0085】
ディスプレイパネルにおいて、クロックサイクルは重要なタイミング信号である。クロックサイクルは、従来、二つの隣接する画素クロック信号の時間間隔と定義されている。画素クロック信号の頻度は、ディスプレイパネルの操作モードと相関する。ディスプレイパネルの解像度が高ければ、通常、画素クロック信号の頻度も高い。1行の画素構造についての画素クロック信号の数は、ディスプレイパネルの1行における画素構造の数と等しい。例えば、1024×768解像度のディスプレイパネルにおいて、ディスプレイパネルの1行の画素構造は、1024個画素構造を備える。従って、有効なビデオ領域に対応する1行についての画素クロック信号の数は、1024である。
【0086】
画素クロック信号は、2つの機能がある。まず、画素クロック信号は、画素データ信号、例えばRGB信号を制御して特定のシーケンスに従って転送することができる。画素データ信号を特定のシーケンスに従って駆動ICによってディスプレイパネルへ転送する。よって、各行及び/又は各カラムにおける画素構造を適当な順番又はシーケンスで操作する。更に、画素クロック信号を使用してデータ転送の正確さを保証することができる。一実施例では、画素クロック信号は、M×N配列の画素構造についての画素クロック信号である。
【0087】
一実施例では、M×N解像度のより低いディスプレイパネルを使用する。M×Nより高い解像度に対応する画素データを該ディスプレイパネルに入力して、より高いK×L解像度の画像を表示することを実現する。K×L解像度に対応する画素データの各セットはそれぞれ3セットのサブ画素データを含み、その3セットのサブ画素データの各々が異なる色を有する。M×N解像度に対応する各画素構造は、4つのサブ画素構造を含む。4つのサブ画素構造のうち、2つのサブ画素構造は同じ色を有する。4つのサブ画素構造は、実施例1におけるサブ画素構造と対応する。各々が異なる色を表す3セットのサブ画素データを、4つのサブ画素構造のうちの3つに入力する。3セットのサブ画素データを、K×L解像度に対応するサブ画素データに対して色混合処理を適用することによって得る。具体的には、K×L解像度に対応する画素データの各セットは、一赤サブ画素データ(R)セット、一緑サブ画素データ(G)セット及び一青サブ画素データ(B)セットを含む。M×N解像度に対応する各画素構造は、RGBG、GRGB、BGRG又はGBGRとして配置される4つのサブ画素構造を備える。人間の目が緑により敏感であるため、サブ画素構造のこのような配置によりディスプレイパネルで表示される画像がより豊かとなり得る。
【0088】
1実施例では、i、即ち1行又は1カラムにおける駆動グループの隣接の画素データセットの数は6と等しいことが好ましい。即ち、6セットの画素データずつ、一駆動グループを形成する。画素データは、CPUへ順に転送される複数の駆動グループを形成する。CPUを異なるループ操作において繰り返して操作して、駆動グループを処理してディスプレイパネルを駆動するための表示データを得る。
図4に示すように、1実施例では、CPUによる各駆動グループに対するデータ処理は、繰り返し論理ユニット10を形成する。繰り返し論理ユニット10は、6セットの画素入力データと3セットの実画素出力データを含む。3セットの実画素データは実施例1における表示データと対応し、6セットの画素入力データは実施例1における画素データと対応する。各駆動グループにおいて、6セットの画素入力データと3セットの実画素出力データの対応関係は同じである。即ち、画素データを、同じパターンに従ってグループ化して順に転送する駆動グループを形成する。
【0089】
一実施例では、色混合処理に使用されるCPUはh個処理ユニットを備え、hは2以上の正の偶数である。各処理ユニットは一つのパイプラインを形成する。処理ユニットは、色混合処理を処理ユニットに入力された画素データセット及び/又は隣接の画素データセットに対して適用して一サブ画素ストリングデータセットを得て出力する。2セットのサブ画素ストリングデータは一表示データセットを形成する。
【0090】
図3を参照すると、CPUは4つの処理ユニットを備え、同時に4セットのサブ画素ストリングデータ又は2セットの表示データを処理して得る。なお、CPUは2つの処理ユニットだけを備え、同時に2セットのサブ画素ストリングデータ又は1表示データセットを処理できる場合もある。
【0091】
ディスプレイパネルのスキャンシーケンスによると、1駆動グループにおいて、2セットの画素データの駆動タイミングは、1クロックサイクルをおく。
図3を参照すると、CPUは4つの処理ユニットを備える。隣接の駆動グループにおける対応する又は同じシーケンス番号の2セットの表示データ間の駆動タイミングの違いは、4つのクロックサイクルである。即ち、隣接の駆動グループにおける対応する位置にある2セットの表示データ間の駆動タイミングの違いは、4つのクロックサイクルである。
図2を参照すると、駆動ICとディスプレイパネル両方について、デジタルRBG信号を受け取ったとき、操作は画素クロック信号によって制御される。駆動ICとディスプレイパネルにおける各回路は、データの読出しの正確さを保証するために、画素クロック信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジだけ、デジタルRGB信号を読み出す。
【0092】
一実施例では、ディスプレイパネルは、順次走査又はインタレース走査によって画素構造を走査する。特定の実施例では、M×N配列の画素構造を順次走査により走査して、既存の駆動プログラムが使用できるようにすることが好ましい。
【0093】
具体的には、
図3に戻って参照すると、ディスプレイパネルの駆動方法は、ステップT1からT4(T4は
図3に図示せず)を含む。
【0094】
ステップT1はデータ収集ステップである。ステップT1において、K×L解像度に対応する6つの行又はカラムごとについての第1画素データを収集する。更に、第1画素データをキャッシュに転送又は入力する。第1画素データは、実施例1における画素データに対応する。キャッシュは実施例1における1次キャッシュに対応する。
【0095】
第1画素データの各セットは、3色成分を含む。色成分に対応するサブ画素データがディスプレイパネルの制御部材を駆動するとき、画素構造における有機発光ダイオード(OLED)は対応する色又は波長の光を発する。あるいは、画素構造における液晶が方向を変更しバックライトがカラーフィルターを透過して対応する色又は波長の光を生成する。色成分は実施例1における第1サブ画素成分に対応するサブ画素データである。生成された又は発された光は、赤光、緑光及び青光を含む。赤光は、およそ640〜750nmの波長範囲又は色表示範囲を持つ。緑光は、およそ480〜550nmの波長範囲を持つ。青光は、およそ450〜480nmの波長範囲を持つ。
【0096】
第1画素データは、高解像度の画像データを表す。例えば、第1画素データは、R
11G
11B
11、R
12G
12B
12、…、…、R
1n-1G
1n-1B
1n-1及びR
1nG
1nB
1nとして配置されているRGBの3色成分を含む。1番目の添字「1」は、画像データセットが入力データであることを示す。2番目の添字2からnまでは、対応する行又はカラムにおける画像データのシーケンス番号を示す。
【0097】
ステップT2はデータ処理ステップである。ステップT2において、色混合処理を第1画素データの色成分に対して適用して第2画素データを形成する。第2画素データの各セットは、4つの色成分を含む。4つの色成分のうち、2つは同じ色表示範囲を持つ。同じ色表示範囲を持つ2つの色成分は、異なる色表示範囲を持つ他の一つの色成分によって分離される。第2画素データは、実施例1における表示データに対応する。第2画素データの色成分が実施例1における第2サブ画素成分に対応する。
【0098】
第2画素データの各セットは、4つの色成分を含む。4つの色成分のうち、2つは同じ色表示範囲を持つ。同じ色表示範囲を持つ2つの色成分は、異なる色表示範囲を持つ他の一つの色成分によって分離される。例えば、4つの色成分は、RGBG、GRGB、GRGB又はGBGRとして配置される。RGBGとして配置されている4色成分について、第2画素データは、R
21G
21B
21G
22、R
22G
23B
22G
24、R
2m-1G
22m-3B
2m-1G
22m-2及びR
2mG
22m-1B
2mG
22mである。1番目の添字「2」は、画像データセットが出力データであることを示す。2番目の添字1から2mまでは、対応する行又はカラムにおける画像データのシーケンス番号を示す。
【0099】
ステップT2において、CPUは第1画素データにおける色成分に対して色混合処理を実行して第2画素データを形成する。第2画素データを形成する処理は、2つの実装例を含む。
【0100】
実装例1では、第2画素データにおける同じ色表示範囲を持つ色成分を、6セットの第1画素データにおける色成分を再利用することによって得る。異なる色を持つ他の2色成分を、3つの隣接のセットの第1画素データの色成分に対して色混合処理を適用することによって得る。第1画素データにおける隣接の3セットの色成分は、第2画素データにおける2色成分に対応する色を有する。色混合処理は、平均化方法、加重平均化方法、平方根方法、ミディアンフィルタリング方法又は他の任意の適当な方法の一つ以上である。
【0101】
一実施例では、CPUは6つの処理ユニットを備える。6つの処理ユニットを使用して第1画素データの隣接の3セットの色成分に対して色混合処理を実行する。第1画素データの隣接の3セットの色成分は、第2画素データにおける他の2色成分に対応する色を有する。平均化方法を使用する。第1画素データの処理を以下に示す。
【0102】
第2画素データの赤色成分を以下の通りに形成する。
(R
11 +R
12 +R
13)/3 →R
21であり、
(R
12 +R
13 +R
14)/3 →R
22であり、そして
(R
13 +R
14 +R
15)/3 →R
23である。
【0103】
第2画素データの青色成分を以下の通りに形成する。
(B
11 +B
12 +B
13)/3 →B
21であり、
(B
12 +B
13 +B
14)/3 →B
22であり、そして
(B
13 +B
14 +B
15)/3 →B
23である。
【0104】
第2画素データの緑色成分を以下の通りに形成する。
G
11 →G
21であり、
G
12 →G
22であり、
G
13 →G
23であり、
G
14 →G
24であり、
G
15 →G
25であり、そして
G
16 →G
26である。
【0105】
この場合、各処理ユニットは、一第1画素データセットを収集して3つの隣接の処理ユニットによって収集した第1画素データセットを使用して一サブ画素ストリングデータセットを得る。従って、6セットの第1画素データの6つの赤色成分を、色混合処理によって処理して3つの赤色成分を得る。6セットの第1画素データの6つの青色成分を処理して3つの青色成分を得る。6セットの第1画素データの6つの緑色成分を維持して6つの緑色成分を得る。このように、高解像度の画像に対応する画素データは、解像度の低い画素構造に対応する。3つの赤色成分、3つの青色成分及び6つの緑色成分をRGBGとして配置して3セットの第2画素データを形成する。従って、ディスプレイパネルは、ディスプレイパネルの物理的な解像度より高い解像度で画像を表示しつつ、表示された画像の忠実性を維持する。
【0106】
第2例では、
図5に示すように、第2画素データにおける同じ色表示範囲を持つ色成分を、第1画素データにおける対応する色成分を再利用することによって得る。第2画素データにおける異なる色表示範囲を持つ他の2つの色成分を、隣接の2セットの第1画素データにおける対応する色を有する色成分に対して色混合処理を適用することによって得る。この例を以下に示す。
【0107】
例えば、(R
11+R
16)/2→R
21を用いて、対応する駆動グループにおける赤サブ画素データの第1位置にある又は第1セットにおける、表示データの赤サブ画素データセットを得ることができる。R
16は、前の駆動グループにおける6セット目の赤サブ画素データを表す。なお、第1駆動グループにおける1セット目の赤サブ画素データを、R
11、即ちR
11→R
21の値を再利用することによって得ても良い。
【0108】
(R
12+R
13)/2→R
22を使用することによって、対応する駆動グループの第2位置にある表示データの赤サブ画素データセットを得ることができる。
【0109】
(R
13+R
14)/2→R
23を使用することによって、対応する駆動グループの第3位置にある表示データの赤サブ画素データセットを得ることができる。
【0110】
なお、見た目を簡潔にするため、
図4ではサブ画素データの1番目の添字を省略した。矢印の方向とテキストラベルは、1番目の添字によって示す入力データと出力データを表す。
【0111】
上記実施例では、例示する目的で、平均化方法を使用する色混合処理を、異なる色表示範囲を有する色成分、例えば赤色成分と青色成分に対して適用する。なお、加重平均化方法、平方根方法、ミディアンフィルタリング方法、及び/又は他の任意の適当な方法を、異なる色表示範囲を有する色成分についての色混合処理に使用する場合もある。同様に、平均化方法、加重平均化方法、平方根方法及びフィルタリング方法のいずれか一つを使用する色混合処理を、同じ色表示範囲を有する色成分、例えば緑色成分に対して適用する場合もある。色混合処理に使用される特定の方法を、異なる応用又は設計によって調節又は決定することができ、ここの実施例によって制限されない。
【0112】
色混合処理についてのもう一つの方法では、ステップT2においてマッピングテーブルを生成する。マッピングテーブルは、上記の2つの実装例を使用して第1画素データに対して色混合処理を適用することによって形成された第2画素データを提供する。駆動処理の間、ディスプレイパネルは、マッピングテーブルに問い合わせてより短い時間で第1画素データを第2画素データに変換する。ディスプレイパネルの操作効率は改善される。マッピングテーブルの入力データは第1画素データにおける2セットのサブ画素データであり、第1画素データはK×L解像度に対応する。マッピングテーブルの出力データは、M×N解像度に対応するサブ画素データであり、該サブ画素データはM×N解像度の画像についての色データを含む。
【0113】
ステップT3はデータ準備ステップである。ステップT3において、表示データをレジスターへ転送する。レジスターは、実施例1における2次キャッシュである。
【0114】
ステップT3において、ステップT2で得られた第2画素データのサブ画素データを、画像を表示するために出力するなどの後続操作のためにレジスターへ転送してレジスターに格納する。
【0115】
パイプライン処理を使用して駆動グループについてのデータ収集、データ処理及びデータ準備の同時操作を説明した。
図3は、パイプラインとして操作されデータ処理を実施する処理ユニットを示す。各パイプラインをクロックサイクルに従って動作させる。2本の隣接のパイプラインによる画素データに対する操作のタイミングは、1つのクロックサイクルをおく。色混合処理間のパイプラインによるデータ転送と処理は、パイプライン間の操作タイミングの違いに影響を受けない。データ収集処理のクロックサイクルの間に次のパイプラインによって収集される画素データを、現在の処理ユニットの色混合処理についての第1画素データとして使用する。例えば、データ収集処理においてパイプライン2によって収集される画素データを、パイプライン1の色混合処理についての第1画素データとして使用する。
【0116】
図3に示すように、CPUは4つの処理ユニットを備える。4つの処理ユニットは、4つのパイプライン処理操作を形成する。iセットの第1画素データは、一駆動グループを形成する。各セットの第1画素データを処理ユニットへ転送して一サブ画素ストリングデータセットを形成する。各処理ユニットを、繰り返して操作してパイプライン処理操作を形成する。第1画素データと第2画素データを形成するためのサブ画素ストリングデータの対応関係に基づいて、同じ駆動グループにおける6セットの第1画素データを使用して6セットのサブ画素ストリングデータを得る。6セットの第1画素データは、実施例1における18セットの第1サブ画素データに対応する。6セットのサブ画素ストリングデータは、実施例1における3セットの表示データ又は12セットの第2サブ画素データと対応する。
図3に示すように、同じCPUにおける隣接の2つの調節パイプライン処理操作のタイミングは、1つのクロックサイクルをおく。4つのパイプライン処理操作の各々は、対応する処理ユニットの、1次キャッシュからCPUへの、CPUから2次キャッシュへの、そして2次キャッシュから1次キャッシュへの繰り返し操作又はループ操作を含む。
【0117】
具体的には、
図3に示すように、パイプライン1は第1クロックサイクルにおいて操作を開始する。1次キャッシュによって受け取った画素データがCPUへ転送されたとき、CPUは画素データを処理し始める。1次キャッシュは、続けて画素データを受け取って、受け取った画素データをCPUへ転送する。パイプライン2は、第2クロックサイクルにおいて操作を開始する。1画素データセットの転送が1つのクロックサイクルを必要するため、パイプライン2の開始時間とパイプライン1の開始時間は1つのクロックサイクルをおく。同様に、4つのクロックサイクル後、4本のパイプラインは、画像の表示が終了するまで、ループ操作を繰り返し操作する。
【0118】
即ち、第1クロックサイクルにおいて、パイプライン1のみが第1ループについての第1画素データを収集し始める。データ収集処理は、実施例1におけるデータ転送方法のステップT1に対応する。
【0119】
第2クロックサイクルにおいて、パイプライン1は、第1クロックサイクルにおいて収集した第1画素データを処理し始めて第2画素データを得る。該データ処理ステップは、実施例1におけるデータ転送方法のステップT2に対応する。一方、パイプライン2は、第1ループについての第1画素データを収集し始める。
【0120】
第3クロックサイクルにおいて、パイプライン1は、第2クロックサイクルにおいて得られた第2画素データを準備する、即ち第2画素データを格納する。データ準備ステップは、実施例1におけるデータ転送方法のステップT3に対応する。パイプライン2は、対応する第1クロックサイクルにおいて収集した第1画素データを処理する。一方、パイプライン3は、第1ループについての第1画素データを収集し始める。
図3の点線を使用して各パイプラインの第1ループの終了を示す。
【0121】
第4クロックサイクルにおいて、パイプライン1は第2ループについての第1画素データを収集し始める。パイプライン2は、対応する第3クロックサイクルにおいて得られた第2画素データを準備する。パイプライン3は、対応する第1クロックサイクルにおいて収集された第1画素データを処理する。一方、パイプライン4は第1ループについての第1画素データを収集し始める。
【0122】
第5クロックサイクルにおいて、パイプライン1は、第4クロックサイクルにおいて収集された第1画素データを処理する。パイプライン2は、第2ループについての第1画素データを収集し始める。パイプライン3は、対応する第2クロックサイクルにおいて得られた第2画素データを準備する。一方、パイプライン4は、対応する第1クロックサイクルにおいて収集された第1画素データを処理する。
【0123】
従って、第3クロックサイクルにおいて、駆動グループにおけるパイプライン1は、既にデータ入力又は収集ステップ、データ処理ステップ及びデータ準備ステップを含むループ操作を完了した。第2画素データを既に2次キャッシュへ転送して格納する。第6クロックサイクルが終了したとき、駆動グループにおけるパイプライン4は、既にデータ収集、データ処理及びデータ準備というループ操作を完了している場合もある。上記駆動処理において、複数の駆動グループにおける、繰り返し論理ユニット10に対応する4本のパイプラインを同時にループ操作において操作する。従って、小さな容量の1次キャッシュを使用して18セットのサブ画素データを格納することによって、データ収集、データ処理及び表示データのキャッシュへの格納を同時に操作する。
【0124】
具体的には、
図3に示すデータ収集、データ処理及びデータ準備のタイミングと操作パターンは、色混合処理を例示する。第2画素データを受け取るためのディスプレイパネルの物理的な解像度は800×480であり、M×N配列の画素構造に対応する。ディスプレイパネルに入力される画素データは800×720解像度に対応し、K×L配列の画素構造に対応する。更に、入力画素データは、RGBについてのサブ画素データを含む。行ごとに720個画素構造についての画素データは720セットの画素データを含み、それは2160セットのサブ画素データを表す。データ処理の間、色混合処理を720セットの画素データに対して適用して行ごとの画素構造についての480セットの第2画素データを得る。480セットの第2画素データは、1920セットのサブ画素データを表す。第2画素データを、駆動ICによってディスプレイパネルに出力する。従って、720セットの画素データを行ごとに480個画素構造として表示する。従って、特定の物理的な解像度のディスプレイパネルを、より高い解像度に対応する画像を表示するために使用する。
【0125】
更に、上記の駆動方法のデータ処理ステップにおいて、CPUを使用し時分割操作に基づいて駆動グループ(
図4に示す最も小さな繰り返し論理ユニット)の画素データ情報を処理しそれに応じて画素出力データを生成する。従って、操作にあたって、少数のキャッシュと1台のCPUだけが必要とされる。例えば、6セットの画素データ(18セットのサブ画素データ)についてのキャッシュ又はレジスターだけが必要とされる。しかしながら、従来の駆動技術においては、通常、画素データ情報とフレーム画素データ情報が格納された後、画素データを処理して画素出力データを生成する。従来の駆動技術における画素データの処理は、本開示におけるデータ準備ステップに対応する。この場合、キャッシュは、少なくとも2160セットのサブ画素データ(又は480×2160セットのサブ画素データ)を格納できる必要がある。従って、開示した駆動方法によれば、駆動ICにおける画素データを格納するためのキャッシュ又はレジスターの数が、従来の駆動技術において使用されるキャッシュ又はレジスターの数のわずか1パーセントまで減少し、物理的な解像度の低いディスプレイパネルを使用してより高い解像度に対応する画像を表示できる。即ち、比較的少数のキャッシュ又はレジスターを使用して高い解像度の画像を表示できる。駆動ICにおけるレジスター又はキャッシュの数は減少し、駆動ICの電力消費が減少する。
【0126】
一方、開示した駆動方法では、ディスプレイパネルは、ループ操作において駆動グループを駆動する。入力画素データ収集と出力表示データ表示の間の遅延は、h個クロックサイクルだけである。遅延が1行の画素構造の数以上のクロックサイクルである従来駆動技術と比べ、開示した駆動方法では、入力画素データ収集と出力表示データ表示の間の遅延を大幅に減らすことができる。例えば、上記の解像度と4つの処理ユニットについて、従来の駆動技術の遅延に対する開示した駆動方法の遅延の比率は、約1%(18/2160 = 0.8%)である。
【0127】
ステップT4(図示せず)は、データ表示ステップである。ステップT4において、ディスプレイパネルは、キャッシュ又はレジスターに格納されている第2画素データを順にM×N配列の行に配置されている画素構造に出力する。第2画素データを1行の画素構造における画素データから得る。各画素構造は、4セットのサブ画素構造を備える。少なくとも1つのサブ画素構造は、他の一つのサブ画素構造と同じ色を有する。
【0128】
ステップT4(図示せず)において、画素データから得られてキャッシュに格納された第2画素データを、ディスプレイパネルの駆動ICへ順に出力又は転送する。第2画素データは、ディスプレイパネルの1行における画素構造と対応する。駆動ICは、第2画素データをM×N配列の画素構造における対応する行へ転送する。
【0129】
開示した駆動方法を適当なプログラミング言語で実現する。例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)とハードウェア記述言語(HDL)を使用して開示した駆動方法を実現する。
【0130】
なお、開示した駆動方法は上記実施例に制限されない。即ち、開示した駆動方法は、6セットの第1画素データから3セットの第2画素データへの変換とデータ転送に制限されない。低い解像度の画素構造に対する高い解像度の画素データの比率に基づいて、第2画素データセットに対する第1画素データセットの他の比率を使用する場合もある。CPUをループ操作において操作して第1画素データから第2画素データへの変換を得ることだけが必要とされる。ここでは第2画素データセットに対する第1画素データセットの特定の比率を限定しない。
【0131】
開示した駆動方法では、ループ操作において駆動グループを使用することによって、特定の物理的な解像度のディスプレイパネルを使用してディスプレイパネルの物理的な解像度よりも高い解像度を表示する。また、開示した方法は、より少ないキャッシュ又はレジスター容量を必要とする。画素データの入力と表示データ又は画素データの出力の間の遅延が低減する。このように、開示した方法のリアルタイム性能は改善される。
【0132】
本開示はディスプレイパネルを提供する。該ディスプレイパネルは、開示したディスプレイパネルを駆動する駆動方法を実現する。
【0133】
ディスプレイパネルは、OLEDディスプレイパネル又は液晶ディスプレイパネルである。OLEDディスプレイパネルにおいて、駆動ICは、キャッシュ又はレジスターから第2画素データを直接受け取る。OLEDディスプレイパネルは、ガンマグレイスケールを調節して画像を表示する。OLEDディスプレイパネルの駆動方法又はプログラムは従来の駆動技術と同じである場合があり、ここで繰り返さない。
【0134】
開示した駆動方法と関連するディスプレイパネルにおいて、繰り返して使用される駆動グループと複数のパイプライン処理によるリアルタイムデータ処理をHRAに実装して駆動ICの設計を単純化する。従って、物理的な解像度の低いディスプレイパネルを使用してより高い解像度の画像を表示する。キャッシュ又はレジスターの数は減り、キャッシュ又はレジスターの容量も減る。駆動ICの電力消費を減らし、ディスプレイパネルの製造コストを低減することができる。
【0135】
本開示は、開示したディスプレイパネルを組み込んだディスプレイデバイスも提供する。
【0136】
ディスプレイデバイスはLCDパネル、一式の電子ペーパー、OLEDパネル、携帯電話、タブレット型コンピューター、テレビ、モニター、ラップトップコンピュータ、デジタル写真フレーム、ナビゲーションシステム及び他の製品、及び/又は表示機能を有する任意の部品である。
【0137】
ディスプレイデバイスは、実施例2によって提供されるディスプレイパネルを組み込む。ディスプレイパネルの駆動ICのコストが低減され、画像を表示するときのディスプレイパネルの遅延が減る。従って、ディスプレイデバイスをより低いコストで製造することができる上、リアルタイム表示性能が向上する。
【0138】
上記開示した例示的な実施例は、本発明の操作原理を例示することを目的とすることを理解すべきである。本発明はそれに制限されず、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、当業者による様々な変更と修正が可能である。従って、本発明の範囲は請求の範囲によって定義される。