(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る放電加工機について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0010】
図1は、放電加工機10の概略構成図である。放電加工機10は、加工液中で、ワイヤ電極12と図示しない加工対象物(被加工物)の間に発生する放電によって加工対象物に対して放電加工を施すワイヤ放電加工機である。ワイヤ電極12の材質は、例えば、タングステン系、銅合金系、黄銅系等の金属材料である。一方、加工対象物の材質は、例えば、鉄系材料または超硬材料等の金属材料である。
【0011】
放電加工機10は、加工機本体14、および、加工液処理装置16を主に備える。加工機本体14は、加工対象物に向けてワイヤ電極12を供給する供給系統20aと、加工対象物からのワイヤ電極12を回収する回収系統20bとを備える。
【0012】
供給系統20aは、ワイヤ電極12が巻かれたワイヤボビン22と、ワイヤボビン22に対してトルクを付与するトルクモータ24と、ワイヤ電極12に対して摩擦による制動力を付与するブレーキシュー26と、ブレーキシュー26に対してブレーキトルクを付与するブレーキモータ28と、ワイヤ電極12の張力の大きさを検出する張力検出部30と、ワイヤ電極12をガイドする上ワイヤガイド32とを備える。
【0013】
回収系統20bは、ワイヤ電極12をガイドする下ワイヤガイド34と、ワイヤ電極12を挟持可能なピンチローラ36およびフィードローラ38と、ピンチローラ36およびフィードローラ38により搬送されたワイヤ電極12を回収するワイヤ回収箱40とを備える。
【0014】
加工機本体14は、放電加工の際に使用される脱イオン水の加工液を貯留可能な加工槽42を備え、加工槽42内に、上ワイヤガイド32および下ワイヤガイド34が配置される。この加工槽42は、ベース部44上に載置される。加工対象物は、上ワイヤガイド32と下ワイヤガイド34との間に設けられる。上ワイヤガイド32および下ワイヤガイド34は、ワイヤ電極12を支持するダイスガイド32a、34aを有する。また、下ワイヤガイド34は、ワイヤ電極12の向きを変えながらピンチローラ36およびフィードローラ38に案内するガイドローラ34bを備える。
【0015】
加工対象物は、ベース部44に設けられた図示しないテーブルによって支持されており、テーブルは、加工槽42内に配置されている。加工機本体14(放電加工機10)は、テーブルの位置と、ダイスガイド32a、34aによって支持されたワイヤ電極12の位置とを相対的に移動させながら、加工対象物に対して加工を行う。
【0016】
加工液処理装置16は、加工槽42に発生した加工屑(スラッジ)を加工液から除去し、加工屑を除去した加工液を加工槽42に戻す装置である。なお、加工液処理装置16は、加工液の温度や電気抵抗率などを調整することで加工液の液質を管理するようにしてもよい。
【0017】
図2は、放電加工機10の要部構成、特に加工液処理装置16の構成を示す図である。加工液処理装置16は、汚水槽50、フィルタ52、および、清水槽54を少なくとも備える。汚水槽50は、加工槽42から排出管56を通って排出された加工液を一時的に貯留する。排出管56は、加工槽42から汚水槽50へ加工液を流す配管であり、この排出管56にはバルブV1が設けられる。バルブV1は、図示しないアクチュエータによって開閉する。
【0018】
加工槽42の加工液には、放電加工によって発生した加工屑が混ざっているため、加工槽42から汚水槽50に排出される加工液は加工屑を含むことになる。つまり、汚水槽50は、加工屑によって汚染された加工液を一時的に貯留する。
【0019】
汚水槽50に貯留された加工液は、ポンプP1によって汲み上げられ移送管58を通って、フィルタ52に供給される。移送管58は汚水槽50からフィルタ52へ加工液を流す配管であり、この移送管58にポンプP1が設けられる。
【0020】
フィルタ52によって濾過された加工液(フィルタ52を通過した加工液)は、移送管60を通って清水槽54に送られる。フィルタ52は加工液から加工屑を除去するものであり、移送管60はフィルタ52を通過した加工液を清水槽54に流す配管である。汚水槽50の加工液がフィルタ52を通過することで、加工屑が除去された加工液を清水槽54に送ることができる。
【0021】
清水槽54は、加工屑が除去された加工液を一時的に貯留する。清水槽54に貯留された加工液は、ポンプP2によって汲み上げられ第1の給水管62を通って、ワイヤガイド64に送られる。第1の給水管62は清水槽54に貯留されている加工液をワイヤガイド64に流す配管であり、この第1の給水管62にポンプP2が設けられる。
【0022】
ワイヤガイド64は、上ワイヤガイド32と下ワイヤガイド34との双方、もしくは、上ワイヤガイド32を意味する。ワイヤガイド64は、加工屑が除去された加工液を噴出する。このワイヤガイド64から加工液を噴出しながら放電加工が施されることで、ワイヤ電極12と加工対象物との間を、放電加工に適した清浄な加工液で満たすことができ、加工屑によって放電加工の精度が低下することを防止することができる。
【0023】
また、清水槽54に貯留された加工液は、ポンプP3によって汲み上げられ第2の給水管66を通って加工槽42に供給される。第2の給水管66は清水槽54に貯留されている加工液を加工槽42に流す配管であり、この第2の給水管66にポンプP3が設けられる。
【0024】
第2の給水管66には、第1の給水管62を流れる加工液よりも低圧の加工液が流れる。第1の給水管62を流れる加工液よりも低圧の加工液を第2の給水管66に流す手法としては、例えば、第2の給水管66の内径を第1の給水管62の内径より
大きくする手法や、第2の給水管66に設けられるポンプP3の動力を第1の給水管62に設けられるポンプP2の動力より小さくする手法が挙げられる。
【0025】
放電加工機10は、加工槽42の水位を測定するための測定用配管70と、測定用配管70に加工液を供給する加工液供給部72と、加工槽42から測定用配管70に加工屑が入ることを抑制するカバー部材74とを備える。また、放電加工機10は、測定用配管70内の空気圧を検出する圧力センサ76と、圧力センサ76の検出結果に基づいて、加工液処理装置16を制御する制御部78とを備える。
【0026】
測定用配管70は、加工槽42に貯留されている水位の測定に用いられる配管であり、加工槽42の側壁に連結される。この測定用配管70は、エアだまりSPを内部に有する。エアだまり
SPは、測定用配管70の内壁と、加工槽42から測定用配管70に入った加工液とに囲まれる空間である。
【0027】
例えば、測定用配管70の上側の管壁部分が外側に突出するように形成され、その突出した管壁部分の内側の空間がエアだまりSPとされる。なお、本実施の形態の測定用配管70は、加工槽42の底壁よりも上側に設けられる。これにより、加工槽42の底壁に溜まった加工屑が測定用配管70に入ることを低減することができる。
【0028】
加工液供給部72は、測定用配管70に加工液を供給するものである。本実施の形態の加工液供給部72は、第2の給水管66から分岐し、測定用配管70に接続される配管であり、第2の給水管66を流れる加工液の一部を測定用配管70に流す。これにより、加工液供給部72は、加工槽42から加工屑が測定用配管70に入っても、その加工屑を加工槽42に戻すことができる。したがって、測定用配管70に加工屑が溜まることを低減することができる。
【0029】
本実施の形態の加工液供給部72は、測定用配管70の開口OPとは反対側の部位に接続される。これにより、測定用配管70に供給された加工液がその測定用配管70で対流などせずにそのまま測定用配管70の開口OPに流れ易くなる。したがって、測定用配管70の開口OPとは反対側の部位以外に加工液供給部72が接続される場合に比べて、測定用配管70に加工屑が溜まることをより低減し易くなる。
【0030】
カバー部材74は、測定用配管70の開口OPの上側から、測定用配管70に供給される加工液が加工槽42に移行可能な状態で開口OPを覆い、加工槽42から測定用配管70に加工屑が入ることを抑制するものである。本実施の形態のカバー部材74は、加工槽42の内部における測定用配管70の開口OPの上側から、その開口OPと間隔を開けて開口OPの前方に配置される。
【0031】
圧力センサ76は、測定用配管70におけるエアだまり
SPの圧力を検出し、検出結果を制御部78に出力する。本実施の形態の圧力センサ76は、測定用配管70の外部に設けられ、測定用配管70の壁に挿通されエアだまりSPに連結されるチューブ76aを介して、当該エアだまりSPの圧力を検出する。これにより、測定用配管70のエアだまりSPに圧力センサ76が設けられる場合に比べて、圧力センサ76が加工液と接触することを抑制することができる。
【0032】
制御部78は、加工槽42と加工液処理装置16との間で加工液が循環するように、バルブV1に接続されるアクチュエータおよびポンプP1〜P3を制御する。すなわち、制御部78は、バルブV1に接続されるアクチュエータを制御してバルブV1を開けた状態でポンプP1〜P3を駆動することで、加工槽42と加工液処理装置16との間で加工液を循環させる。
【0033】
この状態で、制御部78は、圧力センサ76から出力される圧力に基づいて、加工槽42に貯留されている水位を測定し、測定した水位に応じてバルブV1の開度を調整することで、加工槽42に貯留されている加工液の水位を略一定に保持する。
【0034】
〔変形例〕
以上、本発明の一例として上記実施の形態が説明されたが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることはもちろんである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0035】
なお、変更または改良を加えた形態の一部は変形例として以下に説明する。ただし、上記実施の形態において説明した構成と同等の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
[変形例1]
図3は、変形例1の放電加工機10の要部構成を示す図である。変形例1の放電加工機10では、上記実施の形態の加工液供給部72に代えて、加工液供給部72Aが採用される。上記実施の形態の加工液供給部72は、第2の給水管66から分岐する配管であったのに対し、変形例1の加工液供給部72Aは、第1の給水管62から分岐する配管である。
【0037】
第1の給水管62を流れる加工液は、上記のように、第2の給水管66を流れる加工液よりも高圧となる。このため、変形例1の加工液供給部72Aは、第1の給水管62を流れる加工液を測定用配管70に供給することで、加工屑を加工槽42に押し流し易くなる。したがって、上記実施の形態の加工液供給部72に比べて、測定用配管70に加工屑が溜まることをより一段と低減することができる。
【0038】
なお、上記実施の形態の加工液供給部72が採用される場合、変形例1の加工液供給部72Aに比べて低圧の加工液が測定用配管70に流れるため、圧力センサ76の検出限度を超える圧力の加工液が測定用配管70に流れ難い。したがって、上記実施の形態の加工液供給部72が採用される場合、使用可能な圧力センサ76の選択幅を広げ易い。
【0039】
[変形例2]
図4は、変形例2の放電加工機10の要部構成を示す図である。変形例2の放電加工機10では、上記実施の形態の加工液供給部72に代えて、加工液供給部72Bが採用される。上記実施の形態の加工液供給部72は、加工液処理装置16の第2の給水管66から分岐する配管であった。
【0040】
これに対し、変形例2の加工液供給部72Bは、加工液処理装置16の外部に設けられる。この加工液供給部72Bは、加工屑がない加工液を貯留する測定用配管70専用の専用槽80、測定用配管70と専用槽80とを接続する配管82、および、配管82に設けられるポンプPを有する。加工液供給部72Bは、専用槽80から加工液をポンプPで汲み上げ、汲み上げた加工液を配管82を介して測定用配管70に流す。このような加工液供給部72Bが採用されても、上記実施の形態と同様に、測定用配管70に加工屑が溜まることを低減することができる。
【0041】
なお、上記実施の形態の加工液供給部72が採用される場合、加工屑が除去された状態で加工液処理装置16の第2の給水管66を流れる加工液の一部を、測定用配管70の清掃用の加工液として利用できる。同様に、変形例1の加工液供給部72Aが採用される場合、加工屑が除去された状態で加工液処理装置16の第1の給水管62を流れる加工液の一部を、測定用配管70の清掃用の加工液として利用できる。つまり、加工液供給部72、72Aが採用される場合、加工液処理装置16とは別に、測定用配管70に専用の加工液を供給する加工液供給部72Bのような構成を備える必要がない。このため、加工液供給部72、72Aが採用される場合には、測定用配管70に加工屑が溜まることを簡易な構成で低減することができる。
【0042】
[変形例3]
図5は、変形例3の放電加工機10の要部構成を示す図である。変形例3の放電加工機10は、測定用配管70に供給される加工液の液量を調整する液量調整部90をさらに備える。
【0043】
液量調整部90は、加工液供給部72に設けられるバルブV2と、バルブV2に接続されるアクチュエータを制御してバルブV2の開度を調整するバルブ制御部92とを有する。なお、バルブV2の開度は、バルブV2が閉じている場合も含む。
【0044】
バルブ制御部92は、放電加工の経過時間に基づいて、測定用配管70に供給される加工液の液量を調整する。具体的な調整手法として、例えば、放電加工の経過時間が長くなるほどバルブV2の開度を大きくする手法、あるいは、放電加工の開始時期から所定の時間が経過した以降にバルブV2を開ける手法などが挙げられる。
【0045】
このように、放電加工の経過時間に基づいて加工液の液量が調整されることで、放電加工の開始時点やその直後など測定用配管70に加工屑が溜まり難い期間において、測定用配管70に流す加工液の液量を少なくする、あるいは、なくすことができる。したがって、加工液の消費量を抑えることができる。
【0046】
また、バルブ制御部92は、測定用配管70内に設けられる濃度センサ94から加工液に含まれる加工屑の濃度を取得し、その濃度に基づいて、測定用配管70に供給される加工液の液量を調整するようにしてもよい。
【0047】
具体的な調整手法として、例えば、濃度センサ94の検出結果として得られる濃度が大きいほどバルブV2の開度を大きくする手法などが挙げられる。なお、濃度センサ94として、例えば、加工屑の鉄成分などの成分濃度を検出する吸光光度計あるいはイオン計などが挙げられる。なお、濃度センサ94は、加工槽42内に設けられてもよい。
【0048】
このように、加工液に含まれる加工屑の濃度に基づいて、加工液の液量が調整されることで、上記と同様に、測定用配管70に加工屑が溜まり難い期間において測定用配管70に流す加工液の液量を抑えることができる。したがって、加工液の消費量を抑えることができる。
【0049】
なお、バルブV2に接続されるアクチュエータを制御するものとしてバルブ制御部92が採用されたが、上記の制御部78が採用されてもよい。上記の制御部78が採用されれば、バルブ制御部92をなくすことができる分だけ、部品点数を削減することができる。
【0050】
[変形例4]
上記実施の形態では、測定用配管70が加工槽42の側壁に連結されたが、側壁以外の壁部位に連結されていてもよい。
【0051】
[変形例5]
上記実施の形態では、圧力センサ76が測定用配管70の外部に設けられたが、測定用配管70内のエアだまりSPに設けられてもよい。このようにすれば、チューブ76aがいらなくなるため、構成を簡易化することができる。ただし、圧力センサ76と加工液との接触を抑制するためには、上記実施の形態のように、圧力センサ76が測定用配管70の外部に設けられていることが好ましい。
【0052】
[変形例6]
上記実施の形態では、放電加工機10がワイヤ電極12と加工対象物Wとの間に発生する放電によって放電加工を行うワイヤ放電加工機であったが、型彫り用の電極と加工対象物Wとの間に発生する放電によって放電加工を行う型彫放電加工機であってもよい。型彫放電加工機は、加工槽42内に配置されるテーブルの位置と、型彫り用の電極との位置を相対的に移動させながら、加工対象物に対して加工を行う。なお、放電加工機10が型彫放電加工機である場合、供給系統20aおよび回収系統20bがなくなり、型彫り用の電極の位置を移動させるためのアクチュエータが設けられる。
【0053】
[変形例7]
上記実施の形態および上記変形例1〜6は、矛盾の生じない範囲で任意に組み合わされてもよい。
【0054】
〔技術的思想〕
上記実施の形態および変形例から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。
【0055】
放電加工機(10)は、加工槽(42)に貯留される加工液中で加工対象物の放電加工を行うものである。この放電加工機(10)は、加工槽(42)に連結され、内部にエアだまり(SP)を有する測定用配管(70)と、エアだまり(SP)の圧力を検出する圧力センサ(76)と、測定用配管(70)に加工液を供給する加工液供給部(72、72A、72B)とを備える。
【0056】
この放電加工機(10)では、測定用配管(70)に供給される加工液によって、加工槽(42)から測定用配管(70)の内部に入った加工屑を加工槽(42)に押し流すことができる。したがって、放電加工機(10)によれば、測定用配管(70)の内部に加工屑が溜まることを低減することができる。
【0057】
加工液供給部(72、72A)は、加工槽(42)に発生した加工屑を加工液から除去し、加工屑を除去した加工液を加工槽(42)に戻す加工液処理装置(16)の給水管(62、66)から分岐し、測定用配管(70)に接続される配管であってもよい。このようにすれば、加工液処理装置(16)とは別に、測定用配管(70)に専用の加工液を供給する構成を備える必要がない。このため、測定用配管(70)に加工屑が溜まることを簡易な構成で低減することができる。
【0058】
放電加工機(10)は、ワイヤ電極(12)と加工対象物(W)との間に発生する放電によって放電加工を行うワイヤ放電加工機であり、給水管(62、66)は、加工槽(42)内に配置されるワイヤガイド(64)に加工液を流す第1の給水管(62)と、第1の給水管(62)を流れる加工液よりも低圧の加工液を加工槽(42)に流す第2の給水管(66)とを有し、加工液供給部(72)は、第2の給水管(66)から分岐するようにしてもよい。このようにすれば、圧力センサ(76)の検出限度を超える圧力の加工液が測定用配管(70)に流れ難い。したがって、使用可能な圧力センサ(76)の選択幅を広げ易い。
【0059】
放電加工機(10)は、測定用配管(70)に供給される加工液の液量を調整する液量調整部(90)をさらに備えるようにしてもよい。このようにすれば、加工液の液量が一定にされる場合に比べて、加工液の消費量を抑えることができる。
【0060】
液量調整部(90)は、放電加工の経過時間に基づいて、加工液の液量を調整するようにしてもよい。このようにすれば、測定用配管(70)に加工屑が溜まり難い放電加工の開始時点やその直後などにおいて、測定用配管(70)に流す加工液の量を抑えることができる。
【0061】
液量調整部(90)は、加工液に含まれる加工屑の濃度に基づいて、加工液の液量を調整するようにしてもよい。このようにすれば、測定用配管(70)に加工屑が溜まり難い放電加工の開始時点やその直後などにおいて、測定用配管(70)に流す加工液の量を抑えることができる。
【0062】
放電加工機(10)は、加工槽(42)の側壁に有する測定用配管(70)の開口(OP)の上側から、測定用配管(70)に供給される加工液が加工槽(42)に移行可能な状態で開口(OP)を覆い、加工槽(42)から測定用配管(70)に加工屑が入ることを抑制するカバー部材(74)をさらに備えるようにしてもよい。このようにすれば、このカバー部材(74)がない場合に比べて、測定用配管(70)の内部に加工屑が溜まることをより低減することができる。