(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6740503
(24)【登録日】2020年7月28日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】既設構造物の補強方法
(51)【国際特許分類】
E01D 22/00 20060101AFI20200730BHJP
E02D 19/04 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
E01D22/00 B
E02D19/04
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-91789(P2020-91789)
(22)【出願日】2020年5月26日
【審査請求日】2020年5月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ○○年○月○日○○大学において開催された社団法人○○学会第○回大会で発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】福山 勉
【審査官】
富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5057223(JP,B2)
【文献】
特開平10−18229(JP,A)
【文献】
特許第5414114(JP,B2)
【文献】
特許第3177219(JP,B2)
【文献】
特許第4381855(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 22/00
E02D 19/04
E04G 23/00−23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に埋設された部位を有する既設構造物を補強する既設構造物の補強方法であって、
前記既設構造物の周囲に、仮設構造物を前記地盤に圧入することにより設置し、
前記既設構造物の補強すべき補強部分の周囲に、補強鋼板を設置し、
前記仮設構造物に、前記補強鋼板を前記地盤に圧入する圧入装置を取り付け、
前記圧入装置が前記補強鋼板を前記地盤に圧入する際に必要な圧入反力を、前記仮設構造物から得るようにしたこと
を特徴とする既設構造物の補強方法。
【請求項2】
前記圧入装置は、
前記補強鋼板を加圧する加圧機構と、
前記仮設構造物に設置され、前記加圧機構に圧入反力を与える圧入反力ブラケットと、
を備えること
を特徴とする請求項1記載の既設構造物の補強方法。
【請求項3】
前記既設構造物は水中既設構造物であり、前記仮設構造物は仮締切であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の既設構造物の補強方法。
【請求項4】
前記既設構造物は土中既設構造物であり、前記仮設構造物は土留めであること
を特徴とする請求項1又は2に記載の既設構造物の補強方法。
【請求項5】
前記既設構造物は水中既設構造物であり、前記仮設構造物は仮締切及び土留めの双方の機能を有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の既設構造物の補強方法。
【請求項6】
前記補強鋼板の前記地盤への圧入は、前記仮設構造物内の作業スペースの前記地盤への圧入箇所をウェットな状態として行われること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の既設構造物の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既設構造物の補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設橋脚・基礎を補強するために、従来の補強方法と比べ、補強鋼板を地中に圧入する補強方法が施工性、経済性に優れていることから採用されている。補強鋼板を地中に圧入する補強方法としては、ブラケットなどを設置する従来の方法の他に、特許文献1及び特許文献2が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−167474号公報
【特許文献2】特開2002−004301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の「圧入装置」は、アンカー材により柱状構造物に固定されることから、既設鉄筋が干渉しないように削孔する必要があるとともに、アンカーの引抜性能から大きい圧入反力を得ることができない、という事情がある。
【0005】
また、特許文献2の「柱状構造物の補強方法」は、グラウンドアンカーを施工し、グリッパーロッドに油圧ジャッキを固定することから、大きな圧入反力を得ることができる。しかしながら、ボーリングマシン等でグラウンドアンカーを施工する作業スペースが必要となる、という事情がある。この事情は、土留め、仮締切が必要な施工条件の場合、顕著である。
【0006】
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、その目的は、小さい作業スペースで簡易な施工が可能で、しかも、大きな圧入反力を得ることが可能な既設構造物の補強方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る既設構造物の補強方法は、地盤に埋設された部位を有する既設構造物を補強する既設構造物の補強方法であって、前記既設構造物の周囲に、仮設構造物を前記地盤に圧入することにより設置し、前記既設構造物の補強すべき補強部分の周囲に、補強鋼板を設置し、前記仮設構造物に、前記補強鋼板を前記地盤に圧入する圧入装置を取り付け、前記圧入装置が前記補強鋼板を前記地盤に圧入する際に必要な圧入反力を、前記仮設構造物から得るようにしたことを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る既設構造物の補強方法は、第1発明において、前記圧入装置は、前記補強鋼板を加圧する加圧機構と、前記仮設構造物に設置され、前記加圧機構に圧入反力を与える圧入反力ブラケットと、を備えることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る既設構造物の補強方法は、第1発明又は第2発明において、前記既設構造物は水中既設構造物であり、前記仮設構造物は仮締切であることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る既設構造物の補強方法は、第1発明又は第2発明において、前記既設構造物は土中既設構造物であり、前記仮設構造物は土留めであることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る既設構造物の補強方法は、第1発明又は第2発明において、前記既設構造物は水中既設構造物であり、前記仮設構造物は仮締切及び土留めの双方の機能を有することを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る既設構造物の補強方法は、第1発明〜第5発明のいずれか1つにおいて、前記補強鋼板の前記地盤への圧入は、前記仮設構造物内の作業スペースの前記地盤への圧入箇所をウェットな状態として行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明〜第6発明では、圧入装置が補強鋼板を地盤に圧入する際に必要な圧入反力を、仮設構造物から得るようにしたので、例えば、
(1)既設構造物から圧入反力を得る場合と比較して、より大きな圧入反力を得ることが可能となる。
(2)グラウンドアンカーから圧入反力を得る場合と比較して、仮設構造物の寸法を、グラウンドアンカーの施工を考慮せずに済み、仮設構造物の寸法を縮小することが可能となる。
(3)グラウンドアンカーから圧入反力を得る場合と比較して、グラウンドアンカーの施工工程を省略でき、簡易な施工が可能となる。
したがって、第1発明〜第6発明に係る既設構造物の補強方法によれば、小さい作業スペースで簡易な施工が可能で、しかも、大きな圧入反力を得ることが可能な既設構造物の補強方法を提供できる。
【0014】
また、第2発明では、第1発明において使用可能な圧入装置の具体的な例を提供できる。
【0015】
また、第3発明〜第5発明では、第1発明又は第2発明において使用可能な仮設構造物の具体的な例を提供できる。
【0016】
また、第6発明では、補強鋼板の前記地盤への圧入を、仮設構造物内の作業スペースをウェットな状態として行う。したがって、仮設構造物内を、例えば、底まで排水せずに済み、既設構造物に対する補強施工を、より簡易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図3】
図3は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図4】
図4は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図5】
図5は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図6】
図6は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図7】
図7は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図8】
図8は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図9】
図9は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図10】
図10は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図11】
図11は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【
図13】
図13(a)は、参考例に係る既設構造物の補強方法を示す模式側面図である。
図13(b)は、実施形態に係る既設構造物の補強方法を示す模式側面図である。
【
図14】
図14(a)は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の別の例を模式側面図である。
図14(b)は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の更に別の例を模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。各図において、共通する部分については、共通する参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
(既設構造物の補強方法)
図1〜
図11は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の一例を示す模式側面図である。
【0020】
図1に示すように、一実施形態では、地盤21に埋設された部位を有する既設構造物1として、橋梁を例示する。橋梁は、水中既設構造物である。橋梁の橋脚は、水面下の地盤21中に形成された基礎、例えばコンクリート基礎22上に立設される。
【0021】
次に、
図2に示すように、仮設構造物31を既設構造物1の周囲に設置する。仮設構造物31の一例は、仮締切である。仮締切は、地盤21に圧入されて既設構造物1の補強すべき補強部分、例えば橋梁の橋脚を取り囲むように設置される。これにより、仮設構造物31の内側には、既設構造物1の補強部分を取り囲むように、補強作業に使用される作業スペースSが確保される。
【0022】
次に、
図3に示すように、作業スペースS内を部分的に排水し、既設構造物1の内側壁面に、補強作業の際、作業者が歩行及び作業する足場41を設置する。
【0023】
次に、
図4に示すように、既設構造物1の補強すべき補強部分の周囲に、補強鋼板51を設置する。補強部分の一例は、橋脚である。補強鋼板51は、橋脚の周囲に設置される。補強鋼板51は、いくつかのセグメントを、例えば溶接により接合することにより、橋脚の周囲に橋脚を取り囲むように設置される。このような補強鋼板51を複数設置し、補強鋼板51を地盤21上に着底させる。
【0024】
次に、
図5に示すように、仮設構造物31に、圧入装置61を取り付ける。圧入装置61は、補強鋼板51を地盤21に圧入する装置である。
【0025】
図12は、圧入装置の一例を示す模式側面図である。
【0026】
図12に示すように、圧入装置61の一例は、加圧機構62と、圧入反力ブラケット63と、圧入反力伝達部材64と、を含む。
【0027】
加圧機構62は、補強鋼板51(
図5)を加圧する。加圧機構62は、例えば、ジャッキ部621と、ベース鋼板622と、加圧鋼板623と、を有する。加圧鋼板623は、ベース鋼板622に取り付けられ、補強鋼板51と接触して補強鋼板51に圧入圧力を加える。ジャッキ部621は、ベース鋼板622に取り付けられており、ベース鋼板622を介して加圧鋼板623に圧入圧力を加える。
【0028】
圧入反力ブラケット63は、仮設構造物31に設置される。圧入反力ブラケット63は、加圧機構62を支持する支持具であり、加圧機構62に圧入反力を与える。圧入反力ブラケット63は、アンカー材631(例えばボルト等)によって、仮設構造物31に支持される。
【0029】
圧入反力伝達部材64は、圧入反力ブラケット63に設置され、圧入反力ブラケット63と固定される。圧入反力伝達部材64は、仮設構造物31からの圧入反力を、圧入反力ブラケット63を介して加圧機構62に対して伝達する。圧入反力伝達部材64は、例えばPC鋼棒(ゲビン棒)である。圧入反力伝達部材64は、必要に応じて設けられる。例えば、仮設構造物31からの圧入反力を、圧入反力ブラケット63を介して直接に加圧機構62に伝達可能な場合には、圧入反力伝達部材64は省略することが可能である。
【0030】
このような一例に係る圧入装置61では、補強鋼板51を地盤21に圧入する際に必要な圧入反力を、仮設構造物31、即ち仮設構造物31の自重、仮設構造物31と地盤21との周面摩擦力及び仮設構造物31と地盤21との固定力等から得ることができる。
【0031】
次に、
図6に示すように、圧入装置61を用いて、補強鋼板51を地盤21に圧入する。この際の圧入反力は、仮設構造物31から得ている。
【0032】
次に、
図7に示すように、1回の圧入で、補強鋼板51がコンクリート基礎22に達しない場合には、既設構造物1の補強すべき補強部分の周囲に、補強鋼板51を設置する。
【0033】
次に、
図8に示すように、再度、圧入装置61を用いて、補強鋼板51を地盤21に圧入する。
【0034】
次に、
図9に示すように、
図7及び
図8に示した工程を繰り返すことで、補強鋼板51がコンクリート基礎22に達することで、補強鋼板51の地盤21への圧入が完了する。この後、補強鋼板51と既設構造物1、例えば橋脚との間にコンクリート等の補強充填材を充填することにより、橋脚の下部の補強作業が完了する。
【0035】
次に、
図10に示すように、既設構造物1の補強すべき補強部分、橋脚の上部周囲に、例えば巻立により上部補強鋼板52を設置する。
【0036】
次に、
図11に示すように、足場41及び仮設構造物31を撤去する。これにより、既設構造物1の補強作業が完了する。
【0037】
このように一実施形態に係る既設構造物の補強方法では、
1.既設構造物1の周囲に、仮設構造物31を地盤21に圧入することにより設置し(例えば
図2)、
2.既設構造物1の補強すべき補強部分の周囲に、補強鋼板51を設置し(例えば
図4)、
3.仮設構造物1に、補強鋼板51を地盤21に圧入する圧入装置61を取り付ける(例えば
図5)。
4.圧入装置61が補強鋼板51を地盤21に圧入する際に必要な圧入反力を、仮設構造物31から得る。
【0038】
このような一実施形態に係る既設構造物の補強方法によれば、例えば、以下A〜Cのような利点を得ることができる。
A.既設構造物から圧入反力を得る場合と比較して、より大きな圧入反力を得ることが可能となること。
B.グラウンドアンカーから圧入反力を得る場合と比較して、仮設構造物の寸法を、グラウンドアンカーの施工を考慮せずに済み、仮設構造物の寸法を縮小することが可能となること。
C.グラウンドアンカーから圧入反力を得る場合と比較して、グラウンドアンカーの施工工程を省略でき、簡易な施工が可能となること。
【0039】
上記利点Bについて、詳細に説明する。
図13(a)は、参考例に係る既設構造物の補強方法を示す模式側面図である。
図13(b)は、実施形態に係る既設構造物の補強方法を示す模式側面図である。
【0040】
図13(a)に示すように、参考例は、圧入装置61rの圧入反力をグラウンドアンカー65から得る。この場合、仮設構造物31内の作業スペースSに、グラウンドアンカー65を地盤21に挿入するためのボーリングマシンの設置及びボーリングマシンによる施工のためのスペースが必要となる。このため、仮設構造物31の、例えば鋼矢板幅Wrが大きくなってしまう、という事情がある。
【0041】
これに対して、
図13(b)に示すように、実施形態では、圧入装置61の圧入反力を仮設構造物31から得る。このため、仮設構造物31内の作業スペースSに、ボーリングマシンの設置及びボーリングマシンによる施工のためのスペースが不要である。したがって、仮設構造物31の、例えば鋼矢板幅W1は、参考例の鋼矢板幅Wrと比較して、小さくできるのである(W1<Wr)。
【0042】
このように、実施形態では、参考例と比較して、仮設構造物31の寸法を縮小することができる。
【0043】
したがって、一実施形態に係る既設構造物の補強方法によれば、小さい作業スペースで簡易な施工が可能で、しかも、大きな圧入反力を得ることが可能な既設構造物の補強方法を提供できる。
【0044】
<既設構造物の補強方法の別の例>
図14(a)は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の別の例を模式側面図である。
【0045】
図14(a)に示すように、既設構造物31は、土中既設構造物であってもよい。この場合、既設構造物31は、例えば土留めとなる。既設構造物31が土留めであったとしても、この発明に係る既設構造物の補強方法は、適用することが可能である。
【0046】
また、土留めである既設構造物31の作業スペースS内に、地下水71が存在していたとしても、全てを排水する必要はない。このため、補強作業を、上記一実施形態と同様に簡易なものとすることができる。
【0047】
<既設構造物の補強方法の更に別の例>
図14(b)は、この発明の一実施形態に係る既設構造物の補強方法の更に別の例を模式側面図である。
【0048】
図14(b)に示すように、仮設構造物31は仮締切及び土留めの双方の機能を有していても良い。
図14(b)では、仮設構造物31の一面が水中にあり、仮設構造物31の他面が土中にある例が示されている。この発明に係る既設構造物の補強方法は、仮設構造物31の全ての面のそれぞれが水中又は土中にある場合に限られるものではなく、水中及び土中に混在している場合でも、適用可能である。
【0049】
以上、この発明を一実施形態を参照して説明したが、一実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この発明の実施形態は、上記一実施形態が唯一の実施形態でもない。また、一実施形態は、様々な新規な形態で実施することができ、一実施形態は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更も可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 :既設構造物
21 :地盤
22 :コンクリート基礎
31 :仮設構造物(仮締切)
41 :仮足場
51 :補強鋼板
52 :上部補強鋼板
61 :圧入装置
61r:圧入装置(参考例)
62 :加圧機構
621:ジャッキ部
622:ベース鋼板
623:加圧鋼板
63 :圧入反力ブラケット
631:アンカー材
64 :圧入反力伝達部材
65 :グラウンドアンカー
71 :地下水
S :作業スペース
Wr :鋼矢板幅(参考例)
W1 :鋼矢板幅(実施形態)
【要約】
【課題】小さい作業スペースで簡易な施工が可能で、しかも、大きな圧入反力を得ることが可能な既設構造物の補強方法を提供すること。
【解決手段】地盤に埋設された部位を有する既設構造物(1)を補強する既設構造物の補強方法であって、既設構造物(1)の周囲に、仮設構造物(31)を地盤(21)に圧入することにより設置し、既設構造物(1)の補強すべき補強部分の周囲に、補強鋼板(51)を設置し、仮設構造物(31)に、補強鋼板(51)を地盤(21)に圧入する圧入装置(61)を取り付け、圧入装置(61)が補強鋼板(51)を地盤(21)に圧入する際に必要な圧入反力を、仮設構造物(31)から得る。
【選択図】
図5