特許第6740797号(P6740797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6740797
(24)【登録日】2020年7月29日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】蓋材及び蓋材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20200806BHJP
【FI】
   B65D77/20 M
   B65D77/20 N
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-159117(P2016-159117)
(22)【出願日】2016年8月15日
(65)【公開番号】特開2018-27783(P2018-27783A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2019年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】玉越 守
(72)【発明者】
【氏名】盧 和敬
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−131658(JP,A)
【文献】 特開2013−075715(JP,A)
【文献】 特開平06−330026(JP,A)
【文献】 特開2015−030505(JP,A)
【文献】 特開2013−208816(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0175317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 65/40
B65D 85/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シート上にホットメルト樹脂層と撥水層とをこの順に積層して構成され、かつ、端部に開封開始用タブを有する蓋材において、
前記開封開始用タブと蓋材の中央を通る線の方向を開封方向として、この開封方向に沿って切断したとき、前記ホットメルト樹脂層の断面が山形状の凸部を有しており、この山形状の凸部の頂点が前記開封開始用タブの反対側に片寄った位置にあって、この頂点から開封開始用タブ側が緩斜面を構成していると共に、その反対側が急斜面を構成しており、
緩斜面と前記基材シートの表面との角度αが45度以下であることを特徴とする蓋材。
【請求項2】
前記角度αが20度以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
【請求項3】
急斜面と前記基材シートの表面との角度βが30度以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
【請求項4】
前記撥水層が、前記緩斜面上に厚く形成され、急斜面上に薄く形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材。
【請求項5】
前記撥水層が疎水性微粒子を含む層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材。
【請求項6】
前記撥水層が、疎水性微粒子が金属アルコキシドの中に分散されている層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の蓋材を製造する方法であって、
基材シート上にホットメルト樹脂層を形成する工程と、このホットメルト樹脂層上に撥水層を形成する工程とを有し、
ホットメルト樹脂層を形成する前記工程が、前記開封方向に沿って、前記開封開始用タブ側からその反対側に向かって、溶融状態のホットメルト樹脂をグラビアコーティングする方法であることを特徴とする蓋材の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の蓋材を製造する方法であって、
基材シート上にホットメルト樹脂層を形成する工程と、このホットメルト樹脂層上に撥水層を形成する工程とを有し、
ホットメルト樹脂層を形成する前記工程が、ホットメルト樹脂の被膜を形成する工程と、このホットメルト樹脂の被膜をエンボスして賦形する工程とから成ることを特徴とする蓋材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撥水性の蓋材と、この蓋材を製造する方法に関するもので、この撥水性蓋材は、例えば、ヨーグルトを収容密封するカップ状容器の蓋材等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
カップ状容器に適用させる蓋材は、基材シートの表面にシーラント層を積層して構成されており、ヨーグルト等の内容物を充填したカップ状容器の上面開口に被せて、周縁部を容器の上縁フランジ部にヒートシールすることによって密封する。
このような蓋材には、ヒートシール性、密封性、開封時の易剥離性等が求められる。また、これら基本的な要求品質に加えて、近年では、内容物の非付着性、即ち蓋材の裏面に内容物が付着し難いものが望まれている。蓋材の裏面に内容物が付着すると、蓋材に付着した内容物の棄損による無駄が生じたり、付着部を取り除くのに手間がかかるなどの問題がある。また、開封時に付着物が手や指、衣類あるいは周辺を汚す恐れがある。
【0003】
これらの問題を解決するために、特許文献1には、図3の断面図に示すような蓋材200が開示されている。この蓋材200は、図3に図示するように、基材シート1上にホットメルト樹脂層2と撥水層3とをこの順に設けたものであって、ホットメルト樹脂層2表面に凹凸が形成されており、撥水層3はこの凹凸に沿って設けられており、しかも、この撥水層が平均一次粒子径5〜1000nmの疎水性粒子を無機バインダーで固定して構成した積層体で構成されている。この蓋材200においては、疎水性粒子が撥水層3表面に露出して、その撥水機能によってヨーグルト等の内容物の付着を防止する。しかも、この撥水層3がホットメルト樹脂層2表面の凹凸を反映して、撥水層3表面にも凹凸が形成されているため、表面積が大きくなり、このため、十分な付着防止効果が発揮されるのである。なお、この蓋材200を容器開口部にヒートシールする場合には、ヒートシール時に熱圧によって撥水層3にクラックが生じ、このクラックを通してホットメルト樹脂層2が容器フランジに融着する。
【0004】
この蓋材200を製造する際には、まず、基材シート1上にホットメルト樹脂層2を形成すると同時に、あるいは、ホットメルト樹脂層2を形成した後に、このホットメルト樹脂層2に前記凹凸を形成する。ホットメルト樹脂層2は、例えば、ホットメルト樹脂をTダイから押し出して基材シート上にラミネートする押出同時ラミネート法によって形成することができ、冷却ロールの表面に予め逆形状の凹凸を形成しておくことにより、冷却と同時に凹凸を賦与することができる。また、ホットメルト樹脂を主成分とするヒートシール性ニスを印刷機やコーター機によって塗工することによりホットメルト樹脂層2を形成することもでき、その版やスタンパーによって凹凸を賦与することができる。もちろん、ホットメルト樹脂層2を形成した後、その表面をエンボスして凹凸を形成することも可能である。
【0005】
次に、こうして表面に凹凸が形成されたホットメルト樹脂層2の凹凸表面に前記撥水層3を形成する。撥水層3は、疎水性粒子と無機アルコキシドとを溶剤中に分散して塗布液とし、この塗布液をロールコート法等でコーティングしてその被膜を形成した後、加熱して無機アルコキシドを硬化させることによって形成することができる。
【0006】
ところで、この撥水層3は、ホットメルト樹脂層2表面の凹凸に沿って、しかも、この撥水層3表面にも前記凹凸が反映される必要があるから、極めて薄い層として形成される必要がある。例えば、0.1〜20μmである。しかしながら、このような薄い撥水層3をロールコート法等で形成すると、均一な膜厚の撥水層3を形成することは困難である。
すなわち、ホットメルト樹脂層2の凹凸表面に塗布された前記塗布液は、図3に示すように、凹凸表面の凹部に溜まるため、凹凸表面の凹部に厚い撥水層3aが形成される一方、凸部には薄い撥水層3bが形成される。そして、このようにホットメルト樹脂層2の凸部の撥水層3bはその膜厚が薄いため、その撥水効果を十分に発揮することができず、その付着防止効果も十分とはいえないのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−208817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、ホットメルト樹脂層上に撥水層を有し、内容物の付着を防止する蓋材であって、撥水層がヒートシール層の凹凸表面に設けられるにも拘わらず、高い付着防止効果を発揮する蓋材とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材シート上にホットメルト樹脂層と撥水層とをこの順に積層して構成され、かつ、端部に開封開始用タブを有する蓋材において、
前記開封開始用タブと蓋材の中央を通る線の方向を開封方向として、この開封方向に沿って切断したとき、前記ホットメルト樹脂層の断面が山形状の凸部を有しており、この山形状の凸部の頂点が前記開封開始用タブの反対側に片寄った位置にあって、この頂点から開封開始用タブ側が緩斜面を構成していると共に、その反対側が急斜面を構成しており、
緩斜面と前記基材シートの表面との角度αが45度以下であることを特徴とする蓋材である。
【0010】
次に、請求項2に記載の発明は、前記角度αが20度以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、急斜面と前記基材シートの表面との角度βが30度以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記撥水層が、前記緩斜面上に厚く形成され、急斜面上に薄く形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記撥水層が疎水性微粒子を含む層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材である。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、前記撥水層が、疎水性微粒子が金属アルコキシドの中に分散されている層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材である。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の蓋材を製造する方法であって、
基材シート上にホットメルト樹脂層を形成する工程と、このホットメルト樹脂層上に撥水層を形成する工程とを有し、
ホットメルト樹脂層を形成する前記工程が、前記開封方向に沿って、前記開封開始用タブ側からその反対側に向かって、溶融状態のホットメルト樹脂をグラビアコーティングする方法であることを特徴とする蓋材の製造方法である。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の蓋材を製造する方法
であって、
基材シート上にホットメルト樹脂層を形成する工程と、このホットメルト樹脂層上に撥水層を形成する工程とを有し、
ホットメルト樹脂層を形成する前記工程が、ホットメルト樹脂の被膜を形成する工程と、このホットメルト樹脂の被膜をエンボスして賦形する工程とから成ることを特徴とする蓋材の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の蓋材は、凹凸形状を有する撥水層の撥水機能と、開封時の滑落機能とに基づいて付着防止効果を発揮するものである。
【0018】
すなわち、まず、本発明の蓋材は、ホットメルト樹脂層に凹凸を設け、この凹凸表面に撥水層を設けているから、この撥水層の表面積が大きくなり、蓋材全体として、その撥水機能が増大する。
【0019】
ところで、本発明の蓋材においては、その断面においてホットメルト樹脂層の凸部が非対称の山形状を有しており、その頂点を挟んで角度αが45度以下の緩斜面とその反対側の急斜面とを有しているから、緩斜面の表面積は急斜面の表面積より大きくなる。
【0020】
そして、このホットメルト樹脂層上に撥水層用塗布液をコーティングした場合には、緩斜面上にコーティングされた塗布液は凹部に流れ込み難く、この緩斜面上には膜厚の厚い撥水層が形成される。このため、大面積の緩斜面上の撥水層は、高い撥水機能を発揮する。なお、急斜面上の撥水層は膜厚が薄いから、緩斜面上の撥水層に比較するとその撥水機能は低いものの、前述のとおり、蓋材全体としては高い撥水機能を発揮する。
【0021】
そして、その緩斜面は凸部の開封開始用タブ側に位置しているから、この開封開始用タブを摘んで蓋材を容器から剥離開封する際には、この蓋材は前記緩斜面が鉛直面に近づくように急勾配に傾く。このため、鉛直面上の撥水層に付着した内容物は急勾配の撥水層から滑落して、容器内部に戻るのである。
【0022】
このように、本発明の蓋材は、第一に、ホットメルト樹脂層が凹凸を有し、撥水層の表面積を大きくしてその撥水機能を増大させており、第二に、その緩斜面上に十分な撥水層を有し、開封の際にはこの緩斜面が急勾配となって滑落機能を発揮するため、高い付着防止効果を発揮するのである。
【0023】
なお、請求項7に記載の製造方法にあっては、溶融状態のホットメルト樹脂をグラビアコーティングして前記ホットメルト樹脂層を形成する。このコーティング方法は、溶融状態のホットメルト樹脂をグラビア版のセルに充填した後、このセルを基材シートに押圧して、セル中の溶融状態のホットメルト樹脂を基材シートに転移させて塗布する方法である。そして、このセルのパターンを反映してホットメルト樹脂層には山形状の凸部が形成される。
【0024】
このとき、溶融状態のホットメルト樹脂は高い粘度を有するため、グラビア版のセルが基材シートを離れる時、ホットメルト樹脂はグラビア版のセルと基材シートとの間で引っ張られる。そして、このため、形成される山形状の凸部は、前記セルと基材シートとが離れる位置に頂点を有する非対称の断面形状を有するに至るのである。
【0025】
そして、本発明においては、開封方向に沿って、前記開封開始用タブ側からその反対側に向かって、コーティングするから、前記セルと基材シートとが離れる位置は、開封開始用タブとは反対側となり、この位置に頂点が形成されると共に、コーティングの開始方向
、すなわち、開封開始用タブ側には緩斜面が形成され、その反対側、すなわち、前記セルと基材シートとが離れる方向には急斜面を形成することができるのである。なお、これら緩斜面や急斜面の勾配は、溶融状態のホットメルト樹脂の量や粘度、コーティングの際の印圧やコーティング速度によって制御できる。
【0026】
また、請求項8に記載の製造方法のように、ホットメルト樹脂の被膜をエンボスして賦形することによって、所定の断面形状のホットメルト樹脂層を形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本発明の蓋材の具体例に係り、図1(a)はその斜視図、図1(b)は、図1(a)のx−y線における断面説明図である。
図2図2は本発明の蓋材の具体例に係り、ホットメルト樹脂層の断面形状を説明するための説明用拡大断面図である。
図3図3は従来の蓋材の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の具体例を説明する。
【0029】
本発明の蓋材100は、ヨーグルト等を収容する容器を密封するもので、図1(a)に示すように、その端部に開封開始用タブ1aを有するものである。この蓋材100は、前記容器の上面開口に被せて、周縁部を容器の上縁フランジ部にヒートシールして使用する。そして、開封開始用タブ1aを摘んで上方に引き上げることにより、容器開口部から剥離して開封する。図1(a)にx−y線で示すものは、開封開始用タブ1aを摘んで上方に引き上げた場合、その剥離開封が進行する方向(開封方向)は、一般に、開封開始用タブ1a蓋材の中央を通る線の方向と同じであり、図1(a)においては、この開封方向をx−y線で示している。なお、この図において、開封は符号xから符号yに示す方向に進行する。すなわち、xは開封開始用タブ1aが存在する方向を示し、yはその反対側を示しており、開封は開封開始用タブ1aからその反対側に向けて、すなわち、図示xからyの方向に向けて進行する。
【0030】
なお、この例では蓋材100は略円形の形状を有しているが、これに限らず、任意の形状の蓋材であってよい。例えば、略長方形状の蓋材である。略長方形状の蓋材の場合には、開封開始用タブはその角部に配置されていることが多く、開封方向は対角線の方向である。
【0031】
次に、この蓋材100は、図1(b)に示すように、基材シート1上に山形状の凸部を有するホットメルト樹脂層2と撥水層3とをこの順に積層して構成されたものである。この蓋材100は、撥水層3が容器の上縁フランジ部に接するように使用する。そして、この蓋材100の付着防止効果は、凹凸形状を有する撥水層3の撥水機能と、後述する開封時の滑落機能とに基づいている。
【0032】
この発明において、基材シート1は、任意のシートであってよい。単一のシートから構成されるものであっても良いし、多層構造を有するシートであってもよい。例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン、アルミニウム箔などを使用することができる。また、これらを積層したものであってもよい。
【0033】
また、基材シート1は、金属又は金属酸化物の薄膜を設けた蒸着フィルムを、その層構成中に含むものであってもよい。金属としては、ケイ素、アルミニウムなどが例示できる
。また、金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化マグネシウム等が例示できる。また、これらの薄膜を形成する蒸着基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン等が使用できる。そして、これら薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法等の真空プロセスによって、蒸着基材上に設けることが可能である。
【0034】
次に、ホットメルト樹脂層2は、多数の凸部を配列した形状を有している。蓋材100を前記開封方向に沿って切断したときの凸部の形状を図2の拡大断面説明図を参照して説明すると、まず、この凸部は山形状を有しており、その頂点21は前記開封開始用タブの反対側に片寄った位置にある。図2では、その方向が分かるように、開封方向を示すx−y線を図示している。もちろん、xは開封開始用タブ1aが存在する方向を示し、yはその反対側を示している。
【0035】
そして、この頂点を境界として、開封開始用タブ側が緩斜面22を構成し、その反対側が急斜面23を構成している。このため、緩斜面22の表面積は急斜面23の表面積より大きい。
【0036】
このような形状のホットメルト樹脂層2の上に撥水剤を塗布すると、図1(b)及び図2に示すように、緩斜面22上には比較的厚い撥水層32が形成される。一方、急斜面23に塗布された撥水剤はこの急斜面23から凹部に落ちるため、この急斜面23上には薄い撥水層33が形成される。なお、凹部には、急斜面23から落ちた撥水剤が溜まって、厚い撥水層3が形成される。
【0037】
そして、緩斜面22においては、その撥水層32の膜厚が厚いため、高い撥水機能を発揮する。この緩斜面22の表面積は急斜面23の表面積より大きいため、蓋材100は、全体として高い撥水機能を発揮するのである。なお、急斜面23においては、撥水層33の膜厚が薄いため、十分な撥水機能を発揮することはないが、その表面積が小さいため、蓋材100全体の撥水機能に与える影響は限定されている。
【0038】
次に、この蓋材100を容器から剥離除去する際には、開封開始用タブ1aを摘んで引き上げることになるから、この引き上げ操作によって緩斜面22は鉛直面に近づく。このため、この緩斜面22上の撥水層32に付着した内容物は、この撥水層32から滑落して容器内部に戻る。なお、この引き上げ操作によって急斜面23は水平面に近づくため、この急斜面23上の撥水層33に付着した内容物が滑落することはないが、前述のように、撥水層33の表面積が小さいから、その影響は限られたものである。
【0039】
開封時のこのような滑落機能を十分に発揮するためには、頂点から開封開始用タブ側の斜面(緩斜面)22と基材シート1の表面との角度αが45度以下であることが必要である。後述する実施例から分かるように、この角度αが45度を越える場合には、十分な付着防止効果を得ることができない。また、この角度αは20度以上であることが望ましい。角度αが20度より小さい場合には、山上凸部の高さが不十分で、この凹凸による撥水機能の向上が見られず、やはり、十分な付着防止効果を得ることができない。
【0040】
一方、その反対側の斜面(急斜面)23と基材シート1の表面との角度βは大きい方が望ましく、例えば30度以上である。一般に90度以下である。
【0041】
このような形状のホットメルト樹脂層2は、さまざまな方法で形成することができる。例えば、ホットメルトグラビアコーティング法を利用する方法である。
【0042】
ホットメルトグラビアコーティング法は、グラビア版に多数の凹部を設けてセルとし、このセルに溶融状態のホットメルト樹脂を充填した後、このグラビア版を基材シート1に押圧してセル中のホットメルト樹脂を転移する方法である。この方法においては、溶融状態のホットメルト樹脂は高い粘度を有するため、グラビア版のセルが基材シート1を離れる時、ホットメルト樹脂はグラビア版のセルと基材シート1との間で糸を引く。そして、このため、形成される山形状の凸部は、前記セルと基材シート1とが離れる位置に頂点を有する非対称の断面形状を有するに至る。
【0043】
そこで、前記開封方向に沿って、前記開封開始用タブ1a側からその反対側に向かって、すなわち図示のxからyに向かって、溶融状態のホットメルト樹脂をグラビアコーティングすることにより、セルと基材シート1とが離れる位置を開封開始用タブ1aの反対側として、この位置に頂点21が形成すると共に、コーティングの開始方向、すなわち、開封開始用タブ1a側には緩斜面22を形成し、その反対側、すなわち、前記セルと基材シート1とが離れる方向には急斜面23を形成することができるのである。なお、頂点21の位置及び緩斜面22や急斜面23の勾配は、溶融状態のホットメルト樹脂の量や溶融粘度、コーティングの際の印圧やコーティング速度によって制御できる。なお、ホットメルト樹脂の溶融粘度は4000mPa・s以上であることが望ましく、5000mPa・s以上であることが一層望ましい。
【0044】
また、ホットメルト樹脂層2はエンボスして賦形する方法によって形成することもできる。すなわち、まず、基材シート1上にホットメルト樹脂の被膜を形成し、次に、このホットメルト樹脂被膜をエンボスして所定の形状に賦形する方法である。
【0045】
ホットメルト樹脂被膜は、例えば、ホットメルト樹脂をTダイから押し出して、基材シート1表面にラミネートする方法(押出同時ラミネート法)によって形成することができる。また、ホットメルト樹脂をフィルム状に成形し、基材シート1表面にラミネートすることによって形成することもできる。また、ホットメルト樹脂を含むニスを印刷機やコーター機によって塗工することによって形成することも可能である。また、ホットメルトグラビアコーティング法を利用してホットメルト樹脂被膜を形成してもよい。
【0046】
エンボスは、表面に凹凸を有する金型をホットメルト樹脂被膜に押圧することで行うことができる。ホットメルト樹脂被膜を軟化して、金型の表面凹凸をホットメルト樹脂層2表面に再現するため、加熱して押圧することが望ましい。
【0047】
ホットメルト樹脂層2の材質としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用できる。
【0048】
次に、撥水層3は、内容物に対する撥液性を発揮する層である。このため、疎水性微粒子を含むことが望ましい。疎水性微粒子としては、疎水官能基で表面処理した無機酸化物粒子が好ましく使用できる。コアとなる無機酸化物粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンなどが使用できる。また、疎水官能基による表面処理としては、例えば、シランカップリング剤による処理が例示でき、この場合には、コアとなる無機酸化物粒子の表面に疎水性の官能基を付与して、その表面を疎水化することができる。シランカップリング剤としては、ジメチルシリル系シランカップリング剤(化学式:(CHSi(O−R))、トリメチルシリルシランカップリング剤(化学式:(CH
iO−R)、ジメチルポリシロキサンシランカップリング剤(化学式:(CH−Si−O−Si(O−R))、ジメチルシロキサンシランカップリング剤、アミノアルキルシリルシランカップリング剤、アルキルシリルシランカップリング剤、メタクリルシリルシランカップリング剤などが好ましいが、より好ましくはメチル基(化学式:CH)が多いトリメチルシリルシランカップリング剤である。なお、化学式中、「O−R」は加水分解される置換基を示している。
【0049】
撥水層3は、この疎水性微粒子をホットメルト樹脂層2表面に層状に付着させて形成することもできるが、バインダーに混合して塗布することによって形成することが望ましい。
【0050】
疎水性微粒子を付着させる方法としては、例えば、ホットメルト樹脂層2が軟化して接着力を保っている状態で、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法等により塗布する方法が利用できる。
【0051】
また、疎水性微粒子と共に使用するバインダーとしては、金属アルコキシドを使用することが望ましい。すなわち、疎水性微粒子を金属アルコキシドの中に分散した塗布液を塗布することによって撥水層3を形成することができる。こうして形成された撥水層3は、塗布後の乾燥によって金属アルコキシドが加水分解して硬化する。すなわち、加水分解によって、金属アルコキシドは、SiO骨格を有する強固な無機皮膜を生成し、この無機皮膜がバインダーとして働き、疎水性微粒子を固定するのである。
【0052】
金属アルコキシドとしては、化学式M(OR)nで表される金属アルコキシドが例示できる。その一部が加水分解されていてもよい。ここで、MはLi、Na、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Si、Al、Ti、Zr等の金属、Rは低級アルキル基、nは金属元素の酸化数]である。例えば、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、アルミニウムプロポキシド、チタンイソプロポキシド、亜鉛−t−ブトキシド、亜鉛−n−ブトキシド、カルシウムエトキシド、鉄エトキシド、バナジウムイソプロポキシド、錫−t−ブトキシド、リチウムエトキシド、ベリリウムエトキシド、ホウ素エトキシド、燐エトキシド、燐メトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等である。その中でも、水系の溶媒中において比較的安定なものが好ましい。例えば、テトラエトキシシラン、テトラエチルオルソシリケート、トリイソプロピルアルミニウムである。
【0053】
金属アルコキシドの重量に対する疎水性微粒子の重量の比率は0.3〜1.5であることが望ましい。その比率が0.3より低い場合、十分な撥水性能が得られない。また、1.5より大きい場合、表面に露出した疎水性微粒子が脱落し易く、撥水性能が損なわれやすい。
【0054】
疎水性微粒子を金属アルコキシドの中に分散した塗布液の溶剤としては、例えば、水とアルコールの混合溶媒中が使用できる。塗布方法としては、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、キスリバースコーティング、ダイコーティング、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、ディップコーティング、スプレーコーティング、スプレーコーティングなどを用いることができる。このようにホットメルト樹脂層2の上に塗布することにより、ホットメルト樹脂層2の緩斜面22の上には、比較的膜厚の撥水層32が形成でき、一方、急斜面23の上に塗布された塗布液は急斜面23から凹部に流れ落ちるため、比較的薄い撥水層33が形成される。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
基材シート1として、坪量52.3g/mの模造紙と厚さ7μmのアルミニウム箔を貼り合せたものを使用した。
【0056】
次に、アルミニウム箔面にプライマー層を介してホットメルト樹脂層2を形成した。なお、このホットメルト樹脂層2の形成方法としてはグラビアコーティング法を採用した。すなわち、ホットメルト樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用し、このEVAを155℃に加熱して溶融し、グラビア版のセルに充填して、基材シート1に転移することにより、ホットメルト樹脂層2を形成した。なお、160℃のEVAの溶融粘度は5500mPa・sである。また、グラビア版のセルの深さは100μmである。また、このコーティングは開封開始用タブ1a側からその反対側に向かって行った。
【0057】
得られたホットメルト樹脂層2は、表面に凹凸を有するもので、その凸部は山形状を有していた。そして、開封開始用タブ1aと蓋材の中央を通る線の方向を開封方向として、この開封方向に沿って切断したとき、この凸部の頂点21が前記開封開始用タブ1aの反対側に片寄った位置にあって、その高さは40μmであった。そして、この頂点から開封開始用タブ側が緩斜面22を構成しており、頂点21を挟んでその反対側は急斜面23を構成していた。そして、基材シート1の表面と緩斜面22との角度αは30度であり、基材シート1の表面と急斜面23との角度βは45度であった。
【0058】
次に、このホットメルト樹脂層2の上に、撥水層3を形成した。撥水層3は、疎水性粒子と金属アルコキシド加水分解液とを混合した塗布液をバーコーティングして形成した。疎水性粒子はトリメチルシリル基を付与したシリカ(SiO)粒子(平均一次粒子径15nm)である。金属アルコキシド加水分解液は、テトラエトキシシラン2重量部に、塩酸でpHを1に調整した水1部を加えて撹拌し、加水分解液を作成した後、水を加えてSiO分として固形分濃度が5%となるように調整したものである。なお、これら疎水性粒子と金属アルコキシド加水分解液とは、疎水性粒子と金属アルコキシド加水分解液のSiOが50:50の重量比となるように混合して塗布液とした。
【0059】
次に、こうして得られた積層体を、開封開始用タブ1aを有する蓋材100の形状に打ち抜くことにより、実施例1の蓋材を製造した。なお、開封開始用タブ1aとホットメルト樹脂層2の凸部との位置関係は前述のとおりである。
【0060】
(実施例2)
ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度、溶融粘度、グラビア版のセルの深さを変更し、コーティングの印圧やコーティング速度を適宜調整した他は、実施例1と同様に蓋材を製造した。ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度は160℃、溶融粘度は5000mPa・sである。また、グラビア版のセルの深さは130μmである。
【0061】
この例においても、実施例1と同様に、凸部の頂点21が前記開封開始用タブ1aの反対側に片寄った位置にあり、この頂点から開封開始用タブ側が緩斜面22を構成し、頂点21を挟んでその反対側は急斜面23を構成していた。基材シート1の表面と緩斜面22との角度αは45度であり、基材シート1の表面と急斜面23との角度βは80度であった。
【0062】
(実施例3)
ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度、溶融粘度、グラビア版のセルの深さを変更し、コーティングの印圧やコーティング速度を適宜調整した他は、実施例1と同様に蓋材を製造した。ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度は155℃、溶融粘度は5500mPa・sである。また、グラビア版のセルの深さは80μmである。
【0063】
この例においても、実施例1〜2と同様に、凸部の頂点21が前記開封開始用タブ1aの反対側に片寄った位置にあり、この頂点から開封開始用タブ側が緩斜面22を構成し、頂点21を挟んでその反対側は急斜面23を構成していた。基材シート1の表面と緩斜面22との角度αは20度であり、基材シート1の表面と急斜面23との角度βは30度であった。
【0064】
(比較例1)
ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度、溶融粘度、グラビア版のセルの深さを変更し、コーティングの印圧やコーティング速度を適宜調整した他は、実施例1と同様に蓋材を製造した。ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度は160℃、溶融粘度は5000mPa・sである。また、グラビア版のセルの深さは130μmである。
【0065】
この例では、実施例1〜3と異なり、凸部の頂点21が前記開封開始用タブ1a側に片寄った位置にあり、このため、この頂点から開封開始用タブ側が急斜面を構成しており、その反対側は緩斜面を構成していた。説明の便宜上、開封開始用タブ側の斜面(急斜面)と基材シート1の表面との角度を角度αとし、その反対側の斜面(緩斜面)の角度を角度βとすると、角度αは80度であり、角度βは45度であった。
【0066】
(比較例2)
ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度、溶融粘度、グラビア版のセルの深さを変更し、コーティングの印圧やコーティング速度を適宜調整した他は、実施例1と同様に蓋材を製造した。ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度は175℃、溶融粘度は3500mPa・sである。また、グラビア版のセルの深さは80μmである。
【0067】
この例では、凸部の頂点が凸部の中央にあり、その両側の斜面の傾斜角度は互いに等しかった。説明の便宜上、開封開始用タブ側の斜面と基材シート1の表面との角度を角度αとし、その反対側の斜面の角度を角度βとすると、角度αと角度βとは、いずれも、30度であった。
【0068】
(比較例3)
ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度、溶融粘度、グラビア版のセルの深さを変更し、コーティングの印圧やコーティング速度を適宜調整した他は、実施例1と同様に蓋材を製造した。ホットメルト樹脂(EVA)の加熱温度は160℃、溶融粘度は5000mPa・sである。また、グラビア版のセルの深さは145μmである。
【0069】
この例においては、実施例1〜3と同様に、凸部の頂点21が前記開封開始用タブ1aの反対側に片寄った位置にあり、この頂点から開封開始用タブ側が緩斜面22を構成し、頂点21を挟んでその反対側は急斜面23を構成していた。基材シート1の表面と緩斜面22との角度αは60度であり、基材シート1の表面と急斜面23との角度βは80度であった。
【0070】
(評価)
実施例1〜3、比較例1〜3の蓋材の撥水層3上に2gのヨーグルトを載置し、蓋材を15度の角度に傾けて、ヨーグルトが20cmの距離を滑落するのに要した時間を測定して、滑落機能を評価した。
【0071】
この結果を、前記角度α、角度β、凸部の頂点21と共に、表1に示す。なお、いずれの例においても、角度αは、凸部の頂点から開封開始用タブ側の斜面と基材シート1の表面との角度であり、角度βはその反対側の斜面と基材シート1の表面との角度である。
【0072】
【表1】
【0073】
(考察)
以上の結果を見ると、ヨーグルトが20cmの距離を滑落するのに要した時間が、実施例1〜3の蓋材ではいずれも2.0秒以内であるのに対して、比較例1〜3のでは2.0秒を越えており、実施例1〜3の蓋材が優れた付着防止効果を発揮することが理解できる。
【0074】
そこで、これら各実施例と比較例とを対比して、その理由を検討すると、次の2点が理解できる。
【0075】
すなわち、まず、実施例1〜3と比較例1,2とを対比すると、実施例1〜3では、凸部の頂点が開封開始用タブの反対側に片寄った位置にあって、頂点から開封開始用タブ側が緩斜面を構成していると共に、その反対側が急斜面を構成しているに対し、比較例1では、頂点から開封開始用タブ側が急斜面を構成し、その反対側が緩斜面を構成している。このように、実施例1〜3と比較例1では、緩斜面と急斜面の位置が逆である。
【0076】
また、比較例2では、凸部の頂点が凸部の中央にあり、この頂点を挟む両斜面が同一の傾斜角度を有している。すなわち、この比較例2では緩斜面と急斜面との区別がなく、この点で実施例1〜3と異なっている。
【0077】
このことから、第1の点として、凸部の頂点が開封開始用タブの反対側に片寄った位置にあって、頂点から開封開始用タブ側が緩斜面を構成し、その反対側が緩斜面を構成していることが、滑落時間を短縮して付着防止効果を高める上で重要であると推定できる。
【0078】
次に、実施例1〜3と比較例3とを対比すると、これらはいずれも、凸部の頂点が開封開始用タブの反対側に片寄った位置にあって、頂点から開封開始用タブ側が緩斜面を構成していると共に、その反対側が急斜面を構成している。しかしながら、実施例1〜3の蓋材においては、凸部の頂点から開封開始用タブ側の斜面(緩斜面)と基材シート1の表面との角度αが45度以下であるのに対し、比較例3においては、角度αが60度である。このことから、前述の第1の点を充足するだけでなく、第2の点として、その角度αが比較的小さいことが、滑落時間を短縮して付着防止効果を高める上で重要であると推定できる。
【符号の説明】
【0079】
100:蓋材
1:基材シート 1a:開封開始用タブ
2:ホットメルト樹脂層 21:凸部の頂点 22:凸部の頂点から開封開始用タブ側の斜面(緩斜面) 23:その反対側の斜面(急斜面)
22a:緩斜面22の接線 23a:急斜面23の接線
α:緩斜面22と基材シート1との角度 β:急斜面23と基材シート1との角度
3:撥水層 32:緩斜面22上の撥水層 33:急斜面23上の撥水層
図1
図2
図3