特許第6740870号(P6740870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6740870
(24)【登録日】2020年7月29日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】粘性流体取付具
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20200806BHJP
   H02B 1/28 20060101ALI20200806BHJP
   A01M 29/30 20110101ALI20200806BHJP
【FI】
   H02G3/22
   H02B1/28 A
   A01M29/30
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-222794(P2016-222794)
(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2018-82546(P2018-82546A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】横山 哲司
(72)【発明者】
【氏名】杉山 史徒
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−251766(JP,A)
【文献】 特開2007−202239(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3089986(JP,U)
【文献】 特開2011−229207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
H02G 7/00
H02G 1/02
H02G 1/06
A01M 29/30
H02B 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸を備え、加えられた外力に応じて変形するとともに変形した形状を維持する可撓性を有する材料を用いて形成された粘性流体保持部と、
前記粘性流体保持部に設けられて紐形状をなす取付部と、
を備えたことを特徴とする粘性流体取付具。
【請求項2】
前記粘性流体保持部は、表面に起毛を備えていることを特徴とする請求項1に記載の粘性流体取付具。
【請求項3】
前記粘性流体保持部は、団塊形状に成形したモール部材によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の粘性流体取付具。
【請求項4】
前記粘性流体保持部は、中心部分から外方に突出する複数の突起部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の粘性流体取付具。
【請求項5】
前記取付部は、前記粘性流体保持部を中心として放射状に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の粘性流体取付具。
【請求項6】
前記取付部は、加えられた引っ張り力に対して伸張し、当該引っ張り力が解放された場合に元の形状に復帰する伸縮性を有する材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の粘性流体取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、壁や天井などに粘土状の小動物侵入防止剤を取り付ける作業に用いる粘性流体取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所などの電気用施設において電力ケーブルや制御ケーブルを屋外から屋内に引き込む場合や、これらのケーブルを制御盤のケース内に引き込む場合、電気用施設の建屋や制御盤のケースの壁や天井に貫通孔を設け、当該貫通孔を経由するようにしてこれらのケーブルを引き回す。このとき、ケーブルと貫通孔の周縁との間の隙間に粘土状の小動物侵入防止剤を取り付けて当該隙間を埋めることによって、ネズミなどの小動物が貫通孔を介して電気用施設内あるいは制御盤のケース内に侵入することを防止している。
【0003】
関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、複数のボード状部材によって一連の壁を形成し、一部のボード状部材を取り外すことによりケーブルを挿入する挿入口を設け、ケーブルを挿入しない部分には当該挿入口を閉塞部材によって閉塞するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−191683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術は、水平に敷設されているケーブルの下側部分や天井部分など、ケーブルを引き回す貫通孔の位置によっては、小動物侵入防止剤が硬化する前に、当該小動物侵入防止剤が自重に耐えられずに剥離して落下してしまうことがあった。このように小動物侵入防止剤が落下した部分は、小動物侵入防止剤を再度取り付けても当該小動物侵入防止剤が再度落下してしまうことがあり、貫通孔を完全に塞ぐまでに長い作業時間がかかるという問題があった。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、小動物侵入防止対策の信頼度向上を図るとともに、小動物侵入防止剤の取付作業にかかる作業時間を短縮することができ、取付作業にかかる作業効率の向上を図ることができる粘性流体取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる粘性流体取付具は、表面に凹凸を備え、加えられた外力に応じて変形するとともに変形した形状を維持する可撓性を有する材料を用いて形成された粘性流体保持部と、前記粘性流体保持部に設けられて紐形状をなす取付部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる粘性流体取付具は、上記の発明において、前記粘性流体保持部が、表面に起毛を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる粘性流体取付具は、上記の発明において、前記粘性流体保持部が、団塊形状に成形したモール部材によって形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる粘性流体取付具は、上記の発明において、前記粘性流体保持部が、中心部分から外方に突出する複数の突起部を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる粘性流体取付具は、上記の発明において、前記取付部が、前記粘性流体保持部を中心として放射状に設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる粘性流体取付具は、上記の発明において、前記取付部が、加えられた引っ張り力に対して伸張し、当該引っ張り力が解放された場合に元の形状に復帰する伸縮性を有する材料を用いて形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明にかかる粘性流体取付具によれば、小動物侵入防止対策の信頼度向上を図るとともに、小動物侵入防止剤の取付作業にかかる作業時間を短縮することができ、取付作業にかかる作業効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具の構成を示す説明図である。
図2】粘性流体取付具を用いた小動物侵入防止剤の取付手順を示す説明図(その1)である。
図3】粘性流体取付具を用いた小動物侵入防止剤の取付手順を示す説明図(その2)である。
図4】粘性流体取付具を用いた小動物侵入防止剤の取付手順を示す説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる粘性流体取付具の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
(粘性流体取付具の構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具の構成について説明する。この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具は、壁や天井に設けられた貫通孔を塞ぐ際に用いる小動物侵入防止剤(ラピッチ)などのように、経時により硬化(固化)する粘性流体を取り付ける際に用いる。具体的に、粘性流体取付具は、たとえば、粘土状の小動物侵入防止剤を取り付ける際に用いることができる。
【0017】
図1は、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具の構成を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100は、粘性流体保持部110と、取付部120と、を備える。粘性流体保持部110は、表面に凹凸を備えている。これにより、小動物侵入防止剤を保持することができる。粘性流体保持部110における表面の凹凸は、たとえば、表面を起毛させる、あるいは、起毛した材料を表面に設けることによって実現することができる。
【0018】
粘性流体保持部110は、加えられた外力に応じて変形するとともに変形した形状を維持する可撓性を有する材料を用いて形成されている。これにより、粘性流体取付具100の取付位置の形状に応じて粘性流体取付具100の形状を調整することができる。可撓性を有する材料を用いて粘性流体保持部110を形成することにより、小動物侵入防止剤を取り付ける取付位置の形状に応じて粘性流体保持部110を変形させることができる。
【0019】
粘性流体保持部110は、中心部分から外方に突出する複数の突起部111を備えている。可撓性を有する材料を用いて、中心部分から外方に突出する複数の突起部111を備えた形状とすることにより、小動物侵入防止剤の取付位置が狭いあるいは小さい隙間であっても、当該隙間に突起部111を差し込むことができるように、当該取付位置の形状に応じて粘性流体保持部110を変形させることができる。
【0020】
また、複数の突起部111が中心部分において連結されており中央部分に環がない形状とすることにより、小動物侵入防止剤が環の部分から落下することを防止し、小動物侵入防止剤を安定して保持することができる。また、複数の突起部111が中心部分において連結されているため、強度を高め、小動物侵入防止剤を安定して保持することができる。
【0021】
具体的に、粘性流体保持部110は、たとえば、団塊形状に成形したモール部材によって形成することができる。モール部材は、針金などのように細長く加工した金属製の芯材の表面(周囲)に、細かい毛(起毛)を設けることによって形成されている。モールを団塊形状に成形することによって粘性流体保持部110を形成することにより、粘性流体保持部110を容易に製造することができる。また、針金の径を調整することにより、人力で容易に変形させることができる、使い勝手のよい粘性流体保持部110を安価に製造することができる。
【0022】
また、モール部材を団塊形状に成形することにより、単一の貫通孔にケーブルが複数本挿入されている状況においても、粘性流体保持部110を任意の形状に変形させることができる(図2を参照)。これにより、小動物侵入防止剤を安定して保持することができる。
【0023】
モール部材を成形することにより形成される粘性流体保持部110は、突起部111の先端部分111aを輪にしてもよい。これにより、粘性流体保持部110による小動物侵入防止剤の保持力を高めることができる。また、これにより、モール部材が表面に備える起毛と小動物侵入防止剤とが絡み合いやすくなるので、粘性流体保持部110による小動物侵入防止剤の保持力を高めることができる。
【0024】
取付部120は、粘性流体保持部110を中心として放射状に複数設けられている。取付部120を粘性流体保持部110を中心として放射状に設けることにより、粘性流体取付具100をケーブルに取り付ける際に、粘性流体保持部110に対して均等な引っ張り力をかけることができる。
【0025】
取付部120は、柔軟性を有する細長い紐状の部材によって実現することができる。取付部120は、一端が粘性流体保持部110に設けられ、他端が自由端とされた紐状の部材によって実現することができる。取付部120の他端は、カットされていてもよく、輪になっていてもよい。
【0026】
取付部120は、ケーブルに巻き付けたり、巻き付けた状態で縛ったりすることができる程度の柔軟性を有する。取付部120は、具体的には、たとえば、ゴム製のバンド、ビニールやポリエチレンなどの柔軟性を備えた合成樹脂を用いて形成される紐、あるいは、針金などによって実現することができる。柔軟性を有する細長い紐状の部材によって取付部120を実現することにより、取付部120をケーブルに巻き付けたり縛りつけたりして、粘性流体取付具100を取り付けることができる。
【0027】
取付部120は、加えられた引っ張り力に対して伸張し、当該引っ張り力が解放された場合に元の形状に復帰(伸縮)する伸縮性を有していることが好ましい。これにより、取付部120を伸張させた状態でケーブルに取り付けると、取付部120の伸縮性により取付部120が粘性流体保持部110とケーブルとの間に張り渡され、取付部120にテンションがかかるため、粘性流体取付具100がケーブルから滑り落ちることを防止できる。
【0028】
取付部120は、表面の摩擦係数が所定以上であることが好ましい。取付部120は、具体的には、たとえば、ゴムなどの材料を用いて形成することが好ましい。あるいは、取付部120は、具体的には、ゴムやポリエチレンの被膜を表面に設けた針金によって形成してもよい。これにより、ケーブルに巻き付けた状態においては、取付部120とケーブルとの間に生じる摩擦によってケーブルに取り付けた粘性流体取付具100をケーブルから滑り落ちにくくすることができる。
【0029】
取付部120は、断面が平たい扁平形状であることが好ましい。これにより、ケーブルとの接触面積を多くし、取付部120とケーブルとの間に生じる摩擦を大きくすることができ、取付部120とケーブルとの間に生じる摩擦によってケーブルに取り付けた粘性流体取付具100をケーブルから滑り落ちにくくすることができる。
【0030】
(粘性流体取付具100を用いた小動物侵入防止剤の取付手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100を用いた小動物侵入防止剤の取付手順について説明する。図2図4は、粘性流体取付具100を用いた小動物侵入防止剤の取付手順を示す説明図である。
【0031】
図2においては、小動物侵入防止剤の取付箇所を示している。図2に示すように、小動物侵入防止剤は、たとえば、電力ケーブルや制御ケーブルなどのケーブル201を屋外から電気用施設の建屋内に引き込むために当該電気用施設の建屋の壁202に設けられた貫通孔203を塞ぐことを目的として、当該貫通孔203に充填される。
【0032】
貫通孔203を貫通する複数のケーブル201は、貫通孔203内において、ケーブル201の外表面どうしが接触している場合もあり離れている場合もある。ケーブル201の径は当該ケーブル201に通電される電力などによって定められ、径が大きいケーブル201の場合、外表面どうしが離れている複数のケーブル201が接触するようにひとまとめにすることは、人力では難しい場合がある。また、同様に、ケーブル201が貫通孔203内における上の方に集中し、貫通孔203における下方部分が空いている場合がある。
【0033】
図3においては、貫通孔203を貫通する複数のケーブル201に、粘性流体取付具100を取り付けた状態を示している。図3に示すように、粘性流体取付具100は、小動物侵入防止剤を充填する部分に位置するように、ケーブル201に取り付ける。小動物侵入防止剤は、経時により硬化(固化)する。
【0034】
小動物侵入防止剤は、硬化するまでの間は流動性を示す粘性流体であるため、小動物侵入防止剤の取付位置が壁202や天井などに設けられた貫通孔203である場合、小動物侵入防止剤の自重によって鉛直方向下側へ流動しやすい。このため、図2に示すように貫通孔203の下方に隙間が多い場合は、図3のように、粘性流体保持部110がケーブル201の下側に位置するようにして粘性流体取付具100を取り付けることが好ましい。
【0035】
粘性流体取付具100は、小動物侵入防止剤を取り付ける1つの取付位置に対して複数取り付けてもよい。具体的には、たとえば、隙間が大きく大量の小動物侵入防止剤を取り付ける場合などに際しては、1つの取付位置に対して複数の粘性流体取付具100を取り付けてもよい。
【0036】
粘性流体取付具100は、取付部120をケーブル201に巻き付ける、あるいは、縛り付けることによって当該ケーブル201に固定することができる。取付部120は、上記のように、柔軟性を有しているためケーブル201に絡めるようにして巻き付けることができる。これにより、粘性流体取付具100を所望の位置に確実に取り付けることができる。
【0037】
取付部120は、粘性流体保持部110を中心として放射状に設けられているため、粘性流体保持部110に対して均等に引っ張り力をかけることができる。これによって、ケーブル201に取り付けられた粘性流体取付具100に小動物侵入防止剤を取り付けることによって粘性流体取付具100の重量が大きくなった場合にも、取付部120に加えられる粘性流体取付具100を所望の位置に確実に取り付けることができる。
【0038】
さらに、取付部120は、ゴムなどの弾性材料を用いて形成することにより伸縮性を示し、粘性流体保持部110を中心として放射状に設けられているため、粘性流体保持部110に対して均等に引っ張り力をかけることができる。このため、取付部120を伸張させた状態でケーブル201に取り付けけると、取付部120の伸縮性により取付部120が粘性流体保持部110とケーブル201との間に張り渡され、取付部120にテンションがかかる。これにより、粘性流体取付具100を所望の位置に確実に取り付けることができ、粘性流体取付具100がケーブル201から滑り落ちることを防止できる。
【0039】
図4においては、図3に示した状態の貫通孔203を塞ぐようにして小動物侵入防止剤を取り付けた状態を示している。図4に示すように、ケーブル201に粘性流体取付具100を取り付けてから、当該粘性流体取付具100を覆うようにして小動物侵入防止剤401を取り付けて、壁202に設けられた貫通孔203を塞ぐ。その後、小動物侵入防止剤401が硬化(固化)することにより、貫通孔203を完全に塞ぐことができる。
【0040】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100は、表面に凹凸を備え、加えられた外力に応じて変形するとともに変形した形状を維持する可撓性を有する材料を用いて形成された粘性流体保持部110と、粘性流体保持部110に設けられて紐形状をなす取付部120と、を備えたことを特徴としている。
【0041】
この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、小動物侵入防止剤401の取付位置にかかわらず、小動物侵入防止剤401などの粘性流体が硬化する前に自重により剥離または脱落することを防止し、硬化する前の小動物侵入防止剤401を硬化するまで一定の位置において確実に保持することができる。
【0042】
また、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、取付部120によって粘性流体取付具100をケーブル201に直接固定することにより、小動物侵入防止剤401が硬化した後は、ケーブル201に固定された粘性流体取付具100を芯として小動物侵入防止剤401を保持することができる。
【0043】
これにより、小動物侵入防止剤401が硬化するまで作業者が監視したり、小動物侵入防止剤401が脱落することなく硬化したか、あるいは、脱落していないかを作業後に確認したりするなどの作業に、作業者を煩わせることなく、小動物侵入防止剤401を所望の位置において確実に硬化させて貫通孔203を塞ぐことができる。
【0044】
このように、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、小動物侵入防止対策の信頼度向上を図るとともに、小動物侵入防止剤401の取付作業にかかる作業時間を短縮することができ、取付作業にかかる作業効率の向上を図ることができる。
【0045】
また、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100は、粘性流体保持部110が、表面に起毛を備えていることを特徴としている。
【0046】
この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、粘性流体保持部110の表面の起毛に小動物侵入防止剤401を絡みつかせ、小動物侵入防止剤401が剥離または脱落することを防止し、所望の位置において小動物侵入防止剤401を確実に硬化させて貫通孔203を塞ぐことができる。これにより、小動物侵入防止対策の一層の信頼度向上を図ることができる。
【0047】
また、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100は、粘性流体保持部110が、団塊形状に成形したモール部材によって形成されていることを特徴としている。
【0048】
この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、人力で容易に変形させることができるので、作業者が現場において、ケーブル201や貫通孔203などの状況に応じて粘性流体保持部110の形状を調整することにより、所望の位置において小動物侵入防止剤401を確実に硬化させて貫通孔203を確実に塞ぐことができる。また、団塊形状に成形したモール部材によって粘性流体保持部110を実現することにより、粘性流体保持部110を安価かつ容易に製造することができる。
【0049】
また、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100は、粘性流体保持部110が、中心部分から外方に突出する複数の突起部111を備えていることを特徴としている。
【0050】
この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、複数の突起部111が中心部分において連結しているため、小動物侵入防止剤401を安定して保持することができる。これにより、作業者を煩わせることなく、小動物侵入防止剤401を所望の位置において確実に硬化させて貫通孔203を塞ぐことができる。
【0051】
また、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100は、取付部120が、前記粘性流体保持部110を中心として放射状に設けられていることを特徴としている。
【0052】
この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、粘性流体取付具100をケーブル201に取り付ける際に、粘性流体保持部110に対して均等な引っ張り力をかけることができる。これにより、小動物侵入防止剤401が硬化するまでの間に粘性流体取付具100の位置がずれてしまうことを防止し、所望の位置において小動物侵入防止剤401を確実に硬化させて貫通孔203を確実に塞ぐことができる。
【0053】
また、この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100は、取付部120が、加えられた引っ張り力に対して伸張し、当該引っ張り力が解放された場合に元の形状に復帰する伸縮性を有する材料を用いて形成されていることを特徴としている。
【0054】
この発明にかかる実施の形態の粘性流体取付具100によれば、取付部120の伸縮性によって取付部120を粘性流体保持部110とケーブル201との間に張り渡すことができ、取付部120にテンションをかけることができるため、粘性流体取付具100がケーブル201から滑り落ちることを防止できる。これにより、小動物侵入防止剤401が硬化するまでの間に粘性流体取付具100の位置がずれてしまうことを防止し、所望の位置において小動物侵入防止剤401を確実に硬化させて貫通孔203を確実に塞ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、この発明にかかる粘性流体取付具は、粘性流体を取り付ける作業に用いる粘性流体取付具に有用であり、特に、壁や天井などに粘土状の小動物侵入防止剤を取り付ける作業に用いる粘性流体取付具に適している。
【符号の説明】
【0056】
100 粘性流体取付具
111 突起部
120 取付部
201 ケーブル
202 建屋の壁
203 貫通孔
401 小動物侵入防止剤
図1
図2
図3
図4