特許第6741204号(P6741204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6741204非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6741204
(24)【登録日】2020年7月29日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/04 20060101AFI20200806BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   G06K19/04 010
   G06K19/077 200
   G06K19/077 144
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-132250(P2019-132250)
(22)【出願日】2019年7月17日
【審査請求日】2019年8月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519260371
【氏名又は名称】株式会社クラウドナイン
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】石原 由加利
(72)【発明者】
【氏名】池田 大悟
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2018/0121780(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/126690(WO,A1)
【文献】 特開2012−146176(JP,A)
【文献】 特開2008−071202(JP,A)
【文献】 特開2006−256683(JP,A)
【文献】 特開2007−265339(JP,A)
【文献】 特開2014−069449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
B42D 1/00−25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ情報の誘導情報を記載した非接触型ICタグと、
タグ読取書込み面と、
他の面と、
前記タグ読取書込み面と前記他の面からなる開閉面を開閉自在に支持する開閉部と、
を少なくとも有するコンテンツ提供物であって、
前記タグ読取書込み面は、片面側から前記非接触型ICタグ、電磁波吸収材層、電磁波防止材層の順に配置し、他方面側に少なくとも前記電磁波防止材層を配置し、
前記開閉部を開けることで、前記片面側のタグ読取書込み面を露出させ、
前記開閉部を閉じることで、前記タグ読取書込み面を前記電磁波防止材層で囲まれた状態にし、
前記タグ読取書込み面は、少なくとも閉じた状態と開いた状態とを取り得る表紙に相当する前面部と、裏表紙に相当する裏面部の少なくとも一方から構成され、
前記開閉部は、前記前面部と前記裏面部を開閉自在に支持する背部に相当するものであり、
前記前面部、前記裏面部の少なくとも一つの内側面を前記タグ読取書込み面に設定し、
前記電磁波防止材層を凹部形状に形成し、その凹んだ部分に前記非接触型ICタグを収容し、
前記電磁波防止材層によって外部から読取ることができない外部読取りできない非接触型ICタグとともに、前記開閉部の外側面をタグ読取書込み面に設定し、前記開閉部の前記外側面に前記電磁波防止材層が設けられていない電磁波防止材層不在領域を形成し、前記電磁波防止材層不在領域が設けられた部分に外部読取り用非接触型ICタグを設けたことを特徴とする、非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項2】
前記非接触型ICタグが受動型のタグであり、前記非接触型ICタグに対して読取手段を0mm〜30mmの範囲に接近させないと読み取れない構成になっていることを特徴とする、請求項1に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項3】
前記コンテンツ提供物を出し入れする開口を備えたケースを設け、
前記ケースの全外側面に前記電磁波防止材層を設けたことを特徴とする、請求項1〜請求項2のいずれか一項に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項4】
前記開閉部の内側面を前記タグ読取書込み面に設定としたことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項5】
複数の印刷された頁を前記前面部と前記裏面部の間に有していることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項6】
前記前面部、前記裏面部、前記開閉部の少なくとも一つにおいて、前記タグ読取書込み面に凹部を設け、前記凹部内に前記非接触型ICタグ、前記電磁波吸収材層、前記電磁波防止材層を収容したことを特徴とする、請求項1に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項7】
前記外部読取りできない非接触型ICタグに対応するコンテンツ情報の第1誘導情報と、前記外部読取り用非接触型ICタグに対応するコンテンツ情報の第2誘導情報とが異なり、前記第1誘導情報によって得られるコンテンツと、前記第2誘導情報によって得られるコンテンツとを異ならせたことを特徴とする、請求項1に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項8】
前記第2誘導情報によって得られるコンテンツのレベルを、前記第1誘導情報によって得られるコンテンツのレベルに比べて低く設定したことを特徴とする、請求項7に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項9】
前記前面部と前記裏面部と前記開閉部を上製本仕様に構成したことを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項10】
複数の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物があり、同種系統のコンテンツが複数ある場合に、複数の非接触型ICタグに記憶された前記誘導情報に同種系統のコンテンツであるという同種系統情報が記載されていることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項11】
前記タグ読取書込み面において、少なくとも前記非接触型ICタグの配設領域を覆う除去できる電磁波防止材層シールを設けたことを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【請求項12】
前記電磁波防止材層に囲まれることによって外部から読取ることができない外部読取りできない非接触型ICタグとともに、前記前面部、前記裏面部のいずれかの一部に前記電磁波防止材層が設けられていない電磁波防止材層不在領域を形成し、前記電磁波防止材層不在領域が設けられた部分に外部読取り用非接触型ICタグを設けたことを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文学、音楽、映像などの各種コンテンツを提供できるコンテンツ提供物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどの各種ネットワークが世界中に普及し、音楽、映像などの各種コンテンツを制作するテレビ局、映画制作会社、週刊誌や書物を販売する出版社や書店など、コンテンツ産業に大きな影響を与えている。
また、ネットサーフィン、無料メールやSNS[Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)]などの普及によって、従来の書籍、雑誌などの各種従来コンテンツを見る視聴者が減って、コンテンツ産業は危機にあると言われている。
一方、RFIDタグなどの非接触型ICタグは、製品情報や生産地、製品に係る履歴情報を追尾できる安価な情報記憶手段として、各方面で研究開発がなされている。下記特許文献1はその一例に係る公開公報である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−172392号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記コンテンツ産業の現状について書店を例に取れば、1990年代の終わりに日本において2万3000店ほどあった書店は、2018年には約1万2000店にまで減少したと言われている。このようなコンテンツ業界にあって、最も苦しい立場にあるのは、各種コンテンツを制作する創作者、歌手、コンテンツを製作する中小企業などの広い意味でのクリエイターであると言われている。
【0005】
その理由は、以下の通りである。
(A)個人又は中小企業が作成した文章、写真、音楽、映像などのコンテンツを無料で提供する場合は、個人又は中小企業のホームページを作成して提供すれば良い。しかしながら、個人又は中小企業がそれらのコンテンツに対する正当な対価を得ようとすると、実際上は、iphone(登録商標)やGoogle(登録商標)などの既存の大手コンテンツ提供サイトを利用する形態を取らざるを得ない現状がある。このような既存の大手コンテンツ提供サイトはクリエイターの望む自分たちの独自のコンテンツの見せ方や、自分たちを支持してくれるファンの囲い込みを考えた場合、システム的に非常に制約が多いという課題があった。
【0006】
(B)インターネット上においてコンテンツを提供すると、不正コピーによる拡散が多くなり、コンテンツの価値が低くなる傾向がある。コンテンツを見る人に制限をかける方法は、ユーザが設定した暗証番号やスマートフォンのユーザ番号などを取得して、公開サイトではない閉じたサイト内に誘導する必要がある。しかし、個人又は中小企業のクリエイターが、テレビ局の番組や閲覧回数の極めて多い大手インターネットサイトに広告を出すことは資金的に難しい場合が多い。
つまり、多くの個人又は中小企業に属するクリエイターは、多くの人に自分の存在を知らしめることを望んでいるが、一般の人を課金サイトに誘導することは、極めて難しいことが各種レポートにおいて報告されている。
その理由は、現実に存在する本や物等に金銭を払うことには違和感を感じない人でも、無料で見ることが普通であるインターネット空間においては、クリエイターが提供したコンテンツから、一般の人がお金を支払うということに同意することが極めて少ないからである。
以上、結論として、資金力のない個人又は中小企業のクリエイター自身が、創作物を作った自らの努力の正当な報酬として、多くの人や自分のコンテンツを愛するファンから経済的な利益を得る方法は現実には存在しなかったのである。
【0007】
(C)個人又は中小企業に属するクリエイターが苦しい立場にいることとは直接的には関係はないが、以下のような課題も近年、指摘されている。
即ち、人気アイドルグループにおいては楽曲の入ったコンパクトディスク等を購入することで握手会への参加ができるような手法が行われている。しかし、握手の回数を増やすために、購入したコンパクトディスクが大量に廃棄されて、環境汚染の課題になっていることも生じている。
本発明の目的は、上記従来技術が有する課題を解決できる非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物を開発することにある。
本発明の他の目的は、個人又は中小企業等の弱い立場にあるクリエイターが自らの努力に対する正当な報酬を得ることができるように、既存の本やコンパクトディスクなどとは違う、高度ネットワーク時代に即した新しいコンテンツ提供物を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物は、
コンテンツ情報の誘導情報を記載した非接触型ICタグと、
タグ読取書込み面と、
他の面と、
前記タグ読取書込み面と前記他の面からなる開閉面を開閉自在に支持する開閉部と、
を少なくとも有するコンテンツ提供物であって、
前記タグ読取書込み面は、片面側から前記非接触型ICタグ、電磁波吸収材層、電磁波防止材層の順に配置し、他方面側に少なくとも前記電磁波防止材層を配置し、
前記開閉部を開けることで、前記片面側のタグ読取書込み面を露出させ、
前記開閉部を閉じることで、前記タグ読取書込み面を前記電磁波防止材層で囲まれた状態にすることを特徴とする。
本明細書において「タグ読取書込み面」とは、読取り、書込みの少なくとも一つの処理を行える面を言う。つまり、読取りだけの面、書込みだけの面、読取りと書込みの両方を行える面の何れか一つであればよい。また、「タグ読取書込み面」の「面」とは、本などの面のみならず、非接触型ICタグの存在する領域だけを示す場合もある。
「非接触型ICタグ」には、例えばRFタグ、NFCタグ、ICタグ等が含まれる。
前記他の面は、タグ読取書込み面であってもよく、また、タグを取り付けず、電磁波防止材層だけがある面などの各種の構成が採用できる。
なお、電磁波防止材層は電磁波反射層としても認識できるものである。
この構成であれば、非接触型ICタグ、電磁波吸収材層の順に配置することで、非接触型ICタグの読取精度を著しく高めることができる。
開閉部を開いた状態ではタグ読取書込み面が露出して、内部側からタグ情報を読み取ることができるので、コンテンツを提供する各種手段等にアクセスすることができる。
また、開閉部を閉じた場合は、電磁波防止材層の存在によって、外部からタグ情報を読み取ることができない状態にすることができ、安全性を高めることができる。
つまり、本発明であれば、タグを読み取れる状態と読み取れない状態とを開閉部によって簡単に選択できる利点がある。
また、タグにはコンテンツ情報の誘導情報が記憶されているので、コンテンツを販売等する人にとっては、個人や会社を宣伝し、好適なコンテンツ拡散手段として機能することができる。
さらに、必要であれば、コンテンツ提供物の外面に印刷などの手段によってコンテンツに関する情報を提供できるので、コンテンツに関する情報を広く告知することができる。
【0009】
本発明に係る他の実施形態は、前記電磁波防止材層を凹部形状に形成し、その凹んだ部分に前記非接触型ICタグを収容したことを特徴とする。
この構成であれば、非接触型ICタグを外部から読み取れなくするための電磁波防止材層の面積を減らすことができて、製造コストを低減できる。
本発明に係る他の実施形態は、前記非接触型ICタグが受動型のタグであり、前記非接触型ICタグに対して読取手段を0mm〜30mmの範囲に接近させないと読み取れない構成になっていることを特徴とする。
なお、非接触型ICタグからコンテンツ提供物の外縁までの長さを前記可読距離(30mm)より大きくすれば、簡単な構成で安全性を向上できる。
この構成であれば、コンテンツ提供物に対して遠隔の位置にある読取装置では、タグ情報が読み取られることを防止することができるので、開閉部を開いた状態でも情報漏洩に対する安全性を高めることができる。
【0010】
本発明に係る他の実施形態は、前記タグ読取書込み面は、少なくとも閉じた状態と開いた状態とを取り得る前面部、裏面部の少なくとも一方から構成され、
前記前面部、前記裏面部の少なくとも一つの内側面を前記タグ読取書込み面に設定し、
前記前面部と前記裏面部と前記開閉部のそれぞれの外側面に前記電磁波防止材層を設けたことを特徴とする。
この構成であれば、コンテンツ提供物を例えば、略本形(略箱本形状を含む)に構成にすることができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記コンテンツ提供物を出し入れする開口を備えたケースを設け、
前記ケースの全外側面に前記電磁波防止材層を設けたことを特徴とする。
この構成であれば、電磁波防止材層が複数層存在することになるので、安全性を高めることができる。
【0011】
本発明に係る他の実施形態は、前記開閉部の面を前記タグ読取書込み面に設定としたことを特徴とする。
この構成であれば、開閉部の内側面、外側面の少なくとも一方をタグ読取書込み面に設定できるので、コンテンツ提供物の形態の多様性を高めることができる。
本発明に係る他の実施形態は、複数の印刷された頁を前記前面部と前記裏面部の間に有していることを特徴とする。
前記印刷頁には、コンテンツ内容の案内に関する情報を含めることができる。
この構成であれば、コンテンツ情報の誘導情報を記載した非接触型ICタグを有していても、開閉部の間に一般の本のようにコンテンツに関する情報を記載することで、普通の本のように楽しむことができる。なお、その印刷頁において、コンテンツ提供サイトなどの誘導情報に関する説明、例えば費用の説明なども行うことができる。
【0012】
本発明に係る他の実施形態は、前記前面部、前記裏面部、前記開閉部の少なくとも一つにおいて、前記タグ読取書込み面に凹部を設け、前記凹部内に前記非接触型ICタグ、前記電磁波吸収材層、前記電磁波防止材層を収容したことを特徴とする。
この構成であれば、凹部を設けることで、非接触型ICタグ、電磁波吸収材層、電磁波防止材層を積層しても前面部、裏面部、開閉部の平面から突出しない構成にすることができ、見栄えを良くできる。
本発明に係る他の実施形態は、前記電磁波防止材層に囲まれることによって外部から読取ることができない外部読取りできない非接触型ICタグとともに、前記前面部、前記裏面部、前記開閉部のいずれかの一部に前記電磁波防止材層が設けられていない電磁波防止材層不在領域を形成し、前記電磁波防止材層不在領域が設けられた部分に外部読取り用非接触型ICタグを設けたことを特徴とする。
この構成であれば、コンテンツ提供物を開けなくても興味を持ったファンや一般の人に外部読取り用非接触型ICタグからクリエイターなどの情報を提供することができる。コンテンツ提供物を購入する人がいなくても、書店などにおいて、クリエイターに興味を持つ一般人に対して、各種情報を提供することができる。即ち、本発明に係るコンテンツ提供物が存在するだけで、街路に設けられた広告看板、広告塔のような機能を発揮できる。
【0013】
本発明に係る他の実施形態は、前記外部読取りできない非接触型ICタグに対応するコンテンツ情報の第1誘導情報と、前記外部読取り用非接触型ICタグに対応するコンテンツ情報の第2誘導情報とが異なり、前記第1誘導情報によって得られるコンテンツと、前記第2誘導情報によって得られるコンテンツとを異ならせたことを特徴とする。
この構成であれば、コンテンツ提供物において、前記2種類の非接触型ICタグに基づいて誘導するコンテンツを異ならせることで、コンテンツの見せ方を工夫することが簡単に行える。
本発明に係る他の実施形態は、前記第2誘導情報によって得られるコンテンツのレベルを、前記第1誘導情報によって得られるコンテンツのレベルに比べて低く設定したことを特徴とする。
この構成であれば、無料で得られるコンテンツ情報は、支払を有するコンテンツよりもレベルを低いものにすることで、対価的に妥当なものにできる。また、無料で得られるコンテンツ情報を見ることで、より一層、支払を有するコンテンツをファンは見たいと考えることが多いので、広告手段としても有効である。
【0014】
本発明に係る他の実施形態は、前記前面部と前記裏面部と前記開閉部を上製本仕様に構成したことを特徴とする。
この構成であれば、コンパクトディスクとは違った現物としての高級感を出すことができ、インターネット空間とは違い、ファンは現実に対価を支払うことに抵抗感がなくなる。
本発明に係る他の実施形態は、複数の非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物があり、同種系統のコンテンツが複数ある場合に、複数の非接触型ICタグに記憶された前記誘導情報に同種系統のコンテンツであるという同種系統情報が記載されていることを特徴とする。
この構成であれば、シリーズで出るコンテンツ内容、例えば、漫画であれば第1巻、第2巻、…、第N巻において、第1巻を買った読者に対して割引することが容易にできる。また、アイドルのアルバム集であれば、第1集〜第3集を買った人には、アイドルとの交流会に無料に参加できるなどの特典を与えることでファンに対するきめ細やかなサービスを行うことが可能になる。なお、本発明のように、例えば、本の形態を取り得るコンテンツ提供物をインターネットで視聴できるサイトへのアクセス権を与える構成であれば、コンパクトディスクの廃棄等の問題は生じない。
本発明に係る他の実施形態は、前記タグ読取書込み面において、少なくとも前記非接触型ICタグの配設領域を覆う電磁波防止材層シールを設けたことを特徴とする。
この構成であれば、開閉部によって開いた状態でも電磁波防止材層シールを除去しない限り、タグの読取りも書込みもできないので、より安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明であれば、従来技術の各課題及びクリエイターの正当対価をどのようにして得るのかという課題を解決できる新しい形態のコンテンツ提供物を開発できた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態において、略本形のコンテンツ提供物の斜視図を示す図である。
図2】本実施形態において、略本形のコンテンツ提供物を外側から読み取ることができない様子を示す模式的斜視図である。
図3図3(a)はタグ読取書込み面を外側から見た図、図3(b)はタグ読取書込み面を内側から見た図、図3(c)〜(h)は図3(b)に示す一点鎖線の縦断面線において、タグを面内に収容する場合の工程図の一例を示した縦断面図、図3(i)は略本形のコンテンツ提供物の背部を除いて一部を切り出した状態を示す縦断面図である。
図4図4(a)〜(e)は電磁波防止材層を有するケース用いてコンテンツ提供物を多重保護する形態の一例を説明するための斜視図である。
図5図5(a)は、カード形のタグ媒体をタグ読取書込み面(コンテンツ提供物)に取り付けた状態を示す図であり、図5(b)はその縦断面図である。
図6図6(a)はタグ読取書込み面内にタグを収容した構成を示す図であり、図6(b)はタグ読取書込み面にタグ媒体を収容できる構成の一例を示す図である。
図7図7(a)〜(c)は、コンテンツ提供物において、それぞれ電磁波防止材層を設ける場合の変形例を示す図である。
図8図8(a)〜(d)は、電磁波防止材層を凹部形状にする一例を説明するための縦断面図、図8(e)は略本形の縦断面図、図8(f)は略本形の斜視図である。
図9図9(a)〜(d)は、タグ読取書込み面を両面に配置した構成を示す縦断面図、図9(f)は略本形の縦断面図、図9(g)は略本形の斜視図である。
図10図10は、略本形のコンテンツ提供物の縦断面図である。
図11図11(a)は電磁波防止材層シールを設けた構成においてコンテンツ提供物を開いた状態を示す平面図、図11(b)はその縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物1を図面に基づき説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る非接触型ICタグ2を用いたコンテンツ提供物1は、本のように構成された形態を取り得る。
図1に示すように、このコンテンツ提供物1は大略、本3の外観形状を有している。即ち、略本3の表紙に相当する前面部4と、裏表紙に相当する裏面部5と、背部に相当する開閉部6を有している。
【0018】
図1に示す図では、前面部4と裏面部5の間に通常、存在する印刷頁7(図2参照)を省略した形で描いている。その理由は、図2に示す印刷頁7が存在しない構成も本発明では採用できるからである。また、図1では背部に相当する開閉部6は横幅が大きいものが示されているが、前面部4と裏面部5を開閉自在にできる構成であれば、横幅はほぼ0(ゼロ)のようなヒンジ面で構成してもよい。
【0019】
図1及び図2に示すように、前面部4、裏面部5、開閉部6の少なくとも一つの内側面だけからタグを読み取り可能なように構成してある。つまり、図2に示すように、本形状のコンテンツ提供物1を閉じた状態では、外側からは読み取れない構成になっている。
具体的には、図2に示すように、前面部4と裏面部5と見なされる表紙面からスマートフォン8などの読取り装置をかざしてもタグの情報を読み取ることはできない構成としてある。一方、図1の前面部4と裏面部5を、開閉部6の作用によって開いた状態では、スマートフォン8を接近させれば、タグ情報を読み取れるようにしてある。
【0020】
図3は開閉部6を開けることで、タグの読取りを可能にし、開閉部6を閉じることで、タグの読取りを不可能にする構成を説明するための図である。
図3(a)はコンテンツ提供物1の他の面を外側から見た図、(b)はタグ読取書込み面18を内側から見た図、(c)〜(h)はタグ(図示せず)をタグ読取書込み面18に収容する構成の一例を示した縦断面図、(i)は本形のコンテンツ提供物1の一部を示す縦断面図である。
なお、他の面は少なくとも電磁波防止材層14を含んでいる場合が多い。一般的には、
前面部4と裏面部5で他の面は構成されることが多い。
図3(c)に示すように、本の表紙又は裏表紙の構成部材である第1基材11に第2基材12を積層させるとともに、タグを収容する凹部13(又は開口13)を第2基材12に設けている。次いで、図3(d)に示すように、電磁波吸収材層9を凹部13内に外側に向けて収容する。電磁波吸収材層9としては、ゴムやシリコンにフェライトやセンダスト(Fe-Si-Al合金)といった磁性材料の粉末を練り込んだ磁性シートなどが例示できる。
【0021】
電磁波吸収材層9を設けないと、タグ情報の検出ができなくなる又は検出精度が悪くなる不都合が生じる。そのためにタグ読取書込み面側にタグを配置し、そのタグ配置位置よりも外側に電磁波吸収材層9を設けるように構成してある。電磁波吸収材層9を設けることでタグの読取精度は著しく向上する。この構成は本発明の大きな特徴の一つである。
次いで、図3(e)に示すように、非接触型ICタグ2を含む層を電磁波吸収材層9よりも内側に位置させて凹部13内に収容する。次いで、図3(f)に示すように、内側面にタグを覆うように保護層15を凹部13内に設けて保護する。なお、この保護層15は、後述する内飾り表面層17と兼用させることも可能である。次いで、図3(g)に示すように、図3(f)の最も外側に位置する第1基材11のさらに外側に、電磁波防止材層14を設ける。電磁波防止材層14としては、銅箔やアルミ箔など電波を反射する材料が例示できる。実質的にタグ2の情報の読取等を防止できる材料であれば、電磁波防止材層14はどのようなものでも採用できる。
電磁波防止材層14の内側にタグを設けた構成であると、外側からはタグ情報を読み取ることはできない効果を発揮できる。
【0022】
次いで、図3(h)に示すように、最も外側面に外飾り表面層16を積層するとともに、最も内側面に内飾り表面層17を積層する。外飾り表面層16は、コンテンツ提供物1の案内情報や、コンテンツの内容を表示する外面広告情報が印刷等の手段によって表示されている。
また、内飾り表面層17は、開閉部6を開いた状態で、タグ読取書込み面18内にタグが存在する存在する領域を印刷等の手段によって購入者に知らせるようにする。具体的には、スマートフォン8等の読取り装置をかざす位置を読取位置、読取マーク等の表示によって案内するようにしてある。
【0023】
次いで、図3(i)に示すように通常は、印刷頁7を含む書籍の形で、コンテンツ提供物1を提供する。この場合、印刷頁の厚さ領域(横方向)から外部からタグ情報を読み取られる危険性がある場合は、図3(i)において2点鎖線で示すように、電磁波防止材層14を箱の内箱と外箱が重なるように設けた箱部19を設けることも考えられる。
このような箱部19を有した略本のような形状を「箱本20」と呼び、本明細書においては本に含めて使用している。なお、読取手段を0mm〜30mmの範囲に接近させないと読み取れない非接触型ICタグを使用する場合は、非接触型ICタグからコンテンツ提供物1の外縁までの長さを30mmより大きくすれば、簡単な構成で安全性を向上できる。
このような第1実施形態の構成であれば、略本形のコンテンツ提供物1になっているので一般の人に本を販売する形態で、一般の人に、自分の課金サイトに誘導することができる。また、略本形になっているので、クリエイターや歌手などにおいても、販売者に次の展開など、必要な情報を違和感がなくファンに伝えることができる。この場合、コンテンツ提供物1を販売する費用と、インターネットサイトにアクセスする費用がクリエイターやコンテンツ提供会社の利益とすることができるので、報酬の代替手段としてコンパクトディスクを販売する場合に比べて、各種ネットワーク、インターネット時代に即した構成で、顧客やファンを増やすことができる。
【0024】
<第2実施形態>
図4は第2実施形態を説明するための図である。
なお、この実施形態における符号は第1実施形態と同様の機能を有する部材には同一の符号をつけて、説明は省略する。
この実施形態は、コンテンツ提供物1のタグ情報を読み取られることを防止する方法の一例を示す図である。
即ち、コンテンツ提供物1を収容するブックカバーのようなケース21(いろいろな形の収容体)を構成し、そのケース21の全外側面には、図示はしないが、電磁波防止材層14によって全面が覆われている。また、ケース21にはコンテンツ提供物1を出し入れする開口33が設けられている。
略本形のコンテンツ提供物1の背部に相当する開閉部6にも電磁波防止材層14は設けられているので、略本形の表面からタグ情報を読み取られる可能性を略本形のコンテンツ提供物の単体に比べれば、低減することができる。
図4(a)〜(e)の各図に示すように、ケース21にコンテンツ提供物1を収容する基本的な動作は、コンテンツ提供物1が本形であれば、通常の本を一般的なブックカバーに挿入する動作と同じである。
【0025】
<第3実施形態>
図5及び図6は本発明に係る第3実施形態を説明するための図である。
なお、この実施形態における符号は第1〜第2実施形態と同様の機能を有する部材には同一の符号をつけて、説明は省略する。
この実施形態は、近接読取タグを収めたカードのようなタグ媒体22をコンテンツ提供物1に対して着脱自在に設けたことを特徴としている。カードのようなタグ媒体22は、コンテンツ提供物1とは別体で構成されている。
図5に示すように、前面部4又は裏面部5に媒体収容凹部23を設け、その媒体収容凹部23に固定用片24(固定用手段とも言える)を設けている。
この実施形態であれば、コンテンツ提供物1はタグ媒体22の読取りを制御できる容器として機能することになる。
【0026】
図6(a)はコンテンツ提供物1が前面部4、裏面部5、開閉部6の内部にタグ読取書込み面18(又はタグ読取書込み領域18)を設けた構成であり、図6(b)はカード、小片などのタグ媒体22を収容する容器としての形態を示す図である。このように本発明に係るコンテンツ提供物1はいろいろな構成を取り得る。
なお、タグ媒体22はコンパクトディスクのような大きなものであっても、一円玉のような小さいものであってもよい。また、タグ媒体22の外観形状は問わない。
【0027】
<第4実施形態>
図7は本発明に係る第4実施形態を説明するための図である。
なお、この実施形態における符号は第1〜第3実施形態と同様の機能を有する部材には同一の符号をつけて、説明は省略する。
この実施形態は、電磁波防止材層14の各種の配置構成を示すものである。図7(a)の構成では、例えば、略本の表紙、裏表紙、開閉部において採用される厚紙の第1基材11と第2基材12よりも外側に電磁波防止材層14が設けられた構成を示している。なお、図7においても、符号16は外飾り表面層16を示し、符号17は内飾り表面層17を示している。
また、図7(b)の構成は電磁波吸収材層9に接した状態で電磁波防止材層14を設けた構成になっている。この構成であれば、電磁波吸収材層9は厚紙等で構成される第1基材11によって保護された状態にすることができる。
図7(c)の構成は第1基材11を省略して、外飾り表面層16に直接、電磁波防止材層14を積層した構成になっている。この構成であれば、コンテンツ提供物1を薄くすることができる。
【0028】
<第5実施形態>
図8は本発明に係る第5実施形態を説明するための図である。
なお、この実施形態における符号は第1〜第4実施形態と同様の機能を有する部材には同一の符号をつけて、説明は省略する。
この実施形態の特徴的な構成は図8(b)と図8(d)に示されている。図8(a)(c)は、図8(b)と図8(d)に対応する各タグ読取書込み面の層構成を示す図である。
図8(b)と図8(d)に示す構成では、タグ読取書込み面18内の構成によって、タグ読取書込み面18以外の方向からの非接触型ICタグ2の情報の読取ができないように構成してある。具体的には、電磁波防止材層14を凹部形状25に形成し、その凹んだ部分26に非接触型ICタグ2を収容することで、タグ読取書込み面18以外の方向からの非接触型ICタグ2の情報の読取ができないように構成してある。凹部形状25は例えば、円缶、四角形缶のような容器形になる。蓋に相当するのが他の面に設けられた電磁波防止材層14になる。
この第5実施形態に係る構成の利点は、タグ読取書込み面18内の非接触型ICタグ周辺域のみに電磁波防止材層14を設けることで、必要な電磁波防止材層14の面積及び材料を少なくすることができ、低コストでコンテンツ提供物1を提供できる点である。
【0029】
また、図8(e)(f)に示す構成は、背部を備えて略本形に形成されたコンテンツ提供物1において、非接触型ICタグが存在する領域のみに、前面部4、裏面部5にそれぞれ狭い領域において電磁波防止材層14を設けた構成になっている。
図8(f)に示すように、前面部4、裏面部5の一方側に設けられ、内側面に形成された円形のタグ読取書込み領域18と、前面部4、裏面部5の他方側に設けられた電磁波防止材層14の配置領域で形成された円形の電磁波防止面27が形成されている例を示している。
【0030】
<第6実施形態>
図9は本発明に係る第6実施形態を説明するための図である。
なお、この実施形態における符号は第1〜第5実施形態と同様の機能を有する部材には同一の符号をつけて、説明は省略する。
この実施形態の特徴点は、前面部4、裏面部5などにおいて、タグ読取書込み面18を複数設けることで片面ずつタグの読取を可能にする点である。
具体的に説明する。
図9(a)は中心層に電磁波防止材層14を配置し、その裏表の両側に表面側から非接触型ICタグ2、電磁波吸収材層9、電磁波防止材層14となるように、非接触型ICタグ2、電磁波吸収材層9をそれぞれ配置している。この構成であれば、タグ読取書込み面18を両面において形成でき、2つのタグを個別に読み取ることが可能になる。
このような構成であれば、いろいろな使用方法が考えられ、その一例として、外側にある一方のタグを無料コンテンツに案内する情報、内側にある他方のタグを有料コンテンツに案内する情報のように用いることも可能である。
【0031】
図9(b)は基材の数を異ならせた構成である。
図9(c)は、前記第5実施形態において説明した「電磁波防止材層14を凹部形状25に形成し、その凹んだ部分にタグ2を収容する」構成を表裏にそれぞれ設けた実施形態である。即ち、凹部形状25に形成された電磁波防止材層14が2つ存在する構成である。
【0032】
図9(d)(e)は、それぞれタグ2の存在する領域のみ電磁波防止材層14を設け、基材などの配置を変えた構成であり、図9(d)(e)の構成も電磁波防止材層14が設けられる面積を減らして、製造コストを低減できる。なお、コンテンツ提供物1の最も外側面に露出するタグ情報と、開閉部6において開いた状態で内側面からのみ読み取れるタグ情報は当然にコンテンツのレベルも異なることが多い。
図9(f)は、略本形の例えば、前面部4に形成された内側面に存在する第1タグ2aに対応して第1タグ読取書込み面30と、例えば、裏面部5に形成された内側面に存在する第2タグ2bに対応して第2タグ読取書込み面31と、例えば、前面部4の外側面に存在する第3タグ2cに対応する第3タグ読取書込み面32が設けられている。
このように3つのタグ読取面30、31、32を備えることよって、多種多様なコンテンツ情報をいろいろなファンのレベルに応じて提供することが可能になる。
【0033】
<第7実施形態>
図10は本発明に係る第7実施形態を説明するための図である。
なお、この実施形態における符号は第1〜第6実施形態と同様の機能を有する部材には同一の符号をつけて、説明は省略する。
この構成では、電磁波防止材層14を略本形の開閉部6、前面部4、裏面部5の全域において設けられている。
また、前面部4は外側面に外側から読取書込み可能な第3タグ2cが設けられ、裏面部5の内側面に第2タグ2bが設けられた構成にしてある。
なお、電磁波防止材層14を開閉部6、前面部4、裏面部5の全域において設ける構成を採用するとともに、図8(b)(d)で説明した凹部形状25の電磁波防止材層14を設ける構成を採用することで、2重の安全性を高めることが可能になる。さらに、図4に示すケース21を設ける構成を採用すれば、3重の安全性を採用することも可能である。
【0034】
<第8実施形態>
図11は本発明に係る第8実施形態を説明するための図である。
なお、この実施形態における符号は第1〜第7実施形態と同様の機能を有する部材には同一の符号をつけて、説明は省略する。
この構成は、タグ読取書込み面18に、少なくとも非接触型ICタグ2の配設領域を覆う電磁波防止材層シール35を設けたことを特徴としている。
この構成であれば、開閉部によって開き、タグ読取書込み面18が露出した状態でも、電磁波防止材層シール35を除去しない限り、タグの読取りも書込みもできないので、より安全性を高めることができる。
【0035】
本発明は上記実施形態以外にも本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形を行うことが可能である。
(A)本発明において最も基本的な技術思想は、開閉部6とタグ読取書込み面18を有しており、開閉部6を開けることで、タグ読取書込み面18を機能させ、開閉部6を閉じることで、タグ読取書込み面18のタグ読取り、書込みをできないように構成する技術思想である。その実現手段として、前記したように略本の表紙、裏表紙、背部の各部を有する構成を採用することが違和感なく、一般人に対しても受け入れられやすいと思料するものである。
(B)開閉部6の構成は、タグ読取書込み面18と他の面とを開閉できる構成であれば、その構成は特に限定されない。例えば、背部の横幅が広く、背部の横幅の約1/2程度のタグ読取書込み面18と他の面を設け、観音開きのように構成された開閉型のコンテンツ提供物1も当然に採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、個人又は中小企業等の弱い立場にあるクリエイターが自らの努力に対する正当な報酬を得ることができるように、既存の本やコンパクトディスクなどとは違う、高度ネットワーク時代に即した新しいコンテンツ提供物である。このようなコンテンツ提供物は有用な発明であるから、産業上の利用可能性があることは明らかである。
【符号の説明】
【0037】
1…コンテンツ提供物
2…非接触型ICタグ
4…前面部
5…裏面部
6…裏面部
9…電磁波吸収材層
13…凹部
14…電磁波防止材層
18…タグ読取書込み面
21…ケース
33…開口
35…電磁波防止材層シール
【要約】
【課題】従来技術が有する課題を解決できる非接触型ICタグを用いたコンテンツ提供物を開発する。
【解決手段】このコンテンツ提供物1は、コンテンツ情報の誘導情報を記載した非接触型ICタグ2と、タグ読取書込み面18と、他の面と、前記タグ読取書込み面18と前記他の面からなる開閉面を開閉自在に支持する開閉部6とを少なくとも有するコンテンツ提供物1であって、前記タグ読取書込み面18は、片面側から前記非接触型ICタグ2、電磁波吸収材層9、電磁波防止材層14の順に配置し、他方面側に少なくとも前記電磁波防止材14を配置し、前記開閉部6を開けることで、前記片面側のタグ読取書込み面18を露出させ、前記開閉部6を閉じることで、前記タグ読取書込み面18を前記電磁波防止材層14で囲まれた状態にすることを特徴とする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11