(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジン(E)を搭載する機体フレーム(1)の上部左側に穀稈を脱穀する脱穀装置(4)を設け、該脱穀装置(4)の右側に脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインにおいて、
前記脱穀装置(4)とグレンタンク(7)の間に、前記エンジン(E)の排気ガスを浄化する排気浄化装置(20)を設け、該排気浄化装置(20)は、前記エンジン(E)から排出される排気ガス中の粒子状物質を除去するDPF(21)と、該DPF(21)通過後の排気ガス中の窒素酸化物質を尿素水から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR触媒(22)を有し、
前記DPF(21)の流出口とSCR触媒(22)の流入口を接続する接続管(23)に尿素水を噴射する噴射装置(24)を設け、該噴射装置(24)に尿素水を供給する供給装置(26)と、該供給装置(26)によって供給される尿素水を貯留する尿素水タンク(28)を設け、
前記尿素水タンク(28)を、前記グレンタンク(7)の後部における右底壁(7G)の下方空間に配置し、
前記グレンタンク(7)の右壁(7B)の下部側に第1カバー(68)を着脱可能に設け、
前記尿素水タンク(28)の右側壁と底壁を第1カバー(68)で覆い、
前記第1カバー(68)の下部を左下がりに傾斜させ、
前記グレンタンク(7)の右壁(7B)の下部から下側に延在する第2カバー(67)を設け、該第2カバー(67)の下部に前記第1カバー(68)を着脱自在に設け、
前記第1カバー(68)は、前記第2カバー(67)の下端部から下側に延在する第1延在部(68A)と、該第1延在部(68A)の下端部から下方左側に延在する第2延在部(68B)と、該第2延在部(68B)の下端部から下方左側に延在する第3延在部(68C)から形成され、前記第3延在部(68C)の傾斜角度が、前記第2延在部(68B)の傾斜角度よりも緩やかな勾配に設定されていることを特徴とするコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術では、グレンタンクの前部の重量が重くなり、このグレンタンクを開放位置(メンテナンス位置)から機体フレーム上の収納位置(貯留作業位置)に容易に戻すことができず、また、排気浄化装置の尿素水タンクから使用後の尿素水を外部に容易に取出せないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、グレンタンクの前部の重量を軽減し、排気浄化装置の尿素水タンクから使用後の尿素水を外部に容易に排水処理することができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(E)を搭載する機体フレーム(1)の上部左側に穀稈を脱穀する脱穀装置(4)を設け、該脱穀装置(4)の右側に脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインにおいて、
前記脱穀装置(4)とグレンタンク(7)の間に、前記エンジン(E)の排気ガスを浄化する排気浄化装置(20)を設け、該排気浄化装置(20)は、前記エンジン(E)から排出される排気ガス中の粒子状物質を除去するDPF(21)と、該DPF(21)通過後の排気ガス中の窒素酸化物質を尿素水から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR触媒(22)を有し、前記DPF(21)の流出口とSCR触媒(22)の流入口を接続する接続管(23)に尿素水を噴射する噴射装置(24)を設け、該噴射装置(24)に尿素水を供給する供給装置(26)と、該供給装置(26)によって供給される尿素水を貯留する尿素水タンク(28)を設け、前記尿素水タンク(28)を、前記グレンタンク(7)の後部における右底壁(7G)の下方空間に配置し、前記グレンタンク(7)の右壁(7B)の下部側に第1カバー(68)を着脱可能に設け、前記尿素水タンク(28)の右側壁と底壁を第1カバー(68)で覆い、前記第1カバー(68)の下部を左下がりに傾斜させ、
前記グレンタンク(7)の右壁(7B)の下部から下側に延在する第2カバー(67)を設け、該第2カバー(67)の下部に前記第1カバー(68)を着脱自在に設け、前記第1カバー(68)は、前記第2カバー(67)の下端部から下側に延在する第1延在部(68A)と、該第1延在部(68A)の下端部から下方左側に延在する第2延在部(68B)と、該第2延在部(68B)の下端部から下方左側に延在する第3延在部(68C)から形成され、前記第3延在部(68C)の傾斜角度が、前記第2延在部(68B)の傾斜角度よりも緩やかな勾配に設定されていることを特徴とするコンバインである。
【0007】
【0008】
請求項
2記載の発明は、前記第1カバー(68)の前端部を第2カバー(67)の前端部よりも後側に位置させた請求項
1記載のコンバインである。
【0009】
請求項
3記載の発明は、前記第1カバー(68)の後端部の内周部に補強部材(69)を設け、機体背面視において、前記尿素水タンク(28)の給水口(28A)を補強部材(69)よりも上方に設けた請求項
1又は2記載のコンバインである。
【0010】
請求項
4記載の発明は、前記第1延在部(68A)の前部と後部に、内側に突設する第1フック(83A)と第2フック(83B)を設け、前記第2カバー(67)の前部に、前記第1フック(83A)が係合する第1支持部(80A)を設け、前記第2カバー(67)の後部に、前記第2フック(83B)が係合する第2支持部(80B)を設け、前記第1支持部(80A)と第2支持部(80B)を、前記尿素水タンク(28)の右側壁の上方右側に設けた請求項
1〜3のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0011】
請求項
5記載の発明は、前記第3延在部(68C)の前部と後部に、内側に突設する第3フック(84A)と第4フック(84B)を設け、前記右底壁(7G)の前部と後部に、
右側に延在する前アーム(81A)と後アーム(81B)を設け、前記前アーム(81A)の右部に、前記第3フック(84A)が係合する第3支持部(82A)を設け、前記後アーム(81B)の右部に、前記第4フック(84B)が係合する第4支持部(82B)を設け、前記第3支持部(82A)と第4支持部(82B)を、前記尿素水タンク(28)の底壁の下方右側に設けた請求項
1〜4のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0012】
請求項
6記載の発明は、前記尿素水タンク(28)を、前記右底壁(7G)と第2カバー(67)に対して吊下げ部材(90)を介して支持し、該吊下げ部材(90)を、前記尿素水タンク(28)の前部を支持する略U字形状の前側吊下げ部(91)と、前記尿素水タンク(28)の後部を支持する略U字形状の後側吊下げ部(92)と、前記前側吊下げ部(91)と後側吊下げ部(92)の左部を連結する連結部(93)で構成し、前記右底壁(7G)における前側吊下げ部(91)の左側連結部(91D)と後側吊下げ部(92)の左側連結部(92D)を係合する部位に、係合部材が設けられた第1補強プレート(63)を設け、前記第2カバー(67)における前側吊下げ部(91)の右側連結部(91E)と後側吊下げ部(92)の右側連結部(92E)を係合する部位に、係合部材が設けられた第2補強プレート(64)を設けた請求項
1〜5のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0013】
請求項
7記載の発明は、前記連結部(93)に前後方向に間隔を隔てて
、前記供給装置(26)と尿素水タンク(28)を接続する複数のホース(27)を支持する複数の略フック形状の支持部材(96)を設けた請求項
6記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、脱穀装置(4)とグレンタンク(7)の間に、エンジン(E)の排気ガスを浄化する排気浄化装置(20)を設け、排気浄化装置(20)は、エンジン(E)から排出される排気ガス中の粒子状物質を除去するDPF(21)と、DPF(21)通過後の排気ガス中の窒素酸化物質を尿素水から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR触媒(22)を有し、DPF(21)の流出口とSCR触媒(22)の流入口を接続する接続管(23)に尿素水を噴射する噴射装置(24)を設け、噴射装置(24)に尿素水を供給する供給装置(26)と、供給装置(26)によって供給される尿素水を貯留する尿素水タンク(28)を設け、尿素水タンク(28)を、グレンタンク(7)の後部における右底壁(7G)の下方空間に配置し、グレンタンク(7)の右壁(7B)の下部側に第1カバー(68)を着脱可能に設け、尿素水タンク(28)の右側壁と底壁を第1カバー(68)で覆い、第1カバー(68)の下部を左下がりに傾斜させ、
グレンタンク(7)の右壁(7B)の下部から下側に延在する第2カバー(67)を設け、第2カバー(67)の下部に第1カバー(68)を着脱自在に設け、第1カバー(68)は、第2カバー(67)の下端部から下側に延在する第1延在部(68A)と、第1延在部(68A)の下端部から下方左側に延在する第2延在部(68B)と、第2延在部(68B)の下端部から下方左側に延在する第3延在部(68C)から形成され、第3延在部(68C)の傾斜角度が、第2延在部(68B)の傾斜角度よりも緩やかな勾配に設定されているので、グレンタンク(7)の前部の重量を軽減でき、例えばグレンタンク(7)の後部を機体上の貯留作業位置から機体外側のメンテナンス位置にわたり開閉可能に軸支した場合には、メンテナンス位置においてグレンタンク(7)の前部が垂れ下がりにくくなり、このグレンタンク(7)をメンテナンス位置から貯留作業位置に容易に戻すことができる。また、第1カバー(68)等の内側に混在した藁屑、泥水、尿素水タンク(28)から溢れ出した尿素水を外部に排出することができる。さらに、尿素水タンク(28)が畦畔等の障害物と衝突して破損するのを防止することができる。
【0015】
また、第1カバー(68)を安価に製造できる。
【0016】
請求項
2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明による効果に加えて、第1カバー(68)の前端部を第2カバー(67)の前端部よりも後側に位置させたので、第1カバー(68)の前側の空間にグレンタンク(7)内の搬送螺旋の駆動装置を臨ませることができる。
【0017】
請求項
3記載の発明によれば、請求項
1又は2記載の発明による効果に加えて、第1カバー(68)の後端部の内周部に補強部材(69)を設け、機体背面視において、尿素水タンク(28)の給水口(28A)を補強部材(69)よりも上方に設けたので、尿素水タンク(28)への尿素水の補給を容易に行うことができる。
【0018】
請求項
4記載の発明によれば、請求項
1〜3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、第1延在部(68A)の前部と後部に、内側に突設する第1フック(83A)と第2フック(83B)を設け、第2カバー(67)の前部に、第1フック(83A)が係合する第1支持部(80A)を設け、第2カバー(67)の後部に、第2フック(83B)が係合する第2支持部(80B)を設け、第1支持部(80A)と第2支持部(80B)を、尿素水タンク(28)の右側壁の上方右側に設けたので、第1カバー(68)を第2カバー(67)の下側に容易に着脱することができる。
【0019】
請求項
5記載の発明によれば、請求項
1〜4のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、第3延在部(68C)の前部と後部に、内側に突設する第3フック(84A)と第4フック(84B)を設け、右底壁(7G)の前部と後部に、
右側に延在する前アーム(81A)と後アーム(81B)を設け、前アーム(81A)の右部に、第3フック(84A)が係合する第3支持部(82A)を設け、後アーム(81B)の右部に、第4フック(84B)が係合する第4支持部(82B)を設け、第3支持部(82A)と第4支持部(82B)を、尿素水タンク(28)の底壁の下方右側に設けたので、第1カバー(68)を第2カバー(67)の下側により容易に着脱することができる。
【0020】
請求項
6記載の発明によれば、請求項
1〜5のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、尿素水タンク(28)を、右底壁(7G)と第2カバー(67)に対して吊下げ部材(90)を介して支持し、吊下げ部材(90)を、尿素水タンク(28)の前部を支持する略U字形状の前側吊下げ部(91)と、尿素水タンク(28)の後部を支持する略U字形状の後側吊下げ部(92)と、前側吊下げ部(91)と後側吊下げ部(92)の左部を連結する連結部(93)で構成し、右底壁(7G)における前側吊下げ部(91)の左側連結部(91D)と後側吊下げ部(92)の左側連結部(92D)を係合する部位に、係合部材が設けられた第1補強プレート(63)を設け、第2カバー(67)における前側吊下げ部(91)の右側連結部(91E)と後側吊下げ部(92)の右側連結部(92E)を係合する部位に、係合部材が設けられた第2補強プレート(64)を設けたので、尿素水タンク(28)を吊下げ部材(90)に取付けた状態で、吊下げ部材(90)を右底壁(7G)と第2カバー(67)から容易に着脱することができる。また、グレンタンク(7)の右底壁(66)の剛性を高めることができ、貯留された穀粒重量等による右底壁(66)の変形を防止することができる。
【0021】
請求項
7記載の発明によれば、請求項
6項に記載の発明による効果に加えて、連結部(93)に前後方向に間隔を隔てて
、供給装置(26)と尿素水タンク(28)を接続する複数のホース(27)を支持する複数の略フック形状の支持部材(96)を設けたので、尿素水タンク(28)に接続された接続管を支持部材(96)に固定して接続管の垂れ下がりを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置3が設けられ、刈取装置3の後方左側に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0024】
操縦部5の下側にはエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する縦排出オーガ8Aと前後方向に延在する横排出オーガ8Bからなる排出オーガ8が設けられている。
【0025】
図3〜5に示すように、エンジンEの吸気口には、浄化された空気を供給する吸気管(図示省略)が接続され、エンジンEの排気口には、エンジンEで燃焼された排気ガスを外部に排気する前側排気管10が接続されている。
【0026】
前側排気管10の流出口には、排気ガス中の不純物を浄化する排気浄化装置20が接続されている。排気浄化装置20は、排気ガス中の粒子状物質を除去するDPF21と、DPF21から排気される排気ガス中の窒素酸化物質(NOx)を尿素水から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR触媒22から構成されている。
【0027】
DPF21の流出口とSCR触媒22の流入口は、可撓性の接続管23で接続され、接続管23の後部には、接続管23を介してSCR触媒22に尿素水を噴射する弁である噴射装置24が設けられている。
【0028】
噴射装置24には、可撓性のホース25を介して噴射装置24に尿素水を供給するポンプである供給装置26が接続され、供給装置26は、可撓性のホース27を介して供給装置26に尿素水を供給する尿素水タンク28が接続されている。また、SCR触媒22の流出口には、浄化後の排気ガスを外部に排出する可撓性の後側排気管11が接続されている。
【0029】
接続管23は、DPF21とSCR触媒22の間の上部に前後方向に略直線状に延在して設けられ、接続管23の後側には、噴射装置24が接続されている。また、噴射装置24は、SCR触媒22の後部に設けられた支持部材(図示省略)に固定されている。これにより、接続管23を介して噴射装置24からSCR触媒22に尿素水を効率良く噴射することができる。
【0030】
供給装置26は、排気浄化装置20を固定する横フレーム16を支持する右前縦フレーム14と右後縦フレーム15の間に連結された補強プレート17に取付けられ、平面視において、供給装置26は、排気浄化装置20の前後方向の中間部の下側に設けられている。これにより、噴射装置24と供給装置26を接続するホース25の長さを短くし、供給装置26から噴射装置24に尿素水を効率良く供給することができる。なお、後述するように尿素水タンク28は、グレンタンク7の右底壁7Gの後部に設けられている。
【0031】
図6〜8に示すように、後側排気管11は、平面視においてSCR触媒22の流出口から後方に向かって延在し、凹部30における噴射装置24の右側で左側に略90度屈曲した後に左側に向かって延在し、脱穀装置4の右部で後側に略90度屈曲した後に後側に向かって延在して、第1揚穀筒18の左側に至っている。また、後側排気管11は、正面視においてSCR触媒22の中心部から脱穀装置4の上方右側部に向かって延在し、後側排気管11の中央部は横フレーム16から後側に向かって延在するステー(図示省略)に固定されている。これにより、操縦部5の操縦席5Aの後方に排気ガスを排気して、操縦席5Aの周囲環境を所定以上に維持することができる。また、横フレーム16の後面には、後側排気管11内を通過する排気ガス中の窒素酸化物質を検出するセンサ29が設けられている。
【0032】
第1揚穀筒18は、脱穀装置4で脱穀・選別処理された穀粒をグレンタンク7に搬送する装置であり、第1揚穀筒18の下部は、脱穀装置4の右壁4Bの下部に固定され、第1揚穀筒18の上部は、グレンタンク7の左壁7Aの上部に固定されている。
【0033】
排気浄化装置20のDPF21とSCR触媒22は、脱穀装置4とグレンタンク7の間に長手方向を機体前後方向に沿って設けられ、機体フレーム1から上側に向かって延在する左前縦フレーム13と、右前縦フレーム14と、右後縦フレーム15の上部に固定された横フレーム16に載置されている。
【0034】
脱穀装置4の上壁4Eは、グレンタンク7の上壁7Eよりも下方に位置し、上壁4Eの右部の前側には、グレンタンク7側に向かって下り傾斜し前後方向に延在する傾斜部4Gが形成されている。また、正面視において、DPF21とSCR触媒22の上端部は、上壁4Eよりも下側に偏倚して設けられている。これにより、DPF21とSCR触媒22の上側に、脱穀装置4の傾斜部4Gから右側上方に向かって延在するステー45と、グレンタンク7の左壁7Aから左側に向かって延在する規制部材(図示省略)を設け、規制部材をステー45に係合させて、グレンタンク7の上下位置を規制することができる。
【0035】
グレンタンク7は、左壁7Aと、右壁7Bと、前壁7Cと、後壁7Dと、上壁7Eと、左底壁7Fと、右底壁7Gから形成されている。第1揚穀筒18よりも前側に位置する左壁7Aの部位には、前側と左側が開放された凹部30が形成され、第1揚穀筒18よりも後側に位置する左壁7Aの部位には、脱穀装置4に向かって膨出して形成された凸部50が形成されている。
【0036】
正面視において、SCR触媒22は凹部30内に入り込み、DPF21は凹部30の外側に設けられている。これにより、脱穀装置4とグレンタンク7の間にDPF21とSCR触媒22を左右方向に並設して設けることができ、また、凹部30を小さくしてグレンタンク7の貯留容量の減少を抑制することができる。
【0037】
また、排気浄化装置20は、比較的低い位置に設けられている。これにより、エンジンEから排気浄化装置20までの距離が短くなり、排気浄化装置20の排気浄化作用の低下を少なくすることができる。また、脱穀装置4の右壁4Bの上部とグレンタンク7の凹部30の存在によってDPF21とSCR触媒22の雰囲気温度が低下しにくくなり、排気浄化作用の低下を少なくすることができる。
【0038】
第1揚穀筒18よりも前側に位置する左壁7Aの部位は、正面視において、上壁7Eの左端から下方に向かって延在する上左壁31と、上左壁31の下端から右側下方に向かって延在する上傾斜壁32と、上傾斜壁32の下端から下方に向かって延在する中間左壁33と、中間左壁33の下端から左側下方に向かって延在する下傾斜壁34と、下傾斜壁34の下端から下方に向かって延在する下左壁35で形成されている。
【0039】
下左壁35の下端部は、グレンタンク7の左底壁7Fの左側端まで延在し、左底壁7Fと右底壁7Gの底部には、縦排出オーガ8Aに穀粒を搬送する前後方向に延在する搬送螺旋36が設けられている。
【0040】
上傾斜壁32の下り傾斜角度は、下傾斜壁34の下り傾斜角度よりも急勾配に形成されている。これにより、第1揚穀筒18によってグレンタンク7に搬送された穀粒をグレンタンク7の下部にスムーズに落下させ、穀粒を搬送螺旋36によって効率良く搬送させることができる。上傾斜壁32の下り傾斜角度は、穀粒が自重で落下可能である安息角度よりも急勾配に形成するのが好ましく、本実施形態では、上傾斜壁32の下り傾斜角度を機体フレーム1の上面に対して右下がり傾斜角度45度に形成している。下傾斜壁34の下り傾斜角度は、グレンタンク7の貯留容量を大きくするために、機体フレーム1の上面に対して左下がり傾斜角度30度に形成している。また、上傾斜壁32と下傾斜壁34を繋ぐ中間左壁33は、搬送螺旋36の上側よりも右側に偏倚した位置に形成されている。これにより、第1揚穀筒18によってグレンタンク7に搬送された穀粒をグレンタンク7の下部によりスムーズに落下させることができる。
【0041】
排気浄化装置20の外周部は、カバー40で覆われ、カバー40は、SCR触媒22よりも右側に位置する横フレーム16の部位から上側に向かって延在する右カバー41と、右カバー41の上端から左側上方に向かって延在する右傾斜カバー42と、右傾斜カバー42の左端から左側下方に向かって延在する左傾斜カバー43と、左傾斜カバー43の左端から下側に向かって延在してDPF21よりも左側に位置する横フレーム16の部位に至る左カバー44で形成されている。これにより、排気浄化装置20のDPC等の外周部に藁屑等の堆積を防止し、藁屑等の発火を防止することができる。
【0042】
正面視において右傾斜カバー42と左傾斜カバー43は、略山形形状に形成され、本実施形態では、右傾斜カバー42の右側下り傾斜を左傾斜カバー43の左側下り傾斜よりも緩勾配に形成しているが、これとは逆に、右傾斜カバー42の右側下り傾斜を左傾斜カバー43の左側下り傾斜よりも急勾配に形成することができる。これにより、排出オーガ8から排出される穀粒に混在する籾等の右傾斜カバー42への堆積を防止することができる。
【0043】
図9〜11に示すように、グレンタンク7の右底壁7Gの後部の右側には、尿素水タンク28が設けられている。尿素水タンク28は、吊下げ部材90を介してグレンタンク7の右底壁7Gと、グレンタンク7の右壁7Bの下端部から下方に延在する固定カバー(請求項における「第2カバー」)67に着脱自在に吊下げられている。これにより、グレンタンク7の前部の重量を軽減して、グレンタンク7を収納位置から開放位置に、また、開放位置から収納位置にスムーズに移動することができる。
【0044】
固定カバー67の下部には、固定カバー67の下端部から下方に延出して丸鋼等を略U字形状に折曲げて形成した前上支持部80Aと後上支持部80Bが設けられている。固定カバー67の下側には、前上支持部80Aと後上支持部80Bを介して着脱カバー(請求項における「第1カバー」)68が、着脱自在に固定されている。
【0045】
右側面視において、固定カバー67の下端部は、後上がり傾斜に形成され、着脱カバー68の上端部は、固定カバー67の下端部と平行に後上がり傾斜に形成されている。これにより、固定カバー67の下端部と着脱カバー68の上端部を密着して、圃場上の排藁等の異物の侵入を抑制することができる。また、着脱カバー68の前部は、固定カバー67も前部よりも後方に位置している。これにより、着脱カバー68の前方に所定の空間を形成して、グレンタンク7の搬送螺旋36等にエンジンEの出力回転を伝動する駆動装置52の後部を望ませることができる。
【0046】
背面視において、着脱カバー68は、固定カバー67の下端部から尿素水タンク28の右側壁の上下方向の略中間部の右側に延在する第1延在部68Aと、第1延在部68Aの下端部から尿素水タンク28の右側壁の左右方向の右側下方に延在する第2延在部68Bと、第2延在部68Bの下端部から尿素水タンク28の底壁の左右方向の左側下方に延在する第3延在部68Cから形成されている。これにより、尿素水タンク28の下部、特に、尿素水タンク28の排水口28Bが、圃場に衝突するのを防止して排水口28Bの破損を防止することができる。また、圃場上の藁屑、泥水等の着脱カバー68の内側への侵入を防止し、尿素水タンク28から溢れ出した尿素水を着脱カバー68の外側へ排水することができる。なお、第2延在部68Bの傾斜角度は、第3延在部68Cの傾斜角度よりも急勾配に形成されており、第3延在部68Cの左端部とグレンタンク7の右底壁7Gの間には所定の間隔の隙間が形成されている。
【0047】
着脱カバー68の第1延在部68Aと、第2延在部68Bと、第3延在部68Cの後部の内側には、内周部に向かって延在する補強部材69が立設されている。これにより、着脱カバー68の剛性を高めて、着脱時の着脱カバー68の変形を防止することができる。
【0048】
背面視において、補強部材69の内周部には、略円弧状の切欠き部69Aは形成されており、尿素水タンク28の給水口28Aの後側には、補強部材69が存在していない。これにより、尿素水タンク28の給水口28Aの後側に大きな空間が確保でき、尿素水タンク28に尿素水を容易に給水することができる。
【0049】
グレンタンク7の右底壁7Gの前側下部には、右側に向かって延在する前アーム81Aが設けられ、前アーム81Aの右部には、前後方向に延在する丸鋼等から形成された前下支持部82Aが設けられ、グレンタンク7の右底壁7Gの後側下部には、右側に向かって延在する後アーム81Bが設けられ、後アーム81Bの右部には、前後方向に延在する丸鋼等から形成された後下支持部82Bが設けられている。
【0050】
図10に示すように、固定カバー67の下側に、着脱カバー68を装着する場合には、着脱カバー68の第3延在部68Cの右端部に設けられた前下フック(請求項における「第3フック」)84Aと後下フック(請求項における「第4フック」)84Bを、それぞれ前下支持部(請求項における「第3支持部」)82Aと後下支持部(請求項における「第4支持部」)82Bに係合させる。次に、
図9に示すように、着脱カバー68を、前下支持部82Aと後下支持部82Bを中心として反時計方向に回転させて、着脱カバー68の第1延在部68Aの上端部に設けられた前上フック(請求項における「第1フック」)83Aと後上フック(請求項における「第2フック」)83Bを、それぞれ前上支持部(請求項における「第1支持部」)80Aと後上支持部(請求項における「第2支持部」)80Bに係合させる。これにより、着脱カバー68を固定カバー67の下側に容易に着脱することができる。
【0051】
図12に示すように、グレンタンク7の右底壁7Gの右面には、前後方向に延在する断面形状が楕円形状に形成された補強プレート(請求項における「第1補強プレート」)63が設けられ、固定カバー67の左面には、前後方向に延在する断面形状が三角形状に形成された補強プレート(請求項における「第2補強プレート」)64が前下がりに設けられている。これにより、グレンタンク7の右底壁7Gと固定カバー67の剛性を高めて、グレンタンク7の右底壁7Gと固定カバー67の変形を防止することができる。
【0052】
尿素水タンク28は、吊下げ部材90を介してグレンタンク7内に残留した穀粒を外部に排出する穀粒取出口65よりも後側に吊下げられている。これにより、穀粒取出口65に籾袋66を装着して容易にグレンタンク7内に残留した穀粒を取出すことができる。
【0053】
図13,14に示すように、吊下げ部材90は、丸鋼等から形成された略U字形状の前側吊下げ部91と、丸鋼等から形成された略U字形状の後側吊下げ部92と、前側吊下げ部91の左部と後側吊下げ部92の左部を連結する平鋼等から形成された前後方向に延在する連結部93から形成されている。これにより、吊下げ部材90の変形等を防止でき、また、吊下げ部材90に尿素水タンク28を着脱する場合には、連結部93が障害になるのを防止することができる。
【0054】
機体正面視において、前側吊下げ部91は、上下方向に延在する左側垂直部91Aと、上下方向に延在する右側垂直部91Bと、左側垂直部91Aの下部と右側垂直部91Bの下部を連結する左右方向に延在する水平部91Cから形成されている。
【0055】
左側垂直部91Aの上部には、補強プレート63に立設されたボルト等の係合部材を挿通する円状の貫通孔が形成されたプレート状の左側連結部91Dが設けられ、右側垂直部91Aの上部には、補強プレート64に立設されたボルト等の係合部材を挿通する上下方向に長軸を有する長円状の貫通孔が形成されたプレート状の右側連結部91Eが設けられている。
【0056】
機体正面視において、後側吊下げ部92は、上下方向に延在する左側垂直部92Aと、上下方向に延在する右側垂直部92Bと、左側垂直部92Aの下部と右側垂直部92Bの下部を連結する左右方向に延在する水平部92Cから形成されている。
【0057】
左側垂直部92Aの上部には、補強プレート63に立設されたボルト等の係合部材を挿通する円状の貫通孔が形成されたプレート状の左側連結部92Dが設けられ、右側垂直部92Aの上部には、補強プレート64に立設されたボルト等の係合部材を挿通する上下方向に長軸を有する長円状の貫通孔が形成されたプレート状の右側連結部92Eが設けられている。
【0058】
これにより、補強プレート63に立設された係合部材に、前側吊下げ部91の左側連結部91Dと後側吊下げ部92の左側連結部92Dをそれぞれ固定した後に、補強プレート64に立設された係合部材に、前側吊下げ部91の右側連結部91Eと後側吊下げ部92の右側連結部92Eを上下方向に移動しながらそれぞれ係合して、吊下げ部材90を補強プレート63と補強プレート64の間に容易に着脱することができる。
【0059】
前側吊下げ部91の水平部91Cの左右方向の略中間部には、尿素水タンク28の前壁を固定するプレート状の前側連結部94が設けられ、前側連結部94の左右方向の中央部には、上下方向に所定の間隔を隔ててボルト等の締結手段を挿通する貫通孔が形成されている。
【0060】
後側吊下げ部92の水平部92Cの左右方向の略中間部には、尿素水タンク28の後壁を固定するプレート状の後側連結部95が設けられ、後側連結部95の左右方向の中央部には、上下方向に所定の間隔を隔ててボルト等の締結手段を挿通する貫通孔が形成されている。
【0061】
これにより、尿素水タンク28を吊下げ部材90に確実に固定することができる。なお、吊下げ部材90を補強プレート63と補強プレート64の間に容易に着脱することができるので、尿素水タンク28を吊下げ部材90と共に補強プレート63と補強プレート64の間から着脱することができる。
【0062】
後側吊下げ部92の左側垂直部92Aの上下方向の長さは、前側吊下げ部91の左側垂直部91Aの上下方向の長さと同一長さに形成され、後側吊下げ部92の右側垂直部92Bの上下方向の長さは、前側吊下げ部91の右側垂直部91Bの上下方向の長さよりも長く形成されている。これにより、尿素水タンク28が前後方向に傾くことなく水平な姿勢を維持して吊下げ部材90を介してグレンタンク7の右底壁7Gと固定カバー67の間に吊下げることができる。
【0063】
連結部93には、前後方向に所定の間隔を隔てて、複数のホース27を支持するフック形状に形成された2個の支持部材96が設けられている。これにより、ホース27の垂れ下がりを防止することができる。
【0064】
次に、グレンタンク7の下部に設けられた搬送螺旋36等にエンジンEの出力回転を伝動する駆動装置52について説明する。
図15に示すように、駆動装置52の入力軸には、プーリ53が支持されている。プーリ53とエンジンEの出力回転が伝動されるプーリ54には、ベルト55が巻回されている。ベルト55の下側には、ベルト55の張力を緊張状態と弛緩状態に切換えるテンションアーム56が設けられ、テンションアーム56の先端部の上下方向の移動は、ワイヤ57によって操作されている。
【0065】
テンションアーム56の先端部が上方に移動した場合には、ベルト55の張力が緊張状態になりエンジンEの出力回転が駆動装置52に伝動されて搬送螺旋36等が駆動される。一方、テンションアーム56の先端部が下方に移動した場合には、ベルト55の張力が弛緩状態になりエンジンEの出力回転は駆動装置52に伝動されなくなり搬送螺旋36等が停止する。
【0066】
グレンタンク7に貯留された穀粒の排出中にワイヤ57が破断等した場合には、ベルト55の張力が弛緩状態になりエンジンEの出力回転は駆動装置52に伝動されなくなり搬送螺旋36等が停止するという不具合が発生する。このような場合には、
図16に示すように、支軸に回転自在に固定されているテンションアーム56の基部56Aにスパナ等の工具58を差込みテンションアーム56の基部56Aを反時計方向に回転させてテンションアーム56の先端部を上方に移動させる。これにより、ベルト55の張力を緊張状態にして、エンジンEの出力回転を駆動装置52に伝動させて搬送螺旋36等を駆動することができる。
【0067】
次に、第1揚穀筒18とエンジンEに供給する軽油の燃料フィルタ71等の周辺装置の配置位置について説明する。
図17〜19に示すように、第1揚穀筒18の1番引継部18Aの下部には、第1揚穀筒18内に残留した穀粒を外部に取出す下側掃除口18Bが設けられ、1番引継部18Aの右側側部には、第1揚穀筒18内の穀粒を外部に取出す側面掃除口18Cが設けられている。
【0068】
下側掃除口18Bは、機体フレーム1の前後方向に延在する前後フレーム1Aと隣接する前後フレーム1Aの間に設けられている。これにより、下側掃除口18Bの下側に所定の空間が確保でき、下側掃除口18Bに籾袋を装着して容易に穀粒を籾袋に取出すことができる。
【0069】
燃料フィルタ70は、下側掃除口18Bの後側に設けられ、機体の前後方向の高さを調整するピッチングアーム71は、下側掃除口18Bの前側に設けられ、エンジンEに軽油を供給する燃料ポンプ72は、下側掃除口18Bの右側に設けられ、ホース27は、下側掃除口18Bの左側下方に設けられている。これにより、下側掃除口18Bの開閉を容易に行うことができる。
【0070】
脱穀装置4と第1揚穀筒18の間には、2番物を脱穀装置4の選別棚に還元する第2揚穀筒19が設けられている。第2揚穀筒19の右部には、第2揚穀筒19内に堆積した藁屑を外部に排出する掃除口19Aが設けられ、第1揚穀筒18と掃除口19Aの間には所定間隔の隙間が形成されている。これにより、掃除口19Aの開閉を容易に行うことができ、第2揚穀筒19内の藁屑を外部に容易に排出することができる。
【0071】
第1揚穀筒18とステー45を連結する前後方向に延在する連結パイプ73は、第2揚穀筒19よりも右側に設けられている。これにより、第2揚穀筒19内の搬送螺旋を上方に取出して保守作業を容易に行うことができる。
【0072】
次に、脱穀装置4の後部に設けられた排藁カッタ(図示省略)を駆動する作業機切換レバー75について説明する。
図20(a)に示すように、作業機切換レバー75を起立姿勢させた場合には、排藁カッタの回転が停止して脱穀処理された穀稈の裁断は行われない。一方、
図20(b)に示すように、作業機切換レバー75を倒伏姿勢させた場合には、排藁カッタは回転して脱穀処理された穀稈は裁断されて外部に排出される。
【0073】
機体左側面視において、作業機切換レバー75を起立姿勢時に、作業切換レバー75のグリップ部75Aを操縦席5Aは、背もたれよりも前側に位置し、作業機切換レバー75を倒伏姿勢時に、作業切換レバー75のグリップ部75Aは、操縦席5Aの座部よりも上側に位置している。これにより、操縦者が座席5Aに座ったまま作業機切換レバー75を容易に操作することができる。なお、
図8等に示すように、作業機切換レバー75は、操縦席5Aの左側であって、排気浄化装置20の左右方向の中間位置に設けられている。
【0074】
次に、刈取装置3の左右方向に延在する回転軸(図示省略)を支持する上側懸架台46と下側懸架台47の固定方法について説明する。
図21に示すように、上側懸架台46の前側下部には、下側に向かって延在する延出部46Aが形成されている。
【0075】
上側懸架台46を下側懸架台47の上側に固定する場合には、延出部46Aを下側懸架台47の前側上部に係合した後に、上側懸架台46を下側懸架台47の上側にボルト等の締結手段で固定する。また、上側懸架台46の下部と延出部46Aとの交差角度は鋭角に形成するのが好ましい。これにより、刈取装置3の開閉時に、上側懸架台46に大きな力が作用した場合に、下側懸架台47の上面を上側懸架台46が移動するのを抑制して、上側懸架台46と下側懸架台47の固定状態を確実に維持することができる。
【0076】
上側懸架台46の前後方向の中間部に下側懸架台47に向かう凸部を形成し、下側懸架台47の前後方向の中間部に上側懸架台46の凸部がされる凹部を形成し、上側懸架台46を下側懸架台47の上側に固定する場合には、上側懸架台46の凸部を下側懸架台47の凹部に挿嵌するのが好ましい。これにより、上側懸架台46と下側懸架台47の固定状態をより確実に維持することができる。
【0077】
次に、横排出オーガ8Bの上下方向の昇降角度を検出する角度センサ76について説明する。
【0078】
図22に示すように、縦排出オーガ8Aの上部と横排出オーガ8Bの後部は、縦排出オーガ8Aの上部に設けられた縦オーガメタル78Aと横排出オーガ8Bの後部に設けられた横オーガメタル78Bを介して連結されている。なお、横オーガメタル78Bは、縦オーガメタル78Aの左部に回転自在に固定されている。
【0079】
平面視において、横排出オーガ8Bの後部と縦オーガメタル78Aは、略L字形状の連結部材77で連結されている。横排出オーガ8Bの後部と連結部材77の左部は固定され、縦オーガメタル78Aと連結部材77の後部は回転自在に固定されている。また、連結部材77と縦排出オーガ8Aは、昇降シリンダ77Aで連結されている。これにより、昇降シリンダ77Aを駆動させ、横オーガメタル78Bを縦オーガメタル78Aを中心として回転させて横排出オーガ8Bの前部を上下方向に昇降させることができる。
【0080】
角度センサ76は、連結部材77の左部に固定され、角度センサ76の回転軸に設けられ前後方向に延在するセンサアーム76Aの後部に形成されたスリット内には、縦オーガメタル78Aの前部に設けられた左右方向に延在するピン79が挿嵌されている。これにより、横排出オーガ8Bの上下方向に傾斜角度を検出することができる。