特許第6741240号(P6741240)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6741240
(24)【登録日】2020年7月29日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】フェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20200806BHJP
   E04H 17/16 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   E04H17/14 102Z
   E04H17/16 102Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-161007(P2016-161007)
(22)【出願日】2016年8月19日
(65)【公開番号】特開2018-28227(P2018-28227A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2019年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001096
【氏名又は名称】倉敷紡績株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115934
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 雅也
(72)【発明者】
【氏名】堤 陽平
(72)【発明者】
【氏名】松本 一将
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭59−011596(JP,Y2)
【文献】 特開2012−066403(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/006707(WO,A1)
【文献】 特開2005−023759(JP,A)
【文献】 実開昭56−051996(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0065755(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00 −17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔をおいて互いに平行に配置される筒状の第1の桟材と前記第1の桟材と交差する方向に配置される第2の桟材が組み付けられたフェンスであって、
前記第1の桟材は、
互いの開口が相対するように設けられたL字状に構成された一対の連結片が内面の対向する位置に設けられた筒状の金属製芯材と前記金属製芯材の外周面を被覆する合成樹脂の被覆層と、を備えた押出成形材で構成され、前記一対の連結片の間で分割されてなり、分割面に前記第2の桟材を嵌め込む切り欠き部を有する一対の分割材と、
外側に突出する円弧状の板バネで構成され、前記一対の連結片の開口に嵌入されて前記連結片と係合する係合部と、対向する係合部同士を接続する接続部とを備えた断面略H字状に構成され、前記一対の分割材のそれぞれの当該連結片同士を連結する連結部材と、を備えることを特徴とする、フェンス。
【請求項2】
前記第1の桟材は、断面形状が矩形に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のフェンス。
【請求項3】
前記金属製芯材は、前記第2の桟材の表面に沿った方向に延び、前記第2の桟材を固定する固定壁を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフェンス。
【請求項4】
前記固定壁は、中央部分に肉厚に構成された厚肉部を有することを特徴とする、請求項に記載のフェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状の桟が交差した構成を有するフェンス及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木材などで作られた断面矩形状の桟材として間隔をおいて平行に並べ、さらに当該桟材に直交する第2の桟材で組み付けて格子状に組み上げられたフェンスが知られている。この種のフェンス100は、例えば、特許文献1(特開2003−74219号公報)に記載されており、一般に図10に示すように、所定間隔をおいて平行に配置した縦桟101を跨ぐようにして、縦桟101の表面101aに横桟102を配置し、両者の交差部分を固定することで、格子状に構成したものである。このため、縦桟101に対して一方の表面101a側に横桟102が配置される構成となっており、横桟102取り付けのためのビスが外部に露出し、また、フェンス自体に表裏が存在する。このフェンスの表裏の別は、使用時における用途が限定される等、不都合の原因になる場合があり、構成上、表裏の区別のないフェンスが要望されていた。
【0003】
一般に、直交する桟が組み合わされて格子構造の面状構造体を作成するにあたり、双方の桟の交差部分に互いに嵌り合う切り込みを入れ、この切り込み同士を嵌め合わせる技術や、予め桟部材を厚み方向に分割した構造とし、他方の桟部材を一方の桟部材で挟むようにして組み立てることで、縦桟と横桟の表面を同一面上に配置させる技術が知られている。この構成を2つの桟が交差する構成のフェンスに使用した場合、表裏の区別をなくすことができる。
【0004】
ところで、屋外に配置されるフェンスの桟に用いる建築用部材として、特許文献2(特開2012−66403号公報)等に記載されている、金属製芯材の表面に木粉を含む複合押出被覆材が知られている。当該複合押出被覆材の建築用部材は、上質な木質杆と長期間の風雨に対する耐性などから、建築用部材として優れており、当該材料は上記の2つの桟が交差する構成のフェンスに好適に使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−74219号公報
【特許文献2】特開2012−66403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の特許文献2に記載された建築用部材を用いて表裏の区別のないフェンスを作るために、表面に切り込みや嵌め合わせ部分などの凹凸のある桟部材を作成すると、当該凹凸の角や縁の部分で被覆材との厚みを一様に制御することが困難であり、組立精度が悪くなるという問題が生じた。特に、被覆材として木粉入りポリオレフィン系樹脂を用いた場合、厚みの制御が難しく、精度低下の問題は顕著となった。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、金属製芯材の表面に被覆材、特に木粉を含む複合押出被覆材を設けた建築用部材を用いた、表裏の区別のない2つの桟部材が交差したフェンスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成のフェンスを提供する。
【0009】
本発明の第1態様によれば、所定の間隔をおいて互いに平行に配置される筒状の第1の桟材と前記第1の桟材と交差する方向に配置される第2の桟材が組み付けられたフェンスであって、
前記第1の桟材は、
互いの開口が相対するように設けられたL字状に構成された一対の連結片が内面の対向する位置に設けられた筒状の金属製芯材と前記金属製芯材の外周面を被覆する合成樹脂の被覆層と、を備えた押出成形材で構成され、前記一対の連結片の間で分割されてなり、分割面に前記第2の桟材を嵌め込む切り欠き部を有する一対の分割材と、
外側に突出する円弧状の板バネで構成され、前記一対の連結片の開口に嵌入されて前記連結片と係合する係合部と、対向する係合部同士を接続する接続部とを備えた断面略H字状に構成され、前記一対の分割材のそれぞれの当該連結片同士を連結する連結部材と、を備えることを特徴とする、フェンスを提供する。
【0013】
本発明の第態様によれば、前記第1の桟材は、断面形状が矩形に構成されていることを特徴とする、第1態様のフェンスを提供する。
【0014】
本発明の第態様によれば、前記金属製芯材は、前記第2の桟材の表面に沿った方向に延び、前記第2の桟材を固定する固定壁を備えることを特徴とする、第1又は2態様のフェンスを提供する。
【0015】
本発明の第態様によれば、前記固定壁は、中央部分に肉厚に構成された厚肉部を有することを特徴とする、第3態様のフェンスを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第2の桟材が第1の桟材を貫通するように組み上げられるため、表裏の区別がない。また、両桟材を固定するためのビスなども隠蔽されて外部からは視認されないため、デザイン的にも優れ、広い用途が期待できる。
【0017】
桟材は、金属製芯材とその外周面を被覆する合成樹脂の被覆層を備えた押出成形材を用い、第1の桟材は、長手方向に分割した分割材を用いるため、分割材の分割面が平滑であり、一対の分割材をぴったりと組み合わせることができ、分割材同士の繋ぎ目が目立たなくすることができる。また、連結片は、分割線を挟んで対で設けられており、これを分割材とは別に構成された連結部材で連結する構成であるため、分割材の構成を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態にかかるフェンスの外観構成を示す斜視図である。
図2図1のフェンスの部分拡大斜視図である。
図3図1のフェンスに用いられる縦桟の押出成形材の構成を示す斜視図である。
図4図1のフェンスに用いられる縦桟の分割材の構成を示す斜視図である。
図5図1のフェンスに用いられる縦桟の連結部材の構成を示す斜視図である。
図6図1のフェンスに用いられる縦桟の組み立て状態を示す図である。
図7図1のフェンスに用いられる縦桟の分割材と連結部材の係合状態を示す部分拡大図である。
図8図1のフェンスの縦桟と横桟の組み立て構成を示す分解斜視図である。
図9図1のフェンスの桟部材とエンド柱との組み立て構成を示す部分拡大図である。
図10】従来の表裏の区別のあるフェンスの外観構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る外装材及び外装材の施工方法について、図を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るフェンスの外観構成を示す斜視図である。図2は、図1のフェンスの部分拡大斜視図である。
【0021】
本実施形態に係るフェンスは、縦桟3と横桟4が交差する方向に組み付けられたフェンス本体2と、フェンス本体2の左右両側を支持し、地面に据え付けられるエンド柱5とを備えている。
【0022】
フェンス本体2を構成する縦桟3と横桟4及びエンド柱5は、矩形の筒状の金属製芯材の外周面を合成樹脂で被覆した押出成形材で構成されており、縦桟の上側端部の開口には、エンドキャップ3a,5aが嵌め込まれている。
【0023】
フェンス本体2は、縦桟3が所定の間隔をおいて互いに平行に配置されており、図2に示すように、当該縦桟3を貫通するように横桟4が配置される。すなわち、フェンス本体2は、横桟4が縦桟3のいずれか一方の表面に固定されるものではなく、表裏の区別がない構造となっている。なお、本実施形態では、縦桟3が第1の桟材に、横桟4が第2の桟材にそれぞれ相当する。
【0024】
縦桟3と横桟4及びエンド柱5を構成する押出成形材は、上記の通り、長手方向に対して垂直な方向に断面矩形の筒状の金属製芯材の外表面に合成樹脂で被覆した中空構造である。押出成形材の一例として図3に縦桟3に用いられる押出成形材の構成を示す部分拡大斜視図を示す。縦桟3に用いられる押出成形材6は、上記のように、断面が略矩形の金属製芯材7の外表面に被覆層8が被覆されたものであり、長手方向に同じ断面形状を有する。
【0025】
金属製芯材7としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス、亜鉛メッキ鋼、銅等の金属を用いることができるが、本実施形態では、加工容易性の観点からアルミニウム合金が用いられている。金属製芯材の厚みは0.8〜5.0mm、特に1.1〜3.0mmであることが、アルミの剛性及び押出加工性の観点から好ましい。また、金属製芯材の外表面に微細な凹凸を形成し、合成樹脂との接着性を向上させることができる。
【0026】
被覆層7は少なくともベースとなる合成樹脂に木粉を含有した材料で構成される。ベース樹脂として、耐水性等の面から好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ヘキセンのような炭素原子数2〜8、好ましくは2〜6のα−オレフィンの単独重合体または共重合体が挙げられる。本実施形態では、ポリプロピレン樹脂が使用されている。なお、木粉入りポリオレフィン系樹脂とアルミ合金芯材とは接着性を向上させるために通常接着樹脂を介在させることが多く、その場合、ポリエステル樹脂やアイオノマー樹脂、α−オレフィンとエポキシ基含有不飽和モノマーを重合させてなる共重合体樹脂等が用いられる。
【0027】
木粉は、スギ、ヒノキ、ベイツガ等の木材、ならびにそのような木材の端材および廃材を粉砕したもの、おがくず等がよく用いられ、その粒径は10〜500メッシュのものを用いることができるが、より好適なのは60〜100メッシュ程度である。木粉の含有量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部である。
【0028】
被覆層8は単層型であってもよいが、金属製芯材との接着性を向上させるために、接着層を介して2層以上に構成されていてもよい。被覆層の厚みは、特に制限されず、接着性、外観性、生産性の観点から好ましくは0.5〜7mm程度に構成される。触ったときの木質感および被覆層の接着性のさらなる向上)の観点から、被覆層の厚みは1〜5mm、特に1.1〜3.5mmが好ましい。また、被覆層は、その表面を荒く削り、木材調の外観及び触感を持たせることができる。
【0029】
押出成形材は、被覆層の押出成形と同時に被覆層および接着層を金属製芯材と一体化させる、いわゆる一体押出法によって製造される。一例としては、例えば、共押出式の一体化押出成形機を用い、被覆層を形成する材料を溶融・混練して押し出された樹脂の層を、所定の厚み寸法で送り込まれた芯材に順次被覆して一体化する。このとき、角部分、コーナー部分などにおいては、被覆層の厚み寸法の精度が安定しない場合があり、特に被覆層樹脂として木粉入りポリオレフィン系樹脂を用いた場合、厚み精度は安定しない。しかし、金属製芯材の平面部分の被覆層の厚みはほぼ均一しており、当該部分の被覆層の寸法は固体間のばらつきがなく精度は安定して制御することができる。
【0030】
縦桟3には、図3に示す押出成形材6の中央部分を長手方向に伸びる切断線10で分割した分割材が用いられる。押出成形材6は、断面外形寸法が52mm×32mmである。また、切断部分におけるアルミ合金芯材の肉厚は1.2mm、被覆層の厚みは1.5mm(接着層としてのα−オレフィンとエポキシ基含有不飽和モノマーを重合させてなる共重合体樹脂層が0.2mm及び木粉入りポリプロピレン樹脂被覆層は1.3mm)である。押出成形材6は、切断線10に対してほぼ対称に構成されており、任意の1つの縦桟3を構成する分割材は、好ましくは、同一の押出成形体から切断された分割材が組み合わされて用いられる。本実施形態では、押出成形材6を切断するために、電動鋸切断機を用い、切断線10の削り代は2.2mmである。押出成形材6は、当該削り代を考慮して設計すればよい。
【0031】
縦桟3を構成する押出成形材6を切断線10で切断した分割材11は、図4に示すように、断面が略コの字型に構成されており、切断線10で切断された分割面12、特に前記のとおり厚み精度が高い金属製芯材の平面部分を切断した分割面12は、金属製芯材7と被覆層8が平滑に面だしされており、後述するように2つの分割材11を組みあわせる場合にガタツキなどが生じることがない程度に高精度に構成されている。
【0032】
押出成形材6は、金属製芯材7の図3において上下に対向する上下対向面6aの内面にそれぞれ一対に構成された鉤状の連結片13を備える。連結片13は、L字状のアーム13aの先端に係止突起13bが設けられており、開口部13cが互いに相対するようになっている。
【0033】
また、押出成形材6は、上下対向面6aに直交する側面6bと平行に補強壁14が設けられている。補強壁14の一方は、中央部分の厚みが厚く肉厚部14aが設けられており、後述するように、横桟4を固定する固定壁として機能する。
【0034】
図4に示すように、分割面12には、分割面12から補強壁14に至るまでの上下対向面6aを部分的に切り欠いた切り欠き15が設けられている。切り欠き15の形状は、横桟4がぴったりと収まるような形状であり、具体的には、長さ方向寸法Aは、横桟4の外形寸法に対応し、切り欠き深さBは、横桟4の厚み寸法の半分となっている。
【0035】
一対の分割材11は、図5に示す連結部材20によって互いの分割面12同士が密着するように連結される。連結部材20は、分割材の切り欠き15が設けられていない部分に配置されることで、分割材11の連結片13同士を連結する。連結部材20は、例えばアルミ、アルミ合金等の押出部材が用いられ、その肉厚は0.7〜1.4mm程度である。連結部材に弾性をもたせるためには0.7〜1.1mm程度の肉厚が好ましい。図5の例においては0.9mmである。
【0036】
図6は、一対の分割材が連結された状態を示し、縦桟の組み立て状態を示す図である。図7は、縦桟の分割材と連結部材の係合状態を示す部分拡大図である。連結部材20は、断面H字状の金属製部材であり、分割材11の上下対向壁6aの内面に位置し、連結片13の開口13cに挿入されて係止突起13bと係合する係合部21と、双方の係合部21同士を接続する接続部22とから構成される。
【0037】
係合部21は、断面が円弧状に湾曲した薄板状に構成され、両側に連結片13の係止突起13bと係合する突起21aが設けられている。係合部21は、円弧状に湾曲した薄板が適切なバネ効果を有するように構成されている。
【0038】
係合部21の幅寸法は、連結片13のアーム13aに係合部21の先端が当接し、かつ、突起21aと連結片13の係止突起13bとが係合する場合に、分割片11の分割面12が密着することができるように設計されている。これにより、一対の分割材11を挟んで係合部21の両側が、それぞれの連結片13と係止し、一対の分割材11を厚み方向に緩みやガタツキなく連結する。
【0039】
また、係合部21はバネとして機能するように円弧状に構成されているため、中央の外側端21bが分割面12の位置に密着するとともに、連結片の係止突起13b側に密着するように構成されている。これにより、係合部21突起21aが係合突起13bと係合した状態では、分割材11同士の幅方向への緩みやガタツキがない。
【0040】
図8は、フェンス本体の縦桟と横桟の組み立て構成を示す分解斜視図である。なお、図示上下の分割材を区別するために、下側の分割材を11a、上側の分割材を11bと符号表記する。フェンス本体は、まず、縦桟3を構成する分割材11aを所定の間隔をおいて平行に配置する。当該分割材11aの切り欠き15に横桟4を嵌め込み、ビス30で補強壁14にビス止めする。横桟4及び補強壁14には、それぞれビス孔16,4aが予め設けられており、これにより横桟4と分割材11aの位置を固定する。なお、ビス30の頭は、上側の分割材11bの補強壁14と干渉しないように、突出幅を少なくすることが好ましい。
【0041】
分割材11aの補強壁14は、上記の通り、一方側のみに中央部分の厚みが厚い肉厚部14aを備えており、これにより、ビス30との螺合強度を強固にすることができる。
【0042】
連結部材20を分割材11aの連結片13に嵌め込み係合させる。連結部材20は、横桟4と干渉しないように切り欠きを除く位置に少なくとも部分的に設けることができる。
【0043】
次に、上側の分割材11bの切り欠き15が横桟4に嵌るように位置合わせして、連結部材20と上側の分割材11bとの連結片と係合させる。これにより、一対の分割材11a,11bが、その分割面12が密着するように連結部材20を介して連結される。上記の通り、分割面12は、金属製芯材7と被覆層8とが平滑に面だしされており、ぴったりと重なるため、分割材11の継ぎ目部分が容易に判別することができないようになっている。
【0044】
このようにして組み上げられたフェンス本体2は、横桟4が縦桟3を貫通するように組み上げられるため、表裏の区別がない。また、縦桟3と横桟4を固定するためのビスなども隠蔽されて外部からは視認されないため、デザイン的にも優れ、広い用途が期待できる。
【0045】
フェンス本体2は、取り付け金具4を介して、エンド柱5に固定される。取り付け金具40は、コの字状に構成されており、エンド柱5の表面にビスなどで固定される。取り付け金具40をフェンス本体2の横桟4の端部から挿入して、横桟の下側からビス41で固定することで、フェンス本体2をエンド柱5に固定する。
【0046】
最後に縦桟3とエンド柱5に、エンドキャップ3a、5aを嵌め込み、上側の開口を隠蔽する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態のフェンスによれば、横桟4が縦桟3を貫通するように組み上げられるため、表裏の区別がない。また、縦桟3と横桟4を固定するためのビスなども隠蔽されて外部からは視認されないため、デザイン的にも優れ、広い用途が期待できる。
【0048】
また、押出成形材を長手方向に分割した分割材を用いるため、分割材11の分割面が平滑であり、一対の分割材をぴったりと組み合わせることができる。分割材11の連結に用いられる連結部材20は、断面H字状に構成され、分割材11の連結片と連結する係合部21は、円弧状に構成されてバネ性を有するため、緩みやガタツキがない状態で分割材11を連結することができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。上記実施形態では、縦桟3及び横桟4はいずれも断面形状が矩形筒状の押出成形材を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、断面円形の筒状の押出成形材を用いることができる。また、横桟4については、中空材のほか、中実材を用いてもよい。
【0050】
さらに、縦桟3を構成する連結部材20は、図5に示す構造に限定されるものではなく、分割材11をガタツキや緩みなく連結できるものであれば、特にその構成は問わない。例えば、分割材11の左右に設けられている連結片に連結する係合部のみからなる構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 フェンス
2 フェンス本体
3 縦桟
4 横桟
4a ビス孔
5 エンド柱
6 押出成形材
7 金属製芯材
8 被覆層
10 切断線
11,11a,11b 分割材
12 分割面
13 連結片
13a アーム
13b 係止突起
13c 開口部
14 補強壁
14a 肉厚部
15 切り欠き
16 ビス孔
20 連結部材
21 係合部
21a 突起
21b 外側端
22 接続部
30,40 ビス
41 取り付け金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10