(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した研磨工具ユニットを説明する。
【0023】
(全体構成)
図1は本発明を適用した研磨工具ユニット500の斜視図である。本例の研磨工具ユニット500は、
図1に示すように、工作機械への取付け部となるシャンク502aを備える工具ホルダ502と、工具ホルダ502のシャンク502aとは反対の前端側から突出する線状砥材503を備えるブラシ状砥石(研磨工具)504を有する。以下では、研磨工具ユニット500の軸線L方向において、工具ホルダ502から線状砥材503が突出
している側を前方、シャンク502aの側を後方として研磨工具ユニット500を説明する。
【0024】
(工具ホルダ)
工具ホルダ502は、軸線L方向に沿ってシャンク502aの側からシャンクヘッド505とスリーブ506を同軸に備える。円盤部507と、円盤部507とシャンク502aの間を連結する第1連結円盤部508および第2連結円盤部509を備える。第1連結円盤部508は第2連結円盤部509とシャンク502aの間に設けられている。第1連結円盤部508の外径寸法はシャンク502aの外径寸法よりも長く、第2連結円盤部509の外径寸法よりも短い。また、第1連結円盤部508の軸線L方向の長さ寸法は、第2連結円盤部509の長さ寸法よりも長い。第2連結円盤部509の外径寸法は円盤部507の外径寸法よりも短い。
【0025】
第2連結円盤部509には、半径方向に延びるネジ孔510が2つ設けられている。2つのネジ孔510は軸線L回りで180°の回転対称に形成されている。各ネジ孔510には、ネジ部を備えるカムピン511が捻じ込まれている。
【0026】
スリーブ506は軸線L方向に延びる筒部515を備える。筒部515の径寸法は一定である。筒部515の後端部分にはスリーブ側貫通孔517が4つ設けられている。4つのスリーブ側貫通孔517は軸線L回りで90°の回転対称に形成されている。
【0027】
ここで、シャンクヘッド505の前端部分には環状部材524が同軸に固定されている。環状部材524は円盤部507から前方に一定幅で突出する突出部分524aを備える。スリーブ506は、その後端部分が突出部分524aの外周側に嵌め込まれている。スリーブ506は、各スリーブ側貫通孔517を貫通する固定ネジ518により環状部材524に固定されている。
図1に示すように、シャンクヘッド505の円盤部507、第1連結円盤部508および第2連結円盤部509と、環状部材524とは、シャンク502aとスリーブ506との間を接続するハウジング部530を構成している。
【0028】
各スリーブ側貫通孔517の前方には周方向に延びる長孔519が設けられている。また、筒部515には、軸線L方向に延びる溝状の2つの案内孔520が設けられている。2つの案内孔520は、軸線L回りで180°の回転対称に形成されている。各案内孔520はいずれも長孔519の前方に形成されている。従って、軸線L方向から見た場合に2つの長孔519と案内孔520は重なる。案内孔520内には、回転規制ネジ521が位置する。
【0029】
図2は
図1の研磨工具ユニット500を後方から見た場合の分解斜視図である。
図3は
図1の研磨工具ユニット500を前方から見た場合の分解斜視図である。
図4は
図1の研磨工具ユニット500の縦断面図であり、案内孔520を通過する位置で切断したものである。
図2ないし
図4に示すように、工具ホルダ502は、シャンクヘッド505とスリーブ506の内側に、環状部材524、シャフト525、リードカム(移動部材)526、および、コイルバネ(付勢部材)527を備える。また、工具ホルダ502は、シャフト525に設けられたボルト部分553に螺合するナット529を備える。本例では、ナット529は、ブラシ状砥石504と一体に設けられている。
【0030】
図3に示すように、シャンクヘッド505の前面には凹部531が設けられている。凹部531には環状部材524の後側部分が挿入されて嵌合する。凹部531の中央には、シャンク502a、第1連結円盤部508、第2連結円盤部509および円盤部507を軸線L方向に貫通するヘッド中心孔532の前端開口が露出する。凹部531の底面におけるヘッド中心孔532の外周側には環状部材固定用ネジ孔534が4つ形成されている
。
【0031】
ヘッド中心孔532は、
図4に示すように、後方から前方に向かって第1中心孔部分536、第1中心孔部分536よりも内径が大きい第2中心孔部分537、第2中心孔部分537よりも内径が大きい第3中心孔部分538、および、第3中心孔部分538よりも内径が大きい第4中心孔部分539をこの順番に備える。従って、ヘッド中心孔532の内周面には、第1中心孔部分536と第2中心孔部分537の間に形成された第1環状前向き面532aと、第2中心孔部分537と第3中心孔部分538の間に形成された第2環状前向き面532bと、第3中心孔部分538と第4中心孔部分539の間に形成された第3環状前向き面532cが形成されている。
【0032】
第1中心孔部分536はシャンク502aを貫通している。第1中心孔部分536はシャンク502aが接続された工作機械から加圧されたクーラントの供給を受けるクーラント導入孔580(流体導入孔)である。ここで、第2連結円盤部509に形成されたネジ孔510は第4中心孔部分539に貫通する。従って、ネジ孔510に捻じ込まれたカムピン511の先端部分は第4中心孔部分539に突出する。
【0033】
環状部材524は、
図3に示すように、環状部材本体部541と、環状部材本体部541の前面の中央部分から環状部材本体部541と同軸に前方に突出する筒部542と、筒部542の前端から内周側に突出する環状板部543を備える。
図4に示すように、環状部材本体部541の中心孔541aは、第3中心孔部分538の内径寸法よりも僅かに小さい内径寸法を備える。中心孔541aの内周面と筒部542の内周面は段差なく連続している。
図3に示すように、環状部材本体部541には、軸線L方向に貫通する4つの貫通孔524cが設けられている。
【0034】
環状部材524は、その後端部分がシャンクヘッド505の凹部531に嵌め込まれる。そして、環状部材524は、各貫通孔524cに前方から挿入されてシャンクヘッド505の環状部材固定用ネジ孔534に捻じ込まれる4本の環状部材固定用ネジ545によりシャンクヘッド505に固定される。環状部材524がシャンクヘッド505に固定されると、環状部材524はシャンクヘッド505から前方に突出する突出部分524aを備えるものとなる。また、環状部材524がシャンクヘッド505に固定されると、
図4に示すように、第3環状前向き面532cと環状部材524の後端面の間の空間(第4中心孔部分539)が、リードカム526を配置するカム室581(収容室)として区画される。また、環状部材524がシャンクヘッド505に固定されると、第2環状前向き面532bと、第3環状前向き面532cとの間の空間(第3中心孔部分538)が、クーラントCなどの流体を導入するための流体導入室582(流体導入空間)として区画される。流体導入室582はカム室581の後方でカム室581に連通する。
【0035】
突出部分524aの環状外周面には、4つのスリーブ固定用ネジ孔524bが軸線L回りで90°の回転対称に形成されている。スリーブ506は、各スリーブ側貫通孔517を貫通してスリーブ固定用ネジ孔524bに捻じ込まれた固定ネジ518により環状部材524に固定される。
【0036】
図2に示すように、シャフト525は、シャンクヘッド505、環状部材524、および、スリーブ506の内周側で、シャンク502aと同軸に配置されている。シャフト525は、後方から前方に向かって、カム支持部分551、鍔部分552、およびボルト部分553をこの順番に備える。リードカム526は、カム支持部分551に支持されて、シャンク502aと同軸に配置される。
【0037】
カム支持部分551は、その後端面から軸線L方向に所定の長さ寸法だけ延びるシャフ
ト側クーラント導入孔555を備える。また、カム支持部分551は、軸線Lと直交する方向に延びてシャフト側クーラント導入孔555の前端部分と連通するクーラント導出孔556を備える。さらに、カム支持部分551は、
図2に示すように、軸線Lを間に挟んで平行に延びる一対の平行面557と、一対の平行面557を一対の平行面557の間でこれら平行面557を接続する一対の円弧面558を備える。
【0038】
鍔部分552はカム支持部分551およびボルト部分553よりも大径である。また、
図4に示すように、鍔部分552の外径寸法は、環状部材本体部541の中心孔541aおよび筒部542の内径寸法よりも小さく、環状板部543の内径寸法よりも大きい。ボルト部分553の外径寸法は、環状板部543の内径寸法よりも小さい。ボルト部分553は外周面に雄ネジを備える。
【0039】
リードカム526は、全体として円筒形状をしており、その外径寸法はカム室581(第4中心孔部分539)の内径寸法よりも小さい。リードカム526は、中心に軸線L方向に貫通するシャフト挿入孔561を備える。シャフト挿入孔561は、後方から前方に向かって小径孔部分561a(
図2参照)と小径孔部分561aよりも内径寸法の大きい大径孔部分561b(
図3参照)を備える。
【0040】
図2に示すように、シャフト挿入孔561を軸線L方向の後方から見た形状(小径孔部分561aを見た形状)は、シャフト525のカム支持部分551を軸線L方向から見た形状と対応する。従って、カム支持部分551がシャフト挿入孔561に挿入されてリードカム526がシャフト525に支持されると、リードカム526はカム支持部分551を軸線L方向に移動可能な状態で、かつ、シャフト525に対して相対回転不能な状態となる。シャフト挿入孔561を軸線L方向の前方から見た形状(大径孔部分561bを見た形状)は円形である。ここで、シャフト525のカム支持部分551の外周側にはコイルバネ(付勢部材)527が配置されている。コイルバネ527の前端は鍔部分552に当接する。コイルバネ527の後側部分はリードカム526の大径孔部分561bに挿入されている。コイルバネ527の後端は、小径孔部分561aと大径孔部分561bとの間に形成された環状前向き面561c(
図4参照)に当接している。
【0041】
図5は研磨工具ユニット500のカム562の部分斜視図である。
図6はリードカム526の周辺の部分拡大図である。
【0042】
リードカム526は、その外周面にカム562を備える。カム562は、その後側部分から外周側に突出する複数の後側突部245と、当該カム562の前側部分から外周側に突出する複数の前側突部246を備える。後側突部245と前側突部246は軸線L方向に離間して設けられている。軸線L方向における後側突部245と前側突部246の間の距離はカムピン511の先端部を挿入可能な距離である。複数の後側突部245は周方向に等角度間隔に設けられている。隣り合う後側突部245と後側突部245の間の距離は、カムピン511の先端部を挿入可能な距離である。複数の前側突部246も周方向に等角度間隔に設けられている。隣り合う前側突部246と前側突部246の間の距離は、カムピン511の先端部を挿入可能な距離である。
【0043】
各後側突部245において周方向および前方を向く側面はカムピン511が摺接する後側カム面247となっている。後側カム面247は、軸線L方向に延びる後側第1カム面部分247aと、後側第1カム面部分247aの先端から前方に向かって周方向の一方側に傾斜する後側傾斜カム面部分247bと、後側傾斜カム面部分247bの後側第1カム面部分247aとは反対側の端から軸線L方向を後方に延びる後側第2カム面部分247cを備える。後側傾斜カム面部分247bは外周側に向かって後方に傾斜している。周方向で隣り合う後側突部245と後側突部245の間には、前方に向かって開口する後側円
弧面247dが形成されている。
【0044】
一方、各前側突部246においても、外周面から外周側に突出している側面はカムピン511が摺接する前側カム面248となっている。前側カム面248は、軸線L方向に延びる前側第1カム面部分248aと、前側第1カム面部分248aの先端から後方に向かって周方向の一方側に傾斜する前側傾斜カム面部分248bと、前側傾斜カム面部分248bの前側第1カム面部分248aとは反対側の端から軸線L方向を前方に延びる前側第2カム面部分248cを備える。前側傾斜カム面部分248bは外周側に向かって後方に傾斜している。周方向で隣り合う前側突部246と前側突部246の間には、後方に向かって開口する前側円弧面248dが形成されている。
【0045】
後側突部245と前側突部246の形成位置は、周方向でずれている。これにより、後側カム面247の後側傾斜カム面部分247bは、2つの前側突部246の間の前側円弧面248dと対向している。また、前側カム面248の前側傾斜カム面部分248bは、2つの後側突部245の間の後側円弧面247dと対向している。
【0046】
ここで、環状部材524をシャンクヘッド505に固定する際には、シャフト525を後方から環状部材524に挿入して、ボルト部分553が環状部材524から前方に突出した状態する。この状態で、鍔部分552は環状部材524の環状部材本体部541および筒部542の内側に位置する。また、環状部材524をシャンクヘッド505に固定する際には、シャフト挿入孔561にカム支持部分551を挿入して、リードカム526をシャフト525に支持させる。しかる後に、シャフト525およびリードカム526をヘッド中心孔532に挿入して、環状部材524をシャンクヘッド505に固定する。
【0047】
環状部材524をシャンクヘッド505に固定した状態では、
図4に示すように、シャフト525の後端部分はヘッド中心孔532の第2中心孔部分537に挿入される。これにより、クーラント導入孔580と、シャフト側クーラント導入孔555およびクーラント導出孔556が連通する。また、クーラント導出孔556は流体導入室582内で開口する。従って、クーラント導入孔580は、シャフト側クーラント導入孔555およびクーラント導出孔556を介して、流体導入室582に連通する。さらに、シャフト525のボルト部分553はスリーブ506の内周側に位置する。ボルト部分553の前端は、スリーブ506の前端開口506aよりも後退した位置にある。シャフト525はシャンクヘッド505(シャンク502a)、環状部材524およびスリーブ506に対して軸線L回りに相対回転可能である。
【0048】
また、環状部材524をシャンクヘッド505に固定した状態では、リードカム526はカム室581に配置される。そして、リードカム526は、コイルバネ527によって、第3環状前向き面532cに当接する後側位置(第2位置)526Aに付勢される。これにより、リードカム526の後端面は、流体導入室582の前側の壁面を構成する。なお、リードカム526がカム室581に配置された後に、カムピン511を捻じ込むことにより、カムピン511の先端部分がリードカム526のカム562に挿入される。
【0049】
ここで、リードカム526は、カム支持部分551に沿って後側位置(第2位置)526Aと、後側位置526Aから軸線L方向の前方に離間した前側位置(第1位置)526Bの間を移動可能である。後側位置526Aは、リードカム526が第3環状前向き面532cに当接する位置であって、カムピン511が前側突部246と当接する位置である。前側位置526Bは、リードカム526が環状部材524に当接する位置であって、カムピン511が後側突部245と当接する位置である。なお、リードカム526は、通常は、コイルバネ527によって後側位置526Aに付勢されている。従って、カムピン511は、通常は、前側突部246の間の前側円弧面248dに当接している。
【0050】
リードカム526が後側位置526Aから前側位置526Bを経由して後側位置526Aに戻る往復直進運動を行うと、カムピン511がカム562の前側カム面248および後側カム面247を擦動することにより、この往復直動運動はリードカム526の軸線L回りの一方向への所定の角度の回転運動に変換される。すなわち、カム562とカムピン511は、リードカム526の往復直動運動を回転運動に変換する運動変換機構565を構成する。ここで、リードカム526が回転すると、シャフト525はリードカム526と一体に回転する。
【0051】
(ブラシ状砥石)
図2に示すように、ブラシ状砥石504は、線状砥材503と、線状砥材503の後側部分を保持する砥材ホルダ570を有する。砥材ホルダ570は工具ホルダ502のナット529を兼ねるものである。ここで、砥材ホルダ570は、シャフト525のボルト部分553に螺着可能な雌ネジ572を備えるナット529と、線状砥材503の後側部分を保持する環状の砥材ホルダと、を備え、ナット砥材ホルダが着脱可能に同軸に連結されているものでもよい。換言すれば、砥材ホルダ570について、ナット529と、線状砥材503の後側部分を保持する環状の砥材ホルダ部分とを別体とし、ナット529が、環状の砥材ホルダ部分を着脱可能に同軸に連結する連結部を備え、ナットと砥材ホルダ部分とが連結部を介して連結されているものとしてもよい。
【0052】
砥材ホルダ570は、筒状(環状)であり、シャフト525を貫通させる軸孔570aを備える。砥材ホルダ570の前面には、
図3に示すように、軸孔570aの周囲に複数の線状砥材保持孔571が形成されている。複数の線状砥材保持孔571は軸孔570aを囲む円形に等角度間隔に配列されている。線状砥材503は、アルミナ長繊維などといった無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させたものである。線状砥材503は複数本ずつ束ねられ、束ねられた後端側が線状砥材保持孔571に挿入され、接着剤によって砥材ホルダ570に固定されている。
【0053】
図4に示すように、軸孔570aの内周面には、砥材ホルダ570をシャフト525のボルト部分553に螺着可能とする雌ネジ572が形成されている。また、砥材ホルダ570には、軸線Lと直交して半径方向に貫通する2つのネジ孔573が設けられている。2つのネジ孔573は軸線L回りで180°の回転対称に形成されている。
【0054】
かかるブラシ状砥石504を工具ホルダ502に保持する際には、砥材ホルダ570をシャフト525のボルト部分553に螺着させて、スリーブ506の内側に位置させる。そして、2つのネジ孔573に、案内孔520を介して回転規制ネジ521を捩じ込む。
【0055】
回転規制ネジ521を案内孔520の外側から各ネジ孔573に捩じ込んだ状態では、回転規制ネジ521の頭部(回転規制ネジ521の外周側の端部分)は案内孔520内に位置する。従って、砥材ホルダ570(ナット529)が軸線L回りに回転しようとした場合には、各回転規制ネジ521の頭部が案内孔520の内周壁に周方向から当接して、その回転を阻止する。すなわち、砥材ホルダ570に捩じ込まれた2つの回転規制ネジ521と案内孔520は、砥材ホルダ570(ナット529)の軸線L回りの回転を規制するナット回転規制機構575を構成する。ナット回転規制機構575は砥材ホルダ570(ナット529)の軸線L方向への移動は許容する。
【0056】
ここで、ナット回転規制機構575、リードカム526、コイルバネ527、運動変換機構565、および、クーラント導出孔556は、砥材ホルダ570(ナット529)をシャフト525のボルト部分553に沿って軸線L方向に移動させるナット移動機構590を構成している。
【0057】
(砥材突き出し量の調整動作)
図7は
図1の研磨工具ユニット500の砥材突き出し量を調整する突き出し量調整動作の説明図である。
図8は突き出し量調整動作におけるリードカム526およびシャフト525の回転の説明図である。研磨工具ユニット500は、そのシャンク502aがツールホルダ(不図示)などを介してマシニングセンタのヘッドに連結される。マシニングセンタは、ヘッドに連結した工具等に加圧したクーラントを供給するクーラント供給路を有する。研磨工具ユニット500がマシニングセンタに連結された状態では、
図7(a)に示すように、リードカム526はコイルバネ527により後側位置526Aに付勢されている。この状態では、
図8(a)に示すように、カムピン511は、カム562の前側円弧面248dに摺接している。
【0058】
加工動作により線状砥材503の磨耗量が予め設定した摩耗量に達した場合には、制御プログラムによってマシニングセンタを駆動して、ヘッドから加圧したクーラントCを研磨工具ユニット500に供給する。
【0059】
マシニングセンタからのクーラントCは、シャンクヘッド505のヘッド中心孔532に導入されて流体導入室582に供給される。すなわち、クーラントCは、ヘッド中心孔532のクーラント導入孔580(第1中心孔部分536)から、シャフト側クーラント導入孔555およびクーラント導出孔556を介して、流体導入室582(第3中心孔部分538)に導入される。
図7(b)に示すように、クーラントCが導入されると、クーラントCの流体圧により、リードカム526がコイルバネ527の付勢力に抗して後側位置526A(第2位置)から前側位置526B(第1位置)に移動する。すなわち、流体導入室582の前側の壁面を構成するリードカム526の後端面がクーラントCの流体圧を受ける受圧面として機能し、クーラントCの流体圧がリードカム526を前方に移動させる。
【0060】
リードカム526が前側位置526Bに移動する際には、
図8(a)〜
図8(c)に示すように、カムピン511は、カム562の前側円弧面248dから後側突部245の側に移動して、後側突部245の後側傾斜カム面部分247bに摺接する。その後、カムピン511は、後側傾斜カム面部分247bから後側第1カム面部分247aを経由して後側円弧面247dに至る。ここで、カムピン511はシャンクヘッド505に固定されており、リードカム526は軸線L回りに回転可能となっている。従って、カムピン511が後側傾斜カム面部分247bと摺接する際に、リードカム526は一方側に所定の角度だけ回転する。よって、シャフト525がリードカム526と共に一方側に所定の角度だけ回転する。また、砥材ホルダ570(ナット529)はナット回転規制機構575によってその軸線L回りの回転が規制されている。従って、砥材ホルダ570(ナット529)は、シャフト525の回転に伴って軸線L方向に移動する。この結果、ブラシ状砥石504は軸線L方向の前方に移動する。
【0061】
その後、クーラントCの供給が停止されると、導入されたクーラントCは、リードカム526とカム室581の間など、部品と部品の隙間を介して下方に流れ、ブラシ状砥石504に伝わる。また、クーラントCは案内孔520からスリーブ506の外側に排出される。ここで、クーラントCの流体圧が低下すると、
図7(c)に示すように、コイルバネ527の付勢力によってリードカム526は、前側位置526B(第1位置)から後側位置526A(第2位置)に戻る。
【0062】
リードカム526が後側位置526Aに戻る際には、
図8(d)、
図8(e)に示すように、カムピン511は、後側円弧面247dから前側突部246の側に移動して、前側突部246の前側傾斜カム面部分248bに摺接する。その後、カムピン511は、前側
傾斜カム面部分248bから前側第1カム面部分248aを経由して前側円弧面248dに至る。ここで、カムピン511はシャンクヘッド505に固定されており、リードカム526は軸線L回りに回転可能となっている。従って、カムピン511が前側傾斜カム面部分248bと摺接する際に、リードカム526は一方側に所定の角度だけ回転する。よって、シャフト525がリードカム526と共に一方側に所定の角度だけ回転する。また、砥材ホルダ570(ナット529)はナット回転規制機構575によってその軸線L回りの回転が規制されている。従って、砥材ホルダ570(ナット529)は、シャフト525の回転に伴って軸線L方向に移動する。この結果、ブラシ状砥石504は軸線L方向の前方に移動する。
【0063】
これらの動作により、砥材ホルダ570(ナット529)は、リードカム526が後側位置526Aから前側位置526Bを経由して後側位置526Aに戻る間にシャフト525が回転する回転量に対応する移動量だけ前方に移動する。従って、マシングセンタからクーラントCを研磨工具ユニット500に供給することにより、所定の砥材突き出し量Pだけ、線状砥材503をスリーブ506の前端開口506aから突き出すことができる。
【0064】
本例によれば、砥材突き出し量の調整動作を行うために、ラックギアや突き出し量調整部材などを用いる必要がない。また、砥材突き出し量の調整動作を行うために、研磨工具ユニット500をラックギアや突き出し量調整部材が配置された砥材突き出し量調整位置に移動させる必要もない。従って、マシニングセンタでは、自動工具交換装置で工具を研磨工具ユニット500に交換した後に、加工開始位置に移動しながら砥材突き出し量の調整動作を行える。よって、本例の研磨工具ユニット500を用いれば、加工動作のスループットを向上させることができる。
【0065】
(変形例)
上記の例では、クーラントCの流体圧を利用してリードカム526を軸線L方向に移動させているが、クーラントCに替えてエアー(空気)を用いることができる。この場合には、エアーの流体圧を利用してリードカム526を軸線L方向に移動させ、運動変換機構565によってリードカム526の往復直動運動を回転運動に変換してシャフト525に伝達する。
【0066】
すなわち、研磨工具ユニット500が連結されるマシニングセンタが、ヘッドに連結した工具等に加圧したエアーを供給するエアー供給路を有する場合には、マシニングセンタからのエアーを、シャフト525のクーラント導入孔580、シャフト側クーラント導入孔555およびクーラント導出孔556を介して、流体導入室582(第3中心孔部分538)に導入する。
【0067】
ここで、流体導入室582にエアーが導入されると、エアーの流体圧により、リードカム526がコイルバネ527の付勢力に抗して後側位置526A(第2位置)から前側位置526B(第1位置)に移動する。すなわち、流体導入室582の前側の壁面を構成するリードカム526の後端面がエアーの流体圧を受ける受圧面として機能して、エアーの流体圧がリードカム526を軸線L方向に移動させる。また、その後に、エアーの供給が停止すると、リードカム526はコイルバネ527の付勢力によって前側位置526B(第1位置)から後側位置526A(第2位置)に戻る。これにより、リードカム526はカム室581内を往復直動運動する。
【0068】
リードカム526の往復直動運動は、
図8に示すように、運動変換機構565によってリードカム526の回転運動に変換される。ここで、リードカム526が回転するとシャフト525が回転する。また、シャフト525が回転すると、砥材ホルダ570(ナット529)は、シャフト525の回転に伴って軸線L方向に移動する。従って、ブラシ状砥
石504は軸線L方向の前方に移動する。よって、所定の砥材突き出し量Pだけ、線状砥材503をスリーブ506の前端開口506aから突き出すことができる。
【0069】
(変形例1)
図9は変形例1の研磨工具ユニット600の縦断面図である。本例の研磨工具ユニット600は、流体導入室582にクーラントCやエアーを導入するための流体導入孔601が、シャンク502aの側ではなく、シャフト525の側に設けられている。従って、本例の研磨工具ユニット600は、シャンクヘッド505およびシャフト525の一部分が上記の研磨工具ユニット500と相違する。なお、シャンクヘッド505およびシャフト525を除く他の構成は上記の研磨工具ユニット500と同一である。よって、本例の研磨工具ユニット600の説明では、研磨工具ユニット500と対応する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、以下では、クーラントCに代えて、エアーKによってリードカム526を移動させて砥材突き出し量の調整動作を行う例を説明する。
【0070】
図9に示すように、本例の研磨工具ユニット600では、シャンクヘッド505はヘッド中心孔532を備えていない。これに代えて、シャンクヘッド505は、その前面の中央部分に円形凹部602を備える。円形凹部602は、軸線L方向を前方から後方に向かって、第4中心孔部分539と、第4中心孔部分539よりも内径の小さい第3中心孔部分538をこの順番に備える。第4中心孔部分539はハウジング部530の内側でカム室581(収容室)を区画し、第3中心孔部分538は、ハウジング部530の内側で流体導入室582を区画する。ここで、ハウジング部530は、シャンク502aとスリーブ506との間を接続している部分であり、シャンクヘッド505の円盤部507、第1連結円盤部508および第2連結円盤部509と、環状部材524とから構成されている部分である。
【0071】
シャフト525は、軸線L方向に貫通する流体導入孔601を備える。流体導入孔601の前端開口は、当該流体導入孔601にエアーKを導入する流体導入口601aである。流体導入孔601の後端開口601bは流体導入室582に連通する。
【0072】
(砥材突き出し量の調整動作)
図10はエアー供給ユニットの説明図である。
図10(a)はエアー供給ノズルが突出位置に配置された状態を示し、
図10(b)はエアー供給ノズルが後退位置に配置された状態を示す。
図11は本例の研磨工具ユニット600の砥材突き出し量を調整する突き出し量調整動作の説明図である。
【0073】
研磨工具ユニット600は、そのシャンク502aがツールホルダ(不図示)などを介してマシニングセンタのヘッドに連結される。加工動作により線状砥材503の磨耗量が予め設定した摩耗量に達した場合には、制御プログラムによってマシニングセンタを駆動して、研磨工具ユニット600を、エアー供給ユニット610が配置された砥材突き出し量調整位置に移動させる。
【0074】
ここで、
図10に示すように、エアー供給ユニット610は、エアー供給ノズル611と、エアー供給ノズル611を突出位置611Aと後退位置611Bとの間で進退可能に支持するベース612と、エアー供給ノズル611を突出位置611Aに付勢するコイルバネ613を備える。エアー供給ノズル611はノズル内流路614を備えており、ベース612は、不図示のエアー供給ポンプに連通するエアー供給路615を備る。
【0075】
エアー供給ノズル611が突出位置611Aにある状態では、エアー供給ノズル611のノズル内流路614とエアー供給路615とは接続されていない。すなわち、エアー供給ノズル611が突出位置611Aにある状態では、
図10(a)に示すように、エアー
供給ノズル611の基端部分に設けられたノズル内流路614のエアー流入口616は、エアー供給路615から離間する位置に配置されており、エアー供給路615からエアー供給ノズル611へのエアーKの供給は不能である。一方、エアー供給ノズル611が後退位置611Bにある状態では、エアー供給ノズル611のノズル内流路614とエアー供給路615とが連通する。すなわち、エアー供給ノズル611が後退位置611Bにある状態では、
図10(b)に示すように、エアー流入口616がエアー供給路615内に位置した状態となる。これにより、エアー供給ポンプからの圧出されたエアーKは、エアー供給路615を介してノズル内流路614に供給され、エアー供給ノズル611から噴出する。
【0076】
線状砥材503をスリーブ506の前端開口506aから突き出す際には、
図11(a)に示すように、研磨工具ユニット600の軸線Lとエアー供給ノズル611の軸線を一致させた状態とする。その後、研磨工具ユニット600のシャフト525の前端を突出位置611Aにあるエアー供給ノズル611に当接させる。これにより、シャフト525の流体導入孔601とエアー供給ノズル611のノズル内流路614とを接続する。しかる後に、研磨工具ユニット600を前進させて、エアー供給ノズル611を突出位置611Aから後退位置611Bに移動させて、エアー供給ノズル611のノズル内流路614とエアー供給路615とを連通させる。これにより、
図11(b)に示すように、エアー供給ポンプからの圧縮されたエアーKは、エアー供給ノズル611および流体導入口601aを介して流体導入孔601に導入されて、流体導入室582に供給される。
【0077】
ここで、流体導入室582にエアーKが供給されると、
図11(b)に示すように、エアーKの流体圧により、リードカム526がコイルバネ527の付勢力に抗して後側位置526A(第2位置)から前側位置526B(第1位置)に移動する。すなわち、流体導入室582の前側の壁面を構成するリードカム526の後端面がエアーKの流体圧を受ける受圧面として機能して、エアーKの流体圧がリードカム526を前方に移動させる。
【0078】
その後、研磨工具ユニット600をエアー供給ユニット610から離間させ、流体導入室582へのエアーKの供給を停止する。
【0079】
ここで、流体導入室582へのエアーKのエアーの供給が停止すると、
図11(c)に示すように、リードカム526はコイルバネ527の付勢力によって前側位置526B(第1位置)から後側位置526A(第2位置)に戻る。これにより、リードカム526はカム室581内を往復直動運動する。
【0080】
リードカム526の往復直動運動は、
図8に示すとおり、運動変換機構565によってリードカム526の回転運動に変換される。ここで、リードカム526が回転すると、シャフト525が回転する。また、シャフト525が回転すると、砥材ホルダ570(ナット529)は、シャフト525の回転に伴って軸線L方向に移動する。従って、ブラシ状砥石504は軸線L方向の前方に移動する。よって、
図11(c)に示すように、所定の砥材突き出し量Pだけ、線状砥材503をスリーブ506の前端開口506aから突き出すことができる。
【0081】
なお、研磨工具ユニット600をエアー供給ユニット610から離間させると、エアー供給ノズル611はコイルバネ613の付勢力によって突出位置611Aに戻る。従って、ノズル内流路614とエアー供給路615とが遮断され、エアー供給ノズル611からのエアーKの噴出は停止する。
【0082】
(変形例2)
図12は変形例2の研磨工具ユニット700の縦断面図である。本例の研磨工具ユニッ
ト700では、流体導入室582にクーラントCやエアーを導入するための流体導入孔701が、ハウジング部530に設けられている。ハウジング部530は、シャンク502aとスリーブ506との間を接続している部分であり、シャンクヘッド505の円盤部507、第1連結円盤部508および第2連結円盤部509と、環状部材524とから構成されている部分である。なお、本例の研磨工具ユニット700は、シャンクヘッド505の一部分が上記の研磨工具ユニット500と相違するが、他の構成は上記の研磨工具ユニット500と同一である。よって、本例の研磨工具ユニット700の説明では、研磨工具ユニット500と対応する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、以下では、クーラントCに代えて、エアーKによって移動部材を移動させて砥材突き出し量の調整動作を行う例を説明する。エアーKの供給には、変形例1の研磨工具ユニット600の砥材突き出し量の調整動作で用いたエアー供給ユニット610を用いる。
【0083】
図12に示すように、本例の研磨工具ユニット700では、シャンクヘッド505は、ヘッド中心孔532を備えていない。これに代えて、シャンクヘッド505は、その前面の中央部分に円形凹部702を備える。円形凹部702は、軸線L方向を前方から後方に向かって、第4中心孔部分539と、第4中心孔部分539よりも内径の小さい第3中心孔部分538をこの順番に備える。第4中心孔部分539はハウジング部530の内側でカム室581(収容室)を区画し、第3中心孔部分538は、ハウジング部530の内側で流体導入室582を区画する。
【0084】
ハウジング部530は、その第1連結円盤部508を軸線Lと直交する方向に貫通する流体導入孔701を備える。流体導入孔701の外側開口は、当該流体導入孔701にエアーKを導入する流体導入口701aである。流体導入孔701の内側開口701bは流体導入室582に連通する。
【0085】
(砥材突き出し量の調整動作)
図13は本例の研磨工具ユニット700の砥材突き出し量を調整する突き出し量調整動作の説明図である。研磨工具ユニット700は、そのシャンク502aがツールホルダ(不図示)などを介してマシニングセンタのヘッドに連結される。加工動作により線状砥材503の磨耗量が予め設定した摩耗量に達した場合には、制御プログラムによってマシニングセンタを駆動して、研磨工具ユニット700を、エアー供給ユニット610が配置された砥材突き出し量調整位置に移動させる。
【0086】
線状砥材503をスリーブ506の前端開口506aから突き出す際には、
図13(a)に示すように、ハウジング部530に形成された流体導入孔701の軸線とエアー供給ノズル611の軸線を一致させた状態とする。その後、ハウジング部530の外周面部分を突出位置611Aにあるエアー供給ノズル611に当接させる。これにより、流体導入孔701とエアー供給ノズル611のノズル内流路614とを接続する。しかる後に、研磨工具ユニット700を、軸線Lと直交する方向であってエアー供給ノズル611を押し込む方向に移動させる。これにより、エアー供給ノズル611を突出位置611Aから後退位置611Bに移動させ、エアー供給ノズル611のノズル内流路614とエアー供給路615とを連通させる。ノズル内流路614とエアー供給路615とが連通すると、
図13(b)に示すように、エアー供給ポンプからの圧縮されたエアーKは、エアー供給ノズル611から流体導入口701aを介して流体導入孔701に導入されて、流体導入室582に供給される。
【0087】
ここで、流体導入室582にエアーKが導入されると、
図13(b)に示すように、エアーKの流体圧により、リードカム526がコイルバネ527の付勢力に抗して後側位置526A(第2位置)から前側位置526B(第1位置)に移動する。すなわち、流体導入室582の前側の壁面を構成するリードカム526の後端面がエアーKの流体圧を受け
る受圧面として機能して、エアーKの流体圧がリードカム526を前方に移動させる。
【0088】
その後、研磨工具ユニット700をエアー供給ユニット610から離間させ、流体導入室582へのエアーKの供給を停止する。
【0089】
ここで、流体導入室582へのエアーの供給が停止すると、
図13(c)に示すように、リードカム526はコイルバネ527の付勢力によって前側位置526B(第1位置)から後側位置526A(第2位置)に戻る。これにより、リードカム526はカム室581内を往復直動運動する。
【0090】
リードカム526の往復直動運動は、
図8に示すとおり、運動変換機構565によってリードカム526の回転運動に変換される。ここで、リードカム526が回転すると、シャフト525が回転する。また、シャフト525が回転すると、砥材ホルダ570(ナット529)は、シャフト525の回転に伴って軸線L方向に移動する。従って、ブラシ状砥石504は軸線L方向の前方に移動する。よって、
図13(c)に示すように、所定の砥材突き出し量Pだけ、線状砥材503をスリーブ506の前端開口506aから突き出すことができる。
【0091】
なお、研磨工具ユニット700をエアー供給ユニット610から離間させると、エアー供給ノズル611はコイルバネ613の付勢力によって突出位置611Aに戻る。従って、ノズル内流路614とエアー供給路615とが遮断され、エアー供給ノズル611からのエアーKの噴出は停止する。
【0092】
ここで、変形例1、2の研磨工具ユニット600、700においても、クーラントCを用いて砥材突き出し量の調整動作を行うことができる。この場合には、エアー供給ユニット610と同様の機構によってクーラントCを供給可能とすればよい。
【0093】
また、変形例1、2の研磨工具ユニット600、700では、ブラシ状砥石504の砥材ホルダ570は工具ホルダ502のナット529を兼ねているが、砥材ホルダ570はナット529と別体に構成されており、砥材ホルダ570とナット529とが同軸に連結された構成でもよい。換言すれば、砥材ホルダ570について、ナット529と、線状砥材503の後側部分を保持する環状の砥材ホルダ部分とを別体とし、ナット529が、環状の砥材ホルダ部分を着脱可能に同軸に連結する連結部を備え、ナットと砥材ホルダ部分とが連結部を介して連結されているものとしてもよい。