(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
<第1の実施の形態>
<1. ブリスター包装体>
まず、
図1及び
図2を参照して、ブリスター包装体1について説明する。
図1はブリスター包装体1の斜視図であり、
図2は
図1に示すII−II線の切断箇所の断面図である。なお、ブリスター包装体1はPTP(Press Through Pack)包装体1ともいう。
【0014】
図1及び
図2に示すように、ブリスター包装体1は、錠剤又はカプセル剤等の複数の固形物品2を収容する容器材3と、容器材3に貼着されたシート状のカバーシート6と、を備える。容器材3は、樹脂シート若しくは金属シート(例えばアルミシート)或いはこれらの複合シートを形状加工したものである。容器材3は、矩形型シート状の薄板部4と、薄板部4のおもて面側において凸状に設けられているとともに薄板部4の裏面側において凹状に設けられた複数のポケット部5と、から主に構成されている。ポケット部5は所定間隔を置いて二次元アレイ状に配列されており、より具体的には薄板部4の長辺方向にポケット部5が5列に配列され、薄板部4の短辺方向にポケット部5が2列に配列されている。容器材3の裏面にカバーシート6が貼着されることによって、ポケット部5の開口がカバーシート6によって閉塞されている。カバーシート6は樹脂シート若しくは金属シート(例えばアルミシート)或いはこれらの複合シートからなる。カバーシート6のうちポケット部5の開口を覆って閉塞した部分を蓋部7という。
【0015】
薄板部4の長手方向の一端からポケット部5までの領域8は他端からポケット部5までの領域9よりも広くなっており、その領域8は各種情報が印刷されるタグ部8である。
【0016】
ポケット部5が変形しにくい、カバーシート6が破れづらい、物品2が軟弱である、物品2が破損しやすい、といった理由によって、物品2をポケット部5側から蓋部7側に向かって押し出すことが難しい。そこで、
図3及び
図4に示す分別装置100を用いてブリスター包装体1を開封して、物品2を取り出す。
【0017】
<2. 分別装置の構成>
図3は、分別装置100の側面図である。
図4は、分別装置100に備わる揺動機構60及び回収シュート70,72の斜視図である。図面には、何れの図面においても共通した方向を表す補助線を図示するが、上下方向が鉛直方向であり、前方に向かって見て左右の向きを定める。
分別装置100は、開封装置10、トレイ50、昇降機構55、直動駆動機構57、揺動機構60、パッケージ回収シュート70及び内容物回収シュート72等を備える。以下、これらの構成要素について詳細に説明する。
【0018】
<2−1. トレイ>
図5は、トレイ50の斜視図である。
図3及び
図5に示すように、矩形状のトレイ50の上面には、矩形状の台座部52が隆起した状態に形成されている。台座部52の上面には、複数の嵌合凹部(嵌合部)51が形成されている。これら嵌合凹部51は、ブリスター包装体1のポケット部5のピッチと同ピッチで、所定間隔を置いて二次元アレイ状に配列されている。より具体的にはトレイ50の長辺方向に嵌合凹部51が5列に配列され、トレイ50の短辺方向に嵌合凹部51が2列に配列されている。ブリスター包装体1はそのおもて面が台座部52に向けられた状態で水平に横たわって台座部52上に載置される。なお、トレイ50の長辺が左右方向に平行であり、トレイ50の短辺が前後方向に平行である。
【0019】
トレイ50の長辺部には、切欠き部53,54がトレイ50の長辺方向に並列された状態に形成されている。切欠き部53は台座部52から外れた位置に形成されている。切欠き部54は、台座部52にも及ぶように形成されていて、長辺方向に隣り合う嵌合凹部51の間に配されている。切欠き部53は切欠き部54よりもサイズが大きい。つまり、切欠き部53の幅が切欠き部54の幅よりも広く、トレイ50の長辺部から切欠き部53の突き当たり部までの距離は、トレイ50の長辺部から切欠き部53の突き当たり部までの距離よりも長い。
【0020】
ブリスター包装体1が台座部52に載置された状態では、薄板部4が台座部52の上面に面接触し、ポケット部5が嵌合凹部51に嵌められる。また、ブリスター包装体1のタグ部8は、台座部52からはみ出ていて、切欠き部53の上に配される。
【0021】
トレイ50の台座部52に載置されたブリスター包装体1はトレイ50とともに分別装置100に供給される。なお、嵌合凹部51の代わりに嵌合孔が形成され、ブリスター包装体1のポケット部5が嵌合孔に嵌められるものとしてもよい。
【0022】
<2−2. 直動駆動機構及び昇降機構>
図3に示すように、直動駆動機構57が分別装置100の機枠に設けられている。直動駆動機構57には昇降機構55が取り付けられ、昇降機構55にはトレイ50が取り付けられている。
【0023】
直動駆動機構57は、ソレノイドアクチュエータ、エアシリンダアクチュエータ或いはモーター等を有する。直動駆動機構57は、トレイ50及び昇降機構55を直線的に前後方向に水平方向に移動させる。具体的には、直動駆動機構57は、トレイ50及び昇降機構55を第一の位置(供給位置)P1と第二の位置(切断準備位置)P2と第三の位置(退避位置)P3との間で前後方向に移動させる。
直動駆動機構57によるトレイ50の軌道は直線状であり、第一の位置P1はその軌道の一端(前端)であり、第三の位置P3はその軌道の他端(後端)であり、第二の位置P2は第一の位置P1と第三の位置P3との間の位置である。
第一の位置P1は、ブリスター包装体1がトレイ50に供給される位置である。
第二の位置P2は、ブリスター包装体1の蓋部7が開封装置10によって切り取られる位置から下方に離れた位置であって、その蓋部7が切り取られる事に準備される位置である。
第三の位置P3は、ブリスター包装体1が揺動機構60に受け渡される位置である。
【0024】
昇降機構55は、ソレノイドアクチュエータ、エアシリンダアクチュエータ或いはモーター等を有する。昇降機構55は、そのトレイ50及びそれに載置されたブリスター包装体1を昇降させる。昇降機構55によってトレイ50及びブリスター包装体1が昇降する位置は、第二の位置P2である。
【0025】
なお、トレイ50は、その長辺方向が
図3の紙面に対して垂直になるように、且つその短辺方向が第一の位置P1と第三の位置P3を結ぶ軌道に対して平行になるように、昇降機構55に取り付けられている。つまり、トレイ50は、その長辺方向が左右方向になって且つ短辺方向が前後方向になった姿勢で、昇降機構55に取り付けられている。
【0026】
<2−3. 開封装置>
開封装置10は、ブリスター包装体1の各蓋部7を切り取ることによって各ポケット部5を開封する機構である。開封装置10は、第二の位置P2の上方において分別装置100の機枠に設けられている。開封装置10は複数の切断刃24及び複数の真空吸着部27を有する。
【0027】
真空吸着部27は、ブリスター包装体1の蓋部7と同じように二次元アレイ状に配列されている。つまり、真空吸着部27は、左右方向に5列になって、前後方向に2列になって配列されている。真空吸着部27は、昇降機構55によって上昇したブリスター包装体1の蓋部7を吸着する。
切断刃24は、真空吸着部27を中心とした鉛直軸に関する径方向外側に設けられている。切断刃24は、真空吸着部27の周りの周方向に沿って回転駆動される回転式の刃であるか、真空吸着部27を囲繞するような円筒状の刃(その円筒状の下端が刃先である。)である。切断刃24は、真空吸着部27の周りの周方向に沿って蓋部7を切り取る。
【0028】
<2−4. 揺動機構>
図3及び
図4に示すように、揺動機構60は、駆動機61と、回転シャフト62と、第一の挟み(第一の支持部)63と、第二の挟み(第二の支持部)65と、を備える。
【0029】
回転シャフト62は、第三の位置P3に関して第二の位置P2の反対側の位置において、ベアリング等によって分別装置100の機枠に回転可能に取り付けられている。つまり、回転シャフト62は、第三の位置P3よりも前側の位置(第二の位置P2から第三の位置P3に向かって第三の位置P3の先方に延長する位置)において、分別装置100の機枠に回転可能に取り付けられている。回転シャフト62の軸は、水平であるとともに、第一の位置P1〜第三の位置P3を結ぶ軌道に対して直交する。また、回転シャフト62の軸は、トレイ50の長辺方向に対して平行である。つまり、回転シャフト62の軸は、左右方向に延在する。
【0030】
第一の挟み63と第二の挟み65は、回転シャフト62の軸方向(左右方向)に並列された状態で回転シャフト62に取り付けられている。第一の挟み63は、回転シャフト62の軸方向における位置がトレイ50の切欠き53に揃っている。第二の挟み65は、回転シャフト62の軸方向における位置がトレイ50の切欠き54に揃っている。
【0031】
第一の挟み63及び第二の挟み65は、回転シャフト62から径方向外側に延出する。第一の挟み63には、その突端から回転シャフト62側の基端に向けて切り欠いた挿入スリット64が形成されている。第二の挟み65にも、その突端から回転シャフト62側の基端に向けて切り欠いた挿入スリット66が形成されている。挿入スリット64と挿入スリット66は互いに平行である。
【0032】
第一の挟み63は第二の挟み65よりもサイズが大きい。具体的には、回転シャフト62の軸から第一の挟み63の突端までの距離は、回転シャフト62の軸から第二の挟み65の突端までの距離よりも長い。
また、第一の挟み63の挿入スリット64は、第二の挟み65の挿入スリット66よりも長い。つまり、第一の挟み63の突端(挿入スリット64の開口)から挿入スリット64の突き当たりまでの距離は、第二の挟み65の突端(挿入スリット66の開口)から挿入スリット66の突き当たりまでの距離よりも長い。
また、挿入スリット64の突き当たりから回転シャフト62の軸までの距離は、挿入スリット66の突き当たりから回転シャフト62の軸までの距離に等しい。
【0033】
駆動機61は、分別装置100の機枠に設けられている。駆動機61は、ロータリーエアシリンダアクチュエータ又はモーター等を有する。駆動機61は、回転シャフト62を回転させることによって、第一の挟み63及び第二の挟み65を揺動させる。具体的には、駆動機61は、第一の挟み63及び第二の挟み65を回転シャフト62から第三の位置P3に向かって水平に延出させて横たえる横たえ位置(水平位置)P4と、第一の挟み63及び第二の挟み65を鉛直に振り上げた振上げ位置P5と、第一の挟み63及び第二の挟み65を第三の位置P3の下方へ水平面に対して斜めに振り下げた振下げ位置P6との間で、第一の挟み63及び第二の挟み65を揺動させる。
なお、第三の位置P3に位置するトレイ50は横たえ位置P4に位置する挟み63,65は近接している。その状態では、挟み63,65がトレイ50の切欠き部53,54に挿入され、左右方向に見てトレイ50と挟み63,64が部分的に重なっている。
【0034】
<2−5. パッケージ回収シュート及び収容体>
パッケージ回収シュート70は第二の位置P2、第三の位置P3及び横たえ位置P4の下方に設けられており、パッケージ回収シュート70の上方に開封装置10が設けられている。パッケージ回収シュート70は、その上面及び下面が開口した箱状に設けられている。パッケージ回収シュート70の内面には、下り勾配の傾斜面70aが形成されている。
【0035】
パッケージ回収シュート70の下部には、パッケージ回収用収容体71が設けられている。パッケージ回収用収容体71は、例えば、開口した袋体又は容器等である。パッケージ回収用収容体71の口は、パッケージ回収シュート70の下端の開口に向けられた状態に設けられている。
【0036】
<2−6. 内容物回収シュート及び収容体>
内容物回収シュート72は、回転シャフト62に関して第三の位置P3の反対側の位置の下側に設けられている。また、内容物回収シュート72は、横たえ位置P4から振上げ位置P5に向かって振上げ位置P5の先方下側に設けられている。つまり、内容物回収シュート72は、振上げ位置P5の前側且つ下側に設けられている。内容物回収シュート72は、その上面及び下面が開口した箱状に設けられている。内容物回収シュート72の内面には、下り勾配の傾斜面72aが形成されている。
【0037】
内容物回収シュート72の下部には、袋又は容器等の内容物回収用収容体73が設けられている。内容物回収用収容体73の口は、内容物回収シュート72の下端の開口に向けられた状態に設けられている。
【0038】
<3. 分別装置の動作>
続いて、分別装置100の動作について説明する。ここで、コンピューター(例えば、プログラマブルロジックコントローラ)からなる制御部99が昇降機構55、直動駆動機構57及び駆動機61の動作タイミングを制御することによって、分別装置100が以下のような順序で動作する。
【0039】
まず、トレイ50が昇降機構55によって下降するとともに、トレイ50及び昇降機構55が直動駆動機構57により第一の位置P1に移動する。更に第一の挟み63及び第二の挟み65が揺動機構60の駆動機61によって横たえ位置P4に揺動する。
【0040】
そして、ブリスター包装体1がトレイ50に供給される。そうすると、ブリスター包装体1が横たわった状態で台座部52に載置されるとともに、ポケット部5が嵌合凹部51に嵌められる。また、ブリスター包装体1のタグ部8は台座部52からはみ出ていて、切欠き部53の上に配される。
【0041】
次に、直動駆動機構57が作動すると、トレイ50及びブリスター包装体1が直動駆動機構57により第一の位置P1から前方に向かって第二の位置P2に移動する(
図6参照)。
【0042】
次に、昇降機構55が作動すると、トレイ50及びブリスター包装体1が昇降機構55によって上昇する(
図7参照)。そうすると、真空吸着部27がブリスター包装体1の蓋部7を吸着するとともに、切断刃24が蓋部7をブリスター包装体1から切り取る。
【0043】
次に、昇降機構55が作動すると、トレイ50が昇降機構55によって下降する。そうすると、ブリスター包装体1がトレイ50に追従して下降する(
図8参照)。この際、切り取られた蓋部7は真空吸着部27に吸着された状態に維持されており、蓋部7とブリスター包装体1が分離する。
【0044】
次に、直動駆動機構57が作動すると、トレイ50及びブリスター包装体1が直動駆動機構57により第二の位置P2から前方に向かって第三の位置P3に移動する(
図9参照)。そうすると、トレイ50及びブリスター包装体1が第一の挟み63及び第二の挟み65に接近して、ブリスター包装体1がこれら挟み63,65の挿入スリット64,66に挿入される。具体的には、ブリスター包装体1のタグ部8が第一の挟み63の挿入スリット64に挿入され、ポケット部5からブリスター包装体1の縁部までの部位が第二の挟み65の挿入スリット66に挿入される(
図5の二点鎖線参照)。これにより、ブリスター包装体1が第一の挟み63及び第二の挟み65によって挟まれる。
【0045】
トレイ50が第三の位置P3に位置した状態では、第一の挟み63がトレイ50の切欠き部53に挿入され、第二の挟み65がトレイ50の切欠き部54に挿入されている。そのため、上述のようにブリスター包装体1をこれら挟み63,65の挿入スリット64,66に挿入することができる。
【0046】
次に、真空吸着部27による吸着が解除され、切り取られた蓋部7が真空吸着部27から落下する。そうすると、蓋部7がパッケージ回収シュート70に投入されて、パッケージ回収シュート70からパッケージ回収用収容体71へ滑落する。
【0047】
次に、駆動機61が作動すると、挟み63,65及びブリスター包装体1が横たえ位置P4から振上げ位置P5に振り上げられる(
図10参照)。そうすると、物品2がポケット部5から前方へ振り飛ばされて、内容物回収シュート72に投入される。これにより、物品2がブリスター包装体1から分離される。振り飛ばされた物品2は、内容物回収シュート72に受け入れられて、内容物回収シュート72から内容物回収用収容体73へ滑落する。
【0048】
ここで、ブリスター包装体1は挟み63,65によって二箇所で支持されているので、ブリスター包装体1を安定して横たえ位置P5から振上げ位置P6に振り上げることができる。特に、ブリスター包装体1のタグ部8が大きな第一の挟み63の挿入スリット64に大きく進入しているので、ブリスター包装体1の振上げの際にブリスター包装体1が挟み63,65から抜けにくい。
【0049】
次に、直動駆動機構57が作動すると、トレイ50が直動駆動機構57により第三の位置P3から後方に向かって第一の位置P1に移動する(
図11参照)。
【0050】
次に、駆動機61が作動すると、挟み63,65及びブリスター包装体1が振上げ位置P5から振下げ位置P6に振り下げられる。そうすると、ブリスター包装体1が挟み63.65の挿入スリット64,66から抜ける。
ここで、ブリスター包装体1が小さな第二の挟み65の挿入スリット66に小さく進入しているので、ブリスター包装体1の振下げの際にブリスター包装体1が第二の挟み65の挿入スリット66から抜けやすい。ブリスター包装体1が第二の挟み65の挿入スリット66から抜ける動作の慣性力によってブリスター包装体1が更に第一の挟み63の挿入スリット64から抜ける。
【0051】
挟み63,65の挿入スリット64,66から抜けたブリスター包装体1は、パッケージ回収シュート70に受け入れられて、パッケージ回収シュート70からパッケージ回収用収容体71へ滑落する。
【0052】
次に、駆動機61が作動すると、挟み63,65が振下げ位置P6から横たえ位置P4に振り上げられる。
【0053】
以後、上述した一連の動作が繰り返される。つまり、新たなブリスター包装体1が第一の位置P1にあるトレイ50に供給される度に、
図6から
図11に示す一連の動作が行われる。
【0054】
<4. 効果>
以上の実施の形態によれば、次のような効果をもたらす。
【0055】
(1)
図10に示すように、ブリスター包装体1を振り上げることによって、その中の物品2が振上げ位置P5から前方へ飛翔する。その後、
図11に示すように、ブリスター包装体1を逆向きに振り下げることによって、ブリスター包装体1が後方且つ下方へ滑落する。このように、ブリスター包装体1の振上げ・振下げという簡単な動作によって、ブリスター包装体1と物品2を別々の位置に回収して、ブリスター包装体1と物品2を分別することができる。
【0056】
(2) ブリスター包装体1の揺動のための動力源が1体の駆動機61だけであり、他のアクチュエータを利用していない。そのため、分別装置100がシンプルな構成となる。
【0057】
(3) 大小2体の挟み63,65によってブリスター包装体1を挟んだので、ブリスター包装体1の振上げの際のブリスター包装体1の抜け防止と、ブリスター包装体1の振下げの際のブリスター包装体1の抜け易さとを両立することができる。
具体的に説明すると、ブリスター包装体1を挟み63,65によって二箇所で支持しつつ、ブリスター包装体1を第一の挟み63の挿入スリット64に大きく進入させたので、ブリスター包装体1の振上げの際に、ブリスター包装体1がそのおもて面又は裏面に垂直な軸周りに回転することを防止できる。よって、ブリスター包装体1の振上げの際にブリスター包装体1が挟み63,65から抜けることがない。
一方、ブリスター包装体1の振下げの際には、先ずブリスター包装体1が第二の挟み65の挿入スリット66から抜けて、その動きを利用して、ブリスター包装体1が第一の挟み63の挿入スリット64から抜ける。よって、ブリスター包装体1の振下げの際にブリスター包装体1が挟み63,65から抜け易い。
【0058】
(4) 挿入スリット64の突き当たりから回転シャフト62の軸までの距離が挿入スリット66の突き当たりから回転シャフト62の軸までの距離に等しいので、ブリスター包装体1を振上げ位置P5に振り上げた時にブリスター包装体1の下縁が挿入スリット64,66によって水平に支持される。つまり、ブリスター包装体1がそのおもて面又は裏面に垂直な軸周りに傾いていない。それゆえ、ブリスター包装体1を振上げ位置P5に振り上げた時に、ブリスター包装体1が安定するとともに、挟み63,65からのブリスター包装体1の脱落を防止できる。
【0059】
(5) パッケージ回収シュート70が開封装置10及び挟み63,65の下方に設置されているので、蓋部7とブリスター包装体1を共通の回収場所(パッケージ回収用収容体71)に回収することができる。
【0060】
(6) 切断刃24よって切り取られた蓋部7が真空吸着部27に吸着されるので、切り取られた蓋部7がポケット部5に脱落せず、蓋部7をブリスター包装体1及び固形物品2から容易に分離することができる。
【0061】
<第2の実施の形態>
図12は、第2実施形態の分別装置100Aの側面図である。ここで、第2実施形態の分別装置100Aと第1実施形態の分別装置100との間で互いに対応する構成要素には、同一の符号を付す。以下に、第2実施形態の分別装置100Aと第1実施形態の分別装置100とを対比して、第2実施形態の分別装置100Aと第1実施形態の分別装置100とが相違する点について主に説明する。また、以下に説明する相違点を除いて、第2実施形態の分別装置100Aと第1実施形態の分別装置100との間で互いに対応する構成要素は同様に設けられているので、これらの同一点の説明を省略する。
【0062】
第2実施形態の分別装置100Aは、第1実施形態の分別装置100と同様に、開封装置10、トレイ50、昇降機構55A、直動駆動機構57、揺動機構60A、パッケージ回収シュート70、内容物回収シュート72及び収容体71,73を備える。
【0063】
第1実施形態では、昇降機構55が直動駆動機構57に取り付けられ、トレイ50が昇降機構55に取り付けられ、トレイ50及び昇降機構55が直動駆動機構57によって水平方向に駆動され、トレイ50が昇降機構55により昇降する。
【0064】
それに対して、第2実施形態では、昇降機構55Aが分別装置100Aの機枠に取り付けられ、開封装置10が昇降機構55Aに取り付けられ、揺動機構60Aが直動駆動機構57に取り付けられ、トレイ50及び揺動機構60Aが直動駆動機構57によって水平方向に駆動され、トレイ50が揺動機構60Aにより揺動する。以下、具体的に説明する。
【0065】
直動駆動機構57は、第1実施形態の場合と同様に、トレイ50及び揺動機構60Aを第一の位置P1と第二の位置P2と第三の位置P3との間で前後方向に水平移動させる。
【0066】
揺動機構60Aは、トレイ50を水平にした横たえ位置P14と、トレイ50を鉛直に振り上げた振上げ位置P15と、トレイ50を振り下げた振下げ位置P16との間で、トレイ50を揺動させる。トレイ50が横たえ位置P14に位置すると、トレイ50の上面が上方へ向き、トレイ50が振上げ位置P15に位置すると、トレイ50の上面が前方へ向き、トレイ50が振下げ位置P16に位置すると、トレイ50の上面が後方へ向く。
【0067】
揺動機構60Aは、直動駆動機構57に取り付けられた駆動機(例えば、モーター又はロータリーエアシリンダアクチュエータ)と、駆動機に連結された回転シャフトとを有する。その回転シャフトにはトレイ50が連結され、駆動機が回転シャフトを回転駆動することによって、トレイ50が揺動する。
【0068】
昇降機構55Aは、開封装置10を第二の位置P2から上方に離間させた位置と、開封装置10を第二の位置P2に近接させた位置との間で、開封装置10を昇降させる。
【0069】
なお、第1実施形態における挟み63,65に挿入スリット64,66が形成されているのと同様にして、トレイ(支持部)50にも挿入スリットが形成されている。そのため、トレイ50が振上げ位置P15に位置しても、ブリスター包装体1がトレイ50の挿入スリットに挿入されているので、ブリスター包装体1がトレイ50から脱落しない。一方、トレイ50が振下げ位置P16に位置しても、ブリスター包装体1がその自重によって挿入スリットから抜ける。
【0070】
続いて分別装置100Aの動作について説明する。ここで、コンピューター(例えば、プログラマブルロジックコントローラ)からなる制御部99が昇降機構55、直動駆動機構57及び揺動機構60Aの駆動機の動作タイミングを制御することによって、分別装置100が以下のような順序で動作する。
【0071】
まず、トレイ50が揺動機構60Aによって横たえ位置P4に揺動する。また、開封装置10が昇降機構55Aによって上昇するとともに、トレイ50及び揺動機構60Aが直動駆動機構57により第一の位置P1に移動する。
【0072】
そして、ブリスター包装体1がトレイ50に供給される。そうすると、ブリスター包装体1が横たわった状態で台座部52に載置されるとともに、ポケット部5が嵌合凹部51に嵌められる。また、ブリスター包装体1のトレイ50の挿入スリットに挿入される。
【0073】
次に、直動駆動機構57が作動すると、トレイ50及びブリスター包装体1が直動駆動機構57により第一の位置P1から前方に向かって第二の位置P2に移動する。
【0074】
次に、昇降機構55Aが作動すると、開封装置10が昇降機構55Aによって下降する。そうすると、真空吸着部27がブリスター包装体1の蓋部7を吸着するとともに、切断刃24が蓋部7をブリスター包装体1から切り取る。
【0075】
次に、昇降機構55Aが作動すると、開封装置10が昇降機構55によって上昇する。そうすると、切り取られた蓋部7が真空吸着部27とともに上昇するので、蓋部7とブリスター包装体1が分離する。
【0076】
次に、直動駆動機構57が作動すると、トレイ50及びブリスター包装体1が直動駆動機構57により第二の位置P2から前方に向かって第三の位置P3に移動する。
【0077】
次に、真空吸着部27による吸着が解除され、切り取られた蓋部7が真空吸着部27からパッケージ回収シュート70に投入されて、パッケージ回収シュート70からパッケージ回収用収容体71へ滑落する。
【0078】
次に、揺動機構60Aが作動すると、トレイ50及びブリスター包装体1が横たえ位置P14から振上げ位置P15に振り上げられる。そうすると、物品2がポケット部5から振り飛ばされて、内容物回収シュート72に投入されて、内容物回収シュート72から内容物回収用収容体73へ滑落する。
【0079】
次に、揺動機構60Aが作動すると、トレイ50及びブリスター包装体1が振上げ位置P15から振下げ位置P6に振り下げられる。そうすると、ブリスター包装体1がトレイ50の挿入スリットから抜けて、トレイ50から脱落する。そのブリスター包装体1は、パッケージ回収シュート70に受け入れられて、パッケージ回収シュート70からパッケージ回収用収容体71へ滑落する。
【0080】
次に、揺動機構60Aが作動すると、トレイ50が振下げ位置P16から横たえ位置P14からに振り上げられる。
【0081】
次に、直動駆動機構57が作動すると、トレイ50が直動駆動機構57により第三の位置P3から後方に向かって第一の位置P1に移動する。
以後、上述した一連の動作が繰り返される。
【0082】
本実施形態においても、ブリスター包装体1の振上げ・振下げという簡単な動作によって、ブリスター包装体1と物品2を別々の位置に回収して、ブリスター包装体1と物品2を分別することができる。