(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6741323
(24)【登録日】2020年7月29日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】EV用蓄電池の自動交換システム
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20200806BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20200806BHJP
B60S 5/06 20190101ALI20200806BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
B60K1/04 A
B60L53/80
B60S5/06
H01M2/10 S
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-203640(P2019-203640)
(22)【出願日】2019年11月11日
【審査請求日】2019年12月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715008687
【氏名又は名称】廣田 祐次
(72)【発明者】
【氏名】廣田 祐次
【審査官】
今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0104361(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2019/0118782(US,A1)
【文献】
特表2011−518710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池交換用ロボットが付帯のカメラからの画像で、EV(電気自動車)の蓄電池の位置を正確に把握し、該蓄電池交換用ロボットが該蓄電池を着脱・交換するシステムであって、EVの運転者が運転席に座ったままで手が届く位置にEVの蓄電池電動カバーの開閉操作を可能にする操作手段を有するシステムであって、該蓄電池電動カバーを開閉し、その状況を該蓄電池交換用ロボットが付帯のカメラからの画像で認知し、該蓄電池交換用ロボットが蓄電池交換プロセスを遂行する、EV用蓄電池自動交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる内燃機関を使わずに、蓄電池の電気エネルギーにて、モータを駆動させ走行する電気自動車、英語では、ELECTRIC VEHICLE 以下略して、EVと呼ぶ、に関して、蓄電池の自動交換技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
EVは古くからある考えではあるが、蓄電池の容量や重量、そしてコストの問題があり、なかなか普及しなかったが、ここにきて、蓄電池が改良され、実用的になってきたため、少しずつ普及の兆しが見え始めている。今後の課題として、蓄電池の更なる改良と、かってのガソリンスタンドのような蓄電池交換ステーションの頻設が早急に必要になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-174474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
EV用蓄電池は、重量があるため扱いにくく、道路走行での振動に対して固定が安定しかつ安定的に電極が接する構造が得られにくく、またEVの蓄電池の設置システムの標準化や規格の統一が必要であり、EVの蓄電池の自動交換技術は難度が高いとされている。そのため、充電システムが市場に投入されているが、蓄電池の充電には時間がかかり、急速充電でも30分程度はかかるので、長距離運転をする場合等では、何度も30分以上の充電待ち発生し、非常に効率が悪い状況である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
蓄電池と車体側の電極の接触を上下に設定し、蓄電池の重みで下側への圧力があり、車体側の電極をばね圧で常に上方へ押上げることで、蓄電池の接点が常に保たれ、かつ取り付け取り外しを簡便にすることに加え、蓄電池を耐荷重のある蓄電池交換用ロボットにて持ち上げて移動し、上下に着脱できるようにし、車体側の別の固定型の蓄電池によって駆動する、蓄電池ロック機構(電源オフの時は固定)を採用することで、蓄電池の着脱が簡単であり、かつ蓄電池の固定が安定し、そして電極が安定的に接触することを可能とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、比較的簡単(5分以内)に蓄電池の交換が可能となり、EVの普及が加速し、また天軸型太陽光発電システム等と併用することで、(化石燃料からではなく)再生可能エネルギーを源として走るEVが実現し、CO2の排出を大幅に減らすことが可能となる。
また、従来のセルフ式の給油や充電では、運転者が外に出て、複雑な動作をせねばならなかったが、本発明では運転席にいるだけでいいので、足の不自由な人でもEVの蓄電池の交換が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
蓄電池と車体側の電極の接触を上下に設定し、蓄電池の重みで下側への圧力があり、車体側の電極をばね圧で常に上方へ押上げることで、蓄電池の接点が常に保たれ、かつ取り付け取り外しを簡便にすることに加え、蓄電池を耐荷重のある蓄電池交換用ロボットにて持ち上げて移動し、上下に着脱できるようにし、車体側の別の固定型の蓄電池によって駆動する、蓄電池ロック機構(電源オフの時は固定)を採用することで、蓄電池の着脱が簡単であり、かつ蓄電池の固定が安定し、そして電極が安定的に接触することを可能とする。
【0009】
図1において、EV21が畜電池交換ハウス1に近づくと、入り口管理カメラ19が作動し、EV21を認識すると、入り口シャッター20が開き、畜電池交換ハウス1の室内灯が点灯し、EV21の運転者はEV停車エリア7の位置に停車することができる。運転者がEV21の電源をオフし、蓄電池電動カバー開閉のノブ13を強く引っ張ると、蓄電池電動カバー15が開くようになっている。EV管理カメラ6によって、蓄電池電動カバー15が開いたことを確認し、蓄電池交換用ロボット14がEV21の蓄電池ロック解除ボタン8を押すと、蓄電池ロックバー16が開き、蓄電池ロック部17を開放し、蓄電池本体10をフリーな状態にする。EV管理カメラ6によって、該蓄電池本体10のフリーな状況を確認後、蓄電池交換用ロボット14は、二つの蓄電池の蓄電池交換用ロボット用取っ手9を持ち、蓄電池本体10を持ち上げ、蓄電池充電エリア2の空いている場所に蓄電池本体10を置き、蓄電池管理カメラ3によって確認された、充電済みの蓄電池本体10の蓄電池交換用ロボット用取っ手9をつかみ、EV21の蓄電池ガイド11に沿って、ゆっくりと下げていき、EV21の所定の位置のボトムに接する直前で、蓄電池交換用ロボット用取っ手9を放す。EV管理カメラ6によって、蓄電池本体10が正常に収まっていなければ、再度蓄電池の蓄電池交換用ロボット用取っ手9をつかみ、蓄電池本体10を少し持ち上げて、下げる行為を行い、蓄電池本体10が正常に収まるまでくりかえす。
蓄電池本体10が正常に収まっていることを、EV管理カメラ6が確認したら、蓄電池交換ハウス1は出口シャッター4を開け、入り口シャッター20を閉める。又、蓄電池交換用ロボット14は、蓄電池ロックボタン12を押す。その結果、蓄電池ロックバー16が蓄電池ロック部17を固定し、バネ式電極18が蓄電池本体10としっかりと接触するようになる。運転者はEV21の電源が正常に入ることを確認し、正常モードになったら、蓄電池電動カバー開閉のノブ13を押し込み、蓄電池電動カバー15を閉める。運転者がEV21を発進させて、出口管理カメラ5によって、EV21が去ったことを確認したら、蓄電池交換ハウス1は出口シャッター4を閉める。
尚、蓄電池交換用ロボット14はXYZと1θの軸を持っており、XYZは上記一連の動作が可能な範囲で動き、1θは、EV停車エリア7に対するEV21の傾き補正の役割を果たす。
また、蓄電池電動カバー開閉のノブ13(押しで閉まる、引きで開く)は、従来のガソリン車に付帯している給油口を開けるときに使うノブと同様に、通常の運転動作では接触しない位置に設定され、万が一触れても誤作動しないよう、強く引っ張らないと作動しないようになっている。通常のガソリン車では、給油口やボンネット等は手動であるが、本発明では、蓄電池電動カバー15はその名の通り電動であり、運転者は車外に出る必要はない。
支払いに関して、入り口管理カメラ19と出口管理カメラ5によって、EVのNOプレートが確認され、EV21が特定されるため、口座からの自動引き落としとなる。また、蓄電池管理カメラ3によって、蓄電池本体10のシリアルNOが管理され、所定の充電回数を越えた場合は、管理会社に自動的に通知し、管理会社が交換再生等の対応を行う。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明により、比較的簡単(5分以内)に蓄電池の交換が可能となり、EVの普及が加速し、また天軸型太陽光発電システム等と併用することで、(化石燃料からではなく)再生可能エネルギーを源として走るEVが実現し、CO2の排出を大幅に減らすことが可能となる。
また、従来のセルフ式の給油や充電では、運転者が外に出て、複雑な動作をせねばならなかったが、本発明では運転席にいるだけでいいので、足の不自由な人でもEVの蓄電池の交換が可能となる。
【符号の説明】
【0011】
1 蓄電池交換ハウス
2 蓄電池充電エリア
3 蓄電池管理カメラ(x2)
4 出口シャッター
5 出口管理カメラ
6 EV管理カメラ(x4)
7 EV停車エリア
8 蓄電池ロック解除ボタン
9 蓄電池の蓄電池交換用ロボット用取っ手
10 蓄電池本体
11 蓄電池ガイド
12 蓄電池ロックボタン
13 蓄電池電動カバー開閉のノブ(押しで閉まる、引きで開く)
14 蓄電池交換用ロボット(XYZ&1θ)
15 蓄電池電動カバー
16 蓄電池ロックバー
17 蓄電池被ロック部
18 バネ式電極
19 入口管理カメラ
20 入口シャッター
21 EV(電気自動車)
【要約】
【課題】
EV用蓄電池は、重量があるため扱いにくく、取り付け取り外しを頻繁に行うことが難しく、また道路走行での振動に対して固定が安定し、かつ安定的に電極が接する構造が得られにくく、蓄電池の交換は難しいとされている。
【解決手段】
蓄電池と車体側の電極の接触を上下に設定し、蓄電池の重みで下側への圧力があり、車体側の電極をばね圧で常に上方へ押上げることで、蓄電池の接点が常に保たれ、かつ取り付け取り外しを簡便にすることに加え、蓄電池を耐荷重のある蓄電池交換用ロボットにて持ち上げて移動し、上下に着脱できるようにし、車体側の別の固定型の蓄電池によって駆動する、蓄電池ロック機構(電源オフの時は固定)を採用することで、着脱が簡単でかつ電極が安定的に接触することを可能とする。
【選択図】
図1