(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
三相交流電源が接続される三相交流入力端子と、該三相交流入力端子に入力された三相交流を直流に変換する三相用AC−DCコンバータと、該三相用AC−DCコンバータの出力側に接続された直流回路と、該直流回路の出力側に接続され該直流回路からの直流を所定相所定周波数の交流電力に変換するインバータと、該インバータの出力側に接続された荷巻上下用の交流電動機と、該交流電動機の回転力を荷吊下手段の巻上下力に変換する変換機構を備えた三相交流電源対応型のインバータ搭載電動巻上機本体と、
単相交流電源が接続される単相交流入力端子と、該単相交流入力端子に入力された単相交流を直流に変換する単相用AC−DCコンバータを備えた単相用AC−DCコンバータユニットとを具備し、
前記インバータ搭載電動巻上機本体を三相交流電源対応型とするときは、前記単相用AC−DCコンバータユニットを使用せず、前記三相交流入力端子に前記三相交流電源を接続し、
前記インバータ搭載電動巻上機本体を単相交流電源対応型とするときは、前記インバータ搭載電動巻上機本体に前記単相用AC−DCコンバータユニットを装着し、その出力側を前記直流回路に接続し、前記三相交流入力端子を前記三相交流電源から開放すると共に、前記単相交流電源を前記単相用AC−DCコンバータユニットの前記単相交流入力端子に接続することを特徴とする三相・単相交流電源対応型電動巻上機。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。先ず、本発明に係る三相・単相交流電源対応型電動巻上機は、電動チェーンブロックを例に説明するが、本発明が対象とする電動巻上機としては電動チェーンブロックに限定されるものではなく、例えば電動ホイスト等の他の電動巻上機であってもよいことは当然である。
図1及び
図2は本発明に係る電動チェーンブロックの外観構成例を示す図で、
図3は
図2のI−I断面図、
図4は
図2のII−II断面図である。
【0024】
本電動チェーンブロック1は、ケーシング2を備え、該ケーシング2に後に詳述するようにインバータで駆動される荷の巻上下用(昇降用)の三相交流モータ(三相交流電動機)7と、該三相交流モータ7の回転速度を減速するための減速機構部8を含む減速部9と、該減速部9の減速機構部8から動力が伝達されるロードシーブ10等が内蔵されている。該ロードシーブ10には荷を吊り下げるロードチェーン(図示せず)が懸下されており、減速機構部8からの動力を受け回転(正転・逆転)することにより該ロードチェーンを巻上下げ(昇降)するようになっている。また、ケーシング2の側部に電装品収容部3が併設され、該電装品収容部3の下方側部にチェーンバスケット4が装着されている。また、5は荷を懸下するためのロードチェーンの下端に装着された荷吊下用フック部である。
【0025】
また、ケーシング2の頂部には、建物梁部(図示を省略)に電動チェーンブロック1を吊下げるための吊手6が設けられている。なお、吊手6に換えて電動チェーンブロック1を吊下げるための吊下用のフック部を設ける場合もある。
【0026】
ADCなどの軽合金製のコントローラカバー13によって外部と区画された電装品収容部3内には、ユニット化されたインバータ制御装置12や、後に詳述する本電動チェーンブロック1を単相交流電源対応型とするときの単相用AC−DCコンバータユニット80,80’(
図7及び
図8参照)や、後述する電源ノイズフィルタ(
図10参照)等の電装品が収容されるようになっている。また、ケーシング2の内部は、荷の巻上下用の三相交流モータ7と減速機構部8とをそれぞれの位置に収容配置するためのモータ室2aと機構室2bとに区画されている。
【0027】
三相交流モータ7は、ステータコイルを巻回した筒状のモータステータ7aと該モータステータ7aの中心部に長手方向に形成され孔に回転自在に挿入配置されるモータロータ7bを具備する。該モータロータ7bは長手中軸方向に一体的に固定されたモータ軸7cを含んでいる。モータ軸7cは、図中、左端側寄りの部位をケーシング2の室内をモータ室2aと機構室2bとに区画する区画壁にベアリング14を介して回転自在に支承されている。そしてその右端側部位には後述する減速機構部8の第1減速ギヤ8aに歯合するピニオンギヤ15が形成されている。
【0028】
また、モータ軸7cの右端側寄りの部位にはプルロータ式のブレーキ16が装着され、モータ軸7cの右端側寄りの部位をエンドカバー17にベアリング18を介して挿入し、モータ軸7cの右端側には強制冷却手段としてのファン19が取り付けられている。
【0029】
ブレーキ16は、モータ軸7cにスプライン係合された磁性材からなるプルロータ16aと、該プルロータ16aに隣接して配置された磁性材からなる可動コア16bと、該可動コア16bに固定したブレーキドラム16cとを具備する。可動コア16bは、モータ軸7cに回転不能に、且つ軸長手方向に所定範囲で移動可能にスプライン結合されている。そして、可動コア16bとプルロータ16aの間には、コイルバネ16dが配置され、常時、ブレーキドラム16cをエンドカバー17の内周面に圧接するようになっている。
【0030】
そしてモータ軸7cの反ピニオンギヤ15側の端部に取り付けられ、エンドカバー17の外側に突出するファン19は、ファンカバー20で覆われている。エンドカバー17には吸気口20a、開口部20b、排気口20cが設けられている。
【0031】
11は回生抵抗器であり、該回生抵抗器11は三相交流モータ7の側方にモータ軸7cに直交する方向に突出したケーシング2の板状の回生抵抗取付部2fに取り付けられている。回生抵抗取付部2fの回生抵抗器11を取り付けた反対の側面には、該側面から機構室2bに向かって延出するリブ2gが形成されている。回生抵抗器11の発熱は、回生抵抗取付部2fとリブ2gに伝達され、ファン19の回転により吸気口20aを通って、ファンカバー20内に取り込まれる空気により強制空冷されると共に、リブ2gによって自然冷却されるようになっている。
【0032】
巻上下用の三相交流モータ7の運転には、モータステータ7aに、後に詳述するように、電装品収容部3内に配置されたインバータ制御装置12のインバータから三相交流電力が供給されるようになっている。該三相交流電力が供給されると、モータステータ7aのステータコイルに三相交流電流が通電して回転磁界が発生する。この回転磁界の一部磁界によりブレーキ16のプルロータ16aが磁化され、可動コア16bはコイルバネ16dの付勢力に抗して吸引され、可動コア16bに固定されたブレーキドラム16cが、エンドカバー17内周面から離脱してブレーキ16が解放される。
【0033】
上記ブレーキ16が解放されると、巻上下用の三相交流モータ7のモータロータ7bは回転し、その回転力がモータ軸7c左端側のピニオンギヤ15に噛合する減速機構部8の第1減速ギヤ8a、第2減速ギヤ8dを介してロードギヤ25に伝達され、該ロードギヤ25からロードシーブ10に伝達され、該ロードシーブ10の回転によりロードチェーンが巻上下げされる。即ち、後述する操作指令押釦スイッチの巻上操作により、ロードチェーンに取り付けられた荷吊下用フック部5が上昇し、該荷吊下用フック部5に吊下げられた荷は上昇し、反対に巻下操作により、荷吊下用フック部5に取り付けられた荷は下降する。
【0034】
図5は上記電動チェーンブロック1の三相交流モータ7に駆動電力を供給する電源回路の構成例を示す図である。荷巻上下用の三相交流モータ7に駆動電力を供給すると電源回路40は、三相交流電源(ここでは230Vの三相交流電源)からの三相交流(R,S,T)が接続される三相交流入力端子41と、該三相交流入力端子41に入力された三相交流を整流する三相用AC−DCコンバータ42と、該三相用AC−DCコンバータ42の出力側に接続された直流回路43と、該直流回路43の出力側に接続され、該直流回路43からの直流を所定周波数の三相交流電力に変換するインバータ44とを備えている。
【0035】
三相用AC−DCコンバータ42は三相ブリッジ回路を構成する6個のダイオードD
1〜D
6を具備し、ダイオードD
1とD
4の接続点、ダイオードD
2とD
5の接続点、ダイオードD
3とD
6の接続点にそれぞれ三相交流入力端子41のR相、S相、T相が接続されている。直流回路43はその正P極と負N極の間に平滑コンデンサ45が接続されている。また、インバータ44は6個のスイッチングトランジスタT
1〜T
6を三相ブリッジに接続すると共に、スイッチングトランジスタT
1〜T
6のそれぞれにフライホイールダイオードD
fが並列に接続されている。64はインバータ44からの三相交流(U,V,W)を三相交流モータ7に出力するためのインバータ出力端子である。
【0036】
直流回路43には正P極と負N極の間の直流電圧V
Dを検出する電圧センサ46が設置されており、該電圧センサ46で検出された直流電圧V
Dは制御部48に出力されるようになっている。また、直流回路43には正P極と負N極の間に回生抵抗器(昇降制動用抵抗器)11と昇降制動用開閉素子(パワートランジスタ)47の直列回路が接続されている。そして荷巻下時の三相交流モータ7からの回生電力により、直流回路43の直流電圧V
Dが所定電圧値(ここでは380V)に達したら、昇降制動用開閉素子47をONとし、回生電力電流を回生抵抗器11に通電し上記回生電力を、回生抵抗器11に発生する熱として消費する。
【0037】
また、直流回路43には、電源投入時に平滑コンデンサ45に流入する過大な突入電流を防止する突入電流防止回路60が設けられている。該突入電流防止回路60は突入電流抑制抵抗器61と、該突入電流抑制抵抗器61をバイパス(無効)する開閉接点62を備えている。該開閉接点62は制御部48により開閉制御されるようになっており、三相電源投入時に所定時間(例えば1秒間)だけ開閉接点62をOFFとし、平滑コンデンサ45に流れ込む電流が突入電流抑制抵抗器61を通して流れ込むようにし、過大な突入電流が平滑コンデンサ45に流れ込むのを抑制する。そして上記所定時間経過後は、開閉接点62をONとし、突入電流抑制抵抗器61をバイパス(無効)する。なお、65は後述する単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の出力端子54a、54bを接続する接続端子で、直流回路43の正P極に接続された端子65aと負N極に接続された端子65bを具備する。
【0038】
本電源回路が公知のインバータ駆動の電動チェーンブロックの電源回路と異なる主な点は、電動チェーンブロック1を単相交流電源対応型として使用する場合に、上記電源回路40の他に、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を具備する点である。単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50は、単相交流電源(図示せず)からの単相交流が接続される端子51a、51bを具備する単相交流入力端子51と、単相交流入力端子51に入力されて単相交流を直流に変換する単相用AC−DCコンバータ52と、該単相用AC−DCコンバータ52から出力された直流を平滑する平滑コンデンサC
1〜C
4を備えた直流回路53と直流出力端子54とを備えている。そして直流出力端子54の正P極の出力端子54aと負N極の出力端子54bはそれぞれ、電源回路40の直流回路43の正P極に接続されている端子65aと負N極に接続されている端子65bに接続されるようになっている。なお、端子51aと単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の一方の入力端子の間にはヒューズF
Uが接続されている。
【0039】
単相用AC−DCコンバータ52は、ブリッジ回路を構成する4個のダイオードD
11〜D
14を具備すると共に、ダイオードD
11とD
13の接続点を後述する突入電流防止回路57の端子57aに接続し、ダイオードD
12とD
14の接続点を後述する単相電源切換スイッチ56の接点端子56aに接続している。そしてダイオードD
11とD
12の負極を直流回路53の正P極に、ダイオードD
13とD
14の正極を直流回路53の負N極にそれぞれ接続した構成となっている。
【0040】
直流回路53は、4個の平滑コンデンサC
1〜C
4と、2個の抵抗器R
1、R
2を具備し、平滑コンデンサC
1とC
3、平滑コンデンサC
2とC
4、抵抗器R
1とR
2はそれぞれ直列に接続され、該3個の直列回路を並列に接続した構成である。一方の接続点を正P極として出力端子54aに接続し、他方の接続点を負N極として出力端子54bに接続している。平滑コンデンサC
1とC
3の接続点、平滑コンデンサC
2とC
4の接続点、及び抵抗器R
1とR
2の接続点は互いに接続され、更に単相電源切換スイッチ56の接点端子56bに接続されている。
【0041】
上記単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の単相交流入力端子51に接続される商用単相電源にはその交流電圧が115Vのものと230Vのものがある。そして単相交流入力端子51の端子51a、51bに接続される交流電圧が115Vであろうと230Vであろうと、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の直流出力端子54の出力端子54a、54bから出力される直流電圧値は所定の一定値である必要がある。つまり、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の直流出力電圧は電源回路40の三相交流入力端子41に230Vの三相交流電源を入力したときの、直流回路43の正P極と負N極間の直流電圧値と同じ値であることが必要である。
【0042】
そこで、ここでは商用単相交流電源がその電圧値が115Vとの場合と230Vとの場合があることを想定し、単相交流入力端子51に接続される単相電源電圧値が115Vの場合は単相電源切換スイッチ56を接点端子56b側に切換え、電圧値230Vの場合は、単相電源切換スイッチ56を接点端子56a側に切換えるようにしている。
【0043】
これにより単相電源の電圧値が115Vの場合は、単相交流入力端子51の端子51bが単相電源切換スイッチ56を介して直流回路53の平滑コンデンサC
1とC
3の接続点、平滑コンデンサC
2とC
4の接続点、及び抵抗器R
1とR
2の接続点に接続されるから、単相用AC−DCコンバータ52は倍電圧整流回路として作用し、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の直流出力端子54の端子54a、54b間の直流電圧値は115V×2×√2=325Vとなる。一方、単相電源電圧値が230Vの場合は、単相交流入力端子51の端子51bが単相電源切換スイッチ56を介して単相用AC−DCコンバータ52のダイオードD
2とD
4の接続点に接続されることとなるから、単相用AC−DCコンバータ52は全波整流回路として作用することになり、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の出力端子54a、54b間の電圧値は230V×√2=325Vとなる。即ち、単相交流入力端子51の端子51a、51bに入力される単相交流電圧値が115Vの場合でも230Vの場合でも単相電源切換スイッチ56を切換えることにより、直流出力端子54の端子54a、54b間の直流電圧値を所定の直流電圧値にすることができる。
【0044】
単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50には、電源投入時の過大な電流が直流回路53の平滑コンデンサC
1〜C
4に流入するのを防止する突入電流防止回路57が設けられている。この突入電流防止回路57は単相交流入力端子51の端子51aと単相用AC−DCコンバータ52のダイオードD
11とダイオードD
13の接続点との間に接続されている。突入電流防止回路57はサーミスタ57bと該サーミスタ57bに並列に接続されたリレーRYの常開接点RYaから構成されている。58はリレーRYを駆動するリレー駆動回路である。
【0045】
リレー駆動回路58は、抵抗器R
3とコンデンサC
5の並列回路58bと、ブリッジ回路を構成する4個のダイオードD
21〜D
24で構成された整流回路58c、遅延コンデンサC
6及びツェナーダイオードZ
Dを具備する直流回路58dから構成されている。そして単相交流入力端子51に単相交流が投入され、直流回路58dの電圧値が電源投入時から遅延コンデンサC
6の容量等で決定される所定時間遅れて所定電圧値に達したら、リレーRYが動作し、リレーRYの接点RYaがONとなり、サーミスタ57bはバイパスされる。
【0046】
なお、抵抗器R
3の抵抗値、コンデンサC
5、遅延コンデンサC
6の各容量値、ツェナーダイオードZ
Dのツェナー電圧値は、単相電源投入からリレーRYの接点RYaをONさせるタイミング、即ち突入電流が所定の値に減少するタイミング等を考慮して決定される。ここではR
3=2070Ωとし、C
5=1.5μF、C
6=1500μFとし、Z
Dのツェナー電圧値=24Vとしている。
【0047】
リレー駆動回路58において、電源投入時は、リレーRYは不動作であるから、その接点RYaはOFFであり、電流は高抵抗値のサーミスタ57bを通って供給されることになる。よって、電源投入時の突入電流はサーミスタ57bの高抵抗値で抑制される。そして通電による発熱によりサーミスタ57bの温度が上昇するとその抵抗値が大きくなるから、突入電流が更に抑制される。一方リレー駆動回路58においては、リレーRYの作動コイルに加わる電圧は時間の経過と共に上昇し、所定時間経過するとリレーRYは作動し、その接点RYaはONとなり、サーミスタ57bをバイパスしてそれを無効とする。
【0048】
なお、上記例では、サーミスタ57bをバイパスするバイパス手段としてリレーRYを用いその接点RYaでサーミスタ57bをバイパスするようにしているが、バイパス手段としてリレーRYに限定されるものではなく、例えば図示は省略するが、サーミスタ57bに並列にパワートランジスタを接続し、該パワートランジスタを遅延コンデンサC
6の充電電圧値が所定電圧値となったらONとし、サーミスタ57bをバイパスするようにしてもよい。
【0049】
図6は、電動チェーンブロック1を操作する操作部の一例を示すブロック回路図である。本操作部は、インバータ44を制御するインバータ制御部70と操作部72を備えている。操作部72は、図示は省略するが電動チェーンブロック1を操作する操作ボックスに、巻上用の二段押込ボタンスイッチPB
Uと、巻下用の二段押込ボタンスイッチPB
Dとを備えている。巻上用の二段押込ボタンスイッチPB
Uを一段押し込むと巻上信号U
Sが、更に二段目まで押し込むと巻上信号U
Sと高速信号H
Sがインバータ制御部70に出力され、巻下用の二段押込ボタンスイッチPB
Dを一段押し込むと巻下信号D
Sが、更に二段目まで押し込むと巻下信号D
Sと高速信号H
Sがインバータ制御部70に出力されるようになっている。
【0050】
インバータ制御部70は上記巻上信号U
Sを受信すると、インバータ44を制御し、三相交流モータ7に低速正回転用の所定周波数の三相交流電力を出力する。これにより三相交流モータ7のモータステータ7aに三相交流電流が流れ、正回転方向の回転磁界が発生すると共に、その一部磁界によりブレーキ16のプルロータ16aが磁化され、ブレーキ16が解放される。これにより三相交流モータ7を所定の低回転速度で回転し、ロードチェーンを巻上(上昇)させるから、荷吊下用フック部5に吊り下げられた荷が所定の低速で巻上げられる。
【0051】
上記低速での荷巻上げ運転中にインバータ制御部70が高速信号H
Sを受信すると、三相交流モータ7に供給する三相交流電力を、高速正回転用の所定周波数に切替え、三相交流モータ7を所定の高速で正回転させ、荷を高速で巻上げる。そして高速信号H
S、巻上信号U
Sが停止すると三相交流モータ7のモータステータ7aに供給されていた三相交流電流が停止し、ブレーキ16のプルロータ16aが消磁され、ブレーキ16が作動する。
【0052】
また、インバータ制御部70は上記巻下信号D
Sを受信すると、インバータ44を制御し、三相交流モータ7に低速逆回転用の周波数の三相交流電流を三相交流モータ7のモータステータ7aに出力し、モータステータ7aに逆回転方向の回転磁界が発生すると共に、その一部磁界によりブレーキ16のプルロータ16aが磁化され、ブレーキ16が解放され、三相交流モータ7を所定の低速回転速度で逆方向に回転し、荷吊下用フック部5に吊り下げられた荷を低速で巻下(下降)げる。この低速巻下げ中にインバータ制御部70が高速信号H
Sを受信すると、三相交流モータ7に供給する三相交流電力を、高速逆回転用の周波数の三相交流電力に切替え、三相交流モータ7を所定の高速で逆回転させ、荷を高速で巻下げる。この巻下運転に際しても上記巻上運転と同様にブレーキ16が解放され、巻下運転停止でブレーキ16が作動する。
【0053】
図1乃至
図4に示す構成の電動チェーンブロック1に、
図5に示す電源回路40を搭載すれば、三相交流電源対応型の電動チェーンブロックとなる。上記のように電源回路40を備えた三相交流電源対応型の電動チェーンブロックの需要は多い。そのため通常多量の需要を見越して在庫数を多く用意しておくことができるから、注文を受けたら製品納入までの期間が短くて済む。
【0054】
上記三相交流電源対応型の電動チェーンブロックに比べて、単相交流電源対応型の電動チェーンブロックの需要は少ないから、荷巻上下用電動機に専用の単相交流電動機を採用する電動チェーンブロックを多数製造して備蓄しておくことは、経済的負担が大きいことから、在庫を設けないか又はその数を少なくする。従って、注文を受けてから製品納入までの期間が必然的に長くなると同時に、その価格は高価なものとなる。
【0055】
これに対して本発明に係る三相・単相交流電源対応型電動チェーンブロックでは、上記のように電動チェーンブロック1に電源回路40を搭載した三相交流電源対応型電動チェーンブロックに単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を搭載するだけで、単相交流電源対応型電動チェーンブロックにすることができるから、三相交流電源対応型電動チェーンブロックと単相交流電源対応型電動チェーンブロックとの間で電源回路40を搭載した電動チェーンブロック1を共有することになり、電源回路40を搭載した電動チェーンブロック1を在庫として用意しておくだけで、単相交流電源対応型電動チェーンブロックの注文を受けた場合、ユニット化した単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を搭載するのみで、単相交流電源対応型電動チェーンブロックに変更することができるから、受注から納品までの期間を大幅に短縮することが可能となる。
【0056】
即ち、三相交流電源対応型電動チェーンブロックを受注した場合は、電源回路40を搭載した電動チェーンブロック1をそのまま、三相交流電源対応型として納入できると共に、単相交流電源対応型電動チェーンブロックを受注した場合は、予めユニット化して用意しておいた単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を搭載するのみで対応できることになり、受注から製品納入までの期間も大幅に短縮できると共に、三相交流電源対応型のそれにユニット化した単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を取り付けるだけで済むから価格の加算も小さくできる。
【0057】
また、上記三相交流電源対応型の電動チェーンブロックは、その構成や構成部品は習熟技術からなり、その効率及び性能が安定し、その価格も安価にできるから、この三相交流電源対応型電動チェーンブロックに単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を搭載してなる単相交流電源対応型の電動チェーンブロックも、その効率及び性能が安定したものとなる。
【0058】
以下、ユニット化した単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の構成及び電動チェーンブロック1への取り付けについて説明する。
図7は電動チェーンブロック1の電装品収容部3の内部を示す図(
図3のコントローラカバー13を取り外し、電装品収容部内を
図2の正面から見た図)である。図示するように、電装品収容部3内にケーシング2の端面ケーシング2eに面してインバータ制御装置12と、単相用AC−DCコンバータユニット80が配置収容されている。
【0059】
インバータ制御装置12は、
図5に示す電源回路40の三相用AC−DCコンバータ42を構成するダイオードD
1〜D
6、直流回路43を構成する平滑コンデンサ45、インバータ44を構成するフライホイールダイオードD
fが並列に接続されたスイッチングトランジスタT
1〜T
6、突入電流防止回路60を構成する突入電流抑制抵抗器61、開閉接点62、制御部48、及び電圧センサ46等が基板等に実装されたユニットである。また、インバータ制御装置12のケーシングは絶縁材料である樹脂材料で覆われ絶縁が確保される構成となっている。
【0060】
そして、図示は省略するが、上記インバータ制御装置12の三相交流入力端子41は三相交流電源からの引出線が接続しやすい位置に配置し、インバータ出力端子64のU、V、Wは三相交流モータ7からの引出線が接続し易い位置に配置されている。また、直流回路43の接続端子65の端子65a、65bは、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の直流出力端子54の出力端子54a、出力端子54bからの引出線が接続し易い位置(例えば、出力端子54a、出力端子54bからの引出線が他の部品や配線を取り外したりすることなく、直接端子65a、65bに接続できるよう)に配置されている。
【0061】
単相用AC−DCコンバータユニット80は、
図5に示す単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の単相用AC−DCコンバータ52を構成するダイオードD
1〜D
4、直流回路53を構成するコンデンサC
1〜C
4と抵抗器R
1〜R
2、突入電流防止回路57を構成するサーミスタ57b、単相電源切換スイッチ56が実装されている。更に、リレー駆動回路58を構成する抵抗器R
3とコンデンサC
5の並列回路58b、ダイオードD
1〜D
4で構成をされた整流回路58c、遅延コンデンサC
6、ツェナーダイオードZ
Dを具備する直流回路58dがプリント基板等に実装されてユニット化されている。
【0062】
そして端子51a、51bを有する単相交流入力端子51は単相交流電源からの引出線が接続し易い位置(例えば、コントローラカバー13を取り外すだけ、或いは取り外すことなく、単相交流電源からの引出線を接続できる位置)に配置され、出力端子54a、出力端子54bを有する直流出力端子54はそこからの引出線が電源回路40の直流回路43の接続端子65の端子65a、65bに接続し易い位置に配置されている。このようにすることにより、ユニット化された単相用AC−DCコンバータユニット80を電装品収容部3内に配置した後、単相交流電源を単相交流入力端子51の端子51a、51bに接続することが容易になると共に、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50の直流出力端子54の出力端子54a、出力端子54bと電源回路40の接続端子65の端子65a、65bとの接続が容易となり、極めて容易に三相交流電源対応型電動チェーンブロックを単相交流電源対応型電動チェーンブロックに変更することが可能となる。
【0063】
図7の単相用AC−DCコンバータユニット80における回路基板81上の電子部品の配置、特に直流回路53の電解コンデンサであるコンデンサC
1〜C
4の配置は、回路基板81に対してケーシング2が充分大きく、即ち電装品収容部3に回路基板81の設置スペースが充分に取れる場合である。これに対してケーシング2が小さく、電装品収容部3内の単相用AC−DCコンバータユニット80の設置スペースが小さい場合は、例えばコンデンサC
1と軽合金製のケーシング2やコントローラカバー13との絶縁距離d
1やケーシング2やコントローラカバー13とコンデンサC
6との絶縁距離d
2を充分大きく取れず、耐電圧(絶縁性)に問題が生じる場合がある。このような場合は、場合によって電動巻上機を設置する場所(国等)が規定する耐圧(絶縁)基準法規に合格せずこの電動巻上機を設置できない場合もある。
【0064】
上記のような場合は、耐電圧(絶縁性)の問題をクリアする第一の方法として、個々の電子部品の絶縁性能を高めるか、第二の方法として、回路基板81上に配置する電子部品の配置位置、特に配置スペースを大きく必要とする電解コンデンサであるコンデンサC
1〜C
4の電装品収容部3内の配置位置を変更することが挙げられる。上記耐電圧(絶縁性)の問題をクリアする第一の例のより具体例として、例えば電解コンデンサであるコンデンサC
1〜C
5の全部、または絶縁強化を必要とする少なくとも一つのコンデンサを、所定の厚みを有する図示しない絶縁チューブ(樹脂製で所定の絶縁機能を有する熱収縮チューブ)でコンデンサ製品外皮の上からさらに外周を覆う方法がある。第二の例を示しているのが
図8で、単相用AC−DCコンバータユニット80’を配置した、電動チェーンブロック1の電装品収容部3の内部を示した図である。第二の例をさらに詳細に説明する。
図8(a)は、
図7と同様、電装品収容部3内にケーシング2の端面ケーシング2eに面してインバータ制御装置12と、単相用AC−DCコンバータユニット80’が配置収容され状態を示し、
図8(b)は、単相用AC−DCコンバータユニット80’の取付状態を矢印A−A方向から見た図である。この単相用AC−DCコンバータユニット80’では、大きな設置スペースを必要とするコンデンサC
1〜C
4をインバータ制御装置12の側に寄せて回路基板81上に配置している。このようにコンデンサC
1〜C
4をインバータ制御装置12の側に寄せて配置することにより、ケーシング2に最も近いコンデンサC
3でもケーシング2との絶縁距離d
3を充分大きく取れる。上記耐電圧(絶縁性)の問題をクリアする第一の例、第二の例をそれぞれ単独で実施するか、あるいは、両方を実施すればさらに効果的な耐電圧(絶縁性)の対策ができる。
【0065】
また、上記のように、コンデンサC
1〜C
4をインバータ制御装置12の側に寄せて配置することにより、回路基板81上の開いたスペース(
図7の回路基板81のコンデンサC
3を配置されていたスペース)に図示しないスイッチ56を構成するリード線Lは、一端を単相交流入力端子51に電気的に接続され、他端に絶縁スリーブ付の差込型接続端子56cが電気的に接続されている。端子56aと端子56bは、回路基板81の電気回路に
図5に示す通り電気的に接続固定されたタブで、リード線Lの差込型接続端子56cが選択的に接続可能になっていてスイッチ56を構成している。端子56aと端子56bの内、リード線Lの差込型接続端子56cが差し込まれていない方の端子(タブ)には、絶縁物を被せて絶縁を確保することが好ましい。この絶縁物には絶縁スリーブ等の絶縁被覆で覆われた差込型端子や絶縁キャップなどが着脱が可能で適している。絶縁物はスイッチを切り替えるときに端子56aまたは端子56bから一旦取り外すので、紛失防止のためにリード線Lと絶縁物を介して連結していることが好ましいが、注意銘板などにより空いた端子への挿し忘れ注意を表示するようにしてもよい。これらの対策を講じることによって、上記耐電圧(絶縁性)の問題はクリアできる。また、上記のように、インバータ制御装置12のケーシングは絶縁材料である樹脂材料で覆われ絶縁が確保されているから、コンデンサC
1〜C
4をインバータ制御装置12の側に寄せて配置しても耐電圧(絶縁性)の問題は特に生じないが、さらに絶縁性を高める必要がある場合には、製品として絶縁被覆されているコンデンサC
1〜C
4をはじめとする電子部品をさらに絶縁フィルム等で絶縁被覆する方法も有効である。また、単相用AC−DCコンバータ回路ユニットは、回路基板81に実装する各電子部品をシリコン系またはエポキシ系接着剤にて電子部品同士、あるいは、電子部品と回路基板81とを接着させて耐振性能・耐衝撃性能を高めることが、電気チェーンブロックでは好ましい態様である。
【0066】
上記単相用AC−DCコンバータユニット80’において、
図5の単相用AC−DCコンバータ52を構成する4個のダイオードD
1〜D
4を図示するように接続し、ダイオードブリッジ素子としたものが市販されている。
図9(a)は図示しない4個のダイオードD
1〜D
4を
図5の単相用AC−DCコンバータ52のように接続し、全体を絶縁樹脂材でモールドして平板状に形成したダイオードブリッジ素子83としたものの外観を示す平面図である。図示するように、ダイオードブリッジ素子83は、その絶縁樹脂材モールド体の側辺に2個の単相交流入力端子T
AC,T
ACと、2個の直流出力端子T
+,T
−を具備する構成である。そしてその中央部に取付用穴83aが形成されている。
【0067】
上記のようにダイオードD
1〜D
4が一体的に絶縁樹脂材でモールドされたダイオードブリッジ素子83を単相用AC−DCコンバータ52とした場合、該ダイオードブリッジ素子83から発生される熱量が大きく、該ダイオードブリッジを回路基板81に直接実装した構成では、発生する熱量が充分放熱できないという問題がある。そこで、ここでは
図8(b)に示すように回路基板81の下方に所定の間隔を設けてアルミニウム材等の熱伝導性の良い材料からなる枠体を兼ねた放熱板82を回路基板81との間に所定の間隙を設けて設置している。即ち、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を構成する各部品を実装する基板を2層構成とし、単相用AC−DCコンバータ52を構成するダイオードブリッジ素子83を
図9(b)に示すように放熱板82に取り付けている。
【0068】
枠体を兼ねた放熱板82にはダイオードブリッジ素子83を取り付けるための穴が設けられており、放熱板82にダイオードブリッジ素子83を取り付けるには、放熱板82の穴にビス84を挿入すると共に、ビス84をダイオードブリッジ素子83の取付用穴83aに挿入し、該ビス84の先端にナット85を螺合させ締め付けることにより行う。なお、
図9(b)では、ビス84の先端及びナット85は樹脂材からなる熱収縮チューブ86で覆って、回路基板81とビス84の先端及びナット85との絶縁性を高めている。放熱板82から回路基板81の取り付け高さに余裕がある場合には熱収縮チューブ86を必要としないが、取り付け高さをより低く抑える必要があるときにはこの方法が効果的である。また、ダイオードブリッジ素子83の各端子Tは、上方に折り曲げ、その先端部を回路基板81の所定パターンに挿入し、各端子Tの先端部を該所定パターンに電気的に接続する。
【0069】
上記のように、単相用AC−DCコンバータ52を構成するダイオードブリッジ素子83を枠体を兼ねた放熱板82に取り付け、更に単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50を構成される各部品を回路基板81に実装してなる単相用AC−DCコンバータユニット80’の2層構成基板の放熱板82をケーシング2の端面ケーシング2eの側面に密接して配置する。これにより、単相用AC−DCコンバータ52を構成するダイオードブリッジ素子83から発生する熱は枠体を兼ねた放熱板82を介して端面ケーシング2eに伝熱され効果的に放熱される。なお、上記回路基板81と放熱板82の二重構造は、
図7に示す単相用AC−DCコンバータユニット80でも採用し、単相用AC−DCコンバータ52のダイオードD
1〜D
4にもダイオードブリッジ素子83が採用されている。
【0070】
上記インバータ44が搭載された電動チェーンブロックにおいて、インバータ44はインバータ制御部70のPWM等の制御により、スイッチングトランジスタT
1〜T
6はON・OFFし、直流回路43からの直流を所定周波数の三相交流に変換し、三相交流モータ7に供給して、電動チェーンブロックの巻上下運転(昇降運転)を行う。このスイッチングトランジスタT
1〜T
6はON・OFFによりノイズが発生し、そのノイズが交流電源等に伝搬し、電源やそれに接続された機器等に種々の悪影響を及ぼすという問題がある。
【0071】
上記のようにインバータ44のスイッチングトランジスタT
1〜T
6のON・OFFにより発生するノイズの影響を無くすためには、ノイズフィルタを設置し、発生するノイズを除去することが有効である。また、国或いは地域(例えばEU)等によっては、インバータ搭載の電動機器等により、インバータのスイッチングトランジスタのON・OFFで発生するノイズを除去するノイズフィルタの設置を法的に義務付ける場合もある。
【0072】
そこで本発明に係る三相・単相交流電源対応型電動チェーンブロックにおいても、電動チェーンブロック1にノイズフィルタを搭載し、この問題に対処できるようにしている。
図10は、このノイズフィルタの回路構成例を示す回路図である。ノイズフィルタ回路90は、それぞれ両端に入力端子R
IN、S
IN、T
INと出力端子R
OUT、S
OUT、T
OUTを具備する電力線R、S、Tを備えている。そして電力線RとSの間に抵抗器R
12、コンデンサC
12、C
15を接続し、電力線SとTの間に抵抗器R
13、コンデンサC
13、C
14を接続し、電力線RとTの間に抵抗器R
11、コンデンサC
11、C
16を接続し、更にそれぞれ電力線R、S、Tとケーシング2の間にコンデンサC
17、C
18、C
19を接続した構成である。そしてケーシング2をアースEに接続している。
【0073】
上記構成のノイズフィルタ回路90を例えば、その入力端子R
IN、S
IN、T
INを図示しない三相電源のR、S、T相端子に接続し、出力端子R
OUT、S
OUT、T
OUTを電動チェーンブロック1の電源回路40の三相交流入力端子41のR、S、T端子にそれぞれ接続して、三相電源と電源回路40の間に挿入接続する。これによりインバータ44のスイッチングトランジスタT
1〜T
6のON・OFFにより発生し、直流回路43と三相用AC−DCコンバータ42を通って三相交流電源に伝搬しようとするノイズは、抵抗器R
11〜R
13、コンデンサC
11〜C
19とで構成されるフィルタを通ってケーシング2を経由してアースEへ伝搬して除去される。
【0074】
上記ノイズフィルタ回路90を構成する構成部品を基板等に実装しユニット化しておくことにより、インバータ44により発生するノイズ除去の要望があった場合に、
図7及び
図8(a)に示す電動チェーンブロック1の電装品収容部3の内に、このユニット化したノイズフィルタ回路90を取り付けることができるようにしておけば、上記ノイズ除去の要望にも容易に対処することが可能となる。
【0075】
なお、上記実施形態例においては、単相交流電源電圧が115V、230Vの例を説明したが、単相交流電源電圧は100V又は110Vとその倍電圧の200V、220Vでもよい。ただし、その場合はコンデンサC
5の容量は1.5μF〜2.2μFに増量するのが好ましい。
【0076】
また、
図5に示す電源回路の単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50のメカニカルのリレーRYに換えて、半導体リレーを使用してもよい。
図11は、単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50のリレーRYに換えて半導体リレーを使用した電源回路の構成を示す図である。図示するように、半導体リレーはトランジスタ101、フォトカプラ102、及びトライアック103を具備する構成である。トランジスタ101はそのコレクタとエミッタがリレー駆動回路58の出力端子間に接続され、そのベースはツェナーダイオードZ
Dと抵抗器R
Zとの間に接続されている。
【0077】
単相交流入力端子51に単相交流が投入されると、直流回路58dの電圧値が、電源投入時から遅延コンデンサC
6の容量等で決定される所定時間遅れて所定の電圧値となる。そして、ツェナーダイオードZ
Dと抵抗器R
Zとの間の電圧が所定電圧値に達したら、トランジスタ101がONとなる。これにより、フォトカプラ102を介してトライアック103がONとなり、サーミスタ57bがバイパスされる。このように直流回路58dの電圧が所定の値になるとサーミスタ57bがバイパスされる点は、
図5に示す電源回路の単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50と同じである。また、
図11の単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50は、上記の点を除き、その構成及び動作は
図5の単相用AC−DCコンバータ回路ユニット50と同一であるので、その説明は省略する。また、電源回路40の構成及び動作は
図5と
図11は同一であるのでその説明は省略する。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態例では、巻上下用のモータとして三相交流誘導モータ(非同期型モータ)7を例に説明したが、インバータ44がその出力電力を三相以上の複数相の交流電力を出力するように構成されている場合は、巻上下用のモータは三相以上の複数相の交流電力が供給される誘導型交流モータ(非同期型誘導型)に限定されるものではなく、同期型モータ、ACサーボモータ、DCブラスレスモータであっても良い。