(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
組成物が、約25℃で少なくとも1ヵ月間、約37℃で少なくとも1ヵ月間、または、約50℃で少なくとも1ヵ月間、熱安定性である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0123】
発明の詳細な説明
ある態様では、本発明は、(1)代謝可能な油および(2)ケーキ形成性賦形剤を含む熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物を提供する。熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物は、さらに、抗原および/またはアジュバントを含む場合がある。いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、マンニトールと、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、マンノース、フルクトースおよびラクツロースからなる群から選択される糖との組合せである。いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、トレハロース、ラクトース、ラフィノースおよびラクツロースからなる群から選択される糖である。いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、ラクトース、ラフィノースおよびラクツロースからなる群から選択される糖である。いくつかの実施態様では、組成物は、水中油乳剤製剤の凍結乾燥により形成され、凍結乾燥前または再構成時の水中油製剤は、約1%(w/v)以下のグリセロールまたは約0.5%(w/v)以下のグリセロールを含むか、または、グリセロールを含まない。いくつかの実施態様では、組成物はケーキの形態であり、再構成時に水中油乳剤を形成する。いくつかの実施態様では、組成物は単一バイアル中で保管される。
【0124】
当業者に理解される通り、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物、凍結乾燥ワクチン組成物、凍結乾燥熱安定性ケーキ、および凍結乾燥ケーキの用語は、本明細書中で互換的に使用される。この用語は、一般的に、生物分解可能な油または代謝可能な油、および/または、1種またはそれ以上の抗原、および/または、1種またはそれ以上のアジュバント、並びに、本発明のケーキの産生に使用されるケーキ形成性賦形剤を含む、凍結乾燥された水中油安定乳剤を表す。熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物を再構成すると、本発明の所望の特徴、即ち、約200nm以下の平均粒径、約7.4の生理的pH、凍結乾燥前の当初の水中油製剤中の各有効成分(抗原、アジュバントなど)の濃度の約25%以上の各有効成分濃度の損失がないこと、または、対象の免疫応答を誘導または刺激するのに適する各有効成分(抗原、アジュバントなど)の有意な分解または変性がないこと、を有する液体の水中油乳剤が形成される。
【0125】
本明細書に示される通り、凍結乾燥ワクチン組成物は、熱安定性である。例えば、組成物は、約8℃ないし約60℃で安定である。そのような組成物は、さらに、適する賦形剤、例えば、バッファー、酸、塩基、糖、希釈剤、保存料などの医薬的に許容し得る賦形剤(担体)を含み得、それらは、当分野で周知であり、本明細書に記載されている。また別の態様では、本発明は、本明細書に記載の熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物の生成方法を提供する。
【0126】
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載の熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物を乳剤に再構成し、その乳剤を対象に投与することを含む、対象の免疫応答を刺激する方法を提供する。いくつかの実施態様では、乳剤は、水中油乳剤である。いくつかの実施態様では、免疫応答は、非特異的免疫応答である。いくつかの実施態様では、免疫応答は、抗原特異的免疫応答である。本明細書に記載の免疫応答を刺激する方法、または、再構成された本明細書に記載の熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物は、単独で、または、他の常套の処置方法(例えば、化学療法剤)と組み合わせて使用できる。
【0127】
いくつかの実施態様では、本明細書における「約」の数値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とする変動を含む(かつ、記載する)。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を含む。
【0128】
定義
本明細書に記載の本発明の態様および実施態様は、態様および実施態様を「含む」、それらから「なる」およびそれらから「本質的になる」ものを含むことが理解される。
【0129】
「個体」または「対象」は、哺乳動物、より好ましくはヒトである。哺乳動物は、家畜、競技用動物、愛玩動物(ネコ、イヌ、ウマなど)、霊長類、マウスおよびラットも含むが、これらに限定されない。
【0130】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形の「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」は、文脈が明確に否定しない限り、複数への言及を含む。
【0131】
ケーキ形成性賦形剤およびケーキ形成性増量剤は、本明細書において互換的に使用される。ケーキ形成性賦形剤は、液体の安定な水中油乳剤製剤に、凍結乾燥に先立ち添加され、凍結乾燥後にケーキをもたらす物質を表す。凍結乾燥されたケーキを再構成すると、本発明のワクチンを含む薬学的に活性な薬剤の送達に適する安定な乳剤が形成される。本明細書で使用するとき、ケーキ形成性賦形剤は、凍結乾燥されたケーキの再構成時に乳剤を壊さない物質である。
【0132】
本明細書で使用される賦形剤は、製造工程、または、非限定的に凍結乾燥を含む薬学的に活性な薬剤の保管または出荷のための充填仕上げ工程において含まれる、そして、完成した医薬の工程において含まれる、薬学的に活性な薬剤以外の物質を表す。
【0133】
凍結乾燥賦形剤は、本明細書で使用するとき、適するケーキ構造の形態または製剤に貢献する、凍結乾燥工程において含まれる薬学的に活性な薬剤以外の物質を表し得る。凍結乾燥賦形剤は、増量剤、緩衝化剤または可溶化剤を含み得る。
【0134】
一般的な技法
本発明の実施には、特記しない限り、当業者の技能の範囲内にある通常の分子生物学、組換えDNA、生化学および化学の技法を用いる。そのような技法は、文献で十分に説明されている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual, 2nd Ed., Sambrook et al., ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press: (1989); DNA Cloning, Volumes I and II (D. N. Glover ed., 1985); Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait ed., 1984); Mullis et al., 米国特許第4,683,195号; Nucleic Acid Hybridization (B. D. Hames & S. J. Higgins eds. 1984); B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning (1984); the treatise, Methods In Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.); および in Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland (1989)を参照されたい。
【0135】
凍結乾燥ワクチン組成物の特徴
本明細書において、抗原および/またはアジュバントを含む熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物が提供される。本発明は、水中油乳剤製剤は、凍結乾燥され、保管され、維持され、約8℃ないし約60℃の温度に曝されることができ、再構成されると、1つまたはそれ以上を有し得る乳剤を形成すると説明する:(1)クリーム化を示さないこと、(2)生理的な7.4に近い所望のpHを維持すること、(3)ほとんど、またはまったく凝集せずに、約200nm未満のZ平均粒径を有する粒子を維持すること、(4)凍結乾燥前の当初の水中油乳剤製剤の約25%以上の有効成分濃度の損失、または、各有効成分(例えば、抗原、アジュバント)の有意な分解または変性がないこと、および、(5)対象の免疫応答を誘導または刺激するのに適していること。
【0136】
これらの凍結乾燥製剤はケーキ形成性賦形剤を含み、これは、(a)マンニトールと、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、マンノース、フルクトースおよびラクツロースからなる群から選択される糖との組合せ;(b)トレハロース、ラクトース、ラフィノースおよびラクツロースからなる群から選択される糖;(c)ラクトース、ラフィノースおよびラクツロースからなる群から選択される糖を含む。これらの熱安定性製剤は、この技術に対する改良であり、先進国の多くにおけるコールドチェーン保管の管理の維持の失敗による、年に50%を越えるワクチン製剤の損失を、有意に低減し得る。コールドチェーン保管の管理は、the Centers for Disease Control, CDC, および the US Federal Drug Agency (UAFDA) により、http://www.vac-stragecdcpDF.pdf で説明されている。さらに、発展途上国の多くの地域で、25℃より高い外界温度が生じるので、本明細書に記載の熱安定性ワクチン製剤は、25℃の外界温度より高い温度で保管され、曝され、維持され得る。
【0137】
ある態様では、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物の望ましい熱安定性の特徴は、長期の安定性;短い再構成時間;保管後のケーキの外観が、凍結乾燥直後のケーキの外観と同等に維持されること;溶液の特性、タンパク質の構造または立体構造を含む元の投与形の特徴が、再構成時に維持されること;および、粒径および粒子の分布を含むいくらかの望ましい特徴を、凍結乾燥された組成物が有することである(Frank Kofi Bedu-Addo in Understanding Lyophilization Development. Pharmaceutical Technology)。熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物のさらなる望ましい特徴には、以下を含む特徴の1つまたはそれ以上が含まれ得る:コールドチェーン保管製品に典型的な8℃を越える温度での長期安定性;短い再構成時間;8℃以上での保管、暴露または維持後のケーキの外観が、凍結乾燥直後のケーキの外観と実質的に同様に維持されること;ワクチンの有効成分(有効成分は、抗原の濃度および/または立体構造およびアジュバントの濃度を含むが、これらに限定されない)の元の投与形の特徴が維持され(元の濃度または機能のプラスまたはマイナス25%)、再構成時に溶液の性質、タンパク質(含まれる場合)の構造または立体構造が維持されること;および、少なくとも約200nmを超えない、または、約200nmの平均粒径および粒子の分布。
【0138】
ある実施態様では、熱安定性ケーキは、本明細書で使用するとき、抗原および/またはアジュバントを含むさらなる本発明の有効成分を、適する本発明のケーキ形成性賦形剤の存在下で含み得、保管または輸送中に典型的なコールドチェーン保管温度の2℃−8℃を超える温度で保管または暴露されるときに、ワクチン水中油乳剤の所望の特徴を示す、本発明の水中油安定乳剤(SE)を、単一バイアルで凍結乾燥することから産生されるケーキを表す。
【0139】
ある実施態様では、熱安定性ワクチンは、本明細書で使用するとき、本発明の熱安定性ケーキ/熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物を再構成することから産生されるワクチン組成物を表す。また、本明細書で使用するとき、熱安定性ワクチンは、熱安定性ワクチンに再構成される安定性凍結乾燥/ケーキ組成物も表し得る。
【0140】
熱安定性の評価
本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物の熱安定性は、凍結乾燥状態で、再構成前に、または、再構成後に評価できる。本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物の熱安定性は、目視検査により、および/または、本明細書で提供される1またはそれ以上のアッセイを利用して、評価できる。これらのアッセイは、凍結乾燥および再構成後の乳剤、抗原および/またはアジュバントの完全性の評価を提供できる。
【0141】
本明細書に記載の熱安定性のアッセイおよび観察は、凍結乾燥時に、凍結乾燥の1時間後に、凍結乾燥の6時間後に、凍結乾燥の12時間後に、凍結乾燥の24時間後に、凍結乾燥の36時間後に、凍結乾燥の48時間後に、凍結乾燥の1週間後に、凍結乾燥の2週間後に、凍結乾燥の1ヵ月後に、凍結乾燥の2ヵ月後に、凍結乾燥の3ヵ月後に、凍結乾燥の4ヵ月後に、凍結乾燥の6ヵ月後に、凍結乾燥の12ヵ月後またはそれ以降に実施できる。アッセイおよび観察を実施する前に、凍結乾燥組成物を8℃より高い温度で、例えば、約25℃以上、約37℃以上、約50℃以上、または、約60℃の温度で、維持、保管または暴露できる。
【0142】
本明細書に記載の熱安定性のアッセイおよび観察は、凍結乾燥組成物の再構成時に、再構成時に即座に、再構成の1時間後に、再構成の6時間後に、再構成の12時間後に、再構成の24時間後に、再構成の36時間後に、再構成の48時間後に、または、再構成の1週間後に実施できる。再構成の前に、そして、アッセイおよび観察を実施する前に、凍結乾燥組成物を8℃より高い温度で、例えば、約25℃以上、約37℃以上、約50℃以上、または、約60℃の温度で、維持、保管または暴露できる。
【0143】
当業者は、本発明は、先進国または発展途上国における外界温度により近く接近する温度で保管および/または出荷できる凍結乾燥ワクチン組成物を提供するように設計されており、従って、いくつかの実施態様では、凍結乾燥組成物は、約8℃以上、例えば、約25℃以上、約37℃以上、約50℃以上または約60℃の温度または複数の温度の組合せで維持、保管、または暴露されることを理解するであろう。
【0144】
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物の熱安定性は、再構成前に目視観察により評価される。他の実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物の熱安定性は、再構成後に、1つまたはそれ以上のアッセイ、例えば、生物物理学的および生化学的アッセイを利用して、評価される。
【0145】
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物の熱安定性は、再構成後に目視観察により評価される。他の実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物の熱安定性は、再構成後に、1つまたはそれ以上のアッセイ、例えば、生物物理学的および生化学的アッセイを利用して、評価される。
【0146】
ある実施態様では、水中油乳剤製剤の凍結乾燥により得られる凍結乾燥ケーキの色と堅さを観察できる。いくつかの実施態様では、本明細書で言及されるケーキは、凍結乾燥過程から生じる多孔性のスポンジ構造様の物質である;または、ケーキは、凍結と乾燥の過程後に残っている固体の内容物である。いくつかの実施態様では、ケーキの外観は、海綿状のケーキ、きれいな(lovely)ケーキおよび美しい(elegant)ケーキと説明できる。いくつかの実施態様では、ケーキの割れ、崩壊(縮みまたはバイアル側面からの剥離、ケーキ上面の沈下またはわずかな凹み、または、ケーキの総体積の減少とも説明できる)、および/または、ケーキの変色または退色または褐変について、目視検査できる。いくつかの実施態様では、ケーキは、美しいケーキ、白色のケーキ、美しい白色のケーキ、海綿状の白色のケーキ、体積が増えた白色のケーキ、褐色のケーキ、褐変しているケーキまたは縮んでいる/縮んだケーキと分類できる。いくつかの実施態様では、退色または褐変は、本明細書で使用するとき、還元糖(例えばラクトースおよびマルトース)を含有する製剤であって、8℃以上の温度、例えば、25℃、37℃および/または60℃でケーキを凍結乾燥および保管した際に、メイラード反応または糖の還元を経て、元のケーキの退色が起こり、視覚的に黄色ないし茶色ないし褐色のケーキになったものを表す。いくつかの実施態様では、凍結乾燥時にケーキが形成されない場合、得られる組成物は、透明なフィルム、厚いフィルム、厚い白色のフィルム、または、凝固した泡状物と特徴づけられる。いくつかの実施態様では、本発明の望ましいケーキは、上記の典型的なコールドチェーン保管の2℃−8℃を超える、または、約8℃以上の温度にケーキを暴露、保管または維持した後に、望ましい凍結乾燥ワクチン製剤の特徴を示すケーキを表す("Excipients used in lyophilization of small molecules" Ankit Bahetia, Lokesh Kumarb, Arvind K. Bansal, J. Excipients and Food Chem. 1 (1) 2010; 41-54.)。
【0147】
いくつかの実施態様では、凍結乾燥により生じたケーキの融点(Tm)を測定する。
【0148】
いくつかの実施態様では、凍結乾燥組成物の再構成後に乳剤の粒径を評価する。例えば、動的光散乱法(DLS)を使用して乳剤の粒径を評価できる。いくつかの実施態様では、これを凍結乾燥前の乳剤の粒径と、例えば凍結乾燥前の液体の安定な乳剤の状態で、比較する。いくつかの実施態様では、乳剤の粒径を凍結乾燥前の粒径と比較しない。本明細書におけるいくつかの実施態様では、粒径は、液体の凍結乾燥組成物のZ平均粒径(Z-Aved)を測定することにより決定される。特定の実施態様では、約8℃以上の温度で維持、保管または暴露された凍結乾燥組成物を再構成した液体の乳剤が、Z平均粒径約200nM未満、約190nM未満、約180nM未満、約170nM未満、約160nM未満、約150nM未満、約140nM未満、約130nM未満、約120nM未満、約110nM未満、約100nM未満、約90nM未満、約80nM未満、約70nM未満、または約60nm未満の粒径を有するとき、熱安定性組成物が示される。特定の実施態様では、再構成された乳剤は、Z平均粒径約100nMないし約200nMの範囲の粒径を有する。
【0149】
いくつかの実施態様では、凍結乾燥組成物の再構成後に多分散指数(PdI)を評価する。例えば、動的光散乱法(DLS)を使用してPdIを評価できる。いくつかの実施態様では、これを凍結乾燥前の液体の乳剤のPDIと、例えば凍結乾燥前の液体の安定な乳剤の状態で、比較する。
【0150】
ある実施態様では、凍結乾燥組成物の再構成後にゼータ電位を評価する。例えば、動的光散乱法(DLS)を使用してゼータ電位を評価できる。いくつかの実施態様では、これを凍結乾燥前のゼータ電位と、例えば凍結乾燥前の液体の安定な乳剤の状態で、比較する。
【0151】
いくつかの実施態様では、凍結乾燥組成物の再構成後に乳剤のpHを評価する。いくつかの実施態様では、これを凍結乾燥前のpHと、例えば凍結乾燥前の液体の安定な乳剤の状態で、比較する。
【0152】
いくつかの実施態様では、凍結乾燥組成物の再構成後に乳剤のクリーム化を評価する。
【0153】
いくつかの実施態様では、凍結乾燥組成物の再構成時に、抗原、アジュバントおよび/または凍結乾燥組成物の他の成分の%変質または%破壊を評価する。いくつかの実施態様では、成分の化学的分解があれば、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用して評価する。ある例示的な実施態様では、スクアレン、DMPCおよびGLAの化学的分解をRP−HPLCにより監視する。他の実施態様では、再構成時に、凍結乾燥組成物のワクチンのタンパク質抗原の分解があれば、ゲルをベースとするクマシー染色を使用して評価する。本明細書で提供される熱安定性組成物は、約8℃以上の温度で維持された熱安定性凍結乾燥組成物の再構成後に、約25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下の抗原および/またはアジュバントまたは他の成分の分解、損失または破壊を示すものである。
【0154】
熱安定性の特徴
ある態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃以上で熱安定性である。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約9℃以上、約10℃以上、約11℃以上、約12℃以上、約13℃以上、約14℃以上、約15℃以上、約16℃以上、約17℃以上、約18℃以上、約19℃以上、約20℃以上、約25℃以上、約30℃以上、約32℃以上、約35℃以上、約37℃以上、約40℃以上、約42℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約60℃以上で熱安定性である。他の実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃ないし約25℃、約25℃ないし約37℃、約37℃ないし約50℃、約25℃ないし約50℃、約8℃ないし約37℃、約8℃ないし約50℃、約8℃ないし約60℃で熱安定性である。ある例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約25℃で熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約37℃で熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約50℃で熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約60℃で熱安定性である。
【0155】
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃以上で、少なくとも1時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヵ月間、少なくとも2ヵ月間、少なくとも3ヵ月間、少なくとも4ヵ月間、少なくとも5ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、少なくとも7ヵ月間、少なくとも8ヵ月間、少なくとも9ヵ月間、少なくとも10ヵ月間、少なくとも11ヵ月間、少なくとも1年間、少なくとも1.5年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、および、少なくとも5年間、熱安定性である。ある例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃以上で熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃以上で、少なくとも3ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃以上で、少なくとも6ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃以上で、少なくとも12ヵ月間熱安定性である。ある実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約8℃以上で無期限に熱安定性である。
【0156】
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約25℃以上で、少なくとも1時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヵ月間、少なくとも2ヵ月間、少なくとも3ヵ月間、少なくとも4ヵ月間、少なくとも5ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、少なくとも7ヵ月間、少なくとも8ヵ月間、少なくとも9ヵ月間、少なくとも10ヵ月間、少なくとも11ヵ月間、少なくとも1年間、少なくとも1.5年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、および、少なくとも5年間、熱安定性である。ある例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、25℃より高い温度で、少なくとも1ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、25℃より高い温度で、少なくとも3ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、25℃より高い温度で、少なくとも6ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、25℃より高い温度で、少なくとも12ヵ月間熱安定性である。ある実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、25℃より高い温度で、無期限に熱安定性である。
【0157】
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約37℃以上で、少なくとも1時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヵ月間、少なくとも2ヵ月間、少なくとも3ヵ月間、少なくとも4ヵ月間、少なくとも5ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、少なくとも7ヵ月間、少なくとも8ヵ月間、少なくとも9ヵ月間、少なくとも10ヵ月間、少なくとも11ヵ月間、少なくとも1年間、少なくとも1.5年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、および、少なくとも5年間、熱安定性である。ある例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、37℃より高い温度で、少なくとも1ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、37℃より高い温度で、少なくとも3ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、37℃より高い温度で、少なくとも6ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、37℃より高い温度で、少なくとも12ヵ月間熱安定性である。ある実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、37℃より高い温度で、無期限に熱安定性である。
【0158】
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、約50℃以上で、少なくとも1時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヵ月間、少なくとも2ヵ月間、少なくとも3ヵ月間、少なくとも4ヵ月間、少なくとも5ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、少なくとも7ヵ月間、少なくとも8ヵ月間、少なくとも9ヵ月間、少なくとも10ヵ月間、少なくとも11ヵ月間、少なくとも1年間、少なくとも1.5年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、および、少なくとも5年間、熱安定性である。ある例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、50℃より高い温度で、少なくとも1ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、50℃より高い温度で、少なくとも3ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、50℃より高い温度で、少なくとも6ヵ月間熱安定性である。他の例示的な実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、50℃より高い温度で、少なくとも12ヵ月間熱安定性である。ある実施態様では、本明細書で提供される凍結乾燥ワクチン組成物は、50℃より高い温度で、無期限に熱安定性である。
【0159】
熱安定性ワクチン組成物において使用するための賦形剤および物質
抗原および/またはアジュバントを含む熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施態様では、組成物は、ケーキ形成性賦形剤、ケーキ形成性増量剤、緩衝化剤、可溶化剤、等張化剤、界面活性剤および/または乳化剤などのさらなる物質および/または賦形剤を含む。
【0160】
賦形剤
本発明の賦形剤は、単一で、または、ケーキ形成性賦形剤、ケーキ形成性増量剤、増量剤、緩衝化剤、可溶化剤、等張化剤、浸透圧調節剤(tonicifying agent)、界面活性剤、乳化剤、抗菌剤および/または崩壊温度調節剤(collapse temperature modifier)を含むがこれらに限定されない他の賦形剤と組み合わせて、使用し得る。
【0161】
いくつかの実施態様では、賦形剤は、製造工程、または、非限定的に凍結乾燥を含む薬学的に活性な薬剤の保管または出荷のための充填仕上げ工程において含まれる、そして、完成した医薬の工程において含まれる、薬学的に活性な薬剤以外の物質である。
【0162】
いくつかの実施態様では、賦形剤は、凍結乾燥後にケーキをもたらす、凍結乾燥前の液体の安定な水中油乳剤製剤に添加される物質である。
【0163】
ワクチン製剤および/または凍結乾燥に適する賦形剤は、当分野で知られており(例えば、Bahetia et. al., 2010: J. Excipients and Food Chem.:1 (1)41-54, Grabenstein JD. ImmunoFacts: Vaccines and Immunologic Drugs - 2012 (37th revision). St Louis, MO: Wolters Kluwer Health, 2011 and, by Vaccine 参照)、ケーキ形成性賦形剤、ケーキ形成性増量剤、増量剤、緩衝化剤、可溶化剤、等張化剤、浸透圧調節剤、界面活性剤、乳化剤、抗菌剤、および/または、崩壊温度調節剤を含む。現在承認されているワクチンにおける賦形剤のリストを、the Centers for Disease Control から見出すことができ(インターネットで cdc.gov/vaccines/pubs/pinkbook/downloads/appendices/B/excipient-table-2.pdf., September 2013, "Vaccine Excipient & Media Summary. Excipients Included in U.S. Vaccines, by Vaccine" を参照)、それは、スクロース、D−マンノース、D−フルクトース、デキストロース、リン酸カリウム、プラスドンC(plaSDone C)、無水ラクトース、微結晶セルロース、ポラクリリン(polacrilin)カリウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロースアセテートフタレート、アルコール、アセトン、ヒマシ油、FD&C黄色#6アルミニウムレーキ色素、ヒト血清アルブミン、ウシ胎児血清、重炭酸ナトリウム、ヒト−二倍体線維芽細胞培養物(WI−38)、ダルベッコ改変イーグル培地、水酸化アルミニウム、塩化ベンゼトニウム、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、アミノ酸、ビタミン、無機塩、糖、グリセリン、アスパラギン、クエン酸、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸鉄アンモニウム、ラクトース、硫酸アルミニウムカリウム、ヒドロキシリン酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、ペプトン、ウシ抽出物、チメロサール(痕跡量)、変法ミューラーおよびミラー培地、ベータ−プロピオラクトン、チメロサール(多回投与バイアルのみ)、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸カリウム、塩化カリウム、グルタミン酸カリウム、塩化カルシウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、硫酸ネオマイシン、ポリミキシンB、卵タンパク質、ラクトアルブミン加水分解物および硫酸ネオマイシンを、非限定的に含む。
【0164】
ケーキ形成性賦形剤/ケーキ形成性増量剤
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、凍結乾燥後にケーキをもたらす、凍結乾燥前の液体の安定な水中油乳剤製剤に添加される物質である。凍結乾燥されたケーキの再構成時に、本発明のワクチンを含む薬学的に活性な薬剤の送達に適する水中油安定乳剤が形成される。
【0165】
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、ケーキの再構成時に乳剤を壊さない物質である。
【0166】
いくつかの実施態様では、本発明のためのケーキ形成性賦形剤(増量剤とも呼ばれる)として有用な物質は、糖質/糖、または、糖アルコールと組み合わせた糖質/糖を含む。本明細書に開示されるいくつかの実施態様では、糖質/糖、または、糖アルコールと組み合わせた糖質/糖は、増量剤またはケーキ形成性賦形剤として有用である。これは、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、マンノース、スタキオース、フルクトース、ラクツロース、グルコース、および、場合によりグリセロール、ソルビトール、および/またはマンニトールを含むが、これらに限定されない。
【0167】
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、マンニトールと、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、マンノース、スタキオース、フルクトースおよびラクツロースからなる群から選択される糖の組合せである。
【0168】
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、ソルビトールと、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、マンノース、スタキオース、フルクトースおよびラクツロースからなる群から選択される糖の組合せである。
【0169】
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、トレハロース、ラクトース、ラフィノースおよびラクツロースからなる群から選択される糖である。
【0170】
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、ラクトース、ラフィノースおよびラクツロースからなる群から選択される糖である。
【0171】
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、グリセロールの非存在下の、糖、または、糖アルコールと組み合わせた糖である。他の実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、約1%w/v未満のグリセロール、約0.5%未満のグリセロール、または、約0.1%未満のグリセロールの存在下の、糖、または、糖アルコールと組み合わせた糖である。
【0172】
いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は糖であり、糖は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.01%w/vないし約20%w/v、約0.05%w/vないし約10%w/v、約0.05%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約10%w/v、約0.5%w/vないし約7.5%w/v、約0.5%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約2.5%w/v、約0.5%w/vないし約1%w/v、約2.5%w/vないし約10%w/v、約2.5%w/vないし約7.5%w/v、約2.5%w/vないし約5%w/v、約1%w/vないし約2.5%w/v、約5%w/vないし約10%w/vの濃度範囲で、または、約5%w/vないし約7.5%w/vの濃度範囲で存在する。いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約5%w/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.2%w/v、約0.3%w/v、約0.4%w/v、約0.5%w/v、約0.6%w/v、約0.7%w/v、約0.8%w/v、約0.9%w/v、約1%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約7.5%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約11%w/v、約12%w/v、約13%w/v、約14%w/v、約15%w/v、約16%w/v、約17%w/v、約18%w/v、約19%w/v、または約20%w/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、約1%w/v未満のグリセロール、約0.5%未満のグリセロール、約0.1%未満のグリセロールの存在下で提供されるか、または、グリセロールの非存在下で提供される(%グリセロールは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中のグリセロール濃度を表す)。
【0173】
いくつかの例示的な実施態様では、ケーキ形成性賦形剤はトレハロースであり、トレハロースは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.01%w/vないし約20%w/v、約0.05%w/vないし約10%w/v、約0.05%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約10%w/v、約0.5%w/vないし約7.5%w/v、約0.5%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約2.5%w/v、約0.5%w/vないし約1%w/v、約2.5%w/vないし約10%w/v、約2.5%w/vないし約7.5%w/v、約2.5%w/vないし約5%w/v、約1%w/vないし約2.5%w/v、約5%w/vないし約10%w/vの濃度範囲で、または、約5%w/vないし約7.5%w/vの濃度範囲で存在する。いくつかの実施態様では、トレハロースは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約5%w/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、トレハロースは、約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.2%w/v、約0.3%w/v、約0.4%w/v、約0.5%w/v、約0.6%w/v、約0.7%w/v、約0.8%w/v、約0.9%w/v、約1%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約7.5%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約11%w/v、約12%w/v、約13%w/v、約14%w/v、約15%w/v、約16%w/v、約17%w/v、約18%w/v、約19%w/v、または約20%w/vの濃度で存在する。ケーキ形成性賦形剤がトレハロースであるいくつかの実施態様では、トレハロースは、約1%w/v未満のグリセロール、約0.5%未満のグリセロール、約0.1%未満のグリセロールの存在下で提供されるか、または、グリセロールの非存在下で提供される(%グリセロールは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中のグリセロール濃度を表す)。
【0174】
いくつかの例示的な実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、糖アルコールと組み合わせた糖である。そのような実施態様では、糖は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.01%w/vないし約20%w/vの濃度範囲で存在し、糖アルコールは、約0.01%w/vないし約20%w/vの濃度範囲で存在する。いくつかの実施態様では、糖は、糖アルコールと組み合わされて存在し、糖は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.5%w/vないし約10%w/v、約0.5%w/vないし約7.5%w/v、約0.5%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約2.5%w/v、約0.5%w/vないし約1%w/v、約2.5%w/vないし約10%w/v、約2.5%w/vないし約7.5%w/v、約2.5%w/vないし約5%w/v、約1%w/vないし約2.5%w/v、約5%w/vないし約10%w/v、約5%w/vないし約7.5%w/vの濃度範囲で、または、約5%w/vで存在し、糖アルコールは、約0.01%w/vないし約10%w/v、約0.01%w/vないし約7.5%w/v、約0.01%w/vないし約5%w/v、約0.01%w/vないし約2.5%w/v、約0.01%w/vないし約1%w/v、約0.01%w/vないし約0.1%w/v、約0.01%w/vないし約0.05%w/v、約0.05%w/vないし約10%w/v、約0.05%w/vないし約7.5%w/v、約0.05%w/vないし約5%w/v、約0.05%w/vないし約2.5%w/v、約0.05%w/vないし約1%w/v、約0.05%w/vないし約0.1%w/v、約0.1%w/vないし約10%w/v、約0.1%w/vないし約7.5%w/v、約0.1%w/vないし約5%w/v、約0.1%w/vないし約2.5%w/v、約0.1%w/vないし約1%w/v、約0.5%w/vないし約10%w/v、約0.5%w/vないし約7.5%w/v、約0.5%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約2.5%w/v、約0.5%w/vないし約1%w/v、約1%w/vないし約10%w/v、約1%w/vないし約7.5%w/v、約1%w/vないし約5%w/v、約1%w/vないし約2.5%w/vの濃度範囲で、または、約0.1%w/vで存在する。いくつかの実施態様では、糖は、糖アルコールと組み合わされて存在し、ここで、糖は、約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.2%w/v、約0.3%w/v、約0.4%w/v、約0.5%w/v、約0.6%w/v、約0.7%w/v、約0.8%w/v、約0.9%w/v、約1%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約7.5%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約11%w/v、約12%w/v、約13%w/v、約14%w/v、約15%w/v、約16%w/v、約17%w/v、約18%w/v、約19%w/v、または約20%w/vの濃度で存在し、糖アルコールは、約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.2%w/v、約0.3%w/v、約0.4%w/v、約0.5%w/v、約0.6%w/v、約0.7%w/v、約0.8%w/v、約0.9%w/v、約1%w/v、約1.5%、約2%w/v、約2.5%、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約7.5%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約11%w/v、約12%w/v、約13%w/v、約14%w/v、約15%w/v、約16%w/v、約17%w/v、約18%w/v、約19%w/v、または約20%w/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、糖アルコールと組み合わせた糖は、約1%w/v未満のグリセロール、約0.5%未満のグリセロール、約0.1%未満のグリセロールの存在下で提供されるか、または、グリセロールの非存在下で提供される(%グリセロールは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中のグリセロール濃度を表す)。
【0175】
いくつかの例示的な実施態様では、ケーキ形成性賦形剤は、マンニトールと組み合わせたトレハロースである。そのような実施態様では、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中のトレハロースは、約0.01%w/vないし約20%w/vの濃度範囲で存在し、マンニトールは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に約0.01%w/vないし約20%w/vの濃度範囲で存在する。いくつかの実施態様では、トレハロースは、マンニトールと組み合わされて存在し、トレハロースは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.5%w/vないし約10%w/v、約0.5%w/vないし約7.5%w/v、約0.5%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約2.5%w/v、約0.5%w/vないし約1%w/v、約2.5%w/vないし約10%w/v、約2.5%w/vないし約7.5%w/v、約2.5%w/vないし約5%w/v、約1%w/vないし約2.5%w/v、約5%w/vないし約10%w/v、約5%w/vないし約7.5%w/vの濃度範囲で、または、約5%w/vで存在し、マンニトールは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.01%w/vないし約10%w/v、約0.01%w/vないし約7.5%w/v、約0.01%w/vないし約5%w/v、約0.01%w/vないし約2.5%w/v、約0.01%w/vないし約1%w/v、約0.01%w/vないし約0.1%w/v、約0.01%w/vないし約0.05%w/v、約0.05%w/vないし約10%w/v、約0.05%w/vないし約7.5%w/v、約0.05%w/vないし約5%w/v、約0.05%w/vないし約2.5%w/v、約0.05%w/vないし約1%w/v、約0.05%w/vないし約0.1%w/v、約0.1%w/vないし約10%w/v、約0.1%w/vないし約7.5%w/v、約0.1%w/vないし約5%w/v、約0.1%w/vないし約2.5%w/v、約0.1%w/vないし約1%w/v、約0.5%w/vないし約10%w/v、約0.5%w/vないし約7.5%w/v、約0.5%w/vないし約5%w/v、約0.5%w/vないし約2.5%w/v、約0.5%w/vないし約1%w/v、約1%w/vないし約10%w/v、約1%w/vないし約7.5%w/v、約1%w/vないし約5%w/v、約1%w/vないし約2.5%w/vの濃度範囲で、または、約0.1%w/vで存在する。いくつかの実施態様では、トレハロースは、マンニトールと組み合わされて存在し、ここで、トレハロースは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.2%w/v、約0.3%w/v、約0.4%w/v、約0.5%w/v、約0.6%w/v、約0.7%w/v、約0.8%w/v、約0.9%w/v、約1%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約7.5%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約11%w/v、約12%w/v、約13%w/v、約14%w/v、約15%w/v、約16%w/v、約17%w/v、約18%w/v、約19%w/v、または約20%w/vの濃度で存在し、マンニトールは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.2%w/v、約0.3%w/v、約0.4%w/v、約0.5%w/v、約0.6%w/v、約0.7%w/v、約0.8%w/v、約0.9%w/v、約1%w/v、約1.5%、約2%w/v、約2.5%、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約7.5%w/v、約8%w/v、約9%w/v、約10%w/v、約11%w/v、約12%w/v、約13%w/v、約14%w/v、約15%w/v、約16%w/v、約17%w/v、約18%w/v、約19%w/v、または約20%w/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、マンニトールと組み合わせたトレハロースは、約1%w/v未満のグリセロール、約0.5%未満のグリセロール、約0.1%未満のグリセロールの存在下で提供されるか、または、グリセロールの非存在下で提供される(%グリセロールは、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中のグリセロール濃度を表す)。
【0176】
他の実施態様では、本発明のためのケーキ形成性賦形剤として有用な物質は、任意のアミノ酸を含む。本発明において増量剤として例示的なアミノ酸は、純粋な分子としての、または製剤化された、アルギニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、メチオニン、システイン、プロリンおよびヒスチジンを、単独で、または組み合わせて、含む。
【0177】
他の実施態様では、増量剤は、デキストランおよびポリエチレングリコールなどのポリマーを含む。
【0178】
緩衝化剤
いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、緩衝化剤を含む。本発明における賦形剤として有用な緩衝化剤には、トリス酢酸、トリス塩基、トリス塩酸、リン酸アンモニウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸、リン酸ナトリウム、塩化亜鉛、アルギニン、およびヒスチジンが含まれる。いくつかの実施態様では、緩衝化剤には、塩酸、水酸化ナトリウム、およびメグルミンなどのpH調節剤が含まれる。
【0179】
可溶化剤
いくつかの実施態様では、適する可溶化剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、アルファシクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)などの錯体形成性の賦形剤が含まれる。界面活性剤は、また、ポリソルベート80およびツイーンなどの可溶化性の賦形剤としても含まれ得る。他の可溶化剤として当分野で知られている共溶媒も使用し得、それには、tert−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、エタノールおよびアセトンが含まれる。
【0180】
本発明における賦形剤として使用するための浸透圧調節剤には、グリセロール、塩化ナトリウム、スクロース、マンニトールおよびデキストロースが含まれる。崩壊温度調節剤には、デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、フィコールおよびゼラチンが含まれる。抗菌剤には、ベンジルアルコール、フェノール、m−クレゾール、メチルパラベン、エチルパラベン、チメロサールが含まれる。
【0181】
等張化剤
いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、等張化剤を含む。いくつかの実施態様では、等張化剤はグリセロールである。ある特定の実施態様では、等張化剤は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中または再構成時の水中油乳剤中に、約0.36%v/vの濃度で存在する。
【0182】
界面活性剤
いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、界面活性剤を含む。いくつかの実施態様では、界面活性剤はプルロニックF68である。いくつかの実施態様では、界面活性剤は、約100:1(油:界面活性剤)の割合で存在する。いくつかの実施態様では、界面活性剤は、約0.018%w/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、界面活性剤は、約0.0001%w/v、約0.0005%w/v、約0.001%w/v、約0.005%w/v、約0.01%w/v、約0.011%w/v、約0.012%w/v、約0.013%w/v、約0.014%w/v、約0.015%w/v、約0.016%w/v、約0.017%w/v、約0.018%w/v、約0.019%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、約0.1%w/v、約0.2%w/v、約0.3%w/v、約0.4%w/v、約0.5%w/v、約0.6%w/v、約0.7%w/v、約0.8%w/v、約0.9%w/v、または約1%w/vの濃度で存在する。本明細書に記載の百分率および割合は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤または再構成時の水中油乳剤における割合および百分率を表す。
【0183】
乳化剤
いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、乳化剤を含む。いくつかの実施態様では、乳化剤は、1、2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)である。いくつかの実施態様では、乳化剤はレシチンである。いくつかの実施態様では、乳化剤は、約1:5(乳化剤:油)の割合で存在する。いくつかの実施態様では、乳化剤は、約0.38%w/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、乳化剤は、約0.002%w/v、約0.005%w/v、約0.010%w/v、約0.015%w/v、約0.020%w/v、約0.025%w/v、約0.030%w/v、約0.035%w/v、約0.040%w/v、約0.045%w/v、約0.050%w/v、約0.055%w/v、約0.060%w/v、約0.065%w/v、約0.070%w/v、約0.075%w/v、約0.080%w/v、約0.085%w/v、約0.090%w/v、約0.095%w/v、約0.10%w/v、約0.15%w/v、約0.20%w/v、約0.25%w/v、約0.30%w/v、約0.35%w/v、約0.40%w/v、約0.45%w/v、約0.50%w/v、約0.55%w/v、約0.60%w/v、約0.65%w/v、約0.70%w/v、約0.75%w/v、約0.80%w/v、約0.85%w/v、約0.90%w/v、約0.95%w/v、約1%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約7.5%w/v、約8%w/v、約9%w/v、または、約10%w/vの濃度で存在する。本明細書に記載の百分率および割合は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤または再構成時の水中油乳剤における割合および百分率を表す。
【0184】
熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物において使用するためのアジュバント
本明細書で提供される発明のいくつかの態様では、本明細書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン)は、アジュバントを含む。いくつかの実施態様では、アジュバントは、単独で、例えば、治療剤の使用のために提供される。他の実施態様では、アジュバントは、抗原と組み合わせて提供される。免疫応答を改変する組成物において使用するためのアジュバントは、当分野で周知である。例えば、本明細書に記載の組成物において使用するためのアジュバントは、免疫賦活性アジュバント、送達アジュバント、無機アジュバントまたは有機アジュバントの1種またはそれ以上を含み得る。本明細書に記載の組成物において使用するためのアジュバントの非限定的な例は、とりわけ、Barouch D.H., 2008, Nature, 455(7213):613-9; Morrow et al., 2008, AIDS, 22(3):333-8; および McGeary et al., 2003, Peptide Sci., 9(7):405-18l に見出され得る。
【0185】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン)において使用されるアジュバントは、免疫賦活性アジュバントである。免疫賦活性アジュバントは、例えば、サイトカイン、TLRリガンドまたは微生物の毒素などの、免疫系に対して直接作用するアジュバントであり得る。本明細書におけるいくつかの実施態様では、アジュバントは、サイトカインアジュバントである。1種またはそれ以上のサイトカインが、本明細書に記載の組成物において、単独のアジュバントとして、または、1種またはそれ以上のさらなるアジュバントと組み合わせて、好適であり得る。適するサイトカインには、インターフェロン(IFN)、インターロイキン(IL)、ケモカイン、コロニー刺激因子、または、腫瘍壊死因子が含まれる。いくつかの実施態様では、インターフェロンは、I型IFN、II型IFNまたはIII型IFNである。いくつかの実施態様では、インターフェロンは、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、または、IFN−λ、および、これらからのサブタイプ(例えば、IFN−λ、IFN−λ2およびIFN−λ3)である。いくつかの実施態様では、サイトカインは、インターロイキンである。本明細書に記載の組成物におけるアジュバントとして使用できるインターロイキンの非限定的な例には、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、IL−35およびIL−36が含まれる。いくつかの実施態様では、サイトカインはケモカインである。いくつかの実施態様では、ケモカインは、CCケモカイン、CXCケモカイン、CケモカインまたはCX3Cケモカインである。本明細書に記載の組成物におけるアジュバントとして使用できるCCケモカインの非限定的な例には、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、およびCCL28が含まれる。本明細書に記載の組成物におけるアジュバントとして使用できるCXCケモカインの非限定的な例には、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、およびCXCL17が含まれる。いくつかの実施態様では、サイトカインはコロニー刺激因子である。いくつかの実施態様では、コロニー刺激因子は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、または、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)である。いくつかの実施態様では、サイトカインは、腫瘍壊死因子である。本明細書に記載の組成物におけるアジュバントとして使用できる腫瘍壊死因子ファミリータンパク質の非限定的な例には、TNF−αおよび4−1BBLが含まれる。
【0186】
いくつかの実施態様では、免疫賦活性アジュバントは、Toll様受容体(TLR)リガンド(例えば、TLRアゴニスト)である。1種またはそれ以上のTLRリガンドが、本明細書に記載の組成物において、単独のアジュバントとして、または、1種またはそれ以上のさらなるアジュバントと組み合わせて、好適であり得る。TLRは、多数の感染性病原体の内部または表面に存在し得るものなどの様々な保存された微生物の分子構造について宿主細胞に早期の認識能力を与える、自然免疫系の細胞表面膜貫通型受容体を含む(例えば、Armant et al., 2002 Genome Biol. 3(8):reviews3011.1-3011.6; Fearon et al., 1996 Science 272:50; Medzhitov et al., 1997 Curr. Opin. Immunol. 9:4; Luster 2002 Curr. Opin. Immunol. 14:129; Lien et al. 2003 Nat. Immunol. 4:1162; Medzhitov, 2001 Nat. Rev. Immunol. 1:135; Takeda et al., 2003 Ann Rev Immunol. 21:335; Takeda et al. 2005 Int. Immunol. 17:1; Kaisho et al., 2004 Microbes Infect. 6:1388; Datta et al., 2003 J. Immunol. 170:4102)。
【0187】
自然免疫系を介する免疫反応の開始を強化するTLRに媒介されるシグナル伝達の誘導は、細胞表面のTLRに結合するTLRアゴニスト(即ち、TLRリガンド)により実行され得る。例えば、リポ多糖類(LPS)は、TLR2またはTLR4を介するTLRアゴニストであり得る(Tsan et al., 2004 J. Leuk. Biol. 76:514; Tsan et al., 2004 Am. J. Physiol. Cell Physiol. 286:C739; Lin et al., 2005 Shock 24:206);ポリ(イノシン−シチジン)(polyI:C)は、TLR3を介するTLRアゴニストであり得る(Salem et al., 2006 Vaccine 24:5119);CpG配列(非メチル化シトシン−グアノシンを含有するオリゴデオキシヌクレオチドまたは「CpG」ジヌクレオチドモチーフ、例えば、CpG7909、Cooper et al., 2005 AIDS 19:1473;CpG10101、Bayes et al. Methods Find Exp Clin Pharmacol 27:193; Vollmer et al. Expert Opinion on Biological Therapy 5:673; Vollmer et al., 2004 Antimicrob. Agents Chemother. 48:2314; Deng et al., 2004 J. Immunol. 173:5148)は、TLR9を介するTLRアゴニストであり得る(Andaloussi et a., 2006 Glia 54:526; Chen et al., 2006 J. Immunol. 177:2373);ペプチドグリカンは、TLR2および/またはTLR6アゴニストであり得る(Soboll et al., 2006 Biol. Reprod. 75:131; Nakao et al., 2005 J. Immunol. 174:1566);3M003(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−α,α−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール水和物、分子量318Da、3M Pharmaceuticals, St. Paul, MNより、関連化合物3M001および3M002の供給源でもある;Gorden et al., 2005 J. Immunol. 174:1259)は、TLR7アゴニスト(Johansen 2005 Clin. Exp. Allerg. 35:1591)および/またはTLR8アゴニスト(Johansen 2005)であり得る;フラゲリンは、TLR5アゴニストであり得る(Feuillet et al., 2006 Proc. Nat. Acad. Sci. USA 103:12487);プロフィリンは、TLR11アゴニストであり得る(Hedhli et al., 2009, Vaccine, 27(16):2274-87);リポペプチドは、TLR1、TLR2および/またはTLR6アゴニストであり得る(Gao et al., 2013, Vaccine, 31(26):2796-803);そして、C型肝炎抗原は、TLR7および/またはTLR9を介してTLRアゴニストとして作用し得る(Lee et al., 2006 Proc. Nat. Acad. Sci. USA 103:1828; Horsmans et al., 2005 Hepatol. 42:724)。他のTLRアゴニストが知られており(例えば、Schirmbeck et al., 2003 J. Immunol. 171:5198)、本明細書に記載の実施態様のいずれかに従って使用し得る。
【0188】
例えば、そして背景として(例えば、米国特許第6,544,518号参照)、非メチル化CpGジヌクレオチド(「CpG」)を含有する免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、全身および粘膜の経路で投与されると、アジュバントであると知られている(WO96/02555、EP468520、Davis et al., J. Immunol, 1998. 160(2):870-876; McCluskie and Davis, J. Immunol., 1998, 161(9):4463-6)。CpGは、DNA中に存在するシトシン−グアノシンジヌクレオチドモチーフの略号である。免疫刺激におけるCGモチーフの中心的役割は、Krieg, Nature 374, p546 1995 により解明された。詳細な分析は、CGモチーフはある種の配列の文脈中に存在しなければならず、そのような配列は細菌のDNA中で一般的であるが、脊椎動物のDNAにはまれであることを示した。免疫賦活性配列は、しばしば、プリン、プリン、C、G、ピリミジン、ピリミジンであるが(ここで、ジヌクレオチドCGモチーフはメチル化されていない)、他の非メチル化CpG配列が免疫賦活性であると知られており、本発明のある種の実施態様で使用され得る。CpGは、ワクチンに製剤化されるとき、遊離溶液中で遊離抗原と共に投与され得るか(WO96/02555;McCluskie and Davis, 前出)、または、抗原に共有結合するか(PCT公開番号WO98/16247)、または、水酸化アルミニウムなどの担体と共に製剤化される(例えば、Davis et al. 前出, Brazolot-Millan et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 1998, 95(26), 15553-8)。
【0189】
いくつかの実施態様では、本発明のアジュバントとして使用するためのオリゴヌクレオチドは、少なくとも3個、より好ましくは少なくとも6個またはそれ以上のヌクレオチドで隔てられている2個またはそれ以上のジヌクレオチドCpGモチーフを含む。本発明のオリゴヌクレオチドは、典型的にはデオキシヌクレオチドである。好ましい実施態様では、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド間はホスホロジチオエート、または、より好ましくはホスホロチオエート結合であるが、雑多なヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドを含め、ホスホジエステルおよび他のヌクレオチド間結合が本発明の範囲内にある。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドまたはホスホロジチオエートの製造方法は、米国特許第5,666,153号、第5,278,302号およびWO95/26204に記載されている。
【0190】
好ましいオリゴヌクレオチドの例は、以下の刊行物に開示される配列を有する;本明細書で開示されるある種の実施態様について、配列は、好ましくはホスホロチオエートで改変されたヌクレオチド間結合を含む:(1)CPG7909: Cooper et al., "CPG 7909 adjuvant improves hepatitis virus vaccine seroprotection in antiretroviral-treated HIV-infected adults." AIDS, 2005 Sep 23;19(14):1473-9;(2)CpG10101: Bayes et al., "Gateways to clinical trials." Methods Find. Exp. Clin. Pharmacol. 2005 Apr;27(3):193-219; および(3)Vollmer J., "Progress in drug development of immunostimulatory CpG oligodeoxynucleotide ligands for TLR9." Expert Opinion on Biological Therapy. 2005 May; 5(5): 673-682。
【0191】
代替的なCpGオリゴヌクレオチドは、上記の刊行物に記載の好ましい配列の変異体を含み得、それは、重要ではないヌクレオチド配列の置換、挿入、欠失および/または付加を有する点で異なる。本発明のある種の実施態様で利用されるCpGオリゴヌクレオチドは、当分野で知られるいかなる方法により合成してもよい(例えば、EP468520)。好都合には、そのようなオリゴヌクレオチドは、自動合成機を利用して合成し得る。オリゴヌクレオチドは、典型的には、デオキシヌクレオチドである。好ましい実施態様では、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチド間結合は、ホスホロジチオエート、または、より好ましくはホスホロチオエート結合であるが、ホスホジエステルも本発明で企図する実施態様の範囲内にある。異なるヌクレオチド間結合を含むオリゴヌクレオチドも企図され、例えば、ホスホロチオエートとホスホジエステルの混合である。オリゴヌクレオチドを安定化する他のヌクレオチド間結合も使用し得る。
【0192】
ある種の実施態様では、アジュバントはTLR4アゴニストである。いくつかの実施態様では、本発明の組成物で使用されるTLR4アゴニストは、米国特許出願公開第2007/021017号、第2009/045033号、第2010/037466号および第2010/0310602号明細書(これらの全体を引用により本明細書の一部とする)に記載されているものなどの、グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)を含む。
【0193】
例えば、ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化3】
[式中、
L
1、L
2、L
3、L
4、L
5およびL
6は、同一であるかまたは異なり、独立して、−O−、−NH−または−(CH
2)−であり;
L
7、L
8、L
9およびL
10は、同一であるかまたは異なり、独立して、存在しないか、または、−C(=O)−であり;
Y
1は酸の官能基であり;
Y
2およびY
3は、同一であるかまたは異なり、独立して、−OH、−SHまたは酸の官能基であり;
Y
4は、−OHまたは−SHであり;
R
1、R
3、R
5およびR
6は、同一であるかまたは異なり、独立して、C
8−13アルキルであり;そして、
R
2およびR
4は、同一であるかまたは異なり、独立して、C
6−11アルキルである]
を有する合成GLAアジュバントまたはその医薬的に許容し得る塩である。
【0194】
合成GLA構造のいくつかの実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6は、C
10アルキルであり;そして、R
2およびR
4は、C
8アルキルである。ある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6は、C
11アルキルであり;そして、R
2およびR
4は、C
9アルキルである。
【0195】
例えば、ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化4】
を有する合成GLAアジュバントである。
【0196】
特定の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6は、C
11−C
20アルキルであり;R
2およびR
4は、C
12−C
20アルキルである。
【0197】
別の特定の実施態様では、GLAは、R
1、R
3、R
5およびR
6がC
11アルキルであり;R
2およびR
4がC
13アルキルである、上記の式を有する。
【0198】
別の特定の実施態様では、GLAは、R
1、R
3、R
5およびR
6がC
10アルキルであり;R
2およびR
4がC
8アルキルである、上記の式を有する。
【0199】
別の特定の実施態様では、GLAは、R
1、R
3、R
5およびR
6がC
11−C
20アルキルであり;R
2およびR
4がC
9−C
20アルキルである、上記の式を有する。ある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6はC
11アルキルであり;R
2およびR
4はC
9アルキルである。
【0200】
ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化5】
を有する合成GLAアジュバントである。
【0201】
上記のGLA構造のある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6はC
11−C
20アルキルであり;R
2およびR
4はC
9−C
20アルキルである。ある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6はC
11アルキルであり;R
2およびR
4はC
9アルキルである。
【0202】
ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化6】
を有する合成GLAアジュバントである。
【0203】
上記のGLA構造のある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6はC
11−C
20アルキルであり;R
2およびR
4はC
9−C
20アルキルである。ある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6はC
11アルキルであり;R
2およびR
4はC
9アルキルである。
【0204】
ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化7】
を有する合成GLAアジュバントである。
【0205】
上記のGLA構造のある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6はC
11−C
20アルキルであり;R
2およびR
4はC
9−C
20アルキルである。ある種の実施態様では、R
1、R
3、R
5およびR
6はC
11アルキルであり;R
2およびR
4はC
9アルキルである。
【0206】
ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化8】
を有する合成GLAアジュバントである。
【0207】
ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化9】
を有する合成GLAアジュバントである。
【0208】
ある種の実施態様では、TLR4アゴニストは、以下の構造:
【化10】
を有する合成GLAアジュバントである。
【0209】
別の実施態様では、本発明の組成物で使用されるアジュバントは、弱毒化リピドA誘導体(ALD)である。ALDは、リピドAより少ないか、または異なる有害作用を示すように改変または構築された、リピドA様分子である。これらの有害作用には、発熱性、局所的シュワルツマン反応性、および、ニワトリ胚50%致死量アッセイ(CELD50)で評価される毒性が含まれる。本発明に従って有用なALDには、モノホスホリルリピドA(MLA)および3−脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MLA)が含まれる。MLAおよび3D−MLAは公知であり、本明細書で詳細に記載する必要はない。例えば、モノホスホリルリピドAおよびその製造を開示する、1984年3月13日発行の Ribi ImmunoChem Research, Inc. に譲渡された米国特許第4,436,727号を参照されたい。Myersらの米国特許第4,912,094号および再審査証明書(B1)米国特許第4,912,094号も Ribi ImmunoChem Research, Inc. に譲渡され、3−脱アシル化モノホスホリルリピドAおよびその製造方法を例示する。
【0210】
いくつかの実施態様では、イミダゾキノリンおよび他の免疫応答修飾物質などの応答修飾物質が当分野で知られており、本明細書で開示されるある種の実施態様において、これらもアジュバントとして含まれ得る。ある種の好ましいイミダゾキノリン免疫応答修飾物質には、非限定的な例として、レシキモド(resiquimod)(R848)、イミキモドおよびガーディキモド(Hemmi et al., 2002 Nat. lmmunol. 3:196; Gibson et al., 2002 Cell. Immunol. 218:74; Gorden et al., 2005 J. lmmunol. 174:1259)が含まれる;これらおよび他のイミダゾキノリン免疫応答修飾物質は、適切な条件下で、本明細書に記載のTLRアゴニスト活性も有し得る。他の免疫応答修飾物質は、核酸をベースとする二重ステムループ免疫修飾物質(dSLIM)である。本明細書に開示される実施態様のいくつかでの使用が企図されるdSLIMの具体例は、Schmidt et al., 2006 Allergy 61:56; Weihrauch et al. 2005 Clin Cancer Res. 11(16):5993-6001; Modern Biopharmaceuticals, J. Knaeblein (Editor). John Wiley & Sons, December 6, 2005.(183〜200頁で議論されているdSLIM)およびMologen AG (Berlin, FRG: [オンラインで8/18/06に検索、mologen.com/English/04.20-dSLIM.shtmlでインターネットを参照])に見出すことができる。
【0211】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物中で使用されるアジュバントは、細菌または植物に由来する多糖体である。単独で、または1種またはそれ以上のさらなるアジュバントと共に本明細書に記載の組成物中で使用できる、多糖体をベースとするアジュバントの非限定的な例には、グルカン類(例えば、ベータグルカン類)、デキストラン類(例えば、硫酸化およびジエチルアミノエチル−デキストラン類)、グルコマンナン類、ガラクトマンナン類、レバン類、キシラン類、フルクタン類(例えば、イヌリン)、キトサン、エンドトキシン類(例えば、リポ多糖)、バイオブラン(biobran)MGN−3、アクチニディア・エリアンタ(Actinidia eriantha)由来の多糖類、エルデキソマー(eldexomer)およびそれらの変形物が含まれる。
【0212】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物中で使用されるアジュバントは、プロテアソームまたはそのサブユニットである。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物中で使用されるアジュバントは、リジンコアの周囲に集合した同一または異なる抗原性ペプチド配列を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物中で使用されるアジュバントは、毒素(例えば、細菌性毒素)である。いくつかの実施態様では、毒素は、大腸菌、コレラ菌、百日咳菌およびパラ百日咳菌からなる群から選択される1種またはそれ以上の細菌に由来する。
【0213】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン)中で使用されるアジュバントは、送達用アジュバントである。送達用アジュバントは、アジュバントとして働くことができ、かつ/または、抗原を送達できる。単独で、または1種またはそれ以上のさらなるアジュバントと共に本明細書に記載の組成物中で使用できるアジュバントの非限定的な例には、鉱物塩(例えば、リン酸カルシウム)、乳剤(例えば、水中のスクアレン)、リポソーム(例えば、DPPC:コレステロールリポソーム)、ビロソーム(例えば、免疫強化再構成インフルエンザビロソーム)およびミクロスフェアが含まれる。
【0214】
ある種の本明細書で開示される実施態様に従って使用するための他のアジュバントには、ブロック共重合体または生物分解性ポリマーが含まれる。これらは、関連分野の当業者によく知られているであろう重合性化合物のクラスを表す。本明細書に記載の組成物に含まれ得るブロック共重合体または生物分解性ポリマーの例には、プルロニック
(登録商標)L121(BASF Corp., Mount Olive, NJ;例えば、Yeh et al., 1996 Pharm. Res. 13:1693;米国特許第5,565,209号を参照されたい)、CRL1005(例えば、Triozzi et al., 1997 Clin Canc. Res. 3:2355)、ポリ(乳酸−グリコール酸)共重合体(PLGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ−(D,L−ラクチド−コ−グリコシド)(PLG)、および、ポリ:Cが含まれる。(例えば、Powell and Newman, "Vaccine design - The Subunit and Adjuvant Approach", 1995, Plenum Press, New York を参照されたい)
【0215】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン)中で使用されるアジュバントは、有機アジュバントである。有機アジュバントは、生物に由来するアジュバントまたは化学的に炭素を含むアジュバントであり得る。いくつかの実施態様では、アジュバントは、微生物の細胞壁に由来するペプチド(例えば、ムラミルジペプチドおよびその変異体)である。いくつかの実施態様では、アジュバントは、トレハロース6,6'−ジミコール酸またはその変異体である。Schweneker et al., 2013, Immunobiology, 218(4):664-73 を参照されたい。いくつかの実施態様では、アジュバントはステアリルチロシンである。
【0216】
QS21、および、同様の効果を与え、本明細書でQS21模倣物と称される構造的に関連する化合物を含む、サポニン類およびサポニン模倣物(例えば、米国特許第5,057,540号;EP0362279B1;WO95/17210を参照されたい)、トマチンなどの植物アルカロイド、サポニン、ポリソルベート80、Span 85 およびステアリルチロシンなど(しかし、これらに限定されない)の界面活性剤、イミダゾキノリン免疫応答修飾物質、および二重ステムループ免疫修飾物質(dSLIM、例えば、Weeratna et al., 2005 Vaccine 23:5263)は、本明細書に記載の実施態様のいくつかに従って、アジュバントとして使用し得る。
【0217】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物中で使用されるアジュバントは、サポニンまたはサポニン模倣物である。サポニン類を含む界面活性剤は、例えば、米国特許第6,544,518号;Lacaille-Dubois, M and Wagner H. (1996 Phytomedicine 2:363-386)、米国特許第5,057,540号、Kensil, Crit Rev Ther Drug Carrier Syst, 1996, 12 (1-2):1-55、およびEP0362279B1で教示されている。Quil A(サポニン)の画分を含む免疫刺激複合体(ISCOMS)と呼ばれる粒子状構造は、溶血性であり、ワクチンの製造に使用されてきた(Morein, B., EP0109942B1)。これらの構造はアジュバント活性を有すると報告された(EP0109942B1;WO96/11711)。溶血性サポニン類のQS21およびQS17(Quil AのHPLC精製画分)は、強力な全身性アジュバントとして記載され、その製造方法は、米国特許第5,057,540号およびEP0362279B1に開示されている。QS21は、シャボンノキ(Quillaja Saponaria Molina)の樹皮に由来する、HPLC精製された非毒性画分を含み得る。QS21の製造は、米国特許第5,057,540号に記載されている。(米国特許第6,936,255号、第7,029,678号および第6,932,972号も参照されたい。)これらの文献には、全身性ワクチンの強力なアジュバントとして作用するQS7(Quil−Aの非溶血性画分)の使用も記載されている。QS21の使用は、さらに、Kensil et al.(1991. J. Immunology 146:431-437)に記載されている。QS21とポリソルベートまたはシクロデキストリンの組合せも知られている(WO99/10008)。QS21およびQS7などのQuilAの画分を含む粒子性アジュバントの系は、WO96/33739およびWO96/11711に記載されている。全身性ワクチン接種の研究で使用されてきた他のサポニン類には、カスミソウ属(Gypsophila)およびサボンソウ属(Saponaria)などの他の植物種に由来するものが含まれる(Bomford et al., Vaccine, 10(9):572-577, 1992)。
【0218】
いくつかの実施態様では、アジュバントは、例えば、Iscotec (Stockholm, Sweden) おおびCSL Ltd. (Parkville, Victoria, Australia)から購入可能なサポニン由来のISCOMATRIX
(登録商標)を含む、ISCOMSとして知られる「免疫刺激複合体」(例えば、米国特許第6,869,607号、第6,846,489号、第6,027,732号、第4,981,684号)である。
【0219】
エスチンは、本明細書に開示の実施態様のアジュバント組成物において使用するための、サポニンに関連する他の界面活性剤である。エスチンは、マロニエ、セイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum)の種子に生じるサポニンの混合物として、Merck index(第12版:登録3737)に記載されている。クロマトグラフィーおよび精製による(Fiedler, Arzneimittel-Forsch. 4, 213 (1953))、そして、イオン交換樹脂による(Erbring et al., 米国特許第3,238,190号)その単離が記載されている。エスチンの画分(アエスチン(aescin)としても知られる)が精製され、生物学的に活性であると示された(Yoshikawa M, et al. (Chem Pharm Bull (Tokyo) 1996 August;44(8): 1454-1464))。ジギトニンはもう1つの界面活性剤であり、これもMerck index(第12版、登録3204)にサポニンとして記載されており、ジキタリス(Digitalis purpurea)の種子に由来し、Gisvold et al., J. Am. Pharm.Assoc., 1934, 23, 664; and Rubenstroth-Bauer, Physiol. Chem., 1955, 301, 621 に記載の方法に従って精製される。
【0220】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン)に用いられるアジュバントは、無機アジュバントである。無機アジュバントは、一般的に、例えば鉱物塩、乳剤、およびリン酸カルシウムのような、炭素をベースとしないアジュバントであり得る。本明細書で企図される鉱物塩アジュバントは、限定されないが、リン酸アルミニウムや水酸化アルミニウムのようなアルミニウムをベースとする化合物を含む。本明細書で使用するとき、リン酸カルシウムアジュバントは、限定されないが、オルトリン酸(PO43−)、メタリン酸(PO3−)、またはピロリン酸(P2O74−)と共にカルシウムイオン(Ca2+)を含む。
【0221】
また前述したように、本明細書に記載の組成物において使用されるアジュバントの1種は、一般的には「アラム」と呼ばれる、アルミニウムアジュバントであってもよい。アラムアジュバントは、以下に基づいている:オキシ水酸化アルミニウム;ヒドロキシリン酸アルミニウム;または様々な専売の塩(proprietary salt)。アラムアジュバントを用いるワクチンは、破傷風株、HPV、A型肝炎、不活化ポリオウイルス、および本明細書に記載の他の抗原に対するワクチンを含み得る。アラムアジュバントは、良好な安全記録があり、抗体応答を増強し、抗原を安定化し、大量生産が比較的簡単であるため、有利である。(Edelman 2002 Mol. Biotechnol. 21:129-148; Edelman, R. 1980 Rev. Infect. Dis. 2:370-383.)。
【0222】
いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、アジュバントを含む。いくつかの実施態様では、アジュバントはTLR4アゴニストである。いくつかの実施態様では、アジュバントは、約0.5μg/mLないし約12mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、アジュバントは、約0.5μg/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、約3μg/mL、約4μg/mL、約5μg/mL、約6μg/mL、約7μg/mL、約8μg/mL、約9μg/mL、約10μg/mL、約20μg/mL、約30μg/mL、約40μg/mL、約50μg/mL、約60μg/mL、約70μg/mL、約80μg/mL、約90μg/mL、または約100μg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、アジュバントは、本明細書に記載のMPLまたはGLAである。いくつかの実施態様では、アジュバントは、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL、または約12mg/mLの濃度で存在する。
【0223】
本明細書に記載のある種の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物)において使用するための好適なアジュバントは、例えば、フロイント不完全アジュバントおよび完全アジュバント (Difco Laboratories, Detroit, Mich.); Merck アジュバント 65 (Merck and Company, Inc., Rahway, N.J.); AS-2およびその誘導体(SmithKline Beecham, Philadelphia, Pa.); AddaVax (InvivoGen); MF59 (Norvartis); AS03 (GlaxoSmithKline); AS01B (GlaxoSmithKline); AS02A (GlaxoSmithKline)などの市販のアジュバントを含む。
【0224】
本明細書で提供されるいくつかの実施態様は、1種のアジュバントと、そのアジュバントと異なる少なくとももう1種のアジュバントを含む組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物)を含む。例えば、本明細書で提供される組成物は、GLAとGLA以外の第二のアジュバントとを含んでもよい。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される組成物は、2種、3種、4種、または5種のアジュバントを含む。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される組成物は、2種のアジュバントを含む。
【0225】
本明細書に記載のアジュバントは、ヒト(例えば、ヒト患者)、非ヒト霊長類、哺乳類または認識された免疫系を持つ別の高等真核生物などの対象に投与される場合、免疫応答の効力や寿命を変化させる(すなわち、統計的に有意に増加または減少させる、および、ある種の実施態様では、増強または増加させる)ことができるアジュバントを含む。(例えば、 Powell and Newman, "Vaccine design - The Subunit and Adjuvant Approach", 1995, Plenum Press, New Yorkを参照)。本明細書で開示されるある種の実施態様において、GLA、所望の抗原、および場合により1種またはそれ以上のアジュバントが、所望の抗原に対する免疫応答を変化させる、例えば、誘発または増強することができる。
【0226】
熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物において使用するための抗原
いくつかの実施態様では、熱安定性ワクチン組成物は、宿主において、抗原に対する免疫活性または免疫応答を、誘発または増強するために使用される。
【0227】
いくつかの実施態様では、抗原は、自己免疫抗原、アレルゲン、または癌の抗原のように、宿主において、すでに存在していてもよく、ワクチン組成物は安定な乳剤のみを含んでもよく、投与されるとすでに対象に存在している抗原に対する免疫活性を誘発または増強するアジュバントを、場合により含んでもよい。本明細書で使用するとき、すでに宿主に存在する抗原に対する免疫応答を誘発する熱安定性凍結乾燥乳剤およびアジュバントを含むワクチン組成物の投与は、単独療法である。
【0228】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のワクチン組成物は、1種またはそれ以上の抗原を含む。
【0229】
当該組成物を作成および使用するための、本明細書に記載の組成物および方法のある種の実施態様で使用するための抗原は、対象における免疫反応性の誘起または増強が望まれる任意の標的エピトープ、分子(生体分子を含む)、分子複合体(生体分子を含有する分子複合体を含む)、細胞内集合体、細胞または組織であり得る。頻繁に、抗原の用語は、関心のあるポリペプチド抗原を表す。しかしながら、抗原は、本明細書で使用するとき、関心のあるポリペプチド抗原をコードする組換えコンストラクト(例えば、発現コンストラクト)も表し得る。ある種の好ましい実施態様では、抗原は、感染、癌、自己免疫疾患、アレルギー、喘息または抗原特異的免疫反応の刺激が望ましいか、または有利である他の状態と関連する感染性病原体および/またはエピトープ、生体分子、細胞または組織であり得るか、または、これらに由来し得るか、または、これらと免疫学的に交差反応性であり得る。
【0230】
いくつかの実施態様では、抗原は、対象の免疫活性を、所望のレベルで誘発または増強するのに十分ないずれの濃度で存在してもよい。いくつかの実施態様では、抗原は、約0.1μg/mLないし約50μg/mL、約1μg/mLないし約50μg/mL、約2.5μg/mLないし約50μg/mL、約5μg/mLないし約50μg/mL、約10μg/mLないし約50μg/mL、0.1μg/mLないし約25μg/mL、約1μg/mLないし約25μg/mL、約2.5μg/mLないし約25μg/mL、約5μg/mLないし約25μg/mL、約10μg/mLないし約25μg/mL、0.1μg/mLないし約10μg/mL、約1μg/mLないし約10μg/mL、約2.5μg/mLないし約10μg/mL、約5μg/mLないし約10μg/mL、0.1μg/mLないし約5μg/mL、約1μg/mLないし約5μg/mL、約2.5μg/mLないし約5μg/mL、0.1μg/mLないし約2.5μg/mL、約1μg/mLないし約2.5μg/mL、または約0.1μg/mLないし約1μg/mLの濃度範囲で存在してもよい。提供された濃度は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤中、または、再構成時の水中油乳剤中のいずれかにおける抗原の濃度を表す。
【0231】
ある種の実施態様では、本発明書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物)は、ヒトまたは他の哺乳動物の病原体に対して免疫反応を誘起できる抗原または抗原組成物を含み、その抗原または抗原組成物は、ウイルスに由来する組成物、例えばHIV−1由来(tat、nef、gp120またはgp160など)、ヒトヘルペスウイルス、例えばgDまたはその誘導体、または、最初期タンパク質、例えばHSV1またはHSV2のICP27、サイトメガロウイルス((特にヒト)(例えば、gBまたはその誘導体)、ロタウイルス(弱毒生ウイルスを含む)、エプスタイン・バーウイルス(例えばgp350またはその誘導体)、水痘帯状疱疹ウイルス(例えば、gpI、IIおよびIE63)、または、B型肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎表面抗原またはその誘導体)、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスおよびE型肝炎ウイルスなどの肝炎ウイルス由来、または、パラミクソウイルスなどの他のウイルス性病原体由来:呼吸器多核体ウイルス(例えば、FおよびGタンパク質またはその誘導体)、パラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、おたふく風邪ウイルス、ヒトパピローマウイルス(例えば、HPV6、11、16、18など)、フラビウイルス(例えば、黄熱病ウイルス、デングウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス)またはインフルエンザウイルス(生きている、または不活性化されたウイルス全体、分割したインフルエンザウイルス、卵またはMDCK細胞で増殖させたもの、または、インフルエンザのビロソーム全体(Gluck, Vaccine, 1992, 10, 915-920 に記載)、または、その精製または組換えタンパク質、例えば、HA、NP、NAまたはMタンパク質、またはこれらの組合せ)を含み得る。
【0232】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物)は、ヒトまたは他の哺乳動物の病原体に対して免疫反応を誘起できる抗原または抗原組成物を含有し、その抗原または抗原組成物は、1種またはそれ以上の細菌性病原体、例えば、淋菌(N. gonorrhea)および髄膜炎菌(N. meningitidis)を含むナイセリア属の種(例えば、莢膜の多糖類およびそのコンジュゲート、トランスフェリン結合タンパク質、ラクトフェリン結合タンパク質、PilC、アドヘシン);化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)(例えば、Mタンパク質またはその断片、C5Aプロテアーゼ、リポテイコ酸)、ストレプトコッカス・アガラクチア(S. agalactiae)、ミュータンス菌(S. mutans):軟性下疳菌(H. ducreyi);カタル球菌(Branhamella catarrhalis)としても知られる、M. カタラーリス(catarrhalis)を含むモラクセラ属の種(例えば、高および低分子量アドヘシンおよびインベイシン);百日咳菌(B. pertussis)(例えば、パータクチン、百日咳毒素またはその誘導体、線維状赤血球凝集素、アデニル酸シクラーゼ、線毛)、B. パラパータシス(parapertussis)およびB. ブロンキセプチカ(bronchiseptica)を含むボルデテラ属の種;結核菌(M. tuberculosis)(例えば、ESAT6、抗原85A、BまたはC)、M. ボビス(bovis)、らい菌(M. leprae)、M. アビウム(avium)、ヨーネ菌(M. paratuberculosis)、M. スメグマチス(smegmatis)を含むマイコバクテリウム属の種;L. ニューモフィラ(pneumophila)を含むレジオネラ属の種;毒素原性大腸菌(enterotoxic E. coli)(例えば、定着因子、易熱性毒素またはその誘導体、耐熱性毒素またはその誘導体)、腸管出血性大腸菌(enterohemorragic E. coli)、腸管病原性大腸菌(enteropathogenic E. coli)(例えば、志賀毒素様毒素またはその誘導体)を含むエシェリキア属の種;コレラ菌(V. cholera)を含むビブリオ属の種(例えば、コレラ毒素またはその誘導体);S. ソネイ(sonnei)、志賀赤痢菌(S. dysenteriae)、S. フレックスネリ(flexnerii)を含むシゲラ属の種;エンテロコリチカ菌(Y. enterocolitica)(例えば、Yopタンパク質)、ペスト菌(Y. pestis)、Y. シュードツベルクローシス(pseudotuberculosis)を含むエルシニア属の種;ジェジュニ菌(C. jejuni)(例えば、毒素、アドへシンおよびインベイシン)およびC. コリ(coli)を含むカンピロバクター属の種;チフス菌(S. typhi)、パラチフス菌(S. paratyphi)、S. コレレスイス(choleraesuis)、腸炎菌(S. enteritidis)を含むサルモネラ属の種;L. モノサイトゲネス(monocytogenes)を含むリステリア属の種;ピロリ菌(H. pylori)(例えば、ウレアーゼ、カタラーゼ、空胞化毒素)を含むヘリコバクター属の種;緑膿菌(P. aeruginosa)を含むシュードモナス属の種;黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)を含むスタフィロコッカス属の種;フェカリス菌(E. faecalis)、フェシウム菌(E. faecium)を含むエンテロコッカス属の種;C. テタニ(tetani)(例えば、破傷風毒素およびその誘導体)、C. ボツリヌム(botulinum)(例えば、ボツリヌス毒素およびその誘導体)、C. ディフィシル(difficile)(例えば、クロストリジウム毒素AまたはBおよびその誘導体)を含むクロストリジウム属の種;炭疽菌(B. anthracis)(例えば、ボツリヌス毒素およびその誘導体)を含むバチルス属の種;ジフテリア菌(C. diphtheriae)(例えば、ジフテリア毒素およびその誘導体)を含むコリネバクテリウム属の種;ライム病菌(B. burgdorferi)(例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. ガリニ(garinii)(例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. アフゼリ(afzelii)(例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. アンデルソニ(andersonii)(例えば、OspA、OspC、DbpA、DbpB)、B. ヘルムシ(hermsii)を含むボレリア属の種;E. エクイ(equi)を含むエーリキア属の種およびヒト顆粒球エーリキア症の物質;R. リケッチイ(rickettsii)を含むリケッチア属の種;トラコーマクラミジア(C. trachomatis)(例えば、MOMP、ヘパリン結合タンパク質)、肺炎クラミジア(C. pneumoniae)(例えば、MOMP、ヘパリン結合タンパク質)、オウム病クラミジア(C. psittaci)を含むクラミジア属の種;L. インターロガンス(interrogans)を含むレプトスピラ属の種;梅毒トレポネーマ(T. pallidum)(例えば、微量外膜タンパク質(rare outer membrane proteins))、T. デンティコラ(denticola)、T. ヒオディセンテリア(hyodysenteriae)を含むトレポネーマ属の種;または他の細菌性病原体に由来する組成物を含み得る。
【0233】
ある種の実施態様では、明細書に記載の組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物)は、ヒトまたは他の哺乳動物の病原体に対して免疫反応を誘起できる抗原または抗原組成物を含有し、その抗原または抗原組成物は、1種またはそれ以上の寄生生物、例えば、熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)を含むプラスモジウム属の種;トキソプラズマ原虫(T. gondii)(例えば、SAG2、SAG3、Tg34)を含むトキソプラズマ属の種;赤痢アメーバ(E. histolytica)を含むエントアメーバ属の種;ネズミバベシア(B. microti)を含むバベシア属の種;クルーズトリパノソーマ(T. cruzi)を含むトリパノソーマ属の種;ランブル鞭毛虫(G. lamblia)を含むジアルジア属の種;森林型熱帯リーシュマニア(L. major)を含むリーシュマニア属の種;P. カリニ(carinii)を含むニューモシスチス属の種;腟トリコモナス(T. vaginalis)を含むトリコモナス属の種;または、哺乳動物に感染できる蠕虫類、例えば:(i)線虫症(蟯虫(Enterobius vermicularis)、回虫(Ascaris lumbricoides)、鞭虫(Trichuris trichuria)、アメリカ鉤虫(Necator americanus)、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)、マレー糸状虫(Brugia malayi)、回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)、メジナ虫(Dracanculus medinensis)、旋毛虫(Trichinella spiralis)および糞線虫(Strongyloides stercoralis)を含むが、これらに限定されない);(ii)吸虫症(マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)、ビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)、メコン住血吸虫(Schistosoma mekongi)、肝吸虫(Opisthorchis sinensis)、肺吸虫(Paragonimus sp)、肝蛭(Fasciola hepatica)、ファスキオラ・マンガ(Fasciola magna)、ファスキオラ・ギガンチカ(Fasciola gigantica)を含むが、これらに限定されない);および(iii)条虫症(無鉤条虫(Taenia saginata)および有鉤条虫(Taenia solium)を含むが、これらに限定されない)に由来する組成物を含み得る(例えば、John, D.T. and Petri, W.A., Markell and Voge's Medical Parasitology-9
th Ed., 2006, WB Saunders, Philadelphia; Bowman, D.D., Georgis' Parasitology for Veterinarians-8
th Ed., 2002, WB Saunders, Philadelphia 参照)。従って、ある種の実施態様は、シストソーマ属の種、マンソン住血吸虫、ビルハルツ住血吸虫、および/または、日本住血吸虫に由来する抗原、または、酵母、例えば、C. アルビカンス(albicans)を含むカンジダ属の種;C. ネオフォルマンス(neoformans)を含むクリプトコッカス属の種に由来する抗原を含むワクチン組成物を企図し得る。
【0234】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物は、結核菌群のマイコバクテリウム属の種の異種ポリペプチドを少なくとも2つ含む。結核菌群のマイコバクテリウム属の種は、結核を引き起こすと伝統的に考えられている種、並びに、AIDS患者などの免疫不全の患者において結核および胚疾患を引き起こす日和見的および環境的なマイコバクテリウム属の種、例えば、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(Mtb)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、またはマイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)、マイコバクテリウム・セラツム(Mycobacterium celatum)、マイコバクテリウム・ゲナベンス(Mycobacterium genavense)、マイコバクテリウム・ヘモフィルム(Mycobacterium haemophilum)、マイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・シミエ(Mycobacterium simiae)、マイコバクテリウム・バカエ(Mycobacterium vaccae)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、およびマイコバクテリウム・スクロフラセウム(Mycobacterium scrofulaceum)を含む(例えば、 Harrison's Principles of Internal Medicine, volume 1, pp. 1004-1014 and 1019-1020参照)。マイコバクテリウム属の種由来の抗原の配列は、容易に利用可能である。例えば、結核菌の配列は、Cole et al., Nature 393:537 (1998)で見つけることができ、Wellcome Trust, Sanger Institute and Institut Pasteurによって維持されているものなどのウェブサイトにおいて、見つけることができる。
【0235】
本明細書に記載の組成物で使用し得る他の結核菌の特異的抗原は、例えば、Th Ra12、Tb H9、Tb Ra35、Tb38−1、Erd14、DPV、MTI、MSL、mTTC2およびhTCC1である(WO99/51748)。結核菌のタンパク質には、少なくとも2個、好ましくは3個の結核菌のポリペプチドが大型タンパク質に融合している融合タンパク質およびその変異体も含まれる。ある種の実施態様では、融合タンパク質には、Ra12−TbH9−Ra35、Erd14−DPV−MTI、DPV−MTI−MSL、Erd14DPV−MTI−MSL−mTCC2、Erd14−DPV−MTI−MSL、DPV−MTI−MSL−mTCC2、TbH9−DPV−MTIを含む(WO99151748)が含まれる。使用し得る他の抗原には、US2010/0129391およびWO2008/124647に記載の、抗原、抗原の組み合わせ、および融合タンパク質が含まれる。
【0236】
ある種の実施態様では、本明細書に記載の組成物は、2つまたはそれ以上の共有結合した結核菌抗原、またはその免疫原性フラグメントの組み合わせを含む、単離された融合タンパク質を含む。ここでは、抗原は、Rv0164、Rv0496、Rv2608、Rv3020、Rv3478、Rv3619、Rv3620、Rv1738、Rv1813、Rv3810、Rv2389、Rv2866、Rv3876、Rv0054、Rv0410、Rv0655、Rv0831、Rv1009、Rv1099、Rv1240、Rv1288、Rv1410、Rv1569、Rv1789、Rv1818、Rv1860、Rv1886、Rv1908、Rv2220、Rv2032、Rv2623、Rv2875、Rv3044、Rv3310、Rv3881、Rv0577、Rv1626、Rv0733、Rv2520、Rv1253、Rv1980、Rv3628、Rv1884、Rv3872、Rv3873、Rv1511、Rv3875、および前述の配列のいずれかに少なくとも90%の相同性のある抗原からなる群から選択される。
【0237】
ある種の実施態様では、本明細書に記載の組成物は、抗原Rv2608、Rv3619、Rv3620およびRv1813または、抗原の組み合わせに少なくとも90%の相同性のある配列を含む、ID93融合タンパク質を含む。別の実施態様では、組成物は、抗原の配列が結核菌由来である、抗原Rv2608、Rv3619、Rv3620およびRv1813を含む、ID93融合タンパク質を含む。別の実施態様では、ID93融合タンパク質は、配列番号1に記載の配列、または、当該配列に少なくとも90%の相同性のある配列を含む。いくつかの実施態様では、融合タンパク質は、配列番号2に記載の配列、または、当該配列に少なくとも90%の相同性のある配列を含む。いくつかの実施態様では、治療用ワクチンは、マイコバクテリウム属の抗原Rv2608、Rv3620およびRv1813の組み合わせまたはこの抗原の組み合わせに少なくとも90%の相同性のある配列を含む、融合タンパク質を含む。いくつかの実施態様では、マイコバクテリウム属の抗原Rv2608、Rv3620およびRv1813は、結核菌抗原Rv2608、Rv3620およびRv1813である。いくつかの実施態様では、融合タンパク質は、配列番号3または4に記載の配列、または、配列番号3または4に少なくとも90%の相同性のある配列を含む。いくつかの実施態様では、抗原Rv1813は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、抗原Rv3620は、配列番号6のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、抗原Rv2608は、配列番号7のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様では、抗原Rv3619は、配列番号8のアミノ酸配列を含む。当業者であれば、1つまたはそれ以上のN末端アミノ酸(シグナル配列など)を削除できることを理解するであろう。これらの配列は、US8,486,414に記載されており、これを引用により本明細書の一部とする。
【0238】
いくつかの実施態様では、本組成物は、Mtbタンパク質ファミリーに属する病原性関連(Rv2608、Rv3619、Rv3620)または潜伏期関連(Rv1813)の4つの抗原を含むID93融合タンパク質、または同タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、本内容は米国特許出願公開第2010/0129391に記載されている(特に、全体を引用により本明細書の一部とする)。
【0239】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物はクラミジア属の抗原を含む。クラミジア属の抗原には、例えば、高分子量タンパク質(High Molecular Weight Protein)(HWMP)(WO99/17741)、ORF3(EP366412)、および推定膜タンパク質(putative membrane proteins)(Pmps)が含まれる。組成物の他のクラミジア属の抗原は、WO99128475に記載の群から選択できる。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物は、肺炎球菌(S. pneumoniae)を含むストレプトコッカス属の種(例えば、莢膜の多糖類およびそのコンジュゲート、PsaA、PspA、PdB、ストレプトリジン、コリン結合タンパク質)およびタンパク質抗原のニューモリシン(Biochem Biophys Acta, 1989, 67, 1007; Rubins et al., Microbial Pathogenesis, 25, 337-342)、および、その変異体の解毒誘導体(WO90/06951;WO99/03884)に由来する抗原を含む。他の細菌の抗原は、インフルエンザ菌(H. influenzae)B型(例えばPRPおよびそのコンジュゲート)、莢膜非保有のインフルエンザ菌を含むヘモフィルス属の種に由来し、例えばOMP26、高分子量アドへシン、P5、P6、タンパク質Dおよびリポタンパク質Dおよびフィンブリンおよびフィンブリン由来ペプチド(米国特許第5,843,464号)またはその多コピー変異体もしくは融合タンパク質である。
【0240】
B型肝炎表面抗原の誘導体は、当分野で周知であり、とりわけ、欧州特許出願EP−A414374;EP−A−0304578およびEP198474に記載のPreS1、Pars2S抗原を含む。いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物は、HIV−1抗原、gp120、特にCHO細胞で発現されたものを含む。さらなる実施態様では、組成物は、上記定義のgD2tを含む。
【0241】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の組成物は、陰部疣贅の原因と考えられているヒトパピローマウイルス(HPV)(HPV6またはHPV11およびその他)、および、子宮頚癌の原因であるHPVウイルス(HPV16、HPV18およびその他)に由来する抗原を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、L1粒子またはカプソメア、および、HPV6およびHPV11タンパク質のE6、E7、L1およびL2から選択される1種またはそれ以上の抗原を含む融合タンパク質を含む、陰部疣贅の予防または治療用ワクチンである。ある種の融合タンパク質の形態は、WO96/26277に開示のL2E7およびGB9717953.5(PCT/EP98/05285)に開示のタンパク質D(1/3)−E7を含む。いくつかの実施態様では、組成物は、HPV16または18抗原を含む、HPV子宮頸感染または癌の予防または治療用ワクチンである。例えば、L1またはL2抗原の単量体、または、ウイルス様粒子(VLP)と共に与えられるL1またはL2抗原、VLPまたはカプソメア構造中に単独で与えられるL1単独のタンパク質である。そのような抗原、ウイルス様粒子およびカプソメアは、それら自体知られている。例えば、WO94/00152、WO94/20137、WO94/05792およびWO93/02184参照。
【0242】
さらなる初期タンパク質は、単独で、または融合タンパク質として含まれ得、例えば、E7、E2または好ましくはF5であり;いくつかの実施態様は、L1E7融合タンパク質を含むVLPを含む(WO96/11272)。いくつかの実施態様では、HPV16抗原は、タンパク質D担体と融合した初期タンパク質E6またはF7を含み、HPV16由来のタンパク質D−E6またはE7融合体を形成するか、またはそれらの組合せを含み;または、E6またはE7のL2との組合せを含む(WO96/26277)。あるいは、HPV16または18の初期タンパク質E6およびE7は、単一の分子、好ましくはタンパク質D−E6/E7融合体中に与えられ得る。そのような組成物(例えば、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物)は、場合により、HPV18由来のE6およびE7タンパク質の一方または両方を、好ましくはタンパク質D−E6またはタンパク質D−E7融合タンパク質またはタンパク質DE6/E7融合タンパク質の形態で含有し得る。本発明の組成物は、さらに、他のHPV株由来の、好ましくは株HPV31または33由来の抗原を含み得る。
【0243】
本発明の組成物は、さらに、マラリアを引き起こす寄生生物に由来する抗原を含み得る。例えば、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodia falciparum)からの抗原は、RTS,SおよびTRAPを含む。RTSは、B型肝炎表面抗原のpreS2部分の4個のアミノ酸を介してB型肝炎ウイルスの表面(S)抗原に連結している、熱帯熱マラリア原虫のスポロゾイト周囲(CS)タンパク質の実質的に全てのC末端部分を含むハイブリッドタンパク質である。その完全な構造は、英国特許出願番号9124390.7の優先権を主張する国際特許出願番号PCT/EP92/02591(WO93/10152として公開)に開示されている。酵母で発現されると、RTSはリポタンパク質粒子として産生され、HBVのS抗原と同時発現されると、RTS,Sとして知られる混合粒子を産生する。
【0244】
TRAP抗原は、国際特許出願番号PCT/GB89/00895(WO90/01496として公開)に記載されている。本発明のある実施態様は、抗原性調製物が、RTS,SおよびTRAP抗原の組合せを含むマラリアワクチンである。多段階のマラリアワクチンの成分の候補であると見込まれる他のマラリア原虫の抗原は、熱帯熱マラリア原虫のMSP1、AMA1、MSP3、EBA、GLURP、RAP1、RAP2、シクエストリン(Sequestrin)、PfEMP1、Pf332、LSA1、LSA3、STARP、SALSA、PfEXP1、Pfs25、Pfs28、PFS27125、Pfs16、Pfs48/45、Pfs230およびプラスモジウム属の種におけるこれらの類似体である。
【0245】
本明細書に開示するある種の実施態様は、例えば結核菌またはらい菌または他のマイコバクテリウム属などのアクチノバクテリア;サルモネラ属、ナイセリア属、ボレリア属、クラミジア属またはボルデテラ属のメンバーなどの細菌;単純ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、サイトメガロウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、肝炎ウイルス、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、呼吸器多核体ウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)およびサイトメガロウイルスなどのウイルス;HIV−1またはHIV−2などのHIV;C.アルビカンス、C. グラブラタ(glabrata)、C. クルセイ(krusei)、C. ルシタニアエ(lusitaniae)、C. トロピカリス(tropicalis)およびC. パラプローシス(parapsilosis)などのカンジダ属の種を含む、アスペルギルス属、ブラストミセス属、コクシジオイデス属およびニューモシスチス属または酵母などの真菌;原生動物などの寄生生物、例えば、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)および卵形マラリア原虫(P. ovale)を含むプラスモジウム属の種;またはアカントアメーバ属、赤痢アメーバ、アンギオストロンギルス属、マンソン住血吸虫、ビルハルツ住血吸虫、日本住血吸虫、クリプトスポリジウム属、アンシロストーマ属、赤痢アメーバ、大腸アメーバ(Entamoeba coli)、エントアメーバ・ディスパー(Entamoeba dispar)、エントアメーバ・ハルトマンニ(Entamoeba hartmanni)、エントアメーバ・ポレキ(Entamoeba polecki)、バンクロフト糸状虫、ジアルジア属およびリーシュマニア属の1種またはそれ以上などの他の寄生生物を含む、細菌、ウイルスまたは真菌などの少なくとも1種の感染性病原体に由来する抗原を企図する。
【0246】
例えば、ボレリア属の種に由来する抗原を含む組成物の実施態様では、抗原は、核酸、病原体に由来する抗原または抗原調製物、組換え的に産生されたタンパク質またはペプチドおよびキメラの融合タンパク質を含み得る。そのような抗原の1つはOspAである。OspAは、宿主細胞におけるその生合成のために脂質付加された形態にある完全長成熟タンパク質(Lipo−OspA)であり得るか、または、非脂質付加誘導体であり得る。そのような非脂質付加誘導体は、インフルエンザウイルスの非構造タンパク質(NS1)の最初の81個のN末端アミノ酸および完全なOspAタンパク質を有する非脂質付加NS1−OspA融合タンパク質を含み、そして、もう1つのMDP−OspAは、3個の追加的N末端アミノ酸を有するOspAの非脂質付加形態である。
【0247】
本明細書に記載の感染性病原体による感染を有するか、有するリスクがあると疑われる対象を同定するための組成物および方法は、当分野で知られている。
【0248】
例えば、細菌の結核菌は、結核(TB)を引き起こす。この細菌は通常は肺を攻撃するが、腎臓、脊椎および脳も攻撃できる。適正に処置されなければ、TB疾患は、致死的であり得る。この疾患は、感染した人がくしゃみまたは咳をすると、一人の人から他人に空気中で広がる。2003年には、14,000を超えるTBの症例が合衆国で報告された。
【0249】
結核は、一般的に長期の抗生物質治療の使用により制御できるが、そのような処置は、疾患の拡散を防止するには十分ではなく、起こり得る抗生物質耐性株の選択に関する懸念が存在する。感染した個体は、いくらかの期間にわたり、無症状であるが伝染性であり得る。加えて、処置計画に伴う服薬遵守は決定的であるが、患者の行動を監視するのは困難である。いくらかの患者は処置の過程を完遂せず、このことは、効果のない処置および薬剤耐性の発展を導き得る(例えば、米国特許第7,087,713号)。
【0250】
現在、生きている細菌によるワクチン接種が、結核に対する保護的免疫を誘導するのに最も有効な方法である。この目的で用いられる最も一般的なマイコバクテリアは、マイコバクテリウム・ボビスの非病原性株であるカルメット・ゲラン桿菌(BCG)である。しかしながら、BCGの安全性と有効性は論争の源であり、合衆国などのいくつかの国は、公衆にワクチン接種していない。診断は、一般的に皮膚の試験を使用して行われ、それは、ツベルクリンPPD(タンパク質精製した誘導体)への皮内曝露を伴う。抗原特異的T細胞の反応は、注射の48 72時間後までに注射部位に測定可能な硬結をもたらし、そのことが、マイコバクテリアの抗原への曝露を示す。しかしながら、感受性および特異性はこの試験の問題であり、BCGでワクチン接種された個体は、感染した個体と区別できない(例えば、米国特許第7,087,713号)。
【0251】
マクロファージは結核菌免疫の主要なエフェクターとして作用すると示されてきたが、T細胞は、そのような免疫の支配的な誘導因子である。結核菌感染に対する保護におけるT細胞の必須の役割は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に伴うCD4T細胞の枯渇による、AIDS患者における結核菌の頻発により例示説明される。マイコバクテリア反応性のCD4T細胞は、ガンマ−インターフェロン(IFN−ガンマ)の強力な生産者であると示され、次いで、マウスでマクロファージの抗マイコバクテリア作用を誘発すると示された。ヒトにおけるIFN−ガンマの役割はあまりはっきりしていないが、研究は、1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3が、単独で、または、IFN−ガンマもしくは腫瘍壊死因子−アルファと共に、ヒトマクロファージを活性化し、結核菌の感染を阻害すると示した。さらに、IFN−ガンマがヒトマクロファージを刺激し、1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3を作ると知られている。同様に、IL−12は、結核菌感染に対する耐性の刺激において役割を果たすと示された。結核菌感染の免疫学を概観するには、Chan and Kaufmann, in Tuberculosis: Pathogenesis, Protection and Control, Bloom (ed.), ASM Press. Washington, D.C. (1994) を参照せよ。
【0252】
結核を診断するための、または、結核に対する保護的免疫を誘導するための既存の化合物および方法は、1種またはそれ以上のマイコバクテリアのタンパク質の少なくとも1つの免疫原性部分を含むポリペプチド、およびそのようなポリペプチドをコードするDNA分子の使用を含む。そのようなポリペプチドまたはDNA配列を含む診断キットおよび適する検出試薬は、患者および生物学的サンプルにおけるマイコバクテリア感染の検出に使用し得る。そのようなポリペプチドに対する抗体も提供されている。加えて、そのような化合物は、マイコバクテリア感染に対する免疫化のために、本明細書に記載の組成物に製剤化し得る(米国特許第6,949,246号および第6,555,653号)。
【0253】
マラリアは、世界の大部分で1960年代に排除されたが、この疾患は依然として存続し、既存の薬物に耐性のある、疾患の新しい系統が現れている。マラリアは、90を超える国で主要な公衆衛生問題である。マラリアの9割はサハラ以南のアフリカで起こる。世界の人口の3分の1以上がリスクにあり、毎年3億5千万ないし5億人がマラリアに感染する。4500万人の妊婦が、この年にマラリアにかかるリスクにある。既に感染した個体のうち、100万人以上の感染者が、予防可能な疾患により毎年死亡する。これらの死亡者の大部分は、アフリカの子供である。
【0254】
マラリアは、通常、感染したメスのハマダラカ属の蚊に人が噛まれるときに伝染する。伝染するには、その蚊は、既にマラリアに感染した人から血を吸うことにより、感染していなければならない。マラリアは、寄生生物に起因し、この疾患の臨床的症状には、発熱およびインフルエンザ様の病気、例えば、悪寒、頭痛、筋肉痛および疲労が含まれる。これらの症状は、悪心、嘔吐および下痢を伴い得る。マラリアは、赤血球の喪失のために、貧血および黄疸も引き起こし得る。あるタイプのマラリア、熱帯熱マラリア原虫による感染は、迅速に処置されなければ、腎不全、てんかん、精神錯乱、昏睡および死亡を引き起こし得る。
【0255】
個体におけるマラリアのインビトロの診断方法は知られており、個体から採取した組織または体液を分子またはポリペプチド組成物と接触させることを含み、該分子またはポリペプチド組成物は、熱帯熱マラリア原虫の感染活性から得られるタンパク質の1つまたはそれ以上のTエピトープの全部または一部を有する1つまたはそれ以上のペプチド配列を含み、接触は、該組成物と組織または体液中に存在し得る抗体との間でインビトロの免疫反応が起こり、形成された抗原−抗体複合体のインビトロ検出を可能にする条件下で行う(例えば、米国特許第7,087,231号参照)。
【0256】
組換え熱帯熱マラリア原虫(3D7)AMA−1外部ドメインの発現および精製は、記載された。過去の方法は、天然分子のフォールディングとジスルフィド架橋を保持する、高度に精製されたタンパク質を産生した。組換えAMA−1は、診断試薬として、また、抗体産生において、そして、マラリアを予防するワクチンとして単独で、またはその一部として使用するためのタンパク質として、有用である。(米国特許第7,029,685号)
【0257】
感受性の哺乳動物の宿主の血漿に感染後に分泌されるタンパク質またはタンパク質の断片である、種特異的な三日熱マラリア原虫のマラリアペプチド抗原をコードするポリヌクレオチド、並びに、これらの抗原に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体が、当分野で記載された。ペプチド抗原、モノクローナル抗体および/またはポリクローナル抗体は、マラリアを診断するために、また、三日熱マラリア原虫が感染の原因の種であるか否かを判定するために使用されるアッセイで利用される(米国特許第6,706,872号)。また、感受性の哺乳動物の宿主の血漿に感染後に分泌されるタンパク質またはタンパク質の断片である、種特異的な三日熱マラリア原虫のマラリアペプチド抗原、並びに、これらの抗原に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体も報告された。ペプチド抗原、モノクローナル抗体および/またはポリクローナル抗体は、マラリアを診断するために、また、三日熱マラリア原虫が感染の原因の種であるか否かを判定するために使用されるアッセイで利用される(例えば、米国特許第6,231,861号参照)。
【0258】
組換え熱帯熱マラリア原虫(3D7)AMA−1外部ドメインは、天然分子のフォールディングとジスルフィド架橋を保持する、高度に精製されたタンパク質を産生する方法によっても発現された。組換えAMA−1は、診断試薬として、抗体産生において使用するために、そしてワクチンとして、有用である(米国特許第7,060,276号)。同様に知られているのは、天然分子のフォールディングとジスルフィド架橋を保持する組換え熱帯熱マラリア原虫(3D7)MSP−1
42の発現および精製である。組換えMSP−1
42は、診断試薬として、抗体産生において使用するために、そしてワクチンとして、有用である(米国特許第6,855,322号)。
【0259】
従って、ヒトのマラリア感染を検出し、マラリア感染性の病原体に感染を有するか、または有するリスクにあると疑われる対象を同定するための診断方法は、これらおよび関連する開示により知られている。特に、例えば、血液サンプルを、3−アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド(APAD)、基質(例えば、乳酸塩または乳酸)およびバッファーを含有する試薬と合わせる。この試薬は、マラリア寄生生物により産生される独特の解糖酵素の存在を検出するように設計されている。この酵素は、原虫性乳酸脱水素酵素(PLDH)として知られている。PLDHは、上記の試薬を使用して、宿主のLDHと容易に区別される。試薬と寄生された血液サンプルの組合せは、APADの減少をもたらす。しかしながら、APADは、宿主LDHによって減少しない。次いで、APADの減少は、分光的、蛍光定量的、電気泳動的または比色定量的分析を含む様々な技法により検出され得る。前述の方法におけるAPADの減少の検出は、マラリア感染のポジティブな指標を提供する(例えば、米国特許第5,124,141号)。マラリア診断の他の方法論では、熱帯熱マラリア原虫抗原GLURPに由来する特徴的なアミノ酸配列を含むポリペプチドが、そのポリペプチドに対して生成されたか、またはそれに反応性である特異的抗体により、試験サンプル中に認識される。(米国特許第5,231,168号)
【0260】
リーシュマニア症は、インド亜大陸、アフリカおよびラテンアメリカで頻繁に流行する広範な寄生虫症であり、世界保健機構のワクチン開発の優先事項である。様々な疾患の複合物として、リーシュマニア属の寄生生物は、内部の器官の致死的な感染並びに深刻な皮膚病を引き起こす。リーシュマニア症の最も破滅的な形態の1つは、鼻および口の醜い感染である。リーシュマニア症の症例数は増加しており、現在多くの地域で制御不能である。リーシュマニア症は、また、いくつかの先進国でも、特に南ヨーロッパでHIV感染の結果として増えている。利用可能な薬物は毒性であり、高価であり、長期にわたる毎日の注射を必要とする。
【0261】
リーシュマニア属は、免疫系のマクロファージまたは白血球細胞に生息する原生動物の寄生生物である。この寄生生物は、小型吸血昆虫(スナバエ)の噛みつきにより伝染し、それらはこの惑星の広大な地域に生息するので、制御し難い。
【0262】
内臓リーシュマニア症は、この疾患の3つの症状のうち、最も危険である。約500,000件の内蔵型(カラアザールまたは「致命的病気」)の新しい症例が毎年生じると見積もられている。2億人を超える人々が、現在、内臓リーシュマニア症にかかるリスクにある。内臓リーシュマニア症の症例の90パーセント以上が、インド、バングラディシュ、スーダン、ブラジルおよびネパールで生じる。死亡の殆どは子供で生じる。皮膚型の者は、しばしば、永久に外見を損なわれる。
【0263】
リーシュマニア属の感染は診断し難く、典型的には、組織生検標本の病理組織学的分析を必要とする。しかしながら、いくつかの血清学的および免疫学的診断アッセイが開発された。(米国特許第7,008,774号;Senaldi et al., (1996) J. Immunol. Methods 193:9 5; Zijlstra, et al., (1997) Trans. R. Soc. Trop. Med. Hyg. 91:671 673; Badaro, et al., (1996) J. Inf. Dis. 173:758 761; Choudhary, S., et al., (1992) J. Comm. Dis. 24:32 36; Badaro, R., et al., (1986) Am. J. Trop. Med. Hyg. 35:72 78; Choudhary, A., et al., (1990) Trans. R. Soc. Trop. Med. Hyg. 84:363 366; and Reed, S. G., et al., (1990) Am. J. Trop. Med. Hyg. 43:632 639)。前鞭毛虫は、代謝産物を培養培地に放出し、条件培地を産生する。これらの代謝産物は、宿主にとって免疫原性である。Schnur, L. F., et al., (1972) Isrl. J. Med. Sci. 8:932 942; Sergeiev, V. P., et al., (1969) Med. Parasitol. 38:208 212; El-On, J., et al., (1979) Exper. Parasitol. 47:254 269; and Bray, R. S., et al., (1966) Trans. R. Soc. Trop. Med. Hyg. 60:605 609;米国特許第6,846,648号、米国特許第5,912,166号;米国特許第5,719,263号;米国特許第5,411,865号参照)。
【0264】
いくつかの実施態様では、抗原は、US2009/0041798、US2009/0291099、US8,410,258、US8,231,881、およびWO2012/064659に記載のリーシュマニア属の抗原であり、これらを引用により本明細書の一部とする。いくつかの実施態様では、抗原は、少なくともリーシュマニア属のステロール24−C−メチルトランスフェラーゼ(SMT)ポリペプチド配列およびリーシュマニア属の非特異的ヌクレオシドヒドロラーゼ(NH)ポリペプチド配列を含む、融合ポリペプチドである。いくつかの実施態様では、リーシュマニア属のNHポリペプチド配列は、ドノバン・リーシュマニア(L. donovani)、幼児リーシュマニア(L. infantum)および森林型熱帯リーシュマニア(L. major)のリーシュマニア属のNH配列に、少なくとも90%の相同性のある配列の、少なくとも免疫原性部分を含む。いくつかの実施態様では、リーシュマニア属のNHポリペプチド配列は、配列番号1、3および5からなる群から選択される配列、または当該配列に少なくとも90%の相同性のある配列の、少なくとも免疫原性部分を含む。いくつかの実施態様では、リーシュマニア属のSMTポリペプチド配列は、ドノバン・リーシュマニア、幼児リーシュマニアおよび森林型熱帯リーシュマニアの、リーシュマニア属のSMT配列に少なくとも90%の相同性のある配列の、少なくとも免疫原性部分を含む。いくつかの実施態様では、リーシュマニア属のSMTポリペプチド配列は、配列番号7、9および11からなる群から選択される配列、または当該配列に少なくとも90%の相同性のある配列の、少なくとも免疫原性部分を含む。いくつかの実施態様では、融合ポリペプチドは、配列番号13で規定されるアミノ酸配列、または当該配列に少なくとも90%の相同性のある配列を含む。配列番号1、3、5、7、9、11および13の配列は、WO2012/064659およびUS20120114688で提供され、これらを引用により本明細書の一部とする。
【0265】
世界中で約4千万人の人々が、AIDSを引き起こすウイルスであるHIVに感染している。約3百万人の人々が毎年この疾患により死亡し、彼らの95パーセントが発展途上国にいる。毎年、5百万人近い人々がHIVに感染する。現在、サハラ以南のアフリカが最高の疾患の負担を有するが、それは急速にインド、中国およびロシアなどの他の国々に広がっている。流行は少数者集団で最も急速に広がっている。合衆国では、950,000件を超えるAIDSの症例が1981年から報告されてきた。AIDSは、最も生産的な年齢の人々を襲う。女性は、生物学的理由および社会的理由の両方で、HIV/AIDSの高いリスクを有する。
【0266】
AIDSは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に起因し、それは、身体の免疫系の細胞を殺し、損ない、感染およびある種の癌と闘う身体の能力を次第に破壊する。HIVは、感染した相手と保護されない性交を行うことにより、最も一般的に拡散する。この問題の最も確固たる解決は、ウイルスの拡散を防ぐことである。安全で有効な入手可能なHIVワクチンの作成は、この目標を達成する1つの方法である。世界中で、有効な予防を利用できるのは、HIV感染の高いリスクにある人の5人に1人より少ない。
【0267】
HIV感染の診断方法は知られており、ウイルス培養、患者の試料からの決定的な核酸配列のPCR、および、患者の血清中の抗HIV抗体の存在についての抗体試験によるものを含む(例えば、米国特許第6,979,535号、第6,544,728号、第6,316,183号、第6,261,762号、第4,743,540号参照)。
【0268】
本明細書に開示のある種の他の実施態様によると、組成物および使用方法は、癌細胞に由来する抗原を含み得、癌の免疫療法的処置に有用であり得る。例えば、組成物には、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、腎臓癌または黒色腫用のものなどの腫瘍拒絶抗原に用途があり得る。例示的な癌または癌細胞由来の抗原には、MAGE1、3およびMAGE4または他のMAGE抗原、例えば、WO99/40188に開示のもの、PRAME、BAGE、Lage(NYEos1としても知られている)、SAGEおよびHAGE(WO99/53061)またはGAGE(Robbins and Kawakami, 1996 Current Opinions in Immunology 8, pps 628-636; Van den Eynde et al., International Journal of Clinical & Laboratory Research (1997 & 1998); Correale et al. (1997), Journal of the National Cancer Institute 89, p. 293)が含まれる。これらの非限定的な癌抗原の例は、黒色腫、肺癌、肉腫および膀胱癌などの幅広い腫瘍のタイプで発現される。例えば、米国特許第6,544,518号参照。
【0269】
本明細書に記載の組成物に使用するのに適する他の腫瘍特異的抗原には、腫瘍特異的または腫瘍関連ガングリオシド、例えば、GM
2およびGM
3またはタンパク質を有するそれらのコンジュゲートが含まれるがこれらに限定されない;または、抗癌免疫反応を誘起または増強するためのGLAワクチン組成物において使用するための抗原は、多くの癌の処置に有用な、自己ペプチドホルモン、例えば、全長のゴナドトロピンホルモン放出ホルモン(GnRH、WO95/20600)(短い10アミノ酸長のペプチド)であり得る。他の実施態様では、前立腺抗原、例えば、前立腺特異的抗原(PSA)、PAP、PSCA(例えば、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 95(4) 1735-1740 1998)、PSMA、または、好ましい実施態様ではプロスターゼ(Prostase)として知られる抗原が使用される。(例えば、Nelson, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1999) 96: 3114-3119; Ferguson, et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999. 96, 3114-3119;WO98/12302;米国特許第5,955,306号;WO98/20117;米国特許第5,840,871号および第5,786,148号;WO00/04149)。他の前立腺特異的抗原は、WO98/137418およびWO/004149から知られている。他のものは、STEAPである(PNAS 96 14523 14528 7-12 1999)。
【0270】
本発明に関して有用な他の腫瘍関連抗原には、Plu−1(J Biol. Chem 274 (22) 15633 -15645, 1999)、HASH−1、HasH−2、Cripto(Salomon et al Bioessays 199, 21:61-70, U.S. Pat. No. 5,654,140)およびCriptin(米国特許第5,981,215号)が含まれる。加えて、ワクチンに特に関連が深い抗原は、また、チロシナーゼおよびサバイビンを含む。
【0271】
本明細書で開示される癌抗原を含む組成物に関する実施態様は、HER−2/neu発現または他の癌特異的または癌関連抗原などの腫瘍関連抗原の発現を特徴とする癌に対して有用であり得る。
【0272】
癌を有するか、または有するリスクにあると疑われる対象における癌の診断は、広範な当分野で受け入れられた方法論のいずれかを伴い得、それは、臨床像、癌の進行度、癌の種類および他の要因を含む様々な要因によって変動し得る。癌の診断の例には、患者の試料(例えば、血液、皮膚生検、他の組織生検、外科手術標本など)の病理組織学的、組織細胞化学的、免疫組織細胞化学的および免疫病理組織学的検査、定義された遺伝子(例えば、核酸)マーカーのPCR試験、循環している癌関連抗原またはそのような抗原を有する細胞についての、または、定義された特異性の抗体についての血清学的試験、または、当業者に周知の他の方法論が含まれる。例えば、米国特許第6,734,172号;第6,770,445号;第6,893,820号;第6,979,730号;第7,060,802号;第7,030,232号;第6,933,123号;第6,682,901号;第6,587,792号;第6,512,102号;第7,078,180号;第7,070,931号;JP5−328975; Waslylyk et al., 1993 Eur. J Bioch. 211(7):18 参照。
【0273】
本発明のある種の実施態様に従う組成物および方法は、自己免疫疾患の予防または治療にも使用し得、それは、宿主または対象の免疫系が、「自己」の組織、細胞、生体分子(例えば、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、プロテオリピド、脂質、糖脂質、核酸、例えばRNAおよびDNA、オリゴ糖、多糖、プロテオグリカン、グリコサミノグリカンなど、および、対象の細胞および組織の他の分子成分)またはエピトープ(例えば、特異的な免疫学的に定義される認識構造、例えば、抗体の可変領域の相補性決定領域(CDR)またはT細胞受容体CDRにより認識されるもの)に向けられる免疫反応を有害に媒介する疾患、症状または障害を含む。
【0274】
従って、自己免疫疾患は、細胞または抗体と関連する異常な免疫反応を特徴とし、それは、いずれの場合でも、正常な自己組織に対するものである。哺乳動物の自己免疫疾患は、一般的に2つの異なるカテゴリーの一方に分類できる:細胞に媒介される疾患(即ち、T細胞)または抗体に媒介される障害。細胞に媒介される自己免疫疾患の非限定的な例には、多発性硬化症、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、1型糖尿病(若年発症糖尿病)および自己免疫性網膜ぶどう膜炎が含まれる。抗体に媒介される自己免疫障害には、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス(またはSLE)、グレーブス病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性喘息、クリオグロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑病、原発性硬化性胆管炎および悪性貧血が含まれるが、これらに限定されない。関連する抗原:全身性エリテマトーデスは、低分子リボ核タンパク(snRNP)である;グレーブス病は、サイロトロピン受容体、サイログロブリンおよび甲状腺上皮細胞の他の成分である(Akamizu et al., 1996; Kellerman et al., 1995; Raju et al., 1997; and Texier et al., 1992);天疱瘡は、カドヘリン様天疱瘡抗原、例えば、デスモグレイン3および他の接着分子である(Memar et al., 1996: Stanley, 1995; Plott et al., 1994; and Hashimoto, 1993);そして、血栓性血小板減少性紫斑病は、血小板の抗原である。(例えば、米国特許第6,929,796号;Gorski et al. (Eds.), Autoimmunity, 2001, Kluwer Academic Publishers, Norwell, MA; Radbruch and Lipsky, P.E. (Eds.) Current Concepts in Autoimmunity and Chronic Inflammation (Curr. Top. Microbiol. and Immunol.) 2001, Springer, NY.参照)
【0275】
自己免疫は、1型糖尿病、多発性硬化症、ループス、関節リウマチ、強皮症および甲状腺疾患を含む80種を超える異なる疾患において役割を果たす。罹患率の活発な定量的評価は、殆どの自己免疫性疾患について行われていない。1990年代の後期に行われた最新の研究は、自己免疫疾患は合衆国で第3番目に多い主要な疾病であり;そして、最も多い自己免疫疾患は、850万人を超えるアメリカ人を冒していることを明らかにしている。現在のこの疾患の罹患率の見積りは、合衆国の人口の5ないし8パーセントの範囲にある。殆どの自己免疫疾患は、偏って女性を冒す。女性は、自己免疫疾患にかかる可能性が男性よりも2.7倍高い。女性は、より自己免疫疾患に罹りやすい;男性は、女性よりも高いレベルのナチュラルキラー細胞活性を有すると思われる。(Jacobsen et al, Clinical Immunology and Immunopathology, 84:223-243, 1997.)
【0276】
自己免疫疾患は、免疫系が自己組織を非自己と錯誤し、不適当な攻撃を開始するときに生じる。身体は、様々な方法で自己免疫疾患に冒され得、例えば、腸(クローン病)および脳(多発性硬化症)を含む。自己抗体が自己細胞または自己組織を攻撃し、それらの機能を損ない、その結果、自己免疫疾患を引き起こすこと、および、自己抗体が、自己免疫疾患の実際の発症(例えば、臨床徴候および症状の出現)に先立ち、患者の血清中に検出され得ることが知られている。従って、自己抗体の検出は、自己免疫疾患の存在または発症リスクの早期の発見または認識を可能にする。これらの知見に基づき、様々な自己抗原に対する自己抗体が発見され、自己抗原に対する自己抗体は臨床試験で測定されてきた(例えば、米国特許第6,919,210号、第6,596,501号、第7,012,134号、第6,919,078号)。一方、他の自己免疫の診断は、関連する代謝物(例えば、米国特許第4,659,659号)または免疫反応性(例えば、米国特許第4,614,722号および第5,147,785号、第4,420,558号、第5,298,396号、第5,162,990号、第4,420,461号、第4,595,654号、第5,846,758号、第6,660,487号)の検出を含み得る。
【0277】
ある種の実施態様では、本発明の組成物は、腎臓透析の対象、化学療法および/または放射線療法の対象、臓器移植患者などを含む、高齢者および/または免疫抑制者の処置において特に適用可能である。そのような個体は、一般的に、ワクチンに対する免疫反応の減少を示し、従って、本発明の組成物の使用は、これらの対象で達成される免疫反応を増強させ得る。
【0278】
他の実施態様では、本発明の組成物で使用される抗原は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの症状の予防および処置用の、細菌感染(例えば、肺炎球菌)に起因するか、またはそれにより悪化するものなどの呼吸器疾患に関連する抗原を含む。COPDは、慢性気管支炎および/または肺気腫の患者における不可逆的または部分的に可逆的な気道閉塞の存在により、生理学的に定義される(Am J Respir Crit Care Med. 1995 Nov;152(5 Pt 2):S77-121)。COPDの悪化は、しばしば細菌(例えば、肺炎球菌)感染に起因する(Clin Microbiol Rev. 2001 Apr;14(2):336-63)。
【0279】
熱安定性組成物に使用するための油
ある種の実施態様は、油を含む本明細書に記載の組成物を企図し、それは、いくつかのそのような実施態様において、アジュバント活性に貢献し得、他のそのような実施態様において、医薬的に許容し得る担体または賦形剤を付加的または代替的に提供し得る。如何なる数の適する油も知られており、本開示に基づく組成物に含めるために選択し得る。そのような油の例には、例示的に、限定ではなく、スクアレン、合成スクアレン、ミネラルオイル、ブドウ種子油、合成イソプレノイド、オリーブ油、コレステロールおよびマンニド(mannide)モノオレエートが含まれる。
【0280】
本明細書で企図される油は、乳剤系で用いられてもよく、また当該乳剤系は乳剤アジュバントと呼ばれる。乳剤アジュバントには、水中油、油中水、または水中油中水(water-in-oil-in-water)の混合物が含まれる。理論に縛られることなく、このような乳剤アジュバントは、抗原をゆっくりと放出させ、免疫系の継続的な刺激を提供することで、機能し得る。ある種の乳剤アジュバントは、限定されないが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)、グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)、モノホスホリルリピドA(MLA)、および3−脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MLA)などの免疫賦活性アジュバントを含む他のアジュバントのための、送達系として使用することもできる。アジュバント組成物を製剤化するための、単一または多相の乳剤系を含むある種の乳剤系が記載されてきた。水中油乳剤アジュバントそれ自体が、アジュバント組成物として有用であることが示唆されており(EP0399843B)、水中油乳剤と他の活性物質(active agent)との組み合わせもまたワクチンのアジュバントとして記載されている(WO95/17210;WO98/56414;WO99/12565;WO99/11241)。油中水乳剤(米国特許第5,422,109号;EP0480982B2)および、水中油中水乳剤(米国特許第5,424,067号;EP0480981B)などの、他の油の乳剤アジュバントが記載されている。
【0281】
本発明で使用する油乳剤アジュバントは、天然または合成であってよく、無機または有機であってよい。無機および有機の油の例は、当業者には容易に明らかであろう。特定の実施態様では、本発明の組成物(例えば、熱安定性の凍結乾燥ワクチン)は、水中油の乳剤を含み、ここでは、アジュバントは油相に組み込まれる。水中油組成物をヒトへの投与に適したものにするために、乳剤系の油相は好ましくは代謝可能な油を含む。代謝可能な油という用語の意味は、当分野でよく知られている。代謝可能な(Metabolizable)という用語は、「代謝によって変換可能である」として定義され得る(Dorland's illustrated Medical Dictionary, W. B. Saunders Company, 25th edition (1974))。油は、レシピエントに対して毒性がなく、代謝によって変換可能である、いずれの植物油(plant oil)、植物油(vegetable oil)、魚油、動物油または合成油であってもよい。ナッツ(例えばピーナッツ油)、種子、穀物は、植物油(vegetable oil)の一般的な供給源である。合成油もまた、使用可能である。
【0282】
例えば、スクアレン(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエン)は、サメ肝油において大量に検出され、オリーブ油、小麦胚芽油、米ぬか油、および酵母において少量検出される不飽和油であり、本発明での使用に特に好ましい油である。スクアレンは、コレステロールの生合成の中間体であるという事実のおかげで、代謝可能な油である(Merck index, 10th Edition, entry no. 8619)。主体となる発明に従い有用な、実例的な代謝可能な油には、スクアレン、大豆油、ごま油およびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(MIGLYCOL 810 oil)が含まれるが、これらに限定されない。ある実施態様では、代謝可能な油にはスクアレンが含まれる。別の実施態様では、代謝可能な油には、酵母由来スクアレンまたは酵母由来の関連イソプレノイド構造体のような、1種またはそれ以上の酵母由来イソプレノイドが含まれる。
【0283】
いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、約0.01%ないし5%v/v、約0.01%ないし4%v/v、約0.01%ないし3%v/v、約0.01%ないし2%v/v、約0.01%ないし1%v/v、または約0.01%ないし0.5%v/vの濃度で存在する、代謝可能な油を含む。いくつかの実施態様では、代謝可能な油は、約0.01%v/v、約0.05%v/v、約0.1%v/v、約0.5%v/v、約1%v/v、約1.5%v/v、約2%v/v、約2.5%v/v、約3%v/v、約3.5%v/v、約4%v/v、約4.5%v/v、約5%v/v、約6%v/v、約7%v/v、約8%v/v、約9%v/v、約10%v/v、約11%v/v、約12%v/v、約13%v/v、約14%v/v、約15%v/v、約16%v/v、約17%v/v、約18%v/v、約19%v/vまたは約20%v/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、代謝可能な油は、約2%v/vの濃度で存在する。いくつかの実施態様では、代謝可能な油は、1%v/v未満の濃度で存在する。記載される百分率は、凍結乾燥前の水中油乳剤製剤または再構成時の水中油乳剤における百分率を表す。
【0284】
安定な水中油乳剤中で検出される油滴のサイズは、好ましくは、1ミクロン未満であり、実質的には30ないし600nmの範囲であってよく、好ましくは実質的には直径30ないし500nmであってよく、最も好ましくは実質的には直径150ないし500nmであってよく、特に光子相関分光法によって測定される場合には直径約150nmであってよい。この点で、80%の数の油滴が好ましい範囲内であるべきであり、さらに好ましくは90%を超える数の油滴が、最も好ましくは95%を超える数の油滴が、規定される大きさの範囲内である。
【0285】
乳剤の親水性親油性バランス(HLB)は、界面活性剤の親水力または親油力の推定を可能にする。両親媒性分子のHLBは、一般的に次のように計算される:
HLB=(2O×親水性部の重量)/(両親媒性分子の重量)
【0286】
HLBは、0(最も親油性の分子)〜20(最も親水性の分子)の範囲の値であり得る。界面活性剤の化学的組成により(注目すべき例としては、メトキシ基またはアルケン酸化物の付加)、この推定は変化し得、HLB値を有する領域が増えてもよい(例えば、LUTROL F68
(登録商標)は、29のHLBを有する)。界面活性剤を混合すると、混合物のHLBは、各界面活性剤のHLBを、その重量比のバランスで合算した値である:
HLB=(界面活性剤XのHLB×界面活性剤Xの重量)+(界面活性剤YのHLB×界面活性剤Yの重量)/(界面活性剤Xの重量+界面活性剤Yの重量)
【0287】
本発明に従い作成された乳剤のある実施態様では、乳剤の最終HLBは、約9ないし約12であり、好ましくは約9.5ないし約11.5であり、さらに好ましくは約10ないし約11.5である。いくつかの実施態様では、乳剤のHLBは約10.5ないし約11.0である。水中油乳剤を作成する方法は、当業者にはよく知られている。一般的に、本方法は、油相に、PBS/ツイーン80
(登録商標)溶液のような好適な界面活性剤を混合し、その後ホモジナイザーを用いて均質化することを含む。例えば、混合物を1回、2回、またはそれ以上、シリンジの針を通過させることを含む方法は、少量の液体を均質化するのに適しているであろう。同様に、マイクロフルイダイザー(M110S microfluidics machine、最大50パス、2分間の最大入力圧力6bar(出力圧力は約850bar)において)による乳化過程は、より少量の乳剤または大量の乳剤を生産するために調整できるであろう。この調整は、必要な直径の油滴の調製が達成されるまで、結果として生じた乳剤の測定を含む実験を繰り返し行うことによって、達成され得るであろう。
【0288】
医薬上の熱安定性組成物の使用
別の態様では、本明細書に記載の、再構成された熱安定性のワクチン組成物を、対象に投与することを含む、対象において免疫応答を刺激する方法が、本明細書で提供される。本方法は、さらに、投与前に、熱安定性凍結乾燥ワクチン組成物を水中油乳剤に再構成する段階を含んでもよい。
【0289】
従って、本発明は、宿主、患者、対象、または細胞培養物において、免疫反応を増強または誘起するのに有用である。患者は、感染症、癌、例えば乳癌、または自己免疫疾患に苦しんでいてもよく、正常(即ち、検出可能な疾患および/または感染がない)であってもよい。「細胞培養物」は、免疫適格性の細胞または単離された免疫系の細胞(T細胞、マクロファージ、単球、B細胞および樹状細胞を含むがこれらに限定されない)を含む任意の調製物である。そのような細胞は、当業者に周知の様々な技法のいずれかにより単離し得る(例えば、フィコール・ハイパック密度遠心分離)。細胞は、癌に苦しむ患者から単離されたものでもよく(しかし、その必要はない)、処置後に患者に再導入されてもよい。
【0290】
投与経路
本発明は、感染症、癌、または自己免疫疾患のような症状の、ワクチン接種、治療、および予防のための方法および組成物を対象とする。本発明の方法は、注射(parenteral)および非注射(non-parenteral)投与を含む、投与経路を含む。非注射投与経路には、経口、口腔内、舌下、局所、経皮、眼、耳、鼻、直腸、および膣の経路が含まれるが、これらに限定されない。注入可能な方法には、注射の投与経路、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄内、髄腔内、脳室内、動脈内および他の注射経路が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、所定の期間にわたる、抗原および/またはアジュバントの、制御放出、遅延放出、または持続放出を提供し得る、組成物を企図する。
【0291】
製剤
製剤は、当業者に知られており、錠剤、コーティング錠、チュアブル錠、発泡錠、ペレット、カプセル、シロップ、坐剤、注射製剤、および生理的液体中で不溶性である媒体における活性物質の分散物、あるいは、抗原および/またはアジュバントの放出物が、機械的、化学的、または酵素的活性による製剤の分解後に放出される製剤を含むが、これらに限定されない。
【0292】
本発明が、本明細書に開示された特定の製剤、製造工程、および物質に限定されず、そのような製剤、製造工程、および物質は多少変化してもよいことは、理解されるべきである。
【0293】
キットおよび医薬上の包装
ある種の実施態様で企図されるのは、また、本明細書に記載のワクチン組成物を含むキットであり、それは、1個またはそれ以上の容器中に提供され得る。ある実施態様では、ワクチン組成物の全成分は、単一の容器中に一緒に存在するが、本発明の実施態様は、そのように限定されることを意図せず、2個またはそれ以上の容器も企図する。
【0294】
そのようなキットの実施態様による容器は、任意の適するコンテナ、容器、バイアル、アンプル、チューブ、カップ、箱、瓶、フラスコ、ジャー、ディッシュ、単一ウェルまたは複数ウェルの器具のウェル、リザーバー、タンクなど、または、本明細書に開示の組成物を入れ、保管し、かつ/または、輸送し、そして、内容物を取り出すために組成物に接近し得る他の装置であり得る。典型的には、そのような容器は、意図する用途に適合し、そこからの含まれる内容物の回収が容易に達成できる材料でできている。そのような容器の好ましい例には、ガラスおよび/またはプラスチックの、密閉された、または再密閉可能なチューブおよびアンプルが含まれ、これには、ニードルおよびシリンジを使用する内容物の取り出しに適合するゴムの隔壁または他の密閉手段を有するものが含まれる。そのような容器は、例えば、ガラス製または化学的に適合するプラスチックまたは樹脂製であり得、それは、容器からの物質の効率的な回収を可能にし、かつ/または、例えば紫外線または極端な温度などの分解条件から、または、微生物汚染を含む望まれない汚染から物質を保護する材料でできているか、または、それで被覆されていてよい。容器は、好ましくは、無菌であるか、または滅菌可能であり、本明細書に記載のワクチン組成物および/または免疫アジュバント組成物および/または抗原および/または組換え発現コンストラクトなどを懸濁または溶解するのに使用され得るような、いかなる担体、賦形剤、溶媒、媒体などとも適合する材料でできていてもよい。
【0295】
本発明は、次の実施例を参照することにより、さらに詳細に理解されるであろう。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載の実施例および実施態様は、単に例示を目的とするものであることは理解される。上述の様々な実施態様は、さらなる実施態様を提供するために組み合わせることができる。これらを考慮した様々な修正や変更は、前述の説明から当業者には明らかであろうし、本出願の精神および範囲内に含まれるものであり、添付の特許請求の範囲内に収まるものである。
【実施例】
【0296】
実施例1:単一および複数の賦形剤系における、凍結乾燥ワクチン乳剤製剤および安定性
ワクチンに使用される水中油安定乳剤(SE)の凍結乾燥が望まれていた。全ての地上に関連する温度においてコールドチェーンを維持する必要性を低減または排除する熱安定性ワクチンのシステムを開発するために、凍結乾燥時に熱安定性の美しいケーキを形成する、かつ/または、再構成時に乳剤の完全性を保つ賦形剤の能力を調べた。
【0297】
材料および方法
製剤および凍結乾燥
以前に記載されたスクアレン含有安定乳剤(SE)(EM001; Fox et al., 2012, Influenza and Other Respiratory Viruses, in press)を、最終濃度2.0%スクアレン(v/v)で凍結乾燥させ(最初の10%製剤から、目標最終注入濃度に希釈)、全充填量を1.0mlとした。賦形剤濃度は、質量百分率(%w/v)として報告し、乳剤濃度は、スクアレン油相の容量百分率(%v/v)として報告した。マルトース、D−(−)−リボース、D−(−)−フルクトース、ラクトース、ポリエチレングリコール(PEG;mw3,350Da)、ラクツロース、ニコチン酸、D(+)−ラフィノース五水和物、2,6−ピリジンジカルボン酸、およびL−プロリンは、Sigma-Aldrich (St. Louis, Mo)から購入した。USPグレードのD(+)−マンニトールおよびD(+)−トレハロース二水和物、およびNFグレードのスクロースおよびラクトース一水和物、デキストラン(mw40,000Da)は、Spectrum Chemical (New Brunswick, NJ)から購入した。D(+)−マンノース、スタキオース水和物、およびUSPグレードデキストロース一水和物は、Thermo Scientific (Waltham, MA)から購入した。サンプルは、Barnstead/Thermolyne (Dubuque IA) E-Pure D4631 filtration systemに続いて、20 nm Whatman (Maidstone, Kent, UK) Anotop plus filterによって、脱イオン化および濾過した、様々な濃度で水に溶解させた上述の賦形剤を用いて、製剤化した。再構成時に極端なpHシフトが生じる製剤(5.0未満または7.0を超える)は、凍結乾燥前に、NaClおよびNaOHを用いて、pH5.5に再度製剤化した。凍結乾燥は、VirTis (Gardiner, NY) AdVantage 2.0 EL-85卓上凍結乾燥機を用いて行った。凍結乾燥の方法は、4℃から−40℃への10時間の凍結段階と、−15℃での徐冷段階とを含む、熱処理スケジュールを用いた。最初の乾燥期間(100mTorrにおける)は、−40℃から25℃まで18.3時間続いた。最後に、50mTorrにおける第二の乾燥期間は25℃で9時間行われた。全てのサンプルを、500mTorrにおける大気中で栓をし、アルミニウムキャップで封をして、使用するまで4℃で保管した。
【0298】
再構成
再構成に先立ち、ケーキを、美しい白色のケーキ(ケーキが、白色で、充填された体積とほぼ同じ体積であり、均一の格子を有するように見えることを意味する)、フィルム、あるいは美しい白色のケーキとは異なる何か、のいずれかに、視覚的に特徴づけた。全てのサンプルを、20nmで濾過した水(上述)を用いて再構成し、全ての成分が可溶化するまで、あるいは3分が経過するまでの、どちらか早い方まで、ゆっくりとかき混ぜた。再構成に続いて、製剤を、乳白色の乳剤(凍結乾燥前の製剤と同様に見える)またはその他と記述し、乳白色の乳剤からの差異を記録した。その後、各製剤のアリコートを、室温で1時間静置し、クリーム化と呼ばれる、表面上の厚い、白色の相の徴候を、視覚的に評価した。各製剤のpHも、Mettler-Toledo (Columbus, OH) MP225p pHメーターを用いて、検査した。
【0299】
融点の測定
凍結乾燥製剤の融点を、Stanford Research Systems (Sunnyvale, CA) OptiMelt 自動融点システム(automated melting point system)を用いて、三連(triplicate)で評価した。各融解キャピラリーをケーキに一度差し込み、物質が底に安定するまで詰め固めた。融解は、1分間に1℃の傾斜率で、27℃〜200℃で行った(典型的には、一度融解が完了すると切り離される)。
【0300】
代替的な融点測定法には、融点イメージング装置(imaging melting point apparatus)の利用が包含された。様々な賦形剤による凍結乾燥SEのバイアルを、上述のように、三連で融解した。融解転移は、不透明なケーキの透明な液体への融解として観察され、イメージ中のサンプルの光強度を低下させた。開始点(onset point)は、融解転移の始まり(融解直前のケーキ変化の開始)における、ケーキ容積の最初の顕著な減少として、視覚的に推定し、ケーキの中間融点(Tm)は、ケーキが、完全な固体と完全な融解ケーキとの間でピクセル強度の半分を失う温度として、決定した。同様に、ケーキが、ピクセル強度(融解転移の開始時および終了時に対して正規化したもの)の25および75パーセントを損失した温度を、融解範囲の指標として、算出した。
【0301】
水分の測定
5%トレハロース含有凍結乾燥ケーキの水分含量は、Denver Instruments (Bohemia, NT) Coulometric Karl Fischer Titrator (Model 270) を用いて、2回の独立した凍結乾燥実行後の、凍結乾燥SE(2%油を用いた5%トレハロースのSE)バイアルを2連(duplicate)で用いて、特徴解析した。滴定測定は中程度の攪拌速度で行い、15秒の終点持続時間と、0.05の終点の傾きを伴った。サンプルは、Riedel-de-Haens Hydranal AG Solution (Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo)を用いて再構成し、秤量した溶液を滴定装置に注入した。本装置を用いた水分含量の質量測定に続いて、水分のパーセンテージを、%w/wとして算出した。
【0302】
粒径およびゼータ電位
乳剤の粒径、多分散(PdI)、およびゼータ電位を、Malvern (Worcestershire, UK) Nano-ZS による動的光散乱法(DLS)を用いて、評価した。測定は、概して以前に記載された通りに行った(Fox et al., 2011, Pharmaceutical Development and Technology, 16(5):511-519)。簡単に述べると、全てのDLSサイズ測定は、20nmで濾過した水(上述)への10
−2希釈液中で行い、単一アリコートにおいて三連で評価した。ゼータ電位測定のために、同一のアリコートを、三連測定と、20〜40回の測定期間の自動ソフトウエア測定を用いて評価した。
【0303】
高速液体クロマトグラフィー
スクアレン、DMPC、およびGLAの化学的分解を、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によってモニターした。Agilent 1200 (Santa Clara, CA)およびESA Biosciences Corona Charged Aerosol Detector (CAD; Chelmsford, MA)を、Waters Atlantics C18 μm culumn (4.6mm × 250mm; Milford, MA) と共に用いた。Fox et al., 2008, Colloids and Sufaces B: Biointerfaces, 65:98-105 を参照。移動相Aは、1%酢酸と一緒に75:15:10(v/v/v)メタノール:クロロホルム:水、および20mM酢酸アンモニウムを含有し、移動層Bは、20mM酢酸アンモニウムおよび1%酢酸と一緒に、50:50(v/v)メタノール:クロロホルムを含有した。サンプルは、再構成サンプルを、1:20で移動相Bに希釈することにより、調製した。9μlの注入を、45分間の、カラム温度30℃の、移動相Aの100%から10%の直線勾配で用いた。使用した全ての溶媒はHPLCグレードであった。
【0304】
再構成の選別
2%SEと、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、マンノース、フルクトース、ラクツロース、デキストラン、PEG、マンニトール、スタキオース、ソルビトール、およびプロリンをそれぞれ5%含む製剤を、3.1に記載されたように、作成した。ジピコリン酸およびニコチン酸による製剤もまた作成したが、溶解性の制約のために、0.5%で製剤化した。各製剤を、上述のように、再構成した。サンプルは、上述のように、ケーキの外観、クリーム化、粒径、ゼータ電位、PdI、およびpHに従い、特徴解析した。
【0305】
ケーキの安定性の選別
5%化合物のサブセットの融点を、上述のように評価した。これらの化合物には、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、マンノース、フルクトース、ラクツロース、ラフィノース、リボース、スタキオース、マンニトール、およびプロリンが含まれた。追加調査として、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、またはスクロースを5%で含む製剤を、0.2%または5%マンニトールおよび2%SEで作成した。これらの製剤を、上述のように、ケーキの融解、クリーム化、pH、PdIおよび粒径に従い、評価した。
【0306】
安定性の増進(accelerated stability)の特徴解析
5%トレハロース中で凍結乾燥したSEのバイアルを、25、37、50、60、および90℃で保管し、1500時間にわたり、あるいは完全な欠陥が観察されるまで、定期的に再構成した。サンプルを、各時点で、DLS、pH、HPLC、およびケーキの外観によって、特徴解析した。非凍結乾燥SEを、比較のために、同様に特徴解析した。より安定したシステムを開発するために、高いケーキ融点を示すと同定された製剤を、さらに増進した安定性の特徴解析のために選択した。製剤には、5%デキストロース、マルトース、スクロースおよびトレハロースが含まれた。15%ラクトースを含む実験的な製剤もまた、含まれた。これらの製剤の安定性の増進を、これら全ての製剤における変化を捉えるために、90℃で上述のように特徴解析した。
【0307】
結果
トレハロース中のSEの凍結乾燥
凍結乾燥製剤においてトレハロースが広範囲に使用されているため、乳剤の凍結乾燥の実現可能性を調べる目的で、トレハロース含有製剤を評価した。凍結乾燥後、5%トレハロースおよび2%v/vスクアレンSEを含むケーキは、0.3%w/wの水分含量および良好な再構成溶解性を有する、わずかに縮んだ白色のケーキを生み出した(
図1A)。再構成した乳剤は、非凍結乾燥製剤と、視覚的に同様に見えた。再構成時に、0.02のPdIの上昇とともに、平均粒径21nmの増加が観察された(
図1B)。凍結乾燥および再構成は、pHを変化させなかった。これらの結果は、凍結乾燥および再構成の後に、乳剤が保持されることについての、最初の推定を提供した。
【0308】
トレハロース中のSEの安定性の増進の特徴解析
トレハロース中のSEの凍結乾燥および再構成の成功に続いて、凍結乾燥および非凍結乾燥SEの安定性を、凍結乾燥が乳剤の安定性を改善したかどうかを判定するために、評価した。再構成した凍結乾燥SEの粒径(
図2A)およびpH(
図2B)に基づくと、凍結乾燥製剤は、25℃および37℃において、液体製剤よりも安定であった。これらの温度では、化学的組成における有意な変化は、液体または再構成した凍結乾燥SEには、観察されなかった。凍結乾燥はまた、液体製剤において組成上の変化を誘導するのに必要な、高温での乳剤の化学的安定性を高めた(
図2C)。特に、α-トコフェロール、スクアレン、および卵由来フォスファチジルコリン(egg-PC)は、液体製剤と比較して、凍結乾燥製剤において、全て保護されていた。さらに、油分離性の指標である、分離油相は、検出されなかった。このように、油が本システム内で再分布する、あるいは別の相に入る様子が見られなかったため、再構成後に粒子は乳剤のまま存在した。
【0309】
一次欠陥メカニズム(primary failure mechanism)の決定
トレハロースを上回って凍結乾燥SEの安定性を促進させるために、一次欠陥メカニズムを測定するための研究が、本メカニズムを阻害する次世代の製剤を選択する意図で、行われた。凍結乾燥SEを、25、37、50、60および90℃の温度範囲で、最大1,500時間、または、製剤が特性の限界を越えて機能を失うまで、保管した(
図3)。凍結乾燥乳剤は、50℃を超えると、はるかに安定性が低下した。最初に観察された変化は、ケーキのメルトバックと同時に生じた粒径の増加であった(
図3Aおよび
図3C)。pHの大きな変化は、粒子がサイズにより機能を失って初めて生じ始め(
図3B)、それゆえに、一次欠陥メカニズムとは考えられなかった。このように、乳剤の成分濃度(
図2C)およびpH(
図3B)は、最初に変化せず、本メカニズムは本来コバレント(covalent)ではないと仮定された。しかしながら、ケーキのメルトバックは、経時的に、粒径の増加と直接相関した(
図3D)。ケーキのメルトバックは粒径の増加よりも速く起こったように思われたため、ケーキのメルトバック耐性は、ストレス条件下で、乳剤の粒径の安定性を維持するための重大な特質であった。
【0310】
SE再構成のための賦形剤の選別
推定された欠陥メカニズムに基づき、乳剤の特徴を保持し、メルトバック耐性のある化合物を同定するために、賦形剤の選別を行った(表1、
図4)。賦形剤は、再構成後の、ケーキの構造および乳剤の特徴の維持によって、4つのクラスに分類した。これらのクラスの代表的なデータを、
図5に示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0311】
クラス1賦形剤は、様々なケーキの形態を持つ白色のケーキを形成し、凍結乾燥後の乳剤の特徴は有意に変化させなかった(表1、
図4A−B)。このクラスには、トレハロース、デキストロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、マンノース、フルクトース、およびラクツロースが含まれた。再構成した乳剤の粒径は、200nmより小さく、1時間ではクリーム化は観察されず、PdIは0.25未満であった。ゼータ電位は−9mVから、−15ないし−25mVに減少した。pHは、5.4から6.2に変化した。代表的なクラス1製剤である、5%トレハロースにおける凍結乾燥SEのケーキの外観は、わずかに縮んでいたが許容可能であった(
図5A)。クリーム化は、24時間以内には観察されず(
図5B)、粒度分布は150nmより下で、均質なままであった(
図5C)。
【0312】
クラス2賦形剤のリボースは、凍結乾燥の際にはケーキを形成せず、代わりにフィルムを形成したが(
図5A)、乳剤は許容可能な粒径、PdI、ゼータ電位、およびpHで再構成された(表1、
図4A−B)。
【0313】
クラス3の賦形剤は、良好なケーキを形成したが、再構成後に乳剤が破壊された(表1、
図4、および
図5)。再構成された粒径は、200nmを超え、PdI値は大きく、0.59ないし0.93であった。pHと、結果的にゼータ電位が、このグループ内で大きく異なった。凍結乾燥中に、PEGおよびマンニトール含有製剤で観察されたpHの大きな変化が生じた。凍結乾燥前のpHは5.5に調整されていた。大きな粒径と高い多分散性から予想されるように、クラス3の賦形剤は、再構成後にクリーム化を引き起こした(表1、
図5B)。
【0314】
クラス4の賦形剤は、ケーキを形成せず、クラス3の化合物と同様に乳剤が破壊されたが、これらの製剤はクリーム化するのではなく、完全に再構成しなかった(表1、
図4、および
図5)。これらの賦形剤はそれぞれ、高いPdI値を伴う大きなSE粒子と、4.3ないし5.1のpHをもたらした。ジピコリン酸およびニコチン酸は、極めて水に不溶性であり、これらの製剤は他の製剤の10%の質量濃度で生産されることになった。このことは、これらの賦形剤による不十分な乳剤の維持の要因であるかもしれない。
【0315】
ケーキ熱安定性についての単一賦形剤の構造上の選別
代替の凍結乾燥賦形剤を同定した後、ケーキ形成性賦形剤の選択のために、ケーキの熱安定性を評価した。これは、より高い融点とより優れたメルトバック耐性を持つ賦形剤を同定する方法として、採用した(表2)。クラス1の賦形剤は、即時(開始温度の27℃以下を意味する)から78℃の範囲の、最低の開始点を有した。中間融点は、36℃から94℃の範囲であった。クラス3賦形剤は、90℃を超える開始点を有し、全て100℃を超える中間融点を有した。マンニトールは、160.1℃を中心とする、狭い融点範囲と、最大のケーキ安定性を示した。代表的な、ケーキ融解サーモグラムを、
図6Aに示す。ケーキの開始点および融点に基づく賦形剤の比較を、
図6Bに示す。単糖類は、多糖類の賦形剤と比較して、はるかに低い融点を有することが明らかとなった。
【表2】
【0316】
製剤安定性に対するケーキ熱安定性の影響
ケーキ融点と熱安定性との相関を評価するために、異なる融点を持つ様々な糖においてSEの粒径増加速度を90℃で評価した。広範囲の異なる融点を持つ、デキストロース、スクロース、マルトース、トレハロースの5%製剤、およびラクトースの15%製剤の、安定性の違いを調べた(
図7)。15%ラクトース製剤は、5%ラクトース製剤よりも高い融点を有すると同定され、その融点が90℃のストレス負荷的保管温度(stress strage temperature)を十分に超えるために、選択された。デキストロースは、最も低い融点を有することが観察され、最も速く粒径が増加した(
図7A)。スクロース、マルトースおよびトレハロースは、中間の融点を有し、中間の融解速度を示した。ケーキの融点が製剤において上昇するにつれて、粒径の増加は減少し、15%ラクトースが最も高い融点と最も低い粒径増加速度を有した。さらに、この保管温度より高いTmを持つサンプルと、それより低いTmを持つサンプルの間で、粒子増加速度の分岐が見られ(
図7B)、このことは、ケーキのメルトバックが、一次的な熱分解の欠陥メカニズムであることに対して、さらなる証拠を提供した。
【0317】
ケーキ熱安定性についての賦形剤の組み合わせの選別
マンニトールがケーキ熱安定性を増加させるという観察により(表2)、様々なクラス1賦形剤が、乳剤を維持するが、より優れたケーキ安定性を持つ製剤を生産する試みで、マンニトールと組み合わされた(表3、
図8)。クラス1賦形剤は、マンニトール存在下で、乳剤の粒径の増加を減少させた。0.2%w/vマンニトールの添加は、粒径またはTmを上昇させなかった。5%w/vマンニトールは、ケーキのTmを大きく上昇させたが、乳剤の粒径およびPdIを増加させ、同時にpHを低下させた。
【表3】
【0318】
実施例2:凍結乾燥されたアジュバント含有結核ワクチンの安定性
結核(TB)に対して唯一の承認されたワクチンであるウシ型弱毒結核菌ワクチン(BCG)は、ヒトで1921年に最初に使用され、小児における播種性結核の発生率を低下させるのに有効であった。しかしながら、BCGは、青年および成人の肺結核の予防には効果がないと立証された(Checkley et al., 2011, Trends Pharmacol Sci, 32:601-606; Rowland et al., 2011, Expert Rev Vacceines, 10:645-658; Anderson et al., 2005, Nat Rev Microbiol, 3:656-662)。結核に対する効力60%の仮想的な新しいワクチンの実用化の影響を数学的にモデル化したところ、2050年までに発生率の80%の減少が予想されている(Abu-Raddad et al., 2009, PNAS, 106:13980-13985)。従って、BCGにより誘起された免疫を追加免疫するか、または、BCGを代替する、新しい結核ワクチンに対して緊急の必要性がある。結核菌(Mtb)に対する防御免疫は、CD4T細胞によるTNFおよびIFN−γの両方の産生を必要とする(Flynn et al., 2001, Annu Rev Immunol, 19:93-129; Cooper A.M., Annu Rev Immunol; 27:393-422)。4つのMtbタンパク質、即ち、Rv3619、Rv1813、Rv3260およびRV2608からなる、ID93と呼ばれる組換え融合タンパク質抗原が開発された。これらの成分のタンパク質は、TB感染またはBCG免疫されたドナーのいずれからのヒトT細胞によっても認識されると同定され、水中スクアレン安定乳剤(GLA−SE)中に製剤化された合成TLR4アゴニストグルコピラノシル脂質アジュバントなどの強いTH1応答を誘導するアジュバントと組み合わせると、マウスおよびモルモットモデルにおいて、Mtb攻撃に対して保護的である(Bertholet et al., 2010, Sci Transl Med, 2:53ra74; Bertholet et al., 2008, J Immunol, 181:7948-7947)。ID93+GLA−SEは、現在、ヒトのボランティアにおいてフェーズI安全性試験中である。
【0319】
ID93およびGLA−SEは、両方とも、継続的なコールドチェーン管理下で保管されると、1年以上安定であった。これらの条件下では、タンパク質濃度、GLA濃度、粒径または物理的外観に変化は観察されなかった。安定性の観察は、4℃で分解に至る時間が推定されることなく、進行した。ID93+GLA−SEの安定性は、他のワクチンと同等であったが、継続的コールドチェーン管理の必要性を減じるために、ワクチン熱安定性の上昇が望まれた。高温でのワクチン安定性を改善するためのひとつのアプローチは、ワクチンの抗原成分を凍結乾燥し、使用時にアジュバントと混合することであった。しかしながら、これはアジュバントのコールドチェーン管理を必要とし、ワクチン接種の技術的負担を高めた。この問題を克服するために、抗原ID93とGLA−SEアジュバントの両方の単一バイアル(「同一バイアル化(covialed)」と呼ばれる)が開発された。
【0320】
方法と材料
サンプルの調製および凍結乾燥
Mtb遺伝子Rv3619、Rv1813、Rv3620およびRv2608を含むID93タンデム型融合タンパク質の構築、発現および精製は、以前に説明されている(Bertholet et al., 2010, Sci Transl Med, 2:53ra74)。簡潔に述べると、ID93融合タンパク質を大腸菌に発現させ、DEAEおよびQ Sepharose カラムでのクロマトグラフィーにより変性条件下で精製し、4−20%Trisグリシンゲル(Invitrogen)でのSDS−PAGEで分析した。GLA(PHADとしても知られる)は、Avanti Polar Lipids Inc. (Alabaster, AL)から購入した。1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)を含むGLA−SEは、以前に記載された方法に従って製剤化した(Orr et al., 2013 J Control Release 172:190-200; Anderson et al., 2010 Colloids Surf B: Biointerfaces 75:123-32)。簡潔に述べると、緩衝化した水相(ポロクサマー188およびグリセロールを含むリン酸アンモニウムバッファーpH5.1)および油相(70℃での超音波処理によりスクアレンに分散させたDMPCおよびGLA)を混合し、次いで、Microfluidics M110P (Newton, MA) を、30,000psiで12回のパスで使用して、混合物を微小流動化(microfluidizing)することにより、GLA−SE乳剤を産生した。乳剤中の成分濃度は、10%v/vスクアレン、1.9%w/vフォスファチジルコリン、0.1%w/vポロクサマー188、2.3%w/vグリセロールおよび25mMリン酸アンモニウムバッファーからなった。GLA−SEを、使用するための所定の濃度に希釈した。
【0321】
GLA−SEアジュバント含有ワクチンを分析するために、液体および凍結乾燥サンプルを、3mLガラスバイアル中に、1.5mLの充填量で調製した。ID93(5μg/mL)+GLA−SE(50μg/mL、総オイル2%)を含む同一バイアルサンプルを、20mMトロメタミン(Tris)中、pH8.0で調製した(Coler et al., 2011, PLoS One, 6, e16333)。別々にバイアルに入れたID93またはGLA−SEを、同一バイアルサンプルの2倍の濃度で調製し(10μg/mLID93または100μg/mLGLA、総オイル4%GLA−SE)、注射の前に1:1で混合した。SDS−PAGE用のサンプルを100μg/mL ID93で調製し、分析を促進した。凍結乾燥したサンプルは、安定化剤として5%(w/v)D−トレハロース無水物も含み、これをVirTis (Gardiner, NY) AdVantage 2.0 EL-85 卓上凍結乾燥機を使用して凍結乾燥した。凍結乾燥の方法は、4℃から−40℃への10時間の凍結段階および−15℃での徐冷段階を含む熱処理スケジュールを利用した。最初の乾燥期間(100mTorrにおける)は、−40℃から25℃まで18時間続いた。最後に、50mTorrにおける第二の乾燥期間は25℃で9時間行われた。全てのサンプルを、500mTorrにおける大気中で栓をし、アルミニウムキャップで封をして、使用するまで4℃で保管した。注射に先立ち、熱ストレスのサンプルを50℃で30日間保温し、ストレスなしのサンプルを4℃で保管した。
【0322】
SLA−SEアジュバント含有ワクチンの分析用に、凍結乾燥したサンプルを、3mLガラスバイアル中に、1.5mL充填量で調製した。2%(v/v)油SE、50μg/mL SLA、100μg/mL ID93、20mM Tris pH8.0および5%(w/v)トレハロースを含む同一バイアルサンプルを調製した。VirTis (Gardiner, NY) AdVantage 2.0 EL-85 卓上凍結乾燥機を使用して、サンプルを凍結乾燥した。凍結乾燥の方法は、4℃から−40℃への10時間の凍結段階および−15℃での徐冷段階を含む熱処理スケジュールを利用した。最初の乾燥期間(100mTorrにおける)は、−40℃から25℃まで18時間続いた。最後に、50mTorrにおける第二の乾燥期間は25℃で9時間行われた。全てのサンプルを、500mTorrにおける大気中で栓をし、アルミニウムキャップで封をして、使用するまで4℃で保管した。注射に先立ち、熱ストレスのサンプルを50℃で30日間保温し、ストレスなしのサンプルを4℃で保管した。バイアルを2連で(AおよびBと表す)特徴解析した。サンプルの再構成は、1.5mLの濾過したH2Oで行った。
【0323】
還元SDS−PAGE
1.25%β−メルカプトエタノールを添加した Life Technologies (Grand Island, NY) NuPAGE LDS サンプルバッファーを使用して還元SDS−PAGEを実施し、90℃で15分間インキュベートした。1μg/レーンのID93を使用して、180Vで65分間、Life Technologies Novex 4-20% アクリルアミドトリス-グリシンプレキャストゲルカセット中でサンプルを走らせた。Life Technologies SimplyBlue SafeStain を使用してゲルを終夜染色し、脱色、乾燥および画像化した。ImageJ software (NIH) (Schneider et al., 2012, Nat Methods, 9:671-675)を使用して、バンドの強さを比較した。
【0324】
粒子の分析
粒径、多分散およびゼータ電位の測定を、以前に記載された通りに(Fox et al., 2008, Colloids and Surfaces B: Biointerfaces, 65:98-105)、Malvern (Worcestershire, UK) Nano-ZSを使用して、20 nm Whatman (Maidstone, Kent, UK) Anotop plus filterで濾過された超純水で100倍希釈後に行った。405nmレーザーおよびHamamatsu Orca Flash 2.8 CMOS カメラ(Hamamatsu, JP)を備えたNanoSight LM10 (Amesbury, UK)で、ナノ粒子軌跡解析法を実施した。サンプルを、20nm濾過超純水に3段階で1:105に希釈した。希釈の誤差をなくすために、各サンプルを4回独立して希釈し、分析した。最適化したシャッターと出力の設定で、各サンプルで90秒のビデオを記録した。カメラヒストグラムのゲーティングは、感度を最高にするように調節した。NanoSight NTA 2.3 ソフトウェア(Wiltshire, UK)を標準モードで使用して、データ分析を実施した。
【0325】
アジュバントの化学的完全性
逆相HPLC(RP−HPLC)を以前に記載の通りに使用して(Fox et al., 2008, Colloids and Surfaces B: Biointerfaces, 65:98-105)、スクアレン、DMPC、GLAおよびSLAの濃度を監視した。Agilent 1200 (Santa Clara, CA) およびESA Biosciences Corona Charged Aerosol Detector (CAD; Chelmsford, MA)を、Waters (Milford, MA) Atlantics C18 5 μm カラム (4.6 mm x 250 mm)と共に使用した。移動相Aは、75:15:10(v/v/v)メタノール、クロロホルムおよび水を、20mM酢酸アンモニウムおよび1%酢酸と共に含んだ。移動相Bは、50:50(v/v)メタノールおよびクロロホルム、20mM酢酸アンモニウム、および1%酢酸を含んだ。サンプルを移動相Bへの希釈(1:20)により調製し、9μLを30℃のカラムに注入し、45分間かけて100%から10%への移動相Aの勾配での溶離を使用した。標準曲線は、検出器の製造業者が推奨する通り、二次多項式にフィットさせ、サンプル濃度を内挿法により決定した。
【0326】
動物および免疫化
6−8週齢のメスのC57BL/6マウスを Charles River から購入し、特定病原体不在条件で維持した。感染後、動物を動物バイオセーフティレベル3の封じ込めで管理した。上記のワクチン調製物100μLの筋肉内注射により、マウスを3週間の間隔で3回免疫した。BCG免疫には、5x104CFU(Pasteur 系統、Sanofi Pasteur)を、最初のサブユニットの免疫化の時に、皮内に一度注射した。
【0327】
血液細胞の計数
免疫化の18時間後にマウス(N=5/群)から末梢血を採取した。全血をCD90.2(クローン53−2.1)およびCD19(クローン6D5)で染色した。Sphero AccuCount Rainbow Particles (Spherotech, Lake Forest, IL) を、製造業者の指示に従って添加した。細胞を洗浄し、PBSに再懸濁した。106までの事象を、四レーザーのLSRFortessa フローサイトメーター(BD Biosciences)に集めた。データを FlowJo で分析した。血液1マイクロリットル当たりのCD19+B細胞およびCD90.2+T細胞の絶対数を、製造業者の指示に従って算出した。
【0328】
抗体反応
マイクロテイナ(microtainer)血清採集チューブ(VWR International, West Chester, PA)に後眼窩血を集め、遠心分離することにより、免疫化の21日後にマウスの血清(N=5/群)を調製した。各血清サンプルを抗体捕捉ELISAにより分析した。簡潔に述べると、ELISAプレート(Nunc, Rochester, NY)を、0.1M重炭酸バッファー中の1μg/ml組換え抗原で被覆し、1%BSA−PBSでブロックした。次いで、PBS/ツイーン20での洗浄後に、連続的な順番で、連続希釈した血清サンプル、抗マウスIgG、IgG1またはIgG2c−HRP(全てSouthern Biotech, Birmingham, AL)およびABTS−H2O2(Kirkegaard and Perry Laboratories, Gaithersburg, MD)をプレートに添加した。プレートを405nmで分析した(ELX808, Bio-Tek Instruments Inc, Winooski, VT)。
【0329】
細胞内サイトカイン染色
最後の免疫化から1ヵ月後に、各群5匹の動物から脾細胞を単離した。Red Blood Cell Lysis Buffer (eBioscience)を使用して赤血球を溶解し、RPMI1640および10%FBSに再懸濁した。細胞を2x106個/ウェルで96ウェルプレートに播き、培地またはID93(10μg/mL)で1時間、37℃で刺激した。GolgiPlug (BD Biosciences)を添加し、細胞をさらに7時間37℃でインキュベートした。細胞を洗浄し、CD16/32(クローン2.4G2)に対する抗体の存在下で、CD4(クローンGK1.5)、CD8(クローン53−6.7)およびCD44(クローンIM7)に対する蛍光色素標識抗体(BioLegend and eBioscience)で、20分間4℃で表面染色した。細胞を洗浄し、Cytofix/Cytoperm (BD Biosciences)で、20分間、室温で透過処理した。細胞をPerm/Wash(BDBiosciences)で2回洗浄し、IFN−γ(クローンXMG−1.2)、IL−2(JES6−5H4)、TNF(MP6−XT22)、CD154(クローンMR1)、IL−5(クローンTRFK5)およびIL−17A(クローンTC11−18H10.1)に対する蛍光色素標識抗体(BioLegend and eBioscience)で、20分間室温で細胞内染色した。細胞を洗浄し、PBS中に再懸濁した。106までの事象を、四レーザーのLSRFortessa フローサイトメーター(BD Biosciences)に集めた。データをFlowJoで分析した。細胞に、シングレット>リンパ球>CD4+CD8−>CD44+>サイトカイン陽性でゲートをかけた。
【0330】
結核菌エアロゾル攻撃および数え上げ
最後の免疫化から4週間後に、肺に50ないし100個の細菌を送達するように設定されたGlasCol エアロゾル発生装置を使用して、マウス(n=7/群)を結核菌H37Rv(ATCC No. 35718; American Type Culture Collection)に空気感染させた。送達された細菌の量を確認するために、さらに感染毎に3匹の非免疫動物を1日後に安楽死させ、肺における細菌の負荷を数え上げた。攻撃の3週間後に、感染したマウスから肺を回収し、組織を0.1%PBS−ツイーン80中でホモジナイズし、細菌の増殖のために5倍連続希釈で7H10寒天プレート(Molecular Toxicology)に播くことにより、防御を測定した。37℃、5%CO2で14ないし21日間インキュベートした後に、細菌のコロニーを計数した。
【0331】
統計の方法
細菌の負荷を、log10 変換により標準化した。細菌の負荷、サイトカイン産生、血液細胞数、および抗体力価における統計的有意差を、Prism 5 (GraphPad Software)を使用するボンフェローニ(Bonferroni)多項比較検定による一元配置分散分析を使用して決定した。
【0332】
結果
GLA−SEアジュバント含有ワクチン製剤の物理化学的特徴解析
この同一バイアル化したアジュバント含有ワクチンの凍結乾燥の方法を開発した。凍結乾燥の際に、白色の部分的に縮んだケーキが形成され、水での再構成後、乳剤が再形成され、凍結乾燥前乳剤と同様に見えた(
図9、上段)。液体または凍結乾燥したID93+GLA−SEを50℃で30日間保温することにより、凍結乾燥により熱ストレスに対する安定性を高める可能性を評価した。熱ストレス後、ストレスのないサンプル(
図9、上段)と比較して、サンプルの品質に目に見える変化は観察されなかった(
図9、下段)。再構成されたサンプルは、乳剤の外観を維持し、凍結乾燥したケーキは、さらなる崩壊または変色の兆候を示さなかった。
【0333】
粒子の特徴は、粒径がインビボでのワクチンの輸送の速度およびメカニズムを決定するため、有効なワクチンの開発に決定的である。製品の最終的な滅菌濾過を可能にするために、200nm未満の粒径を維持するのが望ましい;加えて、粒径<200nmは、リンパ節に迅速に接近できる(Bachmann et al., 2010, Nature Rev Immunol, 10:787-796)。同一バイアル化または同一バイアル化したID93+GLA−SEの凍結乾燥および再構成が、ID93の生物物理学的特性、粒径、濃度、多分散および全体的なゼータ電位を変えるか否かを評価するために、GLA−SE、同一バイアルID93+GLA−SEおよび凍結乾燥した同一バイアルID93+GLA−SEを試験した。混合後に測定された粒子の特徴は、GLA−SEの粒子濃度はID93と比較して5桁高いので、GLA−SEの貢献を主に反映した。ID93とGLA−SEの同一バイアル化は、GLA−SE単独と比較して、粒径に影響を与えなかった(両ケースで80nm)(
図10A)。ID93+GLA−SEの凍結乾燥およびその後の再構成は、測定の誤差範囲内である約10nmの小さい増加をもたらした。ID93は、Z平均粒径約70nmの多分散の凝集体を形成した。ID93単独の熱ストレスは、観察される平均粒径を低下させた;しかしながら、これは統計学的に有意ではなかった(p>0.05)(
図10A)。GLA−SE単独またはID93との組合せの熱ストレスは、試験したどのプラットフォームでも、粒径または濃度に影響しなかった(
図10Aおよび
図10D)。GLA−SEは、低い多分散値に反映される通り、均一性の高い溶液であった(
図10B)。ID93に観察される多分散の程度は大幅に高いが、ID93とGLA−SEの混合物は、GLA−SEの全体的な多分散が低い特徴を保持し、ID93とGLA−SE粒子の相対的割合を反映した。重要なことに、凍結乾燥および再構成したID93+GLA−SEは、この均一な粒径を保持した。熱ストレスへの暴露は、液体または凍結乾燥のフォーマットで、ID93、GLA−SEまたは同一バイアル化したID93+GLA−SEの多分散に影響しなかった。ID93およびGLA−SEは両方とも、現在の配置で、全体的な亜陰性ゼータ電位を有する。この2つを混合すると、平均ゼータ電位−13mVとなり、それは凍結乾燥により影響を受けなかった(
図10C)。熱ストレスに際して、より陰性のゼータ電位が全てのGLA−SE含有サンプルに見られた;しかしながら、この変化は凍結乾燥したID93+GLA_SEについてのみ統計的に有意であった(p<0.025)。全体的なID93+GLA−SEの凍結乾燥および再構成は、凍結乾燥されていないID93+GLA−SEと比較して、物理化学的特徴を変化させない。ID93の物理化学的特徴は、長期間の高温への暴露により有意に影響を受けたが、GLA−SEは受けなかった。
【0334】
同一バイアル化、凍結乾燥および熱ストレスがID93+GLA−SEの化学的完全性にどのように影響するかを評価するために、SDS PAGEによりID93濃度を、そして、RP−HPLCにより、GLA、スクアレンおよびDMPC(後者の2つは、安定乳剤の主成分であった)濃度を評価した。5μg/mLではID93をSDS−PAGEで検出できないため、100μg/mLのID93を含有するサンプルを評価した。100μg/mLおよび5μg/mLのID93を含有する同一バイアル化したサンプルは、液体、凍結乾燥および熱ストレス条件下で、粒径、粒子濃度、ゼータ電位およびGLA分解プロフィールに関して同様に振る舞うと判明した。GLA−SEは、おそらくSDSによる乳剤粒子の破壊のため、不明瞭なスメアとして流れ、染色後に可視であった。同一バイアル化したID93+GLA−SEの凍結乾燥および再構成は、ID93濃度の5−10%の減少をもたらし、それは再構成時の希釈によると予測され、ID93の実質的な加水分解は起こらなかったことを示した(
図11)。50℃、1ヵ月間の熱ストレスへの暴露後に、ID93+GLA−SE中に存在するID93に劇的な減少があった。ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、タンパク質をこの分解に対して耐性にし、液体サンプルおよび凍結乾燥サンプルに、ストレスのないサンプルと比較して、熱ストレス後にそれぞれ6%および90%のID93のバンド強度が観察された(
図11)。従って、ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、ID93タンパク質を熱ストレスにより誘導される分解から保護した。
【0335】
予想された通り、GLA−SEを1:1でID93と混合した後、最初の濃度の約半分のGLA、DMPCおよびスクアレンが測定され、凍結乾燥および再構成後にこれらの物質は失われなかった(
図12A)。液体GLA−SEの熱ストレスへの暴露は、GLA濃度の50%の損失をもたらした(p<0.001)。これは、ID93との同一バイアル化により、熱ストレス後に検出可能なGLAがない程度まで悪化した(
図12A)。この感受性の増強は、GLA−SE単独と比較して、同一バイアル化したID93+GLA−SEのpHがより塩基性であるためであり得る。このGLAの損失は、同一バイアル化したID93+GLA−SEの凍結乾燥により改善され、約50%のGLAが、熱ストレスを受けた凍結乾燥ID93+GLA−SEの再構成後に回復した(
図12D)。DMPCまたはスクアレン濃度は熱ストレスに影響されなかったので、GLA−SEの主な熱に不安定な成分はGLAであった(
図12B−D)。総合すると、これらのデータは、ID93+GLA−SEの2種の活性成分が、凍結乾燥により熱誘導性分解から保護されたことを示す。
【0336】
全体的に見て、ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、同一バイアル化したID93+GLA−SEの化学的および生物物理学的特性を再構成時に保持する、白色ないしオフホワイト色のケーキをもたらした。ID93+GLA−SEの熱ストレスへの暴露は、ID93およびGLAの両方の有意な損失をもたらした。同一バイアル化したID93+GLA−SEの凍結乾燥は、これらの熱ストレスによる損失を大いに改善し、このアプローチがこのワクチン候補のコールドチェーン管理の必要性を低減または排除し得ることを示す。
【0337】
ワクチンの免疫原性およびGLA−SEアジュバント含有ワクチン製剤の効力
熱ストレスがID93+GLA−SEの生物学的活性にどのように影響するかを判定するために、そして、凍結乾燥が有害な影響を改善するか否かを判定するために、液体抗原とアジュバント(液体)の別個のバイアル、抗原およびアジュバントの混合物(液体同一バイアル)または同時凍結乾燥した抗原およびアジュバント(凍結乾燥同一バイアル)として保管されたID93+GLA−SEまたは塩水で、マウスを免疫した。免疫化に先立ち、免疫化物質を、4℃(即ち、ストレスなし)または50℃(即ち、熱ストレスあり)で、1ヵ月間保管した。免疫後、BおよびT細胞は抗原と遭遇すると流入領域リンパ節へ戻るので(Shiow et al., 2006, Nature, 440:540-544)、循環しているBおよびT細胞の血液からの一過性の喪失があった。この一過性のリンパ球減少は、抗原提示細胞と同族のリンパ球との効果的な相互作用に必要な過程においてリンパ球が一次的にリンパ節に捕捉されるので、リンパ節シャットダウンと呼ばれる。GLA−SEアジュバントはこの効果を増大させ、このことはその優れたアジュバント活性の一部を説明し得る。ストレスのない液体ID93+GLA−SEによる免疫は、血液からのBおよびT細胞の両方の劇的な喪失を誘起した(
図13A)。液体ID93+GLA−SEに50℃で1ヵ月間ストレスを与えると、この効果は減少し、GLAの活性が熱ストレスにより損なわれたことを示唆する。ストレスのない液体同一バイアルのID93+GLA−SEは、液体ワクチンと同じくらい効率的にリンパ節シャットダウンを誘導したが、この液体同一バイアルの物質は、おそらく検出可能なGLAの損失を反映して、リンパ節シャットダウンの程度が顕著に減少したように、熱ストレスにより一層影響を受けた(
図13A)。凍結乾燥した同一バイアルのID93+GLA−SEは、液体の物質と同程度に、一過性のリンパ球減少症を誘起したが、液体同一バイアルの物質と異なり、この効果は凍結乾燥した同一バイアルのワクチンの熱ストレスにより損なわれなかった。これらのデータは、GLA−SEアジュバントの生物学的活性は、熱ストレスに感受性であり、これは、ID93抗原との同一バイアル化により悪化することを示唆した。重要なことに、このパラメーターから読み取れる通り、凍結乾燥は、同一バイアルのID93+GLA−SEに熱ストレスの損傷に対する耐性を与えた。
【0338】
ID93+GLA−SEの生物学的活性に対する熱ストレスおよび凍結乾燥の影響をより詳細に調べるために、免疫化後のID93特異的抗体の力価を評価した。ID93+GLA−SEによる免疫化は、IgG2c産生に傾いている、IgG1とIgG2cの混合された応答を誘起した。これは、ID93+GLA−SEによりもたらされる、IFN−γに支配されるCD4T細胞応答を反映するものであった。熱ストレスへの暴露は、液体ID93+GLA−SEが測定可能な抗体力価を誘起する能力を有意に損なった(
図13B)。これは、おそらく、熱ストレス時のID93タンパク質の分解に起因した(
図11)。ID93+GLA−SEを同一バイアル化することは、ワクチンを4℃で保管したときに抗体応答の規模を変化させなかったが、これは、熱ストレスに起因する抗体誘導能力の損失を防止するには十分ではなかった。逆に、凍結乾燥した同一バイアルのID93+GLA−SEは、規模およびIgG1/IgG2cの傾きにおいてストレスのない液体の物質と同様の強い抗体応答を誘起し、これは熱ストレスにより損なわれなかった(
図13B)。
【0339】
ID93+GLA−SEは、IFN−γ、TNFおよびIL−2を産生するID93特異的CD4T細胞(即ち、TH1細胞)を誘導することにより、結核菌に対して防御した。熱ストレスへの暴露は、これらのサイトカインのいずれの産生によっても測定される通り、液体ID93+GLA−SEによる3回目の免疫化の後、ID93特異的TH1細胞の頻度をほぼ50%まで減らした(
図13C)。ID93タンパク質の分解にも拘わらず、ストレスを受けた液体ID93+GLA−SEに対するTH1応答が維持されたことは、おそらく、熱暴露後の免疫原性ペプチドおよび残存GLAの存在を反映した。液体ID93+GLA−SEの同一バイアル化は、4℃で保管するとTH1応答の規模をわずかに増大させたが、熱ストレスへの暴露は、液体の単一バイアルのID93+GLA−SEがそのような応答を誘起する能力を完全に除去した。凍結乾燥した同一バイアルのID93+GLA−SEは、液体ID93+GLA−SEで産生されるものと同様のレベルまで、TH1応答を誘導した。重大なことに、液体または液体の同一バイアルのID93+GLA−SEとは異なり、凍結乾燥した同一バイアルのID93+GLA−SEは、熱ストレス後にID93特異的TH1細胞を誘起する能力を十分に保持した(
図13C)。未変性のID93+GLA−SEでの免疫化で誘起されるID93特異的CD4T細胞は、専らTH1細胞であり、再刺激の際にIL−5(TH2)またはIL−17(TH17)を産生しないことは、以前に決定された(Orr et al, 2013, Eur J Immunol.)。同一バイアル化、凍結乾燥および/または熱ストレスへの暴露は、ID93+GLA−SEによる、検出可能なIL−5またはIL−17産生により測定されるTH2またはTH17細胞のいずれの誘導も増強しなかった。刺激後のCD154の産生は、サイトカイン産生に拘わらず、CD4T細胞活性化の全般的なマーカーであると提唱された(Frentsch et al, 2005, Nat Med, 11:1118:1124)。全ての場合で、CD154発現レベルは、IFN−γおよびTNFの両方のそれを密接に写し、TH1プログラミングからの逸脱がなかったことをさらに示す。全体的に見て、初期のリンパ球が血液から出て行くことの障害(
図13A)は、その後のID93+GLA−SEワクチン接種に対する抗体(
図13B)およびCD4T細胞応答(
図13C)の両方の損失と強く相関する。
【0340】
熱ストレス、同一バイアル化および凍結乾燥がID93+GLA−SEの防御効力にどのように影響するかを評価するために、免疫化したマウスを、低用量のエアロゾル化した結核菌で攻撃した。3週間後、液体ID93+GLA−SEで免疫された動物は、肺および脾臓における細菌負荷の減少により測定される通り、塩水で免疫された動物と比較して、有意に結核菌に対して防御された(
図14Aおよび
図14B)。液体ID93+GLA−SEに別々に熱ストレスをかけることは、おそらくこの免疫化により誘起される残存ID93特異的TH1応答を反映して、この防御効力を損なわなかった(
図13C)。ID93+GLA−SEの同一バイアル化は、4℃で保管したとき、防御効力を損なわなかったが、液体の同一バイアル化したワクチンは、熱ストレスに暴露されると、全ての防御効力を喪失した。同一バイアル化したID93+GLA−SEの凍結乾燥は防御効力を維持し、最も重要なことに、ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、熱ストレスによる防御効力の喪失を排除した(
図14Aおよび
図14B)。
【0341】
抗原とナノ乳剤アジュバントの同時凍結乾燥および再構成は、ワクチンの物理化学的特徴を有意に変更しなかった。再構成の際、抗原およびTLR4アゴニストGLA、並びにスクアレン油の濃度は、出発物質のそれと実質的に相違しなかった。長期にわたる熱ストレスへの暴露は、液体の同一バイアルまたは同時凍結乾燥ワクチンのいずれの物理的特徴にもほとんど影響しなかった;しかしながら、熱への暴露は、抗原およびTLR4アゴニストの化学的分解を導いたが、アジュバントのスクアレンまたはリン脂質成分の化学的分解は導かなかった。同時凍結乾燥は、このTLR4アゴニストの損失を部分的に保護した。
【0342】
熱ストレスによるGLAの損失は、実験動物に投与された場合のワクチンの免疫応答および防御効力の減損を強く予言するものであった。この関係は完全に線形ではなかったが、液体サンプルにおけるGLAの減少は、免疫化後のID93特異的CD4T細胞の頻度の減少をもたらした。熱ストレスを受けた液体同一バイアルのID93+GLA−SEにおけるGLAの完全な損失は、CD4T細胞誘導の喪失と合致した。逆に、液体サンプルにおけるID93タンパク質の分解は、CD4T細胞応答の規模にはほとんど影響しなかった。理論に縛られることは望まないが、これは、おそらく、熱ストレスを受けたサンプルに、T細胞応答を引き起こすのに必要な免疫優性ペプチドが保持されていたためであろう。一方、熱に誘導されたID93の分解は、ワクチンに対する抗体応答の規模を有意に損なった。ID93特異的抗体の多くが、構造依存的であり得る。さらに、残存する抗体応答は、優先的にIgG1であり、GLAの損失がIgG2cの傾きを引き起こしたことを示す。ID93+GLA−SEの同時凍結乾燥は、熱ストレスに誘導されるID93特異的抗体応答の喪失を大きく防止し、これは、タンパク質の構造がこの過程により保護されたことを示す。このことは、熱ストレスに対する抗原の保護は、防御効力をT細胞に依存するID93+GLA−SEなどのワクチンよりも、防御効力を抗体応答に依存するワクチンにとって、より重要なパラメーターであることを示唆し得る。実際に、熱ストレスを受けた別のバイアルに入れられた液体ワクチンは、エアロゾル化したMtbによる実験的攻撃に対してある程度の防御効力を保持した。熱ストレスに直面して、凍結乾燥によりGLA濃度を保持する能力、TH1誘導の保持、および防御効力の維持の間に、明確な関係がある。
【0343】
SLA−SEアジュバント含有ワクチン製剤の物理化学的特徴解析
同一バイアル化したSLA−SEアジュバント含有ID93ワクチンの凍結乾燥の方法を開発した。凍結乾燥の際に、白色の部分的に縮んだケーキが形成され、水での再構成後、乳剤が再形成された(
図15)。凍結乾燥により熱ストレスに対する安定性が高まる可能性を、凍結乾燥したID93+SLA−SEサンプルを2連で(AおよびB)、50℃で30日間保温することにより評価した。熱ストレス後、ストレスのないサンプル(
図15;0日間Aおよび0日間B)と比べて、サンプルの品質に目に見える変化は観察されなかった(
図15;30日間Aおよび30日間B)。再構成されたサンプルは、乳剤の外観を維持し、再構成の24時間後にクリーム化を示さず、凍結乾燥したケーキは、さらなる崩壊または変色の兆候を示さなかった。
【0344】
同一バイアル化、凍結乾燥および熱ストレスがID93+SLA−SEの化学的完全性にどのように影響するかを評価するために、再構成された製剤におけるID93濃度をSDS PAGEにより評価した(
図16)。1μg/mLID93を含む再構成されたサンプルを、各レーンに載せた。ID93は、試験した全てのサンプルにおいて、98kDaのバンドとして観察された。ストレスを受けた同一バイアルのID93+SLA−SEの凍結乾燥および再構成は、ストレスを受けた同一バイアルのID93+SLA−SEと比較して、ID93の実質的な加水分解をもたらさなかった(
図16)。従って、ID93+SLA−SEの凍結乾燥は、熱ストレスにより誘導される分解からID93タンパク質を保護した。
【0345】
凍結乾燥および再構成した同一バイアルのID93+SLA−SEの熱ストレスがこのアジュバント含有ワクチンの生物物理学的特性を変更するか否かを評価するために、ストレスまたは非ストレス条件下で、凍結乾燥した同一バイアルのID93+SLA−SEの粒径、濃度、多分散および全体的なゼータ電位を調べた。凍結乾燥および再構成した同一バイアルのID93+SLA−SEの熱ストレスは、ストレスなしの同一バイアルのID93+SLA−SEと比較して、粒径または多分散の凝集体(
図17A−C)またはゼータ電位(
図18)を有意に変更しなかった。凍結乾燥および再構成した同一バイアルのID93+GLA−SEと同様に、凍結乾燥および再構成した同一バイアルのID93+SLA−SEの熱ストレスは、SLAの約50%の回復をもたらした(
図19)。
【0346】
実施例3:凍結乾燥ワクチン乳剤製剤および長期安定性
同一バイアル化したGLA−SEアジュバント含有ID93ワクチンの凍結乾燥の方法を開発した。長期安定性を評価した製剤は、実施例1で記述した製剤と同一であり、2%v/vスクアレン、0.4%w/vDMPC、0.02%w/vポロクサマー188、0.5%w/vグリセロール、および5mMリン酸アンモニウムに、20mMトロメタミンおよび5%w/vトレハロース存在下で凍結乾燥したID93ポリペプチドを加えたものから成るGLA−SE製剤であった。凍結乾燥時に、白色の、部分的に縮んだケーキが形成され、水による再構成後に、乳剤は、目に見えるクリーム化の徴候なく、再形成された(
図20)。凍結乾燥によって熱ストレスに対する安定性を増加させる可能性を、凍結乾燥したID93+GLA−SEの二連のサンプル(AおよびB)を4℃、25℃、および37℃で保温することによって評価した。
【0347】
3ヵ月間の安定性データ
3ヵ月間、4℃、25℃、および37℃で保管することによって、ケーキの外観、または再構成時に好適な乳剤を形成する能力において、開始時(time zero)と比較して変化は見られない(
図21Aおよび
図21B)。凍結乾燥したケーキは、崩壊または変色のさらなる徴候を示さず、再構成したサンプルは、再構成後24時間までは、クリーム化することなく、乳剤の外観を維持した。
【0348】
凍結乾燥したアジュバント含有ワクチンID93+GLA−SEの生物物理学的特性を、粒径(Z-Aved nm)および多分散(PDI)に関して、4℃、25℃、および37℃で保管したサンプルについて3ヵ月目に調べた。3ヵ月目に、製剤は、37℃までの保管温度のいずれにおいても、粒径または凝集体において、顕著な変化を示さなかった(
図21B)。
【0349】
同一バイアル化、凍結乾燥および熱ストレスが、4℃、25℃、および37℃で3ヵ月間保管した凍結乾燥乳剤において、ID93ポリペプチドの化学的完全性にどのように影響を与えるかを評価するために、再構成された製剤をSDS PAGEで調べた(
図21C)。レーン当たり、1μg/mL ID93を含む再構成されたサンプルを、負荷した。ID93は、試験した全てのサンプルにおいて、98kDaのバンドとして観察された。ID93+GLA−SEの凍結乾燥および再構成は、ID93ポリペプチドの実質的な加水分解をもたらさない。それゆえ、ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、ID93タンパク質を、熱ストレスにより誘導される分解から保護する。
【0350】
SE製剤の化学的完全性を、HPLCによって評価し、DMPCおよびスクアレンについて分析した。
図21Dの結果は、水中油乳剤のどちらの成分の損失も分解も示していない。
【0351】
4℃、25℃および37℃で保管した凍結乾燥ID93+GLA−SE製剤におけるアジュバントの濃度を評価した(
図21E)。データは、いずれの保管温度でも、3ヵ月目において、最初の濃度の50μg/mlからGLAの顕著な損失はなかったことを示している。
【0352】
6ヵ月間の安定性データ
6ヵ月間、4℃、25℃、または37℃で保管することによって、ケーキの外観または再構成時に好適な乳剤を形成する能力において、開始時と比較して変化は見られない(
図22Aおよび
図22B)。凍結乾燥したケーキは、崩壊または変色のさらなる徴候を示さず、再構成したサンプルは、再構成後24時間までは、クリーム化することなく、乳剤の外観を維持した。
【0353】
凍結乾燥したアジュバント含有ワクチンID93+GLA−SEの生物物理学的特性を、粒径(Z-Aved nm)および多分散(PDI)に関して、4℃、25℃、および37℃で保管した凍結乾燥サンプルについて、6ヵ月目に調べた。6ヵ月目に、製剤は、37℃までの保管温度のいずれにおいても、粒径または凝集体において、顕著な変化を示さなかった(
図22B)。
【0354】
同一バイアル化、凍結乾燥および熱ストレスが、4℃、25℃、および37℃で6ヵ月間保管後に、ID93+GLA−SE凍結乾燥乳剤において、ID93ポリペプチドの化学的完全性にどのように影響を与えるかを評価するために、再構成された製剤をSDS PAGEで調べた(
図22C)。レーン当たり、1μg/mL ID93を含む再構成されたサンプルを、負荷した。ID93は、試験した全てのサンプルにおいて、98kDaのバンドとして観察された。ID93+GLA−SEの凍結乾燥および再構成は、ID93の実質的な加水分解をもたらさない。それゆえ、ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、ID93タンパク質を、熱ストレスにより誘導される分解から保護する。
【0355】
SE製剤の化学的完全性を、HPLCによって評価し、DMPCおよびスクアレンについて分析した。
図22Dの結果は、水中油乳剤のどちらの成分の損失も分解も示していない。
【0356】
4℃、25℃および37℃で保管した凍結乾燥ID93+GLA−SE製剤におけるアジュバントの濃度を評価した(
図22E)。データは、6ヵ月目において、4℃または25℃の保管温度で、最初の濃度の50μg/mlからGLAの顕著な損失はなかったことを示しているが、37℃の保管温度で、約50%のGLAの損失を示している。
【0357】
9ヵ月間安定性データ
9ヵ月間、4℃、25℃、または37℃で保管することによって、ケーキの外観または再構成時に好適な乳剤を形成する能力において、開始時と比較して変化は見られない(
図23Aおよび
図23B)。凍結乾燥したケーキは、崩壊または変色のさらなる徴候を示さず、再構成したサンプルは、再構成後24時間までは、クリーム化することなく、乳剤の外観を維持した。
【0358】
凍結乾燥したアジュバント含有ワクチンID93+GLA−SEの生物物理学的特性を、粒径(Z-Aved nm)および多分散(PDI)に関して、4℃、25℃、および37℃で保管したサンプルについて、9ヵ月目に調べた。9ヵ月目に、製剤は、37℃までの保管温度のいずれにおいても、粒径または凝集体において、顕著な変化を示さなかった(
図23B)。
【0359】
同一バイアル化、凍結乾燥および熱ストレスが、4℃、25℃、および37℃で9ヵ月間保管後に、ID93ポリペプチドの化学的完全性にどのように影響を与えるかを評価するために、再構成された製剤をSDS PAGEで調べた(
図23C)。レーン当たり、1μg/mL ID93を含む再構成されたサンプルを、負荷した。ID93は、試験した全てのサンプルにおいて、98kDaのバンドとして観察された。ID93+GLA−SEの凍結乾燥および再構成は、ID93の実質的な加水分解をもたらさない。それゆえ、ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、ID93タンパク質を、熱ストレスにより誘導される分解から保護する。
【0360】
SE製剤の化学的完全性を、HPLCによって評価し、DMPCおよびスクアレンについて分析した。
図23Dの結果は、9ヵ月間保管後に、水中油乳剤のどちらの成分の損失も分解も示していない。
【0361】
4℃、25℃および37℃で保管した凍結乾燥ID93+GLA−SE製剤におけるアジュバントの濃度を評価した(
図23E)。データは、4℃または25℃において、最初の濃度の50μg/mlと比較して、GLAの顕著な損失はなかったことを示しているが、37℃の保管温度で、6ヵ月目に見られたのと同様に、9ヵ月目において、約69%のGLAの損失を示している。
【0362】
12ヵ月間安定性データ
12ヵ月間、4℃、25℃、または37℃で保管することによって、ケーキの外観または再構成時に好適な乳剤を形成する能力において、開始時と比較して変化は見られない(
図24Aおよび
図24B)。凍結乾燥したケーキは、崩壊または変色のさらなる徴候を示さず、再構成したサンプルは、再構成後24時間までは、クリーム化することなく、乳剤の外観を維持した。
【0363】
凍結乾燥したアジュバント含有ワクチンID93+GLA−SEの生物物理学的特性を、粒径(Z-Aved nm)および多分散(PDI)に関して、4℃、25℃、および37℃で保管したサンプルについて、12ヵ月目に調べた。12ヵ月目に、製剤は、37℃までの保管温度のいずれにおいても、粒径または凝集体において、顕著な変化を示さなかった(
図24B)。
【0364】
同一バイアル化、凍結乾燥および熱ストレスが、4℃、25℃、および37℃で12ヵ月間保管後に、ID93ポリペプチドの化学的完全性にどのように影響を与えるかを評価するために、再構成された製剤をSDS PAGEで調べた(
図24C)。レーン当たり、1μg/mL ID93を含む再構成されたサンプルを、負荷した。ID93は、試験した全てのサンプルにおいて、98kDaのバンドとして観察された。ID93+GLA−SEの凍結乾燥および再構成は、ID93の実質的な加水分解をもたらさない。それゆえ、ID93+GLA−SEの凍結乾燥は、12ヵ月目において、ID93タンパク質を、熱ストレスにより誘導される分解から保護する。
【0365】
4℃、25℃および37℃で保管した凍結乾燥ID93+GLA−SE製剤におけるアジュバントの濃度を評価した(
図23E)。データは、4℃または25℃において、最初の濃度の50μg/mlと比較して、GLAの顕著な損失はなかったことを示しているが、37℃の保管温度で、12ヵ月目において、69%のGLAの損失を示している。
【0366】
実施例4:より高温での熱安定性が改善され、アジュバントの欠損がない、単一および多相の賦形剤系における、凍結乾燥ワクチン乳剤製剤および安定性
凍結乾燥および製剤化した水中油安定乳剤は、実施例1に記載の材料を使用し、実施例1に記載の方法に従って、調製し、凍結乾燥した。凍結乾燥した水中油安定乳剤(SE)製剤の特性は、再構成され、実施例1に記載の通り、融点、水分測定、粒径およびゼータ電位、高速液体クロマトグラフィーによる化学分解、再構成選別、ケーキ安定性選別、および安定性の増進の特徴として、解析した。
【0367】
予備実験に基づき、グリセロールの等張化剤としての使用が、25℃を超える温度での本発明の製剤の熱不安定性に寄与している可能性があると仮定された。本発明の製剤において等張化剤としてのグリセロールを取り除くと、3ヵ月より長い期間における25℃を超える温度での熱安定性を高めるかどうかを判定するために、研究を行った。グリセロールの除去に加えて、本発明の改善された50℃で熱安定性のある2.5%トレハロースおよび2.5%マンニトール凍結乾燥製剤中で凍結乾燥される場合の生分解性油(本実施例ではスクアレン)のパーセンテージを、熱安定性およびケーキの特徴について、実施例1に記載の方法により評価した。
【0368】
示した%のスクアレン(示した通り、2%から10%v/vのスクアレン)、0.4%w/vDMPC、0.02%w/vポロクサマー188、0.5%w/vグリセロール、および5mMリン酸アンモニウムの実施例1に記載のサンプルを、0.5%w/vグリセロールを含めて、あるいは、グリセロール無しで、かつ追加の等張化剤としての2%v/vTrisを加えて、または加えずに、製剤化した。
図25Aのデータは、0.5%v/vグリセロールを含む製剤(With Glycerolと表示)が、凍結乾燥直後(0日目)および50℃保管30日目のどちらでも、わずかに縮んで押し下げられたケーキを形成したことと比較して、スクアレンの濃度を増やして(2−10%v/v)、0.5%グリセロールを除くと(No Glycerolと表示)、50℃で30日目でさえも、ケーキの縮みまたは変色がなく、乳剤製剤は全て、凍結乾燥時に美しいケーキを形成したことを示している。製剤のクリーム化に関するケーキの再構成の比較は、目立った差異を示さなかった。
【0369】
図25Bおよび
図25Cは、50℃で30日間保管後のいずれの製剤においても、(それぞれ)粒径(Z-Aved nm)および多分散(PDI)のどちらにおいても、目立った差異がないことを示している。
図25Dは、0.5%v/vグリセロールの存在が、アジュバントの安定性、製剤のGLAに影響を与える証拠を提供する。生分解性油の量(25−10%)を増やして調製した乳剤製剤はどれも、GLA濃度において、最初の濃度(バー上の0で表した開始時)を、凍結乾燥したバイアルを50℃で30日間保管後に再構成したサンプルと比較して、損失を示さない。グリセロール存在下で凍結乾燥した乳剤は、30−40%のGLAの損失を示す。
【0370】
本データに基づくと、おそらく、本発明のワクチン製剤は、50℃の温度に耐えるように凍結乾燥することが可能であり、それは、より美しいケーキを生産し、当業者が認識するように、それによってより優れた熱安定性を得るであろう。
【0371】
実施例5:より高温での熱安定性が改善され、アジュバントの欠損がない単一および複数の賦形剤系における、4つの凍結乾燥ワクチン乳剤製剤の開発および特徴解析、並びに、安定性
4つの凍結乾燥製剤について本明細書に記載のGLA−SE乳剤を熱保護する能力を評価した。全ての製剤は、等張化剤としてのグリセロールを含まなかった。開発および評価した製剤は、5%トレハロース単独(グリセロールなし)(
図26A)、5%トレハロースw/v、0.1%w/vマンニトール(
図26B)、2.5%w/vトレハロース、2.5%w/vマンニトール)(
図26C)、および10%w/vトレハロース(
図26D)で、示された時間、示されたように4℃、25℃、37℃、および50℃で保管されたサンプルについて、凍結乾燥後0時間(凍結乾燥直後)、1週間(1wk)、2週間(2wk)、1ヵ月間(1mo)および3ヵ月間(3mo)で、再構成後のケーキ形成、外観およびクリーム化を評価した。データの比較によって、5%トレハロースw/v、0.1%w/vマンニトールの全てのサンプルがきれいな白色のケーキを形成し(
図26B)、2.5%w/vトレハロース、2.5%w/vマンニトールが全ての保管温度で最も美しいケーキを形成したこと(
図26C)が示されている。5%トレハロースw/v、0.1%w/vマンニトール(
図26B)、2.5%w/vトレハロース、2.5%w/vマンニトール(
図26C)によって形成された美しいケーキは、当分野で知られるように、美しい構造を示す。本発明の凍結乾燥したGLA−SE乳剤からの、等張化剤としてのグリセロールの除去は、より美しいケーキ構造をもたらし、4℃、25℃、37℃、および50℃の範囲にわたる温度で、1週間(1wk)、2週間(2wk)、1ヵ月間(1mo)および3ヵ月間(3mo)保管した場合に、構造上の完全性を維持する(
図26A−D)。
【0372】
凍結乾燥製剤を全て、示されているように、4℃、25℃、37℃、および50℃で、1週間(1wk)、2週間(2wk)、1ヵ月間(1mo)および3ヵ月間(3mo)、保管した。サンプルを、保管庫から取り出し、再構成し、
図27−31に表されているように、再構成後に、粒径(Z-Aved nm)、多分散(PDI)、pHおよびGLA量について比較した。
【0373】
図27は、各製剤についての、凍結乾燥成分を添加する前の凍結乾燥前乳剤(バー上にPre Lyoと表示)、凍結乾燥前のGLA−SE製剤(バー上にLyoと表示)、および凍結乾燥後の再構成後のGLA−SE製剤(0と表示)の比較を表す。製剤の最初の比較では、凍結乾燥製剤は各製剤間で目立った差異を示さず、約200nm未満のZ平均粒径の粒径、多分散により測定される明らかな凝集体の欠如、生理的なpH、およびGLAの明らかな損失がないことを含む、適切な再構成された乳剤の特徴を有した。
【0374】
図28は、4℃(バー1)、25℃(バー2)、37℃(バー3)、および50℃(バー4)で1週間(1wk)保管した、様々な単一バイアル凍結乾燥製剤を表す。サンプルを再構成し、粒径(Z平均粒径、nm)、凝集機能としての多分散(PDI)、pH、およびGLA濃度(mg/ml)を分析した。
図28Aのデータは、4℃−50℃の範囲の温度で保管された4つの凍結乾燥製剤全てが、約200nm未満の所望のサイズの粒径(
図28A)、多分散により測定した明らかな凝集体の欠如(
図28B)、および生理的なpH(
図28C)を示したことを表している。凍結乾燥したケーキの平均粒径が、全ての製剤について50℃で、他のサンプルと比較しておよそ40%増加しているにもかかわらず、依然として所望の約200nm未満以内であったことは、注目に値する。重要なことに、グリセロールを欠如させて試験した全ての製剤が、1週間、試験したいずれの温度で保管した後も、GLAの損失を示さなかった。
【0375】
図29は、37℃(バー3)および50℃(バー4)で2週間(2wk)保管した、様々な単一バイアル凍結乾燥製剤を表す。サンプルを再構成し、粒径(Z平均粒径、nm)、凝集機能としての多分散(PDI)、pH、およびGLA濃度(mg/ml)を分析した。
図29Aのデータは、37℃−50℃の範囲の温度で保管された4つの凍結乾燥製剤全てが、約200nm未満の所望のサイズの粒径(
図29A)、多分散により測定した明らかな凝集体の欠如(
図29B)、および生理的なpH(
図29C)を示したことを表している。凍結乾燥したケーキの平均粒径が、全ての製剤について50℃で、1週間後に、他のサンプルと比較しておよそ40%増加していたにもかかわらず、2週間目に変化していないように見え、依然として所望の約200nm未満以内であったことは、注目に値する。重要なことに、グリセロールを欠如させて試験した全ての製剤が、1週間、試験したいずれの温度で保管した後も、GLAの損失を示さなかった。
【0376】
図30は、4℃(バー1)、25℃(バー2)、37℃(バー3)、および50℃(バー4)で1ヵ月間(1mo)保管した、様々な単一バイアル凍結乾燥製剤を表す。サンプルを再構成し、粒径(Z平均粒径、nm)、凝集機能としての多分散(PDI)、pH、およびGLA濃度(mg/ml)を分析した。
図30Aのデータは、4℃−50℃の範囲の温度で保管された4つの凍結乾燥製剤全てが、約200nm未満の所望のサイズの粒径(
図30A)、多分散により測定した明らかな凝集体の欠如(
図30B)、および生理的なpH(
図30C)を示したことを表している。2.5%トレハロース、2.5%マンニトール製剤の平均粒径の120〜175nmへの増加の傾向は注目されるが、平均粒径は依然として200nmより小さく、製剤はGLAの損失を示さない。
【0377】
図31は、4℃(バー1)、25℃(バー2)、37℃(バー3)、および50℃(バー4)で1ヵ月間(1mo)保管した、様々な単一バイアル凍結乾燥製剤を表す。サンプルを再構成し、粒径(Z平均粒径、nm)、凝集機能としての多分散(PDI)、pH、およびGLA濃度(mg/ml)を分析した。
図31Aのデータは、4℃−50℃の範囲の温度で保管された4つの凍結乾燥製剤全てが、約200nm未満の所望のサイズの粒径(
図31A)、多分散により測定した明らかな凝集体の欠如(
図31B)、および生理的なpH(
図31C)を示したことを表している。この実施例5のデータは、最大50℃の温度で、1ヵ月以上にわたり保管された際に、50℃での熱安定性を高めることを示すアジュバント(GLA)を含む、水中油乳剤(SE)の単一バイアル凍結乾燥のための、さらなるリード候補製剤を提供する。
【0378】
本発明は、コールドチェーン保管の必要性を低減または除去することに特定の有用性を示す、抗原、単一アジュバント、複数アジュバント、またはこれらの任意の組み合わせのワクチン輸送に適した、水中油乳剤の単一バイアル凍結乾燥のために、多くの製剤を提供し、これらの製剤を当分野の水準に対して改良されたものにせしめる。
【0379】
SEQUENCES
任意のHisタグを有するID93融合ポリペプチド(配列番号1)
MGSSHHHHHHSSGLVPRGSHMTINYQFGDVDAHGAMIRAQAGSLEAEHQAIISDVLTASDFWGGAGSAACQGFITQLGRNFQVIYEQANAHGQKVQAAGNNMAQTDSAVGSSWAGTHLANGSMSEVMMSEIAGLPIPPIIHYGAIAYAPSGASGKAWHQRTPARAEQVALEKCGDKTCKVVSRFTRCGAVAYNGSKYQGGTGLTRRAAEDDAVNRLEGGRIVNWACNELMTSRFMTDPHAMRDMAGRFEVHAQTVEDEARRMWASAQNISGAGWSGMAEATSLDTMTQMNQAFRNIVNMLHGVRDGLVRDANNYEQQEQASQQILSSVDINFAVLPPEVNSARIFAGAGLGPMLAAASAWDGLAEELHAAAGSFASVTTGLAGDAWHGPASLAMTRAASPYVGWLNTAAGQAAQAAGQARLAASAFEATLAATVSPAMVAANRTRLASLVAANLLGQNAPAIAAAEAEYEQIWAQDVAAMFGYHSAASAVATQLAPIQEGLQQQLQNVLAQLASGNLGSGNVGVGNIGNDNIGNANIGFGNRGDANIGIGNIGDRNLGIGNTGNWNIGIGITGNGQIGFGKPANPDVLVVGNGGPGVTALVMGGTDSLLPLPNIPLLEYAARFITPVHPGYTATFLETPSQFFPFTGLNSLTYDVSVAQGVTNLHTAIMAQLAAGNEVVVFGTSQSATIATFEMRYLQSLPAHLRPGLDELSFTLTGNPNRPDGGILTRFGFSIPQLGFTLSGATPADAYPTVDYAFQYDGVNDFPKYPLNVFATANAIAGILFLHSGLIALPPDLASGVVQPVSSPDVLTTYILLPSQDLPLLVPLRAIPLLGNPLADLIQPDLRVLVELGYDRTAHQDVPSPFGLFPDVDWAEVAADLQQGAVQGVNDALSGLGLPPPWQPALPRLFST
【0380】
ID93融合ポリペプチド(配列番号2)
MTINYQFGDVDAHGAMIRAQAGSLEAEHQAIISDVLTASDFWGGAGSAACQGFITQLGRNFQVIYEQANAHGQKVQAAGNNMAQTDSAVGSSWAGTHLANGSMSEVMMSEIAGLPIPPIIHYGAIAYAPSGASGKAWHQRTPARAEQVALEKCGDKTCKVVSRFTRCGAVAYNGSKYQGGTGLTRRAAEDDAVNRLEGGRIVNWACNELMTSRFMTDPHAMRDMAGRFEVHAQTVEDEARRMWASAQNISGAGWSGMAEATSLDTMTQMNQAFRNIVNMLHGVRDGLVRDANNYEQQEQASQQILSSVDINFAVLPPEVNSARIFAGAGLGPMLAAASAWDGLAEELHAAAGSFASVTTGLAGDAWHGPASLAMTRAASPYVGWLNTAAGQAAQAAGQARLAASAFEATLAATVSPAMVAANRTRLASLVAANLLGQNAPAIAAAEAEYEQIWAQDVAAMFGYHSAASAVATQLAPIQEGLQQQLQNVLAQLASGNLGSGNVGVGNIGNDNIGNANIGFGNRGDANIGIGNIGDRNLGIGNTGNWNIGIGITGNGQIGFGKPANPDVLVVGNGGPGVTALVMGGTDSLLPLPNIPLLEYAARFITPVHPGYTATFLETPSQFFPFTGLNSLTYDVSVAQGVTNLHTAIMAQLAAGNEVVVFGTSQSATIATFEMRYLQSLPAHLRPGLDELSFTLTGNPNRPDGGILTRFGFSIPQLGFTLSGATPADAYPTVDYAFQYDGVNDFPKYPLNVFATANAIAGILFLHSGLIALPPDLASGVVQPVSSPDVLTTYILLPSQDLPLLVPLRAIPLLGNPLADLIQPDLRVLVELGYDRTAHQDVPSPFGLFPDVDWAEVAADLQQGAVQGVNDALSGLGLPPPWQPALPRLFST
【0381】
任意のHisタグを有するID83融合ポリペプチド(配列番号3)
MGSSHHHHHHSSGLVPRGSHMGTHLANGSMSEVMMSEIAGLPIPPIIHYGAIAYAPSGASGKAWHQRTPARAEQVALEKCGDKTCKVVSRFTRCGAVAYNGSKYQGGTGLTRRAAEDDAVNRLEGGRIVNWACNELMTSRFMTDPHAMRDMAGRFEVHAQTVEDEARRMWASAQNISGAGWSGMAEATSLDTMTQMNQAFRNIVNMLHGVRDGLVRDANNYEQQEQASQQILSSVDINFAVLPPEVNSARIFAGAGLGPMLAAASAWDGLAEELHAAAGSFASVTTGLAGDAWHGPASLAMTRAASPYVGWLNTAAGQAAQAAGQARLAASAFEATLAATVSPAMVAANRTRLASLVAANLLGQNAPAIAAAEAEYEQIWAQDVAAMFGYHSAASAVATQLAPIQEGLQQQLQNVLAQLASGNLGSGNVGVGNIGNDNIGNANIGFGNRGDANIGIGNIGDRNLGIGNTGNWNIGIGITGNGQIGFGKPANPDVLVVGNGGPGVTALVMGGTDSLLPLPNIPLLEYAARFITPVHPGYTATFLETPSQFFPFTGLNSLTYDVSVAQGVTNLHTAIMAQLAAGNEVVVFGTSQSATIATFEMRYLQSLPAHLRPGLDELSFTLTGNPNRPDGGILTRFGFSIPQLGFTLSGATPADAYPTVDYAFQYDGVNDFPKYPLNVFATANAIAGILFLHSGLIALPPDLASGVVQPVSSPDVLTTYILLPSQDLPLLVPLRAIPLLGNPLADLIQPDLRVLVELGYDRTAHQDVPSPFGLFPDVDWAEVAADLQQGAVQGVNDALSGLGLPPPWQPALPRLFST
【0382】
ID83融合ポリペプチド(配列番号4)
HLANGSMSEVMMSEIAGLPIPPIIHYGAIAYAPSGASGKAWHQRTPARAEQVALEKCGDKTCKVVSRFTRCGAVAYNGSKYQGGTGLTRRAAEDDAVNRLEGGRIVNWACNELMTSRFMTDPHAMRDMAGRFEVHAQTVEDEARRMWASAQNISGAGWSGMAEATSLDTMTQMNQAFRNIVNMLHGVRDGLVRDANNYEQQEQASQQILSSVDINFAVLPPEVNSARIFAGAGLGPMLAAASAWDGLAEELHAAAGSFASVTTGLAGDAWHGPASLAMTRAASPYVGWLNTAAGQAAQAAGQARLAASAFEATLAATVSPAMVAANRTRLASLVAANLLGQNAPAIAAAEAEYEQIWAQDVAAMFGYHSAASAVATQLAPIQEGLQQQLQNVLAQLASGNLGSGNVGVGNIGNDNIGNANIGFGNRGDANIGIGNIGDRNLGIGNTGNWNIGIGITGNGQIGFGKPANPDVLVVGNGGPGVTALVMGGTDSLLPLPNIPLLEYAARFITPVHPGYTATFLETPSQFFPFTGLNSLTYDVSVAQGVTNLHTAIMAQLAAGNEVVVFGTSQSATIATFEMRYLQSLPAHLRPGLDELSFTLTGNPNRPDGGILTRFGFSIPQLGFTLSGATPADAYPTVDYAFQYDGVNDFPKYPLNVFATANAIAGILFLHSGLIALPPDLASGVVQPVSSPDVLTTYILLPSQDLPLLVPLRAIPLLGNPLADLIQPDLRVLVELGYDRTAHQDVPSPFGLFPDVDWAEVAADLQQGAVQGVNDALSGLGLPPPWQPALPRLFST
【0383】
Rv1813(配列番号5)
MITNLRRRTAMAAAGLGAALGLGILLVPTVDAHLANGSMSEVMMSEIAGLPIPPIIHYGAIAYAPSGASGKAWHQRTPARAEQVALEKCGDKTCKVVSRFTRCGAVAYNGSKYQGGTGLTRRAAEDDAVNRLEGGRIVNWACN
【0384】
Rv3620(配列番号6)
MTSRFMTDPHAMRDMAGRFEVHAQTVEDEARRMWASAQNISGAGWSGMAEATSLDTMTQMNQAFRNIVNMLHGVRDGLVRDANNYEQQEQASQQILSS
【0385】
Rv2608(配列番号7)
MNFAVLPPEVNSARIFAGAGLGPMLAAASAWDGLAEELHAAAGSFASVTTGLAGDAWHGPASLAMTRAASPYVGWLNTAAGQAAQAAGQARLAASAFEATLAATVSPAMVAANRTRLASLVAANLLGQNAPAIAAAEAEYEQIWAQDVAAMFGYHSAASAVATQLAPIQEGLQQQLQNVLAQLASGNLGSGNVGVGNIGNDNIGNANIGFGNRGDANIGIGNIGDRNLGIGNTGNWNIGIGITGNGQIGFGKPANPDVLVVGNGGPGVTALVMGGTDSLLPLPNIPLLEYAARFITPVHPGYTATFLETPSQFFPFTGLNSLTYDVSVAQGVTNLHTAIMAQLAAGNEVVVFGTSQSATIATFEMRYLQSLPAHLRPGLDELSFTLTGNPNRPDGGILTRFGFSIPQLGFTLSGATPADAYPTVDYAFQYDGVNDFPKYPLNVFATANAIAGILFLHSGLIALPPDLASGVVQPVSSPDVLTTYILLPSQDLPLLVPLRAIPLLGNPLADLIQPDLRVLVELGYDRTAHQDVPSPFGLFPDVDWAEVAADLQQGAVQGVNDALSGLGLPPPWQPALPRLF
【0386】
Rv3619(配列番号8)
MTINYQFGDVDAHGAMIRAQAGSLEAEHQAIISDVLTASDFWGGAGSAACQGFITQLGRNFQVIYEQANAHGQKVQAAGNNMAQTDSAVGSSWA