特許第6741602号(P6741602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6741602
(24)【登録日】2020年7月29日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】コンベア支持構造および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20200806BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   H05K13/02 U
   H05K13/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-3546(P2017-3546)
(22)【出願日】2017年1月12日
(65)【公開番号】特開2018-113374(P2018-113374A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2019年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正季
【審査官】 宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−340491(JP,A)
【文献】 特開2015−074032(JP,A)
【文献】 米国特許第04202092(US,A)
【文献】 特開平06−029696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30、13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に支持された一対のコンベアを含む基板搬送機構の前記コンベアの支持構造であって、
前記基台は、ベース面を有するテーブル部と、前記ベース面から上方に突出するように、テーブル部に一体に成形された土台部とを含み、
前記一対のコンベアによる基板の搬送方向を第1方向と定義したときに、前記土台部は、前記第1方向と直交する第2方向に延在し、
当該コンベアの支持構造は、前記土台部の上面に固定されて前記第2方向に延びるレールをさらに備え、
前記一対のコンベアの一方は、前記第2方向における土台部の一端に固定され、他方は、前記レールに移動可能に支持されている、ことを特徴とするコンベア支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベア支持構造において、
前記各コンベアは、基板を搬送するコンベア本体と、このコンベア本体を基台上に支持するコンベア支持部材とを含む、ことを特徴とするコンベア支持構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンベア支持構造において、
前記土台部は、前記第2方向の少なくとも両端に、前記第1方向に延びるリブを備えている、ことを特徴とするコンベア支持構造。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか一項に記載のコンベア支持構造において、
前記基台は、テーブル部と土台部とが同一の金属材料により一体成型された鋳造体である、ことを特徴とするコンベア支持構造。
【請求項5】
基台と、
前記基台上に支持された一対のコンベアを含み、基板を搬送する基板搬送機構と、
実装用の部品を供給する部品供給部と、
前記部品供給部から部品を取り出して前記基板に搭載するためのヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを移動させるヘッドユニット移動機構と、
請求項1乃至の何れか一項に記載されたコンベア支持構造とを備えた、ことを特徴とする部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベア等のコンベアを含む基板搬送機構における前記コンベアの支持構造、および当該コンベア支持構造を備えた部品実装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置には、装置外から所定の作業位置に基板を搬入するとともに、基板に電子部品を実装する作業後、実装作業が終了した基板を装置外に搬出する基板搬送機構が組み込まれている。
【0003】
基板搬送装機構は、基台上に備えられる一対のベルトコンベアを備えている(例えば特許文献1)。ベルトコンベアは、基板を搬送するコンベア本体と、このコンベア本体を基台上面から上方に離れた位置に支持するコンベア支持部材とを備えている。このように基台上面から離れた位置にコンベア本体が配置されるのは、コンベア本体の下方にバックアップ装置が配置されるからである。バックアップ装置とは、搬送ベルト上の基板を下方から持ち上げて、コンベア本体に設けられた固定面に基板を押し付けて位置決めしつつ下方から支持する装置である。
【0004】
なお、ベルトコンベアには、サイズの異なる複数種類の基板を搬送することが求められる。そのため、従来では、基台上面にレールが敷付され、一方のベルトコンベアのコンベア支持部材がこのレールに移動可能に支持されている。この構成により、基板のサイズに応じてベルトコンベア同士の間隔が変更可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−76633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようにコンベア本体が基台上面から離れた位置に配置される構成では、コンベア支持部材が上下方向に長尺化し易く、充分な支持剛性を確保できない場合がある。このような場合には、実装作業中の各部の作動によりベルトコンベアに振動が生じるおそれがある。このような振動は比較的小さいものであるが、実装精度上、無視できない場合がある。
【0007】
このような課題は、部品実装装置に限らず、例えば基板上に半田等の印刷処理を施す印刷装置など、基板を搬送しつつ所定の作業位置に基板を位置決めして処理を施す装置についても同様に考えられる。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、コンベアの支持剛性を効果的に高めることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、基台上に支持された一対のコンベアを含む基板搬送機構の前記コンベアの支持構造であって、前記基台は、ベース面を有するテーブル部と、前記ベース面から上方に突出するように、テーブル部に一体に成形された土台部とを含み、前記一対のコンベアによる基板の搬送方向を第1方向と定義したときに、前記土台部は、前記第1方向と直交する第2方向に延在し、当該コンベアの支持構造は、前記土台部の上面に固定されて前記第2方向に延びるレールをさらに備え、前記一対のコンベアの一方は、前記第2方向における土台部の一端に固定され、他方は、前記レールに移動可能に支持されているものである。
【0010】
この構造によれば、基台に一体に成形された土台部によりコンベアが支持されるため、コンベアを基台のベース面から上方へ離れた位置に配置しながらも、コンベアの支持剛性をより高く確保することが可能となる。また、土台部自体の第2方向の剛性が高くなるため、コンベアに生じ易い第2方向の振動を抑制するうえで有利となる。また、コンベアの支持剛性を確保しながら、コンベアの間隔を変更可能とすることができる。
【0011】
具体的には、各コンベアが、基板を搬送するコンベア本体と、このコンベア本体を基台上に支持するコンベア支持部材とを含むものである場合には、上記土台部の分だけコンベア支持部材の上下方向長さを短く設定することができるため、その分、コンベアの支持剛性を高めることが可能となる。
【0014】
また、上記のコンベア支持構造において、前記土台部は、前記第2方向の少なくとも両端に、前記第1方向に延びるリブを備えているのが好適である。
【0015】
この構造によれば、リブによる補強効果により土台部の剛性がさらに高くなる。そのため、コンベアをより安定的に支持することが可能となる。
【0018】
なお、上記のコンベア支持構造において、前記基台は、テーブル部と土台部とが同一の金属材料により一体に成型された鋳造体であるのが好適である。
【0019】
この構造によれば、テーブル部に土台部が一体に成形された上記のような基台を比較的容易に製造することが可能となる。
【0020】
一方、本発明の部品実装装置は、基台と、前記基台上に支持された一対のコンベアを含み、基板を搬送する基板搬送機構と、実装用の部品を供給する部品供給部と、前記部品供給部から部品を取り出して前記基板に搭載するためのヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを移動させるヘッドユニット移動機構と、上記何れかのコンベア支持構造とを備えたものである。
【0021】
この部品実装装置によれば、コンベアの支持剛性をより高く確保できるため、コンベアが振動することに起因する実装精度等への影響を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、コンベアの支持剛性を効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明にかかる部品実装装置(本発明のコンベア支持構造が適用された部品実装装置)の概略平面図である。
図2】ベルトコンベアのみが組付けられた基台の斜視図である。
図3図2に示す基台の平面図である。
図4図2の要部拡大図である。
図5】基台のみの斜視図である。
図6】基台のみの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
【0025】
[部品実装装置の全体構成]
図1は、本発明にかかる部品実装装置(本発明のコンベア支持構造が適用された部品実装装置)を平面図で概略的に示している。同図では、下が装置前側、上が装置後側である。
【0026】
部品実装装置1は、基台2と、プリント配線板等の基板Pを搬送する基板搬送機構3と、部品供給部8と、部品実装用のヘッドユニット10と、このヘッドユニット10を移動させるヘッドユニット移動機構とを備えている。
【0027】
基台2は、前後方向にやや長い平面視長方形のテーブル部20を有している。テーブル部20の前後方向中央部分は作業エリアであり、その前後両側は、主に実装用の部品を供給する部品供給エリアである。テーブル部20の上面は、ベース面20aであり、部品実装装置1の各構成要素がこのベース面20a上に組付けられている。
【0028】
作業エリアには、上記基板搬送機構3が設けられている。基板搬送機構3は、基板Pを搬送する前後一対のベルトコンベア4と、当該ベルトコンベア4によって搬送される基板Pをリフトアップして所定の作業位置(同図に示す位置)に位置決めするバックアップ機構6とを備えている。基板Pは、ベルトコンベア4により、装置右端から装置内に受け入れられ、実装作業完了後、装置左端から装置外に送り出される。
【0029】
上記一対のベルトコンベア4のうち、装置前側のベルトコンベア4は基台2に固定された固定コンベアであり、他方は、基台2に対して前後方向に移動可能な可動コンベアである。上記基板搬送機構3は、固定コンベアに対して可動コンベアを移動させることにより両ベルトコンベア4の間隔を変更する間隔切替機構5(図2参照)をさらに含んでおり、この構成により、複数サイズの基板Pの搬送が可能となっている。なお、以下の説明では、装置前側のベルトコンベア4を固定コンベア4Aと称し、装置後側のベルトコンベア4を可動コンベア4Bと称する場合がある。
【0030】
上記部品供給部8には、各々、ベルトコンベア4に沿って複数のテープフィーダ9が配置されている(図1では、一部の部品供給部8にのみ図示している)。テープフィーダ9は、テープを担体(キャリア)として、IC、トランジスタ、コンデンサ等の電子部品(単に部品と称す)を供給するものである。
【0031】
前記ヘッドユニット10は、各部品供給部8のテープフィーダ9から部品を取り出して基板P上に実装するものであり、ヘッドユニット駆動機構の作動により一定の領域内で前後左右に移動する。
【0032】
ヘッドユニット駆動機構は、前記テーブル部20の左右両端に立設された高架フレーム部22上に各々固定されて前後方向に延びる一対の固定レール11と、各固定レール11に移動可能に支持されて左右方向に延びるユニット支持部材12と、このユニット支持部材12に固定されてヘッドユニット10を左右方向に移動可能に支持する図外の固定レールとを含み、リニアモータ等の駆動手段によりユニット支持部材12及びヘッドユニット10を移動させる。つまり、ヘッドユニット駆動機構は、ヘッドユニット10を左右方向に移動させる一方、ユニット支持部材12を前後方向に移動させることで、ヘッドユニット10を一定の領域内で任意の位置に移動させる。
【0033】
なお、図1中の符号14は、ヘッドユニット10がテープフィーダ9から取り出した部品の保持状態を下方から画像認識するためのカメラである。
【0034】
[基台2及びベルトコンベア4の詳細構造]
図2は、ベルトコンベア4のみが組付けられた基台2の斜視図であり、図3は、図2に示す基台2の平面図である。また、図4は、図2の要部拡大図であり、図5は、基台2のみの斜視図であり、図6は、基台2のみの平面図である。
【0035】
これらの図に示すように、基台2は、ベース面20aを有する上記テーブル部20と、ベース面20aから上方に延びるようにテーブル部20の左右両端に立設された一対の上記高架フレーム部22と、テーブル部20の左右両端から下方に延びた一対の脚部24と、後記一対の土台部26とを備えた構造体である。より詳しくは、基台2は、テーブル部20、高架フレーム部22、脚部24及び土台部26が同一の金属材料(鋳鉄)により一体に成型された鋳造体である。
【0036】
高架フレーム部22は、前後方向に延びるレール固定部22aと、このレール固定部22aの前後両端に設けられた脚部22bとを備えた門型形状である。上記固定レール11は、レール固定部22aの上面にボルトによって固定される。
【0037】
高架フレーム部22の前後の脚部22bとレール固定部22aとにより囲まれた空間Sは、基板Pが通過する空間である。上記前後一対のベルトコンベア4(4A、4B)及び間隔切替機構5は、この空間Sを通じて基板Pが左右方向に搬送され得るように基台2に組付けられている。
【0038】
図2図4に示すように、ベルトコンベア4(4A、4B)は、基板Pを搬送する搬送ベルト48を有するコンベア本体42と、このコンベア本体42を基台2上に支持する左右一対のコンベア支持部材44と、前記搬送ベルト48を駆動する搬送ベルト駆動機構とを備えている。搬送ベルト駆動機構は、両ベルトコンベア4に共通に設けられている。
【0039】
コンベア本体42は、左右方向、すなわち基板Pの搬送方向(本発明の第1方向に相当する)に延びるフレーム部46と、このフレーム部46に支持された後記駆動プーリ47及び図外の複数の従動プーリに掛け渡され無端状の上記搬送ベルト48とを備えている。
【0040】
固定コンベア4Aのコンベア本体42は、テーブル部20に形成された土台部26にコンベア支持部材44を介して固定されており、可動コンベア4Bのコンベア本体42は、コンベア支持部材44を介して土台部26に対して前後方向に移動可能に支持されている。
【0041】
より詳しく説明すると、図5及び図6に示すように、テーブル部20のうち、左側の高架フレーム部22のやや右側の位置と、右側の高架フレーム部22のやや左側の位置とには、ベース面20aから上方に突出するように土台部26が設けられている。これら土台部26は、上記の通り、テーブル部20に一体に成形(成型)されたものである。
【0042】
土台部26は、前後方向(本発明の第2方向に相当する)に真っ直ぐに延びる板状のストレート部26aと、その両端から左右方向に延びるリブ26bとを有する、平面視でアルファベットのI字型の形状を有している。各土台部26のストレート部26aの上面には、リニアガイド52が組付けられている。リニアガイド52は、図4に示すように、ストレート部26aの上面に固定されて前後方向に延びるレール52aと、このレール52aに移動自在に装着されたスライダ52bとを備えている。
【0043】
そして、各土台部26の前側のリブ26bに、固定コンベア4Aが固定されるとともに、各リニアガイド52のスライダ52bに、可動コンベア4Bが固定されている。この構成により、可動コンベア4Bが基台2に対して前後方向に移動可能に支持されている。
【0044】
各土台部26の後側のリブ26bには、各々ブラケット54が固定されており、当該ブラケット54と固定コンベア4Aの各コンベア支持部材44とに亘って前後方向に延びるボールねじ軸56が回転自在に支持されている。ボールねじ軸56は、可動コンベア4Bの各コンベア支持部材44に組付けられたナット部材58に螺合装着されており、モータ60により回転駆動されるようになっている。すなわち、各ボールねじ軸56の前端には駆動プーリ62が装着され、この駆動プーリ62と、モータ60の出力軸に装着されたプーリ60aと、左側の土台部26に固定されたテンションプーリ63とに亘って無端状の駆動ベルト64が装着されている。この構成により、モータ60が作動すると、その回転駆動力が駆動ベルト64を介して左右のボールねじ軸56に伝達され、各ボールねじ軸56が回転駆動されるようになっている。そして、このボールねじ軸56の回転に伴い可動コンベア4Bがレール52aに沿って前後方向に移動し、その結果、固定コンベア4Aと可動コンベア4Bとの間隔が変更されるようになっている。つまり、当例では、リニアガイド52、ボールねじ軸56、モータ60、プーリ60a、62,63及び駆動ベルト64等により上記間隔切替機構5が構成されている。なお、上記モータ60は、ブラケット55を介して左側の土台部26の前側のリブ26bに固定されている。
【0045】
可動コンベア4Bのコンベア本体42(フレーム部46)の左端部近傍の位置には駆動プーリ47が回転自在に支持されており、この駆動プーリ47と図外の複数の従動プーリとに亘って上記搬送ベルト48が掛け渡されている。固定コンベア4Aについても同様に、コンベア本体42(フレーム部46)の左端部近傍の位置には駆動プーリ47が回転自在に支持されており、この駆動プーリ47と図外の複数の従動プーリとに亘って上記搬送ベルト48が掛け渡されている。
【0046】
各コンベア4A、4Bの駆動プーリ47は同一方向に一体的に回転するように互いに連結されている。すなわち、左側の土台部26の上記ブラケット54と固定コンベア4Aのコンベア本体42のフレーム部46とに亘ってスプライン軸からなる前後方向に延びる駆動軸70が回転可能に支持されている。駆動軸70は、可動コンベア4Bの駆動プーリ47を貫通して、より詳しくは、駆動プーリ47に設けられたスプラインナットを貫通して固定コンベア4Aの駆動プーリ47に連結されている。そして、駆動軸70の後端にプーリ70aが設けられ、このプーリ70aと、上記ブラケット54に固定されたモータ72の出力軸に装着された図外のプーリとに亘って駆動ベルト74が装着されている。この構成により、モータ72が作動すると、その回転駆動力が駆動軸70を介して各コンベア4A、4Bの駆動プーリ47に伝達され、各駆動プーリ47が同一方向に一体的に回転するようになっている。
【0047】
そして、この駆動プーリ47の回転に伴い、各コンベア4A、4Bの搬送ベルト48がフレーム部46に沿って周回移動するようになっている。つまり、当例では、駆動軸70、モータ72,プーリ47,70aにより搬送ベルト駆動機構が構成されている。
【0048】
なお、この搬送ベルト駆動機構では、上記の通り、駆動軸70が可動コンベア4Bの駆動プーリ47に設けられたスプラインナットを貫通し、当該駆動プーリ47にスプライン結合している。そのため、前後方向における可動コンベア4Bの位置に拘らず、換言すれば、コンベア4A、4Bの間隔に拘わらず、各コンベア4A、4Bの搬送ベルト48を一体に駆動することが可能となっている。
【0049】
[作用効果等]
以上説明した部品実装装置1によれば、ベース面20aから上方に突出するように土台部26が基台2(テーブル部20)に一体に成形(成型)され、この土台部26に前後一対のベルトコンベア4が支持されている。そのため、各ベルトコンベア4(4A,4B)の基板搬送経路の下方にバックアップ機構6の配置スペースを十分に確保しながらも、ベルトコンベア4の支持剛性を高めることが可能となる。すなわち、基台2(テーブル部20)に一体に成形された土台部26にベルトコンベア4が組付けられた構成によれば、土台部26自体の剛性が高いことに加え、当該土台部26の高さ分だけコンベア支持部材44の上下方向長さが短くなる。そのため、基板搬送経路の下方にバックアップ機構6の配置スペースを確保しながらも、ベルトコンベア4の支持剛性を高めることが可能となる。
【0050】
従って、上記部品実装装置1によれば、ベルトコンベア4に振動が生じることを効果的に抑制すること、ひいては当該振動に起因する部品の搭載位置ずれを抑制して、部品の実装精度を向上させることができる。
【0051】
特に、上記土台部26は、前後方向に延在しているため、当該前後方向の剛性が高い。そのため、左右方向に延在しているために生じ易いベルトコンベア4の前後方向の振動を抑制するうえで有利となる。なお、土台部26は、ストレート部26aの両端にリブ26bが設けられた平面視I字型の形状であるため、前後方向に延在しながらも左右方向の剛性も十分に高い。よって、ベルトコンベア4の支持剛性は、上記のような前後方向のみならず、左右方向についても効果的に高められる。
【0052】
また、上記部品実装装置1によれば、土台部26の上面にレール52aが固定され、当該レール52aに可動コンベア4Bが移動可能に支持されることによって、固定コンベア4と可動コンベア4Bとの間隔が変更可能となっている。よって、上記部品実装装置1によれば、ベルトコンベア4(4A、4B)の支持剛性を高めながら、それらの間隔を変更することができるという利点もある。
【0053】
また、土台部26は、テーブル部20(基台2)に一体に形成されたものであり、当例では、基台2の鋳造時に成型されるものである。そのため、コスト増や組立工数の大幅な増加を伴うことなく、上述したような作用効果を享受することができるという利点もある。
【0054】
なお、上記説明では言及していないが、土台部26の上面261や前後の側面262は、鋳造後に切削加工が施された切削平面である。これにより、上記レール52aやブラケット54、55等の組付け精度が確保されている。
【0055】
[変形例等]
以上説明した部品実装装置1は、本発明にかかる部品実装装置(本発明のコンベア支持構造が適用された部品実装装置)の好ましい実施形態の例示であって、部品実装装置1の具体的な構成や、ベルトコンベア4(4A、4B)の具体的な支持構造は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態では、土台部26は、ベース面20a上の左右両端近傍の位置に設けられているが、ベース面20aの中央寄りの位置に設けられていてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、土台部26は平面視I字型の形状であるが、例えばリブ26bの長さがより長い平面視H字型の形状や、リブ26bが片側にのみ延びる平面視U字型であってもよい。また、上記実施形態では、土台部26は、ストレート部26aの両端にのみリブ26bを備えているが、ストレート部26aの両端以外の部分にリブ26bを備えた形状であってもよい。また、上記実施形態では、土台部26は前後方向に連続して延在する形状であるが、前後方向に間隔を隔てて並ぶ複数の単位土台部からなるものであってもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、土台部26は、鋳造によりテーブル部20等と共に一体に成型されたものであるが、例えば鋳造されたテーブル部20(基台2)の一部に切削加工が施されることにより形成されたものであってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、本発明の適用例として部品実装装置について説明したが、本発明のコンベア支持構造は、基板Pに半田等の印刷処理を施す印刷装置、基板Pに接着剤等の塗布処理を施すディスペンサ(塗布装置)、および部品が実装された基板Pに検査処理を施す検査装置等、基板Pをベルトコンベア等のコンベアによって搬送しながら当該基板Pに対して所定の作業位置で処理を施す装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 部品実装装置
2 基台
3 基板搬送機構
4 ベルトコンベア
4A 固定コンベア
4B 可動コンベア
20 テーブル部
20a ベース面
22 高架フレーム部
26 土台部
26b リブ
42 コンベア本体
44 コンベア支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6