(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6741807
(24)【登録日】2020年7月29日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】冷却装置および冷却システム
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20200806BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20200806BHJP
A47F 3/04 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
F25D11/00 101C
F25D19/00 520Z
F25D19/00 522Z
F25D19/00 510D
A47F3/04 Q
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-21035(P2019-21035)
(22)【出願日】2019年2月7日
【審査請求日】2019年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】512098865
【氏名又は名称】株式会社アリガ
(73)【特許権者】
【識別番号】514197669
【氏名又は名称】株式会社アリガ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132621
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 孝行
(74)【代理人】
【識別番号】100123364
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 徳子
(72)【発明者】
【氏名】高久 勝広
(72)【発明者】
【氏名】稲村 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】赤野 健二朗
【審査官】
庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06539740(US,B1)
【文献】
特開平07−270033(JP,A)
【文献】
特開2011−024771(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3187428(JP,U)
【文献】
独国実用新案第202017004705(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 19/00
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却器と、屈曲性を有する冷媒配管とを備える冷却装置であって、
前記冷却器の一側面に対向して下方に配置される床面と、
前記床面に設置される基板と、
一端が前記基板に回転自在に取り付られると共に他端が前記冷却器に回転自在に取り付けられて前記冷却器の回動を行う回動部とを有し、
前記冷媒配管は、前記冷却器の一端部に配置され、
前記冷却器が所定の位置にある場合、前記冷却器の前記側面と前記床面とが近接すると共に、前記冷媒配管は、少なくとも一つの屈曲部を形成し、
前記冷却器が回動して前記床面に対して略鉛直方向に離間する場合、前記冷却器の回動に伴って、前記屈曲部が、前記冷媒配管の前記屈曲部の上方に位置する部分の軸方向が略鉛直方向になるように解消される、
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記冷却器は、前記冷却器の回動を抑制する抑制部材が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の冷却装置を備えた冷却システム。
【請求項4】
前記冷却システムは、さらに筐体と、
前記筐体に囲まれる陳列部と、
前記筐体に囲まれる基台と、を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等に用いられる冷却装置および冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に設置されている冷蔵、冷凍ショーケースとしては、商品陳列室を有するショーケース本体とその下部に配置される基台とを有し、基台内に設けられた冷却室に冷却ファンと冷却器を収容した冷凍機内蔵型ショーケースが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、基台内に設けられた冷却室に冷却ファンと冷却器とを備えるショーケースの清掃装置であって、冷却室の基板底面と冷却器の間にスプリング自由蝶番を設け、冷却器がスムーズに回転できるように自在型冷媒配管を設け、容易に冷却器底面および床面を清掃できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−205005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のショーケースの清掃装置では、冷媒配管が床面に埋設された状態にあり、清掃の度に冷媒配管を引き抜いたり引っ込めたりするため、冷媒配管が破損し易くなると共に耐久性に乏しく、また、床面を清掃する場合、冷却器とファンケージングを開けなければならず構造が複雑であり、冷却器の下面が回動支点となるために冷却器を十分に回動させることができず、ショーケースの清掃に時間がかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑み、構造が簡単で清掃が容易であり、耐久性のある冷却装置および冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、上述した問題点に関して鋭意研究を続けた結果、以下のような画期的な冷却装置および冷却システムを見出した。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様は、冷却器と、屈曲性を有する冷媒配管とを備える冷却装置であって、冷却器の回動を支持する回動部と、冷却器の一側面に対向して配置される床面とを有し、冷媒配管は、冷却器の一端部に配置され、冷却器が所定の位置にある場合、冷却器の側面と床面とが近接すると共に、冷媒配管は、少なくとも一つの屈曲部を形成し、冷却器が回動して床面と離間する場合、前記冷却器の回動に伴って冷媒配管の屈曲部が解消される、ことを特徴とする冷却装置にある。
【0009】
ここで、「屈曲部が解消される」とは、屈曲部が成す屈曲角が大きくなり、直線に近づくことをいう。
【0010】
かかる第1態様では、床面に対して冷却器を十分に回動させることができるので、清掃が容易でかつ耐久性のある冷却装置を提供することができる。
【0011】
本発明に係る第2の態様は、冷却装置は、さらに基板を備え、回動部は、冷却器の両端部にそれぞれ配置され、回動部の一端が冷却器に回転自在に取り付けられ、他端は基板に回転自在に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置にある。
【0012】
かかる第2の態様では、回動部の他端の支点が冷却器と異なる位置にあるため、冷却器を床板から大きく離間させることができる。その結果、冷却装置の清掃が容易となり、冷却装置の衛生面が向上する。
【0013】
本発明に係る第3の態様は、冷却器は、冷却器の回動を抑制する抑制部材が設けられる、ことを特徴とする第1または第2の態様に記載の冷却装置にある。
【0014】
かかる第3の態様では、冷却器が容易に回動しなくなるため、作業者(清掃する人等)の安全が図られる。
【0015】
本発明に係る第4の態様は、屈曲部は、冷却器の回動に伴って、冷媒配管の屈曲部の上方に位置する部分の軸方向が略鉛直方向になるように解消されることを特徴とする第1〜第3の態様の何れか1つに記載の冷却装置にある。
【0016】
ここで、「略鉛直方向」とは、鉛直方向を含み、かつ鉛直方向に対してある程度の角度を有するが鉛直方向と同様に見える方向をも含む概念である。「ほぼ直線状」とは、直線に限らずやや湾曲した状態も含む概念である。
【0017】
かかる第4の態様では、床面に対して冷却器をより十分に回動させることができるので、清掃がより容易でかつ耐久性のある冷却装置を提供することができる。
【0018】
本発明に係る第5の態様は、第1〜第4の態様の何れか1つに記載の冷却装置を備えた冷却システムにある。
【0019】
ここで、「冷却システム」とは、冷却装置を備えたショーケースのように、商品(物品)等を所定の温度に冷却するシステムである。
【0020】
かかる第5の態様では、清掃が容易で衛生面に優れた冷却システムを提供することができる。
【0021】
本発明の第6の態様は、冷却システムは、さらに筐体と、筐体に囲まれる陳列部と、筐体に囲まれる基台と、を備える、ことを特徴とする第4の態様に記載の冷却システムにある。
【0022】
かかる第6の態様では、店舗内での陳列商品の冷却に利用できる冷却システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態1に係る冷却システムの一例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る冷却装置の冷却器の回動を示す部分斜視図であり、(a)は冷却器が所定の位置にある状態、(b)は冷却器が床板から離間した状態を示している。
【
図3】実施形態1に係る冷却器の回動を示す側面図であり、(a)は冷却器が所定の位置にある状態、(b)は抑制部材を解除した状態を示す。
【
図4】
図3に続く側面図であり、冷却器を床面から離間した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷却装置および冷却システムの実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
【0025】
図1は、本実施形態に係る冷却システムの概略斜視図である。この図に示すように、本実施形態に係る冷却システム1は、例えば店舗などで商品の陳列を行うショーケース10内に配置された商品を冷却するシステムであり、冷却装置20を備える。ショーケース10は、筐体11と、筐体11に囲まれた陳列部12と、陳列部12の下方に配置され陳列部12を支える基台13とを備え、陳列部12には、少なくとも一つ以上の棚14が配置されている。
【0026】
図2(a)に示すように、冷却装置20は、冷却器30と、冷却器30に接続されて冷媒を送入または送出する1対の冷媒配管40a、40bと、冷却器30の短手方向の側面に接するように配置され、冷却器30で冷却された空気を陳列部12に送り込む送風部50と、冷却器30の下部に配置された床板60と、冷却器30と送風部50との間を覆うように取り付けられた連結部70と、冷却器30の回動を行う回動部80とを具備している。ここで、送風部50は、床板60とほぼ同一平面上に配置される基板21に設置されている。なお、床板60と基板21は同一平面上に配置されなくてもよい。
【0027】
冷却器30は、冷却器30の長手方向の両方の端部31に一対の回動部80に回動自在に床面60に支持されている。そして、冷却器30は、冷却装置20の使用時に、冷却器30の長手方向の側面32と床板60とが対向して近接した所定の位置に配置され(
図2(a)参照)、床板60を清掃する場合は、床板60から離間する方向に回動させた位置に配置される(
図2(b)参照)。ここで、回動部80の一端は冷却器30の端部31に連結され、他端は基板21に連結されている。
【0028】
この連結状態は、
図3に示すように、それぞれに軸22、33を中心に回転可能であり、基板21における軸22が回動部80の支点となる。すなわち、回動部80の一端は、後述する冷却器30の上面に固定されている保持部34の端部に設けられる支持部34aに軸33を介して回転自在に取り付けられ、回動部80の他端は、基板21の端部に設けられる基板支持部21aに軸22を介して回転自在に取り付けられている。なお、回動部80は、本実施形態においてダンパー式のものを用いているが、その他の方式を利用してもよい。
【0029】
なお、冷却器30の回動は、床板60を清掃する作業者が、例えば冷却器30の前方に突出した保持部34を手で持ち上げること等により行うことができる。
【0030】
冷媒配管40a、40bは、例えば蛇腹状で屈曲性のある(屈曲可能な)材質から形成されており、冷却器30の一端部31側に1対配置されている。そして、冷却器30が所定の位置にある場合、冷媒配管40a、40bは、側面視においてU字状を呈した状態で、中央部近傍で折り返される屈曲部41a、41bをそれぞれ有している(
図2(a)参照)。
【0031】
本実施形態において、冷媒配管40a、40bの一方の端部は、保持部34にそれぞれ連結され、他方の端部は基板21にそれぞれ連結されている。そして、冷媒配管40aは、外部から供給された冷媒を冷却器30に供給し、冷媒配管40bは、冷却器30から冷媒を外部に排出することができるようになっている。
【0032】
冷却器30を床板60から離間する方向に回転させる場合、各冷媒配管40a、40bの一方が保持部34と共に上方に移動するため、冷却器30の回転に伴って屈曲部41a、41bが延びる(
図2(b)参照)。すなわち、屈曲部41a、41bが解消されて、冷媒配管40a、40bの屈曲部の上方に位置する部分の軸方向が略鉛直方向になる。一方、冷却器30を所定の位置に戻す場合、屈曲部41a、41bを中心に冷媒配管40a、40bが再び折れ曲がる(
図2(a)参照)。すなわち屈曲部41a、41bが形成されるように、冷媒配管40a、40bが折れ曲がる。
【0033】
本実施形態の冷媒配管40a、40bの構造は、特許文献1に開示されているように、冷媒配管40a、40bの一部が基板21内に埋もれた状態にないため、冷却器30の移動に伴って冷媒配管40a、40bを引っ張り出したり、外部に送り出す必要も無い。したがって、冷媒配管40a、40bの損傷を避けることができ、長期使用に耐えることが可能となる。また、冷媒配管40a、40bが屈曲部41a、41bをそれぞれ有するため、冷却器30の端部31側に容易にかつコンパクトに収納でき、冷却装置20の小型化が図れる。
【0034】
送風部50は、
図2に示すように、冷却器30に背面側に配置され、載置板51と、載置板51に固定される複数のファン52と、載置板51の端部に固定される壁板53とを有し、冷却器30で冷却された空気を冷却器30以外に流れるのを防止すると共に、陳列部12内に確実に送ることができるようになっている。
【0035】
連結部70は、冷却器30と送風部50と接続部分の上面を覆うように配置され、連結部70の一端は、冷却器30の上面に固定され、他端は送風部50の上面に固定されている。本実施形態における当該固定は、ヒンジ機構を用いるが、具体的には蝶番71を利用する。
【0036】
連結部70は、冷却器30と送風部50との隙間を埋め、冷風を外部(冷却器30以外)に逃さないために配置され、送風部50の壁板53も同様な効果を有している。
【0037】
さらに、本実施形態の冷却装置20は、図示しないコンプレッサーや凝縮器を有し、複数の冷却板と当該冷却板内に配列され、冷却液が流通する配管が設けられた冷却器30を備えており、低温液体を気化させる一般的な冷却方法を用いている。冷却器30周辺の冷却された空気は、送風部50のファン52が回転して、例えば陳列部12を冷却する。なお、本実施形態に係る冷却装置20は、基台13内に配置されているが、陳列部12の背面に設置されていてもよい。また、本実施形態において、冷却は冷媒も含む概念である。
【0038】
次に、
図2から
図4に基づいて、本実施形態の冷却器30の回動について説明する。
【0039】
図2(a)に示すように、冷却器30は回動部80に支持され、冷却装置20の使用状態においては、冷却器30の側面32は床板60に近接している所定の位置にある。このような状態で、冷却器30によって冷却された空気が陳列部12に送られ、陳列された商品を所望の温度に冷却することになる。ところが、冷却装置20が稼働し続けると、陳列部12内の塵やほこりが水滴に混じって流れ落ち、床板60の表面に堆積する。そこで、床板60面を定期的に清掃する必要がある。
図2(b)に示すように、本実施形態の冷却装置20の冷却器30は、床板60から十分に離間できるように回動(回転)自在に回動部80に支持されている。
【0040】
本実施形態では、冷却器30が安易に回動しないように、安全のため回動を抑制する抑制部材を備えている。抑制部材は、例えば壁板53であり、壁板53の先端が基板21に当接することにより実現できる。抑制部材は、容易に回動しないような機構であれば特に限定されず、送風部50であっても良く、冷却器30を回動する際に送風部50を立ち上げることも可能である。また、冷却器30の回動は電動式でも良く、冷却器30を回動させるためのスイッチが抑制部材となる。
【0041】
図3(b)は抑制部材である壁板53を冷却器30の上方に移動させ、冷却器30が回動可能な状態であることを示している。この状態において、保持部34を手で持ち上げると冷却器30が回動して軸22を支点として冷却器30が上方に移動し、冷却器30の側面32が床板60から離間した状態になる。なお、
図3(b)では、まず壁板53を移動させたことを説明したが、壁板53と送風部50とを一体で移動させるようにしてもよい。例えば、冷却器30を回動させると、送風部50も冷却器30とは反対側に移動する。すると、送風機50の載置板端部511が基板21の端部に形成された爪部211に係合し、載置板端部511を支点として送風機50の載置板端部511の反対側端部が上方に持ち上げられる。その結果、壁板53と送風部50とを一体で移動させて、
図2(b)に示すような状態とすることができる。
【0042】
本実施形態の冷却器30は、回動部80の回動により、所定の位置において側面32が面している平面に対して、略直交方向(約90度)に側面32を回動させることができる(
図4参照)。また、回動支点(軸22)が、特許文献1に示されるように冷却器に直結している構造でなく、冷却器30に対して間接的に設けられているため、冷却器30が床板60に対して大きく(十分に)離間させることができ、床板60の隅々まで清掃可能であり、冷却装置20の衛生面が向上する。
【0043】
また、冷却器30の回動に伴い、冷媒配管40a、40bが変形する。冷却器30が所定の位置にある場合、冷媒配管40a、40bは、屈曲部41a、41bが形成され、側面視においてU字状に折り曲げられる(
図2(a)参照)。一方、冷却器30を床板60から離間する方向に回動させると、屈曲性のある冷媒配管40a、40bがそれぞれ変形し、各屈曲部41a、41bが解消され、側面視において、冷媒配管40a、40bの屈曲部41a、41bの上方に位置する部分が略鉛直方向にほぼ直線状になる(
図2(b)参照)。ここで、ほぼ直線状とは、直線に限らずやや湾曲した状態も含む概念である。
【0044】
本実施形態に係る冷却装置20は、冷却器30と屈曲性を有する冷媒配管40a、40bとを備える冷却装置であって、冷却器30の回動を支持する回動部80と、冷却器30の一側面32に対向して配置される床面60とを有する。冷媒配管40a、40bは、冷却器30の一端部31にそれぞれ配置され、冷却器30が所定の位置にある場合、冷却器30の側面32と床面60とが近接すると共に、冷媒配管40a、40bは、少なくとも一つの屈曲部41a、41bをそれぞれ形成する。そして、冷媒配管40a、40bは、屈曲部41a、41bを中心として側面視においてU字状に折れ曲がる。一方、冷却器30が床面と離間する場合、前記冷却器の回動に伴って、屈曲部41a、41bが解消されるようになっている。
【0045】
このように冷却装置20を構成することにより、冷却器30の回動に伴って各冷媒配管40a、40bが折り曲げられたり、ほぼ直線状になったりするだけで、屈曲性の特徴を生かしつつ各冷媒配管40a、40bに負荷を与えることがない。その結果、冷媒配管40a、40bは長期使用に耐えることができる。また、冷却器30が所定の位置にある場合、冷媒配管40は冷却器30の端部31にコンパクトに収納でき、冷却装置20の小型化が図れる。
【0046】
さらに、冷媒配管40a、40bは冷却器30の回動に伴って、屈曲部41a、41bの上方に位置する部分が略鉛直方向に向かってほぼ直線状に配置される。その結果、床板60を清掃する際に、冷媒配管40a、40bが邪魔になることはなく、容易に床板60を清掃することができる。
(他の実施形態)
【0047】
実施形態1では、回動部の回転を可能とする軸は、冷却器の先端側に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。回動部の回転を可能とする軸は、冷却器のどこに配置されていてもよく、その軸の位置により冷却器と床板の離間距離が任意に設定可能であり、清掃の容易さを向上させることができる。
【0048】
また、実施形態1では、各冷媒配管は、冷却器30の所定の位置において、上下方向の配管位置(冷媒配管の両端部の位置)が鉛直方向に並ぶように冷却装置を構成したが、本発明はこれに限定されず、上下方向の配管位置には自由度があり、鉛直方向からズレていてもよい。
【0049】
さらに、実施形態1では、冷却器の長手方向に対して対応する両方の端部側に一対の回動部を設けて、冷却器を回動自在に支持できるように構成したが、本発明はこれに限定されない。回動部としては、冷却器を十分に回動させることができる機能を有するものであれば、その構造は特に限定されない。例えば、回動部としては、床面と冷却器との間に、冷却器が十分に回動できるように取り付けたヒンジであってもよい。このように回動部を構成しても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
また、実施形態1では、屈曲部を1つ有するように冷却装置を構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、屈曲部がS字のように2つ形成されるものであってもよいのはいうまでもない。
【0051】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の冷却装置および冷却システムは、床板の清掃が容易であることを望む分野に最適である。
【符号の説明】
【0053】
1 冷却システム
10 ショーケース
11 筐体
12 陳列部
13 基台
14 棚
20 冷却装置
21 基板
211 爪部
21a 基板支持部
22 軸
30 冷却器
31 端部
32 側面
33 軸
34 保持部
34a 支持部
40a、40b 冷媒配管
41a、41b 屈曲部
50 送風部
51 載置板
511 載置版端部
52 ファン
53 壁板(抑制部材)
60 床板
70 連結部
71 蝶番
80 回動部
【要約】
【課題】構造が簡単で清掃が容易であり、耐久性のある冷却装置および冷却システムを提供する。
【解決手段】冷却装置20は、冷却器30と、冷却器30に冷媒を送る冷媒配管40と、送風部50と、床板60と、冷却器30と送風部50との間を覆う連結部70と、冷却器30の回動を行う回動部80とを備える。冷却器30は、回動部80に回動自在に支持され、冷却装置20の使用時は、冷却器30の長手方向の側面32と床板60とが対向して近接した所定の位置に配置され、床板60を清掃する場合は、床板60から離間する方向に冷却器30を回動させる。冷却器30が所定の位置にある場合、冷媒配管40a、40bは、屈曲部41a、41bが形成され、冷却器30が床板60から離間する場合、屈曲部が解消される。
【選択図】
図2