特許第6742246号(P6742246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6742246医療用薬剤の保管及び送達用使い捨てカセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742246
(24)【登録日】2020年7月30日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】医療用薬剤の保管及び送達用使い捨てカセット
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20200806BHJP
   A61M 5/00 20060101ALI20200806BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20200806BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   A61M5/31 500
   A61M5/00 518
   A61M5/24 520
   A61M5/315 550J
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-563196(P2016-563196)
(86)(22)【出願日】2015年4月17日
(65)【公表番号】特表2017-516519(P2017-516519A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】EP2015058416
(87)【国際公開番号】WO2015165757
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年4月10日
(31)【優先権主張番号】PA201470248
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】516309947
【氏名又は名称】メディコム・イノベーション・パートナー・アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Medicom Innovation Partner A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】エスペン・ヴェー・ヨハンセン
【審査官】 胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−306609(JP,A)
【文献】 特開2002−210007(JP,A)
【文献】 特表2012−509717(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0004463(US,A1)
【文献】 特開平06−233819(JP,A)
【文献】 特表平07−502180(JP,A)
【文献】 特表2006−522658(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0137808(US,A1)
【文献】 特表2011−520569(JP,A)
【文献】 特表2015−520652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31
A61M 5/00
A61M 5/24
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てカセットを受容するように配置された空洞を画定するハウジングであって、使い捨てカセットが前記空洞に挿入されること、又は前記空洞から取り外されることを許容する可動式蓋を備えるハウジングと、
前記空洞に配置された使い捨てカセットのバルブブロックを操作するように配置されたバルブ操作手段と、
医療用薬剤を送達するために、前記空洞に配置された使い捨てカセットのカートリッジと協働するように配置されたカートリッジ操作手段と
を備える注射装置であって、
前記使い捨てカセットは、
前記医療用薬剤を格納するカートリッジと、
廃液及び/又は廃ガスを受容するように配置された廃棄物貯蔵器と、
前記医療用薬剤を送達するように配置された、注射針又は注射針を取り付けるための注射針取付インターフェイスと、
前記カートリッジから前記注射針又は前記注射針取付インターフェイスへの流れを防止しながら前記カートリッジと前記廃棄物貯蔵器の間の流路を確立する第1位置と、前記カートリッジから前記廃棄物貯蔵器への流れを防止しながら前記カートリッジと前記注射針又は前記注射針取付インターフェイスの間の流路を確立する第2位置との間を移動可能なバルブブロックと、
を備え、
前記カートリッジと、前記廃棄物貯蔵器と、前記バルブブロックと、前記注射針又は前記注射針取付インターフェイスの少なくとも一部とがカセットハウジングの内側に配置され、前記カセットを操作している使用者が前記カセットハウジングの内側に配置された部品に直接接触することなしに、前記バルブブロックが前記第1位置と前記第2位置の間を移動するように操作可能であり、
前記バルブブロックは、前記医療用薬剤を送達するために、前記カートリッジ操作手段によって、前記カートリッジの操作中に、前記第1位置と前記第2位置との間を自動的に移動するように配置されている、注射装置。
【請求項2】
前記バルブ操作手段は、前記空洞の内側に配置された可動式スレッジを備える、請求項1に記載の注射装置。
【請求項3】
前記可動式スレッジは、更に、前記空洞に配置された前記使い捨てカセットの前記注射針を、退避位置と前記注射針が注射の準備ができる位置との間で動かすようになっている、請求項2に記載の注射装置。
【請求項4】
前記バルブ操作手段及び/又は前記カートリッジ操作手段を操作するためのモータを更に備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項5】
前記バルブブロックは、前記カセットハウジングを開く又は進入する必要なしに、前記第1位置と前記第2位置との間を移動するように操作可能である、請求項1から4のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項6】
前記使い捨てカセットは、前記カセットハウジングの外部に配置された操作機構を更に備えており、前記操作機構は、前記操作機構を操作することで前記バルブブロックが前記第1位置と前記第2位置との間で移動するように、前記バルブブロックに接続されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項7】
前記バルブブロックは、圧縮可能なばねを備えており、前記ばねに蓄えられていたエネルギが解放されたとき、前記第1位置から前記第2位置まで前記バルブブロックが移動する、請求項1から6のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項8】
前記廃棄物貯蔵器は、柔軟な壁を有している、請求項1から7のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項9】
前記廃棄物貯蔵器は、流体及び/又は気体が前記廃棄物貯蔵器から流出することを防止しながら、流体及び/又は気体が前記バルブブロックを介して前記廃棄物貯蔵器に流入することを許容する逆止弁を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項10】
前記カートリッジは、二室式カートリッジであり、薬剤の有効成分の乾燥形態が前記カートリッジの第1室に保管されており、希釈剤が前記カートリッジの第2室に保管されており、前記カートリッジは、有効成分と希釈剤を混合し、それによって、前記カセットから送達される再構築された医療用薬剤を得るために、有効成分と希釈剤を接触させるように操作される、請求項1から9のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項11】
前記カセットハウジングの内側にこぼれた液体を格納するために、吸収剤は、前記カセットハウジングの内側に配置されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の注射装置。
【請求項12】
医療用薬剤の保管及び送達用使い捨てカセットを受容するように配置されている空洞を画定するハウジングを備える注射装置の操作方法であって、カセットは、医療用薬剤品を格納するカートリッジと、廃棄物貯蔵器と、注射針又は注射針取付インターフェイスと、カセットハウジングの内側に配置されたバルブブロックとを備えており、
前記カートリッジから前記注射針又は前記注射針取付インターフェイスへの流れを防止しながら前記カートリッジと前記廃棄物貯蔵器の間の流路を確立する第1位置に前記バルブブロックを配置するステップと、
空打ちを実行するために前記カートリッジのプランジャを操作し、それにより液体及び/又は気体が前記カートリッジから前記廃棄物貯蔵器まで移動するステップと、
前記カセットを操作している使用者が前記カセットハウジングの内部に配置された部品と直接接触することなく、前記カートリッジから前記廃棄物貯蔵器への流れを防止しながら前記カートリッジと前記注射針又は前記注射針取付インターフェイスとの間に流路を確立する第2位置に前記バルブブロックを移動させるステップと
を備え
前記バルブブロックを前記第2位置に移動させるステップは、前記プランジャの操作により自動的に実行される方法。
【請求項13】
前記カートリッジは、二室式カートリッジであり、前記医療用薬剤の有効成分の乾燥形態が前記カートリッジの第1室に保管され、希釈剤が前記カートリッジの第2室に保管されており、
有効成分と希釈剤を接触させるステップと、
有効成分と希釈剤を混合し、それにより前記カセットから送達される再構築された医療用薬剤を得るステップと
を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バルブブロックを移動させるステップは、前記カセットハウジングの外部に配置された操作機構を操作することを含み、前記操作機構は前記バルブブロックと接続されている、請求項12又は請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用薬剤の保管及び送達用の使い捨てカセットに関する。本発明のカセットは、カセットを操作する使用者が薬剤と接触することなしに、医療用薬剤が送達され、可能であれば混合されることを許容する。それ故に、本発明のカセットは、取り扱うのに安全である。
【背景技術】
【0002】
ある種の注射可能な医療用薬剤は、高い毒性があり、そうでなければ、患者や医療従事者が、医療用薬剤又は医療用薬剤から発生する蒸発気と接触することは、実際に投薬する場合を除いて、他の理由によって望ましくないだろう。そのような薬剤の種類の1つの例が、腫瘍療法に用いられる薬剤である。他の例は、乾燥形態で保管される、例えば、冷凍乾燥薬剤であり、投薬する前に乾燥薬を液体希釈剤と混合することによって再構築する必要がある。
【0003】
乾燥形態で保管され、投与の前に再構築する必要がある薬剤は、二室式注射器を使用して、保管及び投与されることがある。そのような注射器において、乾燥薬剤及び希釈剤は、分離された空洞に格納される。薬剤を送達することが望ましいとき、乾燥薬剤及び希釈剤を接触させるために注射器が最初に操作され、それによって、薬剤は再構築される。続いて、注射器は、再構築された薬剤を送達するために操作される。薬剤の再構築の後、比較的多量の空気又は気体が注射器内に存在することがある。そのような空気又は気体は投薬の前に、特に薬剤が注射される場合には、注射器から取り除かれなければならない。この目的を達成するために、所謂空打ち(air shot)が実行される。しかしながら、薬剤が毒性又は類似物である蒸発気を発生させる場合では、制御され信頼性のある方法で蒸発気及び考えられる液状廃棄物を処分することを保証するために空打ちが含まれることが重要である。
【0004】
いくつかの注射システムの先行技術において、医療従事者は、薬剤を注射するために、及び可能であれば薬剤の再構築及び/又は空打ちを引き起こすために、注射システムの種々の部分を手動で操作しなければならない。これは、医療従事者及び/又は患者が薬剤と接触する危険性、及び/又は、薬剤及び/又は薬剤から発生する蒸発気がこぼれる危険をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、医療従事者が薬剤と直接接触することを防ぐ医療用薬剤の保管及び送達用カセットを提供することである。
【0006】
本発明の実施形態の更なる目的は、こぼれた薬剤及び/又は薬剤から発生した蒸発気を安全に格納することを保証する医療用薬剤の保管及び送達用カセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によると、本発明は、医療用薬剤の保管及び送達用使い捨てカセットを提供し、カセットは、
医療用薬剤を格納するカートリッジと、
廃液及び/又は廃ガスを受けとるように配置された廃棄物貯蔵器と、
医療用薬剤を送達するように配置された、注射針又は注射針を取り付けるための注射針取付インターフェイスと、
第1位置と第2位置の間を移動可能であるバルブブロックであって、第1位置は、カートリッジから注射針又は注射針取付インターフェイスへの流れを防止しながら、カートリッジと廃棄物貯蔵器の間の流路を確立し、第2位置は、カートリッジから廃棄物貯蔵器への流体の流れを防止しながら、カートリッジと注射針又は注射針取付インターフェイスとの間の流路を確立する、バルブブロックと
を備え、
カートリッジ、廃棄物貯蔵器、バルブブロック及び注射針又は注射針取付インターフェイスの少なくとも一部は、カセットハウジングの内部に配置されており、バルブブロックは、カセットを操作している使用者がカセットハウジングの内部に配置された部品と直接接触することなしに、第1位置と第2位置との間を移動するように操作可能である。
【0008】
本発明は、医療用薬剤の保管及び送達用の使い捨てカセットに関する。従って、カセットは、医療用薬剤を格納して製造及び販売され、それ故に、医療用薬剤は、医療用薬剤を患者に送達するときまでカセットの中に保管されている。そして、カセットの内部に格納されている医療用薬剤は患者に送達され、その後、カセットは処分される。
【0009】
使い捨てカセットは、カートリッジと、廃棄物貯蔵器と、注射針又は注射針取付インターフェイスと、バルブブロックとを備え、それらの全ては少なくとも一部分がカセットハウジングの内部に配置されている。本文脈において、用語「ハウジング(housing)」は、カセットの内部の空洞を画定し、当該空洞内に配置された多数の部品を実質的に内包する実質的に閉じた部分を意味すると解釈されるべきである。従って、カセットハウジングは、カートリッジと、廃棄物貯蔵器と、バルブブロックと、注射針又は注射針取付インターフェイスの少なくとも一部とを内包し、カートリッジを操作する使用者は、注射針を使用して医療用薬剤が送達されることを許容するためにカセットハウジングから突出する位置にされ得る注射針を除いて、それらの部品と容易に接触できない。
【0010】
カートリッジは、カセットを使用して保管され送達される医療用薬剤を格納する。
【0011】
廃棄物貯蔵器は、廃液及び/又は廃ガスを受容するように配置されている。本文脈において、用語「廃液(waste liquid)」及び「廃ガス(waste gas)」は、患者に送達されず、処分されるべき液体又は気体を意味すると解釈されるべきである。これは、例えば、医療用薬剤の送達前に実行された空打ちの結果生じた気体及び/又は液体を含み得る。そのような廃液及び/又は廃ガスは、毒性又はその他の危険があり得る。従って、廃液及び/又は廃ガスは、制御され安全な方法で処分される必要があるだろう。従って、廃液及び/又は廃ガスがカセットハウジングを離れることと、廃液及び/又は廃ガスがカセットを操作する使用者に接触することとを防ぐために、廃棄物貯蔵器がカセットハウジングの内部に配置されることは有利である。更には、廃棄物貯蔵器の中に格納された廃液及び/又は廃ガスを格納するカセットは、カセットを使用した後に、安全なカセットの処分を実行可能な場所に、安全な方法で輸送され得る。
【0012】
注射針は、医療用薬剤を送達するように配置されている。従って、カセットが医療用薬剤を送達するために操作されるとき、注射針は注射部位に配置され、薬剤は注射部位に注射針を介して送達される。注射針は、カセットに固定されて取り付けられてもよい。代替的には、注射針は、取り外し可能であってもよい。この場合、カセットは、注射針なしに保管されてもよく、注射針は、カセットの内部に格納されている医療用薬剤を送達するために、カセットを操作することが望ましいとき、コネクタ又はカセットの注射針取付インターフェイスに取り付けられてもよい。注射針は、チューブを介して注射針取付インターフェイスに取り付けられた灌流針の形式であってもよいことに留意されたい。この場合、灌流針は、カセットハウジングから一定距離離間して配置されてもよいが、チューブを介してカセットハウジングに流体的に接続されるであろう。ある場合では、そのようなチューブ接続は、薬剤製品の患者組織への注射用の針から離間したその他の貫通接続、例えば、専用の針の使用と置換され得る(例えばSmiths Medical製の)留置ポート(port-a-Cath)のような、直接静脈アクセス用の留置カテーテルへの接続で終わってもよい。
【0013】
バルブブロックは、第1位置と第2位置の間を移動可能である。第1位置は、カートリッジから注射針への流れを防止しながらカートリッジと廃棄物貯蔵器の間の流路を確立する。従って、バルブブロックが第1位置にあるとき、廃液及び/又は廃ガスは、カートリッジから廃棄物貯蔵器まで、確立された流路を介して輸送され得る。同時に、カートリッジから注射針への流体の流れが防がれているため、いかなる流体又は気体が注射針を介してカセットを離れることをも防ぐ。従って、バルブブロックは、好ましくは、空打ちの間、第1位置にあってもよい。
【0014】
第2位置は、カートリッジから廃棄物貯蔵器までの流れを防止しながらカートリッジと注射針の間の流路を確立する。従って、バルブブロックが第2位置にあるとき、医療用薬剤は、カートリッジから、確立された流路及び注射針を介して送達され得る。同時に、カートリッジから廃棄物貯蔵器までの流れが防止されているため、医療用薬剤の服用量の全部が、注射器を介して送達される。従って、バルブブロックは、好ましくは、医療用薬剤を送達又は注射する間に第2位置にあってもよい。
【0015】
バルブブロックは、カセットを操作している使用者がカセットハウジングの内部に配置された部品と直接接触することなしに、第1位置と第2位置との間を移動させられるように操作可能である。従って、カセットを操作している使用者は、カセットハウジングの内部に配置された部品を物理的に及び直接的に取り扱う必要はなくなるであろう。例えば、使用者は、バルブブロックを第1位置と第2位置との間を手動で移動させる必要がなくなる。実際、バルブブロックは、例えば、カセットハウジングの外側に配置された操作機構を用いて、間接的に操作されてもよい。代替的には、カセットハウジングの内部に配置された他の部品がカセットの操作中に移動させられたとき、自動で操作されてもよい。他の代替的には、例えば、カセットハウジングの内側に配置された磁性材料の操作と協働するカセットハウジングの外側に配置された可動式磁石を使用して、又は、カセットハウジングの内部にワイヤレスに操作信号を送信することで、バルブブロックは、接触のない方法で操作され得る。使用者がカセットハウジングの内部に配置された部品に直接接触しないという事実は、使用者が、カセットを使用して保存及び送達される医療用薬剤又は蒸発気と直接接触する危険を大きく減少させる。
【0016】
例えば、バルブブロックは、カセットハウジングを開く又は入る必要なしに、第1位置と第2位置の間を移動するように操作可能であってもよい。この実施形態によれば、カセットを操作する使用者は、バルブブロックが第1及び第2位置の間で移動するように、バルブブロックを操作するために、カセットハウジングを開く又は接近する必要がない。
【0017】
使い捨てカセットは、カセットハウジングの外部に配置された操作機構を更に備えており、前記操作機構は、操作機構を操作することでバルブブロックが第1位置と第2位置との間を移動するように、バルブブロックと接続されている。この実施形態によると、バルブブロックは、操作機構を操作することで操作され得る。操作機構がカセットハウジングの外部に配置されているため、カセットを操作している使用者がカセットハウジングの内部に配置された部品と直接接触し、カセットハウジングを開く又はカセットハウジングに入る必要なく、バルブブロックは操作され得る。
【0018】
バルブブロックは、医療用薬剤を送達するために、カセットの操作中、第1位置と第2位置の間を自動で移動するように配置されてもよい。この実施形態によれば、バルブブロックは、カセットを操作している使用者がバルブブロックを能動的に及び別個に操作することなしに操作され得る。むしろバルブブロックは、医療用薬剤を送達させるために、カセットの操作の必然的な結果として、カセットの操作と同時に操作される。これは、カセットを操作する使用者がカセットハウジングの内部に配置された部品に接触しないことをも効率よく保証する。
【0019】
この文脈において、用語「医療用薬剤を送達するためにカセットを操作すること(operation of the cassette in order to cause medical drug to be delivered)」は、医療用薬剤の実際の送達又は注射のみに渡ると制限されるべきではなく、広い意味で解釈されるべきである。むしろ、カセットに保管された医療用薬剤を送達することが望ましいときに行われる全てのプロセスに渡ると解釈されるべきである。薬剤の実際の送達又は注射から離れて、そのようなプロセスは、例えば、注射用カセットを用意すること、カセットのシールを破ること、医療用薬剤の再構築、注射針を注射部位に移動させること等を含む。
【0020】
この実施形態によれば、バルブブロックの第1位置と第2位置の間の移動は、カセットハウジングの内部に配置された他の部品の移動によって引き起こされてもよく、他の部品の移動は、前述したステップを可能であれば含む、送達プロセスの一部として実行される。それによって、バルブブロックの第1と第2位置の間の移動は送達プロセスと同調することが更に保証される。
【0021】
バルブブロックは、圧縮可能なばねを備えていてもよく、バルブブロックは、前記ばねに蓄えられているエネルギが解放されたとき、第1位置から第2位置へ移動させられてもよい。この実施形態によれば、カセットを製造している間に、エネルギは、圧縮可能なばねに蓄えられる。従って、カセットの保管の間、圧縮可能なばねは負荷下又はエネルギを与えられた状態であり、バルブブロックは、好ましくは第1位置にある。送達プロセスの間の適切な時点において、ばねに蓄えられているエネルギは解放され、それによって、バルブブロックは第2位置に移動し、カートリッジと注射針との間の流路が確立される。ばねに蓄えられているエネルギの解放は、例えば、解放機構を作動させるカセットハウジングの内側を移動する部分によって引き起こされる
【0022】
廃棄物貯蔵器は、柔軟な壁を備えていてもよい。本実施形態によれば、廃棄物貯蔵器は、廃液及び/又は廃ガスが廃棄物貯蔵器に受容されたとき、膨張可能であってもよい。廃棄物貯蔵器は、例えば鞄型であってもよい。
【0023】
廃棄物貯蔵器は、廃液及び/又は廃ガスが廃棄物貯蔵器から離れることを防止しながら、廃液及び/又は廃ガスが、バルブブロックを介して、廃棄物貯蔵器に流入することを許容する、逆止弁を備えていてもよい。本実施形態によれば、廃液及び/廃ガスが廃棄物貯蔵器に一度受容されると、廃液及び/又は廃ガスが廃棄物貯蔵器から離れることは、効率よく防止される。従って、廃液及び/又は廃ガスは、効率よく廃棄物貯蔵器に格納され、廃液及び/又は廃ガスがカセットから漏れ出す危険性は最小化する。更に、注射針を介した廃液及び/又は廃ガスの偶発的な注射の危険も最小化する。
【0024】
逆止弁は、例えば、バネ付勢されていてもよい。この場合、逆止弁を開き、廃液及び/又は廃ガスがバルブブロックを介して廃棄物貯蔵器に流入することを許容するために、バルブブロックに付加されている圧力は、逆止弁に働くバネの力に打ち勝つのに十分である必要がある。
【0025】
代替的に又は追加的に、疎水性部材は、廃棄物貯蔵器の入口に配置されていてもよい。この場合、疎水性部材は、液体と接触したときに膨張する種類であってもよい。前記部材が膨張するとき、前記部材は、廃棄物貯蔵器の入口を遮断し、それによって、更なる液体及び/又は気体の廃棄物貯蔵器への流入は防止される。これには、以下の方法が使用されてもよい。医療用薬剤の送達の前に空打ちが実行されたとき、医療用薬剤の服用量の全てが送達されることを保証するために液体医療用薬剤が廃棄物貯蔵器へと輸送されることを防止しながら、気体又は蒸発気を廃棄物貯蔵器へと向かわせることは望ましいだろう。バルブブロックは、最初に第1位置に位置していてもよく、カートリッジと廃棄物貯蔵器との間の流路を確立する。その後、空打ちが実行され、気体が廃棄物貯蔵器へと輸送される。カートリッジとバルブブロックに存在する全ての気体が廃棄物貯蔵器へと移動し終わるとすぐに、液体薬剤は、疎水性部材に到達する。その結果、前記部材は、膨張し、液体薬剤が廃棄物貯蔵器へと流入することを防止する。これは、カートリッジ内部の圧力を更に増加させ、当該圧力は、例えば、プランジャ押下力及び/又は液体が疎水性部材にいつ接触したかの自動的なフィードバックをこれ故に提供する駆動モータ電流を計測することを通して検出される。その後、バルブブロックは、カートリッジと注射針との間の流路を確立する第2位置に移動させられ、カセットは注射針を介して医療用薬剤を送達する準備ができる。
【0026】
代替的には、空打ちの完了は、他の方法によって検出されてもよい。例えば、カセットを操作している使用者は、カセットの中を目視検査してもよく、液体薬剤がバルブブロックに到達したとき、空打ちが完了したことが確認される。
【0027】
他の代替的には、適切な空打ちは、他の方法によって保証されてもよく、それによって、カセットから空気を解放することを防止し、薬剤の最低量の廃棄を保証する。例えば、カートリッジの内側の1つ又は複数のプランジャの移動は、最適な空打ちを得るために、制限されてもよい。
【0028】
カセットは、好ましくは、空打ちの間において注射針が上方に向く位置に保持されてもよい。それによって、カセットの中に格納されている空気が、空打ちの間、せき止められず、その代わりに廃棄物貯蔵器に流れる。
【0029】
使い捨てカセットは、カセットハウジングの内部に取り付けられたスレッジを更に備えていてもよく、前記スレッジは、医療用薬剤を送達するために、カセットハウジングの内部に取り付けられた部品の移動を引き起こすように配置されている。スレッジは、好ましくは、注射針及び/又はカートリッジによって画定された方向のような、カセットによって画定された長軸方向に沿って移動するように取り付けられてもよい。スレッジは、カセットハウジングの内部でのスレッジの移動を制限するガイドレールの中に又は上に取り付けられてもよい。
【0030】
スレッジは、例えば、薬剤がカセットから送達されるときカセットハウジングの外側へ突出させるように注射針を前進させるために、注射針の移動を引き起こすように配置されていてもよい。代替的に又は追加的に、スレッジは、空打ちの実行及び/又は医療用薬剤の送達のために、カートリッジの内側に配置された1つ又は複数のプランジャの移動を引き起こすように配置されていてもよい。代替的に又は追加的に、スレッジは、薬剤の送達の前に医療用薬剤の再構築を引き起こすために、カートリッジを操作するように配置されていてもよい。
【0031】
スレッジは、ロック機構がロック位置にあるとき、例えば、カセットの使用後において、スレッジの更なる移動を防止するロック機構を備えていてもよい。この実施形態によれば、一度カセットが使用され、カートリッジに格納された医療用薬剤が送達されたとき、スレッジを移動させることは、もはや不可能である。これは、カセットの操作中にスレッジが移動した方向への更なる移動と、逆方向への移動、すなわち、カセットの操作中にスレッジが移動した方向の反対方向への移動とを含む。それによって、カートリッジに格納される医療用薬剤を送達する方法でスレッジを動かすことは不可能であるため、カセットが再使用可能な状態に再び置かれることを防止する。例えば、ロック機構は以下の方法で使用され得る。薬剤の送達が完了したとき、注射針はカセットハウジングの中へ引っ込むことができ、ロック機構は、ロック位置まで移動することができる。注射針は、その後にカセットハウジングの外側に移動することが防止され、それによって、カセットの再使用も防止される。
【0032】
スレッジは、第1位置と第2位置との間のバルブブロックの移動を引き起こすように更に配置されてもよい。この実施形態によると、医療用薬剤の送達を行うために、スレッジがカセットハウジングの内側へ移動するとき、バルブブロックは、第1位置と第2位置との間で自動的に切り替えられる。前述したように、このことは、バルブブロックの移動が送達プロセスのステップと同調することを許容することを保証する。
【0033】
カートリッジは、二室式であってもよく、医療用薬剤の有効成分の乾燥形態は、カートリッジの第1室に保管され、希釈剤は、第2室に保管されている。カートリッジは、有効成分と希釈剤を混合させ、それによって、カセットから送達されるべき再構築された医療用薬剤を得るために、有効成分と希釈剤を接触させるように操作可能であってもよい。そのような二室式カートリッジは、液体医療用薬剤の安定性が低いときに、一般的に使用される。この場合、薬剤が液体ではなく乾燥形態で保管されるとき、医療用薬剤の安定性は相当増加する。有効成分は、例えば、冷凍乾燥形態であってもよく、そうでなければ粉体又はパレット状であってもよい。
【0034】
この実施形態によると、カセットから医療用薬剤を送達することが望ましいとき、有効成分と希釈剤は、最初に集められ混合されるべきであり、それによって、医療用薬剤が液体状で再構築される。これは、シールを破壊すること又は二室式カートリッジの2つの室間の流体的な接続を確立することを含んでもよい。希釈剤は、有効成分を格納している第1室に吸い込まれてもよく、押し込まれてもよい。代替的には、有効成分は、希釈剤を格納している第2室に移動させられてもよい。この混合方法は、有効成分と希釈剤が集められたとき、有効成分と希釈剤をかき混ぜること及び/又は振り動かすことを含んでもよい。
【0035】
二室式カートリッジにおいて、薬剤が再構築されたとき、比較的多量の空気又は気体がカートリッジの中に存在していることがしばしばある。従って、医療用薬剤の再構築の後かつ再構築された医療用薬剤が送達される前に空打ちが実行されることは、非常に重要である。しかしながら、カートリッジに存在する空気又は気体は、毒性があるか、そうでなくても有害であり得る。この場合、空打ちから発生した空気又は気体がカセットハウジングの内側に格納され、及び、カセットを操作している使用者が当該空気又は気体と接触することを防ぐことは非常に重要である。前述したように、本発明によると、これは、空打ちがカセットハウジングの内部に配置された廃棄物貯蔵器に、バルブブロックを介して輸送されることを保証することによって得られる。本発明の第1の態様にかかるカセットは、二室式カートリッジと共に使用することに特に適している。
【0036】
使い捨てカセットは、前記取り外し可能な部分を更に備えていてもよく、当該取り外し可能な部分は、カセットの上に取り付けられているとき、カセットの操作を防止する、つまり、取り外し可能な部分が取り外されたとき、カセットの操作は許容され得る。取り外し可能な部分は完全に取り外し可能であってもよく、そうでなければ、一部取り外し可能であってもよい。後者の場合では、取り外し可能な部分の一部は、カセットハウジングから取り外されてもよく、一方で、取り外し可能な部分のその他の部分は、カセットハウジングに取り付けられたままであってもよい。本実施形態によると、取り外し可能な部分は、医療用薬剤を送達するためにカセットが操作可能である前に、一部又は全部、取り外される。これは、取り外し可能な部分がカセットから取り外されているかを単純に確認することで、カセットを操作している使用者に、カセットが既に使用可能かどうかを容易に検出することを許容する。それによって、同一のカートリッジを二度使用することを偶発的に試みる危険性は、相当に減少する。更に、使用者が、実際に意図するより前に新しいカセットを意図せず作動させることを回避し、更に、その使用の偶発的な試みの危険性は減少する。
【0037】
前記取り外し可能な部分は、例えば、シールの形式でもよく、前記シールは、保管の間、カセットが適切に密閉されることを保証し、カセットが医療用薬剤を送達するために操作されうる前に破られるべきである。
【0038】
医療用薬剤を送達するのにカセットを操作するために、カセットが注射装置に取り付けられるべきである場合、取り外し可能な部分がカセットに取り付けられている限り、取り外し可能な部分は、カセットが注射装置に取り付けられることを防止する。
【0039】
カセットハウジングの内側にこぼれた液体を格納するために、吸収剤は、カセットハウジングの内側に配置されてもよい。この実施形態において、液体が、カートリッジの内側に偶発的にこぼれた場合、吸収剤は、液体を吸収し、これにより、液体がカセットハウジングから離れることを防止し、カセットハウジングの内側に液体を効率的に格納する。従って、カセットを操作している使用者が毒性の又は有害な物質と接触する危険性は、最小化し、使用後にカセットが制御された方法で処分されるとき、そのような物質が適切に取り扱われることを保証する。
【0040】
使い捨てカセットは、注射装置のインターフェイス部と係合するように配置された、1つ又は複数のインターフェイス部を更に備えていてもよく、それによって、注射装置を使用したカセットの操作を許容する。この実施形態によれば、医療用薬剤が送達されることが望ましいとき、カセットは、再使用可能な注射装置に取り付けられる。カセットの操作及び医療用薬剤の送達は、注射装置を使用して制御される。医療用薬剤の送達が完了したとき、カセットは、注射装置から取り外され、適切な方法で処分される。注射装置は、そのとき、その他のカセットを受容する準備ができ、カセットに格納された医療用薬剤を送達する準備ができる。注射装置は、例えば、自動注射装置の形式であってもよい。
【0041】
第2の態様によると、本発明は、
本発明の第1の態様に係る使い捨てカセットを受容するように配置された空洞を画定し、使い捨てカセットを前記空洞に挿入し、又は前記空洞から取り外すことを許容する可動式蓋を備えるハウジングと、
前記空洞に配置された使い捨てカセットのバルブブロックを操作するように配置されたバルブ操作手段と、
医療用薬剤を送達するために、前記空洞に配置された使い捨てカセットのカートリッジと協働するように配置されたカートリッジ操作手段と、
を備える注射装置を提供する。
【0042】
本発明の第2の態様に係る注射装置は、本発明の第1の態様に係る使い捨てカセットを保持し、協働するように適合されている。注射装置は、好ましくは、再使用可能な注射装置である。従って、医療用薬剤の服用量を送達することが望ましいとき、例えば、本発明の第1の態様を参照して前述した方法で、注射装置(つまり、バルブ操作手段及びカートリッジ操作手段によって)を使用することによって、使い捨てカセットは、注射装置の空洞に配置され、カセットは操作される。これにより、使い捨てカセットに格納されている医療用薬剤は、送達される。最終的に、使い捨てカセットは、注射装置から取り除かれ、適切且つ安全な方法で処分される。注射装置は、その後、格納されている医療用薬剤を送達するために、新しい使い捨てカセットを受容する準備ができる。
【0043】
注射装置を使用して、使い捨てカセットを操作することは、前述したように、カセットを操作している使用者が、カセットに格納されている医療用薬剤から発生した液体又は気体と接触する危険性を更に減少させる。
【0044】
バルブ操作手段は、空洞の内側に配置された可動式スレッジを備えていてもよい。本発明の実施形態によれば、可動式スレッジは、カセットの操作中、注射装置の空洞の内側で移動する。可動式スレッジは、スレッジの移動によって、バルブブロックが第1と第2位置の間を移動するように、カセットハウジングの内側のバルブブロックと協働する。可動式スレッジは、例えば、カセットハウジングの外部に配置されたマニピュレータと協働するように配置されてもよい。この場合、バルブブロックは、第1と第2位置の間を、可動式スレッジを使用して、つまりマニピュレータによって機械的に移動する。
【0045】
可動式スレッジは、空洞に配置された使い捨てカセットの注射針を、退避位置と注射針が注射する準備のできる位置との間を移動するように更になっていてもよい。この実施形態によれば、可動式スレッジは、バルブブロックの操作と、注射針の移動を制御する。それによって、バルブブロックの操作と注射針の移動は同調する。
【0046】
注射装置は、バルブ操作手段及び/又はカートリッジ操作手段を操作するためのモータを更に備えていてもよい。これは、医療用薬剤が正確な方法、例えば実質的に一定のペースで送達されることを保証する。この場合、注射装置は、自動注射と呼ばれてもよい。
【0047】
第3の態様によると、本発明は、医療用薬剤の保管及び送達用使い捨てカセットの操作方法を提供し、前記カセットは、医療用薬剤を格納したカートリッジと、廃棄物貯蔵器と、注射針又は注射針取付インターフェイスと、カセットハウジングの内側に配置されたバルブブロックとを備えており、前記方法は、
カートリッジから注射針又は注射針取付インターフェイスへの流れを防止しながら、カートリッジと廃棄物貯蔵器の間の流路を確立する、第1位置にバルブブロックを配置するステップと、
空打ちを実行するためにカートリッジのプランジャを操作し、それにより液体及び/又は気体をカートリッジから廃棄物貯蔵器まで移動させるステップと、
カートリッジから廃棄物貯蔵器への流れを防止しながらカートリッジと注射針又は注射針取付インターフェイスとの間に流路を確立する第2位置に、カセットを操作している使用者がカセットハウジングの内部に配置された部品と直接接触することなく、バルブブロックを移動させ、それによって、カートリッジから注射針を通じた医療用薬剤の送達のためにカセットを準備するステップと
を備える。
【0048】
本発明の第1の態様と組み合わせて説明されたいかなる特徴も、本発明の第2又は第3の態様とも組み合わせ可能であることと、本発明の第2の態様と組み合わせて説明されたいかなる特徴も、本発明の第1又は第3の態様とも組み合わせ可能であることと、本発明の第3の態様と組み合わせて説明されたいかなる特徴も、本発明の第1又は第2の態様とも組み合わせ可能であることとを当業者は容易く認識するであろうことに留意されたい。
【0049】
本発明の第3の態様にかかる方法は、本発明の第1の態様にかかる使い捨てカセットの操作に非常に適している。使い捨てカセットは、好ましくは、以下の方法で操作される。
【0050】
最初に、バルブブロックは、第1位置に配置されており、それによって、カートリッジから注射針への流れを防止しながら、カートリッジと廃棄物貯蔵器との間のバルブブロックを介した流路が確立される。前記方法は、カセットに注射針を取り付けるステップを更に備えていてもよい。
【0051】
その後、カートリッジのプランジャは操作され、それによって、カートリッジに格納されている液体及び/又は気体をバルブブロックに向かう方向に押す。バルブブロックは、第1位置に配置されているため、それによって、液体及び/又は気体は、カートリッジから廃棄物貯蔵器へと輸送される。従って、空打ちが実行され、空打ちの結果生じた気体は、廃棄物貯蔵器に受容される。
【0052】
空打ちが完了したとき、バルブブロックは、第2位置へと移動し、それによって、カートリッジから廃棄物貯蔵器への流れを防止しながら、カートリッジと注射針との間の流路が確立される。カセットを操作している使用者がカセットハウジングの内側に配置されている部品と接触することなく、これは実行される。本発明の第1の態様を参照して前述されたように、カセットに保管されている医療用薬剤又は当該医療用薬剤の蒸発気と使用者が偶発的に接触する危険は、それによって最小化される。更に、毒性の又はその他有害な液体及び/又は気体がカセットから漏れ出す危険もまた、最小化される。
【0053】
バルブブロックが、第2位置に移動し終わったとき、カセットは、医療用薬剤を例えば注射の形式で送達する準備ができている。送達は、カートリッジのプランジャを操作することで実行されてもよい。
【0054】
カートリッジは、二室式カートリッジであってもよく、医療用薬剤の有効成分の乾燥形態がカートリッジの第1室に保管され、希釈剤がカートリッジの第2室に保管されている、前記方法は、
有効成分と希釈剤を接触させるステップと、
有効成分と希釈剤を混合し、それによりカセットから送達されるべき再構築された医療用薬剤を得るステップと
を更に備えてもよい。
【0055】
この実施形態によると、医療用薬剤は、カセットから医療用薬剤が送達される前、好ましくは医療用薬剤がカセットから送達される直前に再構築される。これは、本発明の第1の態様を参照して、既に詳細に説明してある。
【0056】
バルブブロックを移動させるステップは、カセットハウジングの外部に配置された操作機構を操作することを更に備え、前記操作機構は、バルブブロックに接続されている。代替的には、バルブブロックを移動させるステップは、医療用薬剤の注射用のカセットを用意するステップの間に、カセットハウジングの内側に配置された他の部品を移動させることの結果として自動的に実行される。これもまた、本発明の第1の態様を参照して、詳細に前述してある。
【0057】
本発明は、添付の図面を参照して更に詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本発明の実施形態に係る使い捨てカセットの斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る使い捨てカセットの斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る使い捨てカセットの斜視図。
図4】送達プロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットの図。
図5】送達プロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットの図。
図6】送達プロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットの図。
図7】送達プロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットの図。
図8】送達プロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットの図。
図9】送達プロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットの図。
図10】送達プロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットの図。
図11】ロック機構を図示するために部品が取り除かれている図1−10の使い捨てカセットの詳細の斜視図。
図12】ロック機構を図示するために部品が取り除かれている図1−10の使い捨てカセットの詳細の斜視図。
図13】ロック機構を図示するために部品が取り除かれている図1−10の使い捨てカセットの詳細の斜視図。
図14】本発明の実施形態に係る使い捨てカセット用のバルブブロックの断面図。
図15】本発明の実施形態に係る使い捨てカセット用のバルブブロックの断面図。
図16】本発明の実施形態に係る注射装置の斜視図。
図17】本発明の実施形態に係る注射装置の斜視図。
図18】本発明の実施形態に係る注射装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1−3は、本発明の実施形態に係る使い捨てカセットの斜視図である。カセット1は、カセットハウジング2の内側に配置された多数の部品を囲むカセットハウジング2を備える。カセット1は、カセットハウジング2の内側に格納された医療用薬剤を保管し、送達することが可能である。
【0060】
カセットハウジング2は、カセット1を操作する使用者に、空打ちの性能を目視検査することを許容する第1窓3を備えている。これは、図4−10を参照して、以下により詳細に説明される。
【0061】
カセットハウジング2は、カセット1を操作している使用者に、カセット1に保管されている医療用薬剤を目視検査することを許容する第2窓4を更に備える。これは、図4−10を参照して、以下により詳細に説明される。
【0062】
針キャップ5は、カセットハウジング2から突出している。針キャップ5は、カセットハウジング2の内側に配置されている注射針を覆い、服用量の医療用薬剤を送達するためにカセット1が操作され得る前に手動で取り外されるべきである。
【0063】
取り外し可能なシール6は、カセットハウジング2の一端に取り付けられている。シール6は、カセット1に保管されている医療用薬剤が送達されるようにカセット1が操作され得る前に取り外される必要がある。一度シール6が取り外されると、カセットハウジング2に再度取り付けることは不可能である。それによって、カセット1が既に使用されたどうかを簡単に検出することができる。仮に、シール6がカセットハウジング2に取り付けられたままであるならば、そのときカセット1は、完全なままであり、まだ使用されていない。従って、医療用薬剤の服用量は全てカセット1に格納されたままである。一方で、仮にシール6が取り除かれているならば、カセット1は、既に使用されている可能性が高く、すなわち、一部又は全部の医療用薬剤は、恐らく既に送達されている。いずれにしても、カセットハウジング2の密閉は破られており、従って、医療用薬剤の一部又は全部がカセット1に未だに存在している場合でさえ、カセット1を使用することは安全でない。更に、仮に医療用薬剤が前もって一部送達されているならば、残存用量は定かでない。従って、シール6がカセットハウジング2から取り除かれている場合、カセット1の使用を試みるべきではなく、その代わりに、カセット1は、適切な方法で廃棄されるべきである。
【0064】
図1では、シール6は、カセットハウジング2に取り付けられたままであり、図2では、シール6は、取り外されている途中であり、図3では、シール6は、取り外されている。
【0065】
図4−10は、カセット1から医療用薬剤を送達するプロセスの間の様々な位置における図1−3の使い捨てカセットを図示している。カセットハウジングの内部に配置された様々な部品を明らかにするために、カセットハウジング2の一部は、取り除かれている。
【0066】
カセット1は、カートリッジ7と、廃液及び/又は廃ガスを受容するように配置されている廃棄物貯蔵器8と、注射針9と、バルブブロック10とを備えており、その全てがカセットハウジング2の内側に配置されている。
【0067】
カートリッジ7は二室式カートリッジの形態であり、すなわち、第1室11は、医療用薬剤の有効成分の乾燥形態を格納しており、第2室12は、希釈剤を格納している。
【0068】
廃棄物貯蔵器8は、廃棄物貯蔵器8が廃液及び/又は廃ガスを受容したときに廃棄物貯蔵器8が膨張することを許容するために、柔軟な壁を有している。
【0069】
図4及び図5において、注射針9は、針キャップ5によって覆われており、図6−10において、針キャップ5は、取り除かれており、それによって、注射針9の先端は露出している。
【0070】
バルブブロック10は、第1位置と第2位置の間を移動可能である。第1位置において、バルブブロック10は、カートリッジ7から注射針9までの流れを防止しながら、カートリッジ7と廃棄物貯蔵器8の間の流路を確立する。第2位置において、バルブブロック10は、カートリッジ7から廃棄物貯蔵器8までの流れを防止しながら、カートリッジ7と注射針9の間の流路を確立する。
【0071】
使い捨てカセット1の操作は、図4−10を参照して説明される。
【0072】
図4において、カセット1は、カセット1の保管の間に適用され得る位置で示されている。注射針9は、針キャップ5によって覆われている。カートリッジ7の第1室11及び第2室12は、互いに密閉されており、それによって、乾燥形態の有効成分は、希釈剤と分離されて維持されている。バルブブロック10は、第1位置にあり、すなわち、カートリッジ7と廃棄物貯蔵器8の間の流路が確立されている。
【0073】
カセット1から医療用薬剤を送達することが望ましいとき、第1プランジャ13は、注射針9の方向に押される。第2室12に格納されている希釈剤は非圧縮性であるため、第2プランジャ14は、カートリッジ7の壁に凹部15が形成されている位置に到達するまで注射針9の方向に移動させられる。液体希釈剤は、凹部15を介して第1室11に流れることが可能であり、それによって医療用薬剤の有効成分と液体希釈剤は、第1室11に集まる。更に第3のプランジャ16は、液体希釈剤が第1室11に流入することで、注射針9に向かう方向に移動する。それによって、第3の室17に格納された空気はカートリッジ7の外部へ移される。バルブブロック10が第1位置にあるため、当該空気は、バルブブロック10を介して廃棄物貯蔵器8に輸送される。従って、この廃空気は、廃棄物貯蔵器8に収集され、従って、廃空気が注射針9を介して送達されるか、そうでなければ、カセットハウジング2から漏れ出す危険性はなくなる。従って、カートリッジ7の第3の室17からの廃空気は、カセットハウジング2に安全に格納される。
【0074】
第1プランジャ13が第2プランジャ14と当接したとき、及び、希釈剤の全てが第1室11に流れ込んだとき、第1プランジャ13は、第2プランジャ14を注射針9に向かう方向へ僅かに移動させ、それによって、凹部15によって形成された流路は閉鎖される。これは、図5に図示してある位置である。
【0075】
従って、図5において、医療用薬剤の有効成分と液体希釈剤は、カートリッジ7の第1室11に集まり、第1室11において医療用薬剤の再構築が起こり得る。これは、薬が適切に混合されることを保証するために、カセット1を振り動かすこと及び/又は回転させることを含んでもよい。医療用薬剤の再構築は、カセットハウジング2に形成された第2窓(図1−3における4)を介して視覚的に確認される。
【0076】
薬剤が再構築されたとき、空打ちが実行される必要がある。このために、第1プランジャ13は、注射針9に向かう方向に更に移動させられ、それによって、第3のプランジャ16は、図6に示されるように、端部に移動する。これにより、第3の室17に格納されている空気の残りは、バルブブロック10を介して廃棄物貯蔵器8に流入する。空打ちの間、カセット1は、好ましくは、空気が当該システムに閉じ込められることを防ぐために、及びその代わりに空気が廃棄物貯蔵器8に流れることを保証するために、注射針9が上方を向いている位置に維持されていてもよい。
【0077】
更に、再構築された医療用薬剤は、第3のプランジャ16を通ってバルブブロック10まで流れることを許容され、それによって、カートリッジ7及びバルブブロック10に存在している空気を廃棄物貯蔵器8に移す、すなわち、空打ちを実行する。空打ちは、カセットハウジング2に形成された第1窓(図1−3において3)を介して目視検査される。再構築された医療用薬剤が廃棄物貯蔵器8の入口開口に到達したとき、空打ちは完了し、カセット1は、再構築された医療用薬剤を送達する準備ができている。代替的には、再構築された液体の医療用薬剤がバルブブロック10に到達したことが目視検査可能であるときに、空打ちは完了したということが結論づけられてもよい。
【0078】
図6において、廃棄物貯蔵器8の柔軟な壁は、再構築プロセス及び空打ちの間に廃棄物貯蔵器8に受容された空気、及び場合により液体に起因して、膨張している。更に、針キャップ5は注射針9から取り外され、それによって、注射針9の先端は露出している。しかしながら、注射針9は、カセットハウジング2の内側に完全に収容されている。
【0079】
注射針9の先端をカセットハウジング2の外側に進出させるために、カートリッジ7と、廃棄物貯蔵器8と、注射針9と、バルブブロック10とを運搬するスレッジ18は、注射針9に向かう方向に移動させられる。このスレッジ18の移動が開始したとき、ロック機構は、(視認できないが)圧縮可能なばね19に蓄えていたエネルギを解放する。解放されたエネルギは、スライダ20を反対方向に押す、すなわち、注射針9から離間する方向に押す。スライダ20は、ピン21を介してバルブブロック10に接続されている。それによって、スライダ20の反対方向への移動により、バルブブロック10は第2位置に移動させられる。これが図7に図示した位置である。
【0080】
従って、図7において、注射針9の先端がカセットハウジング2から突出するように、注射針9は移動させられる。更に、圧縮可能なばね19が解放状態にあることと、バルブブロック10が第2位置にあり、すなわち、バルブブロック10が、カートリッジ7と注射針9の間に流路を確立していることが見てとれる。
【0081】
注射針9をカセットハウジング2の更に外側に、すなわち図8に示した位置に移動するために、スレッジ18は、更に前進させられる。
【0082】
第1プランジャ13は、再度注射針9に向かう方向に移動させられる。これにより、再構築された医療用薬剤は、第1室11の外側に、バルブブロック10に向かって輸送される。バルブブロック10が第2位置にあるため、再構築された医療用薬剤は、注射針9から、バルブブロック10を介して送達される。図9は、医療用薬剤の服用量の全てがこの方法によって注射針9を介して送達された位置にあるカセット1を示している。
【0083】
医療用薬剤の送達が、前述の方法によって完了したとき、スレッジ18は、反対方向、すなわち、注射針9がカセットハウジング2の中に戻るように移動する方向に移動する。図10は、注射針9が完全にカセットハウジング2の中に引っ込んだ位置にあるカセット1を示している。それによって、カセット1は、信頼のある安全な方法で破壊されることが可能な場所に、廃棄物貯蔵器8に格納されている気体又は液体、カートリッジ7に残っている残留医療用薬剤、バルブブロック10及び注射針9、及びカセットハウジング2の内側に格納されたこぼれた医療用薬剤と共に、安全に輸送され得る。
【0084】
図11−13は、図1−10の使い捨てカセット1の詳細の斜視図である。カセットハウジング2の部品は、カセットハウジング2の内部に配置されている、ロックアーム22とカム23とを備えるロック機構を明らかにするために、取り除かれている。
【0085】
図11において、カセット1は、図6に示される位置にある。従って、医療用薬剤は、再構築され、空打ちは実行されているが、スレッジ18は、カセットハウジング2の外側に注射針9を前進させるために、未だ前進していない。更に、圧縮可能なばね19は、圧縮状態にあり、スライダ20は、ロックアーム23を使用してばね19を保持する位置を維持する。ロックアーム23は、このロック位置にカム23を用いて維持される。
【0086】
図12において、カセット1は、図6に図示された位置と図7に図示された位置との間の位置にある。従って、スレッジ18は、注射針9をカセットハウジング2の外側に前進させるために、僅かに前進したところである。それによって、スレッジ18は、ロックアーム22をカム23との係合の外側に押したところであり、ロックアーム22はロック位置から移動したところである、すなわち、ロックアーム23は、スライダ20を、ロックアーム23がばね19を保持する位置にもはや維持しない。その結果、ばね19に蓄えられていたエネルギは、解放され、後退する方向、すなわち、カートリッジ7へ向かう方向にスライダ20を押す。
【0087】
スライダ20は、バルブブロック10上に形成された旋回軸21と係合するように配置される。従って、スライダ20の後退移動によって、バルブブロック10は、回転させられ、それによって、バルブブロック10は、カートリッジ7と注射針9の間に流路を確立する第2位置に移動させられる。
【0088】
図13において、カセット1は、図7に図示された位置にある。従って、スレッジ18は、更に前方に移動し、ロックアーム22は、カム23から更に離れる方向に動いたところである。それによって、ロックアーム22が図11に図示された位置に戻るように動くことをカム23が防止する位置に、ロックアーム22は動く。それによって、カセット1の偶発的な再使用は、効果的に防止される。
【0089】
図14及び図15は、本発明の実施形態に係る使い捨てカセット1用のバルブブロック10の断面図である。カートリッジ7及び廃棄物貯蔵器8は、バルブブロック10に接続されている。廃棄物貯蔵器8は、逆止弁24を介してバルブブロック10に接続されている。疎水膜25は、逆止弁24に隣接して配置されている。疎水膜25が液体と接触したとき、疎水膜25は膨張し、それによって廃棄物貯蔵器8に向かう流路をふさぐ。従って、この流路は、空打ちが完了したとき自動的にふさがれ、液体の再構築された医療用薬剤はバルブブロック10に到達する。
【0090】
図14では、バルブブロック10は第1位置にあり、すなわち、第1バルブブロック10は、カートリッジ7と廃棄物貯蔵器8との間に流路を確立している。図15では、バルブブロック10は、第2位置であり、バルブブロック10は、カートリッジ7と、コネクタ26に取り付けられることが可能な注射針との間の流路を確立する。
【0091】
図16−18は、本発明の実施形態に係る注射装置27の斜視図である。注射装置27は、蓋29を備えるハウジング28を備えており、蓋29は、ハウジング28の内部への接近を許容する。図1−13のいずれかに図示したカセットのような使い捨てカセット1は、注射装置27に受容され得る。使い捨てカセット1が注射装置27に取り付けられたとき、カセット1に格納された医療用薬剤を送達するために、カセット1は、注射装置27を使用して操作され得る。医療用薬剤の送達後、カセット1は注射装置27から取り除かれてもよく、適切な方法で処分されてもよい。
【0092】
図16では、蓋29は閉じられており、カセット1は注射装置27に取り付けられている。カセット1は視認可能であり、針キャップ5は、ハウジング28から突出している。ディスプレイ30及び操作ボタン31はハウジング28上に取り付けられている。操作ボタン31は、カセット1の操作を制御するために使用者によって使用される。ディスプレイ30は、送達プロセスの進捗に関して使用者に情報を提供する。
【0093】
図17では、蓋29は、開いており、どのようにカセット1がハウジング28内に受容されているかを図示している。
【0094】
図18では、カセットはハウジング28の内部に取り付けられていない。更に、ディスプレイと操作ボタンを伴うハウジング28の一部は、ハウジング28の内側に配置された注射装置27の部品を明らかにするために、取り除かれている。
【0095】
可動式スレッジ32は、カセットのバルブブロックを操作するために、注射装置27に取り付けられたカセットのカセットハウジングの外部に配置された操作機構と協働するように配置されている。従って、可動式スレッジ32の移動は、ハウジング28の内部に取り付けられたカセットのバルブブロックの適切な移動に帰着する。例えば、可動式スレッジ32は、図4−13を参照して前述したように、注射針の移動を引き起こすようにカセットハウジングの内側に配置されたスレッジと協働してもよい。
【0096】
送りねじ33は、プランジャアクティベータ34の移動を引き起こすために配置されている。カセットがハウジング28の内部に配置されているとき、プランジャアクティベータ34は、カセットのカートリッジのプランジャに当接して配置されている。従って、カセットのプランジャは、プランジャアクティベータ34を介して注射装置27を使用することで、及び、送りねじ33を操作することで、操作可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18