特許第6742411号(P6742411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6742411太陽電池アセンブリ及び太陽電池モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742411
(24)【登録日】2020年7月30日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】太陽電池アセンブリ及び太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/23 20140101AFI20200806BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20200806BHJP
   E04D 13/18 20180101ALI20200806BHJP
【FI】
   H02S20/23 A
   H02S20/10 P
   E04D13/18ETD
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-528273(P2018-528273)
(86)(22)【出願日】2016年12月23日
(65)【公表番号】特表2019-503159(P2019-503159A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】CN2016111819
(87)【国際公開番号】WO2017114320
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】201521126491.0
(32)【優先日】2015年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ワン シェンツゥン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ ジンシン
(72)【発明者】
【氏名】スゥン シャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チェン
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102014208303(DE,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02511624(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0125492(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/077538(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/124529(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0146761(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0288320(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0193012(US,A1)
【文献】 特開2015−221987(JP,A)
【文献】 特開2016−020568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/00−20/32
E04D 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルと、
支持部分及び接続部分を有する取付部材であって、前記支持部分が前記太陽電池パネルを固定する構成であり、前記接続部分が前記取付部材を支持梁上に固定する構成である、取付部材と、
を備える太陽電池アセンブリにおいて、
前記支持部分が前記太陽電池パネルの裏側に配置され、前記接続部分が前記支持部分の一縁部から前記太陽電池パネルに平行な方向に沿って延び、前記接続部分が前記太陽電池パネルのカバー領域の外側に位置し、前記接続部分には取付孔が形成されており、
前記支持部分がプラットフォーム面を有し、前記太陽電池パネルの裏側と結合する構成である接着層が、前記プラットフォーム面上に配置され、
前記支持部分が、穴が中に形成された中空方形管として構成され、前記中空方形管の内部空間が隔壁によって複数の穴に分割され、前記中空方形管の上面は前記プラットフォーム面として構成され、前記隔壁部の上部は、前記中空方形管の前記プラットフォーム面と対応する内面に接続されている、
太陽電池アセンブリ。
【請求項2】
複数の取付部材が前記太陽電池パネルの両側にそれぞれ配置されている、請求項1に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項3】
前記接続部分が平板として構成される、請求項1または2に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項4】
前記接続部分の下面が前記支持部分の下面と同一面上にある、請求項1または3に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項5】
前記接続部分の下面のある第1平面が、前記支持部分の下面のある第2平面より高く位置し、前記第1平面と前記第2平面との間の距離が前記接続部分の厚さに等しい、請求項1又は3に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項6】
前記取付部材が、前記支持部分と前記接続部分との間に配置された制限部分をさらに備え、前記太陽電池パネルの1側部が前記制限部分と当接する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項7】
前記制限部分の支持部分から離れる側の一端には、折曲部分が形成されており、前記折曲部分が前記太陽電池パネルに対向し、前記折曲部分が前記支持部分の上面と平行である、請求項6に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項8】
前記取付孔が腰形状孔として構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池アセンブリ。
【請求項9】
支持梁及び請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池アセンブリを備える太陽電池モジュールであって、前記支持梁が前記太陽電池アセンブリの裏側に位置し、前記太陽電池アセンブリが前記取付部材を介して前記支持梁に固定される、太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記支持梁上に並んで配置される複数の太陽電池アセンブリがあり、前記複数の太陽電池アセンブリが、第1太陽電池アセンブリ及び前記第1太陽電池アセンブリに隣接する第2太陽電池アセンブリを備え、前記第1太陽電池アセンブリが第1取付部材を備え、前記第2太陽電池アセンブリが第2取付部材を含み、
前記第1取付部材が第1支持部分及び第1接続部分を含み、前記第1接続部分には第1取付孔が形成されており、前記第1接続部分の下面が前記第1支持部分の下面と同一面上にあり、
前記第2取付部材が第2支持部分及び第2接続部分を含み、前記第2接続部分には第2取付孔が形成されており、前記第2接続部分の下面のある第1平面が、前記第2支持部分の下面のある第2平面より高く位置し、前記第1平面と前記第2平面との間の距離は、前記第1接続部分の厚さに等しく、
前記第1接続部分が前記第2接続部分の底部に位置して前記第2接続部分と重なり合い、前記第1取付孔と前記第2取付孔とが重なり合い、ボルトが前記第2取付孔と前記第1取付孔とを順次貫通して前記支持梁に接続される、
請求項9に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して太陽電池の分野に関し、特に太陽電池アセンブリ及び太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示されているように、従来の太陽電池パネルは主に、アルミニウム製の挟持アセンブリを介して取付けられ、挟持アセンブリは主に上側挟持部1及び下側挟持部2を含み、上側挟持部1及び下側挟持部2の双方はゴムパッド3を取付けるための溝を有し、上側挟持部1及び下側挟持部2の双方はボルトを介して互いに接続され、さらに、太陽電池パネルはゴムパッド3を介して、挟持アセンブリによって両側を挟持される。この挟持アセンブリを、取付金具上に固定することもできる。しかしながら、この種の挟持アセンブリにはいくつかの欠点がある。1つとして、ゴムパッドが紫外線、水蒸気、腐食ガスの下で劣化することがあり、それによって太陽電池パネルに加わる締付力が弱くなり、太陽電池パネルが脱落することがある。もう1つ、この種の挟持アセンブリは、空気圧及び雪圧に対する抵抗が小さいことがある。さらに、二重ガラス太陽電池アセンブリは、ゴムパッドとガラス表面との間の摩擦力で固定され、このゴムパッドと二重ガラス太陽電池アセンブリとの間の摩擦力は、摩擦係数及びボルトを介して加わる力によって決定される。比較的強い圧力が太陽電池アセンブリに加わると、太陽電池アセンブリが変形して挟持アセンブリから次第に滑り抜けることがあり、こうなると、挟持アセンブリに対する力のモーメントが徐々に上がるため、挟持アセンブリが変形して破損することがある。
【0003】
さらに、固定アセンブリを太陽電池アセンブリの後ろ側に配置するとき、取付け位置が太陽電池パネルの裏側に来るので、特に太陽電池パネルが地面の近くにあるときは、固定アセンブリ及び支持梁について比較的高い位置精度が要求され、ボルトを太陽電池パネルの後ろ側に締め込むことができず、太陽電池パネルの取付けに影響を及ぼすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術の技術的課題を少なくとも1つある程度解決しようとするものである。この目的のために、本開示は太陽電池アセンブリ及び太陽電池モジュールを提供し、取付部材が太陽電池パネル上に配置され、この取付部材は主に太陽電池パネル及び支持梁を締結して固定する構成である。これにより、太陽電池パネルの取付安全性及び積載能力を高め、かつ、取付精度の要求を低下させることができ、種々の支持梁の取付けに適し得る。
【0005】
本開示の第1の態様では、太陽電池アセンブリが提供される。この太陽電池アセンブリは、太陽電池パネルと取付部材とを含む。この取付部材は、太陽電池パネルを固定する構成である支持部分、及び取付部材を支持梁上に固定する構成である接続部分を有する。この支持部分は太陽電池パネルの裏側に配置され、接続部分は支持部分の一縁部から太陽電池パネルに平行な方向に沿って延び、かつ、太陽電池パネルのカバー領域の外側に位置しており、接続部分の中には取付孔が形成されている。
【0006】
実施形態によっては、複数の取付部材が、太陽電池パネルの両側にそれぞれ配置される。
【0007】
実施形態によっては、支持部分上にプラットフォーム面が形成され、太陽電池パネルの裏側と接合する構成である接着層が、そのプラットフォーム面上に配置される。
【0008】
実施形態によっては、支持部分が、穴が形成された中空方形管として構成され、中空方形管の上面はプラットフォーム面として構成される。
【0009】
実施形態によっては、接続部分が平板として構成される。
【0010】
実施形態によっては、接続部分の下面が支持部分の下面と同一面上にある。
【0011】
実施形態によっては、接続部分の下面のある第1平面が、支持部分の下面のある第2平面より高く位置し、第1平面と第2平面との間の距離は、接続部分の厚さに等しい。
【0012】
実施形態によっては、取付部材が、支持部分と接続部分の間に配置された制限部分をさらに有し、太陽電池パネルの1側部が制限部分と当接する。
【0013】
実施形態によっては、制限部分の支持部分から離れる側の一端には、折曲部分が形成されており、折曲部分は太陽電池パネルに対向しており、折曲部分の上面が支持部分の上面と平行である。
【0014】
実施形態によっては、取付孔が腰形状の孔として構成される。
【0015】
本開示の第2の実施態様では、太陽電池モジュールが提供される。この太陽電池モジュールは、支持梁及び上述の太陽電池アセンブリを含み、支持梁は太陽電池アセンブリの裏側に位置し、太陽電池アセンブリは取付部材を介して支持梁に固定されている。
【0016】
実施形態によっては、複数の太陽電池アセンブリが支持梁上に並んで配置され、この複数の太陽電池アセンブリは、第1太陽電池アセンブリ及び第1太陽電池アセンブリに隣接する第2太陽電池アセンブリを備え、第1太陽電池アセンブリが第1取付部材を含み、第2太陽電池アセンブリが第2取付部材を含み、第1取付部材が第1支持部分及び第1接続部分を含み、第1接続部分には第1取付孔が形成され、第1接続部分の下面が第1支持部分の下面と同一面上にあり、第2取付部材が第2支持部分及び第2接続部分を含み、第2接続部分には第2取付孔が形成され、第2接続部分の下面のある第1平面が、第2支持部分の下面のある第2平面より高く位置し、第1平面と第2平面の間の距離は、第1接続部分の厚さに等しく、第1接続部分が第2接続部分の底部に位置して第2接続部分と重なり合い、第1取付孔と第2取付孔とが重なり合い、ボルトが第2取付孔と第1取付孔を順次貫通して支持梁に接続されている。
【0017】
本開示の太陽電池アセンブリでは、隣接する太陽電池パネル間の接続及び太陽電池パネルと支持梁との接続を実現するために、取付部材が太陽電池パネル上に配置される。この取付部材は支持部分、制限部分及び接続部分を含んでもよく、従来の側部を挟持する取付けに対して、支持力を提供するために支持部分が太陽電池パネルの裏側に接続される。支持部分は、接着により太陽電池パネルに接続される。接着域が十分に大きければ、太陽電池パネルが耐え得る機械的負荷は、側部挟持による太陽電池パネルの取付けよりも大幅に高くなる。接続部分は、太陽電池パネルから離れる方向に沿って支持部分上に配置され、この結果、ボルトを太陽電池パネルの前側から締結できる。これにより、太陽電池パネルの素早い取付けと、太陽電池パネル5の地面近くの支持梁への取付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
上記及び他の態様並びに本開示の実施形態の利点が、添付図面の参照を伴う以下の記載から明白となり、より容易に理解できるようになるであろう。
【0019】
図1】従来技術の太陽電池パネル取付挟持具を示す概略図である。
図2】本開示の一実施態様による太陽電池アセンブリを示す概略図である。
図3】本開示の一実施態様による取付部材を示す概略図である。
図4】本開示の一実施態様による取付部材を示す上面図である。
図5】本開示の別の実施態様による取付部材を示す概略図である。
図6】本開示の一実施態様による取付構造を示す概略図である。
図7】本開示の一実施態様による取付部材と支持梁の間の接続部分を示す断面図である。
図8】本開示の一実施態様による太陽電池モジュールを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態を以下に詳しく記載し、実施形態の実施例を添付図面に示す。添付図面を参照して記載する以下の実施形態は、例示であり、本開示の説明を目的とするものであって、本開示を限定するものとして解釈してはならない。
【0021】
尚、本明細書において、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「底」、「内側」、「外側」という用語は、記載された方向又は議論されている図面中で示された方向に言及していると解釈すべきである。これらの相対用語は記載の便宜上のものであり、本開示が特定の方向で組み立て又は操作されるものと解釈することを要求するものではない。さらに、本明細書において、「複数」という用語は、特に記載がない限り2以上を意味する。
【0022】
尚、本明細書において、特に指定又は限定されていない限り、「取付けられた」、「接続された」、「固定された」等の用語は広義に使用され、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的接続であっても、機械的接続又は電気的接続であっても、直接接続又は介在構造を介した間接接続であっても、2つの要素の内部連通であってもよい。これは、当業者であれば具体的状況に応じて理解できるはずである。
【0023】
図2及び図3に示されているように、本開示は太陽電池アセンブリを提供する。この太陽電池アセンブリは太陽電池パネル5及び取付部材4を含み、取付部材4は、太陽電池パネル5を固定する構成である支持部分41、及び取付部材4を支持梁上に固定する構成である接続部分43を有する。
【0024】
支持部分41が太陽電池パネル5の裏側に配置され、接続部分43が支持部分41の一縁部から太陽電池パネル5に平行な方向に沿って延びる。例えば、実施形態によっては、接続部分43と支持部分41が一体的に形成され、接続部分43が支持部分41の一側縁に配置される。接続部分43は太陽電池パネル5のカバー領域の外側に位置する。尚、太陽電池パネル5のカバー領域とは、太陽電池パネルの前側(すなわち受光面)から見たとき、太陽電池パネル5が覆う領域を言う。すなわち、接続部分43は太陽電池パネル5の一側縁の外側に位置する。別々の取付部材4を、接続部分43を介して互いに接続することもできる。接続部分43はその中に取付孔431を形成されている。ボルトを太陽電池パネル5の前側からネジ止めすることができる。これにより、太陽電池パネル5の迅速な取付けと、太陽電池パネル5の地面近くの支持梁への取付けが可能となる。
【0025】
実施形態によっては、複数の取付部材4を太陽電池パネル5の両側にそれぞれ配置してもよい。その結果、太陽電池パネル5を安定して固定することができる。
【0026】
図3及び図4に示されているように、太陽電池パネル5と支持梁を取付けて固定するために、取付部材4を太陽電池パネル5上に配置し得る。
【0027】
支持部分41上にプラットフォーム面が形成され、太陽電池パネル5の裏側と接合する構成である接着層(不図示)が、プラットフォーム面413上に配置される。支持力を提供するために、支持部分41のプラットフォーム面413が、太陽電池パネル5の裏側に接続される。支持部分41が、接着により太陽電池パネル5に接続される。接着域が十分に大きければ、太陽電池パネルが耐え得る機械的負荷は、挟持よる太陽電池パネルの取付けよりも大幅に高くなる。実際の実験では、本開示の取付部材を介して取付けられた太陽電池パネル5は、5400Paを超える機械的負荷に耐えることができた。
【0028】
具体的には、支持部分41が、穴411が形成された中空方形管として構成される。尚、中空方形管の内部空間を複数の穴411に分割するために、隔壁412を中空方形管内に配置することができる。中空方形管の上面がプラットフォーム面413として構成され、中空方形管の、プラットフォーム面413から離れる方向の表面が、中空方形管の下面である。尚、支持部分41の長さ、幅、及び厚さは、太陽電池パネル5の大きさ及び重さに応じて設計可能であり、同様に、太陽電池パネル5の荷重に応じて複数の穴411を設計することができる。
【0029】
尚、取付部材4は、これに限定するものではないが、アルミニウム合金製、炭素鋼製又はステインレス鋼製である。
【0030】
接続部分43は、支持部分41の一側部の外側に延びる平板として構成される。実施形態によっては、接続部分43の角部が円形のビード又は45度の面取りとして製造され、その結果、太陽電池パネルが圧縮されて変形したとき、接続部分43の角部に加わる力を低減することができるようになっている。
【0031】
取付部材4は、支持部分41と接続部分43の間に配置された制限部分42をさらに有し、例として、制限部分42は、支持部分41と接続部分43との間の接合部に配設される縞突起として構成されている。太陽電池パネル5の位置を定めるために、太陽電池パネル5の1側部が制限部分42と当接しているため、太陽電池パネル5が支持部分41に接着される際、太陽電池パネル5の歪みを防止することができる。
【0032】
図5に示されているように、実施形態によっては、支持部分41から遠い方の、制限部分42の一端には、折曲部分421が形成され、折曲部分421は太陽電池パネル5に対向しており、折曲部分421は支持部分41の上面と平行である。すなわち、支持部分41の上方で横方向の制限を形成するために、折曲部分421はプラットフォーム面413と平行である。折曲部分421を通して太陽電池パネルに逆方向制限が設定されるため、取付部材4の逆荷重に対する耐性力が向上し得る。
【0033】
尚、取付部材4の支持部分41上に太陽電池パネル5を固定するために、接着層が、取付部材4と太陽電池パネル5との間に配置されている。尚、この接着層は、単一成分シリカゲル、二成分シリカゲル又はエポキシ樹脂から作製可能であり、実施形態によっては、接着層をシリカゲル(単一成分シリカゲル又は二成分シリカゲル)で作製可能である。ただし、同じ機能を有する他の複数の接着層も採用可能である。
【0034】
取付孔431は腰形状の孔として構成される。腰形状孔の両端は半アーチ状で、腰形状孔の中間両側部は互いに平行である。腰形状孔によって5mmより大きい位置ずれが許容され、その結果、取付精度の要求を低減するために、太陽電池パネルと支持梁の取付けずれが吸収される。
【0035】
実施形態によっては、接続部分43の下面が支持部分41の下面と同一面上にある。取付部材が支持梁上に取付けられるとき、接続部分43の下面が支持梁に接する。
【0036】
実施形態によっては、接続部分43の下面のある第1平面が、支持部分41の下面のある第2平面より高く位置し、第1平面と第2平面との間の距離は、接続部分43の厚さに等しい。第1平面上と第2平面は平行であり、すなわち、第1平面上と第2平面との間の距離は2つの平面間の垂直距離を意味する。取付部材4が支持梁上に取付けられると、接続部分43の下面のある第1平面との間に特定の取付隙間が形成され、この取付隙間が他の太陽電池アセンブリの接続部分を収容する構成となっている。
【0037】
尚、接続部分及び支持部分により2つの異なる配置を、別々にも協働しても実行できる。
【0038】
本開示について、これ以降は実施例を参照して更に説明する。
【実施例1】
【0039】
本実施例は、支持梁及び太陽電池アセンブリを含む太陽電池モジュールを提供する。この太陽電池アセンブリは太陽電池パネル5及び取付部材4を含む。支持梁が太陽電池パネル5の裏側に配置され、太陽電池アセンブリが取付部材4を介して支持梁に固定される。
【0040】
1つの太陽電池アセンブリがあり、複数の取付部材4が太陽電池パネル5の両側にそれぞれ配置され、太陽電池パネル5の下面が接着層を介して各取付部材4に固定され、太陽電池パネル5の一縁部が制限部分42と当接し、ボルトが接続部分43の孔をその頂部から貫通し、太陽電池アセンブリを支持梁上に固定するように、ボルトの尾端が支持梁に接続される。
【実施例2】
【0041】
図2に示されているように、また図6を参照すると、本実施例は、太陽電池パネル5及び取付部材4を含む太陽電池アセンブリを提供する。太陽電池パネル5が取付部材4上に配置され、太陽電池パネル5の下面が接着層を介して各取付部材4に固定され、太陽電池パネル5の一縁部が制限部分42と当接する。
【0042】
取付部材4が第1取付部材4a及び第2取付部材4bを含み、第1取付部材4a及び第2取付部材4bが、太陽電池パネル5の両側にそれぞれ配置される。好ましくは、2つの第1取付部材4aを太陽電池パネル5の片側に配置し、2つの第2取付部材4bを太陽電池パネル5のもう一方の側に配置する。
【0043】
第1取付部材4aは第1支持部分41a及び第1接続部分43aを含み、第1接続部分43aには第1取付孔が形成されており、第1接続部分43aの下面が第1支持部分41aの下面と同一面上にある。
【0044】
第2取付部材4bは第2支持部分41b及び第2接続部分43bを含み、第2接続部分43bには第2取付孔が形成されており、第2接続部分43bの下面のある第1平面が、第2支持部分41bの下面のある第2平面より高く位置し、第1平面と第2平面との間の距離は、接続部分43の厚さに等しい。
【実施例3】
【0045】
図6及び図8に示されているように、本実施例は、支持梁7及び実施例2の複数の太陽電池アセンブリを含む太陽電池モジュールを提供する。支持梁7が太陽電池パネル5の裏側に配置され、太陽電池アセンブリが取付部材4を介して支持梁7上に固定される。
【0046】
複数の太陽電池アセンブリが支持梁7上に並んで配置され、複数の太陽電池アセンブリが、第1太陽電池アセンブリ及び第1太陽電池アセンブリに隣接する第2太陽電池アセンブリを含み、第1太陽電池アセンブリが第1取付部材4aを含み、第2太陽電池アセンブリが第2取付部材4bを含む。第1太陽電池アセンブリ及び第1太陽電池アセンブリが、第1取付部材4a及び第2取付部材4bを介して互いに接続されて、支持梁7上に取付けられる。
【0047】
第1接続部分43aと第2接続部分43bが重なり合い、第1接続部分43aが第2接続部分43bの底部の取付隙間に収容される。
【0048】
固定するために、ボルト6が第2取付孔及び第1取付孔を順次通過する。さらに、ボルト6の尾端が支持梁7に接続される。
【実施例4】
【0049】
図7に示されているように、本実施例では、支持梁がU字型鋼として構成されるが、本実施例における取付部材4及び太陽電池パネル5の構成は実施例2と同じであるため、詳細は省略する。
【0050】
U字型鋼の開口部が、第1接続部分43aと第2接続部分43bとが重なり合う位置に対向し、U字型鋼の2つの側壁がフックから内向きに折れ曲がってフックを形成しており、接続片8がU字型鋼の内部に配置され、接続片8には貫通ネジ孔が形成されている。
【0051】
太陽電池パネル5を取付ける時、第1取付部材4a及び第2取付部材4bが、各太陽電池パネル5の両側にそれぞれ接着され、次に接続片8がU字型鋼内に配置され、2つの隣接する接続片8間の距離が、第1取付部材4aと隣接する第2取付部材4bとの間の距離と等しくなるように調整され、その後に、接続片8がU字型鋼内で固定される。複数の太陽電池パネル5がU字型鋼上に並んで配置され、第1太陽電池パネル5の第1取付部材4aと第1太陽電池パネル5に隣接する第2太陽電池パネル5の第2取付部材4bとが、接続され重ね合わされる。各接続片8の第1取付孔、第2取付孔及び貫通ネジ孔が、互いに位置合わせされる。第1取付部材4a及び第2取付部材4bをU字型鋼に締結するために、ボルト6が第1取付孔及び第2取付孔を上から貫通して、ボルト6の尾端が接続片8にねじ込まれ、太陽電池パネル5の取付けが完了する。
【実施例5】
【0052】
本実施例では、支持梁がC字型鋼として構成されるが、本実施例における取付部材4及び太陽電池パネル5の構成は実施例2と同じであるため、詳細は省略する。
【0053】
C字型鋼の頂部には取付貫通孔がある。
【0054】
太陽電池パネル5を取付ける時、第1取付部材4a及び第2取付部材4bが、各太陽電池パネル5の両側にそれぞれ接着され、次に複数の太陽電池パネル5がC字型鋼上に並んで配置され、第1太陽電池パネル5の第1取付部材4aと第1太陽電池パネル5に隣接する第2太陽電池パネル5の第2取付部材4bとが、接続され重ね合わされる。第1取付孔、第2取付孔、及びC字型鋼の取付貫通孔が、互いに位置合わせされる。ボルトがC字型鋼の開口部から入り、取付貫通孔、第1取付孔及び第2取付孔を順次通過し、ボルトの尾端が第1取付部材4a及び第2取付部材4bの上方に配置される。さらに、第1取付部材4a及び第2取付部材4bをC字型鋼上に締結するために、ボルト6がナットによって締結され、太陽電池パネル5の取付けが完了する。
【0055】
本開示の実施形態が図示及び記載されてきたが、当業者であれば、これらの実施形態の複数の変更、改良、置換及び変形が本開示の原理及び目的から逸脱することなく行われることが理解できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8