【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、トランスミッタの位置に関する少なくとも1つの情報を決定するための装置によって課題を解決する。ここで、当該装置は、アンテナ装置と制御装置とデータ処理装置とを有する。アンテナ装置は、複数の異なる指向特性を有し、指向特性は、互いに、アンテナ装置の空間的に異なる受信感度の量に関連する。制御装置は、少なくともアンテナ装置の指向特性の1つが活性化されるようにアンテナ装置に影響する。アンテナ装置は、トランスミッタから発生する少なくとも1つの信号を受信し、このことは、活性化された指向特性で起こる。さらに、データ処理装置は、少なくとも1つの受信信号と活性化された指向特性に割り当てられた空間的に異なる受信感度の量とを重み付けされた受信値の量に処理する。加えて、データ処理装置は、少なくとも重み付けされた受信値の量からトランスミッタの位置に関する情報を決定する。
【0013】
トランスミッタの位置に関する1つの情報を決定するための装置は、トランスミッタの信号を受信するためのアンテナ装置を有する。受信信号は、そこから情報を決定するためにデータ処理装置によって処理される。アンテナ装置は、複数の異なる指向特性を有することを特徴とする。ここで、指向特性は、受信感度の空間分布に関連する。したがって、信号は、全ての空間的な方向から均等に受信するのではなく、アンテナ装置が好んで信号を受信する領域が存在する。このことは、選別され活性化された指向特性を有する信号を受信するとき、トランスミッタの位置と受信信号との間に関係が存在するという効果を有する。この関係は、受信信号と、受信の間使用され活性化される指向特性に関するデータと、空間的に異なる受信感度の量と、を処理するように構成されるデータ処理装置によって使用される。受信信号と受信感度の分布に関するデータとから、データ処理装置は、重み付けされた受信値の量を決定する。そのとき、情報は、重み付けされた受信値の量から決定されることができる。制御装置は、アンテナ装置の少なくとも1つの指向特性が活性化されるという目的を有する。1つの構成において、重複する指向特性が発生するように、複数の指向特性が活性化される。
【0014】
1つの構成において、信号の振幅と位相とは、受信信号を評価するために利用可能である。他の構成において、信号の振幅のみが、処理される。
【0015】
1つの構成において、アンテナ装置の複数の異なる指向特性が活性化されるように制御装置がアンテナ装置に影響するということは、意図される。1つの構成において、指向特性は、特に次々と活性化される。ここで、アンテナ装置は、それぞれ活性化された指向特性についてトランスミッタの少なくとも1つの信号を受信する。データ処理装置は、受信信号と、それぞれに活性化された指向特性に割り当てられた空間的に異なる受信感度の量と、をそれぞれに活性化された指向特性に関連する重み付けされた受信値のそれぞれの量に処理する。加えて、データ処理装置は、異なる指向特性に関連する重み付けされた受信値の量を合わせて処理する。
【0016】
この構成において、異なる活性化された指向特性を有するトランスミッタの信号は、受信されそして処理される。このため、受信信号は、それぞれに用いられる指向特性のデータで重み付けされた受信値に処理される。異なる指向特性とそれに付随する異なる情報とを使用することによって、いかなる曖昧さも削除され、トランスミッタの位置に関するより正確な情報が決定される。また、複数のトランスミッタが存在する場合において、それらの信号は、互いに分離されることができる。
【0017】
次の構成は、受信信号のデータの処理と、データ処理装置によってそれぞれに活性化された指向特性と、を取り扱う。
【0018】
1つの構成は、データ処理装置が、重み付けされた受信値の量を行列の形でも得るために、受信信号を記述するデータと行列として存在するそれぞれに活性化された指向特性の空間的に異なる受信感度の量とを合わせて処理するということを、含む。1つの構成において、受信信号のデータと指向特性に割り当てられた行列とは、互いに乗算される。
【0019】
1つの構成において、データ処理装置は、また、データおよび信号を記録する役目をする。このため、データ処理装置は、特に、データ・メモリを有する。
【0020】
1つの構成において、データ処理装置が、異なる指向特性に関連する重み付けされた受信値の量の少なくとも1つのグループを合計するということは、意図される。重み付けされた受信値の量を合計することによって、1つの構成において、蓄積点は、結果として得られ、トランスミッタの位置の識別を可能とする。ここで、1つの構成において、グループは、重み付けされた受信値の決定された量の部分に関連し、それゆえにサブ・グループである。他の構成において、グループは、データ処理装置に利用可能である重み付けされた受信値の全ての量に関連する。
【0021】
1つの構成において、データ処理装置は、重み付けされた受信値の量の少なくとも2つのグループの間の違いを決定する。1つの構成において、重み付けされた受信値の量の2つのグループのうちの少なくとも1つは、重み付けされた受信値の1つのみの量を有し、それゆえに活性化された指向特性を有する信号受信のデータのみを有する。
【0022】
1つの構成において、2つのグループが重複することは、意図される。したがって、この構成において、両方のグループの中で重み付けされた受信値の共通の量の少なくとも1つは、存在する。
【0023】
他の構成において、2つのグループは、互いに素であり、重み付けされた受信値のそれぞれに異なる量のみがグループの範囲である。
【0024】
1つの構成において、データ処理装置が、更なる処理の前に受信信号をデジタル化することは、意図される。したがって、この構成において、アンテナ装置のアナログ信号をデジタル信号に変換する少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器は、用意される。他の構成において、アンテナ装置は、アンテナ装置が既にデジタル化された信号をデータ処理装置に出力するように、少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器を有する。
【0025】
1つの構成は、アンテナ装置がマルチ−ビーム・アンテナであることを、含む。受信感度に関して(したがって、伝送特性についても)、マルチ−ビーム・アンテナは、複数のビーム又は少なくとも複数の主ビームを有する。ビームは、異なる指向特性に割り当てられる。これは、指向特性において、それぞれに、ビームもしくは主ビームに割り当てられる主方向又は主領域が存在するという事実に付随する。すなわち、それぞれの活性化された指向特性について、信号は、それぞれの割り当てられた(受信)ビームが存在する空間領域から主に受信される。
【0026】
したがって、この構成において、受信データ処理と受信信号処理とは、それぞれに、マルチ−ビーム・アンテナに関連して行われる。
【0027】
したがって、本発明は、一般的に、アンテナ装置を使用することによって、指向特性にそれぞれ接続された、異なる入射方向からの受信(無線)信号からの情報の供給および分離に関する。したがって、1つの構成において、アンテナ装置は、更なる構成におけるビーム形成ネットワークによって制御される複数のアンテナ素子を有する。更なる構成において、データ処理装置は、本質的に(特定の電磁的信号における1つの構成において)受信信号の同時の分析と更なる処理とを可能にする。
【0028】
次の構成は、特に、マルチ−ビーム・アンテナの形式におけるアンテナ装置に関連する。
【0029】
1つの構成において、マルチ−ビーム・アンテナとして構成されるアンテナ装置の指向特性が、ビームの方向によって互いに異なるということは、意図される。ここで、1つの構成において、ビームは、主に、それぞれの指向特性の主方向によって与えられる主ビームである。
【0030】
1つの構成は、マルチ−ビーム・アンテナとして構成されるアンテナ装置が、それぞれの切替可能な指向特性について個別の信号出力を有するということを含む。1つの構成において、アンテナ装置が常に複数の指向特性を有する信号を受信すること、および、指向特性にそれぞれ割り当てられる個別の信号が生じるように、アンテナ装置それ自体又は下流の構成要素によってそれらのそれぞれの指向特性に関して同時に受信した信号を分離することが可能になること、は、意図される。1つの構成において、指向特性の活性化は、指向特性の選択と活性化された指向特性で受信された信号の評価とを意味する。あるいは、活性化は、信号が指向特性を有するアンテナ装置からのみ受信されることができるように、電子的活性化に関連する。
【0031】
1つの構成において、活性化された指向特性毎に、アンテナ装置の1つの信号出力の信号のみがデータ処理装置に利用可能であることは、意図される。したがって、この構成において、データ処理装置は、それぞれに活性化された指向特性に割り当てられる1つの受信信号のみを処理する。1つの構成において、受信信号は、全ての指向特性が活性化された後に処理される。
【0032】
1つの構成は、活性化された指向特性毎に、アンテナ装置の複数の信号出力の信号がデータ処理装置に利用可能であることを含む。したがって、この構成において、データ処理装置は、活性化されそれゆえに特に選択された指向特性の信号のみならず、他の指向特性に割り当てられる信号をも処理する。
【0033】
1つの構成において、データ処理装置が重み付けされた受信値の量を少なくとも1つの視覚化装置に色分けされて提示することは、意図される。
【0034】
1つの構成は、データ処理装置が重み付けされた受信値の量のグループを合計し、少なくとも受信信号の蓄積領域からトランスミッタの位置に関する情報を決定することを含む。したがって、それは、信号が主に発生するアンテナ装置に関して、どの空間領域又はどの方向からかによって、決定される。
【0035】
1つの構成において、データ処理装置が重み付けされた受信値の量の少なくとも2つのグループの間の違いから複数のトランスミッタの存在を決定することは、提供される。仮に、例えば、2つの蓄積領域が生じるならば、このことは、2つのトランスミッタの存在を示す。
【0036】
1つの構成において、データ処理装置は、トランスミッタの位置に関する情報についての中間の結果を決定し、そしてそこから開始して、中間の結果と合致する空間領域をカバーする指向特性は、更なるステップのために活性化される。
【0037】
1つの構成は、アンテナ装置が、信号がトランスミッタから発生するように少なくとも1つの信号を放出することを含む。この構成において、トランスミッタは、少なくとも1つの信号を放出するように刺激される。ここで、1つの構成において、トランスミッタが、アンテナ装置によって発生する信号によって信号を放出するためのエネルギーを受信することは、意図される。他の構成において、トランスミッタから放出される信号は、トランスミッタでアンテナ装置から発生する信号の反射によって生じる反射信号である。この構成において、トランスミッタは、例えば、RFIDタグである。
【0038】
1つの構成は、アンテナ装置およびデータ処理装置が、トランスミッタから発生する信号としてトランスミッタによって積極的に生成された信号を受信し処理するように構成されることを含む。1つの構成において、トランスミッタは、自動的に放出する信号によって積極的に信号を生成する。さらなる構成において、トランスミッタは、アンテナ装置の信号によって活性化され、それから積極的に信号を放出する。1つの構成において、積極的な生成は、また、特定の変化、例えば、周波数の変更又は情報の刻印で信号を受信および放出することを意味する。
【0039】
1つの構成において、アンテナ装置とデータ処理装置とは、トランスミッタから発生する信号としてトランスミッタによって反射される信号を受信し処理するように構成されている。したがって、この構成において、トランスミッタは、例えば、レーダー信号によって照射され、それに応じて信号を反射する物体である。
【0040】
1つの構成において、データ処理装置が、マルチ−ビーム・アンテナとして構成されたアンテナ装置の活性化された指向特性のビームのビーム幅に依存してトランスミッタの位置に関する決定された情報の不確実性を決定することは、提供される。
【0041】
さらに、本発明は、トランスミッタの位置に関する情報を決定するための方法によって課題を解決する。ここで、トランスミッタから発生する信号の少なくとも1つは、受信される。このことは、空間的に異なる受信感度の量に関連する少なくとも1つの指向特性で
起こる。加えて、少なくとも1つの受信信号および関連する指向特性に割り当てられた空間的に異なる受信感度の量は、重み付けされた受信値の量に処理される。トランスミッタの位置に関する情報は、少なくとも重み付けされた受信値の量から決定される。
【0042】
1つの構成において、アンテナ装置の少なくとも1つの指向特性は、活性化される。
【0043】
割り当てられたステートメントがそれに応じて適用するような方法によって、装置の構成は、それに応じて実現されることもできる。このことは、方法が装置によっても実現されることができるように、逆もまた同様である。
【0044】
1つの構成において、本発明は、活性化され得る指向特性を有するマルチ−ビーム・アンテナの組み合わせと、1つの構成において、(例えば、「デジタル・シグナル・プロセッサ」であるDSP、「フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ」であるFPGA、CPU、又は、例えばARMアーキテクチャに基づくマイクロプロセッサの形式における)信号処理を伴う信号受信機からなるデータ処理装置と、を含む。任意に、1つの構成において、データ・メモリは、提供される。1つの構成において、装置は、無線トランスミッタおよび無線トランスポンダ例えばRFIDトランスポンダの位置をそれぞれ特定するのに役立つ。1つの構成において、装置は、受信信号を異なる入射方向へ分割することと、それゆえにトランスミッタの異なる方向へ分割することと、を可能とする。
【0045】
詳細には、本発明に係る装置および本発明に係る方法を更に構成し発展するために、多数の選択は、存在する。したがって、参照は、一方では請求項に、他方では図面と関連した以下の実施形態の説明に、なされる。