特許第6742425号(P6742425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6742425トランスミッタの位置を決定するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742425
(24)【登録日】2020年7月30日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】トランスミッタの位置を決定するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 3/28 20060101AFI20200806BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20200806BHJP
   G01S 13/75 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   G01S3/28
   G01S5/02 Z
   G01S13/75
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-541662(P2018-541662)
(86)(22)【出願日】2017年2月10日
(65)【公表番号】特表2019-509478(P2019-509478A)
(43)【公表日】2019年4月4日
(86)【国際出願番号】EP2017053054
(87)【国際公開番号】WO2017137590
(87)【国際公開日】20170817
【審査請求日】2018年10月10日
(31)【優先権主張番号】102016202208.3
(32)【優先日】2016年2月12日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102016213226.1
(32)【優先日】2016年7月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】シュラー マーリオ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイスゲルバー ラルス
(72)【発明者】
【氏名】アーレント ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンシュ ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ミロシウ ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】エーラー フランク
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−186012(JP,A)
【文献】 特開2010−048637(JP,A)
【文献】 特開昭61−155781(JP,A)
【文献】 特開2004−333414(JP,A)
【文献】 特開2005−207837(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0054106(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0309152(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 3/00−3/74
G01S 5/00−5/14
G01S 7/00−7/42
G01S 13/00−13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッタ(2)の位置に関する少なくとも1つの情報を決定するための装置(1)であって、
アンテナ装置(3)と制御装置(4)とデータ処理装置(5)とを備え、
前記アンテナ装置(3)は、複数の異なる指向特性(8)を有し、
前記指向特性(8)は、それぞれ、前記アンテナ装置(3)の空間的に異なる受信感度の量に関連し、
前記制御装置(4)は、前記アンテナ装置(3)の前記複数の異なる指向特性(8)が活性化されるように前記アンテナ装置(3)に影響を与え、
記アンテナ装置(3)は、それぞれの活性化された指向特性(8)について、前記トランスミッタ(2)から発生する少なくとも1つの信号(9)を受信し、
前記データ処理装置(5)は、前記受した信号と前記異なる指向特性(8)のうちの前記それぞれに活性化された指向特性(8)に割り当てられた前記空間的に異なる受信感度の量とを処理して前記それぞれに活性化された指向特性に関連する重み付けされた受信値の量を提供し、かつ、前記データ処理装置(5)は前記異なる指向特性に関連する前記重み付けされた受信値の量をまとめて処理して、少なくとも前記重み付けされた受信値の量から前記トランスミッタ(2)の前記位置に関する前記情報を決定する、
装置(1)。
【請求項2】
請求項に記載の装置(1)であって、
前記データ処理装置(5)は、前記重み付けされた受信値の量を行列の形で得るために、前記受信した信号を記述するデータとそれぞれ行列として存在する前記それぞれに活性化された指向特性の前記空間的に異なる受信感度の量とを乗算することによって、まとめて理する、
装置(1)。
【請求項3】
請求項又は請求項に記載の装置(1)であって、
前記データ処理装置(5)は、異なる指向特性に関連する前記重み付けされた受信値の量の少なくとも1つのグループを合計し、少なくとも前記受信した信号の蓄積領域から前記トランスミッタ(2)の前記位置に関する前記情報を決定する、
装置(1)。
【請求項4】
請求項ないし請求項のいずれか1つに記載の装置(1)であって、
前記データ処理装置(5)は、少なくとも前記重み付けされた受信値の前記量の2つのグループの間における違いを決定かつ、
前記データ処理装置(5)は、前記重み付けされた受信値の前記量の前記2つのグループの間の前記違いから複数のトランスミッタ(2、2’)の存在を決定する、
装置(1)。
【請求項5】
請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の装置(1)であって、
前記アンテナ装置(3)は、複数のビームを含むマルチ−ビーム・アンテナであって、前記複数のビームは異なる指向特性に割り当てられ、
マルチ−ビーム・アンテナとして構成された前記アンテナ装置の前記指向特性(8)は、前記マルチビーム・アンテナの前記複数のビームの方向によって互いに異なる、
装置(1)。
【請求項6】
請求項に記載の装置(1)であって、
マルチ−ビーム・アンテナとして構成された前記アンテナ装置(3)は、それぞれ切替可能な指向特性のための個別の信号出力(11)を有する、
装置(1)。
【請求項7】
請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の装置(1)であって、
前記アンテナ装置(3)の1つの信号出力(11)の前記信号のみは、活性化された指向特性毎に前記データ処理装置(5)に利用可能である、
装置(1)。
【請求項8】
請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の装置(1)であって、
前記アンテナ装置(3)の複数の信号出力(11)の前記信号は、活性化された指向特性毎に前記データ処理装置(5)に利用可能である、
装置(1)。
【請求項9】
請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の装置(1)であって、
前記アンテナ装置(3)は、信号が前記トランスミッタ(2)から発生するように少なくとも1つの信号を放出する、
装置(1)。
【請求項10】
請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の装置(1)であって、
前記アンテナ装置(3)と前記データ処理装置(5)とは、前記トランスミッタ()から発生する信号(9)として前記トランスミッタ()によって反射される信号を受信し処理するように構成される、
装置(1)。
【請求項11】
請求項1ないし請求項1のいずれか1つに記載の装置(1)であって、
前記データ処理装置(5)は、前記重み付けされた受信値の量を少なくとも1つの視覚化装置(10)に色分けされた形で提示する、
装置(1)。
【請求項12】
トランスミッタ(2)の位置に関する情報を決定するための方法であって、前記トランスミッタ(2)から発生する信それぞれが空間的に異なる受信感度の量に関連する複数の異なる指向特性で受信され、
受信した前記信号と前記それぞれに関連する指向特性(8)に割り当てられる前記空間的に異なる受信感度の量とはそれぞれ、重み付けされた受信値の量に処理され、
前記異なる指向特性に関連する前記重み付けされた受信値の量はまとめて処理され、
前記トランスミッタ(2)の前記位置に関する前記情報は、少なくともまとめて処理された前記重み付けされた受信値の量から決定される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスミッタの位置に関する少なくとも1つの情報を決定するための装置に関する。さらに、本発明は、トランスミッタの位置に関する情報を決定するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線システムのための現代の受信手段は、トランスミッタが送信する方向の付加的な決定をしばしば必要とする。その過程において、受信信号は、その方向情報と合わせて処理されなければならない。
【0003】
このために、指向性分解のための従来技術システムは、ほとんどの場合、高い指向性を有する複数の個別のアンテナを使用する。ここで、1アンテナにつき1つの個別の受信機が設けられる。受信回線又は受信経路の受信データは、例えば、MUSIC(「多重信号特性化」)又はESPRIT(「信号の推定、回転の不変性技術を介するパラメータ」)などの方向探知アルゴリズムで評価される。無線測位技術において、回線又は受信回線は、一般的に、アンテナ又は場合によってはそれぞれのアンテナ素子から発生し、アンテナ信号を評価する装置(特に方向探知受信機)に通じる受信経路を意味する。
【0004】
単純化されたシステム構成において、通常、受信信号の場強度のための1つの値のみが、評価のために利用可能である。すなわち、特に、RSSI値(RSSI=「受信信号強度表示」)である。したがって、方向探知のために必要とされる位相情報は、不足している。
【0005】
文献[1]は、無線ネットワークにおける方向探知のためのRSSIベースの方法を提示する。減少するビーム幅で連続的に放射ダイアグラムを切り替えることによって、発見されるべきトランスミッタは、1つのセクタに割り当てられることができる。しかし、ここでは、入射方向の分解能精度は、最も狭いビーム幅によってのみ与えられる。そして、その結果、大きなアンテナ装置および高価なビーム形成ネットワークにそれぞれ帰着する。
【0006】
分解能の精度に関して、文献[2]で提示された手法も、ビーム幅に依存する。ここで、調整された主ビームは、最も強いRSSI値を有する方向が見つかるまで機械的に回転される。
【0007】
さらなるRSSIベースの方法は、文献[3]に示されています。ここで、RSSI値と空間における方向との間の割り当ては、アンテナの空間的配置によって得られる。ここで、分解能は、個々の放射体のビーム幅に依存する。
【0008】
方向推定アルゴリズムMUSICと組み合わせたRSSIベースの手法は、文献[4]に示されている。適切なステアリング・ベクトルを探索することにより、信号共分散行列は、位相情報を測定することなく推定される。このアプローチの精度は、個々のアンテナの指向性に強く関連する。
【0009】
米国特許第8,433,337B2号は、2つのアンテナからの信号が、90度ハイブリッド・カプラおよび追加の切替可能な位相シフタを介して4つの異なる方法で互いに結合される、という手法を示している。これにより、2つのアンテナ間の位相関係がRSSI値から推測されることができるように、位相情報は、振幅情報に変換される。例え2つ以上のアンテナであっても、同じペアは、常に同じペアと結合し、一方、異なるペアは、互いの後に活性化される。
【0010】
したがって、従来技術において、複数のアンテナ装置は、必要とされ、その結果、それぞれ、増大した空間要求と出願における実装要求とに帰着する。あるいは、それぞれのアンテナ装置を移動する機械的構成要素は、必要とされ、その結果、それぞれの空間要求又は摩耗に帰着する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解消するトランスミッタの位置を決定又は特定するための装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、トランスミッタの位置に関する少なくとも1つの情報を決定するための装置によって課題を解決する。ここで、当該装置は、アンテナ装置と制御装置とデータ処理装置とを有する。アンテナ装置は、複数の異なる指向特性を有し、指向特性は、互いに、アンテナ装置の空間的に異なる受信感度の量に関連する。制御装置は、少なくともアンテナ装置の指向特性の1つが活性化されるようにアンテナ装置に影響する。アンテナ装置は、トランスミッタから発生する少なくとも1つの信号を受信し、このことは、活性化された指向特性で起こる。さらに、データ処理装置は、少なくとも1つの受信信号と活性化された指向特性に割り当てられた空間的に異なる受信感度の量とを重み付けされた受信値の量に処理する。加えて、データ処理装置は、少なくとも重み付けされた受信値の量からトランスミッタの位置に関する情報を決定する。
【0013】
トランスミッタの位置に関する1つの情報を決定するための装置は、トランスミッタの信号を受信するためのアンテナ装置を有する。受信信号は、そこから情報を決定するためにデータ処理装置によって処理される。アンテナ装置は、複数の異なる指向特性を有することを特徴とする。ここで、指向特性は、受信感度の空間分布に関連する。したがって、信号は、全ての空間的な方向から均等に受信するのではなく、アンテナ装置が好んで信号を受信する領域が存在する。このことは、選別され活性化された指向特性を有する信号を受信するとき、トランスミッタの位置と受信信号との間に関係が存在するという効果を有する。この関係は、受信信号と、受信の間使用され活性化される指向特性に関するデータと、空間的に異なる受信感度の量と、を処理するように構成されるデータ処理装置によって使用される。受信信号と受信感度の分布に関するデータとから、データ処理装置は、重み付けされた受信値の量を決定する。そのとき、情報は、重み付けされた受信値の量から決定されることができる。制御装置は、アンテナ装置の少なくとも1つの指向特性が活性化されるという目的を有する。1つの構成において、重複する指向特性が発生するように、複数の指向特性が活性化される。
【0014】
1つの構成において、信号の振幅と位相とは、受信信号を評価するために利用可能である。他の構成において、信号の振幅のみが、処理される。
【0015】
1つの構成において、アンテナ装置の複数の異なる指向特性が活性化されるように制御装置がアンテナ装置に影響するということは、意図される。1つの構成において、指向特性は、特に次々と活性化される。ここで、アンテナ装置は、それぞれ活性化された指向特性についてトランスミッタの少なくとも1つの信号を受信する。データ処理装置は、受信信号と、それぞれに活性化された指向特性に割り当てられた空間的に異なる受信感度の量と、をそれぞれに活性化された指向特性に関連する重み付けされた受信値のそれぞれの量に処理する。加えて、データ処理装置は、異なる指向特性に関連する重み付けされた受信値の量を合わせて処理する。
【0016】
この構成において、異なる活性化された指向特性を有するトランスミッタの信号は、受信されそして処理される。このため、受信信号は、それぞれに用いられる指向特性のデータで重み付けされた受信値に処理される。異なる指向特性とそれに付随する異なる情報とを使用することによって、いかなる曖昧さも削除され、トランスミッタの位置に関するより正確な情報が決定される。また、複数のトランスミッタが存在する場合において、それらの信号は、互いに分離されることができる。
【0017】
次の構成は、受信信号のデータの処理と、データ処理装置によってそれぞれに活性化された指向特性と、を取り扱う。
【0018】
1つの構成は、データ処理装置が、重み付けされた受信値の量を行列の形でも得るために、受信信号を記述するデータと行列として存在するそれぞれに活性化された指向特性の空間的に異なる受信感度の量とを合わせて処理するということを、含む。1つの構成において、受信信号のデータと指向特性に割り当てられた行列とは、互いに乗算される。
【0019】
1つの構成において、データ処理装置は、また、データおよび信号を記録する役目をする。このため、データ処理装置は、特に、データ・メモリを有する。
【0020】
1つの構成において、データ処理装置が、異なる指向特性に関連する重み付けされた受信値の量の少なくとも1つのグループを合計するということは、意図される。重み付けされた受信値の量を合計することによって、1つの構成において、蓄積点は、結果として得られ、トランスミッタの位置の識別を可能とする。ここで、1つの構成において、グループは、重み付けされた受信値の決定された量の部分に関連し、それゆえにサブ・グループである。他の構成において、グループは、データ処理装置に利用可能である重み付けされた受信値の全ての量に関連する。
【0021】
1つの構成において、データ処理装置は、重み付けされた受信値の量の少なくとも2つのグループの間の違いを決定する。1つの構成において、重み付けされた受信値の量の2つのグループのうちの少なくとも1つは、重み付けされた受信値の1つのみの量を有し、それゆえに活性化された指向特性を有する信号受信のデータのみを有する。
【0022】
1つの構成において、2つのグループが重複することは、意図される。したがって、この構成において、両方のグループの中で重み付けされた受信値の共通の量の少なくとも1つは、存在する。
【0023】
他の構成において、2つのグループは、互いに素であり、重み付けされた受信値のそれぞれに異なる量のみがグループの範囲である。
【0024】
1つの構成において、データ処理装置が、更なる処理の前に受信信号をデジタル化することは、意図される。したがって、この構成において、アンテナ装置のアナログ信号をデジタル信号に変換する少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器は、用意される。他の構成において、アンテナ装置は、アンテナ装置が既にデジタル化された信号をデータ処理装置に出力するように、少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器を有する。
【0025】
1つの構成は、アンテナ装置がマルチ−ビーム・アンテナであることを、含む。受信感度に関して(したがって、伝送特性についても)、マルチ−ビーム・アンテナは、複数のビーム又は少なくとも複数の主ビームを有する。ビームは、異なる指向特性に割り当てられる。これは、指向特性において、それぞれに、ビームもしくは主ビームに割り当てられる主方向又は主領域が存在するという事実に付随する。すなわち、それぞれの活性化された指向特性について、信号は、それぞれの割り当てられた(受信)ビームが存在する空間領域から主に受信される。
【0026】
したがって、この構成において、受信データ処理と受信信号処理とは、それぞれに、マルチ−ビーム・アンテナに関連して行われる。
【0027】
したがって、本発明は、一般的に、アンテナ装置を使用することによって、指向特性にそれぞれ接続された、異なる入射方向からの受信(無線)信号からの情報の供給および分離に関する。したがって、1つの構成において、アンテナ装置は、更なる構成におけるビーム形成ネットワークによって制御される複数のアンテナ素子を有する。更なる構成において、データ処理装置は、本質的に(特定の電磁的信号における1つの構成において)受信信号の同時の分析と更なる処理とを可能にする。
【0028】
次の構成は、特に、マルチ−ビーム・アンテナの形式におけるアンテナ装置に関連する。
【0029】
1つの構成において、マルチ−ビーム・アンテナとして構成されるアンテナ装置の指向特性が、ビームの方向によって互いに異なるということは、意図される。ここで、1つの構成において、ビームは、主に、それぞれの指向特性の主方向によって与えられる主ビームである。
【0030】
1つの構成は、マルチ−ビーム・アンテナとして構成されるアンテナ装置が、それぞれの切替可能な指向特性について個別の信号出力を有するということを含む。1つの構成において、アンテナ装置が常に複数の指向特性を有する信号を受信すること、および、指向特性にそれぞれ割り当てられる個別の信号が生じるように、アンテナ装置それ自体又は下流の構成要素によってそれらのそれぞれの指向特性に関して同時に受信した信号を分離することが可能になること、は、意図される。1つの構成において、指向特性の活性化は、指向特性の選択と活性化された指向特性で受信された信号の評価とを意味する。あるいは、活性化は、信号が指向特性を有するアンテナ装置からのみ受信されることができるように、電子的活性化に関連する。
【0031】
1つの構成において、活性化された指向特性毎に、アンテナ装置の1つの信号出力の信号のみがデータ処理装置に利用可能であることは、意図される。したがって、この構成において、データ処理装置は、それぞれに活性化された指向特性に割り当てられる1つの受信信号のみを処理する。1つの構成において、受信信号は、全ての指向特性が活性化された後に処理される。
【0032】
1つの構成は、活性化された指向特性毎に、アンテナ装置の複数の信号出力の信号がデータ処理装置に利用可能であることを含む。したがって、この構成において、データ処理装置は、活性化されそれゆえに特に選択された指向特性の信号のみならず、他の指向特性に割り当てられる信号をも処理する。
【0033】
1つの構成において、データ処理装置が重み付けされた受信値の量を少なくとも1つの視覚化装置に色分けされて提示することは、意図される。
【0034】
1つの構成は、データ処理装置が重み付けされた受信値の量のグループを合計し、少なくとも受信信号の蓄積領域からトランスミッタの位置に関する情報を決定することを含む。したがって、それは、信号が主に発生するアンテナ装置に関して、どの空間領域又はどの方向からかによって、決定される。
【0035】
1つの構成において、データ処理装置が重み付けされた受信値の量の少なくとも2つのグループの間の違いから複数のトランスミッタの存在を決定することは、提供される。仮に、例えば、2つの蓄積領域が生じるならば、このことは、2つのトランスミッタの存在を示す。
【0036】
1つの構成において、データ処理装置は、トランスミッタの位置に関する情報についての中間の結果を決定し、そしてそこから開始して、中間の結果と合致する空間領域をカバーする指向特性は、更なるステップのために活性化される。
【0037】
1つの構成は、アンテナ装置が、信号がトランスミッタから発生するように少なくとも1つの信号を放出することを含む。この構成において、トランスミッタは、少なくとも1つの信号を放出するように刺激される。ここで、1つの構成において、トランスミッタが、アンテナ装置によって発生する信号によって信号を放出するためのエネルギーを受信することは、意図される。他の構成において、トランスミッタから放出される信号は、トランスミッタでアンテナ装置から発生する信号の反射によって生じる反射信号である。この構成において、トランスミッタは、例えば、RFIDタグである。
【0038】
1つの構成は、アンテナ装置およびデータ処理装置が、トランスミッタから発生する信号としてトランスミッタによって積極的に生成された信号を受信し処理するように構成されることを含む。1つの構成において、トランスミッタは、自動的に放出する信号によって積極的に信号を生成する。さらなる構成において、トランスミッタは、アンテナ装置の信号によって活性化され、それから積極的に信号を放出する。1つの構成において、積極的な生成は、また、特定の変化、例えば、周波数の変更又は情報の刻印で信号を受信および放出することを意味する。
【0039】
1つの構成において、アンテナ装置とデータ処理装置とは、トランスミッタから発生する信号としてトランスミッタによって反射される信号を受信し処理するように構成されている。したがって、この構成において、トランスミッタは、例えば、レーダー信号によって照射され、それに応じて信号を反射する物体である。
【0040】
1つの構成において、データ処理装置が、マルチ−ビーム・アンテナとして構成されたアンテナ装置の活性化された指向特性のビームのビーム幅に依存してトランスミッタの位置に関する決定された情報の不確実性を決定することは、提供される。
【0041】
さらに、本発明は、トランスミッタの位置に関する情報を決定するための方法によって課題を解決する。ここで、トランスミッタから発生する信号の少なくとも1つは、受信される。このことは、空間的に異なる受信感度の量に関連する少なくとも1つの指向特性で
起こる。加えて、少なくとも1つの受信信号および関連する指向特性に割り当てられた空間的に異なる受信感度の量は、重み付けされた受信値の量に処理される。トランスミッタの位置に関する情報は、少なくとも重み付けされた受信値の量から決定される。
【0042】
1つの構成において、アンテナ装置の少なくとも1つの指向特性は、活性化される。
【0043】
割り当てられたステートメントがそれに応じて適用するような方法によって、装置の構成は、それに応じて実現されることもできる。このことは、方法が装置によっても実現されることができるように、逆もまた同様である。
【0044】
1つの構成において、本発明は、活性化され得る指向特性を有するマルチ−ビーム・アンテナの組み合わせと、1つの構成において、(例えば、「デジタル・シグナル・プロセッサ」であるDSP、「フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ」であるFPGA、CPU、又は、例えばARMアーキテクチャに基づくマイクロプロセッサの形式における)信号処理を伴う信号受信機からなるデータ処理装置と、を含む。任意に、1つの構成において、データ・メモリは、提供される。1つの構成において、装置は、無線トランスミッタおよび無線トランスポンダ例えばRFIDトランスポンダの位置をそれぞれ特定するのに役立つ。1つの構成において、装置は、受信信号を異なる入射方向へ分割することと、それゆえにトランスミッタの異なる方向へ分割することと、を可能とする。
【0045】
詳細には、本発明に係る装置および本発明に係る方法を更に構成し発展するために、多数の選択は、存在する。したがって、参照は、一方では請求項に、他方では図面と関連した以下の実施形態の説明に、なされる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の装置およびその適用の模式的な図である。
図2】装置の構成を有する方法を示すための模式的な図である。
図3】装置の更なる構成を有する模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明の装置1の適用を示す。装置1は、2つの異なるトランスミッタ2、2’(例えば、RFIDトランスポンダ又は一般的には無線トランスミッタ)の位置を決定するために、すなわち、それらの位置を特定するために、ここで用いられる。このため、装置1は、それらのうちの2つがここで例示的に示されている複数のアンテナ素子13を含むアンテナ装置3を含む。アンテナ装置3は、データ処理装置5にも接続されている制御装置4を介して制御されている。
【0048】
2つのADCコンバータ6は、データ処理装置5に設けられており、デジタル形式でアンテナ装置3から受信した信号をコンバートし、それぞれ受信ラインに存在する。他の構成において(図示しない)、ADCコンバータは、データ処理装置5がデジタル信号を直接的に受信するように、アンテナ装置3(受信機とも呼ばれることもある)の構成要素である。そして、デジタル信号は、演算装置7によって処理される。
【0049】
アンテナ装置3は、複数の特定の指向特性8を有する。制御装置4は、(例えば反射によって又は能動的生成によって)トランスミッタ2、2’から発生する信号9を受信するために指向特性8を活性化する。
【0050】
アンテナ装置3は、信号11を含む。信号11は、それぞれ、特定の指向特性8に割り当てられる。アンテナ装置3は、さらに、それぞれに割り当てられる指向特性8で受信された信号がそれぞれの信号出力11での出力であるように構成される。このことは、ここでは、例えば、バトラー・マトリクスを介して起こる。他の構成において、固有モード・ネットワークが生成される。
【0051】
したがって、1つの構成において、データ処理装置5は、複数の指向特性から、すなわち、複数の信号出力11から、同時に受信信号を受信する。他の構成において、ここで例えば唯1つの受信ラインが必要であるが、データ処理装置5は、それぞれに、1つの指向特性で受信された信号のみを受信し、1つの構成において、指向特性の間を切り替わることが所定の方式に従って行われる。
【0052】
1つの構成において、指向特性間の切替は、いくつかのタイプの中間評価の後に行われる。ここで、例えば、受信信号が主に発生する方向は、決定され、その結果、次の測定において、この決定された方向に関連するこれらの指向特性は、好ましい。
【0053】
データ処理装置5(例えば、DSP又はFPGAおよび場合によってはアンテナ装置3の一部として実現される)は、指向特性を記述するデータに逆戻りするように、受信信号を評価する。指向特性は、特に、アンテナ装置3がそれぞれに割り当てられた受信感度を有することを意味する。このように、指向特性によって、信号を受信するためにより高い又はより低い感度を有する空間的に分布された領域は、存在する。1つの構成において、例えば測定及び/又は理論的考察によって決定される感度に関するデータは、更なる処理のために格納され、その結果、これは、行列とみなされることができる。1つの構成において、指向特性は、特に主方向を特定する1つのビームによって特徴づけられる。
【0054】
データ処理装置5は、データが同様の方法で乗算されるという点、すなわち、受信信号が指向特性上に配置され重み付けされた受信値が生じるという点において、例えば、デジタル化された受信信号と指向特性とを合わせて処理する。行列として取得された指向特性の感度において、重み付けされた受信値を有する1つの行列は、指向特性毎に生じる。乗算は、例えば、既に格納された値の表又は対にアクセスすることによって、それから行われる。あるいは、1つの構成において、個別の方向特性についての信号は、異なる時間に受信される。固定されたトランスミッタにおいて、このことは、測定精度の向上を可能とし、場合によってはトランスミッタの動きの検出を可能とする。
【0055】
トランスミッタ2、2’の位置の決定のために、重み付けされた受信値は、合わせて処理される。したがって、1つの構成において、重み付けされた受信値を有する行列は、加算される。更なる構成において、重み付けされた受信値の少なくとも2つのグループ(又はサブグループ)は、加算され、続いて2つの合計行列の間の差が取られる。このようにして、例えば、2つの異なる位置に配置されたトランスミッタ2、2’の信号は、互いに分離されることができる。一般的な処理の場合、重み付けされた受信値は、好ましくは、装置1の周りの同じ空間的な領域に少なくとも部分的に関連する。
【0056】
1つの構成において、重み付けされた受信値は、例えばモニタ、スマートフォン、タブレット、ハンドヘルド又はVRメガネのような視覚化装置10上に所定のカラー・スケールを使用することによって(又は図3に示すようなグレー・トーンのスケールで)表示される。
【0057】
したがって、本発明の方法は、少なくとも次のステップを含む。
【0058】
アンテナ装置の空間感度の特定の分布に関連するアンテナ装置の指向特性は、活性化される。ここで、感度のそれぞれに割り当てられた分布は、例えば、以前の較正測定によって又はアンテナ装置及びその特性に関する理論的知見によって、知られている。指向特性を活性化することは、活性化された指向特性を介して受信された信号が、評価又は更なる処理に利用可能であること、又は、例えば、登録されること、を意味する。
【0059】
トランスミッタの信号は、活性化された指向特性で受信され、指向特性に関するデータで処理され、その結果、重み付けされた受信値が得られる。1つの構成において、感度分布は、受信信号のデータと乗算される行列によって記述される。
【0060】
異なる指向特性について、少なくとも1つの信号は、それぞれ受信され、評価される。続いて、少なくとも1つのトランスミッタの位置に関する情報は、得られた重み付けされた受信値から決定される。前記構成によって、情報は、例えば、装置およびアンテナ装置に対する相対的な方向又は位置に、それぞれ関連する。情報は、2つのトランスミッタの互いの相対的な位置又はその位置の変化等にも関連する可能性がある。
【0061】
図示された例において、装置1は、信号ソース12を有する。信号ソース12は、励起信号又は要求信号を生成する働きをする。信号ソース12の信号は、トランスミッタ2、2’の方向において選択された指向特性で放射される。それぞれに活性化された指向特性は、信号を受信するために用いられアンテナ素子に割り当てられる複数の指向特性が合わせて活性化され、したがって重ねられるということに帰着するという1つの構成に帰着する。
【0062】
励起信号を放射することは、それが信号を放射し且つ/又は必要とされるエネルギーを得るために励起信号によって活性化されるという点において、受動的トランスミッタおよびそれらの位置を測定することをそれぞれに可能とする。後者は、特に、トランスミッタがRFIDタグである場合に関連する。更なる構成において、トランスミッタは、反射によって信号を放射する。これは、例えば、レーダー適用の場合である。これは、信号ソース12がレーダー信号を生成することと、トランスミッタ2、2’がリフレクタとして動作することとを意味する。
【0063】
任意に、データ・メモリ及び/又は制御ユニット(例えばサーバPC)は、存在する。これにより、サーバおよび場合によっては更なるクライアントは、制御データによってデータ処理装置5に影響を及ぼすことができる。
【0064】
本発明の原理は、特にその評価に関して、1つの構成に基づく図2に示されている。
【0065】
トランスミッタ(図示しない)は、シンボルとして解釈される信号S1,S2…Smを送信する。信号S1,S2…Smは、マルチ−ビーム・アンテナ3によって受信される。制御ユニット4は、それぞれに、所定のパターンにしたがってマルチ−ビーム・アンテナ3のビームを活性化し、異なる指向特性を活性化する。1つの構成において、指向特性の間の切替のためのパターンは、任意に行われる。異なる構成において、特定された方向は、設けられ、その結果、好ましくは、それらのビームは、これらの特定された方向において指し示すように活性化される。
【0066】
制御されたビームからの信号9は、復調され、受信ラインによってデジタル化される。
【0067】
デジタル化された信号は、指向特性81,82…8nにそれぞれ乗算される。指向特性81,82…8nは、制御ユニット4(乗算記号および3つの指向特性を有するトップ・ボックスを参照)によって選択されるビームに割り当てられる。このことは、重み付けされた受信値91,92,…,9nをそれぞれ有する1つの行列に帰着する。
【0068】
行列91,92,…,9nは、合計され(Σ符号で示されている)、メモリ101に格納される。
【0069】
他の構成において、行列の部分集合(又はグループ)は、合計される。それでも、行列の異なる部分集合は、形成され、合計されることができる。このことは、信号の複数の経路の検出、又は、複数の無線信号及びトランスミッタの検出をそれぞれに可能とする。
【0070】
そのようにして、1つの構成において、部分集合U1は、行列91および92から形成される。更なる部分集合U2は、行列91,92および93等から形成される。合計された部分集合の間の比較は、無線トランスミッタおよびトランスポンダのそれぞれの数ならびに複数の経路の存在の示唆を与えることができる。部分集合又はグループは、重複していてもよいし、重複していなくてもよい。
【0071】
図示された例において、要求された信号102は、格納された行列から取られる。
【0072】
あるいは、重み付けされた受信値の少なくとも1つの行列は、受信値行列として視覚化ユニットに転送される。視覚化方向の発見は、例えば、好ましくは行列値を着色することによって行われる。任意に、行列の最大値は、求められてマークされることができる。任意に、要求された行列の場は、さらにデジタル的に処理されることができ、又は、デジタル・アナログ・コンバータを介して更なる処理ユニットに転送されることができる。
【0073】
図3は、複数の受信ラインすなわち複数の出力11を有するマルチ−ビーム・アンテナ3を使用するときのアンテナから評価装置への信号を受信するための経路の並列処理を示す。
【0074】
複数の受信ラインの並列処理は、複数の(ここでは2つの)出力11と好ましくは複数の受信ラインとを有するマルチ−ビーム・アンテナ3を用いることによって可能になる。
【0075】
マルチ−ビーム・アンテナ3の複数の出力11とそれゆえに複数の受信ラインとが利用可能である場合、複数の経路は、データ処理装置5において処理されることができる。これは、特に、マルチ−ビーム・アンテナ3が、唯1つの指向特性が活性化されても、他の指向特性で受信された信号を出力することができるという場合に関連する。このため、例えば、バトラー・マトリクスは、アンテナ・装置3において実現される。
【0076】
1つのアンテナ装置3がトランスミッタの位置を特定し同時に放出された信号を評価するのに十分であるということは、本発明の利点である。
【0077】
1つの構成において、評価は、それぞれの指向特性のデータを受信信号に乗算することに限定される。1つの構成において、それらの重み付けされた受信信号のみは、加算され、その結果、ここではほとんどいかなる処理の労力も、発生しない。特に、複雑なデータは、必要とされない。
【0078】
処理の労力を更に低減する1つの構成において、処理されるべきデータ量は、要求される方向に対応する行列の形において存在するデータの選択された部分的領域のみが評価されるという点において、減少される。
【0079】
1つの構成において、アンテナ装置は、切替行列によって受信ユニットに接続される複数の個別のアンテナを有する。
【0080】
適用の分野は、例えば、ロジスティクスの領域の中にある。前記装置は、倉庫および生産環境内のオブジェクトの管理を可能にするか、又は産業用トラックの自律的ナビゲーションを可能にする。
【0081】
更なる適用は、作業部品及び作業部品キャリアの管理のための生産の分野の中にある。
【0082】
更なる適用は、一般的に、トランスミッタの方向探知、メッセージ伝送、又は、特にモバイル無線である。さらに、トランスミッタを備えたオブジェクトのスループット速度の測定がある。
【0083】
いくつかの態様は、装置の文脈で記述されてきたが、これらの態様がまた対応する方法の記述を表すことは明らかであり、その結果、装置のブロック又はデバイスもまた、それぞれの方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法ステップの文脈で記述される態様もまた、対応するブロック又は対応する装置の特徴もしくはディテールの記述を表す。方法ステップのいくつか又は全ては、マイクロプロセッサ、プログラマブル・コンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置(又はハードウェア装置を使用すること)によって行われてもよい。いくつかの実施形態において、最も重要な方法ステップのいくつか又は複数は、そのような装置によって行われてもよい。
【0084】
特定の実施要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェアで実施することができる。実施は、デジタル記憶媒体、例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はフラッシュ・メモリ、ハード・ドライブ又はそこに格納され電気的に読み取り可能である制御信号を有する磁気的もしくは光学的メモリを用いて行われることができる。そして、それらは、それぞれの方法が行われるように、プログラム可能なコンピュータ・システムと協働する又は協働することができる。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能であってもよい。
【0085】
本発明によるいくつかの実施形態は、プログラム可能なコンピュータ・システムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータ・キャリアを含む。その結果、本明細書に記載の方法の1つは、行われる。
【0086】
一般的に、本発明の実施の形態は、プログラム・コードを有するコンピュータ・プログラム製品として実施されることができる。プログラム・コードは、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で稼働するときに方法の1つを行うために動作する。
【0087】
プログラム・コードは、例えば、機械読み取り可能なキャリアに格納されることができる。
【0088】
他の実施の形態は、本明細書に記載する方法の1つを実行するためのコンピュータ・プログラムを含む。コンピュータ・プログラムは、機械読み取り可能なキャリアに格納されている。すなわち、本発明の方法の実施の形態は、それゆえ、コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で稼働するときに、本明細書に記載する方法の1つを行うためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムである。
【0089】
本発明の方法の更なる実施の形態は、それゆえ、そこに記録された、本明細書に記載される方法の1つを行うためのコンピュータ・プログラムを有するデータ・キャリア(又はデジタル記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な媒体)である。データ・キャリア、デジタル記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な媒体は、典型的に、有形又は不揮発性である。
【0090】
本発明の方法の更なる実施の形態は、それゆえ、本明細書に記載される方法の1つを行うためのコンピュータ・プログラムを表すデータ・ストリーム又は一連の信号である。データ・ストリーム又は一連の信号は、例えば、インターネットを介して、データ通信接続を介して転送されるように構成されてもよい。
【0091】
更なる実施の形態は、本明細書に記載される方法の1つを行うように構成され又は適合される処理手段、例えばコンピュータ又はプログラマブル・ロジック・デバイスを有する。
【0092】
更なる実施の形態は、本明細書に記載される方法の1つを行うためのコンピュータ・プログラムがインストールされているコンピュータを有する。
【0093】
本発明による更なる実施の形態は、本明細書に記載される方法の少なくとも1つを行うためのコンピュータ・プログラムをレシーバに伝送するように構成される装置又はシステムを含む。伝送は、例えば、電子的であってもよく、又は、光学的であってもよい。レシーバは、例えば、コンピュータ、モバイル・デバイス、メモリ・デバイス又は同様のデバイスであってもよい。装置又はシステムは、例えば、コンピュータ・プログラムをレシーバに伝送するためのファイル・サーバを含んでもよい。
【0094】
いくつかの実施の形態において、プログラマブル・ロジック・デバイス(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、FPGA)は、本明細書に記載される方法の機能のいくつか又は全てを行うために使用されることができる。いくつかの実施の形態において、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載される方法の1つを行うためにマイクロプロセッサと協働することができる。一般的に、方法は、好ましくは、任意のハードウェア装置によって行われる。これは、コンピュータ・プロセッサ(CPU)又はASICなどの方法に特有のハードウェアのような普遍的に適用可能なハードウェアとすることができる。
【0095】
上記の実施の形態は、本発明の原理の単なる例示である。本明細書に記載された配列および詳細の修正および変形が当業者には明らかであることは、理解される。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施の形態の記述および説明によって示される特定の詳細によっては限定されないことは、意図される。
【0096】
(参考文献)
[1]A. Kalis et al., "Direction Finding in IEEE802.11 Wireless Networks," IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement, vol. 51, no. 5, pp. 940 - 948, Oct. 2002.
[2]B. N. Hood et al., "Estimating DoA From Radio-Frequency RSSI Measurements Using an Actuated Reflector," IEEE Sensors Journal, vol. 11, no. 2, pp. 413 - 417, Feb. 2011.
[3]Gianni Giorgetti et al., "Single-Anchor Indoor Localization Using a Switched-Beam Antenna," IEEE Communications Letters, vol. 13, no. 1, pp. 1 - 3, Jan. 2009.
[4]M. Passafiume et al., "On the duality of Phase-based and Phase-less RSSI MUSIC algorithm for Direction of Arrival estimation," Recent Advances in Electrical and Electronic Engineering, 2014.
図1
図2
図3