特許第6742432号(P6742432)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742432
(24)【登録日】2020年7月30日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】ユーザ端末クランプ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20200806BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   H01Q1/12 Z
   F16B2/10 Z
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-549792(P2018-549792)
(86)(22)【出願日】2017年3月21日
(65)【公表番号】特表2019-513328(P2019-513328A)
(43)【公表日】2019年5月23日
(86)【国際出願番号】US2017023379
(87)【国際公開番号】WO2017165396
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2018年11月20日
(31)【優先権主張番号】62/310,922
(32)【優先日】2016年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/457,707
(32)【優先日】2017年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517180785
【氏名又は名称】ワールドビュー・サテライツ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ウォレス
【審査官】 鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−027020(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0227021(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0003504(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
H03M 1/00− 1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末を構造体に連結するクランプであって、
フレームであって、互いに対して離間した関係で平行に配置されている2つの支持部材を有し、各支持部材は互いに対して直角に配置されている2つのセグメントを有し、各セグメントはカプラを含み、さらに、各支持部材から1つずつ、対になったセグメントは、前記ユーザ端末を前記フレームに連結する、フレームと、
前記フレームに回転可能に連結された2つのクランプ部材と、
前記フレームに回転可能に連結されたハンドルと、
前記クランプ部材および前記ハンドルに動作可能なように連結された作動機構であって、前記ハンドルの部分的な回転により前記クランプ部材が上方へ移動する作動機構と、を備える、クランプ。
【請求項2】
前記作動機構は
(a)ケーブルと、
(b)前記ハンドルに動作可能に連結されたケーブルランプであって、前記ケーブルの第1の端部は、前記ケーブルランプに取り付けられているケーブルランプと、
(c)前記ケーブルランプの移動と共に前記ケーブルに張力を与えるように動作するケーブルテンショナと、を含む、請求項1に記載のクランプ。
【請求項3】
前記カプラは、スロットを備える、請求項1に記載のクランプ。
【請求項4】
前記ケーブルテンショナおよび前記ケーブルは、前記ケーブルテンショナが引っ張られた状態に置かれて前記ケーブルに張力を与えるように、構成されている、請求項2に記載のクランプ。
【請求項5】
前記ケーブルテンショナおよび前記ケーブルは、前記ケーブルテンショナが圧縮状態に置かれて前記ケーブルに張力を与えるように、構成されている、請求項2に記載のクランプ。
【請求項6】
前記作動機構は、前記クランプ部材が構造体に接触するまで前記ハンドルの部分的な回転により前記クランプ部材が上方へ移動するように構成されている、請求項1に記載のクランプ。
【請求項7】
前記作動機構は、前記クランプ部材が構造体に接触した後、前記ハンドルの追加の部分的な回転により前記構造体に対するクランプ力が増大するように構成されている、請求項6に記載のクランプ。
【請求項8】
前記ケーブルランプは、湾曲したローブを備える、請求項2に記載のクランプ。
【請求項9】
前記ケーブルの第2の端部は、前記ケーブルテンショナに取り付けられている、請求項2に記載のクランプ。
【請求項10】
前記作動機構は、前記ケーブルの前記第1の端部と前記ケーブルの前記第2の端部との間で前記ケーブルに接触するプーリであって、前記ケーブルランプの移動は前記クランプ部材を上昇させるように前記ケーブルの方向を変えるプーリをさらに備える、請求項9に記載のクランプ。
【請求項11】
ユーザ端末を構造体に連結するクランプであって、
フレームであって、互いに対して離間した関係で平行に配置されている2つの支持部材を有し、各支持部材は互いに対して直角に配置されている2つのセグメントを有し、各セグメントはスロットを含み、さらに、各支持部材対になった前記セグメントは、前記ユーザ端末の底部に配置されたリブを受け入れ、それによって前記ユーザ端末を前記フレームに連結する、フレームと、
前記フレームに回転可能に連結された2つのクランプ部材であって、それぞれ1つのクランプ部材が前記2つの支持部材のうちのそれぞれ1つに連結された、2つのクランプ部材と、
前記フレームに回転可能に連結されたハンドルと、
前記クランプ部材および前記ハンドルに動作可能なように連結された作動機構であって、前記ハンドルの部分的な回転により前記クランプ部材が上方へ移動する作動機構と、を備える、クランプ。
【請求項12】
前記フレームは、橋架部であって、前記橋架部の近位にある各支持部材の1つのセグメントと共にU字型構造に配置されている橋架部を備える、請求項11に記載のクランプ。
【請求項13】
前記作動機構は、
ケーブルと、
前記ハンドルに動作可能に連結されたケーブルランプであって、前記ケーブルの第1の端部は前記ケーブルランプに取り付けられているケーブルランプと、
前記ケーブルに沿って配置されているケーブルテンショナであって、さらに、前記ケーブルランプの移動と共に前記ケーブルに張力を与えるように動作するケーブルテンショナと、
を含む、2つのインスタンスを備え、
前記作動機構の前記2つのインスタンスの一方は、前記2つの支持部材の一方および回転可能に連結された前記クランプ部材に配置されており、前記2つのインスタンスの他方は、前記2つの支持部材の他方およびそれぞれ回転可能に連結された前記クランプ部材に配置されている、請求項11に記載のクランプ。
【請求項14】
ユーザ端末を構造体に連結するクランプであって、
フレームであって、互いに対して離間した関係で平行に配置されている2つの支持部材を有し、各支持部材は互いに対して直角に配置されている2つのセグメントを有し、各支持部材から1つずつ、対になったセグメントは、前記ユーザ端末に係合する、フレームと、
前記フレームに回転可能に連結された2つのクランプ部材であって、1つのクランプ部材が前記支持部材のうちの1つに対応する、2つのクランプ部材と、
前記フレームに回転可能に連結されたハンドルと、
前記クランプ部材および前記ハンドルに動作可能なように連結された作動機構であって、前記ハンドルの部分的な回転により前記クランプ部材が上方へ移動する作動機構と、を備える、クランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年3月21日に出願された米国仮特許出願第62/310,922号に対する優先権を主張する、2017年3月13日に出願された米国非仮特許出願第15/457,707号に対する優先権を主張し、両開示は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、衛星通信システムのためのユーザ端末に関する。
【背景技術】
【0003】
低コストのブロードバンド・インターネット・サービスを地球上のあらゆる場所に届けるための衛星システムが現在開発されている。このようなシステムは、典型的には、ゲートウェイアンテナを含んでおり、ゲートウェイアンテナは、インターネットを非静止衛星の群にリンクし、非静止衛星は、次いで地球上に位置する安価なユーザ端末にリンクする。ユーザ端末は、住宅や会社にインターネット接続を供給する。
【0004】
上述した安価なユーザ端末は、衛星から滞りのないサービスを受信するために、すべての方位角方向(北、南、東、および西方向)に空の大部分にわたって遮るものがない視界を必要とするアンテナを含む。
【0005】
最低限の専門知識を有する個々のユーザは、住宅または会社の屋根にユーザ端末を搭載して設置する可能性がある。したがって、ユーザがユーザ端末を屋根にしっかりと連結することを可能にするのに安価で使いやすいデバイスが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、2つの直交する方向のいずれかの方向に、工具を使用せずに、例えば建物の壁や屋根等の構造体にクランプし、上述したようなユーザ端末を受け入れるクランプ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態によるユーザ端末クランプは、ハンドルによって作動される一対の移動可能なクランプ部材を有するフレームを含む。フレームの構造により、搭載されたユーザ端末は、クランプの方向に関係なく(例えば、地面に対して)同じ方向を有する。フレームは、ユーザ端末をユーザ端末クランプに連結するためのカプラを含む。例示的な実施形態では、カプラは、ユーザ端末の下面に配置されているリブを受け入れるスロットまたはチャネルを備える。
【0008】
ハンドルは、内部に配置された作動機構であって、ケーブルと、ケーブルランプと、プーリと、ケーブルテンショナとを含む作動機構に動作可能に連結されている。作動機構は、クランプ部材に連結している。したがって、ハンドルの回転は、クランプ部材を移動させ、特にクランプ位置に移動させる。
【0009】
ケーブルランプは、その形状により、可変の回転動作を与える。ケーブルは、ケーブルランプの一端に取り付けられ、ケーブルの他端は1つ以上のケーブルテンショナに連結されている。例示的な実施形態では、ケーブルテンショナは、クランプ部材の少なくとも1つの部材内につながれている。ケーブルランプは、ハンドルが回転するときケーブルランプが同様に回転するように、ハンドルに動作可能に連結されている。
【0010】
ユーザ端末クランプが完全に開いた、非伸長状態であるときケーブルランプは、ケーブルの2つの取り付け点間のケーブルにとっての比較的短い経路を効果的に作り出す第1の位置にある。ハンドルの部分的な回転は、ケーブルランプを、ケーブルの2つの取り付け点間のケーブルにとっての経路を効果的に長くする第2の位置に向かって移動させる。(固定長の)ケーブルにとっての経路を長くすることは、クランプ部材をクランプ位置まで上方へ引っ張る張力を作り出す。
【0011】
ユーザ端末クランプは、クランプを取り付ける構造体の厚さに関して調整機能を与える2つの機構を含む。主にケーブルテンショナによって、様々な厚さに対応する。比較的厚い部材にクランプするとき、クランプ部材の移動が少なくて済む。このような状況では、ハンドルおよびケーブルランプがすべての利用可能な回転の一部を移動しただけで、クランプ部材が構造体に係合する。ハンドル(およびケーブルランプ)が最終位置まで回転するとき、ケーブルテンショナは、ハンドルの残りの回転に対応するように、ケーブルテンショナのデザインに応じて伸びる(伸長)か、コンパクト(圧縮)になる。ケーブルに与えられた張力は、クランプ力を提供する。この特定の配置のため、比較的薄い構造体よりも比較的厚い構造体にクランプするときにクランプはより大きなクランプ力を提供する。
【0012】
調整機能を与える第2の機構は、クランプ部材のクランプヘッドに配置される発泡体パッドである。いくつかの実施形態では、クランプは金属から形成される。プラスチックハウジングは、金属製の構造体に重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】ユーザ端末に連結されたユーザ端末クランプの斜視図を図示している。
図1B】ユーザ端末に連結されたユーザ端末クランプの斜視図を図示している。図1Aおよび図1Bは、2つの異なる方向で使用されているユーザ端末クランプを図示している。
図2A】本発明によるユーザ端末クランプの実施形態の第1の斜視図を図示している。
図2B】内部の作動機構を示す、図2Aのユーザ端末クランプの第2の斜視図を図示している。
図3A】クランプされている構造体(図示せず)と接触させるクランプで終わる、部分的に回転されているユーザ端末クランプのハンドルを図示している。
図3B】クランプされている構造体(図示せず)と接触させるクランプで終わる、部分的に回転されているユーザ端末クランプのハンドルを図示している。
図3C】クランプされている構造体(図示せず)と接触させるクランプで終わる、部分的に回転されているユーザ端末クランプのハンドルを図示している。
図3D】完全なハンドルの回転およびクランプを可能にするケーブルテンショナの動作を図示している。
図4A】ケーブルシステムと、図3A図3Dに図示された状態(すなわち、ユーザ端末クランプのハンドルの位置)に対応するケーブルランプの位置と、を図示している。
図4B】ケーブルシステムと、図3A図3Dに図示された状態(すなわち、ユーザ端末クランプのハンドルの位置)に対応するケーブルランプの位置と、を図示している。
図4C】ケーブルシステムと、図3A図3Dに図示された状態(すなわち、ユーザ端末クランプのハンドルの位置)に対応するケーブルランプの位置と、を図示している。
図4D】ケーブルシステムと、図3A図3Dに図示された状態(すなわち、ユーザ端末クランプのハンドルの位置)に対応するケーブルランプの位置と、を図示している。
図5A】例えば、屋根の軒下に搭載するとき等、クランプが水平方向にクランプしているユーザ端末の設置を図示している。
図5B】例えば、欄干に搭載するとき等、クランプが垂直方向にクランプしているユーザ端末の設置を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Aおよび図1Bは、ユーザ端末を構造体(図示せず)にクランプするための、ユーザ端末100に連結されたユーザ端末クランプ102を図示している。ユーザ端末100は、アンテナ560と、レードーム564によって囲まれた支持電子機器562と、を含む(図5B参照)。
【0015】
図1Aは、例えば、屋根の軒下に搭載する等のために水平方向にあるユーザ端末クランプ102を図示している。図1Bは、例えば、欄干に搭載する等のために垂直方向にあるユーザ端末クランプ102を図示している。
【0016】
図1Aおよび図1Bに図示されているように、ユーザ端末クランプ102は、互いに対して離間した関係で平行にある2つの支持部材105および106を備えるフレーム104を含む。各支持部材は、互いに対して直角に配置されている2つのセグメントを備える。特に、支持部材105は、水平支持セグメント105Aおよび垂直支持セグメント105Bを含む。同様に、支持部材106は、水平支持セグメント106Aおよび垂直支持セグメント106Bを含む。
【0017】
図1Aにあるように、ユーザ端末クランプ102が水平位置に使用されているとき、対になった水平支持セグメント105Aおよび水平支持セグメント106Aは、ユーザ端末100に連結してユーザ端末100を支持する。図1Bにあるように、ユーザ端末クランプ102が垂直位置に使用されているとき、対になった垂直支持セグメント105Bおよび垂直支持セグメント106Bは、ユーザ端末100に連結してユーザ端末100を支持する。
【0018】
ユーザ端末クランプ102は、クランプ部材108Aおよびクランプ部材108Bをさらに含む。クランプ領域110は、クランプ部材の一部と、水平支持セグメント105Aおよび水平支持セグメント106Aとの間に画定されている。使用時に、ユーザ端末クランプ102がクランプされるべき構造体(例えば、軒下、欄干等)の部分がクランプ領域110内に位置し、次いで構造体にはクランプが締め付けられる。
【0019】
図2Aおよび図2Bは、斜視図によって、ユーザ端末クランプ102の更なる詳細を図示している。それらの図に図示されているように、ユーザ端末クランプのフレーム104は、U字型であり、部分107は、離間した支持部材105と支持部材106との間の分離を橋渡しする。いくつかの実施形態では、部分107は、支持部材105および支持部材106に(例えば、溶接、はんだ付け、接着、ボルト止め等で)取り付けられている。例示的な実施形態では、フレーム104は、単一の一体構造として形成される。本開示および添付の特許請求の範囲における使用において、部分107はフレームの「橋架部」と称され、その名称は、フレームが個々の部材から組み立てられる実施形態、およびフレームが単一の一体構造として形成される実施形態に適用される。
【0020】
水平支持セグメント105Aおよび水平支持セグメント106Aの各々は、チャネルまたはスロット211Aを含む。スロットは、ユーザ端末100の底部に配置されたリブ、ボスまたは他の種類の突起(以下では、単に「リブ」という)を受け入れ、それによってユーザ端末クランプ102とユーザ端末100とが互いに連結することを可能にする。
【0021】
各スロット211Aは、ユーザ端末のリブをスロット内に挿入するのを容易にする、広がった入口領域213Aを含む。スロット211Aは、スロット内のユーザ端末のリブを静止させるロック機構を含む。例示的な実施形態では、ロック機構は、スロットの外側のエッジの長さに沿って延びるリップ212Aである。ユーザ端末をユーザ端末クランプ102に連結するために、ユーザ端末の基部に配置された(2つの)リブは、2つのスロット211A内に滑り込まされる。各スロットにおいて、リブの連結機構(例えば、リブの外側のエッジから延びる突起、リブの外側のエッジの上方のエッジ等)は、リップ212Aの下面の下に配置されるように、リブが挿入される。このようにして、リブ、ひいてはユーザ端末を静止させる。ユーザ端末をユーザ端末クランプから外すために、リブ/ユーザ端末はスロット211Aから滑り出される。各スロット211Bは、スロット211Aと同様の方法で、ユーザ端末を垂直クランプ用途に向けてのユーザ端末クランプに連結するように機能する。いくつかの他の実施形態では、ロック機構は、スロットの各側に1つずつ、2つのリップ、もしくはスロットの内側のエッジのリップを含むことができるか、またはリップは各スロットの右側のエッジまたは各スロットの左側のエッジにあることができる。
【0022】
ユーザ端末クランプ102の別の顕著な特徴は、クランプ部材108Aおよびクランプ部材108Bである。クランプ部材は、垂直支持セグメント105Bおよび垂直支持セグメント106Bにクランプ部材の基部の近くで枢軸点238で回転可能に連結されている(図2Aでは見えず、図2Bを参照。垂直支持セグメント105Bでの枢軸点の取り付けははっきり見えない。)。
【0023】
各クランプ部材は、アーム216と、クランプヘッド218とを含む。例示的な実施形態では、クランプヘッド218はアーム216に固く固定されている。いくつかの他の実施形態では、クランプヘッド218はアーム216に回転可能に連結されている。
【0024】
弾性パッド220は、各クランプヘッド218の上面に配置されている。弾性パッド214(図2B参照)は、クランプヘッド218に対向するフレーム104の表面でフレーム104に配置されている。例示的な実施形態では、弾性パッドは中密度発泡体を備える。
【0025】
クランプ部材108Aおよびクランプ部材108Bは、ハンドル222によってクランプするように作動される。ハンドルは、2つのプレート224(各支持部材105および106の内面の一部に1つずつ)と、グリップ226とを備える。ハンドル222は、ピン228でフレーム104に回転可能に連結されている。
【0026】
ハンドル222がクランプ部材108A/108Bを作動する作動機構229は、図2Bに図示されている。例示的な実施形態では、作動機構229の2つのインスタンス(instances)があり、垂直支持セグメント105Bおよび垂直支持セグメント106Bの各々に1つずつある(ただし、セグメント106Bの機構のみ図示されている)。
しかしながら、いくつかの別の実施形態では、ユーザ端末クランプは、例えば垂直支持セグメントの一方に位置している作動機構1つのみを含む。
【0027】
作動機構229は、ケーブル230と、ケーブルランプ232と、プーリ236と、ケーブルテンショナ244と、を含む。図2Bに図示されているように、ケーブル230の一端は、取り付け点234でケーブルランプ232に取り付けられている。ケーブルは、垂直支持セグメント106Bを通って下方に延び、垂直支持セグメント106Bの底部近傍のプーリ236に係合し、開口246を介してアーム216の基部に入る。
【0028】
ケーブルテンショナ244は、内部チャンバ240に配置されている。例示的な実施形態では、ケーブルテンショナ244は、ばねである。ばねの一端は、チャンバ240の遠位端242に固定されている。ケーブル230の第2の端部は、開口246に最も近いばねの端部に取り付けられている。例示的な実施形態では、ケーブルテンショナ244は、ケーブルテンショナ244がケーブル230に張力をかけているときに引っ張られた状態に置かれるように、構成されている。制限なしに、このような実施形態では、ケーブルテンショナ244は、例えば従来の渦巻き状または螺旋状のばね、弾力性および弾性のある部材、空気ばね等の1つ以上のばねとして実現され得る。いくつかの他の実施形態では、ケーブルテンショナは、ケーブルテンショナが圧縮状態に置かれてケーブルに張力をもたらすように、構成されている。このような実施形態では、ケーブル230は、典型的には、ケーブルテンショナ244の遠位端(すなわち、開口246から最も離れた端部)でケーブルテンショナ244に連結される。制限なしに、このような実施形態では、ケーブルテンショナ244は、圧縮ばね、ベルビルワッシャ(Belleville washer)弾性ワッシャまたは他の弾性部材として実現され得る。いくつかのさらなる実施形態では、ケーブルテンショナ244はモータである。
【0029】
作動機構229の動作は、図3Aから図3Dおよび図4Aから図4Dを参照して最もよく理解される。
【0030】
図3Aから図3Dは、ユーザ端末クランプ102を作動するためのハンドル222の移動(部分的な回転)を図示している。図3Aは、完全に開かれた非伸長状態にあるユーザ端末クランプ102を図示している。図3Bは、クランプ部材108Aおよびクランプ部材108Bのクランプヘッド218を上方に移動させるために上方に部分的に回転されているハンドル222を図示している。ハンドル222の回転は、図3Cに継続されている。この点で、クランプヘッドはクランプされている構造体(図示せず)に係合しており、引っ張り装置(tensioning device)244はケーブルに張力を加えていると考えられている。図3Dでは、ハンドル222は完全に回転されている。クランプヘッド218が構造体に係合した点を越えたハンドル222の移動(図3C)は、クランプ力を提供するケーブル230に張力を作り出す。
【0031】
図4Aから図4Dは、作動機構229の様々な状態を図示しており、それらは図3Aから図3Dにそれぞれ図示されているクランプ手順に対応している。図4Aから図4Dの各々は、ケーブル230と、ケーブルランプ232と、プーリ236と、ケーブルテンショナ244と、内部チャンバ240とを図示している。
【0032】
図4Aは、図3Aに示されるハンドル222の位置に対応する作動機構229の状態を図示している。これは、ユーザ端末クランプ102が完全な開放状態にあることを表している。図4Aに図示されているように、ケーブルランプ232は「上」を指している。この方向では、取り付け点234のケーブルの一端からケーブルの他端までの経路は考えられる最短の経路であるため、ケーブル230には最小限の張力が存在している。
【0033】
図4Bでは、ケーブルランプ232は、ハンドル222の上方への回転と協働して「下方へ」回転し始める。ハンドル222およびケーブルランプ232は、ピン228によって連結されていることに留意されたい。
【0034】
図4Cでは、ハンドル222がさらに上方に回転されるとき、ケーブルランプ232の回転が継続する。特筆すべきは、ケーブルランプ232がハンドル222の上方への回転と協働してピン228周りで「下方に」回転するとき、ケーブル230がますますケーブルランプの湾曲したローブ450を横切ることである。最初に、これはクランプヘッド218を上昇させる(例えば、図3B図3C)。しかしながら、一旦クランプされるべき構造体との接触が作られると、ハンドル222およびケーブルランプ232のさらなる回転によりケーブルが引っ張られ、クランプされている構造体のクランプ力が増大する。
【0035】
図4Dは、完全な伸長状態にあって、ケーブル230がケーブルランプ232の湾曲したローブ450が最大限に係合した状態にある作動機構を図示している。この状態では、ケーブル230は、最大限の張力下にある。クランプされた構造体に連結した後(図3C図4C)、クランプヘッド218は実質的に「上方へ」移動するのを停止するので、システムの追加の張力は、クランプ構造体にクランプ力として加えられる。
【0036】
図5Aは、水平方向(図1A参照)に連結するのに備えたユーザ端末クランプ102およびユーザ端末100を図示している。ユーザ端末100の底部のリブ511は、ユーザ端末クランプ102内のスロット211Aに連結する。例示的な実施形態では、各リブ511は、V字型に折り畳まれた材料(例えば、金属等)の部分を備え、リブ511の2つの主エッジの一方(「内側の」エッジ)のみが、ユーザ端末の底部の一部に取り付けられるか、ユーザ端末の底部の一部として形成されている。他方の主エッジ552は、ユーザ端末の底部に取り付けられず、エッジがスロット211A内に滑り込まされるときにリップ212Aの下に位置している。
【0037】
図5Bは、垂直方向(図1B参照)に連結するのに備えたユーザ端末クランプ102およびユーザ端末100を図示している。図5Aと共に上述した同様の方法で、ユーザ端末100の底部のリブ511は、ユーザ端末クランプ102内のスロット211Bに連結する。
【0038】
本開示は、いくつかの実施形態を記載し、本開示を読んだ後に当業者によって容易に考案され得、本発明の範囲が特許請求の範囲によって決定されることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0039】
100 ユーザ端末
102 ユーザ端末クランプ
104 フレーム
105 支持部材
105A 水平支持セグメント
105B 垂直支持セグメント
106 支持部材
106A 水平支持セグメント
106B 垂直支持セグメント
107 部分
108A クランプ部材
108B クランプ部材
110 クランプ領域
211A スロット
211B スロット
212A リップ
213A 入口領域
214 弾性パッド
216 アーム
218 クランプヘッド
220 弾性パッド
222 ハンドル
224 プレート
226 グリップ
228 ピン
229 作動機構
230 ケーブル
232 ケーブルランプ
234 取り付け点
236 プーリ
238 枢軸点
240 内部チャンバ
240 チャンバ
242 遠位端
244 ケーブルテンショナ(引っ張り装置)
246 開口
450 ローブ
511 リブ
552 主エッジ
560 アンテナ
562 支持電子機器
564 レードーム
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B