特許第6742451号(P6742451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6742451電気アークを迂回させるための接触部分を具備するプラグコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742451
(24)【登録日】2020年7月30日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】電気アークを迂回させるための接触部分を具備するプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/53 20060101AFI20200806BHJP
   H01R 13/04 20060101ALI20200806BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   H01R13/53
   H01R13/04 A
   H01R13/11 301D
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-567804(P2018-567804)
(86)(22)【出願日】2017年6月6日
(65)【公表番号】特表2019-525395(P2019-525395A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2017063677
(87)【国際公開番号】WO2018001681
(87)【国際公開日】20180104
【審査請求日】2018年12月26日
(31)【優先権主張番号】LU93125
(32)【優先日】2016年6月28日
(33)【優先権主張国】LU
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・クリンペル
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル・ブラウト
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−161640(JP,A)
【文献】 特開平09−022757(JP,A)
【文献】 特開2003−077563(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0180563(US,A1)
【文献】 実開昭63−050469(JP,U)
【文献】 特開2003−133010(JP,A)
【文献】 実開平03−106666(JP,U)
【文献】 特開2001−250621(JP,A)
【文献】 実開平03−104968(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/00−13/08
H01R13/10−13/14
H01R13/15−13/35
H01R13/40−13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側プラグコネクタ部分(3)と電気的に接触するためのプラグコネクタ部分(2)であって、電気的に接触させるために挿入方向(E)において関連する前記相手側プラグコネクタ部分(3)の相手側接触要素(31)と差込式で係合可能とされる接触要素(21)を備えている前記プラグコネクタ部分(2)において、
ランス要素(23)が、少なくとも部分的に弾性的なシャフト(231)と接触部分(233)とを備えており、前記シャフト(231)が、前記シャフト(231)の第1の端部において前記接触要素(21)に接続されており、前記接触要素(21)と前記相手側接触要素(31)との間における電気的接触が既に解除された後に前記プラグコネクタ部分(2)が前記相手側プラグコネクタ部分(3)から解放された場合であっても、前記接触部分(233)が前記相手側プラグコネクタ部分(3)の前記相手側接触要素(31)との電気的接触を維持するように、前記接触部分(233)が前記シャフト(231)
の第2の端部に配置されており、
前記シャフト(231)は、前記第1の端部に接続カラー(230)を備えており、
前記接触要素(21)は、円筒状シャフト(212)を含み、
前記ランス要素(23)は、前記接続カラー(230)が前記円筒状シャフト(212)に係合することによって、前記接触要素(21)に接続される
ことを特徴とするプラグコネクタ部分(2)。
【請求項2】
前記接触部分(233)が、前記プラグコネクタ部分(2)が前記相手側プラグコネクタ部分(3)に差し込まれた場合には、前記接触要素(21)と電気的に接触する前に、前記相手側プラグコネクタ部分(3)の前記相手側接触要素(31)と電気的に接触するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラグコネクタ部分(2)。
【請求項3】
前記接触部分(233)が、耐アーク性を有する材料から、特に銀/ニッケル合金材料、タングステン/銅合金材料、銀/酸化スズ合金材料、又は銀/銅合金材料から少なくとも部分的に作られていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラグコネクタ部分(2)。
【請求項4】
前記ランス要素(23)の前記接触部分(233)が、前記挿入方向(E)で見ると、前記相手側接触要素(31)に差し込むための前記接触要素(21)の端部を越えて突出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部分(2)。
【請求項5】
前記シャフト(231)が、前記挿入方向(E)に対して平行に且つ前記接触要素(21)と接触した状態で延在していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部分(2)。
【請求項6】
前記ランス要素(23)の前記シャフト(231)が、前記挿入方向(E)に関する径方向で見ると、前記接触要素(21)の外側に延在していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部分(2)。
【請求項7】
前記接触要素(21)が、複数の接触ブレード(210)を備えており、
複数の前記接触ブレード(210)が、前記相手側プラグコネクタ部分(3)の前記相手側接触要素(31)を挿入するための挿入開口部(211)を形成していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部分(2)。
【請求項8】
前記プラグコネクタ部分(2)が、前記接触要素(21)を収容するための空間(201)を形成するハウジング(20)を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部分(2)。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部分(2)と、前記プラグコネクタ部分(2)と差込式で係合可能とされる相手側プラグコネクタ部分(3)と、を備えていることを特徴とするプラグコネクタ(1)。
【請求項10】
プラグコネクタ部分(2)を相手側プラグコネクタ部分(3)と電気的に接触させるための方法であって、前記プラグコネクタ部分(2)の接触要素(21)が、電気的に接触させるために挿入方向(E)において前記相手側プラグコネクタ部分(3)の相手側接触要素(31)と差込式で係合される、前記方法において、
差し込み式で接続される際に、シャフト(231)の第1の端部において前記接触要素(21)に接続されると共に前記シャフト(231)の第2の端部において接触部分(233)を支持する、少なくとも部分的に弾性的な前記シャフト(231)を備えているランス要素(23)の前記接触部分(233)が、前記接触要素(21)と電気的に接触する前に、前記相手側プラグコネクタ部分(3)の前記相手側接触要素(31)と電気的に接触する方法であって、
前記シャフト(231)は、前記第1の端部に接続カラー(230)を備えており、
前記接触要素(21)は、円筒状シャフト(212)を含み、
前記ランス要素(23)は、前記接続カラー(230)が前記円筒状シャフト(212)に係合することによって、前記接触要素(21)に接続される
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載の、相手側プラグコネクタと電気的に接触するためのプラグコネクタ部分、及び、プラグコネクタ部分を相手側プラグコネクタ部分と電気的に接触させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのプラグコネクタ部品は、電気的接触をさせるために挿入方向において関連する相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素と差込式で係合可能とされる接触要素を備えている。差し込まれる場合に、接触要素は、接触要素と相手側接触要素との間において電力が伝送可能とされるように、相手側接触要素と電気的に接触する。
【0003】
このタイプのプラグコネクタ部品は、例えば太陽電池や自動車工学の分野において利用される。
【0004】
プラグコネクタ部品と相手側プラグコネクタ部品との間における接続が負荷の作用下において確立されるならば、接触要素が相手側接触要素と電気的に接触する前に差込式接触を確立した場合であっても、接触要素と相手側接触要素との間にアークが発生する。同様に、プラグコネクタ部品を相手側プラグコネクタ部品から接続解除した場合であっても、接触要素と相手側接触要素との間における接触が解消された場合に、アークが発生する場合がある。このタイプのアークは、接触要素及び相手側接触要素を損傷させる可能性があり、切替プロセスの実施が頻繁ならば、極端な場合には破壊に導くかもしれない。
【0005】
従って、負荷の作用下における切替を意図するこれらプラグコネクタ(遮断容量を有するコネクタすなわち略してCBCとして知られているコネクタ)にとっては、アークに起因する損傷から保護するために、計測が必要とされる。
【0006】
特許文献1に開示されるプラグコネクタでは、ピンがガス放出材料から作られており、プラグコネクタ部品に設けられている。アークがプラグコネクタ部品の接触要素と相手側プラグコネクタ部品の関連する相手側接触要素との間に発生すると、ガス放出材料がガスを解放するので、アークが冷却され、すなわちアークに対する耐性が低下する。
【0007】
特許文献2に開示されるプラグコネクタでは、耐アーク性を有する材料から作られているすべての部分が、プラグコネクタ部品に形成されている。
【0008】
特許文献3に開示されるプラグコネクタでは、絶縁領域が、プラグコネクタ部品に形成されており、絶縁領域は、導電性部分同士の間でアークが発生しないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許第102011050695号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10351393号明細書
【特許文献3】独国特許第10324903号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、プラグコネクタ部品と、プラグコネクタ部品を相手側プラグコネクタ部品と接触させるための方法とを提供することである。これにより、アークによる損傷を確実に且つ簡便にコスト効率に優れた態様で防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
当該課題は、請求項1の特徴を有する主題によって解決される。
【0012】
従って、プラグコネクタ部分は、少なくとも部分的に弾性的なシャフトと接触部分とを具備するランス要素を備えている。シャフトが、シャフトの第1の端部において接触要素に接続されている。接触要素と相手側接触要素との間における電気的接触が既に解除された後にプラグコネクタ部分が相手側プラグコネクタ部分から解放された場合であっても、接触部分が相手側プラグコネクタ部分の相手側接触要素との電気的接触を維持するように、接触部分がシャフトの第2の端部に配置されている。
【0013】
逆に、接触部分は、好ましくは、プラグコネクタ部品が相手側プラグコネクタ部品に差し込まれた場合には、接触要素と電気的に接触する前に、相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素と電気的に接触するようになっている。
【0014】
従って、さらなる要素が、プラグコネクタ部品が関連する相手側プラグコネクタ部品に差し込まれた場合に相手側接触要素と接触する接触要素に設けられている。プラグコネクタ部品を挿入する場合に、アークが、相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素とプラグコネクタ部品の接触要素との間ではなく、相手側接触要素とランス要素の接触部分との間に発生する。
【0015】
逆に、ランス要素の接触部分が、プラグコネクタ部品が相手側プラグコネクタ部品から接続解除された場合に、接触要素と相手側接触要素との間における電気的接触が解除された後であっても、相手側接触要素との接触を維持している。また、プラグコネクタ要素を接続解除した場合であっても、アークは、相手側接触要素と接触要素との間ではなく、相手側接触要素と接触部分との間のみにおいて発生する場合がある。
【0016】
従って、アークが接触要素を損傷させることを効果的に防止することができる。
【0017】
接触部分は、アークによる損傷を容易に耐えることができる犠牲的部分とされる。接触部分は、電力を伝達するために実際に接触するための必要な機能を有していない。
【0018】
接触部分の耐性を高めるために、接触部分は、耐アーク性を有する材料から少なくとも部分的に作られているか、又は耐アーク性を有する材料でコーティングされており、これにより接触部分は、アークに起因する損傷に対する優位な耐性を有している。このタイプの耐アーク性を有する材料は、銀/ニッケル合金材料(Ag/Ni)、タングステン/銅合金材料(W/Cu)、銀/酸化スズ合金材料(Ag/SnO2)、又は銀/銅合金材料(Ag/Cu)とされる。
【0019】
ランス要素の接触部分が、挿入方向においてプラグコネクタ部品の接触要素を越えて突出していることによって、接触部分は、差し込まれる場合に接触要素に接触する前に相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素に接触するようになっている。挿入方向で見ると、接触部分は、相手側接触要素に差し込むべき接触要素の端部の前方に配置されている。これにより、接触部分が、プラグコネクタ部品と相手側プラグコネクタ部品とが挿入方向において互いに差込式で係合された場合に、最初に相手側接触要素と接触する。
【0020】
しかしながら、このタイプの突出構成は必須ではない。接触部分が最初にランス要素に接触し、接続解除されている際にプラグコネクタ部品と関連する相手側プラグコネクタ部品との最後の導電性接続を構成することが肝心である。このことは、接触部分も経常的に突出又は出っ張っていることを必ずしも意味する訳ではない。
【0021】
逆に、プラグコネクタ部品と相手側プラグコネクタ部品との接続を解除した場合に、接触要素が相手側接触要素との接触状態を既に失っていても、接触部分が相手側接触要素との接触を特定距離に亘って維持する。
【0022】
プラグコネクタ部品に差し込んで当該プラグコネクタ部品との接続を解除した場合には、これにより、アークは、相手側接触要素と接触要素との間ではなく、相手側接触要素とランス要素の接触部分との間において発生する。
【0023】
接触要素は接触ピン又は接触ソケットとされる場合があることに留意すべきである。
【0024】
接触要素は、円筒状又は平板状とされる場合がある。
【0025】
ランス要素は、アークの発生によって接触要素が損傷することを防止する。アークが、プラグコネクタの動作に関して重要ではない相手側接触要素の領域から(例えば動作上接触に関してあまり重要ではない相手側接触要素の先端から)発生するならば、アークは、プラグコネクタ部品の接触要素の動作上重要な部分と相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素の動作上重要な部分とを損傷させない。
【0026】
第1の変化例では、接触部分は、シャフトに配置されている別の接触要素によって形成されている。このタイプの接触要素は、例えばシャフトのヘッドに配置されており、リベットの形態でヘッドに固定されている場合がある。接触要素の全体が、耐アーク性を有する材料から構成されているか、代替的には耐アーク性を有する材料でコーティングされている。この場合には、ランス要素のシャフトは耐アーク性を有する材料から作られていない。
【0027】
第2の変化例では、接触部分をランス要素のシャフトと一体化することが想到及び実施可能である。従って、接触部分は、シャフトに、例えばシャフトの端部分に直接成型されている。この場合には、シャフトの全体が、好ましくは耐アーク性を有する材料から構成されているか、又は耐アーク性を有する材料でコーティングされている。
【0028】
本発明では、ランス要素が導電性材料から作られているので、これにより接触部分が相手側接触要素と電気的に接触可能とされる。
【0029】
一の実施例では、シャフトが、接続カラーを介して、シャフトの第1の端部において接触要素に接続されている。接続カラーは、シャフトが接触要素にインターロック方式で取り付けられるように、接触要素を囲んでいる。
【0030】
しかしながら、他の接続方式であっても良い。ランス要素は、例えば接触要素に溶接されているか、若しくは接触要素に押し込まれているか、又は、接触要素にインターロック方式で接続されているか、接触要素に強制的にロックされているか、若しくは接触要素に他の方法で一体的に結合されている。
【0031】
シャフトは、挿入方向に対して平行に且つ接触要素と接触した状態で延在している。本発明では、ランス要素のシャフトが、挿入方向に関する径方向で見ると、接触要素の外側に延在している。シャフトが少なくとも部分的に弾性を有している(例えば、元々弾性的で可撓性を有している材料から作られている)ので、シャフトは、プラグコネクタ部品が関連する相手側プラグコネクタ部品と差込式で係合された場合に、挿入方向に関する径方向において撓むことができる。従って、シャフトの接触部分は、弾性的なプリテンションの作用下において相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素と接触し、これにより、プラグコネクタ部品の接触要素側の接触部分と相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素とが電気的接触する。
【0032】
また、シャフトが接触要素と平行に延在していないことが想到される。段階的に、シャフトは湾曲しているか、又は部分的に接触要素に対して横方向に延在している場合がある。
【0033】
特定の実施例では、接触要素は例えば接触ソケットとして構成されている。この場合には、接触要素は複数の接触要素を備えており、複数の接触ブレードが、相手側プラグコネクタ部分の前記相手側接触要素を挿入するための挿入開口部を形成している。本発明では、ランス要素は、好ましくは挿入開口部の外側において挿入方向に向いている接触ブレードと平行に延在している。
【0034】
しかしながら、他の実施例では、プラグコネクタ部品の接触要素は、相手側プラグコネクタ部品の接触ソケットの形態とされる相手側接触要素と差込式で係合可能とされる接触ピンとして構成されている。
【0035】
一の実施例では、接触要素が、複数の接触ブレードを備えている。このタイプのランス要素は、例えばランス要素が接触要素の周囲に亘って分配配置されるように、接触要素に接続されている。本発明では、ランス要素それぞれが、アークが複数のランス要素を介して偏向されるように、接続部分を備えている。
【0036】
一の実施例では、プラグコネクタ部分が、接触要素を収容するための空間を形成するハウジングを備えている。この場合には、相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素が、ハウジングの内側におけるプラグコネクタ部品の接触要素との電気的接触を確立するために、ハウジングの差込穴と係合される。
【0037】
プラグコネクタは、上述のタイプのプラグコネクタ部分と、プラグコネクタ部分と差込式で係合可能とされる相手側プラグコネクタ部分とを備えている。本発明では、プラグコネクタ部品は、ソケット、接触ピン、又は雌雄同形の接点の形態をした接触要素を備えているが、相手側プラグコネクタ部品は、関連する相補的な相手側接触要素を備えている。この場合には、ランス要素は、プラグコネクタ部品側と相手側プラグコネクタ部品側の両方に、すなわち例えば接触要素のソケット側とピン側との両方に配置されている。また、2つのランス要素を有するようにプラグコネクタを構成することができる(一方のランス要素がプラグコネクタ部品に設けられており、他方のランス要素が相手側プラグコネクタ部品に設けられている)ことに留意すべきである。このようなプラグコネクタは、コネクタ部品が互いに差し込まれた場合に接触することができる。このタイプの差込式接続が解除されたならば、電気的機能に関連する接触要素が、最初に導電性接続を喪失する。一層大きく取り外された場合にランス要素が接触を喪失したならば、アークは2つのランス要素の間にのみ発生する。
【0038】
当該課題は、プラグコネクタ部分を相手側プラグコネクタ部分と電気的に接触させるための方法であって、プラグコネクタ部分の接触要素が、電気的に接触させるために挿入方向において相手側プラグコネクタ部分の相手側接触要素と差込式で係合される、方法によって解決される。この場合には、差し込み式で接続される際に、シャフトの第1の端部において接触要素に接続されると共にシャフトの第2の端部において接触部分を支持する、少なくとも部分的に弾性的なシャフトを備えているランス要素の接触部分が、接触要素と電気的に接触する前に、相手側プラグコネクタ部分の相手側接触要素と電気的に接触する。
【0039】
プラグコネクタ部品に関連する利点及び上述の優位な実施例は、当該方法に同様に適用可能とされるので、この点に関する上述の利点等を参照すべきである。
【0040】
本発明の技術的思想について、図面に表わす実施例を参照しつつ以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】挿入方向において相手側プラグコネクタ部品と差込式で係合されるようになっているプラグコネクタ部品を具備するプラグコネクタの斜視図である。
図2A】プラグコネクタ部品のハウジングを必要とすることなくプラグコネクタ部品の接触要素と接触する前に相手側プラグコネクタ部品の相手側接触要素と電気的に接触するプラグコネクタ部品と相手側プラグコネクタ部品とを表わす。
図2B】接触要素が相手側接触要素と電気的に接触した後における図2Aに表わす装置を表わす。
図3】プラグコネクタの側面図である。
図4】プラグコネクタの背面図である。
図5A】接触要素が相手側接触要素と電気的に接触した状態における図4に表わす断面A−Aのプラグコネクタの断面図である。
図5B】接触要素を相手側接触要素から接続解除した場合における図5Aの断面図である。
図5C】接触要素を相手側接触要素から大きく接続解除した場合における図5Bの断面図である。
図5D】接触要素を相手側接触要素から接続解除した場合における図5Cの断面図である。
図6】プラグコネクタ部品の接触要素に配置されているランス要素の独立図である。
図7】ランス要素の他の実施例を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1図2A、及び図2Bは、プラグコネクタ部分2と関連する相手側プラグコネクタ部分3とを備えているプラグコネクタ1であって、プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3とが、電気路同士の間における接続を確立するための電気的接触を実現するために、挿入方向Eにおいて差し込んだ状態で互いに係合可能とされる、プラグコネクタ1を表わす。
【0043】
このようなタイプのプラグコネクタ1は、負荷電流を流すことを意図される電気路を相互接続するために、例えば太陽熱プラントや車両で利用される。本発明では、プラグコネクタ1は、負荷スイッチング容量を有するプラグコネクタであるように意図されている。従って、プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3とは、負荷の作用下において相互接続されるように意図されており、負荷の作用下において相互接続解除されるようにも意図されている。
【0044】
プラグコネクタ部分2は、ハウジング20に収容されている接触ソケットの形態をした接触要素21を備えている。接触ソケットは、挿入開口部211の周囲全体に亘って配置されている接触ブレード210によって形成されており、挿入方向Eに対して平行に延在しており、円筒状シャフト212から延在しており、相手側プラグコネクタ部分3の接触ピンの形態をした相手側接触要素31との電気的接触を確立する。
【0045】
接触装置22は、接触ブレード210から離隔して、円筒状シャフト212に接続されており、電気路は、接触装置22によって、電気的接触状態となるように接触要素21に接続可能とされる。
【0046】
上述のように、相手側プラグコネクタ部分3は、円筒状接触ピンの形態をした相手側接触要素31を備えており、相手側接触要素31は、プラグコネクタ部分2を相手側プラグコネクタ部分3と電気的に接触させるために、挿入方向Eにおいて、接触ブレード210によって形成された挿入開口部211に挿入可能とされる。接触装置32は、相手側接触要素31に接続されており、電気路は、電気的接触状態にするように、相手側接触要素31を介して、相手側接触要素31に接続可能とされる。
【0047】
プラグコネクタ部分2を相手側プラグコネクタ部分3に差込式で接続するために、相手側接触要素31の先端310が接触要素210の挿入開口部211に挿入され、挿入開口部211の内部に向かって滑入され、これにより図2Bに表わすように、接触ブレード210が電気的に接触し、ひいては、プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3との間において電気的接触が確立する。
【0048】
図3は、相手側プラグコネクタ部分3に接続されているプラグコネクタ部分2を具備するプラグコネクタ1の側面図である。図4は、プラグコネクタ1の背面図である。図5A図5Dは、互いから接続解除されたプラグコネクタ2及び相手側プラグコネクタ部分3を表わす。
【0049】
負荷の作用下においてプラグコネクタ1が閉じられている場合、又は逆に負荷の作用下においてプラグコネクタ1が開いている場合には、プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3との間にはアークが発生する。この場合には、プラグコネクタ部分2の接触要素21の接触ブレード210に対する損傷を防止するために、プラグコネクタ部分2は、接続カラー230を介して接触要素21の円筒状シャフト212に配置されているランス要素23を備えている。ランス要素23は、少なくとも部分的に弾性的に屈曲可能とされるシャフト231によって、接触要素21の挿入開口部211の外側において接触ブレード210に並行に延在している。
【0050】
この場合には、接続カラー230から遠位に位置する端部において、シャフト231は、接触部分233をヘッド232に有しており、接触部分233は、挿入方向Eにおいて接触ブレード210を越えて突出しており、例えば耐アーク性を有する材料から作られている。
【0051】
ランス要素23は、導電性材料から作られているので、相手側プラグコネクタ部分3の相手側接触要素31とプラグコネクタ部分2の接触要素21との間における接触が、接触部分233を介して確立される。
【0052】
図5Aに表わすように、接触部分233は、相手側接触要素31が挿入開口部211に挿入された場合に相手側接触要素31と電気的に接触する。プラグコネクタ1を介して電力を実際に伝送するためには、この場合にはランス要素23は二の次である。ランス要素23は、特にアークを接触要素21から逸らすために利用される。
【0053】
プラグコネクタ1が開いている場合には、図5B及び図5Cに表わすように、相手側接触要素31が、接触要素21の挿入開口部211から挿入方向Eの逆方向に引っ張り出される。この場合には、図5B及び図5Cに表わすように、相手側接触要素31の先端310が最初に挿入開口部211から出るが、ランス要素23の接触部分233との接触は初めのうちは維持される。
【0054】
さらに相手側接触要素31がプラグコネクタ部分2のハウジング20から挿入方向Eの逆方向に引っ張り出された場合には、図5Dに表わすように、アークLが、相手側接触要素31の先端310と接触要素21の可能性に配置されたプラグコネクタ部分2の最も近い導電性部分、すなわちランス要素23の接触部分233との間に発生する。従って、接触ブレード210は、接触ブレード210を越えて突出している接触部分233によって、アークLから遮蔽される。これにより、アークLは、接触ブレード210に対する損傷を発生させることはできない。
【0055】
接触部分233は、損傷を許容することができる犠牲的な部分である。接触部分233は、実際に、プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3との間において電力を伝送することに貢献しないが、その代わりに、プラグコネクタ1を接続又は接続解除した場合にアークLを逸らすために利用されるにすぎない。
【0056】
プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3とが互いに差し込まれた場合に、プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3との間における接触が、図5Aに表わすように、特に相手側接触要素31の先端310から遠位に位置する相手側接触要素31のシャフト部分を介して確立される。従って、相手側接触要素31の先端310は、プラグコネクタ部分2と相手側プラグコネクタ部分3との間における電気的接触及び電力伝送が二の次であるので、アークLの発達に起因する相手側接触要素31の先端310に対する(僅かな)損傷は許容することができる。
【0057】
相手側接触要素31の先端310が耐アーク性を有する材料から作られていることに留意すべきである。このようなタイプの先端310は、ピン接点に配置されたスリーブとして又は部分的な表面コーティングとして構成されている。その結果として、消耗リングの形態をした先端310は、接触ピン自体の直径と同一の直径を有しているが、接触ピン自体より(著しく)高いアークの影響に対する耐性を有することになる。
【0058】
従って、アークLは、ランス要素23の接触部分233と相手側接触要素31の非臨界部分すなわち相手側接触要素31の先端310との間に発生するので、プラグコネクタ部分2及び相手側プラグコネクタ部分3を電気的接触状態にするために機能上重要な領域における、アークLに起因する損傷が効果的に防止される。
【0059】
プラグコネクタ部分2を相手側プラグコネクタ部分3に接続すると、その結果として、図5Dに表わす位置から進められる逆順においては、相手側接触要素31が、アークLが相手側接触要素31の先端310とランス要素23の接触部分233との間に発生するが、接触要素21に至るまで延在していない状態で、挿入方向Eにおいて接触要素21の挿入開口部211に差し込まれる。従って、接触要素21は、プラグコネクタ1を接続する場合にアークLから効果的に遮蔽される。
【0060】
挿入の際に、最初に相手側接触要素31の先端310がランス要素23の接触部分233に乗り上がり(図5C参照)、その結果として、シャフト231が側面に向かって外方に弾性的に付勢されるので、弾性的にプリテンションが作用した状態において、接触部分233が相手側接触要素31に支えられる。さらに挿入されると、図5B及び図5Aに表わすように、相手側接触要素31は、最終的に挿入開口部211の領域に到達し、接触ブレード210と接触するようになる。
【0061】
ハウジング20は、接触要素21を受容するための空間201を形成している。相手側接触要素31は、挿入開口部200を通じてハウジング20の内部に挿入され、ハウジング20の空間201において接触要素21と接触可能とされる。
【0062】
ハウジング20は、伝動性材料から、好ましくは高い誘電強度を有する材料から作られていることが望ましい。
【0063】
図1図5A及び図5Bに表わす実施例では、ランス要素23は、接触部分233と共に、シャフト231のヘッド232の上に載置されたリベットの形態で製造されている。図6は、ランス要素23の当該実施例の別の表示である。シャフト231は、ヘッド232及び接続カラー230と共に、伝動性材料から一体に製造されている。また、接続部分233は電導性を有しており、この場合には、好ましくは耐アーク性を有する材料から作られているか、又は耐アーク性材料でコーティングされている。
【0064】
図7は、全体として一体に形成されているランス要素23の他の実施例を表わす。当該実施例では、接触部分233は、接続カラー230から遠位に位置するシャフト231の端部においてシャフト231を湾曲するように再成形することによって、一体に形成されている。
【0065】
当該実施例では、ランス要素23は、全体として耐アーク性を有する材料から作られているか、又は耐アーク性材料で(少なくとも部分的に)コーティングされている。
【0066】
本発明に潜在する概念は、上述の実施例に制限される訳では無く、原理上、完全に異なる態様であっても実施可能である。
【0067】
本発明では、上述のタイプのランス要素が、シリンドリカル状の接触要素又はフラットな接点で利用可能とされる。本発明では、プラグコネクタは、1つ以上の接触要素を備えている。
【0068】
本明細書で説明したタイプのランス要素は、接触ソケット又は接触ピンの形態で接触要素に配置されている。また、当該ランス要素を雌雄同形接点に利用することに留意すべきである。
【0069】
接触部分はリベットの形態をしているが、他の形状であっても想到可能及び実施可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 プラグコネクタ
2 プラグコネクタ部分
20 ハウジング
200 挿入開口部
201 空間
21 接触要素
210 接触ブレード
211 挿入開口部
212 円筒状シャフト
22 接触装置
23 ランス要素
230 接続カラー
231 シャフト
232 ヘッド
233 接触部分
3 相手側プラグコネクタ部分
31 相手側接触要素
310 先端
32 接触装置
E 挿入方向
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7