(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る訪問確認システムの一実施の形態を示した全体構成図である。
図1には、携帯端末装置10と監視センタ3と事務所4と複数のビル1が示されている、監
視センタ3は、顧客との契約によりビル1に設置された設備に対する保守及び当該保守を行う作業員の施設への訪問状況を監視し、また作業員の保守作業に関連する情報の管理を行う。本実施の形態では、契約先のビル1を作業員が訪問すべき施設の例として説明する。また、エレベータやエスカレータ等の昇降機を保守管理対象の設備として説明する。事務所4は、作業員が駐在する施設である。携帯端末装置10は、保守員がビル1へ訪問する際に携帯される端末装置である。保守員は、保守のスケジュールに従って事務所4から出動し、スケジュール情報に従い各ビル1に順番に訪問して所定の保守作業を行う。そして、当日の保守作業を終了すると事務所4に戻る。
図1には、この作業員の移動を矢印にて表している。なお、各作業員ともビル1に出向く際には携帯端末装置10を携帯し、各自のスケジュールに従って各ビル1を巡回するので、
図1には、1人の作業員のみを図示した。
【0015】
図2は、本実施の形態における携帯端末装置10のハードウェア構成図である。本実施の形態では、携帯端末装置10としてスマートフォンを使用する場合を想定して説明する。なお、本実施の形態の説明に用いないハードウェア構成は、
図2から省略している、本実施の形態における携帯端末装置10は、コンピュータを搭載した従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、携帯端末装置10は、
図2に示したようにCPU21、ROM22、RAM23、ストレージ24、ユーザインタフェース手段として設けられた操作パネル25、通信手段として設けられたネットワークインタフェース(IF)26、測位手段としてのGPS(Grobal Positioning System)27、センサ手段としての加速度センサ28を内部バス29に接続して構成される。
【0016】
図3は、本実施の形態における携帯端末装置10のブロック構成図である。本実施の形態における携帯端末装置10は、移動検出部11、移動実績情報生成部12、移動実績情報通知部13、基準移動パターン記憶部14及び移動実績情報記憶部15を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については
図3から省略している。移動検出部11は、加速度センサ28からの出力を解析することによって作業員の移動パターンを検出し、その検出した移動パターンを基準移動パターン記憶部14に登録されている基準移動パターンと照合することによって作業員の昇降機を利用した移動を検出する。移動実績情報生成部12は、移動検出部11により作業員の昇降機を利用した移動が検出されると移動実績情報を生成して移動実績情報記憶部15に書き込み保存する。移動実績情報通知部13は、移動実績情報記憶部15に記憶された移動実績情報を監視センタ3に設置された監視サーバへ通知する。
【0017】
図4は、本実施の形態における移動実績情報記憶部15に蓄積される移動実績情報のデータ構成の一例を示した図である。移動実績情報は、日時及び位置情報を含んでいる。日時は、作業員の昇降機を利用した移動が検出された日時を示す日時情報である。位置情報は、その移動の検出位置を示す情報である。本実施の形態では、位置情報としてGPS27から得られる経緯度情報を用いる。なお、携帯端末装置10から監視サーバ30へ移動実績情報が送られる際には、作業員を個々に識別するために作業員若しくは携帯端末装置10の識別情報及び送信日時等の情報が付加される。
【0018】
図5A及び
図5Bは、本実施の形態における基準移動パターン記憶部14に予め設定される基準移動パターンを示した概念図である。ここでは、昇降機としてエレベータを想定して説明すると、エレベータが昇降するときの動作は基本的には一律である。つまり、
図5Aに示したように、移動する階数によってエレベータの一定速度での移動時間(t4とt5との間の時間長)は異なってくるものの、エレベータが上昇を開始するときの速度及び加速度、指定の停止階に停止するときの速度及び加速度はエレベータによって予め決められており、エレベータはその設定に従って上昇方向の運転が制御される。これは、
図5
Bに示した昇降機の下降方向への動作の場合も同じである。なお、仮に保守管理対象のエレベータの仕様が異なる場合には、加速度及び速度の傾きや大きさ、また
図5Aにおけるt2とt3の間の時間長が変わってくるかもしれないので、その場合は仕様毎に基準移動パターンを用意しておけばよい。
【0019】
そして、エレベータの上下方向に対して斜め方向に移動するエスカレータにおける基準移動パターンにおいても加速度の傾きやプラスマイナスの度合いは、エレベータと異なってくるかもしれないが、基本的には
図5A及び
図5Bに示した基準移動パターンと同じような形状となる。
【0020】
携帯端末装置10における各構成要素11〜13は、携帯端末装置10に搭載されたコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部14,15は、携帯端末装置10に搭載されたストレージ24にて実現される。あるいは、RAM23又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0021】
図6は、本実施の形態における監視サーバ30を形成するサーバコンピュータのハードウェア構成図である。監視サーバ30は、監視センタ3に設置され、作業員の施設への訪問漏れの監視などの訪問管理を行うために利用されるサーバコンピュータである。本実施の形態において監視サーバ30を形成するサーバコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、
図6に示したようにCPU41、ROM42、RAM43、ハードディスクドライブ(HDD)44、入力手段として設けられたマウス45とキーボード46、及び表示装置として設けられたディスプレイ47をそれぞれ接続する入出力コントローラ48、通信手段として設けられたネットワークインタフェース(IF)49を内部バス50に接続して構成される。
【0022】
図7は、本実施の形態における監視サーバ30のブロック構成図である。本実施の形態における監視サーバ30は、移動実績情報取得部31、訪問漏れ検出部32、訪問漏れ通知部33、スケジュール情報記憶部34及び移動実績情報記憶部35を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については
図7から省略している。移動実績情報取得部31は、各携帯端末装置10から送られてくる移動実績情報を取得し、移動実績情報記憶部35に保存する。訪問漏れ検出部32は、スケジュール情報記憶部34に予め設定されたスケジュール情報に基づき特定される作業員の訪問予定の施設の位置を、取得した移動実績情報と照合することで当該作業員の訪問予定のビル1への訪問漏れを検出する。訪問漏れ通知部33は、訪問漏れ検出部32により訪問漏れが検出された場合、その内容を管理者等が使用する端末装置(図示せず)へ送信することで通知する。
【0023】
スケジュール情報記憶部34には、各作業員の訪問予定のビル1の識別情報、所在地を特定する所在地情報及び訪問順が少なくとも指定されたスケジュール情報が設定登録されている。所在地情報は、ビル1の住所が記述された情報の格納位置を示す情報でもよい。また、所在地情報をスケジュール情報記憶部34に必ずしも含めておく必要はなく、ビル1の識別情報に基づき検索し、取得できるようしてもよい。
【0024】
監視サーバ30における各構成要素31〜33は、監視サーバ30を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU41で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部34,35は、監視サーバ30に搭載されたHDD44にて実現される。あるいは、RAM43又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0025】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、
CD−ROMやUSBメモリ、カード型メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0026】
営業日において、作業員は、スケジュール情報の設定内容に従ってビル1を指定された順番に訪問して保守作業を行う。作業員は、現地、すなわち訪問予定のビル1へ出向く際には携帯端末装置10を携帯し、更に保守作業を行う際、安全確認作業等のために保守対象の昇降機に必ず乗ることを前提としている。以下、作業員が訪問先とするビル1を巡回している際に携帯端末装置10において動作する昇降機による移動検出処理について
図8に示したフローチャートを用いて説明する。
【0027】
この処理を実行するアプリケーションは、作業員が事務所4から出動する際に起動される。そして、携帯端末装置10のGPS27は、測位により作業員の現在位置を常時検出する。また、携帯端末装置10の加速度センサ28は、加速度を常時検出する。
【0028】
移動検出部11は、加速度センサ28からの出力を常時取得し、作業員の移動パターンを生成する(ステップ101)。昇降機は、機械的に動作するため、決められたとおりの移動速度及び加速度で動作する。つまり、一定の増減量にて移動速度及び加速度は増減しうる。これに対し、人間は、同じ速度で移動しようとも、機械のように一定の速度及び加速度を維持し続けることは困難で若干変動する。すなわち、人間が歩行し、あるいは車両等昇降機以外の何らかの移動手段を利用して移動しているときには、
図5A及び
図5Bに例示した基準移動パターンのような画一的な形状の移動パターンとはならないはずである。換言すると、作業員の移動に基づき生成された移動パターンが
図5A及び
図5Bに例示した基準移動パターンのような機械的な基準移動パターンとなるのであれば、それは作業員が自ら移動しているのではなく昇降機を利用して移動していると考えられる。本実施の形態は、このような昇降機を利用した移動とそうでない移動とのパターンの形状の差異に着目したことを特徴としている。
【0029】
従って、移動検出部11は、生成した作業員の移動パターンを、基準移動パターン記憶部14に登録されている各基準移動パターンと照合する(ステップ102)。なお、前述したように、エレベータの移動階数により基準移動パターンの長さ、例えば、
図5Aにおけるt4とt5との間の時間長は異なってくるので、照合する際、この時間長を調整する必要は生じてくる。また、簡易的には一定速を検出し、照合してもよい。
【0030】
そして、照合した結果、作業員の移動パターンが基準移動パターン記憶部14に登録されたいずれの基準移動パターンとも一致しない場合(ステップ103でN)、移動検出部11は、昇降機を利用していない移動と判断する。作業員が事務所4に戻るまでは、本アプリケーションは終了させないので(ステップ105でN)、ステップ101に戻る。
【0031】
一方、照合した結果、作業員の移動パターンが基準移動パターン記憶部14に登録されたいずれかの基準移動パターンに一致した場合(ステップ103でY)、移動検出部11は、昇降機を利用した移動と判断する。移動実績情報生成部12は、昇降機を利用した移動が検出されると、GPS27から現在位置を取得し、その移動の検出日時及び現在位置を含む移動実績情報を生成して移動実績情報記憶部15に書き込み保存する(ステップ104)。そして、前述したように事務所4に戻るまでは、上記処理を繰り返すことになる。
【0032】
作業員は、当日分の保守作業が終了して事務所4に戻ると本アプリケーションを終了させる(ステップ105でY)。
【0033】
続いて、携帯端末装置10が有線又は無線にて監視サーバ30に接続されると、移動実績情報通知部13は、移動実績情報記憶部15に記憶された移動実績情報を監視サーバ30へ送信する。送信する際、作業員又は携帯端末装置10の識別情報を付加することで作業をした作業員を特定できるようにする。
【0034】
監視サーバ30における移動実績情報取得部31は、携帯端末装置10から送られてきた移動実績情報を取得すると、移動実績情報記憶部35に書き込み保存する。続いて、訪問漏れ検出部32は、取得した移動実績情報を当該作業員のスケジュール情報に含まれている訪問先(ビル1)の各位置情報と照合することで、実際に訪問先を訪問しているかを調べる。訪問漏れ検出部32により訪問漏れが検出された場合、訪問漏れ通知部33は、その内容を管理者等が使用する端末装置へ送信することで通知する。
【0035】
ここで、訪問漏れ検出部32における訪問漏れの検出方法について
図9を用いて説明する。
【0036】
図9Aは、移動実績情報記憶部35に登録された移動実績情報に含まれる位置情報に基づき作業員が昇降機を利用した各位置2をある空間にプロットしたときの図である。移動実績情報に含まれる日時情報によると、作業員が昇降機を利用した位置2は、位置2aから反時計回りに移動して位置2nに至っている。
【0037】
図9Bでは、
図9Aに
図1に示したビル1及び事務所4を当てはめて図示している。そして、破線で示したように、プロットした位置2を時系列的につないだのが作業員の移動経路となる。もちろん、本実施の形態の場合、移動経路を導くための情報は移動実績情報に含まれる位置情報だけなので、破線で示した移動経路は推定によるものである。
図9Bから理解できるように、作業員は、スケジュール情報に従い事務所4から出動してビル1a、ビル1cそしてビル1dを順番に訪問したことがわかる。そして、位置2dに示したように、作業員はビル1dにおいて昇降機を利用したことがわかる。すなわち、作業員がビル1dに訪問したことを確認できる。ビル1a,1cでは、複数の位置がプロットされているが、これは、昇降機が複数回利用されたことを示している。それは、同じ昇降機が複数回利用される場合と複数の昇降機が利用される場合とが考えられる。一方、ビル1bには位置2がプロットされていない。これは、作業員がビル1bに訪問していないということを意味する。これが訪問漏れに該当する。なお、位置2eは、ビル1に対応していないが、これは、作業員が、例えば駅や保守対象以外のビルのエレベータやエスカレータを利用したことを意味する。
【0038】
訪問漏れ検出部32は、このように移動実績情報から特定される位置を保守対象のビル1の位置と照合し、例えば、ビル1の位置情報(経緯度情報)から数十m以内で昇降機の利用が確認した場合、作業員は、当該ビル1に訪問したと判断する。一方、ビル1bのように、ビル1の位置情報(経緯度情報)から数十m以内にプロットされなければ、作業員は、当該ビル1を訪問しなかったと判断する。なお、数十mというのは、作業員がビル1に訪問したか否かの判定基準となる範囲である。この判定基準とする範囲は、適宜設定すればよい。
【0039】
本実施の形態によれば、以上説明したように作業員が昇降機を利用した位置を作業員が保守対象を行った位置の候補として抽出し、ビル1の位置がその抽出した位置のいずれかに対応すれば、作業員はそのビル1に訪問したことを確認できる。それも作業員に何ら操作をさせる必要はないので作業員が訪問の報告漏れを起こすことがない。
【0040】
厳密にいうと、作業員は、保守対象の昇降機に保守作業を実施せずにビル1内の昇降機
を単に利用するに留まる場合もあり得る。つまり、目的とする保守作業を行っていない可能性もあり得るが、本実施の形態においては、少なくとも保守対象の昇降機が設置されているビル1に訪問したことは確認できる。
【0041】
実施の形態2.
図10は、本実施の形態における携帯端末装置10のブロック構成図である。本実施の形態においては、携帯端末装置10のハードウェア構成、監視サーバ30のハードウェア構成及びブロック構成は、実施の形態1と同じでよい。本実施の形態における携帯端末装置10は、移動実績情報生成部16、移動検出部17、移動実績情報通知部13、基準移動パターン記憶部14及び移動実績情報記憶部15を有している。なお、実施の形態1と同じ構成要素には、同じ符号を付け説明を省略する。また、実施の形態1と同様、本実施の形態の説明に用いない構成要素については
図10から省略している。本実施の形態における移動実績情報生成部16は、GPS27から現在位置を定周期的に取得して当該現在位置を少なくとも含む移動実績情報を生成する。移動検出部17は、移動実績情報生成部16により移動実績情報が生成されたときに、加速度センサ28からの出力を解析することによって得られる作業員の移動パターンを、基準移動パターン記憶部14に設定されている基準移動パターンと照合することによって作業員の昇降機を利用した移動を検出する。また、検出した場合、移動を検出した旨を示す検出情報を当該移動実績情報に付加する。
【0042】
図11は、本実施の形態における移動実績情報記憶部15に蓄積される移動実績情報のデータ構成の一例を示した図である。本実施の形態における移動実績情報は、実施の形態1における移動実績情報に検出情報としての利用フラグを付加して構成される。
【0043】
携帯端末装置10における各構成要素13,16,17は、携帯端末装置10に搭載されたコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。
【0044】
次に、携帯端末装置10における昇降機による移動検出処理について
図12に示したフローチャートを用いて説明する。なお、実施の形態1と同じ処理ステップには同じステップ番号を付け、説明を適宜省略する。
【0045】
この処理を実行するアプリケーションが作業員の出動時に起動されると、携帯端末装置10のGPS27は、測位により作業員の現在位置を常時検出する。また、携帯端末装置10の加速度センサ28は、加速度を常時検出する。
【0046】
移動実績情報生成部16は、GPS27から現在位置を定周期的に取得して、その取得の都度、その取得した日時及び現在位置を含む移動実績情報を生成して移動実績情報記憶部15に書き込み保存する(ステップ201)。なお、利用フラグには、昇降機を利用していない旨のクリアが初期設定される。現在位置を取得し移動実績情報を生成する周期は、移動実績情報記憶部15の記憶容量等を参考に適宜設定すればよい。
【0047】
移動実績情報生成部16により移動実績情報が生成されると、移動検出部17は、常時取得していた加速度センサ28からの出力に基づき作業員の移動パターンを生成する(ステップ101)。続いて、移動検出部17は、生成した作業員の移動パターンを、基準移動パターン記憶部14に登録されている各基準移動パターンと照合する(ステップ102)。照合した結果、作業員の移動パターンが基準移動パターン記憶部14に登録されたいずれの基準移動パターンとも一致しない場合(ステップ103でN)、移動検出部11は、移動実績情報が生成された地点では昇降機を利用しない移動と判断する。作業員が事務所4に戻るまでは、本アプリケーションは終了させないので(ステップ105でN)、ス
テップ201に戻る。
【0048】
一方、照合した結果、作業員の移動パターンが基準移動パターン記憶部14に登録されたいずれかの基準移動パターンに一致した場合(ステップ103でY)、移動検出部17は、昇降機を利用した移動と判断し、当該移動実績情報に対応する利用フラグをセットする(ステップ202)。
【0049】
作業員は、当日分の保守作業が終了して事務所4に戻ると本アプリケーションを終了させる(ステップ105でY)。そして、実施の形態1と同様に移動実績情報通知部13は、移動実績情報記憶部15に記憶された移動実績情報を監視サーバ30へ送信する。
【0050】
監視サーバ30における動作は基本的に実施の形態1と同じである。ただ、実施の形態1では、昇降機の利用が検出された位置に対応した移動実績情報のみを生成するのに対し、本実施の形態では、昇降機の利用の有無に関係なく移動実績情報は定周期的に生成されている。従って、訪問漏れ検出部32は、移動実績情報に含まれている利用フラグを参照して、昇降機の利用位置を特定することになる。
【0051】
上記実施の形態1では、昇降機の利用が確認された位置のみがプロットされるので、
図9Bにおいて破線にて示した移動経路は推定に基づくものである。これに対し、本実施の形態では、前述したように移動実績情報が定周期的に生成されるので、移動実績情報に基づきプロットすると作業員の移動経路を特定できることになる。そして、その移動経路上に昇降機が利用された位置がプロットされる。
【0052】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に作業員の訪問漏れを検出することができる。また、作業員の移動経路も確認することができる。更に、一地点における滞留時間も確認できるようになるので作業時間も推定することが可能になる。その一方、移動実績情報は、定周期的に生成されるので移動実績情報の記録に必要な記憶容量が増大する。
【0053】
なお、上記各実施の形態においては、訪問漏れの旨及びその訪問漏れしたビル1などの報告の出力先を管理者等が使用する端末装置としたが、その情報の使用目的や使用する場所によって出力先を記憶手段としたり、ネットワーク経由で外部へ送信したりしてもよい。
【0054】
また、上記各実施の形態では、センサ手段として加速度センサを用いる場合を例にして説明したが、加速度センサの代わりに気圧センサを用いてもよいし、各センサを併用してもよい。
【0055】
また、上記各実施の形態においては、基準移動パターンとして加速度及び速度をそれぞれ用意したが、少なくとも一方でもよい。