特許第6742481号(P6742481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リロケーション・ジャパンの特許一覧

特許6742481情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
<>
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000002
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000003
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000004
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000005
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000006
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000007
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000008
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000009
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000010
  • 特許6742481-情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742481
(24)【登録日】2020年7月30日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20200806BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20200806BHJP
【FI】
   G06Q50/16
   G06F16/903
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-122066(P2019-122066)
(22)【出願日】2019年6月28日
(65)【公開番号】特開2020-9437(P2020-9437A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年8月21日
(31)【優先権主張番号】特願2018-126251(P2018-126251)
(32)【優先日】2018年7月2日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502209338
【氏名又は名称】株式会社リロケーション・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】栗山 直能
(72)【発明者】
【氏名】玉川 浩太郎
【審査官】 鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−185129(JP,A)
【文献】 特開2011−141588(JP,A)
【文献】 特開2007−066165(JP,A)
【文献】 米国特許第05754850(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/16
G06F 16/903
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所属する者の住居に関する規定に基づいて前記所属する者の住居費の少なくとも一部を負担する所定団体に、前記所属する者としてのユーザの転居を支援する情報処理装置であって、
前記規定と前記ユーザの属性とにより特定される前記所定団体の負担の額を、当該ユーザに提示する第1提示手段と、
前記ユーザに提示した前記負担の額と、前記ユーザにより入力された当該ユーザの予算額との合算額を、予算条件として取得する第1取得手段と、
前記ユーザにより入力された、転居先となる不動産に関する要望と、前記不動産の設備に関する要望との夫々を、不動産条件と、設備条件との夫々として取得する第2取得手段と、
夫々取得された、前記予算条件、前記不動産条件、及び前記設備条件と、前記規定と、前記ユーザの属性とに基づいて、前記ユーザの転居先となる住居に関する検索条件を生成する検索条件生成手段と、
複数の不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報が格納されたデータベースから、前記検索条件に基づいて前記ユーザに提示すべき不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を検索する処理に関する制御を実行する検索制御手段と、
前記検索制御手段の制御による前記処理が行われた結果として抽出された、前記検索条件に適合する不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を、前記ユーザに提示する第2提示手段と、
を備え
前記第2提示手段は、
前記検索条件に適合しない不動産及び設備のうち、前記ユーザの予算額を所定額の範囲で増加させることで前記検索条件に適合する不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を、前ユーザにさらに提示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記検索条件生成手段は、労務又は役務に関する条件をさらに含み、前記検索条件を生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項3】
所属する者の住居に関する規定に基づいて前記所属する者の住居費の少なくとも一部を負担する所定団体に、前記所属する者としてのユーザの転居を支援する情報処理装置が実行するステップとして、
前記規定と前記ユーザの属性とにより特定される前記所定団体の負担の額を当該ユーザに提示する第1提示ステップと、
前記ユーザに提示した前記負担の額と、前記ユーザにより入力された当該ユーザの予算額との合算額を、予算条件として取得する第1取得ステップと、
前記ユーザにより入力された、転居先となる不動産に関する要望と、前記不動産の設備に関する要望との夫々を、不動産条件と、設備条件との夫々として取得する第2取得ステップと、
取得された前記予算条件、前記不動産条件、及び前記設備条件と、前記規定と、前記ユーザの属性とに基づいて、前記ユーザの転居先となる住居に関する検索条件を生成する検索条件生成ステップと、
複数の不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報が格納されたデータベースから、前記検索条件に基づいて前記ユーザに提示すべき不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を検索する処理に関する制御を実行する検索制御ステップと、
前記検索制御ステップにおける制御による前記処理が行われた結果として抽出された、前記検索条件に適合する不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を、前記ユーザに提示する第2提示ステップと、
を含み、
前記第2提示ステップでは、
前記検索条件に適合しない不動産及び設備のうち、前記ユーザの予算額を所定額の範囲で増加させることで前記検索条件に適合する不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報が、前ユーザにさらに提示される、
情報処理方法。
【請求項4】
所属する者の住居に関する規定に基づいて前記所属する者の住居費の少なくとも一部を負担する所定団体に、前記所属する者としてのユーザの転居を支援する情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記規定と前記ユーザの属性とにより特定される前記所定団体の負担の額を当該ユーザに提示する第1提示ステップと、
前記ユーザに提示した前記負担の額と、前記ユーザにより入力された当該ユーザの予算額との合算額を、予算条件として取得する第1取得ステップと、
前記ユーザにより入力された、転居先となる不動産に関する要望と、前記不動産の設備に関する要望との夫々を、不動産条件と、設備条件との夫々として取得する第2取得ステップと、
取得された前記予算条件、前記不動産条件、及び前記設備条件と、前記規定と、前記ユーザの属性とに基づいて、前記ユーザの転居先となる住居に関する検索条件を生成する検索条件生成ステップと、
複数の不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報が格納されたデータベースから、前記検索条件に基づいて前記ユーザに提示すべき不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を検索する処理に関する制御を実行する検索制御ステップと、
前記検索制御ステップにおける制御による前記処理が行われた結果として抽出された、前記検索条件に適合する不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を、前記ユーザに提示する第2提示ステップと、
を含む制御処理を実行させ
前記第2提示ステップでは、
前記検索条件に適合しない不動産及び設備のうち、前記ユーザの予算額を所定額の範囲で増加させることで前記検索条件に適合する不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報が、前ユーザにさらに提示される、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日本国では、賃貸用不動産は、例えば、マンションの一室のような単なる不動産に過ぎず、不動産の賃貸を希望するユーザが、実際に当該不動産において生活をする場合、当該ユーザが自ら家具・家電を購入して設置することが一般的であった。
このような状況において、例えば、不動産の間取り図上に家具・家電を仮想的に配置して、レイアウトを確認したり、その家具・家電を購入することができるレイアウト処理方法に関する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−173371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を含む従来技術では、単に特定の家具・家電が特定の不動産の間取りに合うかどうかのチェックを行うことができるに過ぎず、結局、ユーザは、自ら家具・家電を購入し、それを設置しなければならないことに変わりはないものであった。
更に言えば、特に、ユーザが、単身の一人暮らしである場合や一時的に居住する転勤者の場合には、不動産の賃貸を行うたびに、このような負担を負うことが不便であるという指摘があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザが、自身の要望に合わせた住居に関する条件を効率的に決定・検索する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
不動産及び設備に関するユーザの要望を受け付ける受付手段と、
ユーザからの前記要望に基づいて、不動産及び設備に関する条件を少なくとも含む、前記ユーザの住居に関する検索条件を生成する検索条件生成手段と、
複数の不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報が格納されたデータベースから、前記検索条件に基づいて前記ユーザに提示すべき不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を検索する処理に関する制御を実行する検索制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが、自身の要望に合わせた住居に関する条件を効率的に決定・検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示す図である。
図2図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図2のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4図3のサーバの機能的構成のうち、住居検索部の詳細な機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図4の住居検索部により実行される住居検索処理の流れを説明するフローチャートである。
図6】ユーザが、図1のユーザ端末において、住居検索処理に必要な情報を入力するための画面の一例を示す図である。
図7】ユーザが、図1のユーザ端末において、住居検索処理に必要な情報を入力するための画面の一例を示す図である。
図8図7に示される入力情報のうち、家具・家電パターンの内容を示す表である。
図9図1のユーザ端末に表示される住居情報の一例を示す図である。
図10図1のユーザ端末に表示される住居情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示す図である。
【0010】
まず、本発明の実施形態を説明するに先立ち、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)について簡単に説明する。
本サービスは、ユーザが希望する条件に基づいて、当該ユーザの転居先の候補となる不動産及び当該ユーザが使用し得る設備(家具・家電)の候補を少なくとも含むユーザの居住環境を提案する総合的な提案サービスである。
具体的に例えば、サーバ1は、ユーザに入力された、予算の条件、不動産の条件、設備の条件等の各種条件(以下、「希望条件」と呼ぶ)に基づいて、検索条件を生成する。そして、サーバ1は、所定のデータベースから上述の検索条件に合致する不動産及び設置される設備(転居先の候補となる不動産、及び設置される設備の候補)を検索する。
【0011】
ここで、例えば、予算の条件とは、ユーザが自身の居住環境について負担しても良いと考えている予算の上限である。
また、サーバ1は、必ずしもユーザに入力された額をそのまま予算の条件として採用する必要はない。即ち、例えば、サーバ1は、ユーザに入力された額に自身の所属する企業の引っ越し等に関する規定(以下、「社内規定」と呼ぶ)を合算した額を予算の条件として採用しても良い。
なお、本実施形態では、図1等で示すように、サーバ1は、デフォルトとして社内規定で規定された予算条件をユーザに提示し、ユーザにその額を確認させつつ、最終的な予算の条件を入力させるという形式を採用するものとする。
不動産の条件とは、例えば、入居可能な時期、住居費、所在地、専有面積、間取り、階数、部屋の向き等の条件である。
ここで、住居費とは、いわゆる賃料とは異なる概念であり、ユーザ(又は当該ユーザが属する会社等)が、1ケ月等の所定単位毎に住居に関わる費用として一括して支払う費用であり、本実施形態では、不動産の賃料に加えて、不動産に付随する設備や付帯サービスの費用含むものである。即ち、ユーザは、(会社が許諾する範囲内で)、予算として決められた住居費の範囲内で、賃料にかける費用と、設備や付帯サービスにかける費用の配分を自由に検討することができる。
設備の条件とは、例えば、家具や家電に関する要望・条件である。具体的に例えば、ユーザが必要とする家具・家電の種類やグレード、更に言えば、家具・家電以外の付帯サービス(例えば、家事代行サービス)等の条件である。
【0012】
そしてサーバ1は、このようにして検索された不動産及び設置される設備を、ユーザに対して提示する。これにより、ユーザは、自身の希望条件に最適な居住環境に効率的に引っ越しをすることができるのである。
換言すれば、ユーザは、各種条件(予算の条件、不動産の条件、設備の条件等)を入力することにより、社内規定を考慮しつつ、自身が希望する居住環境を検索することができる。そして、当該ユーザが検索された居住環境を気に入った場合には、実際に当該居住環境に引っ越すこともできるのである。
【0013】
ここで、上述の希望条件のうち、予算の条件以外の各種条件についても、社内規定を適用することができる。即ち、ユーザ又はサーバは、希望条件として設定可能なあらゆる条件について、自身の社内規定を適用することができる。具体的に例えば、住居費、不動産の所在地、専有面積、間取り、駐車場の有無、不動産に付随する設備や付帯サービスの適用可否等である。
ユーザは、上述の希望条件として、このような社内規定を加味した条件を設定することで、例えば、転勤等で転居が必要になった場合に、自社の社内規定に適合する居住環境を効率よく検索することができる。
具体的な事例については、図6等を参照しつつ後述するが、このような事情から、以降の説明では、便宜上、本サービスを利用するユーザは、社内規定を有する企業の従業員であるとして説明する。また、同様に、上述の希望条件は、可能な限り社内規定を考慮して設定された条件であるものとして説明を行う。
【0014】
図1に示す情報処理システムは、本サービスの提供者により管理されるサーバ1と、会社の人事部等の担当者に使用される会社端末2と、当該会社に属するN人(Nは1以上の任意の整数値)のユーザの夫々により使用されるユーザ端末3−1乃至3−nとを含むように構成される。
サーバ1と、会社端末2と、ユーザ端末3−1乃至3−nとの夫々は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0015】
なお、以下、ユーザ端末3−1乃至3−nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末3」と呼ぶ。
また、図1は、1つの会社に対して本サービスが提供される場合を例としたものであるが、当然ながら、複数の会社に対して本サービスが提供されても良い。その場合、複数の会社毎に、1台以上の会社端末2と、1人以上のユーザにより夫々使用される1台以上のユーザ端末3とが、情報処理システムに含まれる。
【0016】
図2は、図1の情報処理システムのうちサーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
サーバ1は、CPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)11と、ROM(READ ONLY MEMORY)12と、RAM(RANDOM ACCESS MEMORY)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0018】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0019】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0020】
出力部16は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部17は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0021】
記憶部18は、DRAM(DYNAMIC RANDOM ACCESS MEMORY)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(会社端末2及びユーザ端末3)との間で行う通信を制御する。
【0022】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0023】
なお、会社端末2及びユーザ端末3の内部のハードウェア構成は、サーバ1の構成と基本的に同様とすることができるので、ここでは、説明を省略する。
【0024】
このような図2のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1で後述する各種処理の実行が可能になる。
即ち、サーバ1は、各種処理の実行にあたり、図3に示すような機能的構成を有する。
【0025】
図3に示すように、サーバ1のCPU11においては、会社側連絡部31と、ユーザ側連絡部32と、転居管理部33と、住居検索部34と、引越し見積り部35と、社内申請支援部36とが機能する。
サーバ1の記憶部18の一領域には、社内規定DB400と、検索対象DB410と、引越し会社DB420とが設けられる。
【0026】
会社側連絡部31は、後述する住居検索処理、引越し見積り処理、社内申請処理等において通信部19を介して、会社端末2と各種情報のやりとりを行うことで、会社の人事部等の担当者との連絡を実現する。
【0027】
ユーザ側連絡部32は、後述する住居検索処理、引越し見積り処理、社内申請処理等において通信部19を介してユーザ端末3と各種情報のやりとりを行うことで、ユーザとの連絡を実現する。
【0028】
転居管理部33は、ユーザの転居を管理するために、住居検索部34、引越し見積り部35、及び社内申請支援部36の夫々を管理する。
【0029】
住居検索部34は、ユーザよりユーザ端末3を介して(上述のユーザ側連絡部32を介して)不動産の検索依頼があった場合、ユーザにより入力された希望条件等に基づいて検索条件を生成し、検索対象DB410に保存されている複数の家具・家電に関する情報(以下、「設備情報」と呼ぶ)、及び複数の不動産に関する情報(以下、「不動産情報」と呼ぶ)の中から検索条件に合致するものを検索して、ユーザ端末3を介して(上述のユーザ側連絡部32を介して)所定ユーザに提示する。なお、住居検索部34の有する各種機能の詳細は、図4等を用いて後述する。
【0030】
引越し見積り部35は、所定ユーザよりユーザ端末3を介して(上述のユーザ側連絡部32を介して)転居先への引越しに伴う見積りの依頼があった場合、引越し会社DB420を参照して適切な引っ越し会社を選択し、夫々の引っ越し会社への引越し見積りの手配を支援する処理を実行する。
【0031】
社内申請支援部36は、上述のユーザ側連絡部32や上述の会社側連絡部31と協働して各種処理を実行することで、所定ユーザが会社側(人事部等)に対して転居に伴う各種申請を行い、会社側がこれら各種申請に対する承認を行うまでのワークフローが進行するように支援する。
【0032】
図4は、図3のサーバ1の機能的構成のうち、住居検索部34の詳細な機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
住居検索部34は、ユーザ要望取得部51と、住居検出条件生成部52と、住居抽出部53と、住居環境提示部54とを有する。
【0033】
ユーザ要望取得部51は、不動産及び設備に関するユーザの要望を受け付ける。
即ち、ユーザ要望取得部51は、通信部19を介して、不動産に関するユーザの希望条件と設備に関するユーザの希望条件を取得する。
ここで、ユーザにより入力された希望条件は、ユーザ端末3から送信されても良いが、特に限定されない。即ち、希望条件は、ユーザの希望条件を特定する情報であれば、取得経路を限らない。
【0034】
住居検出条件生成部52は、ユーザ要望取得部51で取得された希望条件に基づいて、不動産及び住居で利用し得る設備に関する条件を少なくとも含む、ユーザが希望する住居に関する検索条件を生成する。
即ち、住居検出条件生成部52は、ユーザ要望取得部51で取得された希望条件に基づいて、ユーザの居住先の候補となりうる不動産及び設置される家具・家電の候補を検索するための検索条件を生成する。
ここで、上述の通り、住居検出条件生成部52は、検索条件を生成するに際して、ユーザの所属する企業等(以下、単に「企業」と呼ぶ)の社内規定を考慮することができる。
これにより、ユーザが社内規定を有する企業に所属している場合に、より効率的に社内規定に最適な居住先を選定することができる。
【0035】
更に、上述の社内規定を考慮して検索条件を生成する場合、住居検出条件生成部52は、ユーザの属性を考慮しても良い。ここで、ユーザの属性は、ユーザの等級、役職、扶養家族数、転居前住所、転居後の勤務地、転居前の住居費等である。
例えば、企業の役職として一般職、課長職、部長職が存在し、当該ユーザの役職は、一般職であったとする。他方、社内規定において、役職が、一般職であれば住居費を8万円、課長職であれば住居費を10万円、部長職であれば住居費を12万円まで補助する規定が存在するとする。この場合、住居検出条件生成部52は、ユーザの希望条件として、住居費の条件を8万円として検索条件を生成することもできる。
【0036】
さらに言えば、詳細については図6を参照しつつ後述するが、この例において、ユーザ要望取得部51で取得された希望条件が9万円であったとする。このような場合であっても、例えば住居検出条件生成部52は、住居費が9万円の条件で検索条件を生成する等しても良い。
つまり、住居検出条件生成部52は、厳格に社内規定に沿った検索条件を生成することもできるし、ユーザが住居費の一部を自己負担することを前提に、ユーザの希望条件を優先して検索条件を生成することもできる。
これにより、サーバ1は、企業の社内規定に定められた条件により単純に居住環境を検索することができるだけでなく、ユーザの要望を柔軟に取り入れた検索条件で、効率的に居住環境を検索することができる。
なお、この社内規定は、必ずしも住居検出条件生成部52での検索条件を生成される際のみに考慮される必要はない。即ち、例えば、図6を参照しつつ後述するように、社内規定を事前にユーザに提示することで、ユーザに社内規定の存在を前提とした希望条件を入力される仕様としても良い。
【0037】
住居抽出部53は、複数の不動産及び設備に関する情報のうち少なくとも一方を含む情報が格納されたデータベースから、前記検索条件に基づいて前記ユーザの希望する不動産及び設備に関する情報を検索する処理の制御を実行する。
即ち、住居抽出部53は、検索対象DB410を参照し、住居検出条件生成部52で生成された検出条件に合致する不動産に関する情報(即ち、不動産情報)及び設備に関する情報(即ち、設備情報)を抽出し、これらの情報に基づいて、ユーザの居住環境を生成する。
【0038】
住居環境提示部54は、住居抽出部53で生成された居住環境を当該ユーザに対して提示する。
【0039】
このような図4の機能的構成を有するサーバにより実行される処理のうち、ユーザの転居先の住居の候補(その候補を特定可能な住居情報)を検索して当該ユーザに提示するまでの一連の処理を、以下、「住居検索処理」と呼ぶ。
図5は、図4の機能的構成を有するサーバにより実行される住居検索処理の流れを説明するフローチャートである。
【0040】
ステップS1において、ユーザ要望取得部51は、ユーザ端末3から送信されてきた不動産に関する希望条件を、通信部19を介して、取得する。
【0041】
ステップS2において、ユーザ要望取得部51は、ユーザ端末3から送信されてきた設備に関する希望条件を、通信部19を介して、取得する。
【0042】
ステップS3において、住居検出条件生成部52は、ステップS1及びS2で取得されたユーザの不動産に関する希望条件及び設備に関する希望条件に基づいて、不動産情報及び設備情報を検索するための検索条件を生成する。
【0043】
ステップS4において、住居抽出部53は、検索対象DB410を参照し、ステップS3で生成された検出条件に合致す不動産情報及び設備情報を抽出する。
【0044】
ステップS5において、住居抽出部53は、ステップS4で抽出された不動産情報及び設備情報に基いて、ユーザに提案する居住環境を生成する。
【0045】
ステップS6において、住居環境提示部54は、ステップS5で生成された居住環境を、ユーザに対して提示する。
また、新たなユーザ要望が送信されてきた場合、処理はステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、新たなユーザ要望が送信されてこなかった場合、住居検索処理は終了となる。
なお、当然ながら、上述の各ステップの順番はあくまで例示に過ぎず、限定されない。即ち、例えば、ステップS2の処理が行われた後、ステップS1の処理が行われる等しても良い。
【0046】
図6及び図7は、ユーザが、ユーザ端末3において、住居検索処理に必要な情報を入力するための画面の一例を示す図である。
【0047】
以下、図6乃至図9の図面を参照して、図3のサーバ1で実行される住居検索処理の具体例について説明する。
換言すると、ユーザは、ユーザ端末3に表示される図6及び図7の画面を用いて、各種ユーザ要望を入力することができる。即ち、図6及び図7の画面に表示される入力ボックスやチェック項目に入力された内容が、ユーザの希望条件として取得される。
即ち、図6及び図7は、夫々、ユーザが住居検索処理に必要な情報を入力するための画面の一例を示す図である。
【0048】
ここで、居住環境を検索する方法については、例えば、「勤務先の周辺から」、「通勤時間から」、「沿線から」、「エリアから」等、様々な方法が想定されるが、図6及び図7の例では、勤務先の住所及び想定される所要時間等から検索を行う、「勤務先の周辺から」という方法が採用されていることを前提として説明を行う。
【0049】
図6の例では、必須の入力項目として「勤務先の住所」、「所要時間」の項目が設定されている。
そして、勤務先の住所の入力領域には、「東京都○○区××―△△」と入力されている。これは、ユーザの勤務地が東京都○○区××―△△であることを示している。
また、所要時間の入力領域には、「10分以内」、「徒歩」と入力されている。これは、東京都(新しい勤務地)から、徒歩で10分以内に存在する不動産が検索対象になることを示している。
【0050】
また図6の例では、基本条件の入力項目として、「役職」、「住居費」、「間取り」、「家族構成」が設定されている。
役職の入力項目では、ユーザの役職の希望条件として、「主任」が選択されている。ここで、図6の例では、この役職の入力項目には、エクスクラメーションマークが表示されている。これは、役職の入力項目について、企業の社内規定が存在することを意味している。
換言すれば、ユーザは、自身の役職を指定するだけで、社内規定に適合する居住環境の検索を行うことができる。
具体的に例えば、図6の例では、「主任」が選択されている。この図6の例では、役職により、住むことができる居住環境の条件が比較的詳細に定められており、役職の項目以外の基本条件の一部を省略することもできる。具体的には、役職が入力された場合には、「住居費」、「間取り」の入力項目が表示されず、自動で入力されることになる。
これにより、ユーザは、役職の入力項目を選択するだけで、容易に居住環境を検索することができる。
ただし、役職に関する社内規定は、ユーザの所属する会社により千差万別であり、どのような取り扱いを行うかは、夫々の会社の自由である。また、役職に関する社内規定が存在する場合であっても、基本条件の一部を省略するという仕様についても、あくまでも例示であり、夫々の会社により任意である。
住居費の入力項目では、住居費の希望条件として6万円〜8万円が選択されている。ここで、役職の入力項目と同様に、この住居費の入力項目には、エクスクラメーションマークが表示されている。これは、住居費の入力項目について、企業の社内規定が存在することを意味している。即ち、上述の通り、ユーザは、住居費の入力項目で任意の金額を選択することができるものの、結果として生成される検索条件については、社内規定の制限を受け得ることを示している。
間取りの入力項目では、間取りの希望条件として1R、1K/1DK、1LDKが選択されている。ここで、同様に、間取りの入力項目には、エクスクラメーションマークが表示されている。したがって、この間取りの入力項目についても、生成される検索条件については、社内規定の制限を受け得ることになる。
家族構成の入力項目では、ユーザの家族に関する希望条件として、「独身」が選択されている。また、家族構成の入力項目には、エクスクラメーションマークが表示されている。
ここで、ユーザの家族構成や居住状況といった入力項目は、上述の社内規定にも影響し得る。即ち、一般的に独身であれば、家具等の量も少なく、部屋の広さもそれほど必要がないのが通常である。他方、妻帯者であれば、複数人での居住が想定され、それに伴い家具の数も多くなり、部屋の広さも必要となることが通常である。
また、妻帯者であっても、例えば、単身赴任先の住居を検索するような場合には、家具もそれほど必要はなく、部屋も狭くてもかまわないとも考えられる。このような事情は、会社によっては、居住環境を規定する際の社内規定に含まれていることがある。
この家族構成の入力項目においては、ユーザは、独身や妻帯者といった家族構成や、単身赴任を予定しているといった具体的な居住状況に関する条件を選択することができ、サーバ1は、そのような条件に沿った居住環境のみを検索結果として表示させることもできる。
これにより、本サービスは、ユーザの家族構成や居住環境を考慮しつつ、当該ユーザにとって最適な居住環境を簡便に提供することができる。さらに言えば、例えば、単身赴任等の事情は、原則として、各会社の事情によって業務の一環として起こり得るものであり、その対象となるユーザに対しては十分なケアが求められるものである。その意味でも、このような仕組みは、業務の事情によって、居住環境が変化した際にも当該ユーザをケアすることができる。
【0051】
また図6及び図7の例では、絞り込み条件の入力項目として、「建物種別」、「最寄り駅からの徒歩時間」、「専有面積」、「築年数」、「こだわり条件」、「その他条件」、「その他」、及び「入居日」が設定されている。
ユーザは、このような入力項目についても、自身の希望を希望条件として入力することができ、これにより、サーバ1は、よりユーザの希望を詳細に反映させた検索条件を生成することができる。
【0052】
次に図7の例では、設備に関する入力項目として、「家具・家電パターン」が設定されている。詳細については、図8を参照しつつ後述するが、ユーザは、当該入力項目に自身の希望する家具・家電パターンを選択することができる。
ここで、図8を参照しつつ、「家具・家電パターン」の入力項目の詳細について、簡単に説明する。
図8の例では、「家具・家電パターン名」の1行目には、「10点セット」の項目が表示されている。この「10点セット」とは、例えば、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、テレビ台、ローテーブル、ベッドフレーム、マットレス、照明、及びカーテンの家具・家電のセットである。つまり、ユーザが、「家具・家電パターン」の項目として、「10点セット」を選択した場合には、所定の不動産にこれらの家具・家電が設置された居住環境がユーザに対して提示されることになる。
なお、図8に示した「家具・家電パターン」は、例示に過ぎず、限定されない。サーバ1は、例えば、ユーザの属性や市場のニーズを考慮して、「家具・家電パターン」で設定される家具・家電パターンの内容を任意に変更することが可能である。さらに言えば、この「家具・家電パターン」には、定期的な家具・家電のメンテナンス等付随的なサービスを含むこともできる。
これにより、サーバ1は、単に家具・家電が設置された不動産をユーザに提供するのではなく、よりユーザの生活の実態に適した総合的な居住環境を提供することが可能となる。
【0053】
また図7の例に戻ると、入力項目として、「付帯サービス」が設定されている。
図7の例では、付帯サービスとして、「食事」、「クリーニング」、「室内清掃」及び「トランクルーム」の4つの家事代行サービスが表示されている。
例えば、ユーザが「食事」の付帯サービスを選択した場合、朝食及び夕食が提供される居住環境を検索することができる。また、ユーザが「トランクルーム」の付帯サービスを選択した場合、部屋の外部の倉庫の借り受けが可能な居住環境を検索することができる。なお、社宅規定に、例えば役職に応じて借受け可能な倉庫の広さを変更する旨設けることもできる。
ただし、図8の「10点セット」を含む各種セットについては、あくまでも例示であり、各種セットのうち、所定の1点のみを選択することも可能である。また、サーバ1は、その他、任意の組み合わせのプランを生成する等してもよい。
【0054】
次に、図9及び図10を参照しつつ、実際に住居検索処理の結果がユーザに提示される場合の詳細について説明していく。
図9は、このような住居検索処理の結果として、ユーザ端末3に表示される画面の一例である。
【0055】
図9の例では、検索の結果、22件の居住環境が検索条件に合致し、そのうちの2件の居住環境について表示されている。
まず、ユーザに表示される情報として、一般的な不動産に関する情報「部屋の間取り図」、「不動産の外観写真」、「不動産の内部の写真」、「当該不動産の詳細を示すテキスト情報」、ユーザの想定される「通勤時間」、「乗り換え回数」等が含まれる。
これにより、ユーザは、自分の要望により近い住居情報であるかどうかの判断が容易となる。
【0056】
具体的には例えば、「NoTitle 405号室」と記載された上部の住居情報においては、新宿という比較的賃料の高いエリアの不動産が表示される一方で、設備は洗濯機、冷蔵庫、及び電子レンジ等が付くのみである。他方、「○○青梅 1201号室」と記載された下部の住居情報においては、青梅市という新宿と比べて賃料の安いエリアの不動産が表示される一方で、「NoTitle 405号室」と比べて部屋が広く、大型テレビや食事サービス等の設備及び付帯サービスも充実した住居情報が示されている。
このように、不動産の賃料と、不動産に付随する設備や付帯サービスの費用について、様々な組み合わせの住居情報を提示することができるため、ユーザはより自らの要望に適した住居情報を選択することができる。
具体的には例えば、社宅規定等により、ユーザ(転居予定の従業員等)の住居費が9万円までとする。ここで、住居費とは、上述したように、ユーザ(又は会社)がサービス提供者等に一括して支払う住居に関する費用であり、本例では、不動産の賃料と、不動産に付随する設備や付帯サービスの費用とを含む費用をいう。
即ち、ユーザは、会社が許諾する限り、住居費が9万円以下の範囲内で、不動産の賃料を優先するのか、それとも、不動産に付随する設備や付帯サービスの費用を優先するのかを自由に選定することができる。例えば、ユーザは、不動産の賃料を優先して、少しでも賃料の高い不動産を選択したければ、「NoTitle 405号室」という不動産を選択すればよい。一方、ユーザは、不動産に付随する設備や付帯サービスの費用を優先して、賃料を抑えることで、不動産に付随する設備や付帯サービスの充実を図りたければ、「○○青梅 1201号室」という居住環境を選択すればよい。
そして、上述の居住環境に居住を希望する場合、ユーザが「申込」ボタンを選択することで、上述の居住環境への居住の申し込みが可能となる。
これにより、ユーザは、容易に居住環境への居住が可能となる。
【0057】
また、図9の例では、「NoTitle 405号室」と記載された上部の住居情報においては、「通勤時間:15分」、「乗換回数:2回」と表示されている。これは、ユーザの属する会社までの通勤時間が15分であること、乗り換えの回数が2回であることを示している。
同様に、「○○青梅 1201号室」と記載された下部の住居情報においては、「通勤時間:40分」、「乗換回数:1回」と表示されている。これは、ユーザの属する会社までの通勤時間が40分であること、乗り換えの回数が1回であることを示している。
したがって、ユーザは、通勤時間が少ない「NoTitle 405号室」という不動産を優先するか、乗り換えの回数が少ない「○○青梅 1201号室」という不動産を優先するか、選択することができる。
【0058】
また、図の9の例では、2件の居住環境について表示されているが、これは「リスト」のタブが選択されており、上述の22件のうち、2件の居住環境を表示しているが、あくまで一例である。
即ち、タブの選択により、表示される居住環境の表示順が異なる。具体的に例えば、タブとして、「リスト」のタブのほか、「地図」、「家賃安い」、「家賃高い」、「通勤時間」、「乗換回数」、「築年数」等がある。具体的に例えば、ユーザが「家賃安い」のタブを選択することで、家賃の安い順番に居住環境が表示される。同様に、「通勤時間」のタブを選択されると、通勤時間の短い順番に居住環境が表示される。
これにより、ユーザは、ユーザ自身にとって優先度の高いタブを選択することで、より自らの要望に適した居住環境に関する情報を入手することができる。
【0059】
図10は、住居検索処理の結果として、ユーザ端末3に表示される画面であって、左側には検索結果が、右側には入力項目が表示されている。
即ち、図10では、左側には図9と同様の検索結果の居住環境が表示され、右側には入力されたユーザの希望条件の一例が表示されている。
そして、図10の右側の入力されたユーザの希望条件については、ユーザの希望条件を変更するための項目も設けられている。そのため、ユーザは、表示された居住環境の検索結果と、ユーザの希望条件を比較することで、表示された居住環境に基づいて、ユーザの希望条件を変更、入力することができる。そして、ユーザは、変更した希望条件に基づいた新たな居住環境に関する情報を入手することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0061】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0062】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであっても良い。
【0063】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピーディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(COMPACT DISK−READ ONLY MEMORY),DVD(DIGITAL VERSATILE DISK)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(MINI DISK)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROMや、記憶部に含まれるハードディスク等で構成される。
【0064】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0065】
ここで、上述の実施形態における本サービスについて、簡単に補足する。上述の通り、本サービスは、ユーザが就職、転勤、結婚、出産等により転居が必要になった場合に、ユーザの所属する企業の社内規定に適合する居住環境を検索する場合に、特に有用である。
また、本サービスは、単に賃貸用不動産を検索するのみならず、ユーザが希望する家具・家電や家事代行サービス等、当該ユーザの生活に必要となる各種環境を含む、居住環境自体を検索する総合的なサービスである。
【0066】
図1に示すシステム構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、夫々の装置の役割を実行することができる機能が情報処理システム内に備えられていれば良く、更に、夫々の装置は、ネットワークを介さずに、直接接続されていても良い。
【0067】
図2に示す各ハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。例えば、1つのハードウェアが他のハードウェアの機能を兼ね備えていても良く、同じ機能を持つハードウェアが複数含まれていても良い。
【0068】
図3及び図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3及び図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成しても良く、ソフトウェア単体で構成しても良く、それらの組み合わせで構成しても良い。
【0069】
また例えば、上述した付帯サービスに関する情報は、記憶部18の中に別途設けられた付帯サービスDB(図示せず)中の情報を用いても良く、他のサーバの情報を用いても良い。
【0070】
ここで、社内規定DB400、検索対象DB410引越し会社DB420、付帯サービスDBは、いずれかのデータベースが他のデータベースの情報を保存していても良い。
また、これらのデータベースは、サーバ1の記憶部18内ではなくて、ネットワークNを介してサーバ1と接続している他の端末、装置、又はサーバ等のいずれかの中に備えられていても良い。
【0071】
具体的に、検索対象となる各種情報は、サーバ1の検索対象DB410に格納されている必要はなく、例えば、クラウド上に設置された図示せぬDB等を利用しても良い。
これにより、ユーザが、一般的な賃貸用不動産の検索サイト等を利用して不動産情報を検索する際にも、ユーザの属性に関する社内規定に適合した不動産に関する情報を、効率的に抽出することができる。
なお、上述の実施形態において、住居抽出部53が「検索する」とせずに、「検索する処理の制御を実行する」とした趣旨は、検索の処理自体を必ずしもサーバ1が実行する必要がないという趣旨である。つまり、サーバ1は、検索する処理の制御を実行すれば足り、検索処理自体は、図示せぬ他のサーバやクラウド上で行うような場合も十分に想定される。
【0072】
また例えば、上述の実施形態において、本サービスを利用する主体は、企業に所属するユーザであることとして説明を行ったが、特にこれに限定されない。即ち、本サービスを利用する主体は、企業に属さないユーザであっても利用可能である。
【0073】
また例えば、上述の実施形態において、本サービスは、企業の社内規定を考慮して各種処理が実行されることを前提として、説明を行ったが、特にこれに限定されない。即ち、本サービスの各種処理は、社内規定を何ら考慮せず実行することも可能である。
さらに言えば、上述の社内規定は、上述の各種処理における考慮の方法を限定されない。即ち、例えば、サーバ1は、ユーザが希望条件を入力する時点において、社内規定の範囲内においてのみ、入力を認める仕様としても良い。他方、サーバ1は、ユーザに対して社内規定の内容を表示し、ユーザには自身の許容する自腹額の入力のみを求めても良い。
【0074】
また例えば、上述の実施形態において、希望条件を、住居費に関する条件として説明を行った、特にこれに限定されない。
例えば、会社が負担する通勤定期等の交通費の関係で、居住の範囲(例えば会社の最寄駅から3駅以内等の範囲)が限定されている社内規定も存在する。このような場合であっても交通費等をユーザが負担するならば、社内規定の範囲外に存在する不動産(例えば会社の最寄り駅から4駅目が最寄り駅となる不動産)も検索対象になるように、規定外条件を生成すこともできる。
【0075】
また例えば、上述の実施形態において、ユーザの希望が社内規定の範囲外であった場合のユーザ側の負担として、金銭的負担を前提として説明を行ったが、特にこれに限定されない。
例えば、最寄り駅から徒歩10分以内という社内規定が存在する場合、最寄り駅から徒歩20分に存在する不動産は、住居費等の金銭的な負担は少なくなるかもしれないが、毎日徒歩20分も歩くという肉体的負担は増加する。しかし、肉体的負担は増加しても、何らかの理由(例えば健康的な理由等)から、最寄り駅から徒歩20分の不動産も検索対象になるように、規定外条件を生成すこともできる。
【0076】
また例えば、上述の実施形態において、ユーザの希望が社内規定の範囲外であった場合について、ユーザの金銭的負担の説明を行ったが、特にこれに限定されない。
例えば、ユーザの希望が社内規定の範囲外の場合、社内規定で、当該範囲外は認めない、としている場合、検索処理の結果として、社内規定の範囲外の居住環境を表示しないようにすることができる。また、社内規定で、ユーザの自己負担を認める場合、社内規定の範囲外の居住環境を表示することができ、社内規定の範囲外は認めない場合は、社内規定の範囲外の居住環境を表示しない、とすることができる。
これにより、本サービスは、社内規定に則ったサービスを提供することができる。
【0077】
また例えば、上述の実施形態において、ユーザの希望が社内規定の範囲外であった場合に、始めて別途処理を行うことを前提として説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、ユーザ要望からすると社内規定の範囲内であっても、サーバ1は、社内規定の範囲外の居住環境について、「参考までに、少し自己負担をすれば、こんな居住環境も提供可能である」という趣旨で、ユーザに提示しても良い。
【0078】
また例えば、規定内条件と規定外条件によらず、検索条件は、検索処理の段階で生成されていれば足り、その生成タイミング等は特に限定されない。
同様に、検索条件を生成するために必要な各種情報も、検索条件の生成前、即ち、検索処理の前までに取得されていれば足り、その取得タイミング等は特に限定されない。
【0079】
ここで、上述のような社内規定に沿った居住環境は、例えば、新たに大学等を卒業した新入社員等に利用されることが多い。
そしてこのような新入社員等が好む傾向は年々大きく変わるものであるという一方で、既に社内規定に沿った居住環境が不要となった社員の立場からすれば、自らが提供されていた居住環境と大きく異なる居住環境(広い部屋等)が提供されることになれば不満がたまるようにも思われる。
即ち、居住環境の提供に伴う社内規定は、慎重かつ大胆に変化することが求められる。そのため、本サービスについても、大きく変わり得る社内規定を適切に反映し、利用するユーザ(居住する居住者や企業の人事担当者等)にとって利便性が高いサービスを提供することが目的の1つである。
【0080】
また例えば、上述の実施形態において、サーバ1は、ユーザにより入力された希望条件等に基づいて検索条件を生成していたが、特にこれに限定されない。
例えば、サーバ1は、ユーザの希望条件に合った検索条件を提案し、検索条件の提案に対するユーザの同意をユーザの希望条件として、受け付けることもできる。
【0081】
また例えば、検索対象となる不動産情報は、上述の例では、部屋だけを賃貸する不動産に関する情報であったが、特にこれに限定されず、会社側で不動産の費用(住居費)として処理できるものに関する任意の情報を採用することができる。例えば、各種設備が部屋に付いていたり、各種設備が利用可能となった部屋等に関する情報も、不動産情報として採用することができる。
ここで、各種設備としては、例えば、エレベータ、駐車場、バス・トイレ別、室内洗濯機置き場、和室、洋室、エアコン、室内乾燥機、WI−FI、モニターフォン、温水便座等が挙げられる。
なお、家具等の各種設備付きの部屋の場合、部屋の貸主(大家等)が各種設備を用意する必要は無く、例えばサービスの提供者が、部屋だけを賃貸する通常の不動産情報に対して、家具等の各種設備を後からつけた住居情報(その分住居費に上乗せした住居情報)を検索対象とすることもできる。
【0082】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図3及び図4のサーバ1)は、
不動産及び設備に関するユーザの要望を受け付ける受付手段(例えば、図4のユーザ要望取得部51)と、
ユーザからの前記要望に基づいて、不動産及び設備に関する条件を少なくとも含む、前記ユーザの住居に関する検索条件を生成する検索条件生成手段(例えば、図4の住居検出条件生成部52)と、
複数の不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報が格納されたデータベース(例えば、図4の検索対象DB410)から、前記検索条件に基づいて前記ユーザに提示すべき不動産及び設備に関する情報を少なくとも含む情報を検索する処理に関する制御を実行する検索制御手段(例えば、図4の住居抽出部53)と、
を備える。
【0083】
本発明が適用される情報処理装置は、このような構成を有するため、住居を検索するユーザ(ユーザ等)が希望する設備情報及び不動産情報を組み合わせた住居情報を、効率的に検索することができる。
【0084】
また、
前記検索条件生成手段は、当該ユーザが属する所定団体の規定を考慮して、前記検索条件を生成する。
【0085】
これにより、社内規定の補助金額を超える居住費の居住環境を検索することができるため、ユーザの要望を柔軟に取り入れた検索条件で効率的に住居条件を検索することができる。
【0086】
また、
前記検索条件生成手段は、労務又は役務に関する条件をさらに含み、前記検索条件を生成する。
【0087】
これにより、ユーザは、家事代行サービスを含む付帯サービスを検索条件が可能となり、よりユーザの要望を取り入れた検索をすることができる。
【符号の説明】
【0088】
1・・・サーバ、2・・・会社端末、3−1乃至3−n・・・ユーザ端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・出力部、17・・・入力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、21・・・リムーバブルメディア、31・・・会社側連絡部、32・・・ユーザ側連絡部、33・・・転居管理部、34・・・住居検索部、35・・・引越し見積り部、36・・・社内申請支援部、51・・・ユーザ要望取得部、52・・・住居検出条件生成部、53・・・住居抽出部、54・・・住居環境提示部、400・・・社内規定DB、410・・・検索対象DB、420・・・引越し会社DB、N・・・ネットワーク、S1〜S9・・・ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10