(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742484
(24)【登録日】2020年7月30日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】スクロール圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04C 18/02 20060101AFI20200806BHJP
F04C 29/00 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
F04C18/02 311M
F04C18/02 311P
F04C29/00 D
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-131140(P2019-131140)
(22)【出願日】2019年7月16日
(65)【公開番号】特開2020-12466(P2020-12466A)
(43)【公開日】2020年1月23日
【審査請求日】2019年7月16日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0083435
(32)【優先日】2018年7月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムン,チ ミョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チャン オン
(72)【発明者】
【氏名】シン,イン チョル
(72)【発明者】
【氏名】アン,ヒョン スン
(72)【発明者】
【氏名】リム,クォン スゥ
【審査官】
田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−158156(JP,A)
【文献】
特開2014−173436(JP,A)
【文献】
特開2016−102483(JP,A)
【文献】
特開平02−230993(JP,A)
【文献】
米国特許第5366360(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/02
F04C 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(100)と、
前記ケーシング(100)に回転可能に支持されるシャフト(300)と、
前記シャフト(300)の一端部(310)が挿入されるリセス部(410)、前記シャフト(300)に偏心する偏心部(420)、および前記リセス部(410)を基準として前記偏心部(420)の反対側に配置されるバランスウェイト(430)を有する偏心ブッシュ(400)と、
前記偏心部(420)に連動して旋回運動をする旋回スクロール(500)と、
前記旋回スクロール(500)と共に圧縮室を形成する固定スクロール(600)とを含み、
前記ケーシング(100)には、前記偏心ブッシュ(400)が旋回運動可能な旋回溝(114)が形成され、
前記旋回溝(114)と前記バランスウェイト(430)との間には緩衝部材(900)が介在し、
前記リセス部(410)の内周面(412)と前記シャフト(300)の一端部(310)の外周面(312)との間に回転遊びが存在するように形成され、
前記回転遊びによって、前記リセス部(410)の内周面(412)と前記シャフト(300)の一端部(310)の外周面(312)とが接触する前に、前記緩衝部材(900)が前記バランスウェイト(430)の外周面(432)と前記旋回溝(114)の内周面(114a)との間で圧縮されるように形成される、ことを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項2】
前記リセス部(410)が前記シャフト(300)の一端部(310)と同心をなす位置に配置される時、前記シャフト(300)の一端部(310)の前記シャフトの軸に垂直な任意の平面上、前記リセス部(410)の内周面(412)と前記シャフト(300)の一端部(310)の外周面(312)との間の間隙(G1)が一定であり、前記バランスウェイト(430)の外周面(432)と前記旋回溝(114)の内周面(114a)との間の間隙(G2)が一定であるように形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項3】
前記緩衝部材(900)は、前記旋回溝(114)の内周面(114a)に装着され、前記バランスウェイト(430)の外周面(432)に接触可能に形成される、ことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
【請求項4】
前記緩衝部材(900)は、前記旋回溝(114)の内周面(114a)に沿って延びる環状に形成される、ことを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
【請求項5】
前記リセス部(410)が前記シャフト(300)の一端部(310)と同心をなす位置に配置される時、前記バランスウェイト(430)の外周面(432)と前記緩衝部材(900)の内周面(910)との間の間隙(G3)が一定であるように形成される、ことを特徴とする請求項4に記載のスクロール圧縮機。
【請求項6】
前記リセス部(410)が前記シャフト(300)の一端部(310)と同心をなす位置に配置される時、前記バランスウェイト(430)の外周面(432)と前記緩衝部材(900)の内周面(910)との間の間隙(G3)が、前記リセス部(410)の内周面(412)と前記シャフト(300)の一端部(310)の外周面(312)との間の間隙(G1)より狭く形成される、ことを特徴とする請求項5に記載のスクロール圧縮機。
【請求項7】
前記緩衝部材(900)は、前記バランスウェイト(430)の外周面(432)に装着され、前記旋回溝(114)の内周面(114a)に接触可能に形成される、ことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
【請求項8】
前記バランスウェイト(430)の外周面(432)において円周方向上の一端部を第1端部とし、前記バランスウェイト(430)の外周面(432)において円周方向上の他端部を第2端部とすれば、
前記緩衝部材(900)は、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つから半径方向の外側に突出する突起形状に形成される、ことを特徴とする請求項7に記載のスクロール圧縮機。
【請求項9】
前記リセス部(410)が前記シャフト(300)の一端部(310)と同心をなす位置に配置される時、前記緩衝部材(900)の先端面(920)と前記旋回溝(114)の内周面(114a)との間の間隙(G4)が、前記リセス部(410)の内周面(412)と前記シャフト(300)の一端部(310)の外周面(312)との間の間隙(G1)より狭く形成される、ことを特徴とする請求項8に記載のスクロール圧縮機。
【請求項10】
前記バランスウェイト(430)の外周面(432)には、前記のバランスウェイト(430)の外周面(432)から陰刻の緩衝部材締結溝(434)が形成され、
前記緩衝部材(900)は、前記緩衝部材(900)の一端部が前記緩衝部材締結溝(434)に挿入締結され、前記緩衝部材(900)の他端部が前記緩衝部材締結溝(434)の外部に突出して形成される、ことを特徴とする請求項8に記載のスクロール圧縮機。
【請求項11】
前記緩衝部材締結溝(434)の内周面および前記緩衝部材(900)の一端部の外周面の少なくとも1つには、前記緩衝部材(900)が前記緩衝部材締結溝(434)から離脱するのを防止する凹凸(U)が形成される、ことを特徴とする請求項10に記載のスクロール圧縮機。
【請求項12】
前記緩衝部材締結溝(434)の内周面には、雌ねじが形成され、
前記緩衝部材(900)の一端部の外周面には、前記雌ねじに噛み合う雄ねじが形成される、ことを特徴とする請求項10に記載のスクロール圧縮機。
【請求項13】
前記リセス部(410)が前記シャフト(300)の一端部(310)と同心をなす位置に配置される時、前記バランスウェイト(430)の外周面(432)と前記旋回溝(114)の内周面(114a)との間の間隙(G2)が、前記リセス部(410)の内周面(412)と前記シャフト(300)の一端部(310)の外周面(312)との間の間隙(G1)と等しいか、広く形成される、ことを特徴とする請求項6または9に記載のスクロール圧縮機。
【請求項14】
前記緩衝部材(900)は、前記バランスウェイト(430)および前記旋回溝(114)より硬度が低い材質で形成される、ことを特徴とする請求項13に記載のスクロール圧縮機。
【請求項15】
前記旋回溝(114)の軸方向が重力方向から傾斜して形成され、
前記旋回溝(114)の重力方向上の底部にはオイルが貯油される、ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール圧縮機に係り、より詳しくは、固定スクロールと旋回スクロールで冷媒を圧縮できるようにしたスクロール圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車には、室内の冷暖房のための空調装置(Air Conditioning;A/C)が設けられる。このような空調装置は、冷房システムの構成として、蒸発器から引込まれた低温低圧の気相冷媒を高温高圧の気相冷媒に圧縮させて凝縮器に送る圧縮機を備えている。
【0003】
圧縮機には、ピストンの往復運動によって冷媒を圧縮する往復式と、回転運動をしながら圧縮を行う回転式とがある。往復式には、駆動源の伝達方式によって、クランクを用いて複数のピストンに伝達するクランク式、斜板が設けられたシャフトに伝達する斜板式などがあり、回転式には、回転するロータリ軸とベーンとを用いるベーンロータリ式、旋回スクロールと固定スクロールとを用いるスクロール式がある。
【0004】
スクロール圧縮機は、他の種類の圧縮機に比べて相対的に高い圧縮比が得られ、かつ、冷媒の吸入、圧縮、吐出行程がスムーズに行われて安定したトルクが得られるという利点のため、空調装置などで冷媒圧縮用に広く用いられている。
【0005】
図1は、従来のスクロール圧縮機を示す断面図であり、
図2は、
図1のスクロール圧縮機におけるシャフトおよび偏心ブッシュを示す分解斜視図であり、
図3は、
図1のスクロール圧縮機の正常作動時におけるシャフトと偏心ブッシュの位置関係を示す断面図であり、
図4は、
図3の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準として回転した状態を示す断面図であり、
図5は、
図4の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準としてさらに回転した状態を示す断面図である。
【0006】
添付した
図1および
図2を参照すれば、従来のスクロール圧縮機は、回転力を発生させる駆動源200と、前記駆動源200によって回転するシャフト300と、前記シャフト300の一端部310が挿入されるリセス部410、および前記シャフト300に偏心する偏心部420を有する偏心ブッシュ400と、前記偏心部420に連通して旋回運動をする旋回スクロール500と、前記旋回スクロール500と共に圧縮室を形成する固定スクロール600とを含む。
【0007】
ここで、前記偏心ブッシュ400は、例えば、初期駆動時のような、液冷媒圧縮による前記旋回スクロール500と前記固定スクロール600の破損を防止するために、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間に回転遊びが存在するように形成される。すなわち、前記偏心ブッシュ400は、前記シャフト300の回転運動が直ちに前記偏心ブッシュ400に伝達されず、設計された回転遊びによって緩衝的に伝達されるように形成されて、スクロール圧縮機が正常作動時、
図3に示されるように、前記リセス部410と前記シャフト300とが同心をなす状態で前記シャフト300と共に回転するが、例えば、初期駆動時、
図4に示すように、前記シャフト300に対して相対回転運動して、前記偏心部420の旋回半径が調節された状態で前記シャフト300と共に回転する。
【0008】
しかし、このような従来のスクロール圧縮機においては、例えば、前記シャフト300の回転速度が減速されたり、前記シャフト300の回転が中断される場合、
図5に示すように、前記回転遊びによって、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300を打撃して衝撃音が発生し、これによって圧縮機の騒音振動が悪化する問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2019−105166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、初期駆動時、液冷媒圧縮によるスクロールの破損を防止するため、シャフトと偏心ブッシュとの間に回転遊びを設け、かつ、その回転遊びによるシャフトと偏心ブッシュとの間の衝撃音を防止できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の目的を達成するために、ケーシングと、前記ケーシングに回転可能に支持されるシャフトと、前記シャフトの一端部が挿入されるリセス部、前記シャフトに偏心する偏心部、および前記リセス部を基準として前記偏心部の反対側に配置されるバランスウェイトを有する偏心ブッシュと、前記偏心部に連動して旋回運動をする旋回スクロールと、前記旋回スクロールと共に圧縮室を形成する固定スクロールとを含み、前記ケーシングには、前記偏心ブッシュが旋回運動可能な旋回溝が形成され、前記旋回溝と前記バランスウェイトとの間には緩衝部材が介在し、前記リセス部の内周面と前記シャフトの一端部の外周面との間に回転遊びが存在するように形成され、前記回転遊びによって、前記リセス部の内周面と前記シャフトの一端部の外周面とが接触する前に、前記緩衝部材が前記バランスウェイトの外周面と前記旋回溝の内周面との間で圧縮されるように形成されるスクロール圧縮機を提供する。
【0012】
前記リセス部が前記シャフトの一端部と同心をなす位置に配置される時、前記シャフトの一端部の前記シャフトの軸に垂直な任意の平面上、前記リセス部の内周面と前記シャフトの一端部の外周面との間の間隙が一定であり、前記バランスウェイトの外周面と前記旋回溝の内周面との間の間隙が一定であるように形成される。
【0013】
前記緩衝部材は、前記旋回溝の内周面に装着され、前記バランスウェイトの外周面に接触可能に形成される。
【0014】
前記緩衝部材は、前記旋回溝の内周面に沿って延びる環状に形成される。
【0015】
前記リセス部が前記シャフトの一端部と同心をなす位置に配置される時、前記バランスウェイトの外周面と前記緩衝部材の内周面との間の間隙が一定であるように形成される。
【0016】
前記リセス部が前記シャフトの一端部と同心をなす位置に配置される時、前記バランスウェイトの外周面と前記緩衝部材の内周面との間の間隙が、前記リセス部の内周面と前記シャフトの一端部の外周面との間の間隙より狭く形成される。
【0017】
前記緩衝部材は、前記バランスウェイトの外周面に装着され、前記旋回溝の内周面に接触可能に形成される。
【0018】
前記バランスウェイトの外周面において円周方向上の一端部を第1端部とし、前記バランスウェイトの外周面において円周方向上の他端部を第2端部とすれば、前記緩衝部材は、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つから半径方向の外側に突出する突起形状に形成される。
【0019】
前記リセス部が前記シャフトの一端部と同心をなす位置に配置される時、前記緩衝部材の先端面と前記旋回溝の内周面との間の間隙が、前記リセス部の内周面と前記シャフトの一端部の外周面との間の間隙より狭く形成される。
【0020】
前記バランスウェイトの外周面には、前記バランスウェイトの外周面から陰刻の締結溝が形成され、前記緩衝部材は、前記緩衝部材の一端部が前記締結溝に挿入締結され、前記緩衝部材の他端部が前記締結溝の外部に突出して形成される。
【0021】
前記締結溝の内周面および前記緩衝部材の一端部の外周面の少なくとも1つには、前記緩衝部材が前記締結溝から離脱するのを防止する凹凸が形成される。
【0022】
前記締結溝の内周面には、雌ねじが形成され、前記緩衝部材の一端部の外周面には、前記雌ねじに噛み合う雄ねじが形成される。
【0023】
前記リセス部が前記シャフトの一端部と同心をなす位置に配置される時、前記バランスウェイトの外周面と前記旋回溝の内周面との間の間隙が、前記リセス部の内周面と前記シャフトの一端部の外周面との間の間隙と等しいか、広く形成される。
【0024】
前記緩衝部材は、前記バランスウェイトおよび前記旋回溝より硬度が低い材質で形成される。
【0025】
前記旋回溝の軸方向が重力方向と傾斜して形成され、前記旋回溝の重力方向上の底部にはオイルが貯油される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来のスクロール圧縮機を示す断面図である。
【
図2】
図1のスクロール圧縮機におけるシャフトおよび偏心ブッシュを示す分解斜視図である。
【
図3】
図1のスクロール圧縮機の正常作動時におけるシャフトと偏心ブッシュの位置関係を示す断面図である。
【
図4】
図3の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準として回転した状態を示す断面図である。
【
図5】
図4の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準としてさらに回転した状態を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図である。
【
図7】
図6のスクロール圧縮機におけるシャフト、偏心ブッシュ、ケーシングおよび緩衝部材を示す斜視図である。
【
図9】
図6のスクロール圧縮機の正常作動時におけるシャフト、偏心ブッシュ、ケーシングおよび緩衝部材の位置関係を示す断面図である。
【
図10】
図9の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準として回転した状態を示す断面図である。
【
図11】
図10の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準としてさらに回転した状態を示す断面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態に係るスクロール圧縮機におけるシャフト、偏心ブッシュ、ケーシングおよび緩衝部材を示す分解斜視図である。
【
図13】
図12のスクロール圧縮機の正常作動時におけるシャフト、偏心ブッシュ、ケーシングおよび緩衝部材の位置関係を示す断面図である。
【
図14】
図13の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準として回転した状態を示す断面図である。
【
図15】
図14の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準としてさらに回転した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るスクロール圧縮機を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機を示す断面図であり、
図7は、
図6のスクロール圧縮機におけるシャフト、偏心ブッシュ、ケーシングおよび緩衝部材を示す斜視図であり、
図8は、
図7の分解斜視図であり、
図9は、
図6のスクロール圧縮機の正常作動時におけるシャフト、偏心ブッシュ、ケーシングおよび緩衝部材の位置関係を示す断面図であり、
図10は、
図9の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準として回転した状態を示す断面図であり、
図11は、
図10の偏心ブッシュが回転遊びによってシャフトを基準としてさらに回転した状態を示す断面図である。
【0028】
添付した
図6〜
図11を参照すれば、本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機は、ケーシング100と、前記ケーシング100の内部に備えられ、回転力を発生させる駆動源200と、前記駆動源200によって回転するシャフト300と、前記シャフト300の回転運動を偏心回転運動に転換させる偏心ブッシュ400と、前記偏心ブッシュ400に連動して旋回運動をする旋回スクロール500と、前記旋回スクロール500と共に圧縮室を形成する固定スクロール600とを含む。
【0029】
前記ケーシング100は、前記旋回スクロール500を支持するメインフレーム110を含む。
【0030】
前記メインフレーム110には、前記シャフト300が貫通する軸受孔112が形成される。
【0031】
前記軸受孔112には、前記シャフト300を回転可能に支持するベアリングが形成される。
【0032】
そして、前記メインフレーム110には、前記偏心ブッシュ400が旋回運動可能な旋回溝114が形成される。
【0033】
前記旋回溝114は、前記旋回スクロール500に対向する前記メインフレーム110の一面に陰刻に形成され、前記軸受孔112に連通して形成される。
【0034】
そして、前記旋回溝114の内周面114aには、後述する緩衝部材900が挿入される緩衝部材支持溝116が形成される。
【0035】
前記駆動源200は、固定子210および回転子220を有するモータで形成される。ここで、前記駆動源200は、車両のエンジンと連動するディスクハブ組立体で形成されてもよい。
【0036】
前記シャフト300は、一方向に延びる円筒状に形成され、そのシャフト300の一端部310で前記偏心ブッシュ400と結合され、そのシャフト300の他端部320で前記回転子220と結合される。
【0037】
前記偏心ブッシュ400は、前記シャフト300の一端部310が挿入されるリセス部410と、前記リセス部410を基準として前記シャフト300の一端部310の反対側に突出し、前記シャフト300に偏心する偏心部420と、前記偏心ブッシュ400の全体的な回転バランスをとるために、前記リセス部410を基準として前記偏心部420の反対側に配置されるバランスウェイト430とを含むことができる。
【0038】
ここで、前記シャフト300と前記偏心ブッシュ400は、例えば、初期駆動時のような、液冷媒圧縮によるスクロールの破損を防止するために、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間に回転遊びが存在するように形成される。
【0039】
すなわち、前記シャフト300と前記偏心ブッシュ400は、前記シャフト300の回転軸から偏心した位置を基準として互いに相対回転運動可能に結合される。
【0040】
具体的には、前記シャフト300の一端部310は、円筒状に形成される。すなわち、前記シャフト300の一端部310の外周面312が、前記シャフト300の軸方向の位置に関係なく一定の外径を有するように形成される。
【0041】
そして、前記シャフト300の一端部310の先端面314には、前記シャフト300と前記偏心ブッシュ400とを締結させるための、ヒンジピン800の一端部が挿入されるヒンジピン一端部挿入溝316が形成される。
【0042】
前記ヒンジピン一端部挿入溝316は、前記ヒンジピン800の中心軸が前記シャフト300の回転軸に偏心した位置に配置されるように、前記ヒンジピン一端部挿入溝316の中心が前記シャフト300の回転軸から前記シャフト300の半径方向に離隔した位置に形成される。
【0043】
そして、前記ヒンジピン800は、前記シャフト300の軸方向と平行な方向に延びる円筒状に形成されるが、前記ヒンジピン一端部挿入溝316は、前記ヒンジピン800に対応するように、前記ヒンジピン800の外径と同等水準の内径を有する円筒状に陰刻に形成される。
【0044】
前記偏心ブッシュ400のリセス部410は、前記シャフト300の一端部310に対応して円筒状に陰刻に形成される。すなわち、前記リセス部410の内周面412が、前記リセス部410の軸方向の位置に関係なく一定の内径を有するように形成される。
【0045】
そして、前記リセス部410は、前記偏心ブッシュ400が前記ヒンジピン800を中心に前記シャフト300に対して相対回転可能に、前記リセス部410の内径が前記シャフト300の一端部310の外径より大きく形成される。すなわち、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1が零(0)より広く形成される。ここで、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1は、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312とが接触しないように予め決定された値以上に形成されるが、これについては後述する。
【0046】
そして、前記シャフト300の一端部310の先端面314に対向する前記リセス部410の基底面414には、前記ヒンジピン800の他端部が挿入されるヒンジピン他端部挿入溝416が形成される。
【0047】
前記ヒンジピン他端部挿入溝416は、前記ヒンジピン800の中心軸が前記リセス部410の中心軸に偏心した位置に配置されるように、前記ヒンジピン他端部挿入溝416の中心が前記リセス部410の中心軸から前記リセス部410の半径方向に離隔した位置に形成される。ここで、前記ヒンジピン他端部挿入溝416は、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300に対して一方向およびその反対方向に相対回転運動可能に、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時、前記ヒンジピン一端部挿入溝316に対向する位置に形成されることが好ましい。
【0048】
そして、前記ヒンジピン他端部挿入溝416は、前記ヒンジピン800に対応するように、前記ヒンジピン800の外径と同等水準の内径を有する円筒状に陰刻に形成される。
【0049】
一方、本実施形態に係るスクロール圧縮機は、例えば、前記シャフト300の回転が中断される場合、前記回転遊びによって、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300を打撃して衝撃音が発生するのを防止するように、前記旋回溝114と前記バランスウェイト430との間に緩衝部材900が介在し、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312とが接触する前に、前記緩衝部材900が前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間で圧縮されるように形成される。
【0050】
具体的には、前記緩衝部材900は、前記旋回溝114の内周面114aに沿って延びる環状に形成され、前記緩衝部材支持溝116に締結された状態で前記バランスウェイト430の外周面432に接触可能に形成され、例えば、PTFE、プラスチック、ゴムのような、前記バランスウェイト430をなす材質および前記旋回溝114をなす材質より硬度が低い材質で形成される。
【0051】
そして、前記緩衝部材900は、その緩衝部材900の内径が予め決定された範囲に収まるように形成される。
【0052】
さらに具体的には、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記シャフト300の一端部310に垂直な任意の平面上、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1が一定であり、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G2が一定であり、前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間の間隙G3が一定であるように形成されるが、この時、前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間の間隙G3が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1より狭く形成される。
【0053】
ここで、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G2、および前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間の間隙G3は、いずれも零(0)よりは広く形成される。
【0054】
一方、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記シャフト300の一端部310に垂直な任意の平面上、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G2が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1と等しいか、広く形成されるが、これに関する作用効果は後述する。
【0055】
以下、本実施形態に係るスクロール圧縮機の作用効果について説明する。
すなわち、前記駆動源200に電源が印加されると、前記シャフト300が前記回転子220と共に回転し、前記旋回スクロール500が前記偏心ブッシュ400を介して前記シャフト300に連動して旋回運動し、このような旋回スクロール500の旋回運動によって、冷媒は前記圧縮室に吸入され、その圧縮室で圧縮され、その圧縮室から吐出される一連の過程が繰り返される。
【0056】
ここで、本実施形態に係るスクロール圧縮機は、前記シャフト300と前記偏心ブッシュ400との間(さらに正確には、シャフト300の一端部310の外周面312とリセス部410の内周面412との間)に回転遊びが形成されることにより、スクロール圧縮機が正常作動時、
図9に示すように、前記リセス部410と前記シャフト300とが同心をなす状態で前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300と共に回転するが、例えば、初期駆動時のような、液冷媒が存在する場合、
図10に示すように、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300に対して相対回転運動して、前記偏心部420の旋回半径が調節された状態で前記シャフト300と共に回転することができる。すなわち、前記シャフト300の回転運動が直ちに前記偏心ブッシュ400に伝達されず、設計された回転遊びによって緩衝的に伝達される。これによって、液冷媒圧縮によるスクロールの破損が防止できる。
【0057】
また、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間に前記緩衝部材900が備えられ、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間の間隙G3が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1より狭く形成されることにより、シャフト300と偏心ブッシュ400との間の衝撃音が防止できる。すなわち、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300に対して
図10の状態よりさらに回転する場合、
図11に示すように、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312とが接触する前に、前記バランスウェイト430の外周面432が前記緩衝部材900の内周面910に先に接触し、前記緩衝部材900が前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間で圧縮され、前記リセス部410の内周面412が前記シャフト300の一端部310の外周面312を打撃することが防止できる。
【0058】
また、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G2が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1と等しいか、広く形成されることにより、前記偏心ブッシュ400が前記旋回溝114にロッキング(locking)されることが防止できる。すなわち、本実施形態とは異なり、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G2が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1より狭く形成される場合(例えば、旋回溝114の内周面114aが
図11の緩衝部材900の内周面910の位置に形成される場合)、前記バランスウェイト430の回転軌跡と前記旋回溝114とが互いに干渉するが、硬度が高い材質で形成されるバランスウェイト430と旋回溝114は変形しにくいので、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300に対して
図10の状態よりさらに回転すると、バランスウェイト430が旋回溝114にロッキングされうる。しかし、本実施形態の場合、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間の間隙G3が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1より狭く形成されて、前記バランスウェイト430の回転軌跡と前記緩衝部材900とが互いに干渉するが、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G2が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1と等しいか、広く形成されて、前記バランスウェイト430の回転軌跡と前記旋回溝114とが互いに干渉せず、前記緩衝部材900が前記バランスウェイト430をなす材質および前記旋回溝114をなす材質より硬度が低い材質で形成されることにより、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300に対して
図10の状態よりさらに回転すると、前記緩衝部材900が前記バランスウェイト430と前記旋回溝114との間で圧縮および復元されながら、前記バランスウェイト430が旋回溝114にロッキングされることが防止できる。
【0059】
また、前記シャフト300の軸方向が重力方向から傾斜して(好ましくは、垂直に近く)形成される場合には、前記旋回溝114の軸方向が重力方向から傾斜して(好ましくは、垂直に近く)形成され、前記旋回溝114の重力方向上の底部に圧縮機潤滑のためのオイルが貯油されることにより、衝撃音がさらに効果的に防止され、ロッキングがさらに効果的に防止されることが可能である。すなわち、前記偏心ブッシュ400が回転する時、前記旋回溝114に貯油されたオイルが前記バランスウェイト430の外周面432に付くようになり、前記バランスウェイト430の外周面432に付いたオイルは、前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間に油膜を形成し、前記油膜は、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300に対して
図10の状態よりさらに回転する場合、前記緩衝部材900と共に前記バランスウェイト430を支持して、前記シャフト300と前記偏心ブッシュ400との間の衝突をさらに効果的に防止することができる。それだけでなく、前記油膜は、前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間の衝撃を吸収して、前記バランスウェイト430と前記緩衝部材900との間の衝突騒音を低減することができる。そして、前記油膜は、前記バランスウェイト430の外周面432と前記緩衝部材900の内周面910との間を潤滑させて、前記バランスウェイト430のロッキングをさらに効果的に防止することができる。
【0060】
一方、本実施形態の場合、前記緩衝部材900は、前記旋回溝114の内周面114aに沿って延びる環状に形成されるが、これに限定されるものではない。
【0061】
すなわち、別途に示さないが、前記緩衝部材900は、複数備えられ、前記複数の緩衝部材900が前記旋回溝114の内周面114aに沿って等間隔に配列されてもよい。
【0062】
しかし、前記偏心ブッシュ400が前記シャフト300に連動して回転することにより、前記バランスウェイト430の外周面432が前記旋回溝114の内周面114aのどの部位とも近くなり、前記バランスウェイト430の外周面432が前記複数の緩衝部材900の間を介して前記旋回溝114の内周面114aに衝突しうることから、これを防止するために、本実施形態のように、前記緩衝部材900は、環状に形成されることが好ましい。
【0063】
また、本実施形態の場合、前記緩衝部材900は、前記旋回溝114の内周面114aに装着され、前記バランスウェイト430の外周面432に接触可能に形成されるが、
図12〜
図15に示すように、前記緩衝部材900は、前記バランスウェイト430の外周面432に装着され、前記旋回溝114の内周面114aに接触可能に形成されてもよい。
【0064】
具体的には、前記バランスウェイト430の外周面432において円周方向上の一端部を第1端部とし、前記バランスウェイト430の外周面432において円周方向上の他端部を第2端部とすれば、前記緩衝部材900は、前記第1端部または前記第2端部から前記偏心ブッシュ400の回転半径方向の外側に突出する突起形状に形成される。
【0065】
ここで、前記バランスウェイト430の外周面432には、そのバランスウェイト430の外周面432から陰刻の緩衝部材締結溝434が形成され、前記緩衝部材900は、その緩衝部材900の一端部が前記緩衝部材締結溝434に挿入締結され、その緩衝部材900の他端部が前記締結溝の外部に突出して形成される。
【0066】
そして、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の衝突が防止されるように、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記緩衝部材900の先端面920と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G4が零(0)より広く、かつ、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1より狭く形成される。
【0067】
そして、この場合も、前記バランスウェイト430が前記旋回溝114にロッキングされることが防止されるように、前記リセス部410が前記シャフト300の一端部310と同心をなす位置に配置される時を基準として、前記バランスウェイト430の外周面432と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G2が、前記リセス部410の内周面412と前記シャフト300の一端部310の外周面312との間の間隙G1と等しいいか、広く形成される。
【0068】
この場合、その作用効果は、
図13〜
図15に示すように、前述した実施形態と大同小異であり得る。
【0069】
ただし、この場合、前記緩衝部材900を形成するのに費やされる製造コストおよびスクロール圧縮機の重量が低減できる。
【0070】
一方、
図12〜
図15に示した実施形態の場合、突起形状の緩衝部材900が前記バランスウェイト430の第1端部または第2端部に形成されるが、この場合、偏心ブッシュ400の回転バランシングに悪影響を及ぼしうる。これを考慮して、別途に示さないが、突起形状の緩衝部材900が複数となり、前記複数の緩衝部材900が前記バランスウェイト430の第1端部および第2端部に互いに対称となるように形成される。
【0071】
一方、前記緩衝部材締結溝434および前記緩衝部材900の一端部が互いに圧入締結されて前記緩衝部材900が前記緩衝部材締結溝434から離脱することが防止されるように、前記緩衝部材締結溝434および前記緩衝部材900の一端部がそれぞれ円筒状に形成され、かつ、前記緩衝部材締結溝434の内径が前記緩衝部材900の一端部の外径より小さく形成される。
【0072】
ただし、前記緩衝部材900が前記緩衝部材締結溝434に容易に挿入されながら、前記緩衝部材900が前記緩衝部材締結溝434から離脱するのを効果的に防止するように、
図12〜
図15に示した実施形態のように、前記緩衝部材締結溝434の内径が前記緩衝部材900の一端部の外径と同等水準に形成されながら、前記締結溝の内周面および前記緩衝部材900の一端部の外周面の少なくとも1つに凹凸(U)が形成されることが好ましい。
【0073】
一方、
図12〜
図15に示した実施形態の場合、前記凹凸(U)は、前記緩衝部材締結溝434の内周面から突出する突起、および前記緩衝部材900の一端部の外周面から陰刻に形成され、前記突起が挿入されるグルーブに形成されるが、これに限定されるものではない。
【0074】
すなわち、例えば、別途に示さないが、前記緩衝部材締結溝434の内周面には、雌ねじが形成され、前記緩衝部材900の一端部の外周面には、前記雌ねじに噛み合う雄ねじが形成される。この場合、前記緩衝部材900の取替が容易なだけでなく、前記緩衝部材900の一端部が前記緩衝部材締結溝434にねじ結合される時、前記緩衝部材900の回転程度に応じて、前記緩衝部材900の先端面920と前記旋回溝114の内周面114aとの間の間隙G4が必要に応じて調節可能である。
【符号の説明】
【0075】
100 ケーシング
110 メインフレーム
112 軸受孔
114 旋回溝
114a 旋回溝の内周面
116 緩衝部材支持溝
200 駆動源
210 固定子
220 回転子
300 シャフト
310 シャフトの一端部
312 シャフトの一端部の外周面
314 先端面
316 ヒンジピン一端部挿入溝
320 シャフトの他端部
400 偏心ブッシュ
410 リセス部
412 リセス部の内周面
414 基底面
416 ヒンジピン他端部挿入溝
420 偏心部
430 バランスウェイト
432 バランスウェイトの外周面
434 緩衝部材締結溝
500 旋回スクロール
600 固定スクロール
800 ヒンジピン
900 緩衝部材
910 緩衝部材の内周面
920 緩衝部材の先端面
G1 リセス部の内周面とシャフトの一端部の外周面との間の間隙
G2 バランスウェイトの外周面と旋回溝の内周面との間の間隙
G3 バランスウェイトの外周面と緩衝部材の内周面との間の間隙
G4 緩衝部材の先端面と旋回溝の内周面との間の間隙