(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記制御部は、上記センサが被検知物を検知している間に上記第1の吐水を行い、上記センサが被検知物を検知しなくなると、上記第1の吐水を停止して、この後に上記第2の吐水を所定期間行うように、上記第1の吐水と上記第2の吐水とを切り替える制御を行う、請求項1乃至7の何れか1項に記載の自動水栓装置。
上記制御部は、上記センサが被検知物を検知しなくなり、上記第1の吐水を停止した後、上記センサが被検知物を検知しない状態が所定時間継続したときに、上記第2の吐水を行う、請求項1乃至12の何れか1項に記載の自動水栓装置。
上記制御部は、上記第1の吐水を停止した後において、上記所定時間が経過するまでの間に、上記センサが被検知物を検知した場合、上記第2の吐水を行わずに、上記第1の吐水を行う、請求項13に記載の自動水栓装置。
上記制御部は、上記第2の吐水を行っている間に、上記センサが被検知物を検知した場合、上記第2の吐水を停止して、上記第1の吐水を行う、請求項1乃至14の何れか1項に記載の自動水栓装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による自動水栓装置を説明する。
【0027】
<全体構成>
まず、
図1は、本発明の実施形態による自動水栓装置を適用した手洗器を斜め上方から見た斜視図である。
図1に示すように、手洗器5は、主に、人体などの被検知物の検知状態に応じて吐水と吐水の停止とを自動で行う自動水栓装置1と、この自動水栓装置1から吐水された水を受け止め、図示しない排水口から排水するボウル3と、を有する。
【0028】
<自動水栓装置の構成>
次に、
図2乃至
図6を参照して、本発明の実施形態による自動水栓装置の詳細について説明する。
【0029】
図2は、本発明の実施形態による自動水栓装置の構成を具体的に説明するための図である。
図2(A)は、本発明の実施形態による自動水栓装置を斜め下方から見た斜視図であり、
図2(B)は、この自動水栓装置を
図2(A)中のIIB−IIB線に沿って見た断面図である。ここでは、本実施形態による自動水栓装置1の吐水部付近の構成について主に説明する。
【0030】
図2(A)に示すように、自動水栓装置1は、湾曲した管状部材である吐水管11を有する。この吐水管11の先端部には、
図2(A)及び
図2(B)に示すように、第1の吐水口12aから泡沫吐水を行うように構成された第1の吐水部12と、第2の吐水口13aから噴霧吐水(言い換えるとミスト吐水)を行うように構成された、ノズル状の第2の吐水部13と、被検知物を検知する、赤外線などを利用したセンサ14と、光を照射するLED(Light Emitting Diode)15と、が配設されている。具体的には、吐水管11の先端部には、上から下に向かって、センサ14、第1の吐水口12a、LED15、第2の吐水口13aの順に、これらが配設されている。また、吐水管11の内部には、第1の吐水部12に接続されており、第1の吐水部12に対して水を供給する第1の流路17と、第2の吐水部13に接続されており、第2の吐水部13に対して水(後述する電解水も含む)を供給する第2の流路18と、が配設されている。
【0031】
ここで、第1の吐水部12は、泡沫吐水として、フィルタにより空気を混ぜて、吐出させる水流に泡を含ませた泡沫状の吐水を行う。この第1の吐水部12による泡沫吐水は、本発明における「第1の吐水形態」に相当する。他方で、第2の吐水部13は、噴霧吐水として、第2の吐水口13aから所定角度をもって水が広がっていくような、言い換えると第2の吐水口13aの断面積(径)よりも広い範囲に水が広がっていくような、霧状の吐水を行う。この第2の吐水部13による噴霧吐水は、本発明における「第2の吐水形態」に相当する。また、第2の吐水部13は、第1の吐水部12よりも少ない流量で噴霧吐水すると共に、第1の吐水部12よりも速い流速で噴霧吐水する。1つの例では、第1の吐水部12は、毎分2リットルで水を泡沫吐水し、第2の吐水部13は、毎分0.3リットルで水を噴霧吐水する。
【0032】
次に、
図3を参照して、本実施形態による第2の吐水部13の噴霧吐水の原理について説明する。
図3は、水の流れ方向に沿って見た、第2の吐水部13の縦断面図である。
【0033】
図3に示すように、第2の吐水部13においては、上端部に設けられた流入口13bから流入した水によって、内部流路13d内に直進流(矢印A11参照)が生じると共に、内部流路13dの上端部の外周面に形成されたスリット部13cから流入した水によって、内部流路13d内に旋回流(矢印A12参照)が生じる。このような直進流と旋回流との相乗効果によって、内部流路13dの下端部の1つの第2の吐水口13aから、フルコーン状に噴霧吐水が行われる。具体的には、第2の吐水口13aの断面積(径)よりも大きな範囲に広がって水が吐出される。この場合、第2の吐水口13aから吐出角度θにて水が広がって吐出される。上記した第1の吐水部12による泡沫吐水では、第1の吐水口12aの断面積(径)とほぼ同じ範囲にて水が吐出されるため、第2の吐水部13の第2の吐水口13aからの吐出角度θは、第1の吐水部12の第1の吐水口12aからの吐出角度よりも大きい。
【0034】
次に、
図4を参照して、本実施形態による第2の吐水部13の吐水範囲とLED15の照射範囲との関係について説明する。
図4は、
図2(B)と同様の、本実施形態による自動水栓装置1の断面図である。
【0035】
図4に示すように、本実施形態では、第2の吐水部13によって噴霧吐水された水の吐水範囲R11をLED15からの光によって利用者に知らせるために、LED15による光の照射範囲R12が、第2の吐水部13による吐水範囲R11とほぼ一致するように、LED15の設置角度やLED15の照射範囲を設定している。例えば、LED15の中心軸線が第2の吐水部13の中心軸線とほぼ平行になるように、LED15が配設されている。
【0036】
次に、
図5を参照して、本実施形態による第1の吐水部12と第2の吐水部13とセンサ14との配置関係について説明する。
図5は、
図2(B)と同様の、本実施形態による自動水栓装置1の断面図である。
【0037】
図5に示すように、本実施形態では、第2の吐水部13の第2の吐水口13aが、第1の吐水部12の第1の吐水口12aよりも後方側に配設され、第1の吐水口12aからの水垂れが第2の吐水口13aにかからないようにしている。この場合、第2の吐水部13の第2の吐水口13aは、当該第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が第1の吐水部12の第1の吐水口12aにかからないようにも配設されている。加えて、第2の吐水部13の第2の吐水口13aは、ボウル3の排水口付近(
図5では図示せず)に向かって噴霧吐水するように配設されている。また、本実施形態では、人がそれほど奥にまで手を伸ばさなくてもセンサ14によって手が適切に検知されるように、センサ14が、第2の吐水部13の第2の吐水口13aよりも前方側に配設されている。言い換えると、第2の吐水口13aがセンサ14よりも後方側に配設されている。こうすることで、第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が利用者の腕や体などの濡らしたくない部分にかかりにくくなる。
【0038】
更に、本実施形態では、センサ14が第2の吐水部13の第2の吐水口13aから噴霧吐水された水を検知しないような、センサ14と第2の吐水部13との向きの関係を採用している。具体的には、センサ14の検知精度が、センサ14から離れていくほど低下するので、センサ14における被検知物の検知に関する検知方向A23に対応する指向範囲R13(センサ14の検知範囲を含む範囲であり、詳しくは検知範囲を前方に延長した範囲に相当する)が、第2の吐水部13の吐水範囲R11と前方側の離れた位置で交わるような、センサ14と第2の吐水部13との向きの関係を採用している。詳しくは、センサ14の検知方向A23が第2の吐水部13の吐水方向A22から離れていく方向に向くように、センサ14が配設されている。言い換えると、センサ14の検知方向A23に沿ったラインL13(典型的にはセンサ14の中心軸線に相当する)が、第2の吐水部13の第2の吐水口13aの中心から鉛直方向に延びるラインL12(典型的には第2の吐水部13の中心軸線に相当する)と前方側で交わらないように、センサ14が配設されている。
【0039】
更に、本実施形態では、第2の吐水部13の第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が利用者にかかりにくいような、第1の吐水部12と第2の吐水部13との向きの関係を採用している。具体的には、第1の吐水部12の吐水方向A21と第2の吐水部13の吐水方向A22とが互いに離れていく方向に向くように、第1の吐水部12及び第2の吐水部13のそれぞれが配設されている。言い換えると、第1の吐水部12の第1の吐水口12aの中心から鉛直方向に延びるラインL11(典型的には第1の吐水部12の中心軸線に相当する)と、第2の吐水部13の第2の吐水口13aの中心から鉛直方向に延びるラインL12(典型的には第2の吐水部13の中心軸線に相当する)とが前方側で交わらないように、第1の吐水部12及び第2の吐水部13のそれぞれが配設されている。
【0040】
次に、
図6を参照して、本発明の実施形態による自動水栓装置の機能構成について説明する。
図6は、本発明の実施形態による自動水栓装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【0041】
図6に示すように、本実施形態による自動水栓装置1は、上記した第1の流路17及び第2の流路18(
図2等参照)の両方の上流側に共通流路21が接続されている。この共通流路21には、一般的な水道水(都市水)などの通常の水(本明細書では、この水を電解水と区別するために適宜「通常水」と表記する。)が供給される。共通流路21上には、上流側から順に、共通流路21における通常水の流通を遮断するための止水栓22、通常水に混ざり込んだ異物などを取り除くフィルタ23、二次側の流量を一定に保つ定流量弁24が設けられており、共通流路21の下流端において第1の流路17と第2の流路18とに分岐している。
【0042】
第1の流路17には、開閉することにより、当該第1の流路17における通常水の流通と遮断とを切り替える第1の電磁弁25が設けられている。この第1の電磁弁25が開弁している場合には、第1の流路17に通常水が流れて、第1の流路17の下流端に接続された第1の吐水部12から通常水が泡沫吐水される。
【0043】
他方で、第2の流路18には、上流側から順に、第2の電磁弁28、調圧弁29、安全弁30、逆止弁35、電解槽37が設けられている。第2の電磁弁28は、開閉することにより、第2の流路18における通常水の流通と遮断とを切り替える。この第2の電磁弁28が開弁している場合には、第2の流路18に通常水が流れて、第2の流路18の下流端に接続された第2の吐水部13から噴霧吐水が行われる。調圧弁29は、水圧を所望の圧力(噴霧吐水を行うのに適した圧力)に調節する弁である。安全弁30は、第2の流路18内の圧力が所定圧以上となった場合(例えば第2の吐水口13aが塞がれて第2の流路18の圧力が急上昇した場合)に開弁し、第2の流路18内の水をバイパス流路31を介して第1の流路17に流して、第2の流路18内の圧力を減圧させる弁である。逆止弁35は、水の逆流を防止する弁である。電解槽37は、通電されることにより、通常水を電気分解して電解水を生成する(この電解槽37は本発明における「機能水生成部」に相当する)。なお、電解槽37の下流側に、フィルタを更に設けてもよい。
【0044】
また、自動水栓装置1は、自動水栓装置1内の構成部を制御するコントローラ40を更に有する(このコントローラ40は本発明における「制御部」に相当する)。コントローラ40は、AC電源39からの電力によって作動すると共に、AC電源39の電力を、センサ14、LED15、第1の電磁弁25、第2の電磁弁28、及び電解槽37のそれぞれに供給する制御を行う。具体的には、コントローラ40は、センサ14による被検知物の検知状態を示すセンサ信号を取得し、このセンサ信号に基づいて、LED15のオン/オフを切り替える制御、第1の電磁弁25の開閉を切り替える制御、第2の電磁弁28の開閉を切り替える制御、及び、電解槽37による電解水の生成の実行/停止を切り替える制御を行う。
【0045】
ここで、電解槽37によって生成される電解水について説明する。
【0046】
本実施形態で用いる電解水としては、電気分解によって得られる除菌機能を有する水であれば何でもよい。電解水の代表的なものとして次亜塩素酸を含有する電解水が挙げられる。一般に上水又は中水は塩素イオンを含有するため、電気分解により遊離塩素が生成される。遊離塩素は、酸性では次亜塩素酸(HClO)として存在し、この形態ではアルカリ性での存在形態である次亜塩素酸イオン(ClO
-)と比較して約10倍殺菌力が強い。また、中性でもその中間程度の強力な殺菌力が得られる。従って、連続式電気分解槽で電気分解された水は、強力な殺菌力を有する殺菌水となっている。
【0047】
上述したように一般的に利用されている上水又は中水は塩素イオンを含有しているが、塩素イオン濃度が低い地域で利用する場合や、強力な殺菌作用が必要な場合には、食塩などの塩化物を添加することで塩素イオンを補うことができる。
【0048】
塩素発生に用いられる電極としては、導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものか、塩素発生用触媒からなる導電性材料が利用される。塩素発生用触媒の種類により、例えば、フェライト等の鉄系電極、パラジウム系電極、ルテニウム系電極、イリジウム系電極、白金系電極、ルテニウム−スズ系電極、パラジウム−白金系電極、イリジウム−白金系電極、ルテニウム−白金系電極、イリジウム−白金−タンタル系電極等がある。導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものは、構造を担う基材部を安価なチタン、ステンレス等の材料で構成できるので、製造コスト上有利である。
【0049】
塩素以外に、ハロゲンイオンを含有する水を電気分解することによって得られる次亜ハロゲン酸であってもよい。
【0050】
その他の電解水としては、電極として銀を利用することで得られる銀イオン水を挙げることができる。銀イオンは、細菌の細胞膜にある酵素に吸着し、酵素の作用を阻害するため、細菌が生命維持できなくなると言われている。接触する基材表面をコートする作用もあり、細菌が基材表面で繁殖しにくくなる。銀イオンは基材表面をコートして、細菌の付着を防ぐことができ、かつ殺菌力を有しているため、基材表面での細菌の増殖を効果的に抑制できる。その際、排水トラップの置換率を高める洗浄方法と組み合わせることで、長期間、排水口のぬめりや匂いを抑制することが可能となる。
【0051】
その他、特に電気分解用の電極として二酸化鉛(β型)を用いることにより陽極側で酸素の発生と共に高濃度のオゾンを発生させるオゾン水など、様々な種類の電解水を好適に用いることが可能である。
【0052】
更に、電解水以外の除菌水としては、各種の除菌成分を溶解させた水溶液が挙げられる。溶解される除菌成分としては、固体、液体、気体の何れを用いてもよい。液体の除菌成分を用いる場合には、例えば、エタノールや、イソプロパノールなどのアルコール類や、過酸化水素などを適用すればよい。また、気体の除菌成分を用いる場合には、例えば、オゾンを微細気泡として水中に溶解させることでオゾン水を作り出せばよい。また、固体の除菌成分を用いる場合には、例えば次亜塩素酸ナトリウムなどを適用すればよい。
【0053】
以上述べたような種々の除菌水は、本発明における「機能水」に相当するものである。ここで、本明細書においては、「除菌」の文言は、菌を減らす意味だけでなく(この場合、菌を除去して減らす意味だけなく、菌を殺して減らす意味も含まれる)、菌を減らさないまでも菌の増殖を抑制する意味も含む広義の概念として用いている。本発明における「機能水」は、このような意味での除菌機能を、所定の処理によって通常の水に対して付加した水を意味するものとする。
なお、本実施形態においては、本発明における機能水として電解水を用いる例を挙げて説明するが、電解水の代わりに、電解水以外の上記したような除菌水を用いてもよいことは言うまでもない。
【0054】
<コントローラによる制御>
次に、本発明の実施形態においてコントローラ40によって実行される制御について具体的に説明する。
【0055】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態においてコントローラ40が行う制御について説明する。
【0056】
図7は、本発明の第1実施形態による基本制御を示すタイムチャートである。
図7は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号、コントローラ40から電解槽37に供給された駆動信号、コントローラ40からLED15に供給された駆動信号を示している。
センサ信号は、センサ14が被検知物を検知している場合にオンとなり、センサ14が被検知物を検知していない場合にはオフとなる(以下では、センサ信号がオンである、センサ14が被検知物を検知している状態を「検知状態」と呼び、センサ信号がオフである、センサ14が被検知物を検知していない状態を「非検知状態」と呼ぶ)。また、第2の電磁弁28の駆動信号は、第2の電磁弁28の開閉の状態に相当し、第1の電磁弁25の駆動信号は、第1の電磁弁25の開閉の状態に相当し、電解槽37の駆動信号は、電解槽37のオン/オフ(言い換えると電解槽37の作動/非作動の状態)に相当し、LED15の駆動信号は、LED15のオン/オフの状態に相当する。
【0057】
まず、時刻t11で、センサ信号がオフからオンに切り替わる、つまりセンサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わる。この際に、コントローラ40は、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から通常水を泡沫吐水させる。この泡沫吐水は、利用者の手などを洗うための吐水である。以下では、このような目的で行う吐水を適宜「手洗用吐水」と呼ぶ(なお、当該吐水は、手を洗う目的だけでなく、洗顔したり、ボウル3に貯水したり、歯ブラシなどを洗ったりするなどの種々の目的で用いられるが、後述するアフター吐水と区別する便宜上、手洗を代表して適用して「手洗用吐水」の文言を用いている)。そして、時刻t12において、センサ信号がオンからオフに切り替わる、つまりセンサ14が検知状態から非検知状態へと切り替わる。この際に、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を停止して第1の電磁弁25を閉弁し、第1の吐水部12からの泡沫吐水を終了する、つまり手洗用吐水を終了する。
【0058】
この後、手洗用吐水としての泡沫吐水を終了した時刻t12から、センサ14の非検知状態が所定時間T1継続すると、コントローラ40は、第2の吐水部13から噴霧吐水を行わせる。この噴霧吐水は、上記した手洗用吐水を用いた手洗によって流れ出た汚れが、手洗器5のボウル3などに付着した状態で乾燥して固着することで除去しにくくなることを防止するために行っている(以下ではこのような目的で行う吐水を、手洗用吐水の後に実施する吐水として適宜「アフター吐水」と呼ぶ)。つまり、手洗用吐水が終了してから所定時間T1経過後に、アフター吐水として噴霧吐水を行って、手洗用吐水による汚れが乾燥して固着する前に汚れを洗い流すようにしている。そういった観点より、当該所定時間T1は、手洗用吐水による汚れが乾燥して固着するまでの時間に基づき設定される。例えば、所定時間T1は3秒に設定される。
【0059】
具体的には、コントローラ40は、まず、時刻t13において、LED15をオンにし、第2の吐水部13による噴霧吐水の吐水範囲R11をLED15の光で照射することで(
図4参照)、これから噴霧吐水が行われることを利用者に報知する。そして、コントローラ40は、時刻t13の直後の時刻t14(手洗用吐水を終了した時刻t12から所定時間T1経過後の時刻に対応する)において、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、この時刻t14の直後の時刻t15において、電解槽37に通電して、電解槽37において電解水を生成させることで、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を行う。このように、第2の電磁弁28の通電と電解槽37の通電とを同時に行わずに、第2の電磁弁28の通電開始後に電解槽37への通電を開始しているのは、第2の電磁弁28を閉から開に切り替えるタイミングで大きく電力を消費するので、この切り替えのタイミングでは電解槽37に通電しないようにし、電力が安定している間に電解槽37に通電しようとしたものである。
【0060】
この後、第2の電磁弁28を開弁した時刻t14から所定時間T3(例えば1.9秒)が経過した時刻t16において、コントローラ40は、電解槽37への通電を停止して、電解槽37での電解水の生成を終了する。この際には、第2の電磁弁28は未だ開弁しているので、第2の吐水部13からの噴霧吐水が継続して行われる。そして、時刻t16の後の時刻t17において、具体的には第2の電磁弁28を開弁した時刻t14から所定時間T2(例えば3.5秒)が経過した時刻t17において、コントローラ40は、LED15をオフにしてLED15からの光の照射を終了すると共に、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁することで、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりアフター吐水を終了する。
【0061】
ここで、電解槽37の寿命(耐久年数)を長くすることを図り、上述したアフター吐水に関する制御を行うとよい。
【0062】
1つの例では、コントローラ40は、手洗用吐水を行う度にアフター吐水を行わずに、手洗用吐水を所定回数行う毎にアフター吐水を行う。具体的には、コントローラ40は、手洗用吐水を行った回数をカウントし、カウントした回数が所定回数に達していない間にはアフター吐水を行わず、カウントした回数が所定回数に達したときにアフター吐水を行い、この際にカウントした回数をリセットして、手洗用吐水を行った回数を再びカウントしていく。この場合には、コントローラ40は、アフター吐水を行うときに電解水を適用するものとする。
【0063】
他の例では、コントローラ40は、手洗用吐水を行う度にアフター吐水を行うが、電解水を適用したアフター吐水と、電解水を適用しないアフター吐水(つまり通常水を適用したアフター吐水)とを適宜切り替えて行う。この場合、コントローラ40は、アフター吐水を所定回数行う毎に電解水を適用する。具体的には、コントローラ40は、アフター吐水を行った回数をカウントし、カウントした回数が所定回数に達していない間には、電解槽37に通電しないことで、通常水を適用したアフター吐水を行い、カウントした回数が所定回数に達したときに、電解槽37に通電することで、電解水を適用したアフター吐水を行い、この際にカウントした回数をリセットして、アフター吐水を行った回数を再びカウントしていく。
【0064】
更に他の例では、コントローラ40は、手洗用吐水を行う度にアフター吐水を行うが、電解槽37の通電時間を変化させてアフター吐水を行う。つまり、コントローラ40は、アフター吐水を行う場合に、適用する電解水の濃度を変化させる。具体的には、コントローラ40は、自動水栓装置1の使用頻度を学習し、この使用頻度に基づいて電解槽37の通電時間を調整する。詳しくは、コントローラ40は、学習した使用頻度が多いほど、電解槽37の通電時間を短くする、言い換えると、学習した使用頻度が少ないほど、電解槽37の通電時間を長くする。
【0065】
なお、上記では、電解槽37の寿命(耐久年数)を考慮して行うアフター吐水に関する制御について述べたが、このような制御を行うことに限定はされず、手洗器5のボウル3を清潔に保つことを優先して、アフター吐水に関する制御を行ってもよい。この場合、手洗器5のボウル3が汚れるのは利用者が手を洗った後であるため、コントローラ40は、手洗用吐水を行う度に、電解水を適用したアフター吐水を行うのがよい。
【0066】
次に、
図8を参照して、アフター吐水を行う期間(
図7において符号T2を付した期間)における初期の期間(
図7において符号T3を付した期間)のみにおいて電解水を生成し、この後の期間では電解水を生成せずに通常水を流す理由について説明する。
図8は、電解槽37の上流側の第2の流路18と第2の吐水部13とを模式的に示しており、アフター吐水を行う期間における第2の流路18内の水の状態を左から右へと時系列的に示している。
図8では、第2の流路18内の通常水と電解水とを異なる態様で示している。
【0067】
まず、アフター吐水の開始時に、コントローラ40は、第2の電磁弁28を閉から開に切り替えて、電解槽37への通電を開始するが、この際には第2の流路18内が通常水で充填されているため、第2の吐水部13から通常水が吐水される(
図8(A)参照)。この後、電解槽37で生成された電解水が第2の流路18を下流側に流れていき(
図8(B)参照)、電解水が第2の流路18の下流端に到達すると、つまり第2の吐水部13に到達すると(この際に第2の流路18内が電解水で充填された状態となる)、第2の吐水部13から電解水が吐水され始める(
図8(C)参照)。この後、コントローラ40は、第2の電磁弁28を開に維持した状態で、電解槽37への通電を停止して、電解槽37での電解水の生成を停止する。そうすると、第2の流路18に通常水が供給されて、第2の流路18内の電解水が押し出されることにより、第2の吐水部13から電解水が吐水されて、第2の流路18内の電解水が通常水にて徐々に置き換わっていく(
図8(D)参照)。そして、最終的に、第2の流路18内の電解水がほとんど無くなり、第2の流路18内が通常水で充填される(
図8(E)参照)。この際に、コントローラ40は、第2の電磁弁28を開から閉に切り替えて、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりアフター吐水を終了する。
【0068】
このようにして、本実施形態では、電解水を用いたアフター吐水の終了時に、第2の流路18内が通常水で充填された状態になっているようにする。こうすることで、第2の流路18内に電解水が滞留することに因る、第2の流路18などの腐食(劣化)を抑制するようにしている。この場合、コントローラ40は、電解槽37への通電を停止した後、第2の流路18の容積(第2の吐水部13を含めた容積を用いてもよい)と同量の通常水又はそれよりも多い量の通常水が第2の流路18を流れるのに要する時間だけ、第2の電磁弁28を開に維持して第2の流路18に通常水を供給することで、アフター吐水の終了時に第2の流路18内が通常水で充填された状態を作り出す。
【0069】
1つの例では、第2の流路18の容積が8ccであり、第2の流路18における流量が毎秒5ccである場合には、第2の流路18内を通常水で充填するのに1.6秒要するので、コントローラ40は、電解槽37への通電を停止した後、1.6秒間、第2の電磁弁28を開に維持して、第2の流路18に通常水を供給する。この例において、アフター吐水を3.5秒間(
図7に示した所定時間T2に相当する)行うこととした場合には、コントローラ40は、最初の1.9秒間(
図7に示した所定時間T3に相当する)、第2の電磁弁28を開にした状態で電解槽37に通電し、その後の1.6秒間、電解槽37への通電を停止した状態で第2の電磁弁28を開に維持する。そうした場合、最初の1.6秒間、通常水が吐水され、その後の1.9秒間、電解水が吐水されることとなる。
【0070】
上述した例において、1.6秒は、電解槽37への通電を停止してから第2の流路18内を通常水で充填するのに要する最低限の時間であるが、この1.6秒間、第2の電磁弁28を開に維持して第2の流路18に通常水を供給することに限定はされず、1.6秒よりも長い時間、第2の電磁弁28を開に維持して第2の流路18に通常水を供給してもよい。こうすることは、第2の流路18の容積よりも多い量の通常水を第2の流路18に供給することに相当する。そうした場合、電解水が吐水された後に通常水がしばらく吐水されることとなり、手洗器5のボウル3などに吐水された電解水を通常水によって流すことができ、ボウル3や目皿などへの電解水の影響を抑制することが可能となる。
【0071】
なお、上述した例では、アフター吐水において、第2の吐水部13から電解水を吐水させた後に、電解槽37への通電を停止して、第2の流路18への電解水の供給を停止し、第2の流路18へ通常水を供給していたが、他の例では、第2の吐水部13から電解水を吐水させた後に、電解槽37の通電を停止せずに、電解槽37の通電電力(電流又は電圧を意味するものとする。)を低下させて、通常水ではなく、濃度が低い電解水を第2の流路18に供給してもよい。
この場合、コントローラ40は、最初に、第1の通電電力を電解槽37に印加することで、電解槽37において第1の濃度の電解水を生成させて、この第1の濃度の電解水を、第2の流路18を介して第2の吐水部13から吐水させ、この後に、第1の通電電力よりも低い第2の通電電力を電解槽37に印加することで、電解槽37において第1の濃度よりも低い第2の濃度の電解水を生成させて、この第2の濃度の電解水を第2の流路18に供給する。例えば、第1の濃度の電解水としては、十分な除菌機能を有する濃度の電解水が適用され、第2の濃度の電解水としては、第2の流路18などに与える影響がかなり小さい濃度の電解水(好適には第2の流路18内に充填された第1の濃度の電解水を十分に薄めることができる濃度の電解水)が適用される。なお、電解槽37に印加する第2の通電電力を0にすると、電解槽37への通電が停止されて、第2の濃度が0になり、上述した例のように、通常水が第2の流路18に供給されることとなる。
このような他の例によっても、比較的高い第1の濃度の電解水の吐水後に、比較的低い第2の濃度の電解水を第2の流路18に供給するので、この第2の濃度の電解水によって第2の流路18内の電解水の濃度を薄めることができ、電解水に因る第2の流路18などの腐食(劣化)を抑制することができる。
【0072】
次に、
図9乃至
図11を参照して、本発明の第1実施形態における、上述した基本制御(
図7参照)を基本にして行われる他の制御例について説明する。
【0073】
図9は、本発明の第1実施形態による第1制御例を示すタイムチャートである。
図9は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号を示している。
ここでは、上述した基本制御と同様の制御については、その説明を適宜省略するものとする。具体的には、時刻t21から時刻t22までの制御、及び時刻t24以降の制御については、基本制御と同様であるため、その説明を省略し、時刻t22から時刻t24までの制御についてのみ説明する。
【0074】
上述した基本制御は、手洗用吐水を実行してから所定時間T1が経過したときにアフター吐水を実行するものであったが、第1制御例は、手洗用吐水を実行してから所定時間T1が経過するまでの間に、センサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わった場合に行われる制御に関する。具体的には、第1制御例では、手洗用吐水を終了した時刻t22の後、所定時間T1が経過する前の時刻t23において、センサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わることで、コントローラ40は、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から泡沫吐水させる。この場合、コントローラ40は、センサ14の検知状態が継続する時刻t23から時刻t24までの間、第1の電磁弁25を開弁状態に維持して、第1の吐水部12による泡沫吐水を行う、つまり手洗用吐水を行う。
【0075】
このように、第1制御例では、手洗用吐水の実行後においてアフター吐水を行うまでの期間内にセンサ14が検知状態となった場合に、第2の吐水部13による噴霧吐水を行わずに、第1の吐水部12による泡沫吐水を行う。こうすることで、手洗用吐水の実行後においてセンサ14が一時的な非検知状態から検知状態へと切り替わった場合(例えば利用者が手洗中にセンサ14の検知範囲外に一時的に手を移動させた場合)に、アフター吐水を開始させずに、手洗用吐水を再開させるようにしている。つまり、利用者がアフター吐水の終了まで待たずに手洗を再開できるようにしている。
【0076】
次に、
図10は、本発明の第1実施形態による第2制御例を示すタイムチャートである。
図10は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号を示している。
ここでは、上述した基本制御と同様の制御については、その説明を適宜省略するものとする。具体的には、時刻t31から時刻t33までの制御、及び時刻t35以降の制御については、基本制御と同様であるため、その説明を省略し、時刻t34から時刻t35までの制御についてのみ説明する。
【0077】
第2制御例は、アフター吐水の実行中にセンサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わった場合に行われる制御に関する。具体的には、第2制御例では、アフター吐水の実行中における時刻t34において、センサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わることで、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁し(電解槽37に通電している場合には電解槽37の通電も停止する)、第2の吐水部13からの噴霧吐水を中止すると共に、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から泡沫吐水させる。つまり、コントローラ40は、アフター吐水を終了して、手洗用吐水を開始する。この場合、コントローラ40は、センサ14の検知状態が継続する時刻t34から時刻t35までの間、第1の電磁弁25を開弁状態に維持して、第1の吐水部12による泡沫吐水を行う。そして、コントローラ40は、この手洗用吐水を終了した時刻t35の後の、センサ14の非検知状態が所定時間T1継続した時刻t36において、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13による噴霧吐水を行う、つまりアフター吐水を再開する。
【0078】
このように、第2制御例では、アフター吐水の実行中にセンサ14が検知状態となった場合に、第2の吐水部13による噴霧吐水を中止し、第1の吐水部12による泡沫吐水を行う、つまりアフター吐水を中止して手洗用吐水を行う。こうすることで、利用者がアフター吐水の終了まで待たずに手洗を行うことができるようにしている。また、電解水が利用者の手にかかると、電解水の濃度によっては肌荒れが生じてしまったり、電解水特有の匂い(塩素臭い匂いなど)が残ってしまったりする場合があるが、アフター吐水の実行中にセンサ14が検知状態となった場合にアフター吐水を中止することで、このような電解水が利用者の手にかかることで生じ得る問題を防止するようにしている。
【0079】
次に、
図11は、本発明の第1実施形態による第3制御例を示すタイムチャートである。
図11は、上に、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号を示し、その下に、コントローラ40から電解槽37に供給された駆動信号を示している。ここでは、上述した基本制御と同様の制御については、その説明を適宜省略するものとする。
【0080】
上述した基本制御では、第2の電磁弁28の通電と電解槽37の通電とを同時に行わずに、第2の電磁弁28の通電開始後に電解槽37の通電を開始することを述べたが、第3制御例では、コントローラ40は、この制御に加えて、第2の電磁弁28の通電の停止と電解槽37の通電の停止とを同時に行わずに、電解槽37の通電の停止後に第2の電磁弁28の通電を停止する。具体的には、コントローラ40は、時刻t41で第2の電磁弁28に通電し、その直後の時刻t42で電解槽37に通電した後、時刻t43で電解槽37の通電を停止し、その直後の時刻t44で第2の電磁弁28の通電を停止する。例えば、コントローラ40は、電解水を生成しているアフター吐水の実行中にセンサ14が検知状態となった場合に、このような手順で電解槽37及び第2の電磁弁28の通電を中止する。
【0081】
このように、第2の電磁弁28の通電の停止と電解槽37の通電の停止とを同時に行わずに、電解槽37の通電の停止後に第2の電磁弁28の通電を停止するのは、第2の電磁弁28を開から閉に切り替えるタイミングで大きく電力を消費するので、この切り替えのタイミングで電解槽37の通電が既に停止しているようにし、電力が安定している間に第2の電磁弁28を動作させようとしたものである。なお、第2の電磁弁28及び電解槽37の両方に通電している期間(時刻t42から時刻t43までの期間)では、大きな電力を消費することになるため、第2の電磁弁28へ供給する電力を適宜間引いてもよい、具体的には第2の電磁弁28への通電を一時的に停止してもよい。第2の電磁弁28を一旦開弁させた後においては、第2の電磁弁28への通電を一時的に停止しても、第2の電磁弁28はほとんど閉じず、第2の電磁弁28の実質的な開弁状態を維持することができるからである。
【0082】
次に、
図12及び
図13を参照して、本発明の第1実施形態においてコントローラ40が行う制御フローについて説明する。
図12は、本発明の第1実施形態による手洗用吐水に係る制御フローを示すフローチャートであり、
図13は、
図12に示すフローチャートの後に行われる、本発明の第1実施形態によるアフター吐水に係る制御フローを示すフローチャートである。なお、
図12及び
図13に示す制御フローは、基本制御(
図7参照)に対して第1乃至第3制御例(
図9乃至
図11参照)を適用したものである。
【0083】
まず、
図12に示す、本発明の第1実施形態による手洗用吐水に係る制御フローについて説明する。
【0084】
最初に、ステップS11において、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオフからオンに切り替わったか否かを判定する、つまりセンサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わったか否かを判定する。その結果、センサ信号がオフからオンに切り替わっていない場合(ステップS11:No)、ステップS11の判定を再度行う。つまり、コントローラ40は、センサ信号がオフからオンに切り替わるまで、ステップS11の判定を繰り返し行う。
【0085】
他方で、センサ信号がオフからオンに切り替わった場合(ステップS11:Yes)、ステップS12に進み、コントローラ40は、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から通常水を泡沫吐水させる、つまり手洗用吐水を行う。
【0086】
次いで、ステップS13に進み、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオンからオフに切り替わったか否かを判定する、つまりセンサ14が検知状態から非検知状態へと切り替わったか否かを判定する。その結果、センサ信号がオンからオフに切り替わっていない場合(ステップS13:No)、ステップS13の判定を再度行う。つまり、コントローラ40は、センサ信号がオンからオフに切り替わるまで、ステップS13の判定を繰り返し行う。この場合、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を継続し、第1の電磁弁25の開弁状態を維持することで、手洗用吐水を継続して行う。
【0087】
他方で、センサ信号がオンからオフに切り替わった場合(ステップS13:Yes)、ステップS14に進み、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を停止して第1の電磁弁25を閉弁し、第1の吐水部12からの泡沫吐水を終了する、つまり手洗用吐水を終了する。この後、
図13に示すステップS20に進む。
【0088】
次に、
図13に示す、本発明の第1実施形態によるアフター吐水に係る制御フローについて説明する。
【0089】
最初に、ステップS20において、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオフであるか否かを判定する、つまりセンサ14が非検知状態であるか否かを判定する。その結果、センサ信号がオフでない場合(ステップS20:No)、つまりセンサ信号がオフからオンに切り替わった場合、
図12に示したステップS12に戻る。この場合、コントローラ40は、上述したように、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から通常水を泡沫吐水させて、手洗用吐水を再度行う。
【0090】
他方で、センサ信号がオフである場合(ステップS20:Yes)、ステップS21に進み、コントローラ40は、手洗用吐水を終了してから3秒(
図7に示した所定時間T1に相当する)経過したか否かを判定する。その結果、手洗用吐水を終了してから3秒経過していない場合(ステップS21:No)、ステップS20に戻り、ステップS20及びS21の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、センサ信号がオフであるか否かを判定しながら、3秒が経過するのを待つ。
【0091】
他方で、手洗用吐水を終了してから3秒経過した場合(ステップS21:Yes)、ステップS22に進み、コントローラ40は、LED15をオンにする。その直後に、ステップS23において、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、その直後に、ステップS24において、コントローラ40は、電解槽37に通電して、電解槽37において電解水を生成させる。こうすることで、コントローラ40は、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を行う。
なお、厳密には、手洗用吐水を終了してから3秒経過した時点で、第2の電磁弁28が開弁するように、コントローラ40は、手洗用吐水を終了してから3秒経過する前の時点で、つまり手洗用吐水を終了してから3秒未満の所定の時間が経過したときに、LED15をオンにする。
【0092】
次いで、ステップS25において、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオフであるか否かを判定する、つまりセンサ14が非検知状態であるか否かを判定する。その結果、センサ信号がオフでない場合(ステップS25:No)、つまりセンサ信号がオフからオンに切り替わった場合、ステップS26に進む。この場合、ステップS26において、コントローラ40は、電解槽37への通電を停止して、電解槽37での電解水の生成を終了する。その直後に、ステップS27において、コントローラ40は、LED15をオフにすると共に、第2の電磁弁28への通電を停止して、第2の電磁弁28を閉弁する。こうすることで、コントローラ40は、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりアフター吐水を終了する。この後、
図12に示したステップS12に戻り、コントローラ40は、上述したように、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から通常水を泡沫吐水させて、手洗用吐水を再度行う。
【0093】
他方で、センサ信号がオフである場合(ステップS25:Yes)、ステップS28に進み、コントローラ40は、アフター吐水を開始してから1.9秒(
図7に示した所定時間T3に相当する)経過したか否かを判定する。その結果、アフター吐水を開始してから1.9秒経過していない場合(ステップS28:No)、ステップS25に戻り、ステップS25及びS28の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、センサ信号がオフであるか否かを判定しながら、1.9秒が経過するのを待つ。
【0094】
他方で、アフター吐水を開始してから1.9秒経過した場合(ステップS28:Yes)、ステップS29に進み、コントローラ40は、電解槽37への通電を停止して、電解槽37での電解水の生成を終了する。
【0095】
次いで、ステップS30において、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオフであるか否かを判定する、つまりセンサ14が非検知状態であるか否かを判定する。その結果、センサ信号がオフでない場合(ステップS30:No)、つまりセンサ信号がオフからオンに切り替わった場合、ステップS27に進む。この場合、ステップS27において、コントローラ40は、LED15をオフにすると共に、第2の電磁弁28への通電を停止して、第2の電磁弁28を閉弁する。こうすることで、コントローラ40は、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりアフター吐水を終了する。この後、
図12に示したステップS12に戻り、コントローラ40は、上述したように、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から通常水を泡沫吐水させて、手洗用吐水を再度行う。
【0096】
他方で、センサ信号がオフである場合(ステップS30:Yes)、ステップS31に進み、コントローラ40は、アフター吐水を開始してから3.5秒(
図7に示した所定時間T2に相当する)経過したか否かを判定する。その結果、アフター吐水を開始してから3.5秒経過していない場合(ステップS31:No)、ステップS30に戻り、ステップS30及びS31の判定を再度行う。この場合、コントローラ40は、センサ信号がオフであるか否かを判定しながら、3.5秒が経過するのを待つ。
【0097】
他方で、アフター吐水を開始してから3.5秒経過した場合(ステップS31:Yes)、ステップS32に進み、コントローラ40は、LED15をオフにすると共に、第2の電磁弁28への通電を停止して、第2の電磁弁28を閉弁する。こうすることで、コントローラ40は、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりアフター吐水を終了する。
【0098】
(第1実施形態の作用効果)
次に、本発明の第1実施形態による自動水栓装置の作用効果について説明する。
【0099】
第1実施形態によれば、センサ14が検知状態である場合に手洗用吐水を行い、センサ14が非検知状態となると、手洗用吐水を終了して、この後にアフター吐水を行うので(
図7参照)、手洗用吐水を用いた手洗によって流れ出た汚れが手洗器5のボウル3などに付着した状態で乾燥して固着する可能性があるときにアフター吐水を適切に行うことができ、無駄な吐水を抑制しつつ、このような汚れが手洗器5のボウル3などに付着した状態で乾燥して固着してしまうことを抑制することができる。よって、手洗器5のボウル3などを清潔に保つことができる。特に、第1実施形態によれば、電解水を用いてアフター吐水を行うので、手洗器5のボウル3などを効果的に清潔に保つことができる。
【0100】
また、手洗用吐水を用いた手洗によって流れ出た水(汚水)は、手洗用吐水の吐水範囲よりも広い範囲に落ちる傾向にあるが、第1実施形態によれば、手洗用吐水で用いる泡沫吐水よりも吐水口からの水の吐出角度が広い噴霧吐水を用いてアフター吐水を行うので、少流量で広い範囲に吐水することができ、無駄な吐水を効果的に抑制しつつ、手洗器5のボウル3などを効果的に清潔に保つことができる。この場合、利用者にとって噴霧吐水の吐水範囲R11を予想することは困難であるが、第1実施形態によれば、噴霧吐水の吐水範囲R11とほぼ同じ範囲R12をLED15で照射するので(
図4参照)、噴霧吐水の吐水範囲R11を利用者に適切に報知することができ、利用者が望まない箇所に着水してしまうことを抑制することができる。特に、第1実施形態によれば、噴霧吐水が開始される前に、LED15からの光によって噴霧吐水の吐水範囲R11を利用者に予め報知するので(
図7参照)、利用者が望まない箇所に着水してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0101】
また、第1実施形態によれば、手洗用吐水を終了した後、センサ14の非検知状態が所定時間継続したときに、アフター吐水を行うので(
図7参照)、手洗用吐水の終了及びその後のアフター吐水の開始を利用者に報知することができる。アフター吐水による電解水が利用者の手にかかると、電解水の濃度によっては肌荒れが生じてしまったり、電解水特有の匂い(塩素臭い匂いなど)が残ってしまったりする場合があるが、このようにしてアフター吐水の開始を利用者に報知することで、電解水が利用者の手にかかることで生じ得る問題を適切に防止することができる。
【0102】
また、第1実施形態によれば、手洗用吐水後においてアフター吐水を行うまでの間にセンサ14が検知状態となった場合に、噴霧吐水を行わずに泡沫吐水を行うので(
図9参照)、手洗用吐水後においてセンサが一時的な非検知状態から検知状態へと切り替わった場合(例えば利用者が手洗中にセンサ14の検知範囲外に一時的に手を移動させた場合)に、アフター吐水を開始させずに、手洗用吐水を適切に再開させることができる。つまり、利用者がアフター吐水の終了まで待たずに手洗を再開することができる。
【0103】
また、第1実施形態によれば、アフター吐水中にセンサ14が検知状態となった場合に、噴霧吐水を中止して泡沫吐水を行うので、つまりアフター吐水を中止して手洗用吐水を行うので(
図10参照)、利用者がアフター吐水の終了まで待たずに手洗を行うことができると共に、上述したような、電解水が利用者の手にかかることで生じ得る問題を防止することができる。
【0104】
また、第1実施形態によれば、アフター吐水を開始するときに、第2の電磁弁28の通電開始後に電解槽37の通電を開始して、電力が安定している状態において電解槽37の通電を開始すると共に、アフター吐水を終了するときに、電解槽37の通電の停止後に第2の電磁弁28の通電を停止して、電力が安定している状態において第2の電磁弁28を開から閉へと動作させるので(
図11参照)、容量の小さな電源にも適切に対処することができ、装置を小型化することが可能となる。
【0105】
また、第1実施形態によれば、手洗用吐水を行う度にアフター吐水を行わずに、手洗用吐水を所定回数行う毎にアフター吐水を行ったり、自動水栓装置1の使用頻度を学習して、この使用頻度に基づいて電解槽37の通電時間を調整したりすることで、電解槽37に与える負荷を軽減して、電解槽37の寿命(耐久年数)を長くすることができる。
【0106】
更に、第1実施形態によれば、アフター吐水において、第2の吐水部13から電解水を吐水させた後に、電解槽37の通電を停止して、第2の流路18への電解水の供給を停止し、第2の流路18へ通常水を供給するので(
図7及び
図8参照)、この供給する通常水によって第2の流路18内の電解水を排出して通常水で置き換えることで、第2の流路18内の電解水の濃度を薄めることができる(十分な量の通常水を供給した場合には第2の流路18内の電解水をほぼ全部排出して第2の流路18内を通常水で満たすことができる)。これにより、第2の流路18内に電解水が滞留することに因る第2の流路18などの腐食(劣化)を抑制することができる。ここで、第2の流路18などの腐食を抑制するために電解水の濃度を調整する方法が考えられるが、その場合、腐食が抑制されるような濃度に電解水を調整する必要があるが、第1実施形態によれば、上記したように第2の流路18へ通常水を供給するので、第2の流路18などの腐食を考慮せずに、種々の濃度の電解水を適用することができる。
【0107】
他方で、第1実施形態によれば、第1の吐水部12の第1の吐水口12aと、第2の吐水部13の第2の吐水口13aと、センサ14とを先端部に設けた自動水栓装置1において、センサ14と第2の吐水口13aとの間に第1の吐水口12aを配設しているので(
図2(B)参照)、センサ14と第2の吐水口13aとを離間させることができ、第2の吐水口13aから噴霧吐水された水をセンサ14が検知することに因る誤吐水を抑制することができる。特に、第1実施形態によれば、第1の吐水口12aと第2の吐水口13aとの間にLED15を更に配設しているので(
図2(B)参照)、センサ14と第2の吐水口13aとをより離間させることができ、上記のような誤吐水を効果的に抑制することができる。加えて、LED15が第2の吐水口13aの近傍に配設されるので、LED15からの光によって第2の吐水部13の吐水範囲R11を適切に照射することができる。
【0108】
また、第1実施形態によれば、第2の吐水口13aよりも前方側にセンサ14を配設しているので(
図2(B)参照)、第2の吐水口13aよりも後方側にセンサ14を配設した場合と比べて、利用者が手をセンサ14に検知させるために、手を無理に後方側へ伸ばさなくても済む。加えて、センサ14よりも後方側に第2の吐水口13aを配設しているので(
図2(B)参照)、センサ14よりも前方側に第2の吐水口13aを配設した場合と比べて、第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が利用者の腕や体などの濡らしたくない部分にかかりにくくなる。
【0109】
また、第1実施形態によれば、センサ14の検知方向A23が第2の吐水部13の吐水方向A22から離れていく方向に向くようにセンサ14を配設しているので、言い換えると、センサ14の検知方向A23に沿ったラインL13が、第2の吐水部13の第2の吐水口13aの中心から鉛直方向に延びるラインL12と前方側で交わらないように、センサ14を配設しているので(
図5参照)、センサ14における指向範囲R13において検知精度がかなり低い部分(つまり指向範囲R13においてセンサ14からかなり離れた部分)にて第2の吐水部13の吐水範囲R11と交差するため、第2の吐水口13aから噴霧吐水された水をセンサ14が検知することに因る誤吐水をより効果的に抑制することができる。
【0110】
また、第1実施形態によれば、第1の吐水部12の吐水方向A21と第2の吐水部13の吐水方向A22とが互いに離れていく方向に向くように、第1の吐水部12及び第2の吐水部13のそれぞれを配設しているので、言い換えると、第1の吐水口12aの中心から鉛直方向に延びるラインL11と、第2の吐水口13aの中心から鉛直方向に延びるラインL12とが前方側で交わらないように、第1の吐水部12及び第2の吐水部13のそれぞれを配設しているので(
図5参照)、第2の吐水部13から下方向に向けて噴霧吐水を行わせることができ、第2の吐水部13から噴霧吐水された水が利用者にかかってしまうことを適切に防止することが可能となる。
【0111】
また、第1実施形態によれば、第1の吐水口12aよりも後方側に第2の吐水口13aを配設しているので(
図2(B)参照)、第1の吐水口12aからの水垂れが第2の吐水口13aにかかってしまうことを適切に防止することができる。この場合、第1実施形態によれば、第1の吐水口12aの位置を考慮に入れた第2の吐水部13の向きを適用することで、第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が第1の吐水口12aにかかってしまうことを適切に防止することができる。
【0112】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態においてコントローラ40が行う制御について説明する。上記した第1実施形態では、手洗用吐水において、第1の吐水部12からの泡沫吐水のみを行っていたが、第2実施形態では、手洗用吐水において、第1の吐水部12からの泡沫吐水だけでなく、第2の吐水部13からの噴霧吐水も行う。具体的には、第2実施形態では、コントローラ40は、手洗用吐水において、最初に第2の吐水部13からの噴霧吐水を所定時間行い、その後に第1の吐水部12からの泡沫吐水を行う。
【0113】
なお、以下では、上述した第1実施形態と同様の制御については、それらの説明を適宜省略し、第1実施形態と異なる制御についてのみ説明を行う。つまり、ここで特に説明しない制御は、第1実施形態と同様である。
【0114】
図14は、本発明の第2実施形態による基本制御を示すタイムチャートである。
図14は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号、コントローラ40から電解槽37に供給された駆動信号、コントローラ40からLED15に供給された駆動信号を示している。
ここでは、時刻t54以降の制御については、第1実施形態による基本制御と同様であるため、その説明を省略し、時刻t51から時刻t54までの制御についてのみ説明する。
【0115】
まず、時刻t51で、センサ信号がオフからオンに切り替わる、つまりセンサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わる。この際に、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から噴霧吐水させる。この場合、コントローラ40は、LED15をオンにせずに、また、電解槽37に通電せずに、つまり電解槽37で電解水を生成させずに、第2の吐水部13から通常水を噴霧吐水させる。コントローラ40は、このような噴霧吐水を、手洗用吐水において初期に行う吐水として適用する。そして、コントローラ40は、第2の吐水部13からの噴霧吐水を開始した時刻t51から所定時間T5(例えば3秒)が経過した時刻t52において、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁することで、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する。
【0116】
そして、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了した時刻t52からある程度の時間(例えば0.5秒)が経過した時刻t53において、コントローラ40は、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から通常水を泡沫吐水させる。コントローラ40は、このような泡沫吐水を、手洗用吐水において噴霧吐水の後に行う吐水として適用する。この後、時刻t54において、センサ信号がオンからオフに切り替わる、つまりセンサ14が検知状態から非検知状態へと切り替わる。この際に、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を停止して第1の電磁弁25を閉弁し、第1の吐水部12からの泡沫吐水を終了する。こうすることで、手洗用吐水を終了する。この後、コントローラ40は、第1実施形態と同様の手順でアフター吐水を行う。
【0117】
なお、手洗用吐水において噴霧吐水を行う所定時間T5を調整できるようにするとよい。具体的には、スイッチなどの調整部を自動水栓装置1に設けて、自動水栓装置1の使用環境(自動水栓装置1の利用者の特性や自動水栓装置1の設置場所など)に応じて、管理者などが当該調整部を用いて所定時間T5を調整できるようにするとよい。
【0118】
次に、
図15を参照して、本発明の第2実施形態においてコントローラ40が行う制御フローについて説明する。
図15は、本発明の第2実施形態による手洗用吐水に係る制御フローを示すフローチャートである。
なお、第2実施形態による手洗用吐水に係る制御フローの終了後にも、上述した
図13に示したアフター吐水に係る制御フローが同様に実行される。
【0119】
まず、ステップS41において、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオフからオンに切り替わったか否かを判定する、つまりセンサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わったか否かを判定する。その結果、センサ信号がオフからオンに切り替わっていない場合(ステップS41:No)、ステップS41の判定を再度行う。つまり、コントローラ40は、センサ信号がオフからオンに切り替わるまで、ステップS41の判定を繰り返し行う。
【0120】
他方で、センサ信号がオフからオンに切り替わった場合(ステップS41:Yes)、ステップS42に進み、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から噴霧吐水させる。こうすることで、手洗用吐水を開始する。
【0121】
次いで、ステップS43に進み、コントローラ40は、手洗用吐水としての噴霧吐水を開始してから3秒(
図14に示した所定時間T5に相当する)経過していないか否かを判定する。その結果、噴霧吐水を開始してから3秒経過していない場合(ステップS43:Yes)、ステップS44に進み、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオンからオフに切り替わったか否かを判定する、つまりセンサ14が検知状態から非検知状態へと切り替わったか否かを判定する。その結果、センサ信号がオンからオフに切り替わった場合(ステップS44:Yes)、ステップS45に進み、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁し、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する。これにより、手洗用吐水が終了することとなる。この後、上述した
図13に示したステップS20に進む。
【0122】
他方で、センサ信号がオンからオフに切り替わっていない場合(ステップS44:No)、ステップS43に戻り、ステップS43及びS44の判定を再度行う。つまり、コントローラ40は、センサ信号がオンからオフに切り替わったか否かを判定しながら、3秒が経過するのを待つ。この場合、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を継続し、第2の電磁弁28の開弁状態を維持することで、第2の吐水部13からの噴霧吐水を継続して行う。
【0123】
他方で、噴霧吐水を開始してから3秒経過した場合(ステップS43:No)、ステップS46に進み、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁し、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する。
【0124】
次いで、ステップS47に進み、コントローラ40は、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12からの泡沫吐水を開始する。この場合、コントローラ40は、噴霧吐水を終了してから所定時間(例えば0.5秒)経過後に、このような泡沫吐水を開始する。
【0125】
次いで、ステップS48に進み、コントローラ40は、センサ14からのセンサ信号がオンからオフに切り替わったか否かを判定する、つまりセンサ14が検知状態から非検知状態へと切り替わったか否かを判定する。その結果、センサ信号がオンからオフに切り替わっていない場合(ステップS48:No)、ステップS48の判定を再度行う。つまり、コントローラ40は、センサ信号がオンからオフに切り替わるまで、ステップS48の判定を繰り返し行う。この場合、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を継続し、第1の電磁弁25の開弁状態を維持することで、第1の吐水部12からの泡沫吐水を継続して行う。
【0126】
他方で、センサ信号がオンからオフに切り替わった場合(ステップS48:Yes)、ステップS49に進み、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を停止して第1の電磁弁25を閉弁し、第1の吐水部12からの泡沫吐水を終了する。これにより、手洗用吐水が終了することとなる。この後、上述した
図13に示したステップS20に進む。
【0127】
なお、第2実施形態による制御フローを実行する場合には、上述した
図13に示したステップS20の判定が「No」の場合及びステップS27の制御を行った後に、
図15に示したステップS47に戻るものとする。具体的には、第2実施形態においても、手洗用吐水の実行後においてアフター吐水を行うまでの期間内にセンサ14が検知状態となった場合に、第2の吐水部13による噴霧吐水を行わずに、第1の吐水部12による泡沫吐水を行うと共に、アフター吐水の実行中にセンサ14が検知状態となった場合に、第2の吐水部13による噴霧吐水を中止し、第1の吐水部12による泡沫吐水を行う。
【0128】
(第2実施形態の作用効果)
次に、本発明の第2実施形態による自動水栓装置の作用効果について説明する。ここでは、上述した第1実施形態と異なる作用効果についてのみ説明する。
【0129】
第2実施形態によれば、センサ14が被検知物を検知している間において、最初に第2の吐水部13から噴霧吐水を行い、噴霧吐水を開始してから所定時間T5(例えば3秒)が経過すると、噴霧吐水を停止して第1の吐水部12から泡沫吐水を行うので、最初に、流量が少ないが流速が速い噴霧吐水を用いて、手洗を効率良く行うことができると共に、その後に流量が多い泡沫吐水を用いて、手洗だけでなく、洗顔や貯水なども効率良く行うことができる。そのため、利用者の利便性を確保しつつ、適切に節水を行うことができる。特に、第2実施形態によれば、噴霧吐水の後に自動的に泡沫吐水に切り替えるので、手洗以外の動作(洗顔や貯水など)を行う場合や、石鹸を用いた手洗等の比較的長い時間の動作を行う場合などに、利用者が特別な操作を行ったり、意識したりしなくても、泡沫吐水に自動的に切り替わるため、高い利便性が確保される。
【0130】
また、第2実施形態によれば、第2の吐水部13からの噴霧吐水を停止してから、ある程度の時間後(例えば0.5秒後)に、第1の吐水部12からの泡沫吐水を開始するので、つまり噴霧吐水と泡沫吐水との間で一時的に止水するので、噴霧吐水の終了を利用者に報知することができる。これにより、利用者に手洗などを中止するきかっけを与えることができ、効果的に節水することが可能となる。
【0131】
また、第2実施形態によれば、手洗用吐水において噴霧吐水を行う所定時間T5を変えられるように構成したので、自動水栓装置1の使用環境に応じて、利用者の利便性と節水のいずれを優先させるかによって、噴霧吐水を行う所定時間T5を適宜調整することができる。例えば、落ちにくい汚れが手に付着し、比較的長時間の手洗が必要となるような環境では、噴霧吐水を行う所定時間T5を短くし、節水よりも利用者の利便性を優先することができる。
【0132】
また、第2実施形態によれば、センサ14が被検知物を検知しなくなり、手洗用吐水を停止した後に、所定時間T1(例えば3秒)が経過するまでの間にセンサ14が被検知物を検知した場合に、第2の吐水部13からの噴霧吐水を再度行うのではなく、第1の吐水部12からの泡沫吐水を行うので、利用者の利便性を適切に確保することができる。例えば、利用者が手洗中にセンサ14の検知範囲外に一時的に手を移動させた後に、手で水汲みを行ったり、石鹸で手を洗ったりしようとしている場合に、噴霧吐水ではなく泡沫吐水が行われるので、利用者の利便性を確保することができる。
【0133】
<変形例>
次に、上記した実施形態の変形例について説明する。なお、以下で示す変形例は、適宜組み合わせて、上記した実施形態に適用することができる。
【0134】
(変形例1)
上記した実施形態では、第1の吐水部12から泡沫吐水を行っていたが、つまり本発明における第1の吐水形態として泡沫吐水を示したが、本発明における第1の吐水形態として、泡沫吐水を適用することに限定はされない。本発明における第1の吐水形態として、小さな径を有する多数の吐水口から水をシャワー状に吐水させるシャワー吐水や、比較的大きな径を有する1つ又はそれ以上の吐水口から直線状に水を吐水させるストレート吐水(厳密には、上記した実施形態で示した泡沫吐水は、このストレート吐水に含まれる)や、泡沫吐水とシャワー吐水とを組み合わせた吐水形態など、種々の吐水形態を適用可能である。
また、第1の吐水形態と第2の吐水形態との間で、吐水部から流体を吐出させる形態(泡沫吐水や噴霧吐水など)を異ならせることに限定はされず、吐水部から流体を吐出させる形態を異ならせる代わりに、吐水部から吐出させる流体の種類を異ならせてもよい。例えば、第1の吐水形態として、吐水部から通常水を吐水させる形態を適用し、第2の吐水形態として、吐水部から電解水を吐水させる形態を適用してもよい。若しくは、第1の吐水形態として、吐水部から電解水を吐水させる形態を適用し、第2の吐水形態として、吐水部から通常水を吐水させる形態を適用してもよい。加えて、第1の吐水形態及び第2の吐水形態の両方に、吐水部から電解水を吐水させる形態を適用することとし、第1の吐水形態に適用する電解水の濃度と、第2の吐水形態に適用する電解水の濃度とを異ならせてもよい。
また、第1の吐水形態と第2の吐水形態との間で、吐水部から流体を吐出させる形態(泡沫吐水や噴霧吐水など)を異ならせると共に、吐水部から吐出させる流体の種類(通常水又は電解水)を異ならせてもよい。
このような変形例を適用した場合、以下のような吐水形態の例が考えられる。第1の例では、手洗用吐水において通常水を噴霧吐水させ、アフター吐水において電解水を噴霧吐水させることができる。第2の例では、手洗用吐水において通常水を泡沫吐水させ、アフター吐水において電解水を泡沫吐水させることができる。第3の例では、手洗用吐水において、電解水を噴霧吐水させた後に通常水を泡沫吐水させ、アフター吐水において、電解水を噴霧吐水させることができる。なお、上記した第2実施形態では、手洗用吐水において、通常水を噴霧吐水させた後に通常水を泡沫吐水させ、アフター吐水において、電解水を噴霧吐水させていた。
【0135】
(変形例2)
上述した実施形態では、電解水を用いてアフター吐水を行っていたが、電解水を用いずに、通常水を用いてアフター吐水を行ってもよい。その場合、第2の流路18上に電解槽37を設けなくてもよい。このような通常水を用いたアフター吐水によっても、手洗によって流れ出た汚れが手洗器5のボウル3などに付着した状態で乾燥して固着してしまうことを抑制することができる。
【0136】
(変形例3)
上記した実施形態では、第1の電磁弁25及び第2の電磁弁28の2つの電磁弁を用いて、第1の吐水部12からの吐水と第2の吐水部13からの吐水とを切り替えていたが、1つの電磁弁のみを用いて、第1の吐水部12からの吐水と第2の吐水部13からの吐水とを切り替えてもよい。
【0137】
図16を参照して、1つの電磁弁のみを用いる、本発明の実施形態における変形例3による自動水栓装置の機能構成について説明する。
図16は、本発明の実施形態における変形例3による自動水栓装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。ここでは、
図6に示した自動水栓装置1の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0138】
図16に示すように、変形例3による自動水栓装置1aは、第1の電磁弁25及び第2の電磁弁28の代わりに、電磁弁51及び切替弁52を有する点で、
図6に示した自動水栓装置1と構成が異なる。電磁弁51は、共通流路21上に設けられており、コントローラ40からの制御により開閉して、共通流路21における通常水の流通と遮断とを切り替える。切替弁52は、共通流路21と第1の流路17及び第2の流路18との接続箇所、言い換えると共通流路21の下流端の分岐箇所に設けられている。切替弁52は、コントローラ40からの制御により動作して、通常水を流す流路を、第1の流路17と第2の流路18とのいずれか一方に切り替える。
【0139】
なお、上記した切替弁52は、コントローラ40によって制御される電気式の弁として構成されているが、このような切替弁52の代わりに、水圧によって駆動される機械式の弁を切替弁として適用してもよい。機械式の弁としての切替弁を適用した場合、この切替弁の上流側の共通流路21上に設けられた電磁弁51の開度を調整して、切替弁に付与される水圧を調整することにより、通常水を流す流路を、第1の流路17と第2の流路18との間で切り替えればよい。
【0140】
(変形例4)
上記した実施形態では、手洗用吐水の停止後、所定時間が経過してからアフター吐水を行っていたが(
図7や
図14など参照)、他の例では、手洗用吐水の停止後、間を空けずに、アフター吐水を行ってもよい、つまりアフター吐水を手洗用吐水と連続させて行ってもよい。
更に他の例では、手洗用吐水の実行中にアフター吐水を開始して、アフター吐水を手洗用吐水とオーバーラップさせてもよい。その場合、センサ14が検知状態にある間に手洗用吐水を行い、センサ14が検知状態から非検知状態へと切り替わったときに、手洗用吐水を継続しつつ、アフター吐水を開始して、手洗用吐水の終了時期とアフター吐水の開始時期とをオーバーラップさせればよい。但し、手洗用吐水をアフター吐水よりも前に停止するものとする、言い換えるとアフター吐水を手洗用吐水の停止後に停止するものとする。
【0141】
(変形例5)
上記した実施形態による自動水栓装置1では、2つの流路(第1の流路17及び第2の流路18)を用いて、2つの吐水部(第1の吐水部12及び第2の吐水部13)から、2種類の形態により吐水(泡沫吐水及び噴霧吐水)を行っていた。具体的には、第1実施形態では、手洗用吐水として、第1の流路17を介して第1の吐水部12から泡沫吐水を行い、アフター吐水として、第2の流路18を介して第2の吐水部13から噴霧吐水を行っていた(
図7など参照)。他の例では、1つの流路と1つの吐水部のみを用いて、1種類の形態の吐水によって、手洗用吐水及びアフター吐水の両方を行ってもよい。具体的には、他の例では、噴霧吐水を行うことが可能な吐水部のみを用いて、この噴霧吐水によって、手洗用吐水及びアフター吐水の両方を行う。
【0142】
図17を参照して、噴霧吐水のみによって手洗用吐水及びアフター吐水の両方を行う、本発明の実施形態における変形例5による自動水栓装置の構成を説明する。
図17(A)は、本発明の実施形態における変形例5による自動水栓装置を斜め下方から見た斜視図であり、
図17(B)は、この自動水栓装置を
図17(A)中のXVIIB−XVIIB線に沿って見た断面図である。
なお、以下では、上記した実施形態による自動水栓装置1の構成要素(
図2参照)と同一の構成要素については同一の符号を付し、それらの説明を適宜省略するものとする。つまり、ここで特に説明しない構成要素は、自動水栓装置1と同様であるものとする。
【0143】
図17(A)及び(B)に示すように、変形例5による自動水栓装置1bは、泡沫吐水を行うための第1の吐水部12及び第1の流路17を具備せずに、噴霧吐水を行うための第2の吐水部13及び第2の流路18のみを具備する点で、上記した実施形態による自動水栓装置1と構成が異なる。それ以外の構成は、実施形態による自動水栓装置1とほぼ同じである。具体的には、変形例5による自動水栓装置1bも、実施形態による自動水栓装置1と同様に、被検知物を検知するセンサ14及び光を照射するLED15を有する。
なお、変形例5による自動水栓装置1bにおいて、「第2の吐水部13」及び「第2の流路18」について「第2の」の文言を付しているのは、「第1の」吐水部及び流路の存在を前提にしているのではなく、上記した実施形態による自動水栓装置1の第2の吐水部13及び第2の流路18と同様の構成を有するという理由による。
【0144】
次に、
図18を参照して、本発明の実施形態における変形例5による自動水栓装置1bの機能構成について説明する。
図18は、本発明の実施形態における変形例5による自動水栓装置1bの機能構成を概略的に示すブロック図である。ここでは、
図6に示した自動水栓装置1の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0145】
図18に示すように、変形例5による自動水栓装置1bは、第1の吐水部12、第1の流路17及び第1の電磁弁25を具備しない点で、上記した実施形態による自動水栓装置1と構成が異なる。変形例5による自動水栓装置1bでは、コントローラ40が第2の電磁弁28(「第2の」の文言を付している理由は上記した通りである。)の開閉を制御することで、第2の流路18を介した第2の吐水部13からの噴霧吐水のオン/オフを切り替える。
【0146】
次に、
図19を参照して、本発明の実施形態における変形例5による制御について説明する。
図19は、本発明の実施形態における変形例5による制御を示すタイムチャートである。
図19は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から電解槽37に供給された駆動信号、コントローラ40からLED15に供給された駆動信号を示している。
【0147】
まず、時刻t61で、センサ信号がオフからオンに切り替わる、つまりセンサ14が非検知状態から検知状態へと切り替わる。この際に、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から通常水を噴霧吐水させる。そして、時刻t62において、センサ信号がオンからオフに切り替わる、つまりセンサ14が検知状態から非検知状態へと切り替わる。この際に、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁し、第2の吐水部13からの泡沫吐水を終了する、つまり手洗用吐水を終了する。
【0148】
この後、手洗用吐水としての噴霧吐水を終了した時刻t62から、センサ14の非検知状態が所定時間T1継続すると、コントローラ40は、再び、第2の吐水部13から噴霧吐水を行わせる。具体的には、コントローラ40は、まず、時刻t63において、LED15をオンにし、この時刻t63の直後の時刻t64(手洗用吐水を終了した時刻t62から所定時間T1経過後の時刻に対応する)において、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁する。そして、コントローラ40は、この時刻t64の直後の時刻t65において、電解槽37に通電して、電解槽37において電解水を生成させることで、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を行う。
【0149】
この後、第2の電磁弁28を開弁した時刻t64から所定時間T3(例えば1.9秒)が経過した時刻t66において、コントローラ40は、電解槽37への通電を停止して、電解槽37での電解水の生成を終了する。この際には、第2の電磁弁28は未だ開弁しているので、第2の吐水部13からの噴霧吐水が継続して行われる。そして、時刻t66の後の時刻t67において、具体的には第2の電磁弁28を開弁した時刻t64から所定時間T2(例えば3.5秒)が経過した時刻t67において、コントローラ40は、LED15をオフにしてLED15からの光の照射を終了すると共に、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁することで、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりアフター吐水を終了する。
【0150】
以上説明した変形例5によっても、センサ14が検知状態である場合に噴霧吐水により手洗用吐水を行い、センサ14が非検知状態となると手洗用吐水を終了して、この後に噴霧吐水によりアフター吐水を行うので、手洗用吐水を用いた手洗によって流れ出た汚れが手洗器5のボウル3などに付着した状態で乾燥して固着する可能性があるときにアフター吐水を適切に行うことができ、無駄な吐水を抑制しつつ、このような汚れが手洗器5のボウル3などに付着した状態で乾燥して固着してしまうことを抑制することができる。よって、手洗器5のボウル3などを清潔に保つことができる。
【0151】
なお、上記した変形例5では、通常水を用いた噴霧吐水による手洗用吐水と、電解水を用いた噴霧吐水によるアフター吐水とを行っていたが、こうすることに限定はされず、これ以外にも以下のような変形例が考えられる。第1の変形例としては、通常水を用いた噴霧吐水による手洗用吐水と、通常水を用いた噴霧吐水によるアフター吐水とを行ってもよい。第2の変形例としては、電解水を用いた噴霧吐水による手洗用吐水と、通常水を用いた噴霧吐水によるアフター吐水とを行ってもよい。第3の変形例としては、電解水を用いた噴霧吐水による手洗用吐水と、電解水を用いた噴霧吐水によるアフター吐水とを行ってもよい。この第3の変形例では、手洗用吐水で用いる電解水と、アフター吐水で用いる電解水とで、電解水の濃度を異ならせてもよい。
【0152】
(変形例6)
上記した実施形態では、本発明による自動水栓装置を手洗器5に適用していたが、本発明の適用はこれに限定されない。本発明による自動水栓装置を、キッチンなどに適用してもよい。そうした場合、アフター吐水を行うことによって、キッチンの使用によって生じた汚れ(汚水)がシンクなどに付着した状態で乾燥して固着してしまうことを抑制することができる。