特許第6742835号(P6742835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6742835電力・熱媒製造システムおよびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742835
(24)【登録日】2020年7月31日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】電力・熱媒製造システムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F02G 5/04 20060101AFI20200806BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20200806BHJP
   F25B 15/00 20060101ALI20200806BHJP
   F25B 27/02 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   F02G5/04 H
   F24H1/00 631A
   F25B15/00 D
   F25B15/00 306E
   F25B27/02 K
   F02G5/04 K
   F02G5/04 V
   F02G5/04 U
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-126356(P2016-126356)
(22)【出願日】2016年6月27日
(65)【公開番号】特開2018-3598(P2018-3598A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2018年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】513173040
【氏名又は名称】有限会社庄野環境デザインラボ
(73)【特許権者】
【識別番号】314015192
【氏名又は名称】ハイブリッドエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庄野 宣昭
【審査官】 小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−017713(JP,A)
【文献】 特開平05−207658(JP,A)
【文献】 特開2010−007879(JP,A)
【文献】 特開2001−201209(JP,A)
【文献】 特開2002−372330(JP,A)
【文献】 特開2004−336933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02G 5/04
F24H 1/00
F25B 15/00
F25B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から系統電力を受電して、電力負荷の調整ができない冷却負荷を有する負荷設備に電力を出力する系統電力部と、
前記系統電力部と系統連系運転を行うとともに、燃料によって駆動されて、前記負荷設備への電力の出力と液体利用機器への液体の供給および蒸気利用機器への蒸気の供給とを行う、希薄燃焼方式のコジェネレーション部と、
前記負荷設備における電力負荷が低減して前記系統電力部から出力される電力が所定の規定値以下に低減した場合に、前記コジェネレーション部の負荷率を低減させる最低買電量制御を行う制御部と、
を備え、
前記液体利用機器および前記蒸気利用機器の少なくとも一方によって冷水が製造され、
前記コジェネレーション部は、並列接続された複数のコジェネレーション装置から構成され、発電効率と冷水製造効率とが略一致する
ことを特徴とする電力・熱媒製造システム。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記コジェネレーション装置のうちで運転させる前記コジェネレーション装置の台数を、運転させた前記コジェネレーション装置の全発電量が前記冷却負荷におけるベース負荷の電力以下になるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項3】
さらに、燃料によって自家発電可能な非常用発電部を備え、前記制御部は、前記系統電力が停止した場合に、前記非常用発電部の稼働を開始して、前記非常用発電部から前記負荷設備に電力を供給する制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項4】
前記蒸気利用機器が、前記コジェネレーション部から回収された回収蒸気の圧力を低下させる蒸気変換器、前記回収蒸気を用いて液体を冷却する吸収冷凍機、および前記回収蒸気を用いて液体と熱交換を行う熱交換器の少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項5】
前記液体利用機器が、前記コジェネレーション部から回収された回収液体と他の液体との間で熱交換を行う熱交換器、および前記コジェネレーション部から回収された回収液体を用いて他の液体を冷却する低温吸収冷凍機の少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項6】
前記液体利用機器が並列接続されて複数台設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項7】
前記蒸気利用機器が並列接続されて複数台設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項8】
前記負荷設備は、冷却負荷を有する複数の情報機器から構成される
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項9】
前記冷却負荷のベース負荷と前記電力負荷のベース負荷とが略等しい
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力・熱媒製造システム。
【請求項10】
外部から系統電力を受電して、電力負荷の調整ができない冷却負荷を有する負荷設備に電力を出力する系統電力部と、
並列接続された複数のコジェネレーション装置から構成され、発電効率と冷水製造効率とが略一致し、前記系統電力部と系統連系運転を行うとともに、燃料によって駆動されて、前記負荷設備への電力の出力と液体利用機器への液体の供給および蒸気利用機器への蒸気の供給とを行う、希薄燃焼方式のコジェネレーション部と、を備え、前記液体利用機器および前記蒸気利用機器の少なくとも一方によって冷水が製造される電力・熱媒製造システムを制御する制御方法であって、
制御部により、前記負荷設備における電力負荷が低減して前記系統電力部から出力される電力が所定の規定値以下に低減した場合に、前記コジェネレーション部の負荷率を低減させる最低買電量制御を行う
ことを特徴とする電力・熱媒製造システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コジェネレーションシステムによる重要施設の電力・熱媒製造システムおよびその制御方法に関し、自立運転が困難な重要施設用で、大規模コジェネレーションシステムの排熱利用率が極めて高い状態で全負荷運転することで、コジェネレーションシステムの能力を最大限引出すためのシステム構築、機器選定、制御、および運用の総合技術に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コジェネレーションシステムの技術がある。特許文献1には、コジェネレーションシステムなどから排出される余剰排熱を優先的に利用できる吸収式冷凍機システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2に記載された技術は、病院のエネルギーコストを大幅に削減するため、停電中においても病院の機能維持に必要な電力をコジェネレーションシステムで供給可能に構成している。このような病院を含めた一般の施設においては、停電の発生時における電力負荷を重要度に応じて部分的に停止すること、いわゆる電力負荷の調整が許容されるため、コジェネレーションシステムを自立運転させることが可能である。特許文献2に記載の技術は、一年を通じて電力需要に対して安定的に存在する熱需要が大きく、施設の稼働時間が長いほど有効である。すなわち、特許文献2に記載の技術は、病院以外にも、ホテル、ショッピングセンター、またはデータセンタなどに適用でき、病院においては、排熱利用率が100%の条件で選定するコジェネ容量を最大需要電力の2/3程度にまで向上させることが期待できる。
【0004】
特許文献2に記載の技術を適用可能なデータセンタは、停電発生時にコジェネレーションシステムにおいて自立運転の条件を満たすように一部を停止することができ、電力負荷の調整が可能なデータセンタである。具体的には、例えば情報提供サービスを行うコンテンツ制作室等が主体となるデータセンタなどである。このようなデータセンタにおいては、情報にアクセスするための機器である情報機器の電力負荷の負荷割合が小さい。そのため、情報機器以外の電力負荷を調整したり、データをバックアップセンタに転送したりするなどして、コジェネレーションシステムの自立運転の条件を満足するように情報機器の負荷を調整できる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−211262号公報
【特許文献2】特開2015−017713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、テナントにおいて情報機器の稼働環境を賃貸するようなデータセンタなどのように、情報機器による負荷割合が大きい場合、電力負荷の調整は困難である。そのため、特許文献2に記載された技術を、情報機器の負荷割合が大きく電力負荷の調整ができない負荷設備に適用することは極めて困難であった。なお、系統電力に停電が生じた場合、負荷設備の電力負荷の調整ができないと、コジェネレーションシステムの負荷投入率を、許容初期負荷投入率以下に調整できないため、コジェネレーションシステムが停止し、運転できない場合もある。
【0007】
そこで、情報機器の負荷割合が大きく電力負荷の調整ができないデータセンタなどの施設において、特許文献2に記載された技術を用いることなく種々のコストを削減できる技術の開発が求められていた。具体的に、コジェネレーションシステムを用いた施設の停電時においても施設の機能維持に必要な電力を確保でき、さらに電力・熱媒製造設備の建設費等を削減しつつ、電力・熱媒製造コストを低減するとともに、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減できる技術の開発が求められていた。
【0008】
さらに、コジェネレーションシステムを用いた施設においては、コジェネレーションシステムと外部の系統電力との間で系統連系運転が行われる場合が多い。このような系統連系運転中に、幹線遮断器の開放などによって電力負荷が大きく低下する場合がある。系統連系運転中に電力負荷が大きく低下すると、電力がコジェネレーションシステムから外部の系統電力に向かう、いわゆる逆潮流状態が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、電力負荷の調整ができない負荷設備においても、電力・熱媒製造設備の建設費等を削減しつつ、電力・熱媒製造コストを低減するとともに、二酸化炭素の排出量を削減でき、さらに逆潮流状態を回避可能な電力・熱媒製造システムおよびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電力・熱媒製造システムは、外部から系統電力を受電して、負荷設備に電力を出力する系統電力部と、系統電力部と系統連系運転を行うとともに、燃料によって駆動されて、負荷設備への電力の出力と液体利用機器への液体の供給および蒸気利用機器への蒸気の供給とを行うコジェネレーション部と、負荷設備における電力負荷が低減して系統電力部から出力される電力が所定の規定値以下に低減した場合に、コジェネレーション部の負荷率を低減させる最低買電量制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成により、所定の規定値として適正な最低買電量を設定し、制御部は、系統電力部から出力される電力量(買電量)が所定の規定値以下になると、コジェネレーション部の負荷率を低減させて、最低買電量を確保する制御を行うことによって、系統連系運転における逆潮流状態を回避して、安心してコジェネレーション部を積極運用することが可能になる。
【0012】
本発明の一態様に係る電力・熱媒製造システムは、上記の発明において、さらに、燃料によって自家発電可能な非常用発電部を備え、制御部は、系統電力が停止した場合に、非常用発電部の稼働を開始して、非常用発電部から負荷設備に電力を供給する制御を行うことを特徴とする。
【0013】
この構成により、系統電力部による受電が停止した停電時においても、負荷設備の機能維持に必要な電力を確保することができる。
【0014】
本発明の一態様に係る電力・熱媒製造システムは、上記の発明において、蒸気利用機器が、コジェネレーション部から回収された回収蒸気の圧力を低下させる蒸気変換器、回収蒸気を用いて液体を冷却する吸収冷凍機、および回収蒸気を用いて液体と熱交換を行う熱交換器の少なくとも一種類であることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係る電力・熱媒製造システムは、上記の発明において、液体利用機器が、コジェネレーション部から回収された回収液体と他の液体との間で熱交換を行う熱交換器、およびコジェネレーション部から回収された回収液体を用いて他の液体を冷却する低温吸収冷凍機の少なくとも一種類であることを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様に係る電力・熱媒製造システムは、上記の発明において、液体利用機器が並列接続されて複数台設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様に係る電力・熱媒製造システムは、上記の発明において、蒸気利用機器が並列接続されて複数台設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様に係る電力・熱媒製造システムの制御方法は、外部から系統電力を受電して、負荷設備に電力を出力する系統電力部と、系統電力部と系統連系運転を行うとともに、燃料によって駆動されて、負荷設備への電力の出力と液体利用機器への液体の供給および蒸気利用機器への蒸気の供給とを行うコジェネレーション部と、を備えた電力・熱媒製造システムを制御する制御方法であって、制御部により、負荷設備における電力負荷が低減して系統電力部から出力される電力が所定の規定値以下に低減した場合に、コジェネレーション部の負荷率を低減させる最低買電量制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電力・熱媒製造システムおよびその制御方法によれば、電力・熱媒製造設備の建設費等を削減しつつ、電力・熱媒製造コストを低減するとともに、二酸化炭素の排出量を削減でき、さらに逆潮流状態を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による電力・熱媒製造システムにおける電力供給システムを示す系統図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態による電力・熱媒製造システムにおける熱供給システムを示す図である。
図3図3は、本発明の第2の実施形態によるコジェネレーション装置を用いた冷水製造システムを示すブロック図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態の変形例による冷水製造システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
【0022】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態による電力・熱媒製造システムについて説明する。図1は、この第1の実施形態による電力・熱媒製造システムの電力供給システムを示し、図2は、電力・熱媒製造システムの熱供給システムを示す。この第1の実施形態による電力・熱媒製造システムは、2回線受電設備、二重化された受変電機器、無停電電源装置(UPS)、および非常用発電機から構成されたシステムに対して、系統電力と非常用発電機の電源とを接続する高圧母線に、母線連絡遮断器を介してコジェネレーション装置を追加する構成である。
【0023】
すなわち、図1に示すように、この第1の実施形態による電力供給システム1においては、制御部5、系統電力部10、コジェネレーション部(以下、コジェネ部)20、および非常用発電部30を備える。
【0024】
制御部5は、この第1の実施形態による電力・熱媒製造システムの稼働を実現するための制御手段である。制御部5は、具体的に例えば、複数の機器やシステムのそれぞれが有する制御機能を利用して必要な情報が集められ、それぞれの機器やシステムに運転指令などの必要な信号を送信する制御装置などを含む制御機能の集合体から構成するのが好ましい。
【0025】
系統電力部10において商用電源からの受電が行われる。商用電源からの受電は、本線11および予備線12の2回線受電である。本線11および予備線12にはそれぞれ、受電遮断器13,14が設けられている。受電遮断器13,14は2CB方式を採用して供給信頼度を向上させている。本線11および予備線12は、計器用変成器(MOF)15および後述する母線連絡遮断器41を介して高圧母線16に接続されている。
【0026】
コジェネ部20は、並列接続された複数台のコジェネレーション装置21−1〜21−n(nは、自然数)を有して構成されている。なお、以下の説明において、コジェネレーション装置21−1〜21−nを総称して、コジェネレーション装置21と表現する場合もある。それぞれのコジェネレーション装置21−1〜21−nは、制御部5によって制御される。ここで、コジェネレーション装置21−1〜21−nのうちの少なくとも1台は、予備機として用いられる。これは、コジェネレーション装置21に不具合が生じた場合や定期点検またはオーバーホールが必要になった場合に、年間で30日程度停止させる必要があるためである。なお、予備機に代えて自家発補給電力契約を採用する方法もあるが、この場合、1台のコジェネレーション装置21の排熱回収量だけ補助ボイラの容量を増加する必要がある。さらに、施設における建設費の負担を低減するために、コジェネレーション装置21−1〜21−nは、予備機を含めて6台以上が好ましい(n≧6)。また、外部の施設が例えばデータセンタなどである場合、コジェネレーション装置21の設置後に情報機器が増設されることが多いため、コジェネ部20を複数のコジェネレーション装置21−1〜21−nから構成することは、先行投資の負担軽減にも有効である。コジェネレーション装置21−1〜21−nはそれぞれ、送出遮断器22−1〜22−nを介して高圧母線16に接続されている。
【0027】
コジェネレーション装置21は、NOx対策のために希薄燃焼方式を採用した高発電効率機、または三元触媒方式を採用した標準機を用いることができる。希薄燃焼方式は発電効率に優れている反面、自立運転するためには次のような条件が必要である。すなわち、希薄燃焼方式では、許容初期負荷投入率が30%程度以下で、初期負荷の投入後に10%程度きざみで段階的に負荷の投入が必要となり、かつ連続運転移行後の負荷率が65%程度以上という条件を満たす必要がある。これに対し、三元触媒方式は、許容初期負荷投入率が50〜60%程度以下の条件である。この第1の実施形態においては、上述した厳しい条件があるが、通常時における電力・熱媒製造システムのコストを可能な限り低減するために、希薄燃焼方式を採用するのが好ましい。
【0028】
すなわち、排熱利用率を100%にする場合、発電原価に関しては標準機を採用する方が低コストであるが、高発電効率機を採用する場合に比して排熱回収量が多くなる。そのため、コジェネレーション装置21として、三元触媒方式を採用した標準機を用いると、コジェネレーション装置21の容量である発電量が小さくなってエネルギーコストが高くなる。その結果、エネルギーコストは高発電効率機の方が低コストになるため、コジェネレーション装置21としては、希薄燃焼方式を採用した高発電効率機を用いることが好ましい。
【0029】
また、負荷設備が、テナントに情報機器の稼働環境を賃貸するデータセンタ等である場合、全負荷に対する情報機器の占める割合が極めて大きい。この場合、消費電力は冷却負荷と略等しくなる。そのため、希薄燃焼方式のコジェネレーション装置21は、発電効率と、コジェネの排熱回収率に冷水製造装置のCOPを乗じた冷水製造効率(蒸気回収効率×蒸気利用機器COP+液体回収効率×液体利用機器COP)とがほぼ一致する性能を有する点で、理想的である。
【0030】
さらに、負荷設備がデータセンタ等である場合、情報機器の電力消費量および機器発熱量の時間変動は、短時間かつ少量の増減が発生する程度であって、8760時間(1年間)を通じてほぼ一定である。この時間変動の最小負荷を「ベース負荷」とすると、コジェネレーション装置21として、その容量が冷水のベース負荷を回収排熱のみで製造可能な能力を有する機器を選定するのが好ましい。選定されたコジェネレーション装置21は、電力負荷と冷却負荷とのバランスから、必要電力のほとんどを供給できる。
【0031】
また、従来の電力供給システムにおける受電は特別高圧受電が必要になるが、コジェネ部20が設けられていることにより、コジェネ部20による発電能力の分だけ、受電量を低減できる。さらに、従来のシステムに必要であったモジュールチラーなどの冷水製造機に供給する電力が不要になるため、例えば、受電量は従来のシステムに比して1/10以下になるため、特別高圧受電が不要になる。さらに例えば、コジェネ部20は、系統電力部10と常に系統連系運転を行うため、電源品質については従来と同様の品質を確保できる。
【0032】
さて、高圧母線16においては、コジェネ部20の系統と系統電力部10の系統との間に母線連絡遮断器41が設置されている。母線連絡遮断器41は、系統電力部10の系統とコジェネ部20の系統との間で系統連系運転が行われる通常時において接続状態であり、必要に応じて両系統の高圧母線16を切り離し可能に構成される。
【0033】
非常用発電部30は、並列接続された複数台のガスタービン発電機31−1〜31−m(mは、自然数)を有して構成され、液体燃料などを燃料として自家発電可能に構成されている。ここで、液体燃料の非常用発電機としては、ガスタービン発電機やディーゼル発電機などが存在する。ガスタービン発電機は、負荷投入率が100%であるのに対し、ディーゼル発電機の負荷投入率は50%程度である。そのため、ガスタービン発電機のコストはディーゼル発電機のコストに比して1.5倍程度と高コストであるが、ガスタービン発電機の負荷投入率が100%であるため、設備費はディーゼル発電機に比して低コストになる。さらに、ガスタービン発電機31−1〜31−mを複数台設けることによって、初期にかかるコストを低減することができる。それぞれのガスタービン発電機31−1〜31−mは、制御部5によって制御される。なお、ガスタービン発電機31−1〜31−mは、原則的に予備機は設定しない。
【0034】
非常用発電機は、情報機器およびその他の建築設備の全てを含む負荷設備に対して、負荷投入率および運転中の最低負荷率を確保する必要がある。そのため、非常用発電機としては、負荷投入率を100%にできるガスタービン発電機が有効である。なお、ガスタービン発電機は、燃料タンクは大きくなるが、空冷かつ小型で軽量でもあるため、屋上のスペースに容易に設置できる。そのため、この第1の実施形態においては、非常用発電機としてガスタービン発電機を用いる。ガスタービン発電機31−1〜31−mはそれぞれ、遮断器32−1〜32−m、および母線連絡遮断器42を介して高圧母線16に接続されている。
【0035】
すなわち、高圧母線16において非常用発電部30の系統とコジェネ部20の系統との間に母線連絡遮断器42が設置されている。母線連絡遮断器42は、系統電力部10の系統とコジェネ部20の系統との間で系統連系運転が行われる通常時において遮断状態である。母線連絡遮断器42は、必要に応じて、コジェネ部20の系統と非常用発電部30の系統との高圧母線16を接続状態にできる。
【0036】
そして、通常運転において制御部5は、母線連絡遮断器41を閉状態、かつ母線連絡遮断器42を開状態に制御する。また、コジェネ部20において、例えばコジェネレーション装置21−1が予備機として設定された場合、通常運転において、コジェネレーション装置21−2〜21−nが系統電力部10と系統連系を行って全負荷連続運転を行う。この際、コジェネレーション装置21−2〜21−nによる発電電力に対し、必要な電力量に比して不足分の電力量が、系統電力部10を通じて自動的に補充される。
【0037】
ここで、非常用発電部30の容量は、停電時の必要供給量に対応した容量に選定される。具体的に、負荷設備が例えば病院である場合、非常用発電部30の容量を最大需要電力に対応した容量に選定すると、系統電力部10の停電時においても、負荷設備の機能を100%維持できる。
【0038】
コジェネ部20が運転中に、系統電力部10からの電力の供給が停止する、いわゆる停電が発生すると、制御部5は、送出遮断器22−1〜22−nを3秒間程度、開状態に制御して、停電の確認を行う。なお、この第1の実施形態における負荷設備は、電力負荷の調整が困難な設備であることから、制御部5の制御による電力負荷の調整は行われない。
【0039】
コジェネ部20の各コジェネレーション装置21−1〜21−n、および非常用発電部30の各ガスタービン発電機31−1〜31−mは、制御部5により制御される。制御部5には、MOF15から電力量に関する電力量の計測値のデータが供給される。
【0040】
高圧母線16は、並列接続された複数の遮断器51−1〜51−p(pは、自然数)、およびそれぞれの遮断器51−1〜51−pにそれぞれ接続された複数の単相変圧器61−1〜61−pを介して、負荷設備における照明/コンセントに接続されている。単相変圧器61−1〜61−pのうちの少なくとも1つは予備機である。単相変圧器61−1〜61−pと負荷設備における照明/コンセントとの間には、照明やコンセントごとにブレーカ81−1〜81−s(sは、自然数)が設けられている。
【0041】
高圧母線16は、並列接続された複数の遮断器52−1〜52−q(qは、自然数)、およびそれぞれの遮断器52−1〜52−qにそれぞれ接続された複数の三相変圧器62−1〜62−qを介して、負荷設備における冷凍機/ポンプ等の動力に接続されている。三相変圧器62−1〜62−qのうちの少なくとも1つは予備機である。三相変圧器62−1〜62−pと負荷設備における冷凍機/ポンプ等の動力との間には、冷凍機やポンプ等の動力ごとにブレーカ82−1〜82−t(tは、自然数)が設けられている。
【0042】
さらに、高圧母線16は、並列接続された複数の遮断器53−1〜53−r(rは、自然数)、およびそれぞれの遮断器53−1〜53−rにそれぞれ接続された複数の三相変圧器63−1〜63−rを介して、分電盤91−1〜91−v(vは、自然数)に接続されている。並列接続された分電盤91−1〜91−vは、負荷設備における例えば情報機器に電力を供給するためのものである。三相変圧器63−1〜63−rのうちの少なくとも1つは予備機である。三相変圧器63−1〜63−rと分電盤91−1〜91−vとの間には、複数台の無停電電源装置(UPS)71−1〜71−uが設けられている。UPS71−1〜71−uの少なくとも1台は予備機である。UPS71−1〜71−uと分電盤91−1〜91−vとの間には、分電盤91−1〜91−vごとにブレーカ83−1〜83−vが設けられている。
【0043】
高圧母線16における非常用発電部30との接続部分は、少なくとも1つの遮断器54および三相変圧器64を介して、負荷設備における防災設備に接続されている。三相変圧器64と負荷設備における防災設備との間には、防災設備ごとにブレーカ84−1〜84−w(wは、自然数)が設けられている。
【0044】
そして、通常運転において負荷設備における分電盤91−1〜91−vに給電される電力は、コジェネ部20において発電される電力、および系統電力部10を通じて外部の電力会社等から供給された系統電力である。また、系統電力部10を通じて供給される系統電力の容量は、制御部5によってコジェネ部20の発電での不足分を補う容量に調整される。これにより、系統電力部10およびコジェネ部20からの電力は、それぞれの分電盤91−1〜91−vを経由して負荷設備の例えば情報機器などに給電される。なお、電力は、上述した照明/コンセントや冷凍機/ポンプ等の動力にも供給されるが、分電盤91−1〜91−vを経由して負荷設備に供給される電力が他に比して極めて大きい。分電盤91−1〜91−vを通じて電力が供給される負荷設備がデータセンタの情報機器である場合などは、電力負荷の調整が困難であることが多い。
【0045】
第1の実施形態による電力供給システム1においては、コジェネレーション装置21の自立運転の条件を満たすように、電力負荷の調整ができない。上述したように、コジェネレーション装置21は、自立運転に移行する際の初期負荷投入率に条件が存在する。そのため、負荷設備が電力負荷の調整が困難なデータセンタなどである場合、コジェネレーション装置21の使用は困難である。これは、コジェネレーション装置21として、希薄燃焼方式を採用した高発電効率機を用いた場合には使用できず、三元触媒方式を採用した標準機を用いた場合であっても2倍の容量の設備が必要になるため、運転中での最低負荷率の維持が困難になるためである。そのため、通常時においてコジェネ部20は系統連系運転でのみ使用する。
【0046】
通常運転において、例えば、遮断器51−1〜51−p,52−1〜52−q,53−1〜53−rなどが突発的に開放された場合など、電力負荷が大きく低下する場合がある。この場合、コジェネ部20から系統電力部10に向けて電力が供給される逆潮流状態が生じる。逆潮流状態が生じると、系統連系の条件が満たされなくなって、系統連系運転が困難になる。そこで、本発明者は、コジェネ部20の運転中に負荷設備における電力負荷が大きく低下しても、系統連系運転を継続でき、コジェネレーション装置21を積極的に運用可能な最低買電量制御を案出した。
【0047】
最低買電量制御による制御方法は、所定の規定値として適正な最低買電量を設定し、買電量が設定された規定値以下になると、コジェネ部20における負荷率を低減して、最低買電量を確保する制御である。第1の実施形態においては具体的に、負荷設備に応じてあらかじめ設定された適正な最低買電量(例えば、30〜100kW)を、制御部5の所定の記憶部に格納しておく。そして、制御部5は、MOF15から供給される電力量の計測値が最低買電量の規定値以下になったと判断すると、コジェネレーション装置21−2〜21−nを制御して、例えば、必要とする負荷率の低下量に基づいて、運転中のコジェネレーション装置21−1〜21−nのそれぞれの負荷率を等分に低下させたり、一部を停止したりするなどの発電量制御を行う。これにより、コジェネ部20による発電容量が低下するため、系統電力部10における最低買電量が確保され、逆潮流状態の発生を回避することができるので、系統連系運転を継続できる。
【0048】
また、落雷や本線11から予備線12への切り替え時などといった2秒以下の停電である、いわゆる瞬時停電が発生する場合がある。瞬時停電において制御部5は、通常運転と同様に、母線連絡遮断器41を閉状態、かつ母線連絡遮断器42を開状態に維持する。瞬時停電の発生時において制御部5は、送出遮断器22−1〜22−nを開状態にする。そのため、UPS71−1〜71−uには、系統電力部10およびコジェネ部20からの給電が停止される。UPS71−1〜71−uは、停電モードに切り替わって、蓄電池からの供給を開始する。なお、コジェネレーション装置21−1〜21−nは、内部のエンジン(図示せず)の運転を継続して補機変圧器(いずれも図示せず)に給電するとともに、待機状態になる。その後、制御部5は、系統電力部10において瞬時停電から通常の給電状態に正常復帰した状態を確認すると、送出遮断器22−1〜22−nでコジェネ部20を系統電力に同期投入し閉状態に切り替えて通常運転に復帰する。
【0049】
また、コジェネレーション装置21は、系統電力部10と系統連系運転が実行できる一方で、上述したように、負荷設備がデータセンタなどである場合は電力負荷の調整ができないため、自立運転ができない。そのため、瞬時停電ではなく2秒間を超えた停電である通常の停電に至った場合、電力供給システム1の必要容量は、非常用発電部30によって供給される。すなわち、系統電力部10において、制御部5は不足電圧リレー(図示せず)の停電信号を受けて受電遮断器13,14を開状態にする。制御部5は、受電遮断器13,14が開状態になったことを確認した後、母線連絡遮断器41を開状態、かつ母線連絡遮断器42を閉状態に制御して、非常用発電部30からの電力供給体制を整える。この際、停電の発生時点から非常用発電部30による供給の開始時点まで、最大40秒間程度、通常は40秒以下の30数秒間の時間を要する。そのため、無停電供給が必要な負荷設備である例えば情報機器などが接続された分電盤91−1〜91−vには、非常用発電部30からの給電が可能になるまでの最大40秒間程度、停電モードにあるUPS71−1〜71−uのうちの必要な機器によって無停電給電が実行される。以上により、この第1の実施形態による電力・熱媒製造システムにおける電力供給システム1が構成されている。
【0050】
次に、この第1の実施形態によるコジェネレーションシステムを用いた電力・熱媒製造システムにおける熱供給システムについて説明する。
【0051】
図2に示すように、この第1の実施形態による熱供給システム2におけるコジェネレーションシステム100は、制御部5、コジェネレーション装置21、補助ボイラ120、および蒸気ヘッダ131を有して構成される。熱供給システム2は、コジェネレーションシステム100、温水ヘッダ132、および各種の蒸気利用機器や液体利用機器を有して構成される。各種の蒸気利用機器としては、吸収冷凍機141、蒸気変換器142、熱交換器143,144の少なくとも一種類から構成され、液体利用機器は、熱交換器145などから構成される。なお、これらの各種の蒸気利用機器や液体利用機器は、制御部5から供給される指令の信号(いずれも図示せず)によって制御される。
【0052】
コジェネレーション装置21は、エンジン、発電機、および排熱回収ボイラ(いずれも図示せず)を含んで構成される。エンジンは、ガスを燃料とするガスエンジンであって、都市ガスを燃料とし、都市ガスの燃焼エネルギーを回転運動に変換して動力として出力する。発電機は、エンジンの動力により回転駆動されて発電する。排熱回収ボイラは、蒸気および温水ボイラであって、エンジンの排熱により蒸気および温水を発生する。この第1の実施形態において、排熱回収ボイラは、エンジンの排気ガスおよび冷却水の熱を熱交換して蒸気および温水を発生する。
【0053】
コジェネレーションシステム100は、複数台のコジェネレーション装置21を有する。燃料の都市ガスは、それぞれのコジェネレーション装置21に独立して供給される。それぞれのコジェネレーション装置21は、独立して運転可能である。それぞれのコジェネレーション装置21は、それぞれに制御部を有する。それぞれのコジェネレーション装置21の制御部は、供給された信号に応じてエンジンや発電機を制御することによって、運転や停止、または発電量や蒸気発生量等を制御する。
【0054】
補助ボイラ120は、コジェネレーション装置21と独立して設けられる。補助ボイラ120は、燃料ガスの燃焼熱によって蒸気を発生する。補助ボイラ120は、都市ガスを燃料として、都市ガスの燃焼による熱によって蒸気を発生する。補助ボイラ120は、例えば貫流ボイラなどを用いることができる。貫流ボイラは、低コスト、かつボイラ効率が例えば98%程度と高効率であって、起動指示後の10分程度後に実際蒸発量の蒸気量を供給可能である等、即応性と制御性に優れた性能を有している。
【0055】
コジェネレーションシステム100は、複数台の補助ボイラ120を有する。それぞれの補助ボイラ120は、独立して運転可能である。それぞれの補助ボイラ120は、制御部を有し、補助ボイラ120の制御部は制御部5から供給される指令信号に応じて発生蒸気量を制御する。補助ボイラ120は、要求蒸気量の低下に対して1台の10%負荷程度まで追従運転可能である。
【0056】
それぞれのコジェネレーション装置21は、蒸気管111を介して蒸気ヘッダ131に接続されている。これにより、コジェネレーション装置21の排熱回収ボイラにおいて発生した蒸気のうちの回収蒸気は、蒸気管111を通じて蒸気ヘッダ131に供給される。
【0057】
それぞれの補助ボイラ120は、蒸気管121を通じて蒸気ヘッダ131に接続されている。これにより、補助ボイラ120において発生した蒸気は、蒸気管121を通じて蒸気ヘッダ131に供給される。
【0058】
蒸気ヘッダ131は、コジェネレーション装置21および補助ボイラ120に接続され、吸収冷凍機141、蒸気変換器142、および熱交換器143,144に蒸気を供給する。吸収冷凍機141、蒸気変換器142、および熱交換器143,144を含んで蒸気利用機器が構成される。
【0059】
吸収冷凍機141は、蒸気吸収冷凍機から構成され、供給される蒸気によって駆動されて水を冷却する。吸収冷凍機141によって冷却された水は、冷水ヘッダ133を通じて例えば冷房用の冷水として、負荷設備における各空調機に供給される。第1の実施形態において、吸収冷凍機141は複数台構成であって台数制御される。吸収冷凍機141としては、例えば、成績係数(Coefficient Of Performance:COP)が例えば1.45の高効率型吸収冷凍機が用いられる。吸収冷凍機141の部分負荷追従運転は、定格負荷の10〜15%まで対応可能である。従って、中間期などの低負荷運転時にも問題なく対応可能である。
【0060】
蒸気変換器142は、蒸気ヘッダ131から供給された高圧の蒸気を低圧の蒸気に変換して低圧蒸気ヘッダ134に供給する。低圧蒸気は、低圧蒸気ヘッダ134を通じて設備の蒸気使用箇所に供給される。低圧蒸気の使用用途の例を挙げると、消毒、殺菌、ランドリー、オートクレーブ用などである。
【0061】
熱交換器143,144は、蒸気ヘッダ131から供給された蒸気の熱を利用して熱交換によって温水を生成する蒸気/温水熱交換器である。熱交換器143,144の熱交換効率は例えば100%であって高効率である。熱交換器143が生成する温水は、暖房用温水ヘッダ135を通じて、暖房用の温水(暖房温水)として負荷設備のそれぞれの暖房装置に供給される。暖房温水の温度は、例えば45℃程度である。また、熱交換器144が生成する温水は、温水循環ポンプ146を介して貯湯槽150に供給される。
【0062】
コジェネレーション装置21内においてエンジンを冷却した冷却水および排熱回収ボイラで発生した温水(以下、冷却温水)は、回収温水として温水管112および温水ヘッダ132を通じて熱交換器145に供給される。熱交換器145は、エンジンによって例えば80℃以上に昇温された冷却温水の熱を利用して、熱交換によって温水を生成する温水/温水熱交換器である。熱交換器145が生成する温水は、温水循環ポンプ147を介して貯湯槽150に供給される。
【0063】
貯湯槽150は、温水を貯留するための槽である。貯湯槽150に一時的に温水を貯留することによって、給湯負荷の変動が抑制される。貯湯槽150の温水は、給湯用温水ヘッダ136および給湯管を通じて負荷設備のそれぞれの給湯箇所に供給される。なお、暖房温水を生成する温水/温水熱交換器を設け、コジェネレーション装置21内のエンジンによって昇温された冷却温水を暖房用温水ヘッダ135に供給して、コジェネレーション装置21からの冷却温水の利用先を拡大してもよい。すなわち、コジェネレーション装置21からの回収温水は、暖房および給湯に利用できる。給湯用温水ヘッダ136から供給される給湯温水の温度は、例えば60℃程度である。
【0064】
第1の実施形態によるコジェネレーションシステム100は、コジェネレーション装置21からの蒸気を補助ボイラ120からの蒸気よりも優先して蒸気ヘッダ131に供給する。すなわち、コジェネレーションシステム100は、コジェネレーション装置21の回収蒸気を補助ボイラ120で発生する蒸気に対して優先利用する。これにより、コジェネレーション装置21において、排熱の利用率を向上するとともに、稼働率を向上できる。
【0065】
この第1の実施形態においては、コジェネレーション装置21から蒸気ヘッダ131に供給する蒸気の圧力を、補助ボイラ120が蒸気ヘッダ131に供給する蒸気の圧力よりも高くする。具体的に、コジェネレーション装置21からの供給蒸気圧は、補助ボイラ120の供給蒸気圧よりも0.3〜0.5(kg/cm)程度高く調整される。コジェネレーション装置21の供給蒸気圧を補助ボイラ120の供給蒸気圧よりも高くすることによって、コジェネレーション装置21からの蒸気が補助ボイラ120からの蒸気よりも優先して蒸気ヘッダ131に供給される。
【0066】
蒸気ヘッダ131は、蒸気ヘッダ131の圧力を検出する蒸気圧センサ102を備える。蒸気圧センサ102による計測値のデータは、制御部5に供給される。制御部5は、蒸気圧センサ102の検出結果に基づいて、補助ボイラ120の運転台数および負荷率を制御する。なお、コジェネレーション装置21は、電力および排熱を100%使用する条件で選定されている。そのため、コジェネレーション装置21においては、排熱量が長時間にわたって過剰になる可能性が低いことから、蒸気圧センサ102の検出結果に基づいた運転台数の制御の可能性は低い。
【0067】
すなわち、制御部5は、蒸気圧センサ102によって蒸気ヘッダ131の圧力を常時モニタしている。制御部5は、蒸気ヘッダ131の圧力が所定圧以下になると、蒸気ヘッダ131に対する蒸気供給量の増加を決定し、補助ボイラ120に対して運転開始を指令する。補助ボイラ120による蒸気の供給がなされて、蒸気ヘッダ131内の圧力が設定値まで上昇すると、制御部5によって補助ボイラ120が停止される。補助ボイラ120が停止されるときの蒸気ヘッダ131内の圧力の設定値は、例えば、所定圧よりも高い圧力にしてもよい。
【0068】
図1に戻り、第1の実施形態において制御部5は、コジェネレーション装置21の発電量が負荷設備の電力負荷のベース負荷を担うように、コジェネレーション装置21を運転させる。コジェネレーション装置21の運転は、全負荷運転を原則とする。コジェネレーション装置21の運転台数は、例えば、曜日や時間帯ごとにパターン化できる。この第1の実施形態による制御部5は、運転スケジュールに基づいて、曜日と時間帯ごとに予め定められた台数のコジェネレーション装置21を運転させる。
【0069】
上述したように、この第1の実施形態によるコジェネレーションシステム100は、電力負荷のベース負荷に基づいて必要な台数のコジェネレーション装置21を全負荷運転させる。運転させるコジェネレーション装置21の台数は、例えば、コジェネレーション装置21の全発電量がベース負荷の電力以下となる台数である。なお、負荷設備がデータセンタなどの場合は、冷却負荷のベース負荷に基づいてコジェネレーション装置21の台数を決定するが、発電効率と排熱による冷水製造効率とはほぼ等しいため、やはり冷却負荷のベース負荷は電力負荷のベース負荷とほぼ等しくなる。負荷設備が病院などの場合においても、季節による熱負荷変動が大きいため、電力負荷のベース負荷に基づいて、コジェネレーション装置21の台数を決定してもよい。制御部5は、コジェネレーション装置21の排熱供給量が負荷設備の需要に対して不足する場合に補助ボイラ120を運転する。すなわち、制御部5は、コジェネレーション装置21の運転を補助ボイラ120の運転よりも優先させる。
【0070】
上述した熱供給システム2は、電力需要に対して一年を通じて安定的に存在する熱需要が比較的大きい施設に適用でき、電力・熱媒製造に要するコストの低減などの導入効果は、熱需要の割合が大きく、施設の稼働時間が長いほど大きくなる。具体的な負荷設備としては、データセンタ、冷却・加熱などの熱需要の多い工場には導入効果が大きく、病院、ホテル、ショッピングセンターなどでも有効である。
【0071】
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、電力・熱媒製造コストを低減しつつ、コジェネレーション装置21の設備などが増加するにもかかわらず電力・熱媒の製造設備の建設費を圧縮できる可能性がある。また、停電時においても負荷設備の機能維持に必要な電力を容易に確保することができ、CO2の排出量を低減可能となる。さらに、電力供給システム1において電力負荷が急激に低下した場合に、最低買電量制御を行っていることにより、逆潮流状態の発生を回避できるので、系統連系運転を継続することが可能となる。
【0072】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態によるコジェネレーションシステムを用いた冷水製造システムについて説明する。図3は、第2の実施形態による冷水製造システムを示すブロック図である。この第2の実施形態における冷水製造システムは、例えば、負荷設備としてのデータセンタにおける情報機器の冷却に用いる冷水を製造するシステムである。
【0073】
図3に示すように、第2の実施形態による冷水製造システム200は、制御部5、コジェネレーション装置21、補助ボイラ220、蒸気ヘッダ230、吸収冷凍機240、低温吸収冷凍機250、および冷水ヘッダ260を有して構成されている。制御部5、およびコジェネレーション装置21についてはそれぞれ、第1の実施形態と同様である。
【0074】
補助ボイラ220は、負荷設備における機器からの発熱が増加した際の回収排熱の不足分を補うためのボイラである。補助ボイラ220としては、通常時においては都市ガスを使用可能で、かつ非常時においては液体燃料を使用可能な、混焼方式を採用する。
【0075】
ここで、コジェネレーション装置21からの排熱の回収方式としては、温水で回収する方式と蒸気および温水で回収する方式とがある。第2の実施形態による冷水製造システム200においては、冷水製造に有効な観点から、蒸気および温水で回収する方式を採用する。
【0076】
すなわち、コジェネレーション装置21は、蒸気管211を通じて蒸気ヘッダ230に接続されている。これにより、コジェネレーション装置21内の排熱回収ボイラにおいて発生した蒸気は、回収蒸気として蒸気管211を通じて蒸気ヘッダ230に供給される。回収蒸気の圧力は0.8MPa程度である。
【0077】
補助ボイラ220は、蒸気管221を通じて蒸気ヘッダ230に接続されている。これにより、補助ボイラ220において発生した蒸気は、蒸気管221を通じて蒸気ヘッダ230に供給される。蒸気ヘッダ230は、コジェネレーション装置21および補助ボイラ220に接続され、吸収冷凍機240に蒸気を供給する。
【0078】
吸収冷凍機240のCOPは、例えば1.33〜1.51またはそれ以上である。具体的に吸収冷凍機240は、COPが例えば1.33または1.45の蒸気吸収冷凍機から構成される。回収排熱によって7℃程度の冷水を製造するために、吸収冷凍機240の方式としてガス方式を採用する。吸収冷凍機240は、供給される蒸気によって駆動されて水を冷却する。吸収冷凍機240によって冷却された水は、例えば7℃程度の冷水として冷水ヘッダ260に供給される。
【0079】
一方、コジェネレーション装置21内において発生した冷却温水は、回収液体である回収温水として温水管212を通じて低温吸収冷凍機250に供給される。回収液体としての回収温水の温度は例えば88℃程度である。低温吸収冷凍機250は、COPが例えば0.75で駆動するシステムであって、回収排熱によって7℃程度の冷水を製造するために、ガス方式が採用される。低温吸収冷凍機250によって冷却された水は、例えば7℃程度の冷水として冷水ヘッダ260に供給される。吸収冷凍機240および低温吸収冷凍機250によって製造され、冷水ヘッダ260に供給された冷水は、系統分けが行われて、空調機などの負荷設備における必要な冷却設備に供給される。なお、冷水ヘッダ260は必要に応じて2段構成にしてもよい。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0080】
この第2の実施形態において負荷設備は、具体的に例えば、常時稼働している情報機器を多数備えたデータセンタなどである。これにより、コジェネレーション装置21として、大規模なコジェネレーションシステムを採用することができる。そして、負荷設備における情報機器の通常稼働時においては、回収蒸気および回収温水で製造する冷水の供給量と消費量とが均衡している。また、多数のラックに集積された情報機器の総発熱量は、メンテナンスや稼働状況によって多少の増減が生じるものの、増設や変更などを除いた通常稼働状態においては、ほぼ一定である。そのため、コジェネレーション装置21の容量は、回収排熱の回収量に基づいて決定され、具体的には情報機器が通常稼働している場合における発熱を冷却可能な分の冷水(ベース需要)を製造できるように選定される。なお、上述したように停電時においては、コジェネレーション装置21が停止するため、排熱回収量の相当分を非常用発電部30における排熱の回収、または補助ボイラ220の容量の増加によって対応する。このように、冷水の製造に使用するエネルギーは、補助ボイラ220において使用される都市ガスのみであるため、冷水の製造コストをほとんど0と、極めて低廉にすることが可能になる。
【0081】
また、負荷設備における情報機器等の発熱量が増加すると、冷水ヘッダ260における冷水温度が上昇する。制御部5は、冷水ヘッダ260の冷水を所定の温度に維持するように、吸収冷凍機240に冷水の供給量の増加を指令する信号を供給する。信号が供給された吸収冷凍機240においては、冷水の製造量が増加される。吸収冷凍機240によって冷水の製造量が増加されると、増加量に比例して蒸気消費量が増加されて、蒸気ヘッダ230内の蒸気圧が低下する。制御部5は、蒸気圧センサ202から蒸気圧の低下の信号を受信すると、補助ボイラ220に高負荷運転または運転開始を指令して起動させ、蒸気ヘッダ230内の蒸気圧が所定の圧力になるまで蒸気を供給する。これにより、蒸気ヘッダ230内がほぼ一定の蒸気圧に維持される。補助ボイラ220から蒸気ヘッダ230への蒸気の供給によって蒸気ヘッダ230内の圧力が上昇して所定の圧力以上になると、制御部5によって補助ボイラ220が停止される。蒸気ヘッダ230の蒸気圧が所定の圧力に維持されることにより、冷却負荷に対応した冷水の供給を継続できる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0082】
この第2の実施形態による冷水製造システムによれば、第1の実施形態による熱供給システム2と同様の効果を得ることができるとともに、負荷設備がデータセンタのような冷却負荷が大きい設備であっても、コジェネレーション装置21を導入する際にコジェネレーション装置21の排熱利用率を低下させないで大容量のコジェネレーション装置21を導入でき、電力および熱媒の製造コストの削減額を増加できる。
【0083】
(第2の実施形態の変形例)
次に、上述した第2の実施形態の変形例について説明する。図4は、この第2の実施形態の変形例における冷水製造システムを示すブロック図である。
【0084】
図4に示すように、第2の実施形態の変形例による冷水製造システム300は、複数のコジェネレーション装置21−1〜21−n、複数の補助ボイラ220−1〜220−k(kは自然数)、複数の吸収冷凍機240−1〜240−f(fは自然数)、および複数の低温吸収冷凍機250−1〜250−g(gは自然数)を有する。すなわち、第2の実施形態による冷水製造システム200において、コジェネレーション装置21、補助ボイラ220、吸収冷凍機240、および低温吸収冷凍機250はそれぞれ複数台で構成される。具体的に例えば、冷水製造システム300は、コジェネレーション装置21、補助ボイラ220、吸収冷凍機240、および低温吸収冷凍機250をそれぞれ、必要容量を5台程度に台数分割しつつ予備機を1台確保した台数を並列接続して構成される。複数台の装置を並列接続して構成することにより、一部の装置が故障した場合においても、故障した装置による冷水製造システム300への影響を最小限にできる。
【0085】
冷水製造システム300は、蒸気ヘッダ330を備える。コジェネレーション装置21−1〜21−nはそれぞれ、蒸気管211−1〜211−nを通じて蒸気ヘッダ330に接続されている。これにより、それぞれのコジェネレーション装置21−1〜21−nからの回収蒸気は、蒸気管211−1〜211−nを通じて蒸気ヘッダ330に供給される。回収蒸気の圧力は0.8MPa程度である。
【0086】
補助ボイラ220−1〜220−kはそれぞれ、蒸気管221−1〜221−kを通じて蒸気ヘッダ330に接続されている。これにより、補助ボイラ220−1〜220−kにおいて発生した蒸気はそれぞれ、蒸気管221−1〜221−kを通じて蒸気ヘッダ330に供給される。蒸気ヘッダ330は、それぞれの吸収冷凍機240−1〜240−fに蒸気を供給する。吸収冷凍機240−1〜240−fはそれぞれ、第2の実施形態における吸収冷凍機240と同様であり、吸収冷凍機240−1〜240−fによって冷却された例えば7℃程度の冷水は冷水ヘッダ361に供給される。
【0087】
また、冷水製造システム300は、温水ヘッダ331を備える。それぞれのコジェネレーション装置21−1〜21−n内において発生した冷却温水はそれぞれ温水管212−1〜212−nを通じて回収温水として温水ヘッダ331に供給される。温水ヘッダ331は、それぞれの低温吸収冷凍機250−1〜250−gに温水を供給する。回収温水の温度は例えば88℃程度である。低温吸収冷凍機250−1〜250−gは第2の実施形態における低温吸収冷凍機250と同様であり、低温吸収冷凍機250−1〜250−gによって冷却された例えば7℃程度の冷水は、冷水ヘッダ362に供給される。
【0088】
冷水ヘッダ361,362に供給された冷水は、冷水主ヘッダ363に供給され、系統分けが行われて、空調機などの負荷設備における必要な冷却設備に供給される。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0089】
さて、従来技術においてモジュールチラーが採用されている最大の理由は、データセンタの竣工後のテナントの増加に伴って、負荷設備としてのデータセンタの情報機器が順次増設された場合に、情報機器の増加に伴う冷却負荷の増加に柔軟に対応するためである。これに対し、冷水製造システム300においても、冷水製造システムの主要な機器を複数台に分割して運用するため、モジュールチラーを採用する場合に比しても、実質的に遜色のない対応が可能になる。
【0090】
また、従来の冷水製造システムにおいては、昼間の時間帯のみ運転を行う、いわゆる一般仕様の小型機のモジュールチラーを屋上に多数設置(例えば170台程度)している。そのため、予備機を30〜50%程度備える必要が生じ、ローテーション運転や点検の強化が必要であった。現状、モジュールチラーにおいて、圧縮機を5年ごとに交換することによって10年間の使用を目指している状態である。これに対し、上述した実施形態による冷水製造システム200,300においては、冷水製造機の維持管理が容易になり、冷水製造機が例えば15年以上使用可能になる。すなわち、上述したように、冷水製造は、吸収冷凍機141,240,240−1〜240−fや低温吸収冷凍機250,250−1〜250−gなどの吸収冷凍機によって行われる。これらの吸収冷凍機は、365日24時間の連続運転に対応した機器である、いわゆるヘビーロード仕様の大型機であって屋内に設置される。そのため、吸収冷凍機の維持管理が格段に容易になって長期間使用することが可能となる。
【0091】
さらに、従来のモジュールチラーにおいては、屋外機を設置する屋上スペースの制約から情報機器室は2〜3層が限度であった。これに対し、上述した実施形態による冷水製造システム200,300によれば、用地面積を半減することができる。すなわち、需要の多い都心部などにおいて、情報機器を設置する情報機器室を多層化することができるので、用地面積を大幅に低減できる。
【0092】
また、負荷設備における情報機器等の発熱量が減少して冷却負荷が低減する場合が考えられる。通常稼働状態では、低減量は僅かで短時間であるので、コジェネレーション装置21−1〜21−nの稼働台数はそのままとし、負荷率を低下させて対応する。コジェネレーション装置21−1〜21−nの部分負荷運転時においては、発電量の低下に対して回収排熱量の低下は小さくなるため、排熱回収量が過剰になり、回収排熱の一部を外部に排熱することになる。しかしながら、外部への排熱量は僅かであるため、コスト損失は僅かである。
【0093】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
【0094】
例えば上述の実施形態においては、本発明を自立運転が困難なコジェネレーション装置を備えた施設に適用したが、自立運転可能なコジェネレーション装置を備えた施設に適用することも可能である。すなわち、電力負荷を調整して自立運転可能な施設においても、例えば増設工事等によって負荷変更が生じた場合に、デマンド制御システムにおいてフォローがおろそかになる場合や、オペレータが馴染めずにデマンド制御システムを切り離して手動で負荷調整を行う場合がある。そのため、自立運転可能な施設においても、本発明によるシステムを採用することにより、デマンド制御システムのフォローや停電発生時の面倒な負荷調整が不要になって、停電発生時においても特別な操作が不要になるという利点がある。
【符号の説明】
【0095】
1 電力供給システム
2 熱供給システム
5 制御部
10 系統電力部
11 本線
12 予備線
13,14 受電遮断器
16 高圧母線
20 コジェネ部
21,21−1,21−2〜21−n コジェネレーション装置
22−1〜22−n 送出遮断器
30 非常用発電部
31−1〜31−m ガスタービン発電機
32−1〜32−m,51−1〜51−p,52−1〜52−q,53−1〜53−r,54 遮断器
41,42 母線連絡遮断器
61−1〜61−p 単相変圧器
62−1〜62−q,63−1〜63−r,64 三相変圧器
71−1〜71−u 無停電電源装置(UPS)
81−1〜81−s,82−1〜82−t,83−1〜83−v,84−1〜84−w ブレーカ
91−1〜91−v 分電盤
100 コジェネレーションシステム
102,202 蒸気圧センサ
111,121,211,211−1〜211−n,221,221−1〜221−k 蒸気管
112,212,212−1〜212−n 温水管
120,220,220−1〜220−k 補助ボイラ
131,230,330 蒸気ヘッダ
132,331 温水ヘッダ
133,260,361,362 冷水ヘッダ
134 低圧蒸気ヘッダ
135 暖房用温水ヘッダ
136 給湯用温水ヘッダ
141,240,240−1〜240−f 吸収冷凍機
142 蒸気変換器
143,144,145 熱交換器
146,147 温水循環ポンプ
150 貯湯槽
200,300 冷水製造システム
250,250−1〜250−g 低温吸収冷凍機
363 冷水主ヘッダ
図1
図2
図3
図4