【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、一態様において、本発明は、以下の工程:a)細胞保持システムに連結されている灌流バイオリアクタにおいて細胞を培養する工程;b)当該細胞を非遠心分離濃縮することにより、濃縮された細胞集団を製造する工程;およびc)当該濃縮された細胞集団を凍結保存することにより、高密度凍結細胞バンクを製造する工程、を含む、高密度凍結細胞バンクを製造するための非遠心分離方法を提供する。
【0005】
一実施形態において、当該細胞保持システムは、フィルタを含む交互接線流ろ過システムを含む。別の実施形態において、当該フィルタは、少なくとも0.3m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約0.5から約1.0m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約0.7から約0.8m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約2.0から約3.0m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約4から約5m
2の表面積を有する。
【0006】
一実施形態において、当該フィルタは、約0.2μmの孔径を有する。
【0007】
一実施形態において、当該濃縮された細胞集団は、少なくとも約1×10
8細胞/mLの細胞密度を有する。
【0008】
一実施形態において、当該濃縮された細胞集団は、約1×10
8細胞/mLの細胞密度を有する。
【0009】
一実施形態において、凍結保存工程は、濃縮された細胞集団に約5v/v%から約10v/v%の最終濃度までDMSOを加える工程を含む。別の実施形態において、凍結保存工程は、凍結保存条件下において、貯蔵にとって適切なコンテナにおいて、濃縮された細胞集団の少なくとも一部を凍結する工程を含む。
【0010】
一実施形態において、当該コンテナはバイアルである。一実施形態において、当該コンテナは、少なくとも2mLの容積を有する。一実施形態において、当該コンテナは、約5mLの容積を有する。
【0011】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、約4.5×10
8の細胞を含む。
【0012】
一実施形態において、当該コンテナはクライオバッグである。別の実施形態において、クライオバッグは、約5から約150mLの容積を有する。
【0013】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、約1×10
8細胞/mLの細胞密度を有する。
【0014】
一実施形態において、灌流バイオリアクタの灌流速度は、少なくとも約0.2nL/細胞/日である。
【0015】
一実施形態において、灌流バイオリアクタ細胞培養は、約7のpHおよび少なくとも約40%の溶存酸素濃度を有する。
【0016】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、フレキシブルバッグバイオリアクタである。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタは、10Lの容積を有する。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタは、少なくとも20Lの容積を有する。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタはさらに、少なくとも1つの浸漬管を含む。
【0017】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも60%の解凍後生存率を有する。別の実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも90%の解凍後生存率を有する。別の実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも95%の解凍後生存率を有する。
【0018】
一実施形態において、細胞は哺乳動物細胞である。別の実施形態において、当該哺乳動物細胞は、CHO、CHO−DBX11、CHO−DG44、CHO−S、CHO−K1、Vero、BHK、HeLa、COS、MDCK、HEK−293、NIH−3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20、T47D、NS0、CRL7030、HsS78Bst細胞、PER.C6、SP2/0−Ag14、およびハイブリドーマ細胞からなる群より選択される。
【0019】
一実施形態において、細胞はトランスフェクトされた細胞である。
【0020】
一態様において、本発明は、以下の工程:a)交互接線流ろ過システムに連結された灌流バイオリアクタにおいて細胞を培養する工程であって、当該バイオリアクタが、フレキシブルバッグバイオリアクタを含み、当該フィルタが、少なくとも0.3m
2のフィルタ表面積および少なくとも50kDaのMWCOサイズを有する、工程;b)約1×10
8細胞/mLの密度を有する濃縮された細胞集団を製造するために、交互接線流ろ過システムを使用して当該細胞を非遠心分離濃縮する工程;c)高密度凍結細胞バンクを製造するために当該濃縮された細胞集団を凍結保存する工程であって、当該濃縮された細胞集団に約5v/v%から約10v/v%の最終濃度までDMSOを加える工程を含む、工程、を含み、当該高密度凍結細胞バンクが、約10
8細胞/mLの細胞密度を有する、高密度凍結細胞バンクを製造するための非遠心分離方法を提供する。
【0021】
一実施形態において、培養物のpHおよびDOは、自動化された方法によって制御される。
【0022】
一実施形態において、培養物のpHおよびDOは、自動化されていない方法によって制御される。別の実施形態において、当該pHおよびDOは、以下:培養物に導入されるガスの混合物の調節、バイオリアクタの揺動速度の調節、またはバイオリアクタの揺動角度の調節、のうちの任意の1つまたはそれ以上により制御される。
【0023】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、8°の揺動角度により15rpmにおいて揺動される。
【0024】
したがって、一態様において、本発明は、以下の工程:a)細胞保持システムに連結されている灌流バイオリアクタにおいて細胞を培養する工程;b)当該細胞を非遠心分離濃縮することにより、濃縮された細胞集団を製造する工程;およびc)当該濃縮された細胞集団を凍結保存することにより、高密度凍結細胞バンクを製造する工程、を含む、高密度凍結細胞バンクを製造するための非遠心分離方法を提供する。
【0025】
一実施形態において、当該細胞保持システムは、フィルタを含む交互接線流ろ過システムを含む。別の実施形態において、当該フィルタは、少なくとも0.3m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約0.5から約1.0m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約0.7から約0.8m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約2.0から約3.0m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約4から約5m
2の表面積を有する。
【0026】
一実施形態において、当該フィルタは、約0.2μmの孔径を有する。
【0027】
一実施形態において、当該濃縮された細胞集団は、少なくとも約1.1×10
8細胞/mLの細胞密度を有する。
【0028】
一実施形態において、当該濃縮された細胞集団は、約1.1×10
8細胞/mLの細胞密度を有する。
【0029】
一実施形態において、凍結保存工程は、濃縮された細胞集団に約5v/v%から約10v/v%の最終濃度までDMSOを加える工程を含む。別の実施形態において、凍結保存工程は、凍結保存条件下において、貯蔵にとって適切なコンテナにおいて、濃縮された細胞集団の少なくとも一部を凍結する工程を含む。
【0030】
一実施形態において、当該コンテナはバイアル瓶である。一実施形態において、当該コンテナは、少なくとも2mLの容積を有する。一実施形態において、当該コンテナは、約5mLの容積を有する。
【0031】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、約4.5×10
8の細胞を含む。
【0032】
一実施形態において、当該コンテナはクライオバッグである。別の実施形態において、クライオバッグは、約5から約150mLの容積を有する。
【0033】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、約1×10
8細胞/mLの細胞密度を有する。
【0034】
一実施形態において、灌流バイオリアクタの灌流速度は、少なくとも約0.2nL/細胞/日である。
【0035】
一実施形態において、灌流バイオリアクタ細胞培養は、約7のpHおよび少なくとも約40%の溶存酸素濃度を有する。
【0036】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、フレキシブルバッグバイオリアクタである。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタは、10Lの容積を有する。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタは、少なくとも20Lの容積を有する。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタはさらに、少なくとも1つの浸漬管を含む。
【0037】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも60%の解凍後生存率を有する。別の実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも90%の解凍後生存率を有する。別の実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも95%の解凍後生存率を有する。
【0038】
一実施形態において、細胞は哺乳動物細胞である。別の実施形態において、当該哺乳動物細胞は、CHO、CHO−DBX11、CHO−DG44、CHO−S、CHO−K1、Vero、BHK、HeLa、COS、MDCK、HEK−293、NIH−3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20、T47D、NS0、CRL7030、HsS78Bst細胞、PER.C6、SP2/0−Ag14、およびハイブリドーマ細胞からなる群より選択される。
【0039】
一実施形態において、細胞はトランスフェクトされた細胞である。
【0040】
一態様において、本発明は、以下の工程:a)交互接線流ろ過システムに連結された灌流バイオリアクタにおいて細胞を培養する工程であって、当該バイオリアクタが、フレキシブルバッグバイオリアクタを含み、当該フィルタが、少なくとも0.3m
2のフィルタ表面積および少なくとも50kDaのMWCOサイズを有する、工程;b)約1.1×10
8細胞/mLの密度を有する濃縮された細胞集団を製造するために、交互接線流ろ過システムを使用して当該細胞を非遠心分離濃縮する工程;c)高密度凍結細胞バンクを製造するために当該濃縮された細胞集団を凍結保存する工程であって、当該濃縮された細胞集団に約5v/v%から約10v/v%の最終濃度までDMSOを加える工程を含む、工程、を含み、当該高密度凍結細胞バンクが、約10
8細胞/mLの細胞密度を有する、高密度凍結細胞バンクを製造するための非遠心分離方法を提供する。
【0041】
一実施形態において、培養物のpHおよびDOは、自動化された方法によって制御される。
【0042】
一実施形態において、培養物のpHおよびDOは、自動化されていない方法によって制御される。別の実施形態において、当該pHおよびDOは、以下:培養物に導入されるガスの混合物の調節、バイオリアクタの揺動速度の調節、またはバイオリアクタの揺動角度の調節、のうちの任意の1つまたはそれ以上により制御される。
【0043】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、8°の揺動角度により15rpmにおいて揺動される。
【0044】
一態様において、本発明は、以下の工程:a)灌流バイオリアクタにおいて細胞を培養する工程であって、当該バイオリアクタが、効率的な混合およびガス交換のために撹拌され、かつ当該バイオリアクタが、細胞保持システムに連結されている、工程;b)当該細胞を非遠心分離濃縮することにより、濃縮された細胞集団を製造する工程;およびc)当該濃縮された細胞集団を凍結保存することにより、高密度凍結細胞バンクを製造する工程、を含む、高密度凍結細胞バンクを製造するための非遠心分離方法を提供する。
【0045】
一実施形態において、当該細胞保持システムは、フィルタを含む交互接線流ろ過システムを含む。別の実施形態において、当該フィルタは、少なくとも0.3m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約0.5から約1.0m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約0.7から約0.8m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約2.0から約3.0m
2の表面積を有する。別の実施形態において、当該フィルタは、約4から約5m
2の表面積を有する。
【0046】
一実施形態において、当該フィルタは、0.2μm、0.4μm、および0.65μmからなる群より選択される孔径を有する。
【0047】
一実施形態において、当該濃縮された細胞集団は、1.0×10
8細胞/mL、1.1×10
8細胞/mL、1.2×10
8細胞/mL、1.3×10
8細胞/mL、1.5×10
8細胞/mL、1.7×10
8細胞/mL、および2.0×10
8細胞/mLからなる群より選択される細胞密度を有する。
【0048】
一実施形態において、凍結保存工程は、濃縮された細胞集団に約5v/v%から約10v/v%の最終濃度までDMSOを加える工程を含む。別の実施形態において、凍結保存工程は、凍結保存条件下において、貯蔵にとって適切なコンテナにおいて、濃縮された細胞集団の少なくとも一部を凍結する工程を含む。
【0049】
一実施形態において、当該コンテナはバイアル瓶である。一実施形態において、当該コンテナは、少なくとも2mLの容積を有する。一実施形態において、当該コンテナは、約5mLの容積を有する。
【0050】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、約4.5×10
8の細胞を含む。
【0051】
一実施形態において、当該コンテナはクライオバッグである。別の実施形態において、クライオバッグは、約5から約150mLの容積を有する。
【0052】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、約1×10
8細胞/mLの細胞密度を有する。
【0053】
一実施形態において、灌流バイオリアクタでの灌流速度は、約0.02nL/細胞/日から約0.5nL/細胞/日の間である。
【0054】
一実施形態において、灌流バイオリアクタの細胞培養物は、約6.8から約7.2の間のpHを有する。
【0055】
一実施形態において、灌流バイオリアクタの細胞培養物は、少なくとも約30%の溶存酸素濃度を有する。
【0056】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、フレキシブルバッグバイオリアクタである。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタは、10Lの容積を有する。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタは、少なくとも20Lの容積を有する。別の実施形態において、当該フレキシブルバッグバイオリアクタはさらに、少なくとも1つの浸漬管を含む。
【0057】
一実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも60%の解凍後生存率を有する。別の実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも90%の解凍後生存率を有する。別の実施形態において、当該高密度凍結細胞バンクは、少なくとも95%の解凍後生存率を有する。
【0058】
一実施形態において、細胞は哺乳動物細胞である。別の実施形態において、当該哺乳動物細胞は、CHO、CHO−DBX11、CHO−DG44、CHO−S、CHO−K1、Vero、BHK、HeLa、COS、MDCK、HEK−293、NIH−3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20、T47D、NS0、CRL7030、HsS78Bst細胞、PER.C6、SP2/0−Ag14、およびハイブリドーマ細胞からなる群より選択される。
【0059】
一実施形態において、細胞はトランスフェクトされた細胞である。
【0060】
一態様において、本発明は、以下の工程:a)交互接線流ろ過システムに連結された灌流バイオリアクタにおいて細胞を培養する工程であって、当該バイオリアクタが、フレキシブルバッグバイオリアクタを含み、当該フィルタが、少なくとも0.3m
2のフィルタ表面積および少なくとも50kDaのMWCOサイズを有する、工程;b)約1.0×10
8細胞/mLを超える密度を有する濃縮された細胞集団を製造するために、交互接線流ろ過システムを使用して当該細胞を非遠心分離濃縮する工程;c)高密度凍結細胞バンクを製造するために当該濃縮された細胞集団を凍結保存する工程であって、当該濃縮された細胞集団に約5v/v%から約10v/v%の最終濃度までDMSOを加える工程を含む、工程、を含み、当該高密度凍結細胞バンクが、約10
8細胞/mLの細胞密度を有する、高密度凍結細胞バンクを製造するための非遠心分離方法を提供する。
【0061】
一実施形態において、培養物のpHおよびDOは、自動化された方法によって制御される。
【0062】
一実施形態において、培養物のpHおよびDOは、自動化されていない方法によって制御される。別の実施形態において、当該pHおよびDOは、以下:培養物に導入されるガスの混合物の調節、バイオリアクタの揺動速度の調節、またはバイオリアクタの揺動角度の調節、のうちの任意の1つまたはそれ以上により制御される。
【0063】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、少なくとも8°の揺動角度により少なくとも15rpmの速度において揺動される。
【0064】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、8°の揺動角度により15rpmの速度において揺動される。
【0065】
一実施形態において、当該バイオリアクタは、10°の揺動角度により22rpmにおいて揺動される。