特許第6742906号(P6742906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6742906基本的に多角形又は楕円形状のベース面を有し、片側に配置された少なくとも1つの凹部を有する創傷ケア用品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6742906
(24)【登録日】2020年7月31日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】基本的に多角形又は楕円形状のベース面を有し、片側に配置された少なくとも1つの凹部を有する創傷ケア用品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20060101AFI20200806BHJP
   A61F 13/00 20060101ALI20200806BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20200806BHJP
   A61F 13/10 20060101ALI20200806BHJP
   A61F 13/12 20060101ALI20200806BHJP
   A61F 13/14 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   A61F13/02 310T
   A61F13/00 301C
   A61F13/06 Z
   A61F13/10 Z
   A61F13/12
   A61F13/14 Z
   A61F13/02 310M
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-533910(P2016-533910)
(86)(22)【出願日】2014年8月12日
(65)【公表番号】特表2016-527064(P2016-527064A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】EP2014067271
(87)【国際公開番号】WO2015022334
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2017年8月10日
(31)【優先権主張番号】202013103639.0
(32)【優先日】2013年8月12日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】202013103953.5
(32)【優先日】2013年9月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】317016822
【氏名又は名称】ビーエスエヌ メディカル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】リーシンガー,ビルギット
【審査官】 五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】 カナダ国特許出願公開第02834756(CA,A1)
【文献】 特許第3587846(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0143697(US,A1)
【文献】 特表2004−513704(JP,A)
【文献】 米国特許第02875758(US,A)
【文献】 米国特許第06264976(US,B1)
【文献】 国際公開第2013/007973(WO,A2)
【文献】 米国特許第05683354(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0125234(US,A1)
【文献】 米国特許第05704905(US,A)
【文献】 米国特許第05827213(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00 − 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの丸角を有し、長手方向側面に半円形または半楕円形の凹部を有し、長方形であるベース面、または部分的に長方形の四辺に対応する周辺端部を有する形状であるベース面と、
内部に超吸収性ポリマーが分散している変性セルロース製の吸収性不織布を含む少なくとも1つの平坦層と、
前記平坦層を被覆し、少なくとも部分的に透液性素材から成る覆いとを有し、前記平坦層は、平面視で、非湿潤状態にて、前記覆いにより画定された内部の表面積(F2)よりも3〜75%小さい表面積(F1)を有する平坦な創傷ケア用品。
【請求項2】
前記平坦な創傷ケア用品は、二つの隣接する丸角を有する長方形状であり、前記凹部は、前記二つの丸角の間にある、請求項1に記載の創傷ケア用品。
【請求項3】
少なくとも1つの斜め角を有することを特徴とする、請求項2に記載の創傷ケア用品。
【請求項4】
前記覆いは、少なくとも特定の部位で柔軟性を持つ素材を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【請求項5】
前記覆いは、少なくとも部分的に三次元創傷スペーサメッシュから成り、または、当該メッシュにより覆われ、若しくは裏打ちされることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【請求項6】
前記覆いは、少なくとも部分的に含浸材又は防水材で形成され、または、当該材料で覆われるか裏打ちされることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【請求項7】
少なくとも1種類の重金属を、単体形態もしくはイオン形態で、少量含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【請求項8】
前記少なくとも1種類の重金属であって、単体形態もしくはイオン形態で含まれるものが、銅、亜鉛、及び/又は銀を含む群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の創傷ケア用品。
【請求項9】
前記平坦層もしくは前記覆いが、カバーフィルムにより、少なくとも一側面が覆われ、もしくは、置き換えられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【請求項10】
前記カバーフィルムは、前記創傷ケア用品における前記カバーフィルムを除いた部分の周囲よりも広がっており、創傷の周囲の肌に貼り付け可能であることを特徴とする、請求項9に記載の創傷ケア用品。
【請求項11】
前記平坦層又は前記覆いは、少なくとも片側に接着剤が塗布されたものであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【請求項12】
身体の一部に前記創傷ケア用品を固定するため、少なくとも1つの固定要素をさらに有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【請求項13】
1つ以上の折り線又は破断線をさらに有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の創傷ケア用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、創傷ケア用品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前提部に係る創傷ケア用品は、例えば欧州特許EP1507498号に開示されており、慢性的及び高滲出性の創傷に対する治癒効果があることが実証されている。
このような物品は、基本的に平坦形状を有しており、適切な手段で身体の創傷領域に装着される。
【0003】
大きい創傷ケア用品が使用される場合に顕著だが、身体の患部が平坦ではなく、窪み、湾曲、又は隆起している場合がある。基本的に平坦な創傷ケア用品は、このような身体構造にうまく適合せず、折り目や皺がついて、患者は不快感を覚え、かつ創傷ケア用品の効き目を損なわせかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第EP1507498号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、人間や動物の様々な身体領域の身体構造上の外形に対して適切に適合可能な創傷ケア用品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、提示のメインクレームの特徴により達成される。
即ち、本発明の主題は、基本的に多角形又は楕円形状のベース面を有し、片側に配置された少なくとも1つの凹部を有する平坦な創傷ケア用品である。
【発明の効果】
【0007】
驚くべきことに、このような極めて単純な変更により、本発明に係る創傷ケア用品は多用途性が飛躍的に向上し、特に人間や動物の様々な身体領域の身体構造上の外形に対して適切に適合可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】基本的に多角形状のベース面11と、片側に配置された半円状の凹部12とを有する平坦な創傷ケア用品10を示す。
図2】折り畳み状態の創傷ケア用品を示す。
図3】丸角31、32、33、34を有する平坦な創傷ケア用品30を示す。
図4】2つの斜め角41、42と、2つの丸角43、44とを有する平坦な創傷ケア用品40を示す。
図5】斜め角51、52、53、54を有する平坦な創傷ケア用品50を示す。
図6】基本的に多角形状の丸角のベース面61と、片側に配置された鋭角凹部62とを有する平坦な創傷ケア用品60を示す。
図7】基本的に多角形状の丸角のベース面71と、片側に配置された2つの半円状の凹部72、73とを有する平坦な創傷ケア用品70を示す。
図8】基本的に多角形状の丸角のベース面81と、対向する長手辺にそれぞれ配置された2つの半円状の凹部82、83とを有する平坦な創傷ケア用品80を示す。
図9】患者の脹脛91に装着された平坦な創傷ケア用品90を示す。
図10】患者の腋の下領域、肩領域、上腕領域に装着された平坦な創傷ケア用品101、102、103を示す。
図11】患者の胸領域に装着された平坦な創傷ケア用品110を示す。
図12】それぞれ患者の首領域又は前腕領域に装着された平坦な創傷ケア用品121、122を示す。
図13】患者の胸骨下領域に装着された平坦な創傷ケア用品130を示す。
図14】患者の眼下領域に装着された平坦な創傷ケア用品140を示す。
図15】馬の脚に装着された平坦な創傷ケア用品150を示す。
図16】患者の腋の下領域に装着された平坦な創傷ケア用品161を示す。
図17】患者の胸領域に装着された平坦な創傷ケア用品170を示す。
図18】患者の後頭部に装着された平坦な創傷ケア用品180を示す。
図19】患者の仙骨領域に装着された平坦な創傷ケア用品190を示す。
図20】患者の腹部に装着された平坦な創傷ケア用品201を示す。
図21】患者の足211に装着された平坦な創傷ケア用品210を示す。
図22】患者の足211に装着された平坦な創傷ケア用品210を示す。
図23】患者の足231の足指間に装着された平坦な創傷ケア用品230を示す。
図24】患者の足211に装着された平坦な創傷ケア用品210を示す。
図25】例示的寸法を有する、本発明に係る平坦な創傷ケア用品を示す。
図26】基本的に楕円形のベース面261と、片側に配置された鋭角状の凹部262とを有する平坦な創傷ケア用品260を示す。
図27】患者の膝窩部又は足272の甲にそれぞれ装着された前記創傷ケア用品260を示す。
図28】基本的に円形のベース面281と、一部に設けられた凹部282とを有する平坦な創傷ケア用品280を示す。
図29】患者の耳290に装着された前記創傷ケア用品280を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に記載の「創傷ケア用品」という用語は、特に創傷包帯、好ましくは平坦な創傷包帯、又は創傷ケア包帯を指す。この創傷包帯は平坦層を備え、吸収性、非吸収性、又はほぼ吸収性がないように構成されてもよい。特に、「創傷ケア用品」という用語は、処置対象の創傷に対し、特定の配置で装着される製品群を指すために使用されてもよい。当該群は、共通の覆い内に様々な製品が組み合わされて、又は可能であれば覆いを用いずにそれら製品が互いに接着されて物理的ユニットを形成してもよい。また、包みにより様々な製品が所定の配置で処置対象の創傷に対し装着されるような、キット状の群を利用してもよい。
【0010】
「凹部」という用語は、創傷ケア用品の少なくとも片側における、部材がある程度窪み状に欠損した部分を示す。
当該凹部により、人間や動物の様々な身体領域の身体構造上の外形に、創傷ケア用品が適切に適合することが保証される。この利点を図面に例示的に示す。
【0011】
上記に関連して、ベース面は好ましくは四角形又は四角形に類する形状であることが好ましい。さらに、創傷ケア用品は少なくとも1つの丸角又は斜め角を有することが好ましい。或いは、ベース面は台形に類する形状であることが好ましい場合もある。
【0012】
創傷ケア用品の基本的な形状が長方形又は長方形に類する形状である場合、一長手辺に前記凹部が設けられることが好ましい。
或いは、ベース面は好ましくは円形、オーバル、又は楕円形であるか、円形、卵形、又は楕円形に類する形状となる。これは、ベース面が半円形、半卵形、又は半楕円形であってもよいことを意味する。
凹部は円の一部又は楕円の一部になるよう構成されることが好ましく、半円形又は半楕円形であることが特に好ましい。
凹部は四角形状又は鋭角状となるように構成されることが好ましく、V字状であることが特に好ましい。
四角形とした実施形態では、切り取られた部材を「タブ」又は「舌部」としてその他層に接続されるように残してもよい。
上記構成の全てにより、凹部を単に1つ以上のスリットとして構成しないことが有利であると認められた。本発明に係る凹部は幅が広めに設計されている。これにより、平坦層を囲うように存在し得る覆いも切り欠かれて凹部が形成される。この状態で、覆いはシームにより凹部の領域においても平坦層を囲っている。覆いは常に若干平坦層から張り出しているため、凹部がスリット又は非常に細いストリップであった場合、上記のように存在し得る覆いの切り欠きとならない。この場合、凹部の両側にシーム用に十分なスペースが取れない。
【0013】
平坦層に1つ以上のスリットが形成された創傷ケア用品が知られているが、通常そのようなスリットは覆いには設けられていない。このようなスリットは様々な目的を達成できるが、その平坦層に設けられたスリットを覆いが同様に有していないことから、本発明で想定される、より身体構造上の高い適合性を達成することはない。
さらに、創傷ケア用品は吸収材を含む少なくとも1つの平坦層を有することが好ましい。
さらに、創傷ケア用品は少なくとも1つの超吸収性ポリマーを有することが好ましい。
【0014】
ここで、当該層は26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98重量パーセントを超える超吸収性ポリマーを有することが好ましい。
【0015】
「超吸収性ポリマー」(SAP)という用語は、自重の数倍(1000倍まで)の液体を吸収可能な合成物質を指す。化学的には、これはアクリル酸(プロペン酸C)とアクリル酸ナトリウム(アクリル酸ナトリウム塩NaC)との共重合体であって、これら2つのモノマー間の比率は可変である。さらに、いわゆる核架橋剤(CXL)がモノマー溶液に添加され、化学架橋により、所定の部位で、形成された長鎖ポリマー分子同士を接続(「架橋」)する。このように架橋することで、ポリマーが非水溶性となる。水又は塩類水溶液がポリマー分子に浸透すると、ポリマーが膨らむことで分子レベルで上記網がより強固になり、水が自然には漏出不能となる。
【0016】
或いは、超吸収材は、メチルアクリル酸、ポリビニルアルコール/無水マレイン酸共重合体、多糖類/無水マレイン酸共重合体、マレイン酸誘導体、アクリルアミドプロパンスルホン酸共重合体、でんぷん/アクリロニトリル・グラフト重合体、ゼラチン化でんぷん誘導体、アルキル又はヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、でんぷん/アクリル酸グラフト重合体、ビニル酢酸/アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル又はアクリルアミド共重合体に基づいて選んでもよい。
超吸収性粒子は、100μmから約1000μmの間の粒径を有する粉末又は顆粒状で存在してもよい。
【0017】
同様に、前記超吸収性ポリマーは、例えばアルトラジール(Altrazeal)として市販されている、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)及び/又は2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)等の、ヒドロキシ末端を有するメタクリレートモノマーを有する、ハイドロゲル・ナノ粒子であってもよい。
【0018】
これに関連して、創傷ケア用品は好ましくは、特に超吸収性ポリマーを含むエアレイド不織布により形成されるマット及び/又は超吸収性ポリマーのバラ詰め(loose filling)で形成されたものを含む群から選択された素材を有する。前記エアレイドマットは、例えば内部に超吸収性ポリマーが分散した吸収性不織布から成る吸収材により形成された基本的に平坦な素材部を有することが好ましい。
【0019】
これら創傷ケア用品は、例えば、国際特許WO03094813号、WO2007051599号、及びWO0152780号に開示されており、「ソルビオン・サシェ(sorbion sachet)」という商品名で市販されている、本発明の出願人の創傷包帯に含まれる吸収性挿入物に対応していてもよい。引用した文献の開示内容は、全体として本書の開示内容に組み込まれる。
【0020】
別の実施形態では、創傷ケア用品は、一部ゲル形成材、一部非ゲル形成材で形成されたストリップから成る編み込み生地を有してもよい。このような編み込み生地は、例えば欧州特許EP2153807号により公知である。
別の実施形態では、創傷ケア用品はさらにコアを形成してもよく、これは超吸収性ポリマーの(場合により綿状の)繊維又はフィラメント、及び顆粒状の超吸収性ポリマーを有し、ここで、顆粒状物は、繊維又はフィラメントにある程度接着又は接合され、コアの少なくとも一部で構造全体の高さの50%の範囲を超えて分散しており、コアには顆粒状物と繊維の混合領域が存在する。超吸収性ポリマーの重量%は、好ましくは、10から25重量%の範囲にある。類似構造として従来の尿漏れ防止材が知られており、生理用ナプキンと同様、そのクッション性がよく知られている。
【0021】
別の実施形態では、創傷ケア用品は超吸収性繊維、超吸収性粒子、生物複合繊維、セルロース繊維の混合物を含んでもよい。
別の実施形態において、創傷ケア用品は、顆粒状の超吸収性ポリマーが貼り付く、超吸収性ポリマー製の繊維又はフィラメントを有する平坦層を備えてもよい。好ましい実施形態において、これは少なくとも3層を有し、超吸収性ポリマーを含む層を、2つのカバー層が囲む構造体となる。
これに関連して、繊維と超吸収性ポリマーとは平面内で混合されることはなく、これら2つの素材は隣接する層に固定されるものである。好ましい実施形態では、使用可能な複数の層は圧延、加圧、カレンダー加工、又は類似の処理により物理的に圧縮されてもよい。さらに、構造体は例えば市松模様や型打ち模様のように、反復模様を有したりエンボス加工が施されたりしてもよい。
【0022】
「不織布」という用語は、織物、編み物及び鉤針編みの生地と異なり、フィラメント製ではなく、個々の繊維から形成された平坦な布地構造体を指す。個々の繊維は互いに接着し合うため、通常、不織布の構造的完全性が保たれる。このような不織布は「ウェブ構造体」とも称され、例えば繊維を紡績することで製造される。「エアレイド」という用語は、可能であれば超吸収性ポリマーが組み込まれた、セルロース及びポリオレフィンにより形成された特殊な不織布を指す。
【0023】
「滲出液」という用語は、血漿の炎症過程で創傷部から滲み出た体液を意味する。血液が栄養素及び他の情報物質の輸送を担い、したがって様々な身体部位に供給を行うのと全く同じ方法で、滲出液は同様に創傷床及びそこで起きる治癒過程のための供給を担う。これらの多数の機能を全うするために、滲出液は、比重が水よりわずかに大きくなる、広範な種類の成分を含有する。ここで、滲出液は浸出液とは異なる。浸出液は、非炎症性過程に由来し、比重は明らかにより低く、細胞及びタンパク質の含有量が少ない。滲出液は、線維芽細胞及び上皮細胞に栄養素を供給することに加えて、成長因子及びサイトカインを高含量で含む組成により、時間的及び空間的に創傷治癒の様々な過程に影響を及ぼす。成長因子及びサイトカインは主として、血小板、ケラチン生成細胞、マクロファージ、及び線維芽細胞によって形成される。それらは、創傷の治癒に関連する様々な細胞の運動性、遊走、及び増殖に影響する。故に、細胞の創傷床への遊走が促進され、血管形成によって新たに形成された肉芽組織の供給も促進される。滲出液は創傷の洗浄にも寄与する。滲出液は種々のセリン、システイン、及びアスパラギン酸プロテアーゼ、並びにマトリックスメタロプロテアーゼを含有し、これらは、厳格に制御された過程で活性することで損傷した組織を不可逆的に破壊し、したがって創傷床を治癒過程におけるその後の段階のために準備する。通常、これらの過程において生理学的滲出液と病理学的滲出液とは区別される。
【0024】
特に、生理学的滲出液は、塩類、グルコース、サイトカイン、及び成長因子、血漿タンパク質、プロテアーゼ(特にマトリックスメタロプロテアーゼ)、顆粒球及びマクロファージを含有する。
さらに、本発明に係る創傷ケア用品は強い抗菌性を有する。これは超吸収材のタンパク質やバクテリアを拘束する性質、及びバクテリアからその活動に必要な液体を引き離すための、水を拘束する性質によるものである。
さらに、様々な超吸収性素材を組み合わせることで、マトリックスメタロプロテアーゼ(「MMP」、特にコラゲナーゼとエラステーゼ)、IL−1β、IL−6、IL−8、TNFαのような酸素ラジカル(「ROS」)等の炎症促進性因子の調節が可能となる。この効果により、タンパク質に対する超吸収性ポリマーの結合特性が得られてもよい。
さらに、上記生成物はコーティング分解効果を有する。これは特に生物膜や線維素性コーティングに顕著である。
【0025】
以下の表は、好ましい平坦層の性質の例を示す。表内の数値の範囲について、その最小、最大値も範囲内であるものとする。
【0026】
【表1】
【0027】
平坦層は、縁領域が他の部位よりも薄いことが好ましい。すなわち、例えばその縁部の断面が先が尖るようテーパ状となる。これにより、創傷の縁に当たる素材がより少なくなることが保証される。
さらに、平坦層が片側で肉薄の不織布で覆われる又は裏打ちされることが好ましい。例えばこの不織布は、単位面積当たりの重量が好ましくは5g/m2〜20g/m2の範囲の、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエステルにより形成される、肉薄の透水性ウェブであってよい。このような不織布は、特に液体吸収後の層の構造的結合を向上させる。
【0028】
本発明の創傷ケア用品は、セルロース繊維、発泡材、変性セルロース、及び/又はアルギン酸塩を含む少なくとも1つの平坦層を有してもよい。
「発泡材」という用語は、好ましくはポリウレタンから形成される、連続又は不連続発泡材を指す。
【0029】
変性セルロースは、好ましくはセルロース誘導体であり、特にナノセルロース、スルホン化及び/又はスルホアルキルセルロース及びその誘導体、特にセルロースエチルスルホネート;カルボキシアルキル化セルロース、特にカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、及び/又はカルボキシプロピルセルロース;スルホエチルカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のより複雑なセルロース誘導体;及びカルボキシメチルセルロースアミド又はカルボキシプロピルセルロースアミド等のアミド化セルロース誘導体である。カルボキシメチルセルロースは、特にカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムの形態で存在し、「ハイドロファイバー(Hydrofiber)」という商品名で市販されている。衛生用品及び創傷ケア製品において、繊維は平らな母材中に組み込まれる。創傷滲出液から液体を吸収することにより、繊維は徐々にゲルクッションに変わり、これは液体を保持し、放出しない。これに関連して、繊維は、創傷滲出液が垂直方向にのみ吸収されるような構造を有する。このことは、容量が残っている限り、滲出液は創傷の縁を超えて流れないことを意味する。このようにして、創傷縁での浸軟を効果的に予防し得る。これに関連して、キチン、キトサン、及びそれらの誘導体もセルロース誘導体として理解されるべきである。
アルギン酸塩は、褐藻から得られ、繊維質ウェブが形成されるように織られ、化学的にはアルギン酸のカルシウム及び/又はナトリウム塩のような多糖類である。アルギン酸塩は、創傷の滲出液を穴に貯蔵するようにして、自重の20倍までの流体を吸収可能である。アルギン酸塩メッシュに含有されるCa2+イオンは、アルギン酸塩内のNaイオンの飽和度に達するまで滲出液からのNaイオンと交換される。この際、創傷包帯は膨らみ、アルギン酸塩繊維は、繊維膨張によりゲル体となる。
【0030】
さらに、創傷ケア用品には、少なくとも部分的に透液性素材から成る覆いを有することが好ましい。このような覆いは多角的な機能を有する。特に、覆いは創傷ケア用品が創傷に貼り付くことを防ぐことができ、滲出液が創傷に逆流することを防ぐことができ、低刺激効果を持ち、創傷縁での浸軟を防ぐことができる。好ましくは、覆いは少なくとも部分的に例えば接着性シームや超音波シームのようなシームで閉じられ、フォイルやフィルム(例えばポリエチレンにより形成される)を含んでも良く、或いは不織布(例えばポリプロピレンにより形成される)又はフリースを含んでもよい。
【0031】
特に、覆いは平均的に超吸収性粒子よりも小さい孔を有することが好ましい。これにより、覆いから粒子が流出することが防止される。粒子の流出は特に殺菌処理を妨げる可能性があり、具体的には、粒子が密閉バリア領域内に入ると、漏洩が生じ得る。
【0032】
覆いは、例えば銀、亜鉛、又は銅等の単体形態又はイオン形態の重金属によりコーティングされるか、当該重金属が混ざっていてもよい。覆いは、例えばジアルキルカルバモイルクロリド(DACC)のような疎水的相互作用によりバクテリアに結合する素材によりコーティングされてもよい。
【0033】
孔径は、吸収される滲出液の流量にも影響を及ぼす。このことは略疎水性ポリマー材に対して顕著である。適正な活性処理により、通常覆いの濡れ性を向上させることができ、孔径が小さくても適切な流量が保証される。
【0034】
覆いの孔又はメッシュの径は、好ましくは0.05mm〜1.0mmであり、0.20mm〜0.50mmが有利である。さらに、孔又はメッシュは、好ましくは、フィラメント又は繊維部分によって画定されてもよく、覆いを横切る横断面でやや湾曲し、湾曲部分両端が外側に向いている。
ここで、以下の条件の少なくとも一方が満たされることが好ましい。
(1)平面視で、平坦層は非湿潤状態にて、覆いにより画定された内部の表面積(F2)よりも3〜75%小さい表面積(F1)を有する。
(2)覆いは少なくとも特定の部位で柔軟性を持つ素材を有する。
【0035】
(1)の場合、平坦層の覆いにより、いわゆる延伸空間が形成されたと言える。いずれの場合でも、液体吸収による平坦層の体積拡大を、覆いが一切阻害しないことが保証される。そのため、層は吸収能力を完全に発揮できる。例えば、柔軟性素材は、ライクラ(Lycra)、エラスタン(Elasthane)、ポリプロピレン、ゴム、ラテックス、ナイロン等を含有する。
さらに、覆いは少なくとも部分的に三次元創傷スペーサメッシュから成るか、当該メッシュにより覆われる又は裏打ちされることが好ましい。当該創傷スペーサメッシュは、例えば、欧州特許出願EP2004116A1号に記載のように、ブロー成型処理で、ポリエチレンフィルムから形成されることが好ましい。同様に、例えばシリコーンメッシュであってもよく、或いはナイロンメッシュ又はガーゼであってもよい。
【0036】
このようなメッシュは多様な機能を持つ。孔の構成によっては、滲出液の逆流を防止するための弁機能を有する(特に孔がじょうご状又は環状である場合)。メッシュは、創傷ケア用品が(好ましくはシリコーン材を使用して)創傷に貼り付くことを防止できる。適切に配置されれば、当該メッシュは摩耗効果を有することができ、それにより生物膜を創傷に向けて動かすか、生物膜の形成を防止できる(特に孔がじょうご状又は環状である場合)。さらに抗出血効果を有することがき、特定の状況では、静的相互作用によりバクテリアを固定又は拘束することが可能となる(特にポリエチレン材又は正味の正電荷を有する材料を利用する)。さらに、表面は例えば銀又はシリコーンコーティングにより官能化可能である。
【0037】
さらに、覆いは少なくとも部分的に含浸又は防水材料で形成されるか、当該材料で覆われるか裏打ちされてもよい。これは色を付けた、又は目立つデザインとした液体不透過性防護(バックシート)とすることもできる。
さらに、創傷ケア用品は、少なくとも1種類の成分もしくはイオン形態として重金属を少量ながら含む。重金属は、最も細かく分散した状態で殺菌効果を持ち、これは反応表面積が大きいことから、可溶性重金属イオンが十分に生成可能であることによる。
【0038】
成分もしくはイオン形態の重金属が少なくとも1種類ドープされることで、元の絆創膏が殺菌効果を持つことができ、感染しやすい創傷(褥瘡、下腿潰瘍、火傷等)の場合に合併症を低減できる。さらに、創傷包帯を装着可能な期間を長くできる。
【0039】
少なくとも1種類の重金属であって、成分もしくはイオン形態で含まれるものは、銅、亜鉛、及び/又は銀を含む群から選択されることが好ましい。上記殺菌効果は、特にこれら3種の金属で顕著である。
【0040】
さらに、前記平坦層もしくは前記覆いが、カバーフィルムにより、少なくとも一側面が覆われるもしくは、置き換えられることが好ましい。当該カバーフィルムは、以下の特性のうち少なくとも1つを有することが好ましい。
・接着剤の塗布
・液密性
・水蒸気透過性
・柔軟性
これに関連して、カバーフィルムは創傷ケア用品の周囲よりも広がっており、創傷の周囲の肌に貼り付けられることが好ましい。これにより、いわゆるボーダー型(border)またはアイランド型(island)絆創膏となる。
或いは、覆い自体が少なくとも片側に接着剤が塗布されたものであってもよい。この場合、塗布された接着剤はアクリレート接着剤、シリコーン接着剤、でんぷん接着剤、親水コロイド接着剤、及び/又はその他の生理学的に無害な接着剤が好ましい。
【0041】
前記接着フィルム又は上述のバックシートは、その直下の層に接着可能である。これに関連して、液体を吸収した際に製品の体積が増加可能となるよう、柔軟性のある接着剤が使用されることが好ましい。或いは、カバーフィルム又はバックシートはその直下の層に接着されないものであってもよい。
さらに、本発明に係る創傷ケア用品は、身体の一部に創傷ケア用品を固定するため、少なくとも1つの締結要素を有することが好ましい。例えばこれは、1つ以上の面ファスナー、1つ以上の接着式ファスナー、又は1つ以上の包帯クリップ等であってよい。好ましい実施形態においては、これら締結要素は例えば圧縮バンド又はストラップのような圧縮要素として構成されてよく、これにより圧縮包帯が形成される。
【0042】
創傷ケア用品は、
・ヒアルロン酸(好ましくは超吸収性ポリマーの鞘として好ましい)、
・オクテニジン、
・ジメチコン、
・活性炭、
から成る群から選択された少なくとも1つの成分を有してもよい。
【0043】
さらに、創傷ケア用品は1つ以上の折り線、破断線、又は折り目を持つことが好ましい。これは、創傷ケア用品が所定の最小サイズを持つような場合に特に有用である。このような折り線、破断線、又は折り目を用いて、創傷ケア用品は省スペースな折り畳み状態で、包装、殺菌、保管、輸送される。包装から取り出された場合にのみ、創傷ケア用品は広がり、元の大きさになる。
【0044】
さらに、前出の請求項のいずれか一項に記載の創傷ケア用品は、患者の
・大腿部又は脹脛、
・肩、胸、又は首領域、
・腋の下領域、
・上又は下胸領域、
・胸骨下領域、
・上腕又は前腕領域、
・眼下領域、
・仙骨領域
・背中、
・膝窩部、
・腹部領域、
・耳の後方又は上方領域、
・指間領域、及び/又は、
・足領域に装着されて使用されることが意図される。
【0045】
これに関連して、本発明に係る凹部の装着部位に応じて、特定の身体領域は開放される。その結果、身体構造上の状態に極めて好適に適合する。
【0046】
【表2】
【0047】
前出の請求項のいずれか一項に記載の創傷ケア用品は同様に、負圧創傷ケアシステムに使用されることも想定される。
【0048】
本発明に係る主題の更なる利点及び更なる実施形態を、図示し、以下に説明する。なお、図面はあくまで例示であって、いかなる意味でも本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0049】
以下の内容が図示される。
図1は、基本的に多角形状のベース面11と、片側に配置された半円状の凹部12とを有する平坦な創傷ケア用品10を示す。ベース面は四角形であり、凹部は一長手辺に配置される。
このような極めて単純な変形により、創傷ケア用品は多用途性が非常に高くなり、特に人間や動物の様々な身体領域の身体構造上の外形に適切に適合可能となる。
【0050】
創傷ケア用品は、超吸収性ポリマーを含む平坦層から形成される吸収材を含む平坦層13を有する。
創傷ケア用品はさらに、少なくとも部分的に透液性素材から成り、シーム15又は超音波シームで閉じられた覆い14も有する。平面視で、平坦層は非湿潤状態で、覆い又は覆いのシームにより画定された内部の表面積(F2)よりも3〜75%小さい平坦側表面積(F1)を有する。
【0051】
これにより、覆いが液体を吸収した平坦層の体積増加を阻害しないように延伸空間が形成され、層が吸収能力を完全に発揮できる。
【0052】
図2は、折り畳み状態の創傷ケア用品を示す。このようにするため、先述した例では4つの折り線21、22、23、24を有し、これにより創傷ケア用品は省スペースの折り畳み状態で包装、殺菌、保管、輸送される。包装から取り出された場合にのみ、創傷ケア用品は2つの矢印で示すように広がり、元の大きさになる。
【0053】
図3は、図1に示す創傷ケア用品と異なり、丸角31、32、33、34を有する平坦な創傷ケア用品30を示す。
【0054】
図4は、2つの斜め角41、42と、2つの丸角43、44とを有する平坦な創傷ケア用品40を示す。
【0055】
図5は、斜め角51、52、53、54を有する平坦な創傷ケア用品50を示す。
【0056】
図6は、基本的に多角形状の丸角のベース面61と、片側に配置された鋭角凹部62とを有する平坦な創傷ケア用品60を示す。ベース面は四角形であり、凹部は一長手辺に配置される。
【0057】
図7は、基本的に多角形状の丸角のベース面71と、片側に配置された2つの半円状の凹部72、73とを有する平坦な創傷ケア用品70を示す。ベース面は四角形であり、凹部は一長手辺に配置される。
【0058】
図8は、基本的に多角形状の丸角のベース面81と、対向する長手辺にそれぞれ配置された2つの半円状の凹部82、83とを有する平坦な創傷ケア用品80を示す。
【0059】
図9は、患者の脹脛91に装着された平坦な創傷ケア用品90を示す。このような創傷ケア用品は、例えばいわゆる静脈下腿潰瘍を治療するのに適している。創傷ケア用品は、患者の足の甲(中足部)を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。創傷ケア用品はさらに、患者の脹脛への取り付け用の面ファスナー93も有しており、面ファスナー93はさらに圧縮バンドとして使用可能であり、それにより圧縮包帯が形成される。
【0060】
図10は、患者の腋の下領域、肩領域、上腕領域に装着された平坦な創傷ケア用品101、102、103を示す。創傷ケア用品は、患者の腋の下と首を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0061】
図11は、患者の胸領域に装着された平坦な創傷ケア用品110を示す。創傷ケア用品は、患者の乳房を開放する2つの半円状の凹部111、112を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0062】
図12は、それぞれ患者の首領域又は前腕領域に装着された平坦な創傷ケア用品121、122を示す。各創傷ケア用品は、患者の首123又は肘を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。図12は、患者の肘に装着された更なる創傷ケア用品124も示す。
【0063】
図13は、患者の胸骨下領域に装着された平坦な創傷ケア用品130を示す。創傷ケア用品は、胸骨下上部を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0064】
図14は、患者の眼下領域に装着された平坦な創傷ケア用品140を示す。創傷ケア用品は、患者の眼窩を開放する2つの半円状の凹部141、142を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0065】
図15は、馬の脚に装着された平坦な創傷ケア用品150を示す。創傷ケア用品は、馬の蹄を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。創傷ケア用品はさらに、馬の脚への取り付け用の面ファスナーを有している。
【0066】
図16は、患者の腋の下領域に装着された平坦な創傷ケア用品161を示す。創傷ケア用品は、患者の腋の下と首を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
図16はさらに、患者の胸骨下領域両側に装着された2つの平坦な創傷ケア用品162、163を示す。創傷ケア用品は、胸骨下上部と腋の下を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0067】
図17は、患者の胸領域に装着された平坦な創傷ケア用品170を示す。創傷ケア用品は、患者の叢領域と胸骨を開放する半円状の凹部171を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0068】
図18は、患者の後頭部に装着された平坦な創傷ケア用品180を示す。創傷ケア用品は、患者の耳を開放する半円状の凹部181を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0069】
図19は、患者の仙骨領域に装着された平坦な創傷ケア用品190を示す。創傷ケア用品は、患者の臀裂を開放する半円状の凹部191を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0070】
図20は、患者の腹部に装着された平坦な創傷ケア用品201を示す。創傷ケア用品は、患者の下腹部を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。ここで、創傷ケア用品のベース面は台形に類する形状を有する。
【0071】
図20はさらに、患者の大腿部に装着された平坦な創傷ケア用品202を示す。創傷ケア用品は、膝窩部を開放する半円状の凹部を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。さらに、創傷ケア用品は、当該創傷ケア用品を固定するための面ファスナー203を有しており、面ファスナー203はさらに圧縮バンドとして使用可能であり、それにより圧縮包帯が形成される。
【0072】
図21及び図22は、患者の足211に装着された平坦な創傷ケア用品210を示す。創傷ケア用品は、患者の足の甲を開放する2つのV字状の凹部212、213を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。
【0073】
図23及び図24は、患者の足231の足指間に装着された平坦な創傷ケア用品230を示す。創傷ケア用品は、患者の足指を開放する2つの半円状の凹部232、233を有しており、それにより身体の患部の身体構造上の外形を考慮したものとなっている。これにより、例えば患者の手にも装着可能な指間絆創膏が形成される。
【0074】
図25は、例示的寸法を有する、本発明に係る平坦な創傷ケア用品を示す。
【0075】
図26は、基本的に楕円形のベース面261と、片側に配置された鋭角状の凹部262とを有する平坦な創傷ケア用品260を示す。
【0076】
図27は、患者の膝窩部又は足272の甲にそれぞれ装着された前記創傷ケア用品260を示す。
【0077】
図28は、基本的に円形のベース面281と、一部に設けられた凹部282とを有する平坦な創傷ケア用品280を示す。
【0078】
図29は、患者の耳290に装着された前記創傷ケア用品280を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15
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図22
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