特許第6743077号(P6743077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニューギンの特許一覧

<>
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000002
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000003
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000004
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000005
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000006
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000007
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000008
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000009
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000010
  • 特許6743077-遊技球の揚送装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6743077
(24)【登録日】2020年7月31日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】遊技球の揚送装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200806BHJP
【FI】
   A63F7/02 346
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-26829(P2018-26829)
(22)【出願日】2018年2月19日
(65)【公開番号】特開2019-141220(P2019-141220A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】大島 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】加賀屋 太郎
【審査官】 中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−097759(JP,A)
【文献】 特開平10−118308(JP,A)
【文献】 特開2013−106767(JP,A)
【文献】 特開2006−314472(JP,A)
【文献】 特開2006−305065(JP,A)
【文献】 特開2001−300103(JP,A)
【文献】 特開平09−276487(JP,A)
【文献】 特開2003−117177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の揚送装置であって、
遊技球を案内する案内面と、
前記案内面と対向する位置において回転可能に設けられた回転体と、
前記回転体とともに回転するとともに、前記案内面と前記回転体との間にある遊技球が接触可能な1又は複数の接触部と、
前記回転体を回転させる駆動部と、を備え、
前記案内面と前記回転体との間にある遊技球は、前記回転体が所定方向へ回転されることにより、前記接触部に接触した状態で前記案内面に沿って移動され、
前記接触部は、前記回転体から前記案内面に向かって突出した第1位置と、当該第1位置に比して、前記案内面から離間した第2位置と、に変位可能に構成されており、
前記接触部は、球体であることを特徴とする揚送装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球の揚送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機を設置するための島設備は、パチンコ遊技機から排出された遊技球を島設備の上部に揚送する揚送装置を備えている。揚送装置によって、島設備の上部へと揚送された遊技球は、再びパチンコ遊技機へと供給される。
【0003】
このような揚送装置としては、押上げ式の揚送装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されている揚送装置は、アール状通路の案内面と、当該案内面に対向する位置に設けられたスプロケットと、を備え、当該スプロケットを回転させることにより、遊技球を揚送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−70936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の揚送装置では、スプロケットとアール状通路の案内面との間に遊技球が挟まった場合(いわゆる「球噛み状態」)には、スプロケットを回転させるためのモータや、当該モータとスプロケットとを接続するシャフトといった部品に負荷がかかってしまう虞がある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品にかかる負荷を軽減できる遊技球の揚送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する遊技球の揚送装置は、遊技球を案内する案内面と、前記案内面と対向する位置において回転可能に設けられた回転体と、前記回転体とともに回転するとともに、前記案内面と前記回転体との間にある遊技球が接触可能な1又は複数の接触部と、前記回転体を回転させる駆動部と、を備え、前記案内面と前記回転体との間にある遊技球は、前記回転体が所定方向へ回転されることにより、前記接触部に接触した状態で前記案内面に沿って移動され、前記接触部は、前記回転体から前記案内面に向かって突出した第1位置と、当該第1位置に比して、前記案内面から離間した第2位置と、に変位可能に構成されていることを要旨とする。
【0009】
上記揚送装置について、前記接触部は、球体であるとよい
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品にかかる負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】島設備の内部構造を示す断面図。
図2】パチンコ遊技機の斜視図。
図3図5における3−3矢視断面を一部に含む揚送装置の側面図。
図4】揚送装置の正面図。
図5図3における5−5矢視断面図。
図6】揚送装置の平面図。
図7】回転体の正面図。
図8】回転体及び接触球の動作を示す模式図。
図9】回転体及び接触球の動作を示す模式図。
図10】別の実施形態における回転体の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、遊技球Bの揚送装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、島設備10は、遊技機としてのパチンコ遊技機11を設置するための設備である。島設備10は、遊技店などの設置場所に設置される。島設備10には、複数のパチンコ遊技機11が水平方向に沿って並ぶように固定される。以下、パチンコ遊技機11が並ぶ方向を島設備10の幅方向D1と示し、垂直方向を島設備10の高さ方向D2と示し、幅方向D1及び高さ方向D2と直交する方向(図1の紙面と直交する方向)を島設備10の奥行方向D3と示す。
【0013】
図1は、島設備10を幅方向D1に沿って切断し、複数のパチンコ遊技機11の裏側から見たときの状態を模式的に示す。本実施形態の島設備10は、奥行方向D3における一方側にパチンコ遊技機11が固定される。なお、島設備10は、奥行方向D3における両方側にパチンコ遊技機11が固定されてもよい。島設備10に固定されるパチンコ遊技機11は、全て同じパチンコ遊技機11でもよく、異なるパチンコ遊技機11を含んでもよい。
【0014】
ここで、パチンコ遊技機11の一般的な構成について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機11は、パチンコ遊技機11の外郭を構成する枠12を備える。枠12は、島設備10に固定される固定枠12sと、固定枠12sに対して開閉可能に軸支され、各種の遊技部品を搭載する中枠12nと、枠12s,12nに対して開閉可能に軸支される前枠12mと、を備える。
【0015】
パチンコ遊技機11は、演出を実行可能な演出実行部13を備える。演出実行部13は、音声出力による音声演出を実行可能なスピーカ13a、装飾発光による発光演出を実行可能な装飾ランプ13b、及び画像表示による表示演出を実行可能な演出表示装置13cを含む。パチンコ遊技機11は、遊技球Bを発射する操作が可能な発射ハンドル14を備える。
【0016】
パチンコ遊技機11は、遊技盤15を備える。遊技盤15は、中枠12nに組み付けられる。遊技盤15の前面には、遊技球Bが流下可能な遊技領域15aが画成される。遊技盤15は、遊技領域15aに開口し、遊技球Bが入球可能な複数の入賞口16を備える。複数の入賞口16には、始動入賞口16a、大入賞口16b、及び普通入賞口16cがある。
【0017】
遊技盤15は、遊技領域15aに開口し、遊技球Bが入球可能なアウト口17を備える。発射ハンドル14の操作によって、遊技領域15aに発射された遊技球Bのうち、何れの入賞口16にも入球しなかった遊技球Bは、アウト口17に入球する。
【0018】
パチンコ遊技機11は、特別図柄表示装置18を備える。特別図柄表示装置18は、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を確定停止表示させる特別図柄変動ゲームを実行する。パチンコ遊技機11は、機前面側に開口する払出口19を備える。
【0019】
図1に示すように、パチンコ遊技機11は、機裏側に、島設備10から供給される遊技球Bを受ける球受部21を備える。球受部21は、遊技球Bを貯留可能な有底箱状である。パチンコ遊技機11は、不図示の払出モータを備える。払出モータが駆動すると、球受部21に貯留されている遊技球Bは、払出口19から払い出される。パチンコ遊技機11は、機裏側に、複数の入賞口16、又はアウト口17に入球した遊技球Bを排出する排出口22を備える。
【0020】
パチンコ遊技機11は、機裏側に、制御基板25を備える。制御基板25は、CPUなどの処理部と、RAMやROMなどの記憶部と、を備える。制御基板25の処理部は、記憶部に記憶されるプログラムを実行することで、各種の処理を実行する。
【0021】
例えば、制御基板25の処理部は、始動入賞口16aに遊技球Bが入球したことを契機に大当り抽選を実行する。制御基板25の処理部は、大当り抽選の結果に基づいて、特別図柄変動ゲームを実行するように、特別図柄表示装置18を制御する。制御基板25の処理部は、大当り抽選に当選した場合には、上記特別図柄変動ゲームで「大当り」を認識可能な特別図柄を確定停止表示させたのち、大入賞口16bを開放させる大当り遊技を生起させる。制御基板25の処理部は、大当り抽選に当選しなかった場合には、上記特別図柄変動ゲームで「はずれ」を認識可能な特別図柄を確定停止表示させる。
【0022】
制御基板25の処理部は、遊技球Bの払出条件が成立すると、遊技球Bを払い出すように、不図示の払出モータを制御する。例えば、遊技球Bの払出条件は、複数の入賞口16の何れかに入賞すると成立する。遊技球Bの払出条件は、不図示の玉貸操作部が操作されると成立する。玉貸操作部は、パチンコ遊技機11に設けてもよく、島設備10に設けてもよい。
【0023】
島設備10の説明に戻る。
図1に示すように、島設備10は、幅方向D1における中央又は略中央の上部に、遊技球Bを貯留する有底箱状の球貯留部30を備える。島設備10は、幅方向D1における中央又は略中央から、幅方向D1における両端部に向かって、それぞれ下るように傾斜する上球通路31,31を備える。図中に矢印Y1で示すように、球貯留部30内の遊技球Bは、流入口30aを介して各上球通路31,31に流入し、各上球通路31,31を幅方向D1における端部に向かって転動する。
【0024】
島設備10は、各上球通路31,31から分岐し、各パチンコ遊技機11の球受部21にそれぞれ繋がる複数の供給部32を備える。例えば、各供給部32は、内部を遊技球Bが通過可能な金属製コイルである。図中に矢印Y2で示すように、各上球通路31,31を転動する遊技球Bは、供給部32を通過することで、パチンコ遊技機11に供給される。
【0025】
島設備10は、各パチンコ遊技機11よりも下部に、幅方向D1における両端部から中央又は略中央に向かって、それぞれ下るように傾斜する下球通路33,33を備える。島設備10は、各パチンコ遊技機11の排出口22から排出される遊技球Bをそれぞれ受ける複数の排出受部34を備える。図中に矢印Y3で示すように、各排出受部34で受けた遊技球Bは、各下球通路33,33に流入する。そして、図中に矢印Y4で示すように、各下球通路33,33に流入した遊技球Bは、下球通路33,33を幅方向D1における中央に向かって転動する。
【0026】
島設備10は、幅方向D1における中央又は略中央の下部に、遊技球Bの揚送装置40を備える。図中に矢印Y5で示すように、揚送装置40は、下球通路33,33を転動して集合された遊技球Bを取り込むとともに、取り込んだ遊技球Bを、球貯留部30に向かって押し上げるようにして搬送する装置である。
【0027】
以下、揚送装置40について詳しく説明する。
本実施形態において、揚送装置40は、幅方向Dwが幅方向D1に一致し、高さ方向Dhが高さ方向D2に一致し、且つ奥行方向Ddが奥行方向D3に一致した状態で、島設備10に設置される。
【0028】
図3に示すように、揚送装置40は、遊技球Bを押し出すように駆動する駆動ユニット50と、駆動ユニット50によって押し出される遊技球Bを、球貯留部30まで案内する複数の揚送通路41と、を備える。本実施形態の揚送装置40は、7つの揚送通路41を備える。揚送通路41の数は、7つに限定されず、7つ以外の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0029】
複数の揚送通路41について詳しく説明する。
各揚送通路41は、筒状の揚送通路管41aによって囲われた空間として構成される。複数の揚送通路管41a(揚送通路41)は、島設備10における下端部から球貯留部30まで、高さ方向D2に沿って延びる。複数の揚送通路管41a(揚送通路41)は、幅方向Dwにおける駆動ユニット50の一方の側部において、奥行方向Ddに沿って並ぶ。
【0030】
図1に示すように、各揚送通路41は、各揚送通路管41aの先端部41bが球貯留部30の内部に突出することで、球貯留部30の内部に接続される。各揚送通路管41aの基端部41cは、駆動ユニット50に接続される。駆動ユニット50が押し出す遊技球Bは、基端部41cにおいて、各揚送通路41に流入する。
【0031】
駆動ユニット50について詳しく説明する。
図3に示すように、駆動ユニット50は、駆動ユニット50の一方の側部に立設される第1外装体51を備える。第1外装体51は、外方に向かって開口する四角箱状である。駆動ユニット50は、駆動ユニット50の他方の側部に立設される第2外装体52を備える。第2外装体52は、外方に向かって開口する四角箱状である。
【0032】
図4図6に示すように、駆動ユニット50は、上方に開口する箱状の集合部53を備える。集合部53は、幅方向Dwにおいて、複数の揚送通路41とは反対側の他方の側部に設けられる。下球通路33,33を転動することで集合された遊技球Bは、集合部53に流入する。
【0033】
図6に示すように、集合部53は、奥行方向Ddにおいて、底面54の一方の端部において立設される第1側壁55と、底面54の他方の端部において立設される第2側壁56と、を備える。集合部53は、奥行方向Ddにおいて、第1側壁55と第2側壁56との間に、底面54に立設される複数の隔壁57を備える。本実施形態の集合部53は、6つの隔壁57を備える。
【0034】
側壁55,56及び複数の隔壁57は、相互に平行又は略平行となるように、幅方向Dwに沿って延びる。また、奥行方向Ddにおいて、各壁55,56,57のうち、隣り合う壁同士の離間距離は、遊技球Bの直径よりも僅かに大きい。つまり、第1側壁55と隔壁57の間、第2側壁56と隔壁57の間、及び複数の隔壁57同士の間には、幅方向Dwに沿って遊技球Bが通過可能であって、且つ奥行方向Ddに沿って複数の遊技球Bが並ばない取込み通路42がそれぞれ形成される。本実施形態の集合部53は、揚送通路41と同数の取込み通路42を備える。
【0035】
各取込み通路42の底面54は、それぞれ複数の揚送通路41がある一方の側部に向かって下るように傾斜する。集合部53は、各取込み通路42にそれぞれ垂れ下がる複数の振り子58を備える。各振り子58は、高さ方向Dhに沿って延びる楕円状である。各振り子58は、上端部に設けられた回動軸58aを中心として、幅方向Dwに沿って回動可能に支持される。
【0036】
図5に示すように、各振り子58の下端部と底面54との離間距離は、遊技球Bの直径よりも僅かに大きい。したがって、集合部53に流入することで、積み重なった遊技球Bは、各振り子58によって崩される。そして、図中に矢印Y6で示すように、遊技球Bは、各振り子58の下端部と底面54との間を1つずつ1列に並んで、複数の揚送通路41がある側部に向かって流下する。
【0037】
駆動ユニット50は、各取込み通路42から遊技球Bを取り込むとともに、取り込んだ遊技球Bを、各取込み通路42とそれぞれ対応する揚送通路41に押し出す押出部60を備える。押出部60は、遊技球を取り込む複数の取込み口43aを備える。取込み口43aの数は、揚送通路41と同数である。各取込み口43aは、駆動ユニット50において、複数の揚送通路41とは反対側の側部に開口する。
【0038】
各取込み口43aは、それぞれ1つの取込み通路42に対応して設けられる。各取込み口43aは、それぞれ対応する取込み通路42のうち、遊技球Bの流下方向における下流端部に開口する。このため、各取込み通路42を一列に並んで流下する遊技球Bは、各取込み口43aから押出部60に流入する。
【0039】
押出部60は、複数の取込み口43aと複数の揚送通路41とを各別に連通する複数の案内通路43を備える。案内通路43の数は、揚送通路41と同数である。各案内通路43は、取込み口43aに繋がる直線状の第1通路44と、第1通路44に繋がる通路であって、且つ下方に向かって円弧状(R状)に湾曲する第2通路45と、高さ方向Dhに沿って延びる通路であって、第2通路45と揚送通路41とを繋ぐ第3通路46と、を有する。
【0040】
奥行方向Ddにおける各通路44〜46の幅は、遊技球Bの直径よりも僅かに大きく、且つ一定又は略一定である。第1通路44の底面44aは、集合部53の底面54に連続するように傾斜する平面状である。
【0041】
第2通路45は、奥行方向Ddから見たときに、中心線C1を中心とした正円弧を描くように延びる。第2通路45の壁面のうち、中心線C1と直交する方向における外側の壁面45aは、第1通路44と繋がる部分から反対側の第3通路46に繋がる部分まで、中心線C1からの距離が一定又はほぼ一定である帯状面である。つまり、壁面45aは、奥行方向Ddから見たとき、中心線C1を中心とした正円弧を描くように延びる。第2通路45の壁面45aは、遊技球Bを案内する案内面に相当する。
【0042】
図中に矢印Y7,Y8で示すように、各取込み口43aから各第1通路44に流入した遊技球Bは、それぞれ円弧状の壁面45aに沿って、一列に並んで各第2通路45を通過し、それぞれ第3通路46を経て各揚送通路41に押し出される。
【0043】
図3に示すように、押出部60は、板状である複数の通路部材61を備える。各案内通路43は、隣り合う通路部材61,61の対向面に設けた凹部同士を組み合わせることで形成される。例えば、本実施形態では、8つの通路部材61を奥行方向Ddに沿って配列することで、7つの案内通路43が形成される。複数の通路部材61は、滑り性が高い樹脂製である。複数の通路部材61は、金属製であってもよい。
【0044】
図5に示すように、各第2通路45の壁面45aは、一部が中心線C1から離間する方向へと変位可能に構成される。詳しく説明すると、押出部60は、案内通路43(第2通路45)ごとに、中心線C1を中心とした円弧状に延びる可動片62を各別に備える。各可動片62は、案内通路43における遊技球Bの進行方向における下流端部に軸部62aを備える。各可動片62は、それぞれ軸部62aを中心として、第1位置P1と、第2位置P2との間で回動可能である。
【0045】
第1位置P1は、可動片62である部分を含む壁面45aの全体が正円弧を描くように、可動片62が配置される位置である。第2位置P2は、第1位置P1に比して、案内通路43における遊技球Bの進行方向における上流端部が中心線C1から離間する位置である。また、各可動片62は、可動片62が第1位置P1に配置されるように付勢する付勢部材62bを備える。例えば、付勢部材62bは、ねじりばねや、ゴム部材などである。
【0046】
また、押出部60は、各第3通路46において、遊技球Bの逆流を阻止する逆流阻止手段としてのワンウェイクラッチ64を備える。ワンウェイクラッチ64は、円盤状である複数のスプロケット64aを備える。各スプロケット64aは、それぞれ第3通路46に突出した状態で、奥行方向Ddに沿って延びる軸線回りで回動可能に支持される。各スプロケット64aの周縁部には、周方向に沿って複数の凹部が設けられており、各凹部にそれぞれ1つの遊技球Bを保持可能である。
【0047】
図中に矢印Y9で示すように、各スプロケット64aは、遊技球Bが各揚送通路41を上方に向かって通過する方向に回転可能である一方で、反対方向に回転不能に構成される。すなわち、各スプロケット64aは、遊技球Bが各揚送通路41を下方に向かって通過する方向に回動不能である。
【0048】
図3及び図5に示すように、押出部60は、中心線C1を中心に回転することで、遊技球Bを、各案内通路43(第2通路45)を通過するように移動させる回転機構70を備える。回転機構70は、奥行方向Ddに沿って延びるシャフト71と、シャフト71を支持するベアリング72,72と、を備える。各ベアリング72,72は、シャフト71の軸心が中心線C1と一致した状態で、軸心まわりで回転可能に支持する。ベアリング72,72は、それぞれ外装体51,52に固定される。
【0049】
図5及び図7に示すように、回転機構70は、シャフト71と一体となって回転可能であって、且つ円盤状である複数の回転体75を備える。複数の回転体75は、それぞれの周縁部が案内通路43(第2通路45)に臨むように配置される。
【0050】
例えば、各回転体75は、金属製である。各回転体75の外周面75aは、案内通路43のうち、第2通路45の壁面45aと対向する壁面を構成する。このように、回転体75は、案内面としての壁面45aと対向する位置において回転可能に設けられる。
【0051】
各回転体75の外周面75aと、第2通路45の壁面45aとの離間距離は、遊技球Bの直径よりも僅かに大きい。したがって、案内通路43(第2通路45)は、遊技球が一列になって通過可能な大きさの通路である。複数の回転体75は、シャフト71の軸線方向に沿って並ぶ。各回転体75は、シャフト71の軸線方向において、それぞれ通路部材61と通路部材61とに挟まれる。
【0052】
本実施形態において、複数の回転体75は、同じに構成される。ここでは、1つの回転体75について詳しく説明する。回転体75は、その周縁部に、周方向に沿って均等に並ぶように埋め込まれた複数の接触球Kを備える。本実施形態の回転体75では、シャフト71の軸線(中心線C1)を中心に36°の間隔で10個の接触球Kが並ぶ。このように、接触球Kは、複数あり、回転体75の外周面75aに沿って並ぶように設けられる。
【0053】
また、本実施形態の接触球Kは、パチンコ遊技機11において遊技に供される遊技球Bと同じ金属製の球体である。すなわち、接触球Kと、遊技球Bとは、直径、真球度、及び硬度が何れも同じ又は略同じである。そして、回転体75における回転軸の軸線方向から見たときに、接触球Kのうち回転体75から突出している部分の形状は、壁面45aに向かって突出する円弧状(より好ましくは真円弧状)である。
【0054】
図8及び図9に示すように、回転体75は、それぞれ1つの接触球Kを収容する複数の収容部76を備える。複数の収容部76は、同じに構成される。各収容部76は、回転体75の外周面75aに開口する開口部76aを有する。回転体75の周方向に沿った開口部76aの幅L1は、接触球Kの直径よりも小さい。各収容部76の内部において、回転体75の周方向に沿った収容部76の幅L2は、接触球Kの直径よりも僅かに大きい。
【0055】
図7に示すように、各収容部76は、シャフト71の軸線方向(奥行方向Dd)における両方向に開口する。また、シャフト71の軸線方向における各回転体75の厚さは、接触球Kの直径よりも僅かに小さい。このため、各回転体75は、シャフト71の軸線方向において、それぞれ隣り合う通路部材61,61と接触しないように支持されるとともに、僅かに突出する各接触球Kが各通路部材61,61と接触する。
【0056】
各収容部76は、回転体75の直径方向に沿って放射状に延びる。回転体75の直径方向に沿った各収容部76の長さL3は、接触球Kの直径と略同じである。したがって、各収容部76において、接触球Kは、回転体75の外周面75aから一部が直径方向に突出する突出位置Ptと、全体又は略全体が収容部76に収容され、突出位置Ptに比して直径方向に突出しない埋没位置Piとの間で、回転体75の直径方向に沿って変位可能となる。
【0057】
このように、複数の接触球Kは、回転体75から壁面45aに向かって突出した第1位置としての突出位置Ptと、当該突出位置Ptに比して、壁面45aから離間した第2位置としての埋没位置Piと、に変位可能に構成される。すなわち、埋没位置Piは、突出位置Ptに比して、収容部76からの接触球Kの突出量が小さくなる位置である。そして、複数の接触球Kは、回転体75とともに回転するとともに、壁面45aと回転体75との間にある遊技球Bが接触可能に構成される。
【0058】
また、図8及び図9に示すように、回転体75は、各収容部76に収容された接触球Kを付勢する付勢部としてのコイルばね77を備える。付勢部は、ゴムや板ばねなどであってもよい。回転体75は、それぞれ1つのコイルばね77を収容する複数のばね収容部78を備える。各ばね収容部78は、それぞれ回転体75の直径方向に沿って放射状に延びるとともに、それぞれ収容部76に繋がる。本実施形態の各ばね収容部78は、奥行方向Ddにおける両方向に開口しているが、当該開口は、隣り合う通路部材61によって封止される。
【0059】
各ばね収容部78において、コイルばね77は、回転体75の直径方向に沿って延びるように配置されるとともに、接触球Kに接触する。各コイルばね77は、各接触球Kがそれぞれ突出位置Ptに位置するように付勢する(図8に示す)。各接触球Kに外力が加わったとき、コイルばね77が縮むことで、接触球Kの埋没位置Piへの移動が許容される(図9に示す)。
【0060】
図3及び図4に示すように、駆動ユニット50は、複数の回転体75を回転させる駆動部としてのモータ80を備える。モータ80は、第2外装体52に固定される。モータ80の出力軸80aは、第2外装体52を貫通した状態で、第2外装体52の外側に突出する。
【0061】
駆動ユニット50は、モータ80の駆動力を伝達するための歯車として、第1歯車81、第2歯車82、及び第3歯車83を備える。第2歯車82と第1歯車81とは、互いに噛み合う。第2歯車82と第3歯車83とは、互いに噛み合う。
【0062】
第1歯車81は、モータ80の出力軸80aの先端部に固定される。第2歯車82は、回転可能となるように、第2外装体52に固定される。第3歯車83は、シャフト71の端部71aに固定される。シャフト71の端部71aは、第2外装体52の外側に突出する。
【0063】
次に、本実施形態の揚送装置40の作用について説明する。
図4及び図5に示すように、モータ80が駆動すると、出力軸80aの回転に伴って、互いに噛み合う歯車81〜83が回転し、シャフト71が図中に矢印Y10で示す所定方向に回転する。つまり、複数の回転体75は、矢印Y10に示す所定方向に回転する。
【0064】
図8に示すように、各回転体75において、複数の接触球Kは、コイルばね77の付勢力によって、原則として突出位置Ptに配置される。このため、第1通路44から第2通路45に流入した遊技球Bは、回転体75がモータ80の駆動力を受けて回転すると、第2通路45の壁面45aにガイドされつつ、接触球Kに接触(より好ましくは当接)した状態で押されるようにして、矢印Y10で示す方向に搬送される。このように、壁面45aと回転体75との間にある遊技球Bは、回転体75が所定方向へ回転されることにより、接触球Kに接触した状態で壁面45aに沿って移動される。
【0065】
ここで、図9に示すように、遊技球Bが、当該遊技球Bと壁面45aとの間の摩擦などによって、遊技球Bが壁面45aと接触球Kとの間で噛んでしまう現象(以下、単に「球噛み」と示す)が発生してしまうことも考えられる。このような場合、従来の揚送装置40では、球噛みが発生した状態のまま、モータ80が駆動し続けることで、モータ80が発熱したり、シャフト71や歯車81〜83といった回転機構70を構成する各部品に負荷を与えたりする虞があった。
【0066】
このような問題に対して、例えば、回転体75に規定のトルクが発生したときに、回転体75を空回りさせるクラッチ機構を備えることも考えられる。しかしながら、このようなクラッチ機構は、回転機構70の構成が複雑なものとなり、その結果として、回転機構70の大型化や、製造コストの増加を招く。
【0067】
これに対して、本実施形態の揚送装置40において、上述のような球噛みが発生した場合、接触球Kは、回転体75の回転に伴って遊技球Bに押し込まれるようにして埋没位置Piに変位する。これにより、本実施形態の揚送装置40では、クラッチ機構を備えなくても、回転体75の回転に伴って、球噛みが解消され易くなる。また、揚送装置40では、モータ80が駆動し続けたとしても、回転体75が空回りすることで、モータ80や他の各部品に対する負荷を軽減できる。
【0068】
また、全ての接触球Kは、遊技球Bと同じく球体である。このため、各接触球Kと遊技球Bとは、曲面同士が接触することになる。より詳しくは、各接触球Kと遊技球Bとは、真球度が比較的高いことから点接触する。したがって、接触球Kと遊技球Bとで球噛みが発生することをさらに抑制できる。
【0069】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、接触球Kと第2通路45の壁面45aとの間において球噛みが発生し、遊技球Bが動かなくなった場合であっても、接触球Kが壁面45aから離間する埋没位置Piへと変位する。これにより、回転体75が空回りし易くなり、過度な負荷がモータ80にかかってしまうことを抑制できる。したがって、揚送装置40を構成する部品を保護できる。
【0070】
(2)本実施形態によれば、接触球Kと、遊技球Bとが接触するときには、曲面同士が接触することになることから、球噛みが発生してしまうことを抑制できる。
(3)本実施形態によれば、接触球Kが球体であることから、当該接触球Kと、同じく球体である遊技球Bと接触するときに、球噛みが発生してしまうことをさらに抑制できる。
【0071】
(4)本実施形態によれば、各接触球Kの硬度は、遊技球Bの硬度以上である。このため、各接触球Kの摩耗を抑制し、メンテナンスの頻度を低減できる。
(5)本実施形態によれば、円盤状の回転体75の外周面75aに沿って、複数の接触球Kが並んでいることから、壁面45aとの協働によって、効率よく遊技球Bを移動させることができる。その反面、球噛みの頻度が高くなる虞があるものの、上記の構成により、揚送装置40を構成する部品を好適に保護できる。
【0072】
(6)本実施形態によれば、各接触球Kは、収容部76から突出して遊技球Bと接触可能である一方で、球噛みなどが発生したときには、接触球Kが収容部76に入り込むことで、当該収容部76からの接触球Kの突出量が小さくなり、回転体75が空回りし易くなる。また、球噛みが解消された場合には、コイルばね77によって突出位置Ptへと復帰されることから、遊技球Bの揚送を再開し易くできる。
【0073】
(7)本実施形態によれば、接触球Kの真球度は、遊技球Bの真球度と同じ又は高いことから、さらに球噛みを発生し難くできる。
(8)本実施形態によれば、揚送装置40は、各案内通路43に可動片62を備える。このため、第1通路44から第2通路45に遊技球Bが流入するときに、接触球Kと壁面45aとの間に遊技球Bが挟まった場合であっても、可動片62が第2位置P2へと変位することで、球噛みの発生を抑制できる。
【0074】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・揚送装置40の設置方向は、任意に変更してもよい。例えば、島設備10において、左右を反転させて設置してもよいし、90度だけ回転させて各揚送通路41が奥行方向D3に配置されるように設置してもよい。
【0075】
図10に示すように、各収容部76の形状を変更してもよい。例えば、各収容部76の開口部76aは、シャフト71の軸線方向(奥行方向Dd)において、回転体75の全幅に跨らなくてもよい。この場合、収容部76の開口部76aは、シャフト71の軸線方向に沿って延びる帯状ではなく、回転体75の直径方向から見たときに、円形状となる。
【0076】
・また、図10に示すように、各収容部76は、シャフト71の軸線方向(奥行方向Dd)において、各回転体75の両面、又は片面に開口しなくてもよい。つまり、各接触球Kは、シャフト71の軸線方向において隣り合う通路部材61,61と接触しなくてもよい。また、各回転体75は、シャフト71の軸線方向において隣り合う通路部材61,61と接触してもよい。
【0077】
・各揚送通路41は、垂直方向(高さ方向D2)に沿って延びることに限定されない。例えば、複数の揚送通路41は、垂直方向と交差する方向に向かって上るように傾斜していてもよい。すなわち、揚送装置40は、遊技球Bの取込み位置よりも高い位置へと遊技球を搬送可能であればよい。
【0078】
・各揚送通路41は、同じ球貯留部30に繋がることに限定されず、異なる球貯留部30に繋がってもよい。また、各揚送通路41は、直線状であることに限定されず、1回又は複数回にわたって屈曲した形状でもよい。
【0079】
・1の回転体75が備える接触球Kの数は、変更してもよい。例えば、2〜9、又は11以上の複数でもよい。この場合、複数の接触球Kは、回転体75の周方向に沿って均等に配置されることが好ましいが、均等に配置されなくてもよい。また、1の回転体75が備える接触球Kの数は、1(単数)でもよい。但し、多数の遊技球Bを揚送する観点からは、複数の接触球Kを備えることが好ましい。そして、回転体75は、接触球Kと同じ数の収容部76、コイルばね77、及びばね収容部78を備える。
【0080】
・各回転体75は、コイルばね77及びばね収容部78を備えなくてもよい。この場合、各回転体75は、各接触球Kを突出位置Ptに支持する支持部を備え、当該支持部は、球噛みなどに起因する負荷によって破壊され、埋没位置Piへの変位を許容するように構成するとよい。
【0081】
・揚送装置40が備える回転体75の数は、変更してもよい。例えば、回転機構70が備える回転体の数は、2〜6、又は8以上の複数、又は1(単数)でもよい。すなわち、回転体75は、揚送通路41ごとに設けるとよい。
【0082】
・埋没位置Piは、接触球Kの一部が回転体75の外周面75aから突出する位置であってもよい。
・各回転体75において、複数の接触球Kは、遊技球Bとは異なる金属製の球体でもよい。本別例において、各接触球Kの硬度は、遊技球Bの硬度以上であるとよい。なお、ここでいう接触球K及び遊技球Bの硬度は、平均値であってもよく、最大値であってもよい。また、本別例において、各接触球Kの真球度は、遊技球Bの真球度以上であるとよい。また、接触球K及び遊技球Bの真球度は、平均値であってもよく、最小値であってもよい。真球度は、互いに直交する2又は3赤道表面の輪郭について、それぞれの最小外接円から表面までの直径方向の距離の最大値である。
【0083】
・複数の接触部は、接触球Kに限定されない。例えば、シャフト71の軸線方向から見たときに、回転体75の直交方向に突出する半月状であり、軸線方向に沿って延びるかまぼこ型(半円柱型)であってもよい。
【0084】
・各回転体75が備える複数の接触球Kは、金属製に限定されない。例えば、十分な強度を確保できるのであれば、樹脂製であってもよい。
・各回転体75は、十分な強度を確保できるのであれば、樹脂製であってもよい。
【0085】
・島設備10に設置可能なパチンコ遊技機11の数は、任意に変更してもよい。例えば、島設備10は、1(単数)の遊技機を設置可能でもよい。
・揚送装置40は、小型化するなどしてパチンコ遊技機11に設けてもよい。この場合、揚送装置40は、複数の入賞口16、又はアウト口17に入球した遊技球Bを集合し、球受部21へと揚送するとよい。これによれば、パチンコ遊技機11に備えられた揚送装置40において、部品を保護できる。この場合、揚送装置40は、島設備10に設置されなくてもよい。
【0086】
・島設備10に設置されるパチンコ遊技機11は、全て同じパチンコ遊技機11であってもよく、一部又は全部が異なるパチンコ遊技機11であってもよい。
・島設備10に設置される遊技機は、遊技媒体として遊技球Bを用いるものであれば、パチンコ遊技機11に限定されない。
【0087】
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記回転体の形状は、円盤状であり、前記接触部は、複数あり、前記回転体の外周面に沿って並ぶように設けられているとよい。
【0088】
(ロ)前記回転体は、前記接触部を収容する収容部と、当該収容部に収容されている前記接触部を、前記第1位置に配置されるように付勢する付勢部と、を備えており、前記第1位置は、前記接触部の一部又は全部が前記収容部から突出した位置であり、前記第2位置は、前記第1位置に比して、前記収容部からの前記接触部の突出量が小さくなる位置であるとよい。
【0089】
(ハ)前記接触部は、球体であり、前記接触部の真球度は、遊技球の真球度と同じ又は高いとよい。
【符号の説明】
【0090】
11…パチンコ遊技機、40…揚送装置、45…案内通路、45a…壁面、71…シャフト、75…回転体、75a…外周面、76…収容部、77…コイルばね、80…モータ
B…遊技球、K…接触球、Pt…突出位置、Pi…埋没位置、Y10…矢印(所定方向)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10