特許第6743277号(P6743277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6743277
(24)【登録日】2020年7月31日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】回転式圧縮機および冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/06 20060101AFI20200806BHJP
   F04C 23/00 20060101ALI20200806BHJP
   F04C 29/12 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   F04C29/06 E
   F04C23/00 F
   F04C29/12 A
   F04C29/12 H
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-504292(P2019-504292)
(86)(22)【出願日】2017年3月10日
(86)【国際出願番号】JP2017009849
(87)【国際公開番号】WO2018163434
(87)【国際公開日】20180913
【審査請求日】2019年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平山 卓也
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−002299(JP,A)
【文献】 特開2013−083245(JP,A)
【文献】 特開平10−213087(JP,A)
【文献】 特開2002−221156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 29/06
F04C 23/00
F04C 29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、前記回転軸を回転させる電動機部と、前記回転軸に連結された圧縮機構部と、前記回転軸、前記電動機部、および前記圧縮機構部を収容する密閉容器と、を備える回転式圧縮機であって、
前記圧縮機構部は、
前記回転軸の回転に伴い作動流体を圧縮する圧縮室と、
前記回転軸の軸方向に並び、前記圧縮室にて圧縮された前記作動流体を吐出する吐出ポートがそれぞれ設けられた複数のマフラ室と、を備え、
前記複数のマフラ室は、第1マフラ室と、第2マフラ室と、第3マフラ室とを含み、
前記第1マフラ室には、前記第2マフラ室を経た前記作動流体を前記第1マフラ室に供給する第1連通ポートと、前記第3マフラ室を経た前記作動流体を前記第1マフラ室に供給する第2連通ポートと、が設けられ、
前記軸方向から見て、前記第1マフラ室の前記吐出ポートの中心と前記回転軸の中心とを通る第1直線にて区画される前記第1マフラ室の2つの領域の一方に前記第1連通ポートの中心が位置し、他方に前記第2連通ポートの中心が位置している、
回転式圧縮機。
【請求項2】
前記軸方向から見て、前記回転軸の中心を通り且つ前記第1直線と直交する第2直線にて区画される前記第1マフラ室の2つの領域の一方に前記第1マフラ室の前記吐出ポートの中心が位置し、他方に前記第1連通ポートおよび前記第2連通ポートの少なくとも一方の中心が位置している、
請求項1に記載の回転式圧縮機。
【請求項3】
前記圧縮機構部は、3以上の整数であるNの前記マフラ室を備え、
前記第1マフラ室において、前記吐出ポートと、他の前記マフラ室からの前記作動流体を前記第1マフラ室に供給する各連通ポートとのうち、隣り合う2つのポートの中心間の前記回転軸の中心を中心とした回転方向における角度の各々が、
360°/(N+1)<θ<360°/(N−1)
を満たすθの範囲にある、
請求項2に記載の回転式圧縮機。
【請求項4】
前記圧縮機構部は、前記複数のマフラ室の全てを連通する補助連通路をさらに備え、
前記第1マフラ室には、前記補助連通路を通る前記作動流体を供給する補助ポートが設けられ、
前記第1マフラ室において、前記補助ポートと前記吐出ポートとの間の距離よりも、前記第1連通ポートまたは前記第2連通ポートと前記吐出ポートとの間の距離の方が小さい、
請求項1に記載の回転式圧縮機。
【請求項5】
前記軸方向において、前記第3マフラ室は、前記第2マフラ室よりも前記第1マフラ室に近い位置にあり、
前記第3マフラ室の前記吐出ポートの総断面積が、前記第2マフラ室の前記吐出ポートの総断面積よりも大きい、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の回転式圧縮機。
【請求項6】
前記圧縮機構部は、前記第1マフラ室、前記第2マフラ室、および前記第3マフラ室の各前記吐出ポートにそれぞれ設けられた複数の吐出弁を備え、
前記複数の吐出弁が開閉するタイミングが全て異なる、
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の回転式圧縮機。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の回転式圧縮機と、
前記回転式圧縮機に接続された放熱器と、
前記放熱器に接続された膨張装置と、
前記膨張装置に接続された吸熱器と、
を備える冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、回転式圧縮機および冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
密閉容器内に、回転軸を介して連結された電動機部と圧縮機構部とを収容した回転式圧縮機が知られている。圧縮機構部は、回転軸の回転に伴い作動流体を圧縮する圧縮室を備え、この圧縮室で圧縮された作動流体はマフラ室を介して密閉容器内に供給される。
【0003】
また、複数のマフラ室を備え、いずれかのマフラ室に他のマフラ室の作動流体が合流した後、密閉容器内に供給される構成を有した圧縮機も提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−83245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように3つ以上のマフラ室を備える圧縮機において、作動流体が合流するマフラ室内の特定の部分に作動流体が集中すると、流路損失が増大する。また、作動流体が集中した部分が過熱され、構成部品の温度分布が不均一となる。この場合、構成部品の変形により各部のクリアランスが不適正化し、漏れ損失の増大や摺動信頼性の悪化を招き得る。
【0006】
本開示の一態様における目的は、3つ以上のマフラ室を備える回転式圧縮機および当該圧縮機を備える冷凍サイクル装置の性能を改善するとともに、信頼性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る回転式圧縮機は、回転軸と、前記回転軸を回転させる電動機部と、前記回転軸に連結された圧縮機構部と、前記回転軸、前記電動機部、および前記圧縮機構部を収容する密閉容器と、を備えている。前記圧縮機構部は、前記回転軸の回転に伴い作動流体を圧縮する圧縮室と、前記回転軸の軸方向に並び、前記圧縮室にて圧縮された前記作動流体を吐出する吐出ポートがそれぞれ設けられた複数のマフラ室と、を備えている。前記複数のマフラ室は、第1マフラ室と、第2マフラ室と、第3マフラ室とを含む。前記第1マフラ室には、前記第2マフラ室を経た前記作動流体を前記第1マフラ室に供給する第1連通ポートと、前記第3マフラ室を経た前記作動流体を前記第1マフラ室に供給する第2連通ポートと、が設けられている。さらに、前記軸方向から見て、前記第1マフラ室の前記吐出ポートの中心と前記回転軸の中心とを通る第1直線にて区画される前記第1マフラ室の2つの領域の一方に前記第1連通ポートの中心が位置し、他方に前記第2連通ポートの中心が位置している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る圧縮機の縦断面図および冷凍サイクル装置の構成図である。
図2図2は、第1実施形態に係る圧縮機が備える圧縮機構部の横断面図である。
図3図3は、第1実施形態における圧縮機構部の概略的な縦断面図である。
図4図4は、第1実施形態における第1軸受を回転軸の軸方向から見た平面図である。
図5図5は、第1実施形態における第1軸受の他の例を示す平面図である。
図6図6は、第1実施形態における第1軸受のさらに他の例を示す平面図である。
図7図7は、第1実施形態の効果を示すグラフである。
図8図8は、第2実施形態に係る圧縮機の縦断面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る圧縮機が備える圧縮機構部の概略的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの実施形態につき図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る回転式圧縮機1の縦断面図および冷凍サイクル装置Rの構成図である。以下の説明においては、回転式圧縮機1を単に圧縮機1と呼ぶ。冷凍サイクル装置Rは、圧縮機1と、放熱器である凝縮器2と、膨張弁(膨張装置)3と、吸熱器である蒸発器4と、アキュームレータ5と、冷媒管Pと、吸込管VPとを備えている。冷媒管Pは、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4、アキュームレータ5を順次接続している。アキュームレータ5と圧縮機1は、2本の吸込管VPで接続されている。
【0010】
圧縮機1は、密閉容器10と、駆動要素としての電動機部11と、圧縮要素としての圧縮機構部12と、回転軸13とを備えている。電動機部11および圧縮機構部12は、密閉容器10に収容され、回転軸13を介して互いに連結されている。密閉容器10の内部は、底部に潤滑油が貯留されるとともに、残りの空間が作動流体の一例であるガス冷媒で満たされている。以下の説明においては、回転軸13に沿って電動機部11から圧縮機構部12に向かう方向を「下方」或いは単に「下」と称し、この逆方向を「上方」或いは単に「上」と称する。
【0011】
密閉容器10は、上壁に設けられた吐出管10aと、側壁に設けられた2つの吸込管VPとを有している。吐出管10aには冷媒管Pが接続されている。
電動機部11は、ステータ14と、ロータ15とを備えている。ロータ15は、回転軸13に固定されている。ステータ14は、その内周面がロータ15の外周面と僅かな隙間を介して対向した状態で、密閉容器10の内周壁に固定されている。
【0012】
圧縮機構部12は、電動機部11の下方に位置している。圧縮機構部12は、第1軸受(主軸受)20と、第2軸受(副軸受)21と、第1シリンダ22と、第2シリンダ23と、第1ローラ24と、第2ローラ25と、仕切板26と、第1マフラ27と、第2マフラ28とを備えている。
【0013】
第1軸受20は、例えば固定部材29を介して密閉容器10に固定されている。第1軸受20、第1シリンダ22、仕切板26、第2シリンダ23、および第2軸受21は、電動機部11側からこの順で配置され、例えば共締めにより互いに固定されている。第1軸受20および第2軸受21は、回転軸13を回転自在に支持している。
【0014】
第1マフラ27は、第1軸受20の上面に取り付けられている。第1マフラ27と第1軸受20との間には、第1マフラ室31が形成されている。第1マフラ27は、第1マフラ室31と密閉容器10内の空間とを連通する複数の連通孔27aを有している。第2マフラ28は、第2軸受21の下面に取り付けられている。第2マフラ28と第2軸受21との間には、第2マフラ室32が形成されている。
【0015】
第1シリンダ22は、円形の第1シリンダ室22aを有している。第2シリンダ23は、円形の第2シリンダ室23aを有している。第1シリンダ22および第2シリンダ23は、例えば回転軸13の中心AXに対して同軸状に配置されている。
仕切板26は、第1シリンダ22と第2シリンダ23の間に配置されている。仕切板26は、回転軸13の軸方向(図中の上下方向)に並ぶ第1部分26aと第2部分26bとに分割されている。第1部分26aおよび第2部分26bは、例えば中心に回転軸13を通すための開口が設けられた円盤状である。図1の例においては、第1部分26aの下面および第2部分26bの上面にそれぞれ形成された凹部により、第3マフラ室33が形成されている。
【0016】
回転軸13は、軸方向と直交する方向に突出した第1偏心部13aおよび第2偏心部13bを有している。第1偏心部13aおよび第2偏心部13bは、回転軸13の中心AXに対して例えば略180°の位相差を有して偏心している。第1偏心部13aには、中空状の第1ローラ24の内周面が嵌められている。第2偏心部13bには、中空状の第2ローラ25の内周面が嵌められている。第1偏心部13aおよび第1ローラ24は、第1シリンダ室22aに配置されている。第2偏心部13bおよび第2ローラ25は、第2シリンダ室23aに配置されている。第1ローラ24は、回転軸13の回転に伴い、外周面の一部が第1シリンダ室22aの内周壁に接した状態で転動する。第2ローラ25は、回転軸13の回転に伴い、外周面の一部が第2シリンダ室23aの内周壁に接した状態で転動する。
【0017】
第1シリンダ室22aは、上側を第1軸受20によって閉止され、下側を第1部分26aによって閉止されている。第2シリンダ室23aは、上側を第2部分26bによって閉止され、下側を第2軸受21によって閉止されている。
各吸込管VPを介して供給されるガス冷媒は、それぞれ第1シリンダ室22aおよび第2シリンダ室23aに導かれる。詳しくは後述するが、これらのガス冷媒は回転軸13の回転に伴い第1シリンダ室22aおよび第2シリンダ室23aにおいて圧縮される。第1シリンダ室22aにて圧縮されたガス冷媒は、第1軸受20に設けられた第1弁機構41を介して第1マフラ室31に吐出される。第2シリンダ室23aにて圧縮されたガス冷媒は、第2軸受21に設けられた第2弁機構42を介して第2マフラ室32に吐出される。
【0018】
さらに、図1の例では、仕切板26の第1部分26aに第3弁機構43が設けられ、仕切板26の第2部分26bに第4弁機構44が設けられている。すなわち、第1シリンダ室22aにて圧縮されたガス冷媒が第3弁機構43を介して第3マフラ室33に吐出されるとともに、第2シリンダ室23aにて圧縮されたガス冷媒が第4弁機構44を介して第3マフラ室33に吐出される。
【0019】
第2マフラ室32に吐出されたガス冷媒および第3マフラ室33に吐出されたガス冷媒は、それぞれ後述の第1連通路51および第2連通路52(図3参照)を通じて第1マフラ室31に供給される。また、図1の例においては、第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室33を全て連通する補助連通路53が設けられている。このように、第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室33に吐出された高温高圧のガス冷媒は、いずれも第1マフラ室31で合流した後、密閉容器10内に供給される。
【0020】
密閉容器10内のガス冷媒は、吐出管10aおよび冷媒管Pを通じて凝縮器2に導かれ、凝縮器2において凝縮される。凝縮された冷媒は、膨張弁3にて膨張および減圧された後、蒸発器4にて蒸発し、アキュームレータ5にて気液分離される。アキュームレータ5で気液分離されたガス冷媒は、各吸込管VPを介して第1シリンダ室22aおよび第2シリンダ室23aにそれぞれ供給され、再び圧縮される。
【0021】
図2は、第1シリンダ22の位置における圧縮機構部12の横断面図である。この図の例では、ベーンスロット16が第1シリンダ22に形成されている。ベーンスロット16は、第1シリンダ室22aの径方向に直線状に延びている。ベーンスロット16には、第1シリンダ室22aの径方向に沿って移動可能にベーン17が挿入されている。ベーン17は、例えばコイルスプリングである付勢部材18によって常に第1シリンダ室22aに向けて付勢されている。ベーン17の先端部は、第1ローラ24の外周面に摺動可能に接触している。
【0022】
第1シリンダ室22aは、ベーン17により吸入室R1と圧縮室R2に区画されている。第1シリンダ22には、吸入室R1に通じる吸入路19が形成されている。吸入路19からは、上述の吸込管VPを通じてガス冷媒が供給される。回転軸13が回転すると、偏心部13aおよび第1ローラ24の偏心回転に伴い、吸入室R1と圧縮室R2の容積が変化する。これにより、ガス冷媒が圧縮される。圧縮されたガス冷媒は、上述の第1弁機構41を介して圧縮室R2から第1マフラ室31に吐出されるとともに、上述の第3弁機構43を介して圧縮室R2から第3マフラ室33に吐出される。
【0023】
図2においては、複数のボルト孔H、第1連通路51、第2連通路52、および補助連通路53が第1シリンダ22に設けられている。なお、図2においてボルト孔の一部は省略されている。
第2シリンダ23の位置における圧縮機構部12の断面構造は、図2に示したものと同様である。すなわち、第2シリンダ23にもベーンスロット16が設けられ、このベーンスロット16にベーン17と付勢部材18が収容されている。そして、吸込管VPから吸入されたガス冷媒が吸入路19を通じて吸入室R1に供給され、偏心部13bおよび第2ローラ25の偏心回転に伴って圧縮される。圧縮されたガス冷媒は、上述の第2弁機構42を介して圧縮室R2から第2マフラ室32に吐出されるとともに、上述の第4弁機構44を介して圧縮室R2から第3マフラ室33に吐出される。
【0024】
なお、圧縮機構部12がガス冷媒を圧縮する構造は、図2の例に限られない。例えば、圧縮機構部12は、ベーンとローラが一体となった、いわゆるスイング式の構造を備えてもよい。
【0025】
図3は、圧縮機構部12の概略的な縦断面図である。この断面は、上述の第1弁機構41、第2弁機構42、第3弁機構43、第4弁機構44、第1連通路51、第2連通路52、および補助連通路53を通るように、回転軸13の周方向に圧縮機構部12を切断したものに相当する。
【0026】
第1軸受20に設けられた第1弁機構41は、第1吐出ポート41aと、第1吐出弁41bと、第1規制板41cとを備えている。第1吐出ポート41aは、第1シリンダ室22aから第1マフラ室31にガス冷媒を吐出する。第1吐出弁41bは、第1シリンダ室22aが低圧の際に第1吐出ポート41aを閉塞し、第1シリンダ室22aが高圧の際に第1吐出ポート41aを開放する。第1規制板41cは、第1吐出弁41bの最大開度を規制する。図3の例において、第1吐出ポート41a、第1吐出弁41b、および第1規制板41cは、第1軸受20の上面に設けられた凹部20aの内部に配置されている。
【0027】
第2軸受21に設けられた第2弁機構42は、第2吐出ポート42aと、第2吐出弁42bと、第2規制板42cとを備えている。第2吐出ポート42aは、第2シリンダ室23aから第2マフラ室32にガス冷媒を吐出する。第2吐出弁42bは、第2シリンダ室23aが低圧の際に第2吐出ポート42aを閉塞し、第2シリンダ室23aが高圧の際に第2吐出ポート42aを開放する。第2規制板42cは、第2吐出弁42bの最大開度を規制する。図3の例において、第2吐出ポート42a、第2吐出弁42b、および第2規制板42cは、第2軸受21の下面に設けられた凹部21aの内部に配置されている。
【0028】
仕切板26の第1部分26aに設けられた第3弁機構43は、第3吐出ポート43aと、第3吐出弁43bと、第3規制板43cとを備えている。第3吐出ポート43aは、第1シリンダ室22aから第3マフラ室33にガス冷媒を吐出する。第3吐出弁43bは、第1シリンダ室22aが低圧の際に第3吐出ポート43aを閉塞し、第1シリンダ室22aが高圧の際に第3吐出ポート43aを開放する。第3規制板43cは、第3吐出弁43bの最大開度を規制する。
【0029】
仕切板26の第2部分26bに設けられた第4弁機構44は、第4吐出ポート44aと、第4吐出弁44bと、第4規制板44cとを備えている。第4吐出ポート44aは、第2シリンダ室23aから第3マフラ室33にガス冷媒を吐出する。第4吐出弁44bは、第2シリンダ室23aが低圧の際に第4吐出ポート44aを閉塞し、第2シリンダ室23aが高圧の際に第4吐出ポート44aを開放する。第4規制板44cは、第4吐出弁44bの最大開度を規制する。
【0030】
第1連通路51は、第1軸受20、第1シリンダ22、第1部分26a、第2部分26b、第2シリンダ23、および第2軸受21を貫通し、第1マフラ室31および第2マフラ室32に開口している。これにより、第2マフラ室32と第1マフラ室31とが連通し、第2マフラ室32に吐出されたガス冷媒が第1連通路51を介して第1マフラ室31に供給される。
【0031】
第2連通路52は、第1軸受20、第1シリンダ22、および第1部分26aを貫通し、第1マフラ室31および第3マフラ室33に開口している。これにより、第3マフラ室33と第1マフラ室31とが連通し、第3マフラ室33に吐出されたガス冷媒が第2連通路52を介して第1マフラ室31に供給される。
【0032】
補助連通路53は、第1軸受20、第1シリンダ22、第1部分26a、第2部分26b、第2シリンダ23、および第2軸受21を貫通し、第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室33のそれぞれに開口している。これにより、第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室33の全てが連通し、第2マフラ室32および第3マフラ室33に吐出されたガス冷媒が補助連通路53を介して第1マフラ室31に供給される。
【0033】
第1連通路51、第2連通路52、および補助連通路53は、例えば回転軸13の中心AXと平行に延びている。第1吐出ポート41a、第2吐出ポート42a、第3吐出ポート43a、および第4吐出ポート44aの中心は、例えば回転軸13の中心AXと平行な直線に沿って並んでいる。
【0034】
なお、第1マフラ室31および第2マフラ室32を連通する第1連通路51が複数設けられてもよい。また、第1マフラ室31および第3マフラ室33を連通する第2連通路52が複数設けられてもよいし、第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室33の全てを連通する補助連通路53が複数設けられてもよい。
【0035】
以下の説明においては、第1マフラ室31における第1連通路51の開口を第1連通ポート51a、第1マフラ室31における第2連通路52の開口を第2連通ポート52a、第1マフラ室31における補助連通路53の開口を補助ポート53aと呼ぶ。
【0036】
本実施形態の構成においては、第1マフラ室31に第2マフラ室32および第3マフラ室33からのガス冷媒が合流する。したがって、第1吐出ポート41a、第1連通ポート51a、第2連通ポート52a、および補助ポート53aの位置が近接していれば、第1マフラ室31の特定の箇所にガス冷媒が集中するため、流路損失が増大し得る。また、ガス冷媒は圧縮により高温となっているため、第1軸受20や第1マフラ27などの構成部品の温度分布が不均一となり得る。
以下、このような流路損失の増大や温度分布の不均一を抑制するための構成について説明する。
【0037】
図4は、第1軸受20の上面を回転軸13の軸方向から見た平面図である。なお、図4および後述する図5図6において、第1吐出弁41b、第1規制板41cおよびボルト孔の図示を省略している。第1吐出ポート41aの中心C0と、回転軸13の中心AXとを通る直線を第1直線L1、第1直線L1と直交し且つ回転軸13の中心AXを通る直線を第2直線L2と定義する。
図4の例では、第1直線L1にて区画される第1マフラ室31の2つの領域の一方に第1連通ポート51aの中心C1が位置し、他方に第2連通ポート52aの中心C2が位置している。このような配置であれば、第1連通ポート51aと第2連通ポート52aの位置を分散することができるので、上述の流路損失および温度分布の不均一を抑制することができる。
【0038】
また、第2直線L2にて区画される第1マフラ室31の2つの領域の一方に第1吐出ポート41aの中心C0が位置し、他方に第1連通ポート51aの中心C1および第2連通ポート52aの中心C2が位置している。このような配置であれば、第1マフラ室31に供給されるガス冷媒をさらに分散することができるので、流路損失および温度分布の不均一を抑制する効果がさらに向上する。なお、図4の例では、第2連通ポート52aと第2直線L2が重なっているが、重なっていなくてもよい。
【0039】
さらに、補助ポート53aと第1吐出ポート41aとの間の距離よりも、第1連通ポート51aと第1吐出ポート41aとの間の距離の方が小さい。同様に、補助ポート53aと第1吐出ポート41aとの間の距離よりも、第2連通ポート52aと第1吐出ポート41aとの間の距離の方が小さい。このような配置であれば、補助連通路53が各吐出ポート41a〜44aから吐出するガス冷媒の影響を受けにくくなる。なお、図4の例では、補助ポート53aの中心C3が直線L1と重なっているが、重なっていなくてもよい。
【0040】
本実施形態では、第1吐出ポート41aの断面積よりも、第1連通ポート51a(あるいは第1連通路51)の断面積の方が小さい。同様に、第1吐出ポート41aの断面積よりも、第2連通ポート52a(あるいは第2連通路52)の断面積の方が小さい。さらに、第1連通ポート51a(あるいは第1連通路51)または第2連通ポート52a(あるいは第2連通路52)の断面積よりも、補助ポート53a(あるいは補助連通路53)の断面積の方が小さい。
【0041】
第1吐出ポート41a、第2吐出ポート42a、第3吐出ポート43a、および第4吐出ポート44aの中心が回転軸13の中心AXと平行な直線に沿って並んでいる場合、図4の例では、第2マフラ室32において第2吐出ポート42aと第1連通路51の開口との間の距離が第2吐出ポート42aと補助連通路53の開口との間の距離より小さくなる。また、第3マフラ室33において第3吐出ポート43aおよび第4吐出ポート44aと第2連通路52の開口との間の距離が第3吐出ポート43aおよび第4吐出ポート44aと補助連通路53の開口との間の距離より小さくなる。このように、第2マフラ室32および第3マフラ室33において、吐出ポートに近い位置に断面積が大きい(すなわち流路損失が小さい)連通路の開口が位置すれば、第1マフラ室31までの流路損失を低減できる。
【0042】
第1軸受20の他の例を図5に示す。この図は、図4と同じく第1軸受20の上面を回転軸13の軸方向から見た平面図である。図5の例では、第2直線L2にて区画される第1マフラ室31の2つの領域の一方に第1吐出ポート41aの中心C0および第2連通ポート52aの中心C2が位置し、他方に第1連通ポート51aの中心C1が位置している。第2直線L2にて区画される第1マフラ室31の2つの領域の一方に第1吐出ポート41aの中心C0および第1連通ポート51aの中心C1が位置し、他方に第2連通ポート52aの中心C2が位置してもよい。
【0043】
第1軸受20に設けられる各ポートの位置を決めるための他の方法につき、図6を用いて説明する。この図は、第1軸受20の上面を回転軸13の軸方向から見た平面図であり、第1吐出ポート41a、第1連通ポート51a、第2連通ポート52a、および補助ポート53aの位置は図4と同じである。
【0044】
図6の例では、第1吐出ポート41a、第1連通ポート51a、および第2連通ポート52aのうち、隣り合う2つのポートの中心間の回転軸13の中心を中心とした角度の各々が、以下の[式1]を満たすθの範囲にある。
[式1] 360°/(N+1)<θ<360°/(N−1)
ここに、Nは圧縮機構部12が備えるマフラ室の数である。本実施形態ではN=3であるため、90°<θ<180°となる。マフラ室の数は4以上であってもよい。したがって、Nは3以上の整数となる。
【0045】
具体的には、図6に示すように、第1吐出ポート41aの中心C0と回転軸13の中心AXとを繋ぐ直線L11、第1連通ポート51aの中心C1と回転軸13の中心AXとを繋ぐ直線L12、第2連通ポート52aの中心C2と回転軸13の中心AXとを繋ぐ直線L13を定義する。回転軸13の回転方向において、直線L11と直線L12の間の角度θ1、直線L12と直線L13の間の角度θ2、直線L13と直線L11の間の角度θ3がいずれも上記[式1]の範囲となるように各ポートの位置を定めればよい。なお、角度θ1,θ2,θ3は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0046】
このように各ポートの位置を定めれば、第1マフラ室31においてガス冷媒をより均一に分散することができる。
なお、[式1]を用いた各ポートの位置の決定方法と、上述の第1直線L1および第2直線L2を用いた各ポートの位置の決定方法とは、併用することができる。
【0047】
以上の構成によれば、第1マフラ室31における流路損失の増大や構成部品の温度分布の不均一を抑制することができる。発明者は、本実施形態の効果を実証するために、以下のケース1〜4のそれぞれについて、第1軸受20の温度分布を計測した。
【0048】
[ケース1]
第1直線L1にて区画される第1マフラ室31の2つの領域の一方に第1連通ポート51aの中心C1および第2連通ポート52aの中心C2の双方が位置する。
[ケース2]
図4のように、第1直線L1にて区画される第1マフラ室31の2つの領域の一方に第1連通ポート51aの中心C1が位置し、他方に第2連通ポート52aの中心C2が位置する。
[ケース3]
ケース2の構成に加え、図4のように、第2直線L2にて区画される第1マフラ室31の2つの領域の一方に第1吐出ポート41aの中心C0が位置し、他方に第1連通ポート51aの中心C1および第2連通ポート52aの中心C2の双方が位置する。
[ケース4]
ケース2,3の構成に加え、図6のように、角度θ1,θ2,θ3が上述の[式1]を満たす。
【0049】
以上のケース1〜4の第1軸受20の温度分布における最大温度差(最大温度−最低温度)を図7に示す。ケース1では最大温度差が20℃を超えるが、ケース2ではその半分未満の約10℃に低減された。ケース3,4ではさらに最大温度差が低減し、ケース4ではケース1の1/5以下となった。この結果から明らかなように、本実施形態によれば、上述の流路損失および温度分布の不均一を抑制する良好な効果が得られることが分かる。
【0050】
さらに、本実施形態では第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室33を連通する補助連通路53を設けている。これにより、各マフラ室の圧力変動を均一化でき、脈動による圧力損失や騒音の発生を防ぐことができる。
【0051】
第3マフラ室33は第2マフラ室32よりも第1マフラ室31に近いので、第3マフラ室33から第1マフラ室31までの流路損失は、第2マフラ室32から第1マフラ室31までの流路損失よりも小さい。そこで、第3マフラ室33の吐出ポートの総断面積を、第2マフラ室32の吐出ポートの総断面積より大きくしてもよい。このような構成であれば、圧縮機構部12における流路損失の合計が小さくなり、圧縮機1をより高性能化できる。なお、「第3マフラ室33の吐出ポートの総断面積」は、本実施形態では第3吐出ポート43aおよび第4吐出ポート44aの断面積の合計に相当するが、第3マフラ室33の吐出ポートが1つの場合は当該ポートの断面積に相当し、第3マフラ室33の吐出ポートが3つ以上である場合はこれらポートの断面積の合計に相当する。また、「第2マフラ室32の吐出ポートの総断面積」は、本実施形態では第2吐出ポート42aの断面積に相当するが、第2マフラ室32の吐出ポートが2つ以上の場合はこれらポートの断面積の合計に相当する。
以上述べた他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0052】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態では、圧縮機に適用し得る他の例を開示する。圧縮機に関して特に言及しない構成、および、圧縮機を除く冷凍サイクル装置の構成については第1実施形態と同様である。
【0053】
図8は、本実施形態に係る圧縮機100の縦断面図である。第1実施形態に係る圧縮機1と同一または類似の要素には同一の符号を付している。圧縮機100は、第1シリンダ22および第2シリンダ23に加え、第3シリンダ101を備えた3気筒構造を有している。第3シリンダ101は、第3シリンダ室101aを有している。
【0054】
さらに、圧縮機100は、第3シリンダ室101aに配置された第3ローラ102と、第1シリンダ22と第3シリンダ101の間に配置された第1仕切板103と、第2シリンダ23と第3シリンダ101の間に配置された第2仕切板104とを備えている。第1軸受20、第1シリンダ22、第1仕切板103、第3シリンダ101、第2仕切板104、第2シリンダ23、および第2軸受21は、電動機部11側からこの順で配置され、例えば共締めにより互いに固定されている。
【0055】
第1仕切板103は、回転軸13の軸方向(図中の上下方向)に並ぶ第1部分103aと第2部分103bとに分割されている。第1実施形態の仕切板26と同じく、第1部分103aの下面および第2部分103bの上面にそれぞれ形成された凹部により、第3マフラ室110が形成されている。
【0056】
第1シリンダ室22aは、上側を第1軸受20によって閉止され、下側を第1仕切板103の第1部分103aによって閉止されている。第2シリンダ室23aは、上側を第2仕切板104によって閉止され、下側を第2軸受21によって閉止されている。第3シリンダ室101aは、上側を第1仕切板103の第2部分103bによって閉止され、下側を第2仕切板104によって閉止されている。
【0057】
回転軸13は、第1偏心部13aおよび第2偏心部13bに加え、軸方向と直交する方向に突出した第3偏心部13cを有している。一例として、第1偏心部13a、第2偏心部13b、および第3偏心部13cは、回転軸13の中心AXに対して例えば略120°の位相差を有して偏心している。但し、各偏心部が他の位相差を有して偏心していてもよい。第3偏心部13cには、中空状の第3ローラ102の内周面が嵌められて、第3シリンダ室101aに配置されている。第3ローラ102は、回転軸13の回転に伴い、外周面の一部が第3シリンダ室101aの内周壁に接した状態で転動する。
【0058】
例えば、吸込管VPから供給されるガス冷媒は、第2仕切板104の内部に設けられた吸入路を通じて第2シリンダ室23aおよび第3シリンダ室101aに導かれる。第3シリンダ室101aにてガス冷媒を圧縮するための具体的な構成には、図2を用いて上述したものを適用できる。
【0059】
第1シリンダ室22aにて圧縮されたガス冷媒は、第1弁機構41を介して第1マフラ室31に吐出される。第2シリンダ室23aにて圧縮されたガス冷媒は、第2弁機構42を介して第2マフラ室32に吐出される。第3シリンダ室101aにて圧縮されたガス冷媒は、第1仕切板103の第2部分103bに設けられた第3弁機構111を介して第3マフラ室110に吐出される。このように、本実施形態では、3つのシリンダ室にて圧縮されたガス冷媒が、それぞれ異なるマフラ室に吐出される。
【0060】
図9は、圧縮機構部12の概略的な縦断面図である。この断面は、上述の第1弁機構41、第2弁機構42、第3弁機構111、第1連通路51、第2連通路52、および補助連通路53を通るように、回転軸13の周方向に圧縮機構部12を切断したものに相当する。
【0061】
第1弁機構41および第2弁機構42の構成は第1実施形態と同様である。第3弁機構111は、第3吐出ポート111aと、第3吐出弁111bと、第3規制板111cとを備えている。第3吐出ポート111aは、第3シリンダ室101aから第3マフラ室110にガス冷媒を吐出する。第3吐出弁111bは、第3シリンダ室101aが低圧の際に第3吐出ポート111aを閉塞し、第3シリンダ室101aが高圧の際に第3吐出ポート111aを開放する。第3規制板111cは、第3吐出弁111bの最大開度を規制する。
第1吐出ポート41a、第2吐出ポート42a、および第3吐出ポート111aの中心は、例えば回転軸13の中心AXと平行な直線に沿って並んでいる。
【0062】
第1連通路51は、第1軸受20、第1シリンダ22、第1部分103a、第2部分103b、第3シリンダ101、第2仕切板104、第2シリンダ23、および第2軸受21を貫通し、第1マフラ室31および第2マフラ室32に開口している。第2連通路52は、第1軸受20、第1シリンダ22、および第1仕切板103の第1部分103aを貫通し、第1マフラ室31および第3マフラ室110に開口している。補助連通路53は、第1軸受20、第1シリンダ22、第1部分103a、第2部分103b、第3シリンダ101、第2仕切板104、第2シリンダ23、および第2軸受21を貫通し、第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室110のそれぞれに開口している。
【0063】
なお、第1マフラ室31および第2マフラ室32を連通する第1連通路51が複数設けられてもよい。また、第1マフラ室31および第3マフラ室110を連通する第2連通路52が複数設けられてもよいし、第1マフラ室31、第2マフラ室32、および第3マフラ室110の全てを連通する補助連通路53が複数設けられてもよい。
【0064】
第1実施形態と同じく、第1軸受20には、第1連通路51の第1連通ポート51aと、第2連通路52の第2連通ポート52aと、補助連通路53の補助ポート53aとが設けられている。第1吐出ポート41a、第1連通ポート51a、第2連通ポート52a、および補助ポート53aの位置関係は、第1実施形態と同様のものを適用できる。
【0065】
以上の構成の圧縮機100においてガス冷媒を圧縮する際には、各偏心部13a〜13cの位相が互いにずれているために、第1吐出弁41b、第2吐出弁42b、および第3吐出弁111bの開閉タイミングが互いに異なる。これにより、第1吐出ポート41a、第1連通路51、および第2連通路52から第1マフラ室31に吐出されるガス冷媒の脈動が小さくなり、圧力損失や騒音の発生を低減することができる。
その他、本実施形態からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
第1実施形態および第2実施形態においては、3つのマフラ室を備える圧縮機を開示した。しかしながら、圧縮機が備えるマフラ室の数は3つに限られず、4つ以上であってもよい。この場合においても、他のマフラ室からのガス冷媒が合流する第1マフラ室に設けられる吐出ポート、連通ポート、および補助ポートの位置は、上述の第1直線L1および第2直線L2を用いた決定方法や、[式1]を用いた決定方法にて定めることができる。
【0067】
すなわち、マフラ室の数が4つ以上の場合、第1マフラ室に設けられる連通ポートの数は例えば3つ以上となる。この場合、当該3つ以上の連通ポートの一部を第1直線L1で区画される2つの領域の一方に配置し、残りを他方の領域に配置すればよい。また、第2直線L2で区画される2つの領域の一方に吐出ポートを配置し、他方の領域に3つ以上の連通ポートの少なくとも1つを配置すればよい。また、吐出ポートと3つ以上の連通ポートのうち、隣り合う2つのポートの中心間の角度θがそれぞれ[式1]を満たせばよい。
【0068】
第1実施形態においては2つのシリンダ室を備える圧縮機を開示し、第2実施形態においては3つのシリンダ室を備える圧縮機を開示した。しかしながら、圧縮機が備えるシリンダ室の数は2つまたは3つに限られず、4つ以上であってもよい。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
R…冷凍サイクル装置、1,100…回転式圧縮機、10…密閉容器、11…電動機部、12…圧縮機構部、13…回転軸、20…第1軸受、21…第2軸受、22…第1シリンダ、23…第2シリンダ、24…第1ローラ、25…第2ローラ、26…仕切板、31…第1マフラ室、32…第2マフラ室、33…第3マフラ室、41a…第1吐出ポート、51…第1連通路、52…第2連通路、51a…第1連通ポート、52a…第2連通ポート、53…補助連通路、53a…補助ポート、L1…第1直線、L2…第2直線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9