特許第6743285号(P6743285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6743285還元剤供給ユニットコンパクト側方供給入口ポート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6743285
(24)【登録日】2020年7月31日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】還元剤供給ユニットコンパクト側方供給入口ポート
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20200806BHJP
【FI】
   F01N3/08 B
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-508832(P2019-508832)
(86)(22)【出願日】2017年8月18日
(65)【公表番号】特表2019-527796(P2019-527796A)
(43)【公表日】2019年10月3日
(86)【国際出願番号】US2017047570
(87)【国際公開番号】WO2018035439
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2019年2月15日
(31)【優先権主張番号】15/239,892
(32)【優先日】2016年8月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ウェイン マクファーランド
【審査官】 菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0138568(US,A1)
【文献】 特表2015−501899(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0122917(US,A1)
【文献】 特表2013−504716(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0054394(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジェクタを備える装置であって、前記インジェクタは、
入口管に流体を搬送するための入口ポートと、
前記入口ポートの一部である内側スリーブと、
前記内側スリーブに取り付けられ、前記入口ポートの一部である外側スリーブと、
前記外側スリーブに部分的に配置された、前記入口ポートの一部である入口導管と、
前記外側スリーブの一部として形成されたキャビティと、
前記外側スリーブの一部として形成された半球壁部分を有する容積低減機構と、を有しており、
流体は、前記入口導管から、前記キャビティ内へと、次いで前記入口管内へと流れ、
前記容積低減機構は、前記外側スリーブの一部として形成された前記キャビティ内の容積を減らす、装置。
【請求項2】
前記外側スリーブの一部として形成された開口をさらに備え、
前記入口導管の一部は、前記外側スリーブの一部として形成された前記開口に配置されており、前記入口導管は、前記キャビティに流体連通されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
流路をさらに備え、
前記内側スリーブの一部が前記開口を塞いでおり、前記流路は、前記スリーブによって塞がれていない、前記開口の部分によって形成されている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記外側スリーブの一部として形成された上側壁をさらに備え、
前記容積低減機構は、前記外側スリーブの前記上側壁の一部として形成されている、請求項1から3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記外側スリーブ、前記内側スリーブ、前記入口管は全て、スタンピング加工および成形加工から成るグループから選択された1つを使用して形成される別個の構成要素である、請求項1から4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
インジェクタのための入口ポートであって、
インジェクタの入口管に取り付けられる内側スリーブと、
前記内側スリーブが部分的に配置される外側スリーブと、
前記外側スリーブの一部として形成されたキャビティであって、前記内側スリーブが部分的に配置されるキャビティと、
前記外側スリーブの一部として形成された開口であって、前記キャビティに流体連通している開口と、
前記開口内に部分的に配置された入口導管であって、これにより前記キャビティに流体連通している入口導管と、
前記外側スリーブの一部として形成された前記キャビティ内の容積を減らす容積低減機構であって、前記外側スリーブの一部として形成された半球壁部分を有している容積低減機構と、
を備え、
流体は、前記入口導管を通って前記キャビティ内へ、そして前記キャビティから前記入口管内へと流れる、
インジェクタのための入口ポート。
【請求項7】
流路をさらに備え、該流路を介して前記入口導管は前記キャビティと流体連通しており、
前記内側スリーブの一部が前記開口を塞いでおり、前記流路は、前記スリーブによって塞がれていない、前記開口の部分によって形成されている、請求項記載の入口ポート。
【請求項8】
前記外側スリーブ、前記内側スリーブ、前記入口管は全て、スタンピング加工および成形加工から成るグループから選択された1つを使用して形成される、請求項6または7記載の入口ポート。
【請求項9】
前記外側スリーブの一部として形成された上側壁をさらに備え、
前記容積低減機構は、前記外側スリーブの前記上側壁の一部として形成されている、請求項6から8のいずれか1項記載の入口ポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、排気後処理システムのための選択的触媒還元システムの一部として使用される還元剤供給ユニットのための側方供給入口ポートに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州および北米における新しい排ガス法は、特に圧縮点火(ディーゼル)エンジンや、希薄条件および超希薄条件下で作動する(通常は直接噴射が行われる)成層燃焼火花点火式エンジンなどの希薄燃焼技術のための、新たな排気後処理システムの実現を促進している。希薄燃焼エンジンは、高レベルの窒素酸化物(NO)エミッションを発生し、このNOエミッションは、希薄燃焼の特徴である酸素リッチな排気環境において処理することが困難である。これらの条件下でNOを処理する排気後処理技術が現在開発されつつある。
【0003】
これらの技術のうちの1つは、排気窒素酸化物(NO)とのアンモニア(NH)の反応を促進して、窒素(N)および水(HO)を発生させる触媒を含む。この技術は、選択的触媒還元(SCR)と呼ばれる。アンモニアは、自動車環境においてその純粋な形態で取り扱うことが困難であり、したがって通常は、これらのシステムと共に、典型的には32%の尿素(CO(NH)濃度の液体尿素水溶液が使用される。溶液は、AUS−32またはディーゼル排気流体(DEF)と呼ばれ、AdBlueという商品名でも知られている。DEFは、高温排気流へ供給され、加熱分解を受けた後に排気中でアンモニアに変換されるか、または熱分解を受けた後に、アンモニアおよびイソシアン酸(HNCO)に変換される。次いで、イソシアン酸は、排気に存在する水分との加水分解を受け、アンモニアと二酸化炭素(CO)とに変換される。加熱分解および加水分解から生じたアンモニアは、前述のように、窒素酸化物との触媒反応を受ける。
【0004】
排気へのDEF溶液の供給は、後に行われる排気流中でのアンモニアの混合を促進するために、DEFの正確な計量および適切な調整を含む。排気中へのDEFの供給は典型的には、いくつかの形式のインジェクタを使用して達成される。還元剤供給ユニット(RDU)では、インジェクタは、金属ハウジングによって取り囲まれている。ハウジングは、インジェクタを保護するために使用され、排気管への取付けシステムを提供し、インジェクタへの液圧的な接続インターフェースを提供するために使用される。車両をより効率的にし、より多くの機構と機能を搭載することに対する要望が高まるにつれて、パッケージングの制約はますます制限的になってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、より厳しいパッケージング要件にこだわりながらも、インジェクタを様々な場所に取り付けることができるように、パッケージングに関してより大きなフレキシビリティを与えるインジェクタが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態では、本発明は、インジェクタのための側方供給入口ポートであって、この入口ポートは3つのスタンピング加工部品を使用しており、これによりこの側方供給入口ポートはコンパクトかつ高強度であって、大幅に低下したコストで製作される。両方ともスタンピング加工された金属から作成されている内側スリーブおよび外側スリーブを使用することにより、インジェクタのシールは、内側スリーブを使用してシール点を形成する一方、DEFインジェクタのシール点でまたはシール点の下方で外側スリーブに対する入口導管の取り付けを可能にすることで達成される。インジェクタは、1つ以上のシールを有し、入口ポートの構造は、内側スリーブと1つ以上のシールとの間に適切なシールが存在する一方、同時に入口導管と外側スリーブとの間の接続を可能にして、入口ポートの、ひいてはインジェクタの全高が小さくなるようになっている。入口導管の位置は、内側スリーブとシールとの間のシール接続部に影響を与えることなく変更することができ、これにより所望の全高を達成することができる。組立ては、構成要素を互いにろう付けまたは溶接することにより行われ、堅牢で、コンパクト、かつ低コストの入口ポートが提供される。
【0007】
本発明の利点の1つは、入口ポートにおける内部流体容積全体の低減にある。エンジンの停止時に(凍結、ひいては流体インジェクタへの損傷の可能性を低減するために)流体をパージする必要のあるRDUに関しては、入口ポートにおける液体の容積が少ないことは、パージ時間の短縮を意味する。スタンピング加工部品であるので、外側スリーブは、内部容積をさらに減らすための異なる容積低減機構などの、様々な形状を有することができる。
【0008】
1つの実施形態では、本発明は、インジェクタのための入口ポートであって、インジェクタの入口管に取り付けられる内側スリーブと、外側スリーブとを有しており、内側スリーブは外側スリーブに部分的に配置されている。外側スリーブの一部としてキャビティが形成されており、内側スリーブはこのキャビティに部分的に配置されている。外側スリーブの一部として開口が形成されており、この開口はキャビティに流体連通している。開口内には入口導管が部分的に配置されており、入口導管はキャビティに流体連通している。インジェクタの作動中、流体は、入口導管を通ってキャビティ内へ、そしてキャビティから入口管内へと流れる。
【0009】
組み立てられると、内側スリーブの一部が開口を塞ぎ、スリーブによって塞がれていない開口の部分が流路を形成する。DEFは、入口導管から流路を通ってキャビティ内へと流れ、次いで入口管内へと流れる。
【0010】
1つの実施形態では、外側スリーブ、内側スリーブ、入口管は全て、スタンピング加工または成形加工によって形成され、これにより入口ポートの製造コストが低下する。
【0011】
1つの実施形態では、インジェクタは、外側スリーブのキャビティの全容積を減少させるために使用される容積低減機構を備えている。1つの実施形態では、容積低減機構は、外側スリーブの一部として形成された半球壁部分である。外側スリーブの一部として、上側壁が形成されており、1つの実施形態では、容積低減機構は、外側スリーブの上側壁の一部として形成されている。
【0012】
キャビティ内の容積の低減により、キャビティ内のDEFの量が減り、したがってインジェクタ内のDEFの量全体が減少する。インジェクタ内のDEFの体積全体を減らすことにより、DEFが凍結したときの、DEFの体積全体の膨張が小さくなる。DEFによる体積膨張が小さいと、インジェクタの構成要素に加えられる歪みが少なくなる。
【0013】
パージ機能を備えたインジェクタに関しては、例えば車両が停止されるといった特定の状況下でDEFがインジェクタからパージされる。容積低減機構を有していると、インジェクタ内のDEF全体が減り、したがって、パージしなければならないDEFが減少する。加えて、インジェクタの使用を必要とする状況が発生し、インジェクタに「注入」しなければならない場合、DEFをインジェクタ内にポンプで戻されなければならない。容積が少ないことにより、インジェクタを完全に注入するために必要なDEFは少なくなる。
【0014】
本発明のさらなる応用の範囲は、以下に記載される詳細な説明により明らかとなるだろう。発明の好適な実施態様を示す詳細な説明および特定の例は、図示する目的のためだけのものであり、本発明の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。
【0015】
詳細な説明および添付の図面から、本発明はより完全に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態による、インジェクタを有する排気システムの一部を示す分解図である。
図2】本発明の実施形態による、コンパクト側方供給入口ポートを有するインジェクタを示す側面図である。
図3】本発明の実施形態による、インジェクタに取り付けられるコンパクト側方供給入口ポートの拡大断面図である。
図4】本発明の実施形態による、インジェクタに取り付けられるコンパクト側方供給入口ポートの代替実施形態の拡大断面図である。
図5】本発明の実施形態による、インジェクタに取り付けられるコンパクト側方供給入口ポートの代替実施形態の斜視図である。
図6】本発明の実施形態による、インジェクタに取り付けられるコンパクト側方供給入口ポートの代替実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の好適な実施形態の説明は、本質的に単なる例であって、本発明、その応用または使用を限定する意図は全くない。
【0018】
本発明による側方供給入口ポートを有するインジェクタが、図1図3に全体的に符号10で示されている。インジェクタ10は、ディーゼル排気流体(DEF)を受け取る、全体的に符号12で示された多部分入口ポートを有している。入口ポート12は、DEFがホース64から入口ポート12へと移送されるように、ホース64に接続された液圧接続部62に接続されている。インジェクタ10はさらに入口管14を有しており、DEFが入口ポート12から入口管14内へと流れることができる。さらにインジェクタ10は、ソレノイド(図示せず)などのアクチュエータも備え、このアクチュエータは、バルブアッセンブリ(図示せず)を制御して排ガス管16内へのDEFの流れを制御するために使用される。排ガス管16は、インジェクタ10が取り付けられる、外側取付け部18を有する。
【0019】
入口管14の周りを第1のシールが取り囲んでおり、この第1のシールはこの実施形態ではOリング20である。このインジェクタ10は、入口管14の一部を取り囲むハウジング22も有している。ハウジング22は溝24を有しており、この溝24内には第2のシールが配置されており、この第2のシールはこの実施形態ではOリング26である。
【0020】
入口ポート12はいくつかの構成要素を有している。これらの構成要素のうちの1つは内側スリーブ28である。内側スリーブ28の形状はほぼ円筒状であり、フランジ部分30を有している。インジェクタ10が組み立てられると、内側スリーブ28はOリング20,26の両方を取り囲み、これらOリングは、DEFがOリング20,26の周りでインジェクタ10のいくつかの領域内へと移動するのを防ぐシール機能を提供している。内側スリーブ28は、DEFが入口管14内へと入る前に通過する開口28aも有する。
【0021】
入口ポート12は、同じく円筒状の形状の外側スリーブ32も有しており、この外側スリーブは全体的に符号34で示されたキャビティを有する。外側スリーブ32は、図3に示すように内側スリーブ28を取り囲んでいる。内側スリーブ28は、外側スリーブ32内に圧入されていてよく、または内側スリーブ28は、溶接接続により、溶接接続部36,38に沿って外側スリーブ32に接続されていてもよい。内側スリーブ28と外側スリーブ32とは、ろう付けプロセスによって互いに接続されていてもよい。外側スリーブ32はさらに、開口42を有する円筒状のフランジ部分40を備える。入口導管44は開口42内に部分的に配置されており、これにより入口導管44は外側スリーブ32に接続されている。入口導管44は、溶接接続、圧入接続等により開口42内に配置されてよい。この入口導管44は、ホース64からDEFを受け取るための液圧接続部62に接続されている。
【0022】
内側スリーブ28は周壁46を有し、この周壁46の一部は、開口42の一部を塞いでいる。塞がれていない開口42の部分は、全体的に符号48で示された流路を提供している。入口導管44は入口開口50も有しており、入口開口50内へ流れ、入口導管44を通るDEFは、流路48を通って、外側スリーブ32のキャビティ34内へと流れる。DEFは次いで、キャビティ34から入口管14内へと流れる。
【0023】
第1のOリング20の領域は、外側スリーブ32の周壁46に接触して、概略的に符号56で示すようなシール領域を形成している。シール領域56の大きさは、Oリング20の大きさに応じて、かつ、Oリング20の外面の比較的多くの量、または比較的少ない量が周壁46に接触しているかによる、Oリング20の圧縮の程度に応じて変化してよい。図3に示すように、シール領域56は中心56aを有しており、入口導管44は、入口導管44の中心に沿って軸線58を有している。軸線58は、シール領域56の中心56aからは距離60を置いて位置している。この距離60は、流路48の大きさに影響を与えるように変化されてよい。流路48の大きさは、入口導管44の直径を変更し、これに対応して、円筒状のフランジ部分40の直径を変更し、内側スリーブ28に対する外側スリーブ32の位置を変更し、外側スリーブ32に対する円筒状のフランジ部分40の位置を変更することによって影響を与えることもできる。この実施形態では、シール領域56の中心56aは、軸線58の下方にある。しかしながら、上述した構成要素のうち任意のものの位置およびサイズが、シール領域56の中心56aが軸線58の上方または下方に任意の距離60を置くように変更されてもよいことは、本発明の範囲内にある。
【0024】
内側スリーブ28、外側スリーブ32、入口導管44のそれぞれは、スタンピング加工で製作され、製造中に一緒に組み立てられる。
【0025】
本発明の代替実施形態が図4図6に示されている。この実施形態では、外側スリーブ32も容積低減機構52を有しており、これはこの実施形態では半球壁部分である。容積低減機構52は、外側スリーブ32の上壁54の部分として形成されている。容積低減機構52は、外側スリーブ32のキャビティ34内の全容積を減少させる。この実施形態では、容積低減機構52は、約6mmの半径を有しており、容積低減機構52の形状は、キャビティ34の容積を約20%減らす。しかしながら、別の寸法および形状が、キャビティ34の容積を変更する容積低減機構52を形成するために使用されてよいことも、本発明の範囲内にある。キャビティ34内の容積の低減により、キャビティ34内のDEFの量が減り、したがってインジェクタ10内のDEFの量全体が減る。特定の状況下では、DEFは低温にさらされて凍結する場合がある。いくつかのシステムは、車両が停止した場合、DEFをパージすることができず、したがってDEFが低温にさらされて凍結(して膨張)する場合がある。インジェクタ10内のDEFの体積全体を減らすことにより、DEFが凍結したときの、DEFの体積全体の膨張が減少する。DEFによる体積膨張が少ないと、インジェクタ10の構成要素における歪みが少なくなる。
【0026】
パージ機能を有するいくつかのインジェクタが存在する。本発明のインジェクタ10には、このパージ機能を設けることができ、例えば車両が停止されるといった特定の状況下でDEFはインジェクタ10からパージされる。容積低減機構52を有している結果、インジェクタ10内のDEF全体が減少し、したがって、パージしなければならないDEFが減少する。加えて、インジェクタ10の使用を必要とする状況が発生し、インジェクタ10に「注入」するために、DEFがインジェクタ10内にポンプで戻されなければならない場合、容積が少ないことにより、インジェクタ10を完全に注入するために必要なDEFは少なくなる。
【0027】
本発明の説明は本質的に単なる例であり、したがって、本発明の主旨を逸脱しない変形は本発明の範囲内にあると意図されている。そのような変形は、本発明の精神と範囲から逸脱していないものとみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6