特許第6743330号(P6743330)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社三井E&Sマシナリーの特許一覧

<>
  • 特許6743330-梱包方法 図000002
  • 特許6743330-梱包方法 図000003
  • 特許6743330-梱包方法 図000004
  • 特許6743330-梱包方法 図000005
  • 特許6743330-梱包方法 図000006
  • 特許6743330-梱包方法 図000007
  • 特許6743330-梱包方法 図000008
  • 特許6743330-梱包方法 図000009
  • 特許6743330-梱包方法 図000010
  • 特許6743330-梱包方法 図000011
  • 特許6743330-梱包方法 図000012
  • 特許6743330-梱包方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6743330
(24)【登録日】2020年8月3日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】梱包方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/30 20060101AFI20200806BHJP
   B65D 77/26 20060101ALI20200806BHJP
   B65D 81/113 20060101ALI20200806BHJP
   B65D 81/133 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   B65D85/30
   B65D77/26 S
   B65D81/113 A
   B65D81/133 Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-188661(P2019-188661)
(22)【出願日】2019年10月15日
(62)【分割の表示】特願2017-240343(P2017-240343)の分割
【原出願日】2017年12月15日
(65)【公開番号】特開2020-1831(P2020-1831A)
(43)【公開日】2020年1月9日
【審査請求日】2019年10月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518126144
【氏名又は名称】株式会社三井E&Sマシナリー
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】久永 淳二
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−137159(JP,U)
【文献】 特開2016−067992(JP,A)
【文献】 実開昭63−171376(JP,U)
【文献】 特開2015−054723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/00−85/48
B65D 67/00−81/30
B65D 85/86
B65D 85/90
B65D 57/00−59/08
B65D 21/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包箱および複数の仕切りパックからなる梱包体に複数のセラミック製分離膜を幅方向および高さ方向に並べて収容する梱包方法において、
前記セラミック製分離膜の厚さ以上の厚さを有するとともに最大径部を有する円筒状の前記セラミック製分離膜の投影形状を単純化した矩形であり前記幅方向における幅が前記セラミック製分離膜の前記最大径部の直径以上の大きさである貫通孔からなる収容部を前記幅方向に間隔を空けて複数有する仕切りパックと、この仕切りパックとは複数の前記収容部の位置を前記幅方向に異ならせて配置される別の仕切りパックとが予め準備されていて、
前記梱包箱に一方の前記仕切りパックが配置されてこの仕切りパックの前記収容部に前記セラミック製分離膜が収容されて、その後前記セラミック製分離膜が収納された前記仕切りパックの上面に他方の前記仕切りパックが配置されてこの仕切りパックの前記収容部に前記セラミック製分離膜が収容されるとともに、
前記セラミック製分離膜が直径Dの円筒状分離膜であり、前記幅方向に略平行に配置された複数の前記収容部どうしの間隔がD/2以上D以下であり、
一方の前記仕切りパックとこの上面に配置される他方の前記仕切りパックとにそれぞれ収容される前記セラミック製分離膜のうち、
一方の前記仕切りパックに収容される前記セラミック製分離膜の上端よりも、他方の前記仕切りパックに収容される前記セラミック製分離膜の下端の方が高い位置となる状態に前記セラミック製分離膜が収容されることを特徴とする梱包方法
【請求項2】
前記梱包箱に配置される複数の前記仕切りパックのうち、最も下に配置される前記仕切りパックが前記梱包箱の内側の底面と対向する状態で配置されて、最も上に配置される前記仕切りパックが前記梱包箱の内側の天面と対向する状態で配置される請求項1に記載の梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック製分離膜を、傷つけることなく効率的に収容する梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バイオエタノールから水を分離し高純度のエタノールを精製する手段、水を浄化・精製する手段、或は不溶性固形成分を分離する手段として、ゼオライト膜等のセラミック製分離膜を使用した装置が積極的に採用されている。セラミック製分離膜は、衝撃などにより損傷を受けやすく、また表面の汚染等によりその機能が損なわれる虞があるため、その保管、輸送には注意が必要である。従来、セラミック製分離膜を海外に輸出するとき、セラミック製分離膜同士が接触しないように、エアマット等を使用し、こも巻きにして内箱に梱包し、複数の内箱をまとめて外箱に入れ、更にその外箱を木箱に入れ、コンテナに格納して輸送していた。
【0003】
しかし、セラミック製分離膜をこも巻きするのには労力がかかり、また内箱に収容した本数を正確に管理する必要もあり、効率的な梱包手段であるとは必ずしも言えなかった。またセラミック製分離膜をこも巻きするとき、こも巻きした包みからセラミック製分離膜を取り出すとき、セラミック製分離膜が外部と接触したり、セラミック製分離膜同士が接触すると、セラミック製分離膜の表面が破損し、使用できなくなる場合があった。
【0004】
特許文献1は、平膜タイプの分離膜および集水管を有する膜モジュールに用いられる梱包箱を提案する。しかし、この梱包箱を、形状が大きく異なる円筒状のセラミック製分離膜に適用することができず、より多くのセラミック製分離膜を、傷つけることなく効率的に収容するセラミック製分離膜用梱包体が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−217277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数のセラミック製分離膜を、傷つけることなく効率的に収容する梱包方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の梱包方法は、梱包箱および複数の仕切りパックからなる梱包体に複数のセラミック製分離膜を幅方向および高さ方向に並べて収容する梱包方法において、前記セラミック製分離膜の厚さ以上の厚さを有するとともに最大径部を有する円筒状の前記セラミック製分離膜の投影形状を単純化した矩形であり前記幅方向における幅が前記セラミック製分離膜の前記最大径部の直径以上の大きさである貫通孔からなる収容部を前記幅方向に間隔を空けて複数有する仕切りパックと、この仕切りパックとは複数の前記収容部の位置を前記幅方向に異ならせて配置される別の仕切りパックとが予め準備されていて、前記梱包箱に一方の前記仕切りパックが配置されてこの仕切りパックの前記収容部に前記セラミック製分離膜が収容されて、その後前記セラミック製分離膜が収納された前記仕切りパックの上面に他方の前記仕切りパックが配置されてこの仕切りパックの前記収容部に前記セラミック製分離膜が収容されるとともに、前記セラミック製分離膜が直径Dの円筒状分離膜であり、前記幅方向に略平行に配置された複数の前記収容部どうしの間隔がD/2以上D以下であり、一方の前記仕切りパックとこの上面に配置される他方の前記仕切りパックとにそれぞれ収容される前記セラミック製分離膜のうち、一方の前記仕切りパックに収容される前記セラミック製分離膜の上端よりも、他方の前記仕切りパックに収容される前記セラミック製分離膜の下端の方が高い位置となる状態に前記セラミック製分離膜が収容されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
ラミック製分離膜用梱包体は、幅方向に複数の収容部を異ならせて配置した仕切りパックA,Bを高さ方向に積み重ねるようにしたので、セラミック製分離膜を収容部に収容したとき、幅方向および高さ方向に隣接したセラミック製分離膜が互いに接触することがないため、セラミック製分離膜の損傷を抑制し、かつ効率的に収容し、また取り出すことができる。
【0009】
前記梱包箱の底に配置した仕切りパックAの収容部の数をn個とするとき、仕切りパックAの上に重ねて配置する仕切りパックBの収容部の数を(n−1)個とするとよく、更に前記梱包箱の底から数えて奇数段目に仕切りパックAを、偶数段目に仕切りパックBを配置するとよい。これにより、セラミック製分離膜を梱包箱内に安定して収容することができる。
【0010】
仕切りパックAの収容部の中心線および仕切りパックBの収容部の中心線が、前記幅方向に略等間隔に配置するとよく、仕切りパックAに収容したセラミック製分離膜と仕切りパックBに収容したセラミック製分離膜との接触を削減することができる。
【0011】
前記セラミック製分離膜が直径Dの円筒状分離膜であり、前記幅方向に略平行に配置された前記複数の収容部の間隔が、D/2以上D以下であるとよく、セラミック製分離膜を効率的に収容すると共に、隣接する収容部間の仕切り壁の上に収容されたセラミック製分離膜を保持することができる。
【0012】
包物は、上述したセラミック製分離膜用梱包体に、複数のセラミック製分離膜を収容し、幅方向および高さ方向に隣接するセラミック製分離膜が、互いに接触しないように配置したので、セラミック製分離膜の損傷を抑制し、かつ効率的に収容し、また取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1ラミック製分離膜用梱包体の実施形態の一例を示す説明図である。
図2ラミック製分離膜用梱包体を構成する仕切りパックAを例示する上面図(2−1)および横断面図(2−2)である。
図3ラミック製分離膜用梱包体を構成する仕切りパックBを例示する上面図(3−1)および横断面図(3−2)である。
図4図2および3に記載の仕切りパックAおよびBを積み重ねた実施形態を例示する断面図である。
図5図2および3に記載の仕切りパックAおよびBを長さ方向にずらせて積み重ねた実施形態を例示する部分拡大図である。
図6】梱包箱の本体に仕切りパックAを配置する模式図である。
図7】箱本体内の仕切りパックAにセラミック製分離膜を収容する模式図である。
図8】箱本体内の仕切りパックAの上に仕切りパックBを配置する模式図である。
図9】箱本体内の仕切りパックBにセラミック製分離膜を収容する模式図である。
図10】セラミック製分離膜を収容した仕切りパックAおよびBを交互に積み重ねた模式図である。
図11】セラミック製分離膜を収容した箱本体に蓋をはめる模式図である。
図12】セラミック製分離膜を収容した梱包物の実施形態の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ラミック製分離膜用梱包体は、梱包箱および複数の仕切りパックからなり、複数のセラミック製分離膜を幅方向および高さ方向に並べて収容する。図1は、セラミック製分離膜用梱包体の実施形態の一例を示す説明図である。セラミック製分離膜用梱包体1は、梱包箱2a,2bおよび複数の仕切りパックA,Bで構成される。図1の例で、梱包箱2a,2bは、梱包箱の本体2aおよび蓋2bからなる。蓋2bの形態は図1の例に限定されるものではなく、本体2aとの嵌め合わせが深くても浅くてもよい。また梱包箱の本体2aおよび蓋2bは、図示のように分離していても、少なくとも一部が接合していてもよい。例えば梱包箱の本体2aの四方の壁部からそれぞれ独立して上方に延在部を有し、その延在部を内側に折り合わせることにより、蓋2bを形成してもよい。梱包箱2a,2bは、好ましくは段ボール板で構成することができる。
【0015】
図1では、梱包箱の本体(以下、「箱本体」と略記することがある。)2aに、仕切りパックA、仕切りパックB、仕切りパックA、および仕切りパックBをこの順に収容し、梱包箱の蓋2bを嵌めることにより、セラミック製分離膜用梱包体1となる。なお仕切りパックの数は複数であり、好ましくは2〜6個、より好ましくは3〜5個であるとよい。
【0016】
2種類の仕切りパックA,Bは、セラミック製分離膜の厚さ以上の厚さを有すると共に、図2,3に例示するように、セラミック製分離膜の投影形状を含む大きさの貫通孔からなる収容部3を幅方向に間隔を空けて複数有する。また2種類の仕切りパックA,Bは、幅方向に複数の収容部を互いに異ならせて配置してなる。仕切りパックA,Bの厚さは、セラミック製分離膜の厚さ以上であり、セラミック製分離膜の厚さより好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.2〜2mmくらい厚くすることができる。これにより仕切りパックA,Bを交互に積み重ね、それぞれの収容部3にセラミック製分離膜を収容したとき、セラミック製分離膜の重さで仕切りパックA,Bが撓むのを抑制することができる。仕切りパックA,Bの材質は、特に制限されるものではないが、例えば段ボール板、発泡樹脂等からなる発泡成形体等を挙げることができる。
【0017】
仕切りパックA,Bは、セラミック製分離膜を収容する、複数の収容部3を幅方向に間隔をあけて有する。収容部3は、セラミック製分離膜の投影形状を含む大きさの貫通孔からなる。ここで、セラミック製分離膜の投影形状とは、仕切りパックA,Bの表面上に、垂直方向の上方から投影した形状であり、投影形状を含む大きさの貫通孔とは、投影形状そのものの貫通孔、或いは投影形状を含み単純化した形状の貫通孔をいう。貫通孔は、投影形状を含む大きさのまま、上下に貫通してもよいし、投影形状を含む形状の一部が貫通してもよい。また貫通孔は、収容したセラミック製分離膜を、輸送中に保持し、過度に揺動しない程度にフィットする大きさであるとよい。例えば貫通孔の断面形状が、セラミック製分離膜の最大径部より下方の断面形状に沿っていてもよい。図示の収容部は、セラミック製分離膜の投影形状を含む長細い矩形の貫通孔からなるが、上記の通り、収容部の形態はこの例に限定されるものではない。
【0018】
図2において、図2−1は、仕切りパックAの上面図、図2−2は断面図である。図2−2の断面図は、11本のセラミック製分離膜10を収容した仮想図である。同様に図3において、図3−1は、仕切りパックBの上面図、図3−2は断面図である。図3−2の断面図は、10本のセラミック製分離膜10を収容した仮想図である。このように、仕切りパックA,Bは、収容部3および仕切り壁4を幅方向に交互に並べて配置する。
【0019】
収容部の幅Wは、円筒状のセラミック製分離膜の直径D以上の大きさであり、直径Dより好ましくは0.1〜3mm、より好ましくは0.2〜2mmくらい大きくすることができる。仕切り壁4は、幅方向に略平行に配置された隣接する収容部間を区画する壁部であり、仕切り壁4の幅w、すなわち隣接する収容部4の間隔は、好ましくはD/2以上D以下、より好ましくは0.7D以上0.9D以下であるとよい。仕切り壁4の幅wをこのような範囲内にすることにより、セラミック製分離膜を効率的に収容すると共に、仕切り壁4の上に収容されたセラミック製分離膜を保持することができる。
【0020】
2種類の仕切りパックA,Bは、幅方向に複数の収容部4を互いに異ならせて配置する。図4に例示するように、収容部4の配置を異ならせた2種類の仕切りパックA,Bを交互に積み重ねることにより、セラミック製分離膜を収容部に収容したとき、幅方向および高さ方向に隣接したセラミック製分離膜が互いに接触しないようにすることができる。このため、セラミック製分離膜の損傷を抑制することができる。加えて、梱包箱内にセラミック製分離膜を、効率的に収容し、安全に保管、輸送し、また取り出すことができる。
【0021】
仕切りパックA,Bにおいて、収容部の数は、互いに同じでも異なってもよい。好ましくは下側に配置される仕切りパックの数が、上側に配置される仕切りパックの数より多いとよい。例えば梱包箱の底に配置した仕切りパックAの収容部の数をn個とするとき、仕切りパックAの上に重ねて配置する仕切りパックBの収容部の数を好ましくは(n−1)個とするとよい。これにより、セラミック製分離膜を梱包箱内に安定して収容することができる。
【0022】
また梱包箱の底から数えて奇数段目に仕切りパックAを、偶数段目に仕切りパックBを配置することが好ましい。図4のように、1段目および3段目に収容部の数が11個と多い仕切りパックAを、2段目および4段目に収容部の数が10個と少ない仕切りパックBを、配置することにより、梱包箱内にセラミック製分離膜を安定して収容すると共に、より効率的に収容することができる。
【0023】
仕切りパックAおよびBにおいて、それぞれの収容部3は、仕切りパックAの収容部の中心線および仕切りパックBの収容部の中心線が、幅方向に略等間隔になるように配置するとよい。例えば、図5に例示するように、仕切りパックAおよびBを、幅方向を揃えて積み重ねたとき、仕切りパックAの収容部の中心線および仕切りパックBの収容部の中心線の間隔が、幅方向の距離pで等しくすることが好ましい。これにより、仕切りパックAの上に仕切りパックBを積み重ねたとき、仕切りパックAの仕切り壁4の中心線が、仕切りパックBの収容部の中心線と一致するようになるため、仕切りパックBの収容部に収容したセラミック製分離膜を、仕切りパックAの仕切り壁4の上面で確実に支持することができる。また同様に仕切りパックBの上に仕切りパックAを積み重ねたとき、仕切りパックBの仕切り壁4の中心線が、仕切りパックAの収容部の中心線と一致するようになるため、仕切りパックAの収容部に収容したセラミック製分離膜を、仕切りパックBの仕切り壁4の上面で確実に支持することができる。
【0024】
次に、ラミック製分離膜用梱包体に、セラミック製分離膜を収容する梱包方法について、説明する。図6は、梱包箱の本体2aに仕切りパックAを配置する模式図である。なお仕切りパックAを配置する前に、梱包箱の本体2aの底部に緩衝材を配置してもよい。
【0025】
図7は、図6の箱本体2aに配置された仕切りパックAの収容部4にセラミック製分離膜10を収容する模式図である。図示の例では11本のセラミック製分離膜10を仕切りパックAに収容することができる。従来、セラミック製分離膜10をこも巻きして収容する作業と比べ、少ない労力で、収容数を容易に管理し、効率的かつ製品を傷つけることなく収容することができる。
【0026】
図8は、図7のセラミック製分離膜10を収容した仕切りパックAの上に、仕切りパックBを配置する模式図である。このとき、仕切りパックAの収容部3に収容されたセラミック製分離膜10の上に、仕切りパックBの仕切り壁4が位置するようになるので、仕切りパックAに収容されたセラミック製分離膜10を保護することができる。
【0027】
図9は、図8の箱本体2aに配置された仕切りパックBの収容部4にセラミック製分離膜10を収容する模式図である。図示の例では10本のセラミック製分離膜10を仕切りパックBに収容することができる。以下、同様に、セラミック製分離膜10を収容した仕切りパックBの上に、仕切りパックAを配置し、11本のセラミック製分離膜10を仕切りパックAに収容する。さらにセラミック製分離膜10を収容した仕切りパックAの上に、仕切りパックBを配置し、10本のセラミック製分離膜10を仕切りパックBに収容する。このようにして、図10に模式的に示すように、合計42本のセラミック製分離膜10を箱本体2aに配置された仕切りパックAおよびBに収容することができる。
【0028】
セラミック製分離膜10を収容した箱本体2aは、図11に示すように梱包箱の蓋2bが嵌められ、図12に示すように結束手段5等で固縛することにより、セラミック製分離膜10を収容した梱包物が得られる。結束手段5としては、例えば帯、テープ、紐、縄、ロープ等が挙げられる。また結束手段5の材質は、特に制限されるものではないが、天然繊維、合成繊維、樹脂製成形体等が例示される。
【0029】
上記で得られた梱包物は、例えば4段に重ねて外箱に収容することができる。そして外箱は、2段に重ねられて木箱等に収容され、保管、輸送される。輸送手段は特に制限されることはないが、例えばコンテナ等に積み込み、船で輸送することができる。
【0030】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例により限定するものではない。
【実施例】
【0031】
直径Dが16.6mm、長さ1250mmのセラミック製分離膜を42本、梱包体に梱包する。仕切りパックAは、長さ1300mm、幅310mm、厚さ17mmの段ボール板からなり、長さ1250mm、幅17mmの貫通孔からなる収容部を11個、幅方向に間隔をあけて有する。隣接する収容部間の仕切り壁の幅は10mmである。また両端の収容部は、幅方向端部との間に10mm、13mmの壁部を有する。
【0032】
仕切りパックBは、長さ1300mm、幅310mm、厚さ17mmの段ボール板からなり、長さ1250mm、幅17mmの貫通孔からなる収容部を10個、幅方向に間隔をあけて有する。隣接する収容部間の仕切り壁の幅は10mmである。また両端の収容部は、幅方向端部との間に24mm、26mmの壁部を有する。これにより、仕切りパックAおよびBを重ねると、仕切りパックAの収容部の中心線および仕切りパックBの収容部の中心線が、幅方向に13.5mmの等間隔に配置される。
【0033】
梱包箱の本体2aは、内側寸法で長さ1315mm、幅315mm、高さ70mmで、厚さ10mmの大きさで、段ボール板製のものを準備した。
【0034】
梱包箱の本体2aの底に上記仕切りパックAを配置し、その収容部に11本のセラミック製分離膜を収容した。箱本体2a内の仕切りパックAの上に仕切りパックBを配置し、その収容部に10本のセラミック製分離膜を収容した。次いで箱本体2a内の仕切りパックBの上に仕切りパックAを配置し、その収容部に11本のセラミック製分離膜を収容した。更に箱本体2a内の仕切りパックAの上に仕切りパックBを配置し、その収容部に10本のセラミック製分離膜を収容した。その結果、梱包箱の本体2a内に、42本のセラミック製分離膜が収容された。この梱包箱の本体2aに梱包箱の蓋2bを被せ、2本のポリプロピレンバンドで固縛し、セラミック製分離膜を収容した梱包物を得た。得られた梱包物の重量は、約10kgであり、作業員が容易に運搬することができる重さであった。
【0035】
得られた梱包物を、4段に重ねて段ボール板製の外箱に収容し、粘着テープで密封し、2本のポリプロピレンバンドで固縛した。この外箱内には、合計168本のセラミック製分離膜が収容されている。外箱内に168本のセラミック製分離膜を収容した状態で、この外箱を乗用車のトランクに積み込み、約600kmの輸送試験を行った。この輸送試験を終えた後、外箱から梱包箱を取り出し、梱包箱から上段の仕切りバックBに収容された10本のセラミック製分離膜を順次取り出した。その後、仕切りバックBを取り外し、仕切りバックAに収容された11本のセラミック製分離膜を順次取り出した。同様に下段の仕切りパックBおよびAから21本のセラミック製分離膜を順次取り出した。168本のセラミック製分離膜は、すべて損傷がないことを確認した。また従来、セラミック製分離膜をこも巻きして箱詰めする梱包作業に比べ、作業効率が大幅に向上し、セラミック製分離膜の損傷も少ないことを確認した。
【符号の説明】
【0036】
1 セラミック製分離膜用梱包体
2a 梱包箱の本体
2b 梱包箱の蓋
3 収容部
4 仕切り壁
5 結束手段
10 セラミック製分離膜
A 仕切りパックA
B 仕切りパックB
D セラミック製分離膜の直径
W 収容部の幅
w 仕切り壁の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12