(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置及びその製造方法について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造方法における各工程、各工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0031】
(実施の形態)
まず、蓄電装置10の構成について、説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0033】
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
【0034】
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置10は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。特に、本実施の形態では、蓄電装置10は、例えば自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体のエンジン始動用バッテリーとして用いられることが好ましい。この場合、蓄電装置10は、例えば、メンテナンスや交換作業を容易にするなどのために、当該移動体のボンネットやトランク内などの容易に触れることができる場所に露出された状態で設置される。また、蓄電装置10は、単独(単体)で外部負荷に給電可能、または、単独(単体)で外部電源から充電可能なものである。つまり、電気自動車やプラグインハイブリッド電気自動車などの動力用電源として複数の電池モジュール(蓄電装置)を接続してケースに収容し電池パックとする構成もあるが、本実施の形態における蓄電装置10は、このような構成とは異なるものである。なお、外部負荷または外部電源に応じて、複数の蓄電装置10を電気的に連結して電池パックを構成することにしてもよい。
【0035】
ここで、
図1及び
図2に示すように、蓄電装置10は、外装体11と、外装体11内方に収容される複数の蓄電素子300及びバスバー400等を備えている。
【0036】
外装体11は、蓄電装置10の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体11は、蓄電素子300及びバスバー400の外方に配置され、これら蓄電素子300等を所定の位置に配置し、蓄電素子300等を衝撃などから保護する。また、外装体11は、筐体部分が、例えばポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁性の部材により構成されている。外装体11は、これにより、蓄電素子300等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0037】
ここで、外装体11は、外装体本体100と蓋体200とを有している。
【0038】
外装体本体100は、外装体11の本体部を構成する部材であり、具体的には、上部に開口が形成された有底矩形筒状のハウジングである。この開口から、複数の蓄電素子300が挿入されて、外装体本体100内に収容される。具体的には、外装体本体100は、内方に複数の仕切部120を有しており、当該複数の仕切部120のうちの隣り合う2つの仕切部120の間に、蓄電素子300のそれぞれが挿入されて収容される。外装体本体100の構成の詳細については、後述する。
【0039】
蓋体200は、外装体11の蓋部を構成する部材であり、外装体本体100の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材である。また、蓋体200には、正極外部端子210と負極外部端子220とが設けられている。蓄電装置10は、この正極外部端子210と負極外部端子220とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。
【0040】
上述の通り、外装体本体100の後述する高剛性部材101及び102以外の部分(後述する筐体110及び仕切部120)と、蓋体200とは、例えばPC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁性の部材により構成されている。なお、外装体本体100の当該部分と蓋体200とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。また、外装体11の内方には、回路基板やリレーなどの電気機器も配置されていてもよい。
【0041】
蓄電素子300は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子300は、扁平な角型の形状を有しており、本実施の形態では、外装体11内に8個の蓄電素子300がX軸方向に並べられて収容されている。なお、蓄電素子300は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、外装体11内に収容される蓄電素子300の個数も限定されない。蓄電素子300の構成の詳細については、後述する。
【0042】
バスバー400は、複数の蓄電素子300の上方に配置され、複数の蓄電素子300同士を電気的に接続する金属などの導電性の板状部材である。具体的には、バスバー400は、隣接する蓄電素子300において、一の蓄電素子300の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子300の負極端子または正極端子とを接続する。本実施の形態では、バスバー400は、蓄電素子300を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続する。なお、バスバー400は、8個の蓄電素子300を全て直列に接続してもよいし、その他の構成であってもかまわない。
【0043】
次に、蓄電素子300の構成について、詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子300の外観を示す斜視図である。
【0044】
同図に示すように、蓄電素子300は、容器310と、正極端子320と、負極端子330とを備えている。なお、容器310の内方には、電極体(発電要素)、正極集電体、負極集電体等が配置され、また、電解液(非水電解質)などの液体が封入されているが、これらは省略して図示し、詳細な説明も省略する。
【0045】
容器310は、同図におけるZ軸方向マイナス側に底面部311、X軸方向両側の側面に長側面部312、Y軸方向両側の側面に短側面部313、及び、Z軸方向プラス側に容器蓋部314を有する直方体形状(角型)の容器である。底面部311は、容器310の底面を形成する矩形状の部位であり、長側面部312は、容器310の長側面を形成する矩形状の部位であり、短側面部313は、容器310の短側面を形成する矩形状の部位である。また、容器蓋部314は、容器310の蓋を構成する矩形状の部材である。
【0046】
つまり、容器310は、底面部311と2つの長側面部312と2つの短側面部313とで、矩形筒状で底を備える容器本体を構成し、当該容器本体の開口を容器蓋部314が閉塞する構成となっている。具体的には、容器310は、電極体等を当該容器本体の内方に収容後、当該容器本体と容器蓋部314とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
【0047】
なお、容器310(容器本体及び容器蓋部314)の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。また、容器蓋部314には、容器310内方の圧力を開放する安全弁が設けられているが、詳細な説明は省略する。
【0048】
また、容器310に収容される電極体は、負極と正極とセパレータとが巻き回されて形成された巻回型形状であってもよいし、平板状極板を積層した形状でもよい。また、電極体に用いられる正極活物質または負極活物質としては、蓄電素子300の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器310に封入される電解液としても、蓄電素子300の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0049】
正極端子320は、正極集電体を介して、電極体の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子330は、負極集電体を介して、電極体の負極に電気的に接続された電極端子であり、いずれも容器蓋部314に取り付けられている。つまり、正極端子320及び負極端子330は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子300の外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子300の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。本実施の形態では、蓄電素子300は、正極端子320及び負極端子330を上方に向けた状態で配置されている。
【0050】
具体的には、蓄電装置10に備えられた複数の蓄電素子300のうち正極外部端子210側(
図2ではX軸方向プラス側)に配置された蓄電素子300の正極端子320が、バスバー400を介して、正極外部端子210と接続される。また同様に、当該複数の蓄電素子300のうち負極外部端子220側(
図2ではX軸方向マイナス側)に配置された蓄電素子300の負極端子330が、バスバー400を介して、負極外部端子220と接続される。また、その他の蓄電素子300の正極端子320または負極端子330は、バスバー400を介して、他の蓄電素子300の正極端子320または負極端子330と接続される。
【0051】
次に、外装体11の外装体本体100の構成について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100の構成を示す斜視図である。
図5Aは、本発明の実施の形態に係る蓄電素子300が外装体本体100の内方に収容された状態での構成を示す平面図である。具体的には、同図は、蓄電装置10から蓋体200及びバスバー400を取り除いた構成を、Z軸方向プラス側から見た場合の平面図である。また、
図5Bは、本発明の実施の形態に係る蓄電素子300が外装体本体100の内方に収容された状態での構成を示す断面図である。具体的には、同図は、
図5Aに示された構成をVB−VB断面で切断した場合の断面図である。
【0052】
これらの図に示すように、外装体本体100は、筐体110と、仕切部120と、高剛性部材101及び102とを有している。また、筐体110は、Z軸方向マイナス側に配置される底壁部111と、X軸方向マイナス側に配置される側壁部112と、Y軸方向プラス側に配置される側壁部113と、X軸方向プラス側に配置される側壁部114と、Y軸方向マイナス側に配置される側壁部115とを有している。
【0053】
底壁部111は、外装体本体100の底壁を形成する矩形状かつ平板形状の部位である。また、側壁部112及び114は、底壁部111の短辺側の端縁から立設した、外装体本体100の短側壁を形成する矩形状かつ平板形状の部位である。また、側壁部113及び115は、底壁部111の長辺側の端縁から立設した、外装体本体100の長側壁を形成する矩形状かつ平板形状の部位である。つまり、筐体110は、底壁部111と底壁部111の四方を囲う側壁部112、113、114及び115とで構成され、上部に開口が形成された有底矩形筒状の部材である。
【0054】
具体的には、側壁部112は、蓄電素子300の側面(X軸方向マイナス側の長側面部312)に対向して配置される第一壁部である。また、側壁部113は、蓄電素子300の他の側面(Y軸方向プラス側の短側面部313)に対向する位置であって、側壁部112(第一壁部)と隣り合う位置に配置される第二壁部である。また、側壁部114は、蓄電素子300のさらに他の側面(X軸方向プラス側の長側面部312)に対向する位置であって、側壁部113(第二壁部)と隣り合う位置に配置される第三壁部である。つまり、側壁部114は、複数の蓄電素子300の並び方向(X軸方向)において側壁部112(第一壁部)とで複数の蓄電素子300を挟み込む位置に配置される第三壁部である。また、側壁部115は、蓄電素子300のさらに他の側面(Y軸方向マイナス側の短側面部313)に対向する位置であって、側壁部112(第一壁部)及び側壁部114(第三壁部)と隣り合う位置に配置される第四壁部である。つまり、側壁部115は、複数の蓄電素子300の並び方向と交差する方向(Y軸方向)において側壁部113(第二壁部)とで複数の蓄電素子300を挟み込む位置に配置される第四壁部である。なお、側壁部112〜115(第一壁部〜第四壁部)は、上述の通り、絶縁性を有している。
【0055】
仕切部120は、筐体110の内方に配置され、複数の蓄電素子300の間を仕切る矩形状かつ平板形状の仕切板である。仕切部120は、複数の蓄電素子300のうちの隣り合う2つの蓄電素子300の間及び端部の蓄電素子300の側方、つまり、それぞれの蓄電素子300を両側方から挟む位置に配置されている。具体的には、仕切部120は、2つの側壁部113及び115の間に亘って配置されて、底壁部111と2つの側壁部113及び115とに接続されている。本実施の形態では、8個の蓄電素子300に対して、9枚の仕切部120が配置されている。なお、本実施の形態では、仕切部120は筐体110と一体成形されているが、仕切部120は筐体110と別体で形成されていてもよい。
【0056】
この仕切部120によって、外装体本体100の内方には、蓄電素子収容部130が形成されている。蓄電素子収容部130は、2つの仕切部120と筐体110の底壁部111、側壁部113及び側壁部115とで囲まれた直方体形状の空間であり、蓄電素子300が収容される。つまり、蓄電素子収容部130は、筐体110の内部空間が仕切部120で仕切られた蓄電素子300の収容部であり、蓄電素子300は、筐体110の上部の開口から2つの仕切部120の間に挿入されることで、外装体本体100内の蓄電素子収容部130に収容される。本実施の形態では、8個の蓄電素子300に対して、8つの蓄電素子収容部130が配置されている。
【0057】
このような構成において、複数の蓄電素子300のそれぞれが、外装体本体100内方の仕切部120で仕切られた複数の蓄電素子収容部130のそれぞれに収容されて配置される。具体的には、それぞれの蓄電素子300は、底面部311が外装体本体100の底壁部111に対向し、2つの長側面部312が2つの仕切部120にそれぞれ当接し、かつ、容器蓋部314が上方に向くようにして、蓄電素子収容部130の中央部分に収容される。
【0058】
また、複数の仕切部120のうちの両端の仕切部120と側壁部112及び114との間には、高剛性部材101及び102を収容するための高剛性部材収容部131及び132が形成されている。
【0059】
高剛性部材収容部131は、X軸方向マイナス側の端部の仕切部120と筐体110の底壁部111、側壁部112、側壁部113及び側壁部115とで囲まれた直方体形状の空間であり、高剛性部材101が収容される。つまり、高剛性部材収容部131は、筐体110の内部空間が仕切部120で仕切られた高剛性部材101の収容部であり、高剛性部材101は、筐体110の上部の開口から高剛性部材収容部131内に挿入されて収容される。
【0060】
また、高剛性部材収容部132は、X軸方向プラス側の端部の仕切部120と筐体110の底壁部111、側壁部113、側壁部114及び側壁部115とで囲まれた直方体形状の空間であり、高剛性部材102が収容される。つまり、高剛性部材収容部132は、筐体110の内部空間が仕切部120で仕切られた高剛性部材102の収容部であり、高剛性部材102は、筐体110の上部の開口から高剛性部材収容部132内に挿入されて収容される。
【0061】
高剛性部材101及び102は、両端の仕切部120と側壁部112及び114との間に形成された高剛性部材収容部131及び132に収容される、金属等の矩形状かつ平板状の導電性の部材である。つまり、外装体本体100の側壁部112〜115は樹脂製の部材であるのに対し、高剛性部材101及び102は金属製の部材である。なお、高剛性部材101及び102の材質は、例えば、アルミニウム、メッキ鋼板、高張力鋼板、ステンレス、マグネシウムなどであるが、この高剛性部材101及び102が取り付けられる外装体本体100の壁部よりも剛性が高い材質であればよく、特に限定されない。
【0062】
具体的には、高剛性部材101は、側壁部112(第一壁部)と複数の蓄電素子300との間に配置され、かつ、側壁部112(第一壁部)に対して取り付けられた、側壁部112(第一壁部)よりも剛性が高い第一部材である。具体的には、高剛性部材101は、側壁部112と仕切部120との間に挿入されて配置されている。つまり、高剛性部材101と蓄電素子300との間に仕切部120が配置されている。また、高剛性部材101は、上面視(Z軸方向プラス側から見た場合)において高剛性部材収容部131とほぼ同じ形状を有し、蓄電素子300の2つの短側面部313に亘って延び、かつ、底面部311から容器蓋部314に亘って延びている。つまり、高剛性部材101は、仕切部120を介して蓄電素子300の長側面部312の全面を覆うように配置されている。
【0063】
ここで、剛性が高いとは、外力に対して強い状態を言い、例えば、曲げやねじりの力に対して寸法変化が小さい状態であるとして定義できる。つまり、例えば、高剛性部材101が側壁部112よりも剛性が高いとは、高剛性部材101及び側壁部112について同じ大きさの領域の中央部分を同じ力で押したときに、高剛性部材101の方が寸法変化(撓み量)が小さい場合をいう。または、同じ寸法変化を生じさせるために必要な力が、高剛性部材101の方が側壁部112よりも大きい場合であるとも言える。なお、剛性の定義は、上記に限定されることなく、当業者であれば通常解釈できる範囲内の定義であればよい。高剛性部材101以外の高剛性部材についても同様である。
【0064】
また、高剛性部材102は、側壁部114(第三壁部)と複数の蓄電素子300との間に配置され、かつ、側壁部114(第三壁部)に対して取り付けられた、側壁部114(第三壁部)よりも剛性が高い第三部材である。具体的には、高剛性部材102は、側壁部114と仕切部120との間に挿入されて配置されている。つまり、高剛性部材102と蓄電素子300との間に仕切部120が配置されている。また、高剛性部材102は、高剛性部材101と同様に、仕切部120を介して蓄電素子300の長側面部312の全面を覆うように配置されている。
【0065】
次に、蓄電装置10の製造方法について、説明する。なお、以下では、蓄電装置10の製造方法のうち、蓄電素子300及び高剛性部材101、102を外装体本体100の筐体110内に配置する工程について詳細に説明し、その他の工程については省略する。
【0066】
図6Aは、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10の製造方法における蓄電素子300及び高剛性部材101、102を外装体本体100の筐体110内に配置する工程を示すフローチャートである。
【0067】
同図に示すように、蓄電素子配置工程として、外装体11の内方に蓄電素子300を配置する(S102)。具体的には、外装体本体100の蓄電素子収容部130の内方に、蓄電素子300を挿入して配置する。
【0068】
そして、高剛性部材配置工程として、蓄電素子配置工程の後に、外装体11の側壁部と蓄電素子300とで挟まれる位置に、当該側壁部よりも剛性が高い高剛性部材を配置する(S104)。具体的には、第一部材配置工程として、外装体11の側壁部112(第一壁部)と蓄電素子300とで挟まれる位置に、側壁部112(第一壁部)よりも剛性が高い高剛性部材101(第一部材)を配置する。また、第三部材配置工程として、外装体11の側壁部114(第三壁部)と蓄電素子300とで挟まれる位置に、側壁部114(第三壁部)よりも剛性が高い高剛性部材102(第三部材)を配置する。
【0069】
また、高剛性部材配置工程は、蓄電素子配置工程の前に行われてもよい。
図6Bは、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10の製造方法における蓄電素子300及び高剛性部材101、102を外装体本体100の筐体110内に配置する他の工程を示すフローチャートである。
【0070】
同図に示すように、高剛性部材配置工程として、蓄電素子配置工程の前に、外装体11の側壁部と蓄電素子300とで挟まれる位置に、当該側壁部よりも剛性が高い高剛性部材を配置する(S104)。なお、高剛性部材配置工程は、
図6Aで説明した高剛性部材配置工程と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0071】
そして、蓄電素子配置工程として、外装体11の内方に蓄電素子300を配置する(S102)。なお、蓄電素子配置工程は、
図6Aで説明した蓄電素子配置工程と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10によれば、外装体11は、第一壁部と蓄電素子300との間に、第一壁部に対して取り付けられた、第一壁部よりも剛性が高い第一部材を有している。つまり、外装体は、樹脂製の第一壁部に対して取り付けられた金属製の第一部材を有している。これにより、当該第一部材によって外装体11の第一壁部の剛性を高めることができるため、外装体11の第一壁部側からの外力に対して、蓄電素子300を保護することができる。また、第一部材を外装体11の外方ではなく内方に配置することで、第一部材の脱落を防止することができる。
【0073】
また、外装体11は、第一壁部とで複数の蓄電素子300を挟み込む第三壁部と複数の蓄電素子300との間に、第三壁部に対して取り付けられた、第三壁部よりも剛性が高い第三部材を有している。これにより、さらに第三部材によって複数の蓄電素子300を挟み込む2つの壁部の剛性を高めることができるため、当該2つの壁部側からの外力に対して、蓄電素子300を保護することができる。また、第一部材と第三部材とで複数の蓄電素子300を挟み込むことで、蓄電素子300の膨れを抑制することができる。
【0074】
また、第一壁部が絶縁性を有していることで、蓄電装置10と外部機器との間の絶縁性を確保することができる。また、蓄電装置10の交換時などに第一壁部が人の手に触れる可能性があっても、当該第一壁部が絶縁性を有しているため、安全性を向上させることができる。第二壁部〜第四壁部についても同様である。
【0075】
また、外装体11に設けられた仕切部120と第一壁部との間に第一部材を挿入することで、容易に、第一部材を第一壁部に対して取り付けることができる。第三部材についても同様である。
【0076】
また、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10の製造方法によれば、外装体11の内方に蓄電素子300を配置する前または後において、外装体11の第一壁部と蓄電素子300とで挟まれる位置に、第一壁部よりも剛性が高い第一部材を配置する。これにより、当該第一部材によって外装体11の第一壁部の剛性を高めることができるため、外装体11の第一壁部側からの外力に対して、蓄電素子300を保護することができる。第三部材についても同様である。
【0077】
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。上記実施の形態では、外装体本体100は、側壁部113及び側壁部115の間に亘って配置された仕切部120を有していることとした。しかし、本変形例では、外装体本体は、リブ状の仕切部を有している。
【0078】
図7は、本発明の実施の形態の変形例1に係る外装体本体100aの構成を示す平面図である。具体的には、同図は、
図5Aにおける外装体本体100に対応する図である。
【0079】
図7に示すように、外装体本体100aは、上記実施の形態の外装体本体100における仕切部120に代えて、仕切部121を有している。仕切部121は、側壁部113及び115から突出した矩形状かつ平板形状のリブである。つまり、仕切部121は、上記実施の形態における仕切部120の中央部分が欠けているような構成である。
【0080】
そして、仕切部121によって形成された高剛性部材収容部131及び132に、高剛性部材101及び102が収容される。このように、仕切部121は、高剛性部材収容部131及び132を形成し、高剛性部材101及び102を収容できる形状であれば、上記実施の形態の形状には限定されない。
【0081】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、仕切部121を小さく形成できているため、外装体本体100aの使用材料の量を低減することができる。
【0082】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。上記実施の形態では、高剛性部材101及び102は、仕切部120によって形成された高剛性部材収容部131及び132に収容されることとした。しかし、本変形例では、高剛性部材101及び102は、外装体本体の側壁部に接着によって固定される。
【0083】
図8は、本発明の実施の形態の変形例2に係る外装体本体100bの構成を示す平面図である。具体的には、同図は、
図5Aにおける外装体本体100に対応する図である。
【0084】
図8に示すように、外装体本体100bは、上記実施の形態の外装体本体100における仕切部120を有していない。そして、高剛性部材101(第一部材)及び高剛性部材102(第三部材)は、側壁部112(第一壁部)及び側壁部114(第三壁部)に接着されて固定されている。例えば、高剛性部材101及び102は、接着剤、両面テープ、マジックテープ(登録商標)またはベルクロテープ(登録商標)等によって、側壁部112及び114に接着されている。
【0085】
なお、高剛性部材101及び102と蓄電素子300との絶縁を図るため、高剛性部材101及び102または蓄電素子300が絶縁性の部材(絶縁塗料や絶縁フィルム等)で被覆されていることにしてもよい。または、高剛性部材101及び102と蓄電素子300との間に、絶縁部材を配置することにしてもよい。また、隣り合う2つの蓄電素子300の間にも、絶縁部材(仕切板)を配置することにしてもよい。
【0086】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、第一部材を第一壁部に接着することで、容易に、第一部材を第一壁部に対して取り付けることができる。第三部材についても同様である。
【0087】
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。上記実施の形態では、高剛性部材101及び102は、仕切部120によって形成された高剛性部材収容部131及び132に収容されることとした。しかし、本変形例では、高剛性部材101及び102は、外装体本体の側壁部にインサート成形されている。
【0088】
図9は、本発明の実施の形態の変形例3に係る外装体本体100cの構成を示す平面図である。具体的には、同図は、
図5Aにおける外装体本体100に対応する図である。
【0089】
図9に示すように、外装体本体100cは、上記実施の形態の外装体本体100における仕切部120を有していない。そして、高剛性部材101(第一部材)及び高剛性部材102(第三部材)は、側壁部112a(第一壁部)及び側壁部114a(第三壁部)にインサート成形されている。
【0090】
なお、隣り合う2つの蓄電素子300の間での絶縁を図るため、蓄電素子300が絶縁性の部材(絶縁塗料や絶縁フィルム等)で被覆されていることにしてもよい。または、隣り合う2つの蓄電素子300の間に、絶縁部材(仕切板)を配置することにしてもよい。
【0091】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、第一部材を第一壁部にインサート成形しておくことで、第一部材を第一壁部に対して取り付ける工程を省略でき、蓄電装置10を容易に組み立てることができる。また、第一壁部が絶縁性の部材であるため、容易に、第一部材と蓄電素子300との絶縁性を確保することができている。第三部材についても同様である。
【0092】
(変形例4)
次に、上記実施の形態の変形例4について、説明する。上記実施の形態では、外装体11は、2枚の高剛性部材101及び102を有していることとした。しかし、本変形例では、外装体11は、4枚の高剛性部材を有している。
【0093】
図10は、本発明の実施の形態の変形例4に係る外装体本体100dの構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、
図4に対応する図である。また、
図11は、本発明の実施の形態の変形例4に係る外装体本体100dの高剛性ユニット103の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、
図10に示した外装体本体100dの高剛性ユニット103を分解して示す分解斜視図である。また、
図12は、本発明の実施の形態の変形例4に係る外装体本体100dの筐体110a及び仕切部122の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、
図10に示した外装体本体100dの筐体110a及び仕切部122の構成を示す斜視図である。
【0094】
また、
図13Aは、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子300が外装体本体100dの内方に収容された状態での構成を示す平面図である。具体的には、同図は、
図5Aに対応する図である。また、
図13Bは、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子300が外装体本体100dの内方に収容された状態での構成を示す断面図である。具体的には、同図は、
図13Aに示された構成をXIIIB−XIIIB断面で切断した場合の断面図である。
【0095】
これらの図に示すように、外装体本体100dは、筐体110aと、仕切部122と、高剛性ユニット103とを有している。そして、高剛性ユニット103は、高剛性部材104〜107と、締結部材108とを有している。また、筐体110aは、底壁部111及び側壁部112〜115に加えて、締結部材108が締結される柱部116を有している。
【0096】
高剛性部材104〜107は、側壁部112〜115にそれぞれ取り付けられた、金属等の矩形状かつ平板状の導電性の部材である。つまり、側壁部112〜115のそれぞれに対応して、個別に(別体で)、高剛性部材104〜107が配置されている。なお、高剛性部材104〜107の材質は、例えばアルミニウムやステンレスなどであるが、高剛性部材104〜107が取り付けられる外装体本体100dの壁部よりも剛性が高い材質であればよく、特に限定されない。
【0097】
具体的には、高剛性部材104は、側壁部112(第一壁部)と複数の蓄電素子300との間に配置され、かつ、側壁部112(第一壁部)に対して取り付けられた、側壁部112(第一壁部)よりも剛性が高い第一部材である。高剛性部材104は、上記実施の形態における高剛性部材101と同様の位置に配置されている。また、高剛性部材105は、側壁部113(第二壁部)と複数の蓄電素子300との間に配置され、かつ、側壁部113(第二壁部)に対して取り付けられた、側壁部113(第二壁部)よりも剛性が高い第二部材である。また、高剛性部材106は、側壁部114(第三壁部)と複数の蓄電素子300との間に配置され、かつ、側壁部114(第三壁部)に対して取り付けられた、側壁部114(第三壁部)よりも剛性が高い第三部材である。高剛性部材106は、上記実施の形態における高剛性部材102と同様の位置に配置されている。また、高剛性部材107は、側壁部115(第四壁部)と複数の蓄電素子300との間に配置され、かつ、側壁部115(第四壁部)に対して取り付けられた、側壁部115(第四壁部)よりも剛性が高い第四部材である。
【0098】
また、高剛性部材104〜107(第一部材〜第四部材)は、隣り合う部材同士が互いに固定されている。つまり、高剛性部材104〜107は、隣り合う部材同士の貫通孔に締結部材108が挿入されて筐体110aの柱部116に締結されることで、当該隣り合う部材同士が互いに固定されている。例えば、締結部材108はネジ(ボルト)であり、かつ、Z軸方向に延びる柱状の柱部116の上端部にネジ孔が形成されており、締結部材108が柱部116に対してネジ止めされることで締結される。
【0099】
具体的には、柱部116は、側壁部112〜115と高剛性部材104〜107との固定部であり、2つの柱部116が側壁部112〜115の両端に位置するように設けられている。高剛性部材104〜107は、2つの柱部116の間に配置され、かつ、当該2つの柱部116に固定される。例えば、側壁部112(第一壁部)においては、両端に2つの柱部116が位置しており、高剛性部材104(第一部材)は、この2つの柱部116の間に配置され、かつ、当該2つの柱部116に固定されている。側壁部113〜115及び高剛性部材105〜107についても同様である。
【0100】
このようにして、高剛性部材104(第一部材)と高剛性部材105(第二部材)とが互いに固定され、高剛性部材105(第二部材)と高剛性部材106(第三部材)とが互いに固定される。また、高剛性部材104(第一部材)と高剛性部材107(第四部材)とが互いに固定され、高剛性部材106(第三部材)と高剛性部材107(第四部材)とが互いに固定される。
【0101】
また、高剛性部材104〜107のそれぞれには、軽量化や放熱性の向上等のために、蓄電素子300から側壁部112〜115のそれぞれに向かう方向に突出する板状の突出部(リブ)が、格子状に形成されている。つまり、当該突出部は、高剛性部材104〜107のそれぞれにおいて、長手方向及び短手方向に平行に延びる複数の板状(帯状)の突出部位である。また、複数の平行に延びる突出部における隣り合う突出部間の間隔は、特に限定されないが、例えば、略等間隔または、短手方向の方が長手方向よりも間隔が狭くなるように形成されている。なお、例えば、高剛性部材104及び106においては、中心部と角部の強度を高めるために、当該中心部及び角部の方が間隔が狭くなるように形成されていることにしてもよい。
【0102】
仕切部122は、高剛性部材105及び107が側壁部113及び115に沿って配置できるように、側壁部113及び115に沿った部分が切り欠かれたような凹部122aを有している。つまり、仕切部122は、Y軸方向両側の端部に凹部122aを有しており、この凹部122aによって、高剛性部材105及び107が収容される高剛性部材収容部133及び134が形成されている。また、上記実施の形態と同様に、仕切部122によって、高剛性部材104及び106が収容される高剛性部材収容部131及び132も形成されている。これにより、高剛性部材104〜107は、高剛性部材収容部131、133、132及び134のそれぞれに挿入されて配置される。
【0103】
なお、仕切部122は、筐体110aと一体成形されていてもよいし、筐体110aと別体で形成されていてもよい。また、外装体本体100dは、締結部材108及び柱部116を有しておらず、高剛性部材104〜107は、側壁部112〜115に対して固定されずに、高剛性部材収容部131、133、132及び134のそれぞれに挿入される構成でもかまわない。
【0104】
また、筐体110aの底壁部111及び側壁部112〜115や、その他の外装体本体100dが有する構成については、上記実施の形態における外装体本体100が有する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、外装体本体100d以外の構成についても、上記実施の形態における蓄電装置10が有する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0105】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電装置10によれば、外装体11は、第一壁部に隣り合う第二壁部と蓄電素子300との間にも、第二壁部に対して取り付けられた、第二壁部よりも剛性が高い第二部材を有している。これにより、さらに第二部材によって外装体11の隣り合う2つの壁部の剛性を高めることができるため、当該隣り合う2つの壁部側からの外力に対して、蓄電素子300を保護することができる。
【0106】
また、第一部材と第二部材とを固定することで、外装体11の内部での第一部材及び第二部材の移動を互いに規制することができる。
【0107】
また、外装体11は、第一壁部の端部に、第一壁部と第一部材との固定部としての柱部116を有しているため、第一部材を第一壁部に強固に固定することができる。また、当該固定部を第一壁部の端部に配置することで、省スペース化を図ることができる。
【0108】
また、第一壁部の両端に設けられた2つの柱部116で第一部材を挟んで固定することで、第一部材を第一壁部にさらに強固に固定することができる。
【0109】
(変形例5)
次に、上記実施の形態の変形例5について、説明する。上記実施の形態や変形例4では、仕切部が蓄電素子300の上部まで延設されていることとした。しかし、本変形例では、仕切部は、蓄電素子300の下部までしか延設されていない。
【0110】
図14は、本発明の実施の形態の変形例5に係る仕切部123の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、外装体本体から高剛性部材を取り外した状態での筐体110及び仕切部123の構成を示している。
【0111】
同図に示すように、仕切部123は、蓄電素子収容部130及び高剛性部材収容部131等を形成できる程度の高さまで延設された、X軸方向及びY軸方向に延びる板状(帯状)の突出部である。つまり、仕切部123によって仕切られた蓄電素子収容部130に蓄電素子300が収容され、高剛性部材収容部131に高剛性部材101(または高剛性部材104)が収容される。高剛性部材102(または高剛性部材106)についても同様である。また、変形例4のように、高剛性部材105、107を配置する場合には、高剛性部材105、107は、仕切部123上に載置されて筐体110内の高剛性部材収容部133等に収容される。
【0112】
なお、仕切部123は、筐体110と一体成形されていてもよいし、筐体110と別体で形成されていてもよい。また、高剛性部材と蓄電素子300や隣り合う蓄電素子300間での絶縁を図るため、高剛性部材や蓄電素子300が絶縁性の部材(絶縁塗料や絶縁フィルム等)で被覆されていることにしてもよい。または、高剛性部材と蓄電素子300や隣り合う蓄電素子300間に、絶縁部材(仕切板)を配置することにしてもよい。筐体110や、その他の構成については、上記実施の形態または変形例4における蓄電装置10が有する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0113】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例5に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態や変形例4と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、仕切部123を低く形成できているため、外装体本体の使用材料の量を低減することができる。
【0114】
(変形例6)
次に、上記実施の形態の変形例6について、説明する。上記実施の形態や変形例4では、外装体11の短側面側の壁部に高剛性部材が取り付けられていることとした。しかし、本変形例では、外装体11の短側面側の壁部には高剛性部材は取り付けられていない。
【0115】
図15は、本発明の実施の形態の変形例6に係る外装体本体100eの構成を示す平面図である。具体的には、同図は、
図13Aにおける外装体本体100dに対応する図である。
【0116】
図15に示すように、外装体本体100eは、上記変形例4の外装体本体100dにおける高剛性部材104及び106に代えて、空間形成壁部117を有している。空間形成壁部117は、側壁部112及び蓄電素子300の間に配置され、かつ、側壁部112との間で複数の空間を形成する部位である。なお、側壁部114側についても同様に、空間形成壁部117が配置されているが、側壁部112側と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。以下についても同様である。
【0117】
具体的には、空間形成壁部117は、平板状部位117aと帯状部位117bとを有しており、平板状部位117aと帯状部位117bとによって複数の空間117cが形成されている。平板状部位117aは、2つの側壁部113及び115の間に亘って配置されて、底壁部111と2つの側壁部113及び115とに接続された、YZ平面に平行な矩形状かつ平板形状の部位である。帯状部位117bは、平板状部位117aと側壁部112とに接続され、平板状部位117aと側壁部112との間に形成された空間を仕切る、Z軸方向に延設された帯状の部位である。このような構成によって、平板状部位117aと帯状部位117bとで仕切られた複数の空間117cが形成されている。
【0118】
なお、平板状部位117a及び帯状部位117bの形状や帯状部位117bの個数などは特に限定されないが、本実施の形態では、平板状部位117aは、仕切部122よりも厚みが厚くなるように形成されている。また、帯状部位117bは、仕切部122よりも厚みが薄くなるように形成されている。また、空間形成壁部117は、側壁部112と一体成形されていてもよいし、側壁部113と別体で形成されていてもよい。なお、上記以外の構成については、上記実施の形態または変形例4における蓄電装置10が有する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0119】
また、本変形例では、外装体11の長側面側に配置される壁部である側壁部113を第一壁部とし、外装体11の短側面側に配置される壁部である側壁部112を第二壁部とする。つまり、本変形例においても、高剛性部材105は、側壁部113(第一壁部)と複数の蓄電素子300との間に配置され、かつ、側壁部113(第一壁部)に対して取り付けられた構成を有する。
【0120】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態や変形例4と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、外装体11の長側面側の第一壁部の剛性を高めるとともに、短側面側の第二壁部との間に複数の空間117cを形成することによって、第一壁部側及び第二壁部側からの外力に対して、蓄電素子300を保護することができる。さらに、帯状部位117bは厚みが薄く形成されているため、外部からの衝撃に対して帯状部位117bを潰れやすくして、当該衝撃を吸収しやすくすることができる。
【0121】
また、外装体11の第二壁部側の空間117cによって、蓄電素子300の膨張及び収縮を吸収することができる。特に、平板状部位117aは厚みが厚く形成され、また、帯状部位117bを配置しているため、蓄電素子300の膨張及び収縮を吸収しやすくすることができる。
【0122】
また、蓄電素子300を配列する個数によって、第二壁部と蓄電素子300の長側面との間には、デッドスペースが生じる場合が多いため、蓄電素子300の長側面側(第二壁部側)に空間117cを形成して当該デッドスペースを有効活用することができる。
【0123】
また、空間形成壁部117を側壁部112と一体成形すれば、部品点数を削減することができ、また、製造時の組み立てが容易となる。
【0124】
(変形例7)
次に、上記実施の形態の変形例7について、説明する。上記変形例6では、外装体11の長側面側の壁部に高剛性部材105、107が取り付けられていることとした。しかし、本変形例では、外装体11の長側面側の壁部に複数の突出部を有する。
【0125】
図16は、本発明の実施の形態の変形例7に係る外装体本体100fの構成を示す平面図である。具体的には、同図は、
図15における外装体本体100eに対応する図である。
【0126】
図16に示すように、外装体本体100fは、上記変形例6の外装体本体100eにおける高剛性部材105、107に代えて、複数の突出部118を有している。つまり、本変形例においても、上記変形例6と同様に、側壁部112、114及び蓄電素子300の間に配置され、かつ、側壁部112、114との間で複数の空間117cを形成する空間形成壁部117を有している。
【0127】
ここで、突出部118は、側壁部113及び蓄電素子300の間に配置され、かつ、側壁部113から蓄電素子300に向けて突出するリブである。具体的には、突出部118は、側壁部113の内面に沿ってZ軸方向に延設された板状(帯状)の部位である。突出部118は、側壁部113と一体成形されていてもよいし、側壁部113と別体で形成されていてもよい。側壁部115側についても、同様である。
【0128】
なお、本変形例における仕切部120は、上記実施の形態における仕切部120と同様の構成を有している。また、上記以外の構成については、上記実施の形態または変形例4や6における蓄電装置10が有する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0129】
また、本変形例では、上記実施の形態等と同様に、蓄電素子300の長側面に対向して配置される壁部である側壁部112を第一壁部とし、蓄電素子300の短側面に対向して配置される壁部である側壁部113を第二壁部とする。
【0130】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例7に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態や変形例6と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、外装体11は、第一壁部と蓄電素子300との間に複数の空間117cが形成され、かつ、第二壁部と蓄電素子300との間に複数の突出部118を有している。これにより、第一壁部側の複数の空間117cと第二壁部側の複数の突出部118とによって、第一壁部側及び第二壁部側からの外力に対して、蓄電素子300を保護することができる。
【0131】
また、外装体11の第一壁部側の空間117cによって、蓄電素子300の膨張及び収縮を吸収することができる。また、蓄電素子300を配列する個数によって、第一壁部と蓄電素子300の長側面との間には、デッドスペースが生じる場合が多いため、蓄電素子300の長側面側(第一壁部側)に空間117cを形成して当該デッドスペースを有効活用することができる。
【0132】
また、第二壁部側では、デッドスペースが生じる場合が少ないため、第二壁部側に突出部118を形成するのみとし、第二壁部と蓄電素子300の短側面との間の距離を小さくして、蓄電装置10の小型化を図ることができる。
【0133】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置10について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0134】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、外装体の筐体、仕切部及び蓋体(すなわち高剛性部材以外の部分)は、樹脂等の絶縁性の部材により構成されており、高剛性部材は、金属等の導電性の部材であることとした。しかし、これらの材質は、特に限定されない。つまり、例えば、高剛性部材は、取り付けられる壁部よりも剛性が高い材質であれば、樹脂等の絶縁性の部材であってもよい。また、外装体の高剛性部材以外の部分が金属等の導電性の部材で構成されており、高剛性部材が、取り付けられる壁部よりも剛性が高い金属等の導電性の部材または樹脂等の絶縁性の部材であってもよい。
【0135】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一部材は、外装体の第一壁部に直接取り付けられていることとした。しかし、第一部材は、隣接する第二壁部などの外装体の他の部分にネジ止めなどで固定されることで、第一壁部に間接的に取り付けられていることにしてもよい。第二部材〜第四部材についても、同様である。
【0136】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置10は、複数の蓄電素子300を備えていることとしたが、蓄電装置10は、1つの蓄電素子300しか備えていないことにしてもよい。
【0137】
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、変形例4の構成を変形例2、3等に適用して、高剛性部材104〜107を外装体の壁面に接着したり、インサート成形したりしてもかまわない。