特許第6743383号(P6743383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6743383
(24)【登録日】2020年8月3日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/58 20180101AFI20200806BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20200806BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20200806BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   F24F11/58
   F24F11/56
   H04Q9/00 301D
   H04M11/00 301
【請求項の数】6
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-247688(P2015-247688)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-110889(P2017-110889A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】井上 良二
(72)【発明者】
【氏名】井上 幸生
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮介
(72)【発明者】
【氏名】小林 彌主明
(72)【発明者】
【氏名】八木 明日香
(72)【発明者】
【氏名】樋口 達也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 陽太
【審査官】 ▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−016091(JP,A)
【文献】 特開2002−112356(JP,A)
【文献】 特開2004−320139(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104697105(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00−11/89
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間(SP)に設置され、利用者が有する携帯通信端末(90)から送信されるコマンドに基づき運転状態を切り換えられ前記対象空間の空気調和を行う空気調和機(20)であって、
自己を識別する識別情報を含む特定情報を記憶する特定情報記憶部(61)と、
前記特定情報を前記携帯通信端末に通知する特定情報通知部(68)と、
前記特定情報を通知された前記携帯通信端末、から送信された前記コマンドを受信するコマンド受信部(37)と、
受信した前記コマンドに基づきアクチュエータの動作を切り換える切換制御を実行するアクチュエータ駆動部(21)と、
を備え、
前記コマンド受信部は、所定の無線通信規格を用いて構築される無線通信ネットワーク(NW1)を介して、前記携帯通信端末から前記コマンドを受信し、
前記特定情報通知部は、前記無線通信ネットワーク(NW1)とは異なる近距離無線ネットワーク(NW2)としての近距離無線通信であるNFC(Near Field Communication)によって前記携帯通信端末に前記特定情報を通知し、
前記NFCによって前記携帯通信端末に通知された前記特定情報は、通知先の前記携帯通信端末によって前記運転状態を切り換えることが可能な操作可能期間を指定する操作可能期間情報を含み、
前記アクチュエータ駆動部は、通知された前記操作可能期間情報において指定される前記操作可能期間を過ぎた前記携帯通信端末から前記無線通信ネットワーク(NW1)によって送信された前記コマンドによっては前記切換制御を実行しない、
空気調和機(20)。
【請求項2】
前記操作可能期間情報は、通知先の前記携帯通信端末によって前記運転状態を切り換えることが可能となる開始タイミングと、通知先の前記携帯通信端末によって前記運転状態を切り換えることが不可能となる終了タイミングと、を特定する情報を含む、
請求項1に記載の空気調和機(20)。
【請求項3】
前記特定情報通知部は、通知された前記操作可能期間情報において指定される前記操作可能期間を過ぎた前記携帯通信端末のうち、前記対象空間内に存在するものに対して、新たな前記操作可能期間情報を含む前記特定情報を通知する、
請求項1又は2に記載の空気調和機(20)。
【請求項4】
前記携帯通信端末から送信される要求信号に基づき前記携帯通信端末との通信コネクションを確立するか否かの判断を行う判断部(69)をさらに備え、
前記判断部は、前記要求信号に含まれるパスワード情報の適否に基づき前記判断を行い、
前記特定情報には、前記パスワード情報が含まれる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機(20)。
【請求項5】
前記通信コネクションには、管理者の前記携帯通信端末との管理者接続と、前記管理者以外の前記利用者の前記携帯通信端末との利用者接続と、が含まれ、
前記管理者接続に必要な前記パスワード情報である管理者パスワード情報を記憶する管理者パスワード記憶部(61)と、
前記利用者接続に必要な前記パスワード情報である利用者パスワード情報を記憶する利用者パスワード記憶部(61)と、
をさらに備え、
前記判断部は、前記要求信号に含まれる前記管理者パスワード情報の適否に基づき前記管理者接続を確立するか否かの判断を行い、前記要求信号に含まれる前記利用者パスワード情報の適否に基づき前記利用者接続を確立するか否かの判断を行う、
請求項4に記載の空気調和機(20)。
【請求項6】
前記運転状態のうち前記携帯通信端末によって切換可能な設定項目である許可項目、を特定する設定項目情報を記憶する設定項目情報記憶部(61)をさらに備え、
前記アクチュエータ駆動部は、前記携帯通信端末から送信された前記コマンドのうち、前記設定項目情報において特定される前記許可項目以外の設定項目の切換えを指示する前記コマンドによっては、前記切換制御を実行しない、
請求項1から5のいずれか1項に記載の空気調和機(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が所持する携帯通信端末と通信可能に構成され携帯通信端末を介して運転状態を切換可能に構成された空気調和機が提案されている。例えば、特許文献1(特開2013−76493号公報)には、スマートフォンを介して入力されたコマンドに応じて運転状態が切り換わる(すなわち、スマートフォンが、コマンドを入力するコマンド入力装置として機能する)空気調和機が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような空気調和機は、一般家庭のような利用者と管理者が一致する空間に設置される以外にも、ホテルの客室やレンタルルーム等、利用者が一時的に滞在する空間(すなわち、利用者と管理者とが一致しない空間)に設置されるケースが考えられる。係るケースにおいては、空気調和機の設置空間に一時的に滞在する利用者(すなわち利用権限を有する者)に対しては運転状態の切換えを許容する一方で、滞在を終えた退去者(すなわち利用権限を喪失した者)に対して運転状態の切換えを制限することがセキュリティ上望まれる。
【0004】
しかし、特許文献1に開示されるような従来の空気調和機が、利用者と管理者とが一致しない空間に設置された場合、退去者の携帯通信端末によっても運転状態の切換えが可能となるため、セキュリティ上好ましくない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、セキュリティ性に優れた空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空気調和機は、対象空間に設置され、利用者が有する携帯通信端末から送信されるコマンドに基づき運転状態を切り換えられ対象空間の空気調和を行う空気調和機であって、特定情報記憶部と、特定情報通知部と、コマンド受信部と、アクチュエータ駆動部と、を備える。特定情報記憶部は、特定情報を記憶する。特定情報には、自己を識別する識別情報が含まれる。特定情報通知部は、特定情報を携帯通信端末に通知する。コマンド受信部は、特定情報を通知された携帯通信端末、から送信されたコマンドを受信する。アクチュエータ駆動部は、切換制御を実行する。切換制御は、受信したコマンドに基づき、アクチュエータの動作を切り換える制御である。特定情報は、操作可能期間情報を含む。操作可能期間情報は、通知先の携帯通信端末によって運転状態を切り換えることが可能な操作可能期間を指定する情報である。アクチュエータ駆動部は、通知された操作可能期間情報において指定される操作可能期間を過ぎた携帯通信端末から送信されたコマンドによっては、切換制御を実行しない。
【0007】
本発明の第1観点に係る空気調和機では、特定情報通知部が、識別情報及び操作可能期間情報を含む特定情報を携帯通信端末に通知し、アクチュエータ駆動部が、特定情報を通知された携帯通信端末から送信されたコマンドに基づき切換制御を実行する一方で、通知された操作可能期間情報において指定される操作可能期間を過ぎた携帯通信端末から送信されたコマンドによっては切換制御を実行しない。これにより、空気調和機がホテル等の宿泊施設やレンタルルーム等、利用者が一時的に滞在する施設(すなわち、利用者と管理者とが一致しない空間)に設置される場合において、コマンド入力装置として機能させる携帯通信端末を制限することが可能となり、操作者を施設の管理者及び利用者(すなわち、利用権限のある者)に制限することが可能となる。特に、既に施設の利用を終えた退去者(すなわち、利用権限のない者)の携帯通信端末による運転状態の切換えを制限することが可能となる。その結果、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、空気調和機の運転状態を利用権限のない部外者によって切り換えられることが抑制される。よって、セキュリティ性が向上する。
【0008】
なお、ここでの「空気調和機」には、エアコンの室内ユニット、空気清浄機、換気装置、除湿機等、対象空間に設置され空気調和を行う各種装置が含まれる。
【0009】
本発明の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機であって、操作可能期間情報は、開始タイミングと、終了タイミングと、を特定する情報を含む。開始タイミングは、操作可能期間情報の通知先の携帯通信端末によって運転状態を切り換えることが可能となるタイミングである。終了タイミングは、操作可能期間情報の通知先の携帯通信端末によって運転状態を切り換えることが不可能となるタイミングである。
【0010】
これにより、利用者が操作を開始するタイミングに応じて操作可能期間を設定することが可能となる。よって、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において空気調和機を管理するうえで、利便性に優れる。
【0011】
本発明の第3観点に係る空気調和機は、第1観点又は第2観点に係る空気調和機であって、特定情報通知部は、通知された操作可能期間情報において指定される操作可能期間を過ぎた携帯通信端末のうち、対象空間内に存在するものに対して、新たな操作可能期間情報を含む特定情報を通知する。
【0012】
これにより、操作可能期間終了後においても利用を継続する利用者に対して、操作可能期間を新たに設定することが可能となる。よって、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においてセキュリティ性が確保されつつ、さらに利便性に優れる。
【0013】
本発明の第4観点に係る空気調和機は、第1観点から第3観点のいずれかに係る空気調和機であって、判断部をさらに備える。判断部は、携帯通信端末から送信される要求信号に基づき、携帯通信端末との通信コネクションを確立するか否かの判断を行う。判断部は、要求信号に含まれるパスワード情報の適否に基づき、判断を行う。特定情報には、パスワード情報が含まれる。
【0014】
これにより、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、コマンド入力装置として機能させる携帯通信端末をさらに制限することが可能となり、操作者を管理者及び特定の利用者に制限することが可能となる。その結果、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、空気調和機を利用権限のない部外者に運転されることがさらに抑制される。よって、セキュリティ性をさらに向上させることが可能となる。
【0015】
なお、ここでの「パスワード情報の適否」には、パスワード情報の正誤並びにパスワード情報の有無が含まれる。
【0016】
本発明の第5観点に係る空気調和機は、対象空間に設置され、利用者が有する携帯通信端末から送信されるコマンドに基づき運転状態を切り換えられ対象空間の空気調和を行う空気調和機であって、特定情報記憶部と、特定情報通知部と、コマンド受信部と、アクチュエータ駆動部と、判断部と、を備える。特定情報記憶部は、特定情報を記憶する。特定情報には、自己を識別する識別情報が含まれる。特定情報通知部は、特定情報を携帯通信端末に通知する。コマンド受信部は、特定情報を通知された携帯通信端末、から送信されたコマンドを受信する。アクチュエータ駆動部は、切換制御を実行する。切換制御は、受信したコマンドに基づきアクチュエータの動作を切り換える制御である。判断部は、携帯通信端末から送信される要求信号に基づき、携帯通信端末との通信コネクションを確立するか否かの判断を行う。判断部は、パスワード情報の適否に基づき判断を行う。パスワード情報は、要求信号に含まれる。特定情報には、パスワード情報が含まれる。
【0017】
本発明の第5観点に係る空気調和機では、特定情報通知部が、パスワード情報を含む特定情報を携帯通信端末に通知し、判断部が、携帯通信端末から送信される要求信号に含まれるパスワード情報の有無に基づき携帯通信端末との通信コネクションを確立するか否かの判断を行う。これにより、空気調和機がホテル等の宿泊施設やレンタルルーム等、利用者が一時的に滞在する施設(すなわち、利用者と管理者とが一致しない空間)に設置される場合において、コマンド入力装置として機能させる携帯通信端末を制限することが可能となり、操作者を施設の管理者及び利用者(すなわち、利用権限のある者)に制限することが可能となる。特に、既に施設の利用を終えた退去者(すなわち、利用権限のない者)の携帯通信端末による運転状態の切換えを制限することが可能となる。その結果、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、空気調和機の運転状態を利用権限のない部外者によって切り換えられることが抑制される。よって、セキュリティ性が向上する。
【0018】
なお、ここでの「パスワード情報の適否」には、パスワード情報の正誤並びにパスワード情報の有無が含まれる。
【0019】
また、ここでの「空気調和機」には、エアコンの室内ユニット、空気清浄機、換気装置、除湿機等、対象空間に設置され空気調和を行う各種装置が含まれる。
【0020】
本発明の第6観点に係る空気調和機は、第4観点又は第5観点に係る空気調和機であって、通信コネクションには、管理者接続と、利用者接続と、が含まれる。管理者接続は、管理者の携帯通信端末との通信コネクションである。利用者接続は、管理者以外の利用者の携帯通信端末との通信コネクションである。本発明の第6観点に係る空気調和機は、管理者パスワード記憶部と、利用者パスワード記憶部と、をさらに備える。管理者パスワード記憶部は、管理者パスワード情報を記憶する。管理者パスワード情報は、管理者接続に必要なパスワード情報である。利用者パスワード記憶部は、利用者パスワード情報を記憶する。利用者パスワード情報は、利用者接続に必要なパスワード情報である。判断部は、要求信号に含まれる管理者パスワード情報の適否に基づき、管理者接続を確立するか否かの判断を行う。判断部は、要求信号に含まれる利用者パスワード情報の適否に基づき、利用者接続を確立するか否かの判断を行う。
【0021】
これにより、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、空気調和機と携帯通信端末との間で確立される通信コネクション毎に、運転状態のうち切換可能な設定項目を設定することが可能となる。その結果、一般的な操作に関しては各利用者に許容する一方で、特定の操作に関しては管理者のみが行えるように管理することが可能となる。よって、セキュリティ性をさらに向上させることが可能となる。
【0022】
本発明の第7観点に係る空気調和機は、第1観点から第6観点のいずれかに係る空気調和機であって、設定項目情報記憶部をさらに備える。設定項目情報記憶部は、設定項目情報を記憶する。設定項目情報は、許可項目を特定する情報である。許可項目は、運転状態のうち、携帯通信端末によって切換可能な設定項目である。アクチュエータ駆動部は、携帯通信端末から送信されたコマンドのうち、設定項目情報において特定される許可項目以外の設定項目の切換えを指示するコマンドによっては、切換制御を実行しない。
【0023】
これにより、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、管理者以外の利用者の携帯通信端末によって、切換可能な設定項目(許可項目)が指定される。その結果、一般的な操作に関しては各利用者に許容する一方で、特定の操作に関しては管理者のみが行えるように管理することが容易に可能となる。よって、セキュリティ性をさらに向上させることが可能となるとともに、空気調和機を管理するうえで利便性に優れる。
【0024】
本発明の第8観点に係る空気調和機は、第1観点から第7観点のいずれかに係る空気調和機であって、コマンド受信部は、無線通信ネットワークを介して、携帯通信端末と通信を行う。無線通信ネットワークは、所定の無線通信規格を用いて構築される。特定情報通知部は、無線通信ネットワークとは異なる他の通信ネットワーク又は他の通知手段によって、携帯通信端末に特定情報を通知する。
【0025】
これにより、携帯通信端末からコマンドを受信する場合(すなわち、携帯通信端末が入力装置として機能する場合)に利用される無線通信ネットワークとは別の通信ネットワーク又は通知手段を用いて、特定情報が携帯通信端末に対して通知される。すなわち、専用の通信ネットワーク又は通知手段を用いて特定情報を通知することが可能となる。よって、セキュリティ性をさらに向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1観点及び第5観点に係る空気調和機では、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、空気調和機の運転状態を利用権限のない部外者によって切り換えられることが抑制される。よって、セキュリティ性が向上する。
【0027】
本発明の第2観点に係る空気調和機では、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において空気調和機を管理するうえで、利便性に優れる。
【0028】
本発明の第3観点に係る空気調和機では、空気調和機が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、セキュリティ性が確保されつつ、さらに利便性に優れる。
【0029】
本発明の第4観点及び第6観点に係る空気調和機では、セキュリティ性をさらに向上させることが可能となる。
【0030】
第7観点に係る空気調和機では、セキュリティ性をさらに向上させることが可能となるとともに、空気調和機を管理するうえで利便性に優れる。
【0031】
第8観点に係る空気調和機では、セキュリティ性をさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】室内ユニットを含む空調システムの概略構成図。
図2】端末の外観図。
図3】施設における室内ユニットの設置態様を概略的に示した模式図。
図4】利用空間における室内ユニットの設置態様を概略的に示した模式図。
図5】設置時におけるリモコンの正面図。
図6】空調システムにおいて構築される通信ネットワークを概略的に示した模式図。
図7】リモコン制御部の構成と、リモコン制御部に接続されるユニットと、を概略的に示したブロック図。
図8】設定項目テーブルの模式図。
図9】リモコンにおいてエラー表示データが表示される際の一例を示した模式図。
図10】リモコン制御部の処理の流れの一例を示したフローチャート。
図11】空調システムにおいて、室内ユニット制御部、リモコン、管理サーバ、及び端末間で行われる処理の一例を模式的に示したシーケンス図。
図12】空調システムにおいて、室内ユニット制御部、リモコン、管理サーバ、及び端末間で行われる処理の一例を模式的に示したシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態に係る室内ユニット20(空気調和機)について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、以下の実施形態において、上、下、左、右、正面(前)又は背面(後)といった方向は、図4図5及び図9に示す方向を意味する。
【0034】
本実施形態において、室内ユニット20は、空調システム100に含まれている。
【0035】
(1)空調システム100
図1は、室内ユニット20を含む空調システム100の概略構成図である。空調システム100は、家屋等の屋内に含まれる対象空間において冷房や暖房等の空気調和を実現するシステムである。特に、空調システム100は、ホテルの客室やレンタルルーム等、利用者が一時的に滞在する空間、すなわち管理者と利用者とが一致しない空間(以下、係る空間を「利用空間SP」と称する)を含む施設に設置されることを想定している。本実施形態において、空調システム100は、複数(ここでは6つ)の利用空間SP(SP1、SP2、SP3、SP4、SP5及びSP6)を含む施設1に適用されている(図3参照)。
【0036】
空調システム100は、冷媒回路を含み、冷媒回路において冷媒を循環させて蒸気圧縮方式の冷凍サイクルを行うことにより、利用空間SPの冷房又は暖房を行う。空調システム100は、冷房モード及び暖房モードを含む複数の運転モードを有しており、運転モードに応じた運転を行う。具体的に、空調システム100は、冷房モード時には冷房運転を行い、暖房モード時には暖房運転を行う。
【0037】
空調システム100は、主として、熱源ユニットとしての1台の室外ユニット10と、利用ユニットとしての複数台(ここでは6台)の室内ユニット20(20a、20b、20c、20d、20e及び20f)と、管理サーバ50と、を備えている。本実施形態において、室内ユニット20aは利用空間SP1に設置され、室内ユニット20bは利用空間SP2に設置され、室内ユニット20cは利用空間SP3に設置され、室内ユニット20dは利用空間SP4に設置され、室内ユニット20eは利用空間SP5に設置され、室内ユニット20fは利用空間SP6に設置されている(図3参照)。空調システム100では、室外ユニット10と、各室内ユニット20と、がガス連絡配管GP及び液連絡配管LPで接続されることで冷媒回路が構成されている。
【0038】
ここで、空調システム100は、管理者や利用者が保持する、無線通信機能を備えた携帯通信端末90(以下、単に「端末90」と称する)と通信可能に構成されており、端末90から送信されたコマンドによって運転状態を切換可能に構成されている。すなわち、空調システム100においては、端末90を、運転状態を切り換えるコマンドを入力するための「コマンド入力装置」として機能させることが可能である。
【0039】
ここでの端末90は、図2に示すような無線通信用のアンテナを備えたスマートフォンやタブレットPC等の情報処理端末を想定している(図2においては、無線通信用のアンテナが参照符号「91」で示す破線で表わされている)。なお、端末90は、ラップトップPC等の他の情報処理機器であってもよい。端末90は、管理サーバ50(後述)からダウンロードしたアプリケーションをインストールすることで、所定のプロトコルを用いて室内ユニット20(より詳細には、リモコン30)と無線通信を行い、室内ユニット20の運転状態を切換えるためのコマンドを送信することが可能となる。
【0040】
また、端末90は、近距離無線通信用のアンテナ及びリーダ/ライタを含む通信モジュールを有しており、コマンドを送信する際に用いる無線通信機能以外に、室内ユニット20(より詳細には、リモコン30)と情報の送受信を行うための近距離無線通信機能を有している(図2においては、近距離無線通信用の通信モジュールが参照符号「92」で示す破線で表わされている)。本実施形態では、後述するリモコン30(より詳細には、後述する通信モジュール38)に端末90を接近させることにより、室内ユニット20及び端末90間における近距離無線通信が行われる。
【0041】
ここで、本実施形態において「無線通信」は、いわゆるWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等、無線LAN(Local Area Network)において所定の周波数(例えば2.4GHzや5GHz)を用いて行われる無線通信を想定している。また、「近距離無線通信」は、いわゆるNFC(Near Field Communication)等の通信規格であり、無線通信とは異なる周波数(例えば13.56MHz)を用いて数センチからおよそ1メートル程度の近距離における双方向通信を可能とする通信方式を想定している。
【0042】
(1−1)室外ユニット10
室外ユニット10は、室外(利用空間SP外)に設置される。室外ユニット10は、主として、冷媒回路を構成する要素として、複数の冷媒配管、圧縮機、四路切換弁、室外熱交換器、膨張弁等の機器を有している(図示省略)。
【0043】
また、室外ユニット10は、室外ユニット10内の各種アクチュエータの動作を切り換える切換制御を実行する室外ユニット制御部11を有している。室外ユニット制御部11は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。室外ユニット制御部11は、室外ユニット10内に配置される基板に実装されている。室外ユニット制御部11は、各室内ユニット20の室内ユニット制御部21(後述)と、通信線cb1を介して電気的に接続されており、互いに信号の送受信を行う。
【0044】
(1−2)室内ユニット20(空調室内機)
図3は、施設1における室内ユニット20の設置態様を概略的に示した模式図である。図4は、利用空間SPにおける室内ユニット20の設置態様を概略的に示した模式図である。
【0045】
室内ユニット20は、利用空間SPの、天井に設置される天井埋込型、内壁に設置される壁掛型、又は床面に設置される床置型等の空調室内機である。図3に示すように、各利用空間SPにおいては、リモコン30を含む1台の室内ユニット20が設置されている。利用空間SPにおいて、各室内ユニット20は、図4に示すように、その本体部分の一部(吸気口及び排気口)が天井CIから露出するように設置されている。
【0046】
また、室内ユニット20は、室内ユニット20内の各種アクチュエータの動作を切り換える切換制御を実行する室内ユニット制御部21(アクチュエータ駆動部)を有している。室内ユニット制御部21は、室内ユニット20内に配置される基板に実装されている。室内ユニット制御部21は、室外ユニット制御部11と、通信線cb1を介して電気的に接続されており、互いに信号の送受信を行う。室内ユニット制御部21は、リモコン制御部39(後述)からコマンドを出力されると、当該コマンドを必要に応じて室外ユニット制御部11へ転送する。
【0047】
また、室内ユニット20は、入力装置としてのリモコン30を有している。リモコン30は、いわゆる有線式のリモートコントロール装置であって、通信線cb2を介して室内ユニット制御部21と電気的に接続されている。リモコン30は、室内ユニット20本体とともに利用空間SPに設置され、室内の内壁等に設置される。図4に示すように、本実施形態において、リモコン30は、利用空間SPの側壁SWに取付部材(図示省略)を介して設置されている。
【0048】
また、リモコン30は、空調システム100の発停(運転及び停止)、運転モード、設定温度、設定風量、設定風向、タイマー設定等の設定項目の変更や切換えを行うための各種コマンドを、空調システム100に入力するためのコマンド入力装置として機能する。具体的には、リモコン30に設けられた所定の入力手段(後述の発停切換キー35及びタッチスクリーン36)を用いて各種コマンドを入力することが可能である。
【0049】
また、リモコン30は、端末90と無線通信を行うための無線通信アダプタ37を含んでいる。リモコン30は、無線通信アダプタ37を用いて端末90との間に無線ネットワークNW1を形成し、無線通信を行う。具体的に、リモコン30は、所定のプロトコルを用いて端末90との通信コネクションを確立した状態で、端末90と無線通信を行う。
【0050】
また、リモコン30は、近距離線通信用のアンテナやリーダ/ライタを含む近距離無線通信モジュール38を有しており、端末90と近距離無線通信を行い情報の送受信を行うことが可能である。リモコン30は、近距離無線通信モジュール38を用いて、端末90との間に、近距離無線ネットワークNW2を形成し、近距離無線通信を行う。
【0051】
また、リモコン30は、空調システム100の運転状態や設定項目を表示する表示装置としても機能する。例えば、リモコン30は、運転状態における室内ユニット20の運転モード、設定温度、設定風量、風向、タイマー設定又は時刻等の設定項目を、文字又は図形により表示する。また、リモコン30は、エラーが生じていることを利用者に通知するエラー表示データ(後述)を表示する。
【0052】
リモコン30の詳細については、後述の「(2)リモコン30の詳細」において説明する。
【0053】
(1−3)管理サーバ50
管理サーバ50は、CPUやメモリ等を含むコンピュータである。管理サーバ50は、例えば、利用空間SPから離れた遠隔地に配置されている。管理サーバ50は、通信線cb3を介して広域ネットワークNW3に接続されている。広域ネットワークNW3は、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。管理サーバ50は、広域ネットワークNW3を介して、端末90と通信可能である。
【0054】
管理サーバ50は、RAM、ROM、及びHDD等のメモリに所定の記憶領域を含んでおり、端末90をコマンド入力装置として機能させるためのアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と称する)を記憶している。管理サーバ50は、端末90から送信された所定の信号(アプリケーション要求信号)を受信すると、アプリケーション要求信号の送信元の端末90に対してアプリケーションを送信する。
【0055】
これにより、端末90は、広域ネットワークNW3を介して管理サーバ50からアプリケーションをダウンロードすることが可能である。
【0056】
(2)リモコン30の詳細
図5は、設置時におけるリモコン30の正面図である。リモコン30は、例えば合成樹脂製のケーシング31を有している。ケーシング31は、厚みが高さ及び幅よりも短い薄型の筐体であって、正面視において略長方形状を呈している。ケーシング31は、リモコン30が側壁SWに設置された状態において、利用空間SP方向(前方向)に面する前面部32を含んでいる。ケーシング31は、ガラス又はアクリル樹脂等で構成された透明のカバー32aを有している。カバー32aは、前面部32の中央部分に配置されている。
【0057】
リモコン30は、ケーシング31の内部に、主として、発停切換キー35と、タッチスクリーン36と、無線通信アダプタ37と、近距離無線通信モジュール38と、リモコン制御部39(図6図7)と、を有している。
【0058】
(2−1)発停切換キー35
発停切換キー35は、空調システム100の運転を開始又は停止させるコマンドをユーザが入力するプッシュ式のボタンである。具体的に、空調システム100が停止状態にある場合に発停切換キー35を押下されると、空調システム100は運転を開始する。また、空調システム100が運転状態にある場合に発停切換キー35を押下されると、空調システム100は停止する。
【0059】
発停切換キー35は、ケーシング31の正面側の左上部に配置されている。発停切換キー35は、ケーシング31に形成された開口から正面側に露出するキートップと、ケーシング31内に収容された物理キー電極部を含んでいる(図示省略)。物理キー電極部はリモコン制御部39と接続されており、発停切換キー35が押下されるとリモコン制御部39へ所定の信号が出力される。
【0060】
(2−2)タッチスクリーン36
タッチスクリーン36は、リモコン30の正面側の中央部分に配置されている。タッチスクリーン36は、リモコン30において、各種コマンドを入力するための入力手段として機能する。具体的に、タッチスクリーン36は、複数のタッチ入力部36aを有している。各タッチ入力部36aは各種設定項目と関連付けられており、ユーザは各タッチ入力部36aを指やスタライスペン等でタッチすることで所望のコマンドを入力することが可能である。例えば、ユーザは、対応するタッチ入力部36aをタッチすることで、設定温度、風量、風向、時刻、及びタイマー機能のON/OFF等の設定を行うことが可能である。
【0061】
また、タッチスクリーン36は、各種の情報を表示する表示手段としても機能する。具体的に、タッチスクリーン36は、フルドットマトリクスの液晶表示部とバックライトを有する表示部36bを有している。表示部36bは、運転状態において、各タッチ入力部36aと重畳するように所定のアイコンや情報を表示する。当該表示により、利用者が各タッチ入力部36aに関連付けられた各種コマンドを識別できるようになっている。また、表示部36bは、各種エラーが生じた際に、エラーが生じたことを利用者に通知するべく生成されたエラー表示データを表示する。これにより、利用者は、生じたエラーを把握できるようになっている。
【0062】
(2−3)無線通信アダプタ37(コマンド受信部)
無線通信アダプタ37(以下、単に「アダプタ37」と称する)は、リモコン30及び端末90間における1対1の通信コネクションを確立するネットワークアダプタであり、リモコン30及び端末90間におけるアクセスポイントモードによる無線通信を可能とする。すなわち、アダプタ37は、室内ユニット20及び端末90間で無線ネットワークNW1を構築するための機能部である。
【0063】
アダプタ37には、固有の機器識別子(例えば、MACアドレス等、機器固有の情報)が記憶されている。機器識別子は、アダプタ37を一意に識別する情報となる。なお、リモコン30にはアダプタ37が1つ配置されているため、アダプタ37の機器識別子は、リモコン30(室内ユニット20)を一意に識別する識別情報として機能する。アダプタ37は、ケーシング31内において、タッチスクリーン36の上方に配置されている。
【0064】
(2−4)近距離無線通信モジュール38
近距離無線通信モジュール38(以下、単に「通信モジュール38」と称する)は、リモコン30及び携帯通信端末90間における近距離無線通信を行うためのユニットである。通信モジュール38は、端末90の通信モジュール92に接近されることで、磁界を発生させ端末90の通信モジュール92内のアンテナに誘導電流を生じさせる。これにより、近距離無線ネットワークNW2が形成され、リモコン30及び端末90間において近距離無線通信による情報の交換(データの読み書き)が可能となる。
【0065】
通信モジュール38は、ケーシング31内において、タッチスクリーン36の下方に配置されている。ケーシング31の前面部32には、利用者が端末90及びリモコン30間における近距離無線通信を行う際(すなわち、端末90を通信モジュール38に接近させる際)に通信モジュール38の位置を把握しやすいように、正面視において通信モジュール38に重畳する位置に、所定のマーク及びテキストが印字されたラベル38aが貼り付けられている。
【0066】
(2−5)リモコン制御部39
リモコン制御部39は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータを含み、ケーシング31内に配置される基板に実装されている。リモコン制御部39は、通信線cb2を介して室内ユニット制御部21と接続されており、電力の供給を受けるとともに互いに信号の送受信を行う。また、リモコン制御部39は、配線を介して発停切換キー35及びタッチスクリーン36(タッチ入力部36a及び表示部36b)と接続されており、発停切換キー35及びタッチ入力部36aにコマンドが入力された際に、当該コマンドを受け付けて室内ユニット制御部21へ出力する。また、リモコン制御部39は、状況に応じて表示データを生成し、運転状態を示すアイコンや各種情報を表示部36bにおいて表示させる。
【0067】
また、リモコン制御部39は、配線を介してアダプタ37と接続されており、アダプタ37を介して端末90と無線通信を行う。また、リモコン制御部39は、配線を介して通信モジュール38と接続されており、通信モジュール38を介して端末90と近距離無線通信を行う。
【0068】
(3)空調システム100において構築されるネットワーク
図6は、空調システム100において構築される通信ネットワークを概略的に示した模式図である。空調システム100では、室外ユニット制御部11と室内ユニット制御部21とが通信線cb1で接続されるとともに、室内ユニット制御部21とリモコン制御部39とが通信線cb2で接続されている。また、リモコン制御部39は、端末90との間に無線ネットワークNW1を形成し、端末90と無線通信を行う。また、リモコン制御部39は、端末90との間に近距離無線ネットワークNW2を形成し、端末90と近距離無線通信を行う。また、管理サーバ50は、通信線cb3によって広域ネットワークNW3と接続されており、端末90と、広域ネットワークNW3を介して通信可能である。なお、端末90は、アンテナ91を用いて広域ネットワークNW3に接続可能である。
【0069】
(4)リモコン制御部39の詳細
図7は、リモコン制御部39の構成と、リモコン制御部39に接続されるユニットと、を概略的に示したブロック図である。
【0070】
リモコン制御部39は、インターフェース60aを介して、室内ユニット制御部21、発停切換キー35、及びタッチスクリーン36と、電気的に接続されている。また、リモコン制御部39は、アダプタ37を介して携帯通信端末90と無線通信を行えるように、配線でアダプタ37と電気的に接続されている。また、リモコン制御部39は、通信モジュール38を介して携帯通信端末90と無線通信を行えるように、配線で通信モジュール38と電気的に接続されている。
【0071】
リモコン制御部39は、主として、記憶部61、入力制御部62、表示データ生成部63、表示データ出力部64、コマンド出力部65、第1通信制御部66、第2通信制御部67、通知部68、接続制御部69、及びパスワード生成部70等の機能部を含んでいる。
【0072】
(4−1)記憶部61(特定情報記憶部、管理者パスワード記憶部、利用者パスワード記憶部)
記憶部61は、リモコン制御部39に含まれるROMやRAM等のメモリによって構成されており、複数の記憶領域を有している。具体的に、記憶部61は、プログラム記憶領域611と、コマンド記憶領域612と、表示データ記憶領域613と、アドレス記憶領域614と、識別情報記憶領域615と、パスワード情報記憶領域616と、有効期間記憶領域617と、設定項目情報記憶領域618と、エラーフラグ619と、を有している。
【0073】
プログラム記憶領域611には、リモコン制御部39の各部において実行される各種処理を定義した制御プログラムが格納されている。
【0074】
コマンド記憶領域612には、リモコン制御部39に入力される信号が格納される。例えば、コマンド記憶領域612には、発停切換キー35及びタッチスクリーン36に入力されたコマンドが格納される。また、コマンド記憶領域612には、アダプタ37において受信したコマンドが格納される。
【0075】
表示データ記憶領域613は、表示データ生成部63によって生成された表示データを記憶している。
【0076】
アドレス記憶領域614は、管理サーバ50の広域ネットワークNW3における通信アドレスを記憶している。より詳細には、アドレス記憶領域614は、管理サーバ50に含まれるメモリ内におけるアプリケーションが格納されている記憶領域を特定する通信アドレス(以下、「アプリケーションアドレス」と称する)を記憶している。アプリケーションアドレスは、管理者によって予めアドレス記憶領域614に格納される。
【0077】
識別情報記憶領域615は、リモコン制御部39(リモコン30)の識別情報を記憶している。なお、識別情報は、端末90との通信コネクションを確立する際に、端末90に対して要求する情報の一つである。
【0078】
パスワード情報記憶領域616は、端末90と通信コネクションを確立する際に、端末90に対して識別情報とともに要求するパスワード情報を記憶している。パスワード情報は、所定のビット数を有するデータである。より詳細には、パスワード情報記憶領域616には、管理者の端末90と通信コネクション(管理者接続)を確立する際に端末90に対して要求する管理者パスワード情報と、管理者以外の一般利用者の端末90と通信コネクション(利用者接続)を確立する際に要求する利用者パスワード情報と、を個別に記憶している。なお、管理者パスワード情報は、予め管理者によって設定され、パスワード情報記憶領域616に格納される。また、利用者パスワード情報は、パスワード生成部70によって所定のタイミングで生成(更新)され、パスワード情報記憶領域616に格納される。
【0079】
有効期間記憶領域617は、端末90と通信コネクションを確立する際に設定される、通信コネクションの有効期間(操作可能期間)を記憶している。有効期間は管理者によって予め設定され、有効期間記憶領域617に格納される。なお、本実施形態において、有効期間は24時間に設定されている。
【0080】
設定項目情報記憶領域618には、一般利用者の端末90と通信コネクション(利用者接続)を確立する際に、受付けを許容するコマンド(以下、「許可コマンド」と称する)及び受付けを禁止するコマンド(以下、「禁止コマンド」と称する)に関する情報(設定項目情報)が格納されている。具体的には、設定項目情報記憶領域618には、例えば図8に示すような設定項目テーブルTB1が設定項目情報として格納されている。設定項目テーブルTB1においては、利用空間SP毎(すなわち、室内ユニット20毎)に許可コマンドと禁止コマンドとがそれぞれ定義されている。図8に示す設定項目テーブルTB1においては、利用空間SP1に関して、室内ユニット20の「発停切換」(すなわち、運転・停止の切換え)、「設定温度選択」、「風量選択」、及び「設定風向選択」が許可コマンドとして定義されており、「運転モード切換」が禁止コマンドとして定義されている。このように、設定項目テーブルTB1においては、一般利用者の端末90によって切換可能な設定項目(許可項目)が許可コマンドとして特定されており、一般利用者の端末90によっては切換が禁止される設定項目が禁止コマンドとして特定されている。許可コマンド及び禁止コマンドは、管理者によって設定され、設定項目テーブルTB1において定義される。
【0081】
エラーフラグ619は、各種エラー(例えば、通信コネクションの有効期間が経過していることによるエラーや、端末90から禁止コマンドが送信されたことによるエラー等)の有無を識別するためのフラグである。エラーフラグ619は、生じたエラーの種別に応じて所定のビットを立てられる。
【0082】
(4−2)入力制御部62
入力制御部62は、発停切換キー35及びタッチスクリーン36に入力されたコマンドをコマンド記憶領域612に格納する。
【0083】
(4−3)表示データ生成部63
表示データ生成部63は、状況に応じて、タッチスクリーン36において表示させる表示データを生成する。特に、表示データ生成部63は、エラーフラグ619が立てられると、エラーが生じたことを利用者に通知すべく、所定の表示データ(エラー表示データ)を生成する。表示データ生成部63は、生成した表示データを表示データ記憶領域613に格納する。
【0084】
なお、表示データ生成部63は、生じたエラーの種別に応じてエラー表示データを生成する。例えば、表示データ生成部63は、通信コネクションの有効期間が終了した端末90(以下、「タイムアウト端末90」と称する)からのコマンド(以下、「無効コマンド」と称する)を受信したことによるエラーの発生時には、タッチスクリーン36において図9に示すような表示が行われるように、エラー表示データを生成する。図9では、タッチスクリーン36において、エラーが生じた事実及びエラーの種別を識別するエラーコードを示すテキスト、及び通信コネクションの有効期間が終了したことに伴い通信コネクションを新たに確立することを促すテキストが表示されている。これにより、利用空間SPに滞在中にエラー端末90によってコマンドを入力した利用者は、新たな通信コネクション(利用者接続)の確立に係る作業を促されることになる。
【0085】
(4−4)表示データ出力部64
表示データ出力部64は、表示データ記憶領域613に新たに格納された表示データをタッチスクリーン36(表示部36b)に出力して、タッチスクリーン36において表示させる。
【0086】
(4−5)コマンド出力部65
コマンド出力部65は、コマンド記憶領域612に格納されているコマンドを室内ユニット制御部21へ出力する。
【0087】
(4−6)第1通信制御部66
第1通信制御部66は、アダプタ37を介した端末90との無線通信を制御する機能部である。第1通信制御部66は、所定のプロトコルを用いて信号の送受信を行うことで、端末90との無線通信を実現する。第1通信制御部66は、端末90から送信された信号に含まれる有効期間情報(操作可能期間情報)を参照し、通信終了タイミング(後述)が経過している場合には、係る端末90(タイムアウト端末90)から送信されたコマンド(無効コマンド)についてはコマンド記憶領域612に格納せずに破棄し、エラーフラグ619をたてる。
【0088】
また、第1通信制御部66は、設定項目情報記憶領域618に格納されている設定項目情報を参照し、端末90から送信された信号に含まれるコマンドが、禁止コマンドである場合には、受信した禁止コマンドをコマンド記憶領域612に格納せずに破棄し、エラーフラグ619をたてる。
【0089】
(4−7)第2通信制御部67
第2通信制御部67は、通信モジュール38を介した端末90との近距離無線通信を制御する機能部である。第2通信制御部67は、所定のプロトコルを用いて信号の送受信を行うことで、端末90との近距離無線通信を実現する。
【0090】
(4−8)通知部68(特定情報通知部)
通知部68は、通信モジュール38を介した近距離無線通信によって端末90から所定の信号(アドレス要求信号)を受信した際に、アプリケーションアドレスを端末90に対して通知する機能部である。具体的に、通知部68は、アドレス要求信号を受信すると、アドレス記憶領域614から管理サーバ50のアプリケーションアドレスを取得し、取得したアプリケーションアドレスを近距離無線通信によって通信モジュール38を介して端末90へ送信する。より詳細には、通知部68は、アプリケーションアドレスに対応するURL(Uniform Resource Locator)を送信する。
【0091】
また、通知部68は、通信モジュール38を介した近距離無線通信によって端末90から所定の信号(接続情報要求信号)を受信した際に、接続情報を端末90に対して通知する機能部である。接続情報は、リモコン30と端末90との通信コネクションを確立する際に端末90に対して要求する情報であり、具体的には、識別情報記憶領域615に格納されている識別情報、及びパスワード情報記憶領域616に格納されているパスワード情報を含む情報である。通知部68は、接続情報要求信号を受信すると、識別情報記憶領域615から識別情報を取得するとともにパスワード情報記憶領域616からパスワード情報(より詳細には利用者パスワード情報)を取得し、「接続情報」として近距離無線通信によって通信モジュール38を介して端末90へ送信する。
【0092】
なお、以下の説明においては、接続情報と有効期間情報とを併せて、「特定情報」と称する。
【0093】
(4−9)接続制御部69(判断部)
接続制御部69は、アダプタ37を介した無線通信によって端末90からの所定の信号(接続要求信号)を受信した際に、端末90との通信コネクションを確立する機能部である。具体的に、接続制御部69は、受信した接続要求信号に、通知した接続情報が含まれていない場合には、接続要求信号の送信元の端末90と通信コネクションを確立しない。一方、接続制御部69は、受信した接続要求信号に、通知した接続情報が含まれている場合には、接続要求信号の送信元の端末90と通信コネクションを確立する。すなわち、接続制御部69は、端末90から送信される要求信号に含まれる接続情報の有無(又は正誤)に基づき端末90との通信コネクションを確立するか否かの判断を行う。
【0094】
より詳細には、接続制御部69は、受信した接続要求信号において接続情報として管理者パスワード情報が含まれる場合には、管理者用の通信コネクション(管理者接続)を確立する。一方、接続制御部69は、受信した接続要求信号において接続情報として利用者パスワード情報が含まれる場合には、一般利用者用の通信コネクション(利用者接続)を確立する。すなわち、管理者接続は、管理者が保持する端末90とリモコン30との間で確立される通信コネクションであり、利用者接続は、管理者以外の一般利用者が保持する端末90とリモコン30との間で確立される通信コネクションである。
【0095】
接続制御部69は、端末90との通信コネクション(利用者接続)を確立する際、通信コネクションの有効期間(換言すると端末90がコマンド入力装置として機能する期間)を設定する。具体的に、接続制御部69は、通信コネクション(利用者接続)を確立した時刻を通信開始タイミングとして設定する。そのうえで、接続制御部69は、有効期間記憶領域617に記憶されている有効期間を参照し、通信開始タイミングに有効期間を加算したタイミング(すなわち、通信開始タイミングから起算して有効期間が経過するタイミング)を通信終了タイミングとして設定する。接続制御部69は、設定した通信開始タイミングと通信終了タイミングとを特定する有効期間情報(操作可能期間情報)を端末90に送信する。
【0096】
なお、通信開始タイミングは、有効期間情報の通知先の端末90によって運転状態を切り換えることが可能となるタイミングと言い換えられる。また、通信終了タイミングは、有効期間情報の通知先の端末90によって運転状態を切り換えることが不可能となるタイミングと言い換えられる。
【0097】
(4−10)パスワード生成部70
パスワード生成部70は、定期的に新たな利用者パスワード情報を生成し、生成した利用者パスワード情報をパスワード情報記憶領域616に格納する。本実施形態においては、パスワード生成部70は、有効期間記憶領域617に記憶されている有効期間が経過する毎に、新たな利用者パスワード情報を生成する(すなわち、パスワード情報記憶領域616に格納される利用者パスワード情報を更新する)。
【0098】
(5)リモコン制御部39による処理の流れ
以下、図10を参照して、リモコン制御部39による処理の流れの一例を説明する。図10は、リモコン制御部39の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【0099】
空調システム100において、リモコン制御部39は、図10のステップS101からステップS115に示すような流れで処理を実行する。なお、図10に示す処理の流れは、適宜変更が可能であり、処理が適正に行われる限り、いずれかのステップの順序を入れ換えてもよいし、いずれかのステップが同時に実行されてもよい。
【0100】
ステップS101において、リモコン制御部39は、近距離無線通信によって端末90からのアプリケーションアドレスの通知要求信号を受信しない場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS103へ進む。一方、リモコン制御部39は、近距離無線通信によって端末90からのアプリケーションアドレスの通知要求信号を受信した場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS102へ進む。
【0101】
ステップS102において、リモコン制御部39は、端末90からアプリケーションアドレスの通知要求信号を受信したことを受けて、近距離無線通信により管理サーバ50のアプリケーションアドレスを端末90へ送信する。その後、ステップS103へ進む。
【0102】
ステップS103において、リモコン制御部39は、近距離無線通信によって端末90からのアプリケーションアドレスの接続情報要求信号を受信しない場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS105へ進む。一方、リモコン制御部39は、近距離無線通信によって端末90からの接続情報要求信号を受信した場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS104へ進む。
【0103】
ステップS104において、リモコン制御部39は、端末90から接続情報要求信号を受信したことを受けて、近距離無線通信により接続情報(リモコン30の識別情報及び利用者パスワード情報)を端末90へ送信する。その後、ステップS105へ進む。
【0104】
ステップS105において、リモコン制御部39は、無線通信によって端末90からの接続要求信号を受信しない場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS111へ進む。一方、リモコン制御部39は、無線通信によって端末90からの接続要求信号を受信した場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS106へ進む。
【0105】
ステップS106において、リモコン制御部39は、受信した接続要求信号において通知した識別情報が含まれていない場合(すなわち、「NO」の場合)には、接続要求信号の送信元の端末90と通信コネクションを確立しないで、ステップS115へ進む。一方、接続制御部69は、受信した接続要求信号に、通知した識別情報が含まれている場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS107へ進む。
【0106】
ステップS107において、リモコン制御部39は、受信した接続要求信号に接続情報として管理者パスワード情報が含まれていない場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS109へ進む。一方、リモコン制御部39は、受信した接続要求信号に接続情報として管理者パスワード情報が含まれている場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS108へ進む。
【0107】
ステップS108において、リモコン制御部39は、受信した接続要求信号に接続情報として管理者パスワード情報が含まれていたことを受けて、接続要求信号の送信元の端末90と、管理者用の通信コネクション(管理者接続)を確立する。その後、ステップS109へ進む。
【0108】
ステップS109において、リモコン制御部39は、受信した接続要求信号に接続情報として利用者パスワード情報が含まれていない場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS115へ進む。一方、リモコン制御部39は、受信した接続要求信号に接続情報として利用者パスワード情報が含まれている場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS110へ進む。
【0109】
ステップS110において、リモコン制御部39は、受信した接続要求信号に接続情報として利用者パスワード情報が含まれていたことを受けて、接続要求信号の送信元の端末90と、一般利用者用の通信コネクション(利用者接続)を確立する。その後、ステップS111へ進む。
【0110】
ステップS111において、リモコン制御部39は、発停切換キー35及びタッチスクリーン36にコマンドが入力されておらず、且つ、無線通信によって端末90からコマンドを受信していない場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS101に戻る。一方、リモコン制御部39は、発停切換キー35及びタッチスクリーン36にコマンドが入力された場合、又は、無線通信によって端末90からコマンドを受信した場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS112へ進む。
【0111】
ステップS112において、リモコン制御部39は、ステップS111において受信したコマンドがタイムアウト端末90から送信された無効コマンドである場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS115へ進む。一方、ステップS111において受信したコマンドがタイムアウト端末90から送信された無効コマンドでない場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS113へ進む。なお、図示は省略するが、リモコン制御部39は、ステップS111において発停切換キー35及びタッチスクリーン36を介してコマンドを入力された場合、及び管理者接続を確立している端末90(すなわち、管理者の端末90)からコマンドを送信された場合には、ステップS114へ進む。
【0112】
ステップS113において、リモコン制御部39は、ステップS111において受信したコマンドが許可コマンドでない場合、つまり禁止コマンドである場合(すなわち、「NO」の場合)には、ステップS115へ進む。一方、リモコン制御部39は、ステップS111において受信したコマンドが許可コマンドである場合(すなわち、「YES」の場合)には、ステップS114へ進む。
【0113】
ステップS114において、リモコン制御部39は、受信したコマンドを室内ユニット制御部21(又は室外ユニット制御部11)へ向けて出力する。その後、ステップS101に戻る。
【0114】
ステップS115において、リモコン制御部39は、エラーが生じたこと(例えば、通信コネクションの有効期間が経過していることや、端末90から禁止コマンドが送信されたこと)を利用者に通知すべく、所定のエラー表示データをタッチスクリーン36に出力して表示させる。その後、ステップS101に戻る。
【0115】
(6)空調システム100における処理の流れ
図11及び図12は、空調システム100において、室内ユニット制御部21、リモコン30、管理サーバ50、及び端末90間で行われる処理の一例を模式的に示したシーケンス図である。図11においては、期間S1から期間S4にかけての各部の処理が示されている。図12においては、期間S5から期間S9にかけての各部の処理が示されている。
【0116】
(6−1)期間S1
図11の期間S1においては、端末90がアプリケーションをインストールして起動するまでの流れが示されている。
【0117】
まず、利用者が保有する端末90をリモコン30(通信モジュール38)に接近させると、端末90とリモコン30との間で近距離無線ネットワークNW2が形成されて近距離無線通信が開始され、端末90からアドレス要求信号がリモコン30に送信される。端末90からのアドレス要求信号を受信したリモコン30は、近距離無線ネットワークNW2を介して、アドレス要求信号の送信元の端末90に対してアプリケーションアドレスを送信する。
【0118】
リモコン30から送信されたアプリケーションアドレスを受信した端末90は、広域ネットワークNW3を介して当該アプリケーションアドレスにアクセスして、管理サーバ50に対してアプリケーション要求信号を送信する。アプリケーション要求信号を受信した管理サーバ50は、アプリケーション要求信号の送信元の端末90に対し、広域ネットワークNW3を介してアプリケーションを送信する。すなわち、管理サーバ50から端末90にアプリケーションがダウンロードされる。管理サーバ50からアプリケーションをダウンロードした端末90は、当該アプリケーションをインストールして起動する。
【0119】
(6−2)期間S2
図11の期間S2においては、端末90がアプリケーションを起動後、端末90とリモコン30との間に通信コネクション(利用者接続)が確立されるまでの流れが示されている。
【0120】
利用者が、アプリケーションが起動した状態の端末90を、リモコン30(通信モジュール38)に接近させると、端末90とリモコン30との間で近距離無線ネットワークNW2が形成されて近距離無線通信が開始され、端末90から接続情報要求信号がリモコン30に送信される。端末90からの接続情報要求信号を受信したリモコン30は、近距離無線ネットワークNW2を介して、接続情報要求信号の送信元の端末90に対して接続情報(識別情報及び利用者パスワード情報)を送信する。
【0121】
リモコン30から送信された接続情報を受信した端末90は、受信した識別情報及び利用者パスワード情報を含む接続要求信号を、無線通信によって(すなわち無線ネットワークNW1を介して)リモコン30に対し送信する。接続要求信号を受信したリモコン30は、接続要求信号に含まれる識別情報及び利用者パスワード情報が正しい場合(すなわち、通知した識別情報及び利用者パスワード情報と一致する場合)には接続要求信号の送信元の端末90に対して所定の認証信号を送信して無線ネットワークNW1における通信コネクション(利用者接続)を確立する。この際、リモコン30は、無線ネットワークNW1を介して有効期間情報を端末90に送信する。
【0122】
(6−3)期間S3
図11の期間S3においては、端末90とリモコン30との間に通信コネクション(利用者接続)が確立されてから、端末90からのコマンド(許可コマンド)が受け付けられるまでの流れが示されている。なお、期間S3及び期間S4における「t1」は、端末90に対して送信された有効期間情報に係る有効期間を表わしている。
【0123】
利用者が端末90にコマンド(許可コマンド)を入力し、リモコン30に対し無線ネットワークNW1を介して送信すると、リモコン30は当該コマンドを受信し、当該コマンドが許可コマンドであるか否か、及びコマンドの送信元の端末90がタイムアウト端末90であるか否か(すなわち、通知された有効期間を経過している端末90であるか否か)を判定する。そして、リモコン30は、受信したコマンドが許可コマンドであって、通知された有効期間を経過していない端末90から送信されたコマンドであれば、室内ユニット制御部21に対して当該コマンドを出力する。これにより、通信コネクションが有効な端末90から送信された許可コマンドが、室内ユニット制御部21へ送信され、室内ユニット制御部21及び室外ユニット制御部11において、許可コマンドの内容に応じた各種アクチュエータの切換制御が実行される。
【0124】
(6−4)期間S4
図11の期間S4においては、端末90とリモコン30との間に通信コネクション(利用者接続)が確立されてから、端末90から送信されたコマンド(禁止コマンド)が破棄されるまでの流れが示されている。
【0125】
利用者が端末90にコマンド(禁止コマンド)を入力し、リモコン30に対し無線ネットワークNW1を介して送信すると、リモコン30は当該コマンドを受信し、当該コマンドが許可コマンドであるか否か、及びコマンドの送信元の端末90がタイムアウト端末90であるか否か(すなわち、通知された有効期間を経過している端末90であるか否か)を判定する。そして、リモコン30は、受信したコマンドが禁止コマンドであれば、室内ユニット制御部21に対して出力することなく破棄する。これにより、禁止コマンドは室内ユニット制御部21へ送信されることがなく、禁止コマンドによっては各種アクチュエータの切換制御が実行されないようになっている。
【0126】
また、リモコン30は、エラーが生じたこと(禁止コマンドが送信されたこと)を利用者に通知すべく、エラー表示データを生成してタッチスクリーン36において表示する。これにより、利用者は、自身が禁止コマンドを入力したことを把握できるようになっている。
【0127】
(6−5)期間S5
図12の期間S5においては、端末90とリモコン30との間に通信コネクション(利用者接続)の有効期間(t1)が経過してから、端末90から送信されたコマンドが破棄されるまでの流れが示されている。
【0128】
利用者が、タイムアウト端末90(通知された有効期間情報における有効期間を経過した端末90)にコマンドを入力し、リモコン30に対し無線ネットワークNW1を介して送信すると、リモコン30は当該コマンドを受信し、当該コマンドが許可コマンドであるか否か、及びコマンドの送信元の端末90がタイムアウト端末90であるか否か(すなわち、通知された有効期間を経過している端末90であるか否か)を判定する。そして、リモコン30は、受信したコマンドがタイムアウト端末90から送信されたコマンド(無効コマンド)である場合には、当該無効コマンドを室内ユニット制御部21に対して出力することなく破棄する。これにより、無効コマンドは室内ユニット制御部21へ送信されることがなく、無効コマンドによっては各種アクチュエータの切換制御が実行されないようになっている。
【0129】
また、リモコン30は、エラーが生じたこと(通信コネクションの有効期間が経過していること)を利用者に通知すべく、エラー表示データを生成してタッチスクリーン36において表示する。この際、タッチスクリーン36においては、図9に示すようなエラー表示データの表示が行われる。これにより、利用者は、通信コネクションが無効となったことを把握でき新たな通信コネクション(利用者接続)の確立に係る作業を促されるようになっている。
【0130】
(6−6)期間S6
図12の期間S6においては、端末90及びリモコン30間の通信コネクション(利用者接続)の有効期間が経過した後、端末90とリモコン30との間に通信コネクション(利用者接続)が再度確立されるまでの流れが示されている。
【0131】
期間S6の処理の流れは基本的に期間S2と同一である。但し、期間S6においては、リモコン30において利用者パスワード情報が更新されており、期間S2とは異なる接続情報(より詳細には利用者パスワード情報)がリモコン30から端末90に通知される。また、期間S6において端末90に通知される有効期間情報は、期間S2において端末90に通知される有効期間情報とは異なるデータであり、新たな通信開始タイミング及び通信終了タイミングを特定するものである。
【0132】
これにより、確立された通信コネクションの有効期間経過後においても利用空間SPの利用を継続する利用者の端末90(タイムアウト端末90)は、リモコン30と、新たに通信コネクション(利用者接続)を確立することが可能である。すなわち、室内ユニット20では、通知部68は、通知された有効期間情報において指定される有効期間を過ぎたタイムアウト端末90に対して、新たな有効期間情報を含む接続情報を通知するように構成されている。
【0133】
(6−7)期間S7、S8及びS9
図12の期間S7−S9における処理の流れは、期間S3−S5と基本的に同一である。
【0134】
(7)室内ユニット20の特徴
(7−1)
上記実施形態に係る室内ユニット20は、セキュリティ性に優れている。
【0135】
すなわち、利用者が所持する携帯通信端末と通信可能に構成され携帯通信端末を介して運転状態を切換可能に構成された空気調和機は、一般家庭のような利用者と管理者とが一致する空間に設置される以外にも、ホテルの客室やレンタルルーム等、利用者が一時的に滞在する空間(すなわち、利用者と管理者とが一致しない空間)に設置されるケースが考えられる。係るケースにおいては、空気調和機の設置空間において一時的に滞在する利用者に対して運転状態の切換えを許容する一方で、滞在を終えた利用者(退去者)に対して運転状態の切換えを制限することがセキュリティ上望まれる。しかし、従来の空気調和機が、利用者と管理者とが一致しない空間に設置された場合、利用権限のない退去者の携帯通信端末によっても運転状態の切換えが可能となるため、セキュリティ上の問題が懸念される。
【0136】
この点、上記実施形態に係る室内ユニット20では、通知部68が、特定情報(識別情報及び有効期間情報)を端末90に通知し、第1通信制御部66が、特定情報を通知された端末90から受信した許可コマンドについてはコマンド記憶領域612へ記憶し、通知された有効期間を過ぎたタイムアウト端末90から送信された無効コマンドについては破棄している。すなわち、上記実施形態に係る室内ユニット20は、受信した端末90からの許可コマンドが室内ユニット制御部21へ出力され、無効コマンドが室内ユニット制御部21へ出力されないように構成されている。換言すると、上記実施形態に係る室内ユニット20は、室内ユニット制御部21が、特定情報を通知された端末90から送信された許可コマンドに基づき切換制御を実行する一方で、タイムアウト端末90から送信された無効コマンドによっては切換制御を実行しないように構成されている。
【0137】
これにより、室内ユニット20がホテル等の宿泊施設やレンタルルーム等、利用者が一時的に滞在する施設1(すなわち、利用者と管理者とが一致しない空間)に設置される場合において、コマンド入力装置として機能させる端末90を制限することが可能となり、操作者を施設1の管理者及び利用者(すなわち、利用権限のある者)に制限することが可能となっている。特に、既に施設1の利用を終えた退去者(すなわち、利用権限のない者)の端末90による運転状態の切換えを制限することが可能となっている。その結果、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、室内ユニット20を利用権限のない部外者に運転されることが抑制されている。よって、セキュリティ性に優れている。
【0138】
(7−2)
上記実施形態に係る室内ユニット20では、通知部68が、パスワード情報を含む特定情報を端末90に通知し、接続制御部69が、端末90から送信される要求信号に含まれるパスワード情報の有無(適否)に基づき端末90との通信コネクションを確立するか否かの判断を行っている。
【0139】
これにより、室内ユニット20がホテル等の宿泊施設やレンタルルーム等、利用者が一時的に滞在する施設1(すなわち、利用者と管理者とが一致しない空間)に設置される場合において、コマンド入力装置として機能させる端末90を制限することが可能となり、操作者を施設1の管理者及び利用者(すなわち、利用権限のある者)に制限することが可能となっている。特に、既に施設1の利用を終えた退去者の端末90による運転状態の切換えを制限することが可能となっている。その結果、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、室内ユニット20を利用権限のない部外者に運転されることが抑制されている。よって、セキュリティ性に優れている。
【0140】
(7−3)
上記実施形態に係る室内ユニット20では、端末90に対して通知される有効期間情報において、通知先の端末90によって運転状態を切り換えることが可能となるタイミングである通信開始タイミングと、通知先の端末90によって運転状態を切り換えることが不可能となるタイミングである通信終了タイミングと、が特定されている。すなわち、利用者が操作を開始するタイミングに応じて有効期間(通信開始タイミング及び通信終了タイミング)が設定されている。これにより、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、室内ユニット20を管理するうえで利便性に優れている。
【0141】
(7−4)
上記実施形態に係る室内ユニット20では、通知部68は、通知された有効期間情報において指定される有効期間を過ぎたタイムアウト端末90のうち、利用空間SP内に存在するものに対して、新たな有効期間情報及び新たなパスワード情報を含む特定情報を通知するように構成されている。
【0142】
これにより、有効期間終了後においても利用空間SPの利用を継続する利用者に対して、新たな有効期間を設定することが可能となっている。よって、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においてセキュリティ性を確保しつつ利便性に優れている。
【0143】
(7−5)
上記実施形態に係る室内ユニット20では、通知部68から端末90に通知される特定情報には利用者パスワード情報が含まれ、接続制御部69が、端末90から送信される接続要求信号に含まれる利用者パスワード情報の有無(適否)に基づき、端末90との通信コネクション(利用者接続)を確立するか否かの判断を行っている。
【0144】
これにより、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、コマンド入力装置として機能させる端末90をさらに制限することが可能となり、操作者を管理者及び特定の利用者(すなわち、利用権限のある者)に制限することが可能となっている。その結果、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、利用権限のない部外者によって室内ユニット20を運転されることが抑制されている。よって、セキュリティ性に優れている。
【0145】
(7−6)
上記実施形態に係る室内ユニット20では、パスワード情報記憶領域616が、管理者接続に必要なパスワード情報である管理者パスワード情報、及び利用者接続に必要なパスワード情報である利用者パスワード情報を記憶し、接続制御部69が、接続要求信号に含まれる管理者パスワード情報の有無(適否)に基づき管理者接続を確立するか否かの判断を行い、接続要求信号に含まれる利用者パスワード情報の有無(適否)に基づき利用者接続を確立するか否かの判断を行っている。
【0146】
これにより、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、室内ユニット20と端末90との間で確立される通信コネクション毎に、運転状態のうち切換可能な設定項目を設定することが可能となっている。その結果、一般的な操作に関しては各利用者に許容する一方で、特定の操作に関しては管理者のみが行えるように設定することが可能となっている。よって、セキュリティ性に優れている。
【0147】
(7−7)
上記実施形態に係る室内ユニット20では、室内ユニット制御部21が、端末90から送信された禁止コマンド(すなわち、設定項目テーブルTB1において特定される許可項目以外の設定項目の切換を指示するコマンド)によっては、切換制御を実行しないように構成されている。
【0148】
これにより、一般的な操作に関しては各利用者に許容する一方で、特定の操作に関しては管理者のみが行えるように管理することが容易に可能となっている。よって、セキュリティ性に優れるとともに、室内ユニット20を管理するうえで利便性に優れている。
【0149】
(7−8)
上記実施形態に係る室内ユニット20では、アダプタ37は、無線ネットワークNW1を介して、端末90と通信を行う。通知部68は、無線ネットワークNW1とは異なる近距離無線ネットワークNW2によって、端末90に対して特定情報を通知している。
【0150】
すなわち、端末90からコマンドを受信する場合(すなわち、端末90が入力装置として機能する場合)に利用される無線ネットワークNW1とは別の近距離無線ネットワークNW2を用いて、特定情報が端末90に対して通知されるようになっている。つまり、専用の通信ネットワークを用いて特定情報を通知することが可能となっている。よって、セキュリティ性に優れている。
【0151】
(8)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0152】
(8−1)変形例A
上記実施形態では、リモコン制御部39(通知部68)が、通信モジュール38を介した近距離無線通信によって端末90からアドレス要求信号を受信した際に、アプリケーションアドレスに対応するURLをアドレス要求信号の送信元の端末90へ送信することで、アプリケーションアドレスを端末90へ通知していた。しかし、端末90に対するアプリケーションアドレスの通知方法は、必ずしもこれに限定されない。
【0153】
例えば、リモコン制御部39(通知部68)が、通信モジュール38を介した近距離無線通信によって端末90からアドレス要求信号を受信した際に、アプリケーションアドレスに対応するQRコード(登録商標)やバーコード等のデータをアドレス要求信号の送信元の端末90へ送信することで、アプリケーションアドレスを端末90へ通知するように構成してもよい。
【0154】
また、例えば、リモコン制御部39(表示データ生成部63)が所定の表示データを生成し、アプリケーションアドレスに対応するURL、QRコード、又はバーコード等の情報がタッチスクリーン36において表示されるように構成することで、アプリケーションアドレスを通知してもよい。
【0155】
(8−2)変形例B
上記実施形態では、リモコン制御部39(通知部68)が、通信モジュール38を介した近距離無線通信によって端末90から所定の信号(接続情報要求信号)を受信した際に、接続情報(識別情報及び利用者パスワード情報)を端末90に対して通知していた。しかし、端末90に対する接続情報の通知方法は、必ずしもこれに限定されない。
【0156】
例えば、リモコン制御部39(通知部68)が、通信モジュール38を介した近距離無線通信によって端末90から接続情報要求信号を受信した際に、接続情報に対応するQRコードやバーコード等のデータを接続情報要求信号の送信元の端末90へ送信することで、接続情報を端末90へ通知するように構成してもよい。
【0157】
また、例えば、リモコン制御部39(表示データ生成部63)が所定の表示データを生成して、接続情報、又は接続情報に対応するQRコード若しくはバーコード等のデータがタッチスクリーン36において表示されるように構成することで、接続情報を通知してもよい。係る場合、リモコン30において通信モジュール38(すなわち、近距離無線通信機能)を省略してもよい。
【0158】
(8−3)変形例C
上記実施形態においては、リモコン30から端末90に対して、所定のタイミングで、特定情報(有効期間情報及び接続情報)が端末90に通知されていた。この点、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において室内ユニット20を利用権限のない部外者によって運転されることを精度よく抑制する、という観点によれば、端末90に対し有効期間情報が通知されることが好ましい。しかし、有効期間情報については適宜省略が可能である。
【0159】
すなわち、リモコン30から端末90に対して有効期間情報が通知されない場合であっても、リモコン制御部39(通知部68)が、パスワード情報を含む特定情報を端末90に通知し、接続制御部69が、端末90から送信される要求信号に含まれるパスワード情報の有無(適否)に基づき端末90との通信コネクションを確立するか否かの判断を行う。係る構成によっても、コマンド入力装置として機能させる端末90を制限することが可能であり、操作者を施設1の管理者及び利用者(すなわち、利用権限のある者)に制限することが可能である。よって、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合においても、室内ユニット20を利用権限のない部外者に運転されることが抑制される。
【0160】
(8−4)変形例D
上記実施形態では、リモコン30は、コマンド入力手段としての発停切換キー35及びタッチスクリーン36(タッチ入力部36a)を有していた。しかし、リモコン30は、必ずしも発停切換キー35及びタッチ入力部36aを有している必要はなく、適宜省略が可能である。係る場合には、リモコン30がコマンド入力装置として機能せず、利用者は、リモコン30と通信コネクションを確立した端末90によってのみコマンドの入力が可能となる。その結果、室内ユニット20が利用者と管理者とが一致しない空間に設置される場合において、室内ユニット20の管理が容易となり、セキュリティ性がさらに向上する。
【0161】
(8−5)変形例E
上記実施形態では、リモコン制御部39(第1通信制御部66)が、端末90から送信された禁止コマンドについてはコマンド記憶領域612に格納せずに破棄し、エラーフラグ619をたてることで、禁止コマンドが送信された際に切換制御が実行されないように構成されていた。しかし、これに限定されず、リモコン制御部39が、端末90との通信コネクションを確立する際に特定情報ととともに設定項目テーブルTB1を送信し、送信された設定項目テーブルTB1において定義される禁止コマンドについては端末90から送信を行えないようにアプリケーションを構成してもよい。係る場合にも、禁止コマンドによっては切換制御が実行されないため、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0162】
(8−6)変形例F
上記実施形態では、リモコン制御部39(第1通信制御部66)が、タイムアウト端末90から送信された無効コマンドについてはコマンド記憶領域612に格納せずに破棄し、エラーフラグ619をたてることで、無効コマンドによっては切換制御が実行されないように構成されていた。しかし、これに限定されず、送信された有効期間情報において特定される有効期間を終了した場合には端末90からコマンドの送信を行えないようにアプリケーションを構成してもよい。係る場合にも、タイムアウト端末90からの無効コマンドによっては切換制御が実行されないため、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0163】
(8−7)変形例G
上記実施形態では、リモコン30から端末90に対して、アプリケーションアドレスと接続情報とは別々に(異なるタイミングで)送信された。しかし、リモコン30から端末90に対して、アプリケーションアドレスを送信するのと同時に接続情報を送信するように構成してもよい。
【0164】
(8−8)変形例H
上記実施形態では、管理サーバ50は、広域ネットワークNW3上に配置されていた。しかし、管理サーバ50は、必ずしも広域ネットワークNW3上に配置される必要はなく、施設1の構内に配置されてもよい。
【0165】
また、アプリケーションは必ずしも管理サーバ50において保持される必要はなく、室外ユニット制御部11、室内ユニット制御部21、又はリモコン制御部39に含まれるメモリに格納されてもよい。
【0166】
(8−9)変形例I
上記実施形態では、有効期間は24時間に設定されていた。しかし、有効期間は、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。例えば有効期間は、3時間に設定されてもよいし、30日に設定されてもよい。
【0167】
(8−10)変形例J
上記実施形態では、設定項目テーブルTB1(図8)において、許可コマンド(許可項目)として「発停切換」、「設定温度選択」、「設定風量選択」、及び「設定風向選択」が定義され、禁止コマンドとして「運転モード切換」が定義されていた。しかし、設定項目テーブルTB1において、許可コマンド及び禁止コマンドは自由に設定可能であり、設置環境や設計仕様に応じて適宜設定されればよい。例えば、設定項目テーブルTB1においては、「設定温度選択」が禁止コマンドとして定義されてもよい。
【0168】
(8−11)変形例K
上記実施形態では、室内ユニット制御部21とリモコン制御部39とが個別に配置されていた。しかし、これに限定されず、室内ユニット制御部21の一部/全部と、リモコン制御部39の一部/全部と、は一体に構成されてもよい。係る場合、一体に構成された制御部は、室内ユニット20内に配置されてもよいし、リモコン30内に配置されてもよいし、室外ユニット10内に配置されてもよいし、通信ネットワークを介して接続された遠隔地に配置されてもよい。
【0169】
(8−12)変形例L
上記実施形態では、室内ユニット20は、複数の利用空間SPを含む施設1に設置されていた。しかし、室内ユニット20が設置される環境は、特に限定されず、あらゆる環境において設置可能である。例えば、室内ユニット20は、単一の利用空間SPを含む施設に設置されてもよい。また、室内ユニット20は、管理者と利用者とが一致しない空間のみならず、管理者と利用者とが一致する空間に設置されてもよい。
【0170】
(8−13)変形例M
上記実施形態では、「空気調和機」としての室内ユニット20は、エアコンの室内ユニットであった。しかし、これに限定されず、室内ユニット20は、空気清浄機、換気装置、又は除湿機等、対象空間に設置され空気調和を行う他の装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、空気調和機に適用可能である。
【符号の説明】
【0172】
1 :施設
10 :室外ユニット
11 :室外ユニット制御部
20 :室内ユニット(空気調和機)
21 :室内ユニット制御部(アクチュエータ駆動部)
30 :リモコン
35 :発停切換キー
36 :タッチスクリーン
36a :タッチ入力部
36b :表示部
37 :無線通信アダプタ(コマンド受信部)
38 :近距離無線通信モジュール(通信モジュール)
38a :ラベル
39 :リモコン制御部
50 :管理サーバ
61 :記憶部(特定情報記憶部、管理者パスワード記憶部、利用者パスワード記憶部)
62 :入力制御部
63 :表示データ生成部
64 :表示データ出力部
65 :コマンド出力部
66 :第1通信制御部
67 :第2通信制御部
68 :通知部(特定情報通知部)
69 :接続制御部(判断部)
70 :パスワード生成部
90 :携帯通信端末(端末)
91 :アンテナ
100 :空調システム
611 :プログラム記憶領域
612 :コマンド記憶領域
613 :表示データ記憶領域
614 :アドレス記憶領域
615 :識別情報記憶領域
616 :パスワード情報記憶領域
617 :有効期間記憶領域
618 :設定項目情報記憶領域
619 :エラーフラグ
NW1 :無線ネットワーク
NW2 :近距離無線ネットワーク
NW3 :広域ネットワーク
SP(SP1−SP6) :利用空間(対象空間)
TB1 :設定項目テーブル(設定項目情報)
cb1、cb2、cb3 :通信線
【先行技術文献】
【特許文献】
【0173】
【特許文献1】特開2013−76493号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12