特許第6743406号(P6743406)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6743406
(24)【登録日】2020年8月3日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】走行制御装置及び走行制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20200806BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20200806BHJP
   B60K 31/00 20060101ALI20200806BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20200806BHJP
   B60W 30/182 20200101ALI20200806BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   G08G1/09 S
   G08G1/09 V
   G08G1/16 E
   B60K31/00 Z
   B60T7/12 F
   B60W30/182
   B60W40/04
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-29532(P2016-29532)
(22)【出願日】2016年2月19日
(65)【公開番号】特開2017-146872(P2017-146872A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2019年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石黒 伸一
(72)【発明者】
【氏名】下田 和貴
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−226980(JP,A)
【文献】 特開2013−099166(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/114582(WO,A1)
【文献】 特開2014−194194(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0006508(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0297124(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 99/00
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 9/32
B60L 13/00
B60L 15/00 − 15/42
B60L 50/00 − 58/40
B60W 10/00 − 10/30
B60W 30/00 − 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の自動走行を制御する走行制御装置であって、
前記車両及び/又は他の車両が信号機を通過した通過回数と、前記車両及び/又は他の車両が当該信号機の信号状態によって停車した停車回数と、前記信号機のうち前記車両の前方の所定の信号機の現在の信号状態とを取得する取得部と、
前記所定の信号機のみの前記通過回数及び前記停車回数を用いて、前記車両が当該所定の信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率を算出する停車確率算出部と、
前記停車確率に応じて、前記車両が前記所定の信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替える判定部と、
前記取得部で前記所定の信号機の現在の信号状態が取得されるまでの間は前記判定部で切り替えられた走行制御方法に従って前記車両の走行を制御し、前記取得部で前記所定の信号機の現在の信号状態が取得された後は前記現在の信号状態に基づいて前記車両の走行を制御する走行制御部と、
を具備し、
前記判定部は、前記停車確率が第1の閾値以上の場合、惰性走行による減速走行と、当該減速走行後の加速走行とを含む第1の走行制御方法を選択し、前記停車確率が前記第1の閾値未満の場合、前記車両の現在の走行速度を維持する第2の走行制御方法を選択し、
前記走行制御部は、前記第1の走行制御方法に従って走行を制御する場合、前記停車確率が高いほど減速量が大きくなるように、前記現在の走行速度からの、前記惰性走行による減速量を決定する走行制御装置。
【請求項2】
前記停車確率は、前記車両及び/又は他の車両が前記信号機を通過する度に更新される、
請求項1に記載の走行制御装置。
【請求項3】
前記判定部は、更に、前記停車確率が前記第1の閾値以上かつ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値未満の場合、前記第1の走行制御方法を選択し、前記停車確率が前記第2の閾値以上の場合、惰性走行による減速走行と、当該減速走行後の車速を維持する走行とを含む第3の走行制御方法を選択する、
請求項に記載の走行制御装置。
【請求項4】
前記走行制御部は、前記第3の走行制御方法に従って走行を制御する場合、前記停車確率に応じて、前記現在の走行速度からの、前記惰性走行による減速量を決定する、
請求項に記載の走行制御装置。
【請求項5】
車両の自動走行を制御する走行制御方法であって、
前記車両及び/又は他の車両が信号機を通過した通過回数と、前記車両及び/又は他の車両が当該信号機で停車した停車回数とを取得するステップと、
前記信号機のうち前記車両の前方の所定の信号機のみの前記通過回数及び前記停車回数を用いて、前記車両が当該所定の信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率を算出するステップと、
前記停車確率に応じて、前記車両が前記所定の信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替えるステップと、
前記所定の信号機の現在の信号状態が取得されるまでの間は前記切り替えられた走行制御方法に従って前記車両の走行を制御し、前記所定の信号機の現在の信号状態が取得された後は前記現在の信号状態に基づいて前記車両の走行を制御するステップと、
を有し、
前記走行制御方法を切り替えるステップは、前記停車確率が第1の閾値以上の場合、惰性走行による減速走行と、当該減速走行後の加速走行とを含む第1の走行制御方法を選択し、前記停車確率が前記第1の閾値未満の場合、前記車両の現在の走行速度を維持する第2の走行制御方法を選択し、
前記車両の走行を制御するステップは、前記第1の走行制御方法に従って走行を制御する場合、前記停車確率が高いほど減速量が大きくなるように、前記現在の走行速度からの、前記惰性走行による減速量を決定する走行制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の走行を制御する走行制御装置及び走行制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が前方の交差点などで信号機を通過する際に、信号機の状態(青信号、赤信号など)に応じて車両の自動走行を制御する技術が存在する(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の技術(以下、「従来技術」という)は、信号機の状態が切り替わるタイミングに応じた走行制御を行う。これにより、従来技術は、信号機の直前での急ブレーキによるブレーキ損失を抑え、かつ、燃費性に優れた走行制御を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/074096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、信号機の状態が切り替わるタイミングを特定できない場合には、信号機の通過時における車両の走行制御を適切に行うことができない。
【0005】
本開示の目的は、信号機の状態が切り替わるタイミングを特定できない場合でも、ブレーキ損失を抑えかつ燃費性に優れた走行制御を実現することができる走行制御装置及び走行制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る走行制御装置は、車両の自動走行を制御する走行制御装置であって、前記車両及び/又は他の車両が信号機を通過した通過回数と、前記車両及び/又は他の車両が当該信号機の信号状態によって停車した停車回数と、前記信号機のうち前記車両の前方の所定の信号機の現在の信号状態とを取得する取得部と、前記所定の信号機のみの前記通過回数及び前記停車回数を用いて、前記車両が当該所定の信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率を算出する停車確率算出部と、前記停車確率に応じて、前記車両が前記所定の信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替える判定部と、前記取得部で前記所定の信号機の現在の信号状態が取得されるまでの間は前記判定部で切り替えられた走行制御方法に従って前記車両の走行を制御し、前記取得部で前記所定の信号機の現在の信号状態が取得された後は前記現在の信号状態に基づいて前記車両の走行を制御する走行制御部と、を有し、前記判定部は、前記停車確率が第1の閾値以上の場合、惰性走行による減速走行と、当該減速走行後の加速走行とを含む第1の走行制御方法を選択し、前記停車確率が前記第1の閾値未満の場合、前記車両の現在の走行速度を維持する第2の走行制御方法を選択し、前記走行制御部は、前記第1の走行制御方法に従って走行を制御する場合、前記停車確率が高いほど減速量が大きくなるように、前記現在の走行速度からの、前記惰性走行による減速量を決定する。
【0007】
本開示の一態様に係る走行制御方法は、車両の自動走行を制御する走行制御方法であって、前記車両及び/又は他の車両が信号機を通過した通過回数と、前記車両及び/又は他の車両が当該信号機で停車した停車回数とを取得するステップと、前記信号機のうち前記車両の前方の所定の信号機のみの前記通過回数及び前記停車回数を用いて、前記車両が当該所定の信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率を算出するステップと、前記停車確率に応じて、前記車両が前記所定の信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替えるステップと、前記所定の信号機の現在の信号状態が取得されるまでの間は前記切り替えられた走行制御方法に従って前記車両の走行を制御し、前記所定の信号機の現在の信号状態が取得された後は前記現在の信号状態に基づいて前記車両の走行を制御するステップと、を有し、前記走行制御方法を切り替えるステップは、前記停車確率が第1の閾値以上の場合、惰性走行による減速走行と、当該減速走行後の加速走行とを含む第1の走行制御方法を選択し、前記停車確率が前記第1の閾値未満の場合、前記車両の現在の走行速度を維持する第2の走行制御方法を選択し、前記車両の走行を制御するステップは、前記第1の走行制御方法に従って走行を制御する場合、前記停車確率が高いほど減速量が大きくなるように、前記現在の走行速度からの、前記惰性走行による減速量を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、信号機の状態が切り替わるタイミングを特定できない場合でも、ブレーキ損失を抑えかつ燃費性に優れた走行制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施の形態における車両の構成の一例を示すブロック図
図2】本開示の一実施の形態に係る走行制御装置の構成の一例を示す図
図3】本開示の一実施の形態における走行制御装置の動作の一例を示すフローチャート
図4】本開示の一実施の形態における走行制御装置の動作例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
<車両の構成>
まず、本開示の一実施の形態に係る走行制御装置を含む車両の構成について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る走行制御装置を含む車両の構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは、走行制御装置に関連する部分に着目して、図示及び説明を行う。
【0013】
図1に示す車両1は、例えば、直列6気筒のディーゼルエンジンを搭載した、トラック等の大型車両である。
【0014】
図1に示すように、車両1は、車両を走行させる駆動系統の構成として、エンジン3、クラッチ4、変速機(トランスミッション)5、推進軸(プロペラシャフト)6、差動装置(デファレンシャルギヤ)7、駆動軸(ドライブシャフト)8、及び車輪9を有する。
【0015】
エンジン3の動力は、クラッチ4を経由して変速機5に伝達され、変速機5に伝達された動力は、更に、推進軸6、差動装置7、及び駆動軸8を介して車輪9に伝達される。これにより、エンジン3の動力が車輪9に伝達されて車両1が走行する。
【0016】
また、車両1は、車両を停止させる制動系統の構成として、制動装置40を有する。制動装置40は、車輪9に対して抵抗力を与えるフットブレーキ41、推進軸6に対して抵抗力を与えるリターダ42、及びエンジンに対して負荷を与える排気ブレーキなどの補助ブレーキ43を含む。
【0017】
更に、車両1は、車両1の走行を制御する制御系統の構成として、走行制御システム2を有する。走行制御システム2は、エンジン3の出力、クラッチ4の断接、及び変速機5の変速を制御して、車両1の走行を制御するシステムであり、複数の制御装置を備える。
【0018】
具体的には、走行制御システム2は、エンジン用ECU(エンジン用制御装置)10、動力伝達用ECU(動力伝達用制御装置)11、道路情報取得装置20、車両情報取得装置30、及び走行制御装置100を有する。なお、エンジン用ECU10、動力伝達用ECU11、及び、走行制御装置100は、車載ネットワークにより相互に接続され、必要なデータや制御信号を相互に送受信可能となっている。
【0019】
エンジン用ECU10は、エンジン3の出力を制御する。動力伝達用ECU11は、クラッチ4の断接及び変速機5の変速を制御する。
【0020】
道路情報取得装置20は、道路の状況及び車両1の現在位置を示す道路情報を取得し、走行制御装置100へ出力する。例えば、道路情報取得装置20は、衛星測位システム(GPS)の受信機、前走車や並走車などの周囲の走行車両との距離や車速差を検知する周囲センサ、又は、車両1の前方に設置された信号機を認識するためのカメラを含んでもよい。
【0021】
車両情報取得装置30は、運転者による操作内容や車両1の状態を示す車両情報を取得し、走行制御装置100へ出力する。例えば、車両情報取得装置30は、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ31、ブレーキペダルの踏み込みの有無を検出するブレーキスイッチ32、シフトレバー33、ターンシグナルスイッチ34、および、車両1の車速Vを検出する車速センサ35を含んでもよい。
【0022】
走行制御装置100は、エンジン用ECU10、エンジン3の動力伝達用ECU11、及び制動装置40を制御して、車両1の走行を制御する。
【0023】
また、走行制御装置100は、自動走行制御を実現する。例えば、走行制御装置100は、車両1における定速走行制御、及び、追従走行制御を行う。定速走行制御とは、所定の範囲に先行車両が存在しない場合に、車両1の走行速度(以下「車速」という)が所定の目標値に近付くように、車両1の駆動系統及び制動系統を動作させる制御である。また、追従走行制御とは、所定の範囲に先行車両が存在する場合に、車間距離が所定の目標範囲に収まるように、かつ、相対速度がゼロに近付くように、車両1の駆動系統及び制動系統を動作させる制御である。
【0024】
また、特に、走行制御装置100は、車両1が通過する各信号機に対して、車両1が通過が当該信号機を通過した回数(通過回数)、及び、車両1が当該信号機の信号状態によって停車した回数(停車回数)を取得し、通過回数に対する停車回数の割合を、車両1が当該信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率として算出する。そして、走行制御装置100は、例えば、上述した定速走行制御又は追従走行制御を行っている場合に、車両1が前方の信号機を通過する際、車両1の当該信号機での停車確率に応じて、車両1が信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替える。このとき、走行制御装置100によって選択される走行制御方法には、上述した定速走行制御、追従走行制御の他に、減速走行制御が含まれる。
【0025】
減速走行制御とは、車両1を現車速から所定の速度まで減速するように車両1の駆動系統及び制動系統を制御する動作を含む走行制御方法である。すなわち、減速走行制御では、走行制御装置100が現在行っている自動走行制御(定速走行制御又は追従走行制御)での車速の目標値よりも低い車速の目標値(又は、現車速に対する減速量)が設定される。
【0026】
減速走行制御における走行の一例としては、ニュートラル状態又は最大ギア段でのエンジンブレーキ状態等のクラッチ4を切断した状態の惰性走行(予備的惰行と呼ぶこともある)と、クラッチ4を接続した状態の駆動走行とを繰り返し行う走行(パルスアンドグライド走行。第1減速法による走行)がある。すなわち、減速走行制御では、車両1は、惰性走行を行う区間と、駆動走行を行う区間とを1セットとし、このセットを繰り返し行う走行パターンに従って走行する。
【0027】
走行制御装置100における減速走行制御の詳細については後述する。
【0028】
<走行制御装置の詳細>
次に、走行制御装置100の詳細について説明する。
【0029】
走行制御装置100は、車両1が信号機を通過した回数と、車両1が当該信号機で停車した回数とを用いて算出される停車確率に応じて、車両1が信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替えて、切り替えた走行制御方法に従って車両1の走行を制御する。ここで、停車確率とは、車両1が信号機の信号状態によって停車させられる確率である。
【0030】
図2は、走行制御装置100の構成の一例を示す図である。なお、ここでは、走行制御装置100の構成のうち、車両1が信号機に到達するまでの走行制御に関する部分のみに着目して図示及び説明を行う。
【0031】
図2において、走行制御装置100は、情報格納部110、停車確率算出部120、判定部130、及び、走行制御部140を有する。
【0032】
情報格納部110は、停車確率算出部120及び走行制御部140が処理を行うのに必要な各種情報を、例えば、道路情報取得装置20又は車両情報取得装置30から取得する。情報格納部110は取得した情報を格納する。より具体的には、情報格納部110は、少なくとも、各信号機に対して、車両1が当該信号機を通過した回数(通過回数)、及び、車両1が当該信号機の信号状態(赤信号)によって停車した回数(停車回数)を示す信号機情報、信号機の位置を示す信号機位置情報、及び、車両1の現在位置を示す車両位置情報を格納する。信号機情報は、停車確率算出部120に出力される。
【0033】
なお、信号機情報は、例えば、道路情報取得装置20によって外部のサーバ装置(図示略)から取得され、情報格納部110に格納されてもよい。
【0034】
停車確率算出部120は、情報格納部110から入力される信号機情報(通過回数及び停車回数)に基づいて、信号機における車両1の停車確率を算出する。例えば、停車確率算出部120は、信号機情報に示される通過回数に対する停車回数の割合を停車確率として算出する。すなわち、停車回数が多いほど、停車確率はより高くなる。停車確率算出部120は、算出した停車確率を判定部130に出力する。
【0035】
判定部130は、停車確率算出部120から入力される停車確率に応じて、車両1が前方に設置された信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替える(選択する)。具体的には、判定部130は、停車確率が所定の閾値以上の場合(つまり、車両1が信号機で停車させられる確率が高い場合)には減速走行制御を選択し、停車確率が所定の閾値未満の場合(つまり、車両1が信号機で停車させられる確率が低い場合)には、例えば、現在使用している走行制御方法(例えば、定速走行制御又は追従走行制御)を選択する。判定部130は、選択した走行制御方法に関する情報を走行制御部140に出力する。
【0036】
走行制御部140は、エンジン用ECU10、動力伝達用ECU11及び制動装置40を制御し、車両1の走行を制御する。具体的には、走行制御部140は、運転者のアクセル操作やブレーキ操作等に応じてエンジン3における燃料噴射量や駆動系に対する制動力を制御する。また、走行制御部140は、判定部130から入力される走行制御方法に従って車両1の走行を制御する。
【0037】
また、走行制御部140は、減速走行制御を行う場合には、停車確率に応じて、減速走行制御での惰性走行による現車速(V[kph]と表す)からの減速量(x[kph]と表す)を決定してもよい。例えば、走行制御部140は、停車確率が高いほど、より大きい減速量xを設定してもよい。これにより、車両1は、車速が(V−x)[kph]になるまで惰性走行を行う。よって、停車確率が高い場合には、惰性走行により、車両1の車速が低くなるとともに、燃費を向上することが可能となる。
【0038】
また、走行制御部140は、道路情報取得装置20から、カメラ(図示略)などによって実際の信号機の信号状態(赤信号、青信号)を示す情報を取得した場合、信号機の信号状態に応じて車両1の駆動系及び制動系を制御してもよい。例えば、走行制御部140は、信号機が青信号の場合、所定の車速まで加速する加速走行を行い、信号機が赤信号の場合、信号機の所定の停止位置で車両1が停止するように減速走行を行う。また、走行制御部140は、停車確率に基づく減速走行制御を行っている最中に実際の信号機の信号状態を示す情報を取得した場合には、減速走行制御を解除し、実際の信号機の信号状態に基づく走行制御を開始する。
【0039】
また、走行制御部140は、車両位置情報及び信号機位置情報を用いて、車両1が信号機を通過したか否かを判断するとともに、当該信号機において車両1が停車したか否かを判断する。そして、走行制御部140は、判断結果に基づいて、対象の信号機に対する車両1の通過回数及び停車回数を示す信号機情報を更新し、更新した信号機情報を情報格納部110に出力する。つまり、情報格納部110に格納される信号機情報(通過回数及び停車回数)は、車両1が各信号機を通過する度に更新される。
【0040】
このような構成を有する走行制御装置100は、車両1の信号機での停車回数から算出される、当該信号機での車両1の停車確率に応じて自動走行制御を行うので、信号機の状態が切り替わるタイミングを特定できない場合でも、ブレーキ損失を抑え、かつ、燃費性の優れた車両1の走行を実現することができる。
【0041】
<走行制御装置の動作>
次に、前述した走行制御装置100の動作について説明する。
【0042】
図3は、走行制御装置100の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、走行制御装置100の動作のうち、信号機に到達するまでの減速走行制御に関する動作に着目して説明する。走行制御装置100は、例えば、自動走行制御(定速走行制御又は追従走行制御)を行っているときに、以下に示す動作を開始する。
【0043】
ステップ(以下、単に「ST」と表す)101では、停車確率算出部120は、情報格納部110から、車両1の現在位置から進行方向に存在する信号機(つまり、車両1がこれから通過する信号機)に対応する信号機情報(車両1の通過回数及び停車回数)を取得する。そして、情報格納部110は、取得した信号機情報を格納する。なお、情報格納部110は、道路に設置された信号機の各々に対応する信号機情報を格納している。
【0044】
ST102では、停車確率算出部120は、ST101で取得した信号機情報に示される通過回数に対する停車回数の割合である停車確率を算出する。
【0045】
ST103では、判定部130は、停車確率が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0046】
停車確率が所定の閾値未満である場合(ST103:NO)、ST104において、判定部130は、例えば、現在使用している走行制御方法(例えば、定速走行制御又は追従走行制御)を選択し、車両1の現車速での走行を継続させる。
【0047】
ST105では、走行制御部140は、カメラなどによって実際の信号機の信号状態が認識されたか否かを判断する。実際の信号機の信号状態が認識されない場合(ST105:NO)、走行制御部140は、ST104の走行制御を継続する。一方、実際の信号機の信号状態が認識された場合(ST105:YES)、走行制御部140は、ST108の処理(後述する)を行う。
【0048】
一方、停車確率が所定の閾値以上である場合(ST103:YES)、ST106において、判定部130は、減速走行制御を選択し、走行制御部140は、減速走行制御に従って走行を制御する。
【0049】
ST107では、走行制御部140は、カメラなどによって実際の信号機の信号状態が認識されたか否かを判断する。実際の信号機の信号状態が認識されない場合(ST107:NO)、走行制御部140は、ST106の減速走行制御を継続する。一方、実際の信号機の信号状態が認識された場合(ST107:YES)、走行制御部140は、ST108の処理を行う。
【0050】
ST108では、走行制御部140は、ST104又はST106の走行制御を解除し、実際の信号機の信号状態の認識結果に基づく走行制御を行う。なお、図3に示すST105、ST107及びST108において、走行制御部140は、実際の信号機の信号状態の認識結果の代わりに、運転者の操作を検出して、検出結果に基づいて走行制御を行ってもよい。
【0051】
ST109では、走行制御装置100は、車両1が信号機を通過した場合に、当該信号機において車両1が今回停車したか否かを判断し、判断結果に基づいて信号機情報に含まれる通過回数及び停車回数を更新し、情報格納部110に出力する。
【0052】
次に、図4は、走行制御部140における走行制御の動作例を示す図である。図4において、横軸は、信号機(地点4)までの車両1の位置を示し、縦軸は、車両1の車速を示す。図4では、車両1に対する走行制御の動作例1、2を示す。
【0053】
図4において、車両1は、信号機が設置された地点4に向かって走行しているものとする。
【0054】
また、車両1が地点1に到達するよりも前に、停車確率算出部120は、信号機情報を用いて、地点4の信号機での停車確率を算出し、判定部130は、算出された停車確率が第1の閾値(例えば、0.5)以上であり、減速走行制御を行うことを決定している。また、走行制御部140は、例えば、減速走行制御による減速によって車両1が地点4で停車するような減速開始位置として、車両1の現車速から惰性走行による減速によって、車両1が地点4で停止するような減速開始位置を決定してもよい。図4では、走行制御部140は、地点1を減速開始位置に決定する。
【0055】
次いで、走行制御部140は、減速走行制御における走行パターンを決定する。
【0056】
図4に示す動作例1の走行パターンは、惰性走行による減速走行と、惰性走行後の加速走行とが含まれる走行パターンである。具体的には、動作例1の走行パターンは、現車速V[kph]から所定速度(減速量x[kph])低い車速((V−x)[kph])まで惰性走行(予備的惰行)を行う区間aと、区間aの後に所定の車速(例えば、元の車速V、自動制御走行で設定された巡航車速、又は、道路交通法で規定された速度)まで加速走行を行う区間bとを1セットとする走行パターンである。
【0057】
図4に示す動作例2の走行パターンは、惰性走行による減速走行と当該減速走行後に車両1の駆動系を制御して行う減速走行とを含む走行パターンである。具体的には、動作例2の走行パターンは、現車速V[kph]から所定速度x[kph]低い車速((V−x)[kph])まで惰性走行(予備的惰行)を行う区間aと、区間aの直後に最高段以外のシフトによるエンジンブレーキ又は排気ブレーキ(補助ブレーキ43)による減速走行を行う区間bとを1セットとする走行パターンである。
【0058】
例えば、走行制御部140は、停車確率に応じて走行パターンを決定してもよい。例えば、走行制御部140は、停車確率が第2の閾値(>第1の閾値。例えば、0.75)未満の場合には、減速度合いが小さい走行パターン(例えば、動作例1)を選択し、停車確率が第2の閾値以上の場合には、減速度合いが大きい走行パターン(例えば、動作例2)を選択してもよい。
【0059】
なお、図4では、走行パターンについて1セット(区間a、区間b)のみを示しているが、走行制御部140は、停車確率に基づく減速走行制御による走行以外の走行(例えば、運転者の操作による走行、又は、図3のST108の走行制御による走行)が割り込まない限り、車両1が地点4を通過するまで、走行パターンを繰り返し実行する。つまり、車両1は、走行制御部140で制御される走行パターンを用いたパルスアンドグライド走行を行う。
【0060】
次いで、図4に示す地点3において、走行制御部140は、地点4の信号機の実際の状信号態を認識する。この場合、走行制御部140は、減速走行制御を解除し、認識された信号機の実際の信号状態に応じた走行制御を開始する。
【0061】
図4に示す動作例1では、走行制御部140は、減速走行制御を行っている最中に地点3において信号機が青信号であることを認識している。この場合、走行制御部140は、地点3から、所定の車速になるように加速(又は維持)して車両1を走行させるように制御する。これにより、車両1は、所定の車速で地点4の信号機を通過する。
【0062】
また、図4に示す動作例2では、走行制御部140は、減速走行を行っている最中に地点3において信号機が赤信号であることを認識している。この場合、走行制御部140は、地点3から、例えば、フットブレーキ41による減速走行を行う。これにより、車両1は、地点4の信号機における停止位置で停止する。
【0063】
なお、走行制御部140は、図4に示す動作例1において、地点3で信号機が赤信号であることを認識した場合(図示略)、地点3から、例えば、フットブレーキ41による減速走行を行い、車両1に対して地点4の信号機における停止位置で停止させればよい。同様に、走行制御部140は、図4に示す動作例2において、地点3で信号機が青信号であることを認識した場合(図示略)、地点3から、所定の車速まで加速して、車両1に対して地点4の信号機を通過させればよい。
【0064】
そして、車呂1が地点4の信号機を通過した場合、走行制御部140は、地点4の信号機に対する信号機情報(通過回数及び停車回数)を更新する。例えば、図4に示す動作例1の場合、車両1は地点4の信号機を青信号で通過しているので、走行制御部140は、地点4の信号機の通過回数をインクリメント(+1)する一方、停車回数をインクリメントしない。また、例えば、図4に示す動作例2の場合、車両1は地点4の信号機を赤信号で停車しているので、走行制御部140は、地点4の信号機の通過回数をインクリメントするとともに、停車回数をインクリメントする。
【0065】
このような動作により、走行制御装置100は、車両1の信号機での走行履歴に応じて動的に変動する停止確率に応じた走行制御を実現することができる。
【0066】
<実施の形態の効果>
以上のように、本実施の形態に係る走行制御装置100は、車両1が信号機を通過した通過回数と、車両1が当該信号機の信号状態によって停車した停車回数とを取得する情報格納部110と、通過回数及び停車回数を用いて、車両1が当該信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率を算出する停車確率算出部120と、停車確率に応じて、車両1が信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替える判定部130と、判定部130で切り替えられた走行制御方法に従って車両1の走行を制御する走行制御部140と、を有する。
【0067】
例えば、走行制御装置100が信号機での停車確率に基づく減速走行制御を行っている場合には、車両1は減速走行制御前よりも減速しているので、車両1が当該信号機において赤信号で実際に停車する際には急ブレーキの発生を減少させることができる。また、車両1は、当該信号機で停車するまでの間に、減速走行制御における惰性走行によって減速する区間が存在するので、車両1の燃費を改善することができる。つまり、車両1は、赤信号で停止する場合には、燃費を改善しつつ、急ブレーキによるブレーキ損失を防ぐことができる。
【0068】
また、走行制御装置100が信号機での停車確率に基づく減速走行制御を行っている場合でも、車両1が当該信号機を青信号で通過することもある。ただし、車両1において、減速走行制御を行わずに元の車速Vを維持したまま走行する場合に対して、減速走行制御(例えば、図4に示す動作例1)を行った場合に車両1が信号機を通過するまでの時間のロスは小さい。一方、走行制御装置100が減速走行制御を行った場合には、惰性走行(パルスアンドグライド走行)によって車両1の燃費を改善することができる。つまり、車両1は、燃費を改善しつつ、青信号を通過することができる。
【0069】
このように、本実施の形態に係る走行制御装置100は、信号機の実際の信号状態を特定していない場合でも、当該信号機での車両1の停車確率に基づいて、車両1の燃費及び時間のロスを回避しつつ、信号機までの走行を制御することができる。
【0070】
更に、本実施の形態に係る走行制御装置100は、停車確率に基づいて減速走行を行うことにより、信号機が実際に赤信号である場合には急ブレーキの発生を抑え、ブレーキ損失を抑えることができる。
【0071】
よって、本実施の形態によれば、信号機の状態が切り替わるタイミングを特定できない場合でも、ブレーキ損失を抑えかつ燃費性に優れた走行制御を実現することができる。
【0072】
更に、本実施の形態に係る走行制御装置100は、車両1が信号機を通過する度に停車確率を更新する。すなわち、走行制御装置100は、車両1の信号機での過去の走行履歴に応じて信号機を通過する際の走行制御方法を適切に選択することができる。
【0073】
<本実施の形態の変形例>
なお、以上説明した走行制御装置100の構成の一部は、走行制御装置100の構成の他の部分と物理的に離隔していてもよい。この場合、それらの構成は、互いに通信を行うための通信部をそれぞれ備える必要がある。
【0074】
また、停車確率に基づく減速走行制御において使用される走行パターンは、図4に示す動作例1の走行パターン(走行パターン1と呼ぶ)又は動作例2の走行パターン(走行パターン2と呼ぶ)に限定されるものではない。例えば、走行制御部140は、惰性走行を行って所定の速度(例えば、(V−x)[kph])まで減速し、その後、(V−x)[kph]を維持した走行を行う走行パターン(走行パターン3と呼ぶ)を用いてもよい。また、走行パターン3における減速量xは、停車確率に応じて設定されてもよい。例えば、走行制御装置100は、停車確率が所定の範囲内(例えば、0.4以上0.7未満)の場合に走行パターン1を使用し、停車確率が上記範囲よりも高い場合(例えば、0.7以上1未満)に走行パターン3を使用してもよい。なお、停車確率が1.0の場合(減速が不可避の場合)、走行制御装置100は、所定の減速を行う走行制御を行えばよい。
【0075】
また、走行制御装置100は、車両1の前走車が加速した場合には、減速走行制御を解除し、前走者に追従する追従走行制御を行ってもよい。
【0076】
また、上記実施の形態において、走行制御装置100は、停車確率が閾値以上であり、かつ、車両1周囲の交通流又は道路環境が車両1の減速を許容できる場合(例えば、片側2車線の場合)に、減速走行制御を行ってもよい。または、走行制御装置100は、停車確率が閾値以上であり、かつ、車両1の現車速が減速走行制御による燃費効果が大きい場合(例えば、40[kph]以上の場合)に、減速走行制御を行ってもよい。
【0077】
また、上記実施の形態において、走行制御装置100は、車両1の前走車が存在する場合には、当該前走車から前方の信号機の状態を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて走行制御を行ってもよい。これにより、走行制御装置100は、自車が信号機の状態を示す情報を取得する場合よりも早く情報を取得でき、走行制御の判断を早くすることができる。
【0078】
また、上記実施の形態では、走行制御装置100が停車確率算出部120を備える場合について説明したが、走行制御装置100は、停車確率算出部120を備えずに、外部のサーバ装置が停車確率算出部120と同様の処理を行ってもよい。この場合、走行制御装置100は、各信号機について、当該信号機を車両1が通過したことを示す情報、及び、通過した際に車両1が停止したか否かを示す情報をサーバ装置へ通知する。そして、サーバ装置は、各信号機における停車確率を算出し、更新される度に停車確率を走行制御装置100へ通知してもよい。
【0079】
また、走行制御装置100は、走行制御装置100が搭載された車両1に関する通過回数/停車回数の使用に限定されず、車両1において算出された通過回数/停車回数と、他の車両において算出された通過回数/停車回数を用いて停車確率を算出してもよく、他の車両において算出された通過回数/停車回数のみを用いて停車確率を算出してもよい。
【0080】
また、情報格納部110に格納される情報は、信号機情報(通過回数及び停車回数)に限定されず、停車確率が格納されてもよい。この場合、走行制御装置100は、更新した信号機情報を停車確率算出部120へ出力し、停車確率算出部120は、更新された信号機情報に基づいて、停車確率を算出(更新)し、更新した停車確率を情報格納部110に格納すればよい。
【0081】
また、上記実施の形態で説明した走行制御装置100の各機能は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、及び通信回路をそれぞれ有する。この場合、例えば、走行制御装置100を構成する上記各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
【0082】
<本開示のまとめ>
本開示の走行制御装置は、車両の走行を制御する装置であって、前記車両及び/又は他の車両が信号機を通過した通過回数と、前記車両及び/又は他の車両が当該信号機の信号状態によって停車した停車回数とを取得する取得部と、前記通過回数及び前記停車回数を用いて、前記車両が当該信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率を算出する停車確率算出部と、前記停車確率に応じて、前記車両が前記信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替える判定部と、前記判定部で切り替えられた走行制御方法に従って前記車両の走行を制御する走行制御部と、を有する。
【0083】
なお、上記走行制御装置において、前記停車確率は、前記車両及び/又は他の車両が前記信号機を通過する度に更新されてもよい。
【0084】
また、上記走行制御装置において、前記判定部は、前記停車確率が第1の閾値以上の場合、惰性走行による減速走行と、当該減速走行後の加速走行とを含む第1の走行制御方法を選択し、前記停車確率が前記第1の閾値未満の場合、前記車両の現在の走行速度を維持する第2の走行制御方法を選択してもよい。
【0085】
また、上記走行制御装置において、前記走行制御部は、前記第1の走行制御方法に従って走行を制御する場合、前記停車確率に応じて、前記現在の走行速度からの、前記惰性走行による減速量を決定してもよい。
【0086】
また、上記走行制御装置において、前記判定部は、更に、前記停車確率が前記第1の閾値以上かつ前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値未満の場合、前記第1の走行制御方法を選択し、前記停車確率が前記第2の閾値以上の場合、惰性走行による減速走行と、当該減速走行後の車速を維持する走行とを含む第3の走行制御方法を選択してもよい。
【0087】
また、上記走行制御装置において、前記走行制御部は、前記第3の走行制御方法に従って走行を制御する場合、前記停車確率に応じて、前記現在の走行速度からの、前記惰性走行による減速量を決定してもよい。
【0088】
また、本開示の走行制御方法は、車両の自動走行を制御する方法であって、前記車両及び/又は他の車両が信号機を通過した通過回数と、前記車両及び/又は他の車両が当該信号機で停車した停車回数とを取得するステップと、前記通過回数及び前記停車回数を用いて、前記車両が当該信号機の信号状態によって停車させられる確率である停車確率を算出するステップと、前記停車確率に応じて、前記車両が前記信号機に到達するまでの間の走行制御方法を切り替えるステップと、前記切り替えられた走行制御方法に従って前記車両の走行を制御するステップと、を有する。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示の一態様は、信号機における車両の通過履歴を用いた走行制御装置に有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 車両
2 走行制御システム
3 エンジン
4 クラッチ
5 変速機
6 推進軸
7 差動装置
8 駆動軸
9 車輪
10 エンジン用ECU
11 動力伝達用ECU
20 道路情報取得装置
30 車両情報取得装置
31 アクセルセンサ
32 ブレーキスイッチ
33 シフトレバー
34 ターンシグナルスイッチ
35 車速センサ
40 制動装置
41 フットブレーキ
42 リターダ
43 補助ブレーキ
100 走行制御装置
110 情報格納部
120 停車確率算出部
130 判定部
140 走行制御部
図1
図2
図3
図4