特許第6743467号(P6743467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6743467
(24)【登録日】2020年8月3日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/3725 20200101AFI20200806BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20200806BHJP
【FI】
   H05B45/3725
   H05B47/115
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-83529(P2016-83529)
(22)【出願日】2016年4月19日
(65)【公開番号】特開2017-195048(P2017-195048A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】福田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 弥生
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−051525(JP,A)
【文献】 特開2007−012331(JP,A)
【文献】 特開2014−220969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/3725
H05B 47/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から電圧が入力される第1のコンバータ回路と、
前記第1のコンバータ回路からの出力を光源に供給する第2のコンバータ回路と、
前記第1のコンバータ回路の出力電圧を定電圧制御するとともに、前記第2のコンバータ回路の出力電流を定電流制御し、第1のアダプタモジュールに接続可能な制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記第1のアダプタモジュールからの識別信号に応じて前記第1のコンバータ回路を駆動させ、前記第2のコンバータ回路を停止させた状態で消灯待機しておき、前記第1のアダプタモジュールから点灯指令を取得したとき、前記第2のコンバータ回路を駆動して前記光源を点灯させることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記光源点灯後、前記第1のアダプタモジュールから消灯指令を受けたとき、前記第2のコンバータ回路の駆動を停止し、前記第1のコンバータ回路の駆動を継続した状態で消灯待機に戻ることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1のアダプタモジュールとは異なる機能の第2のアダプタモジュールからの識別信号を取得したとき、または識別信号の送信がないとき、前記第1のコンバータ回路および前記第2のコンバータ回路を駆動させない状態で、消灯待機することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第2のアダプタモジュールからの点灯指令を取得したとき、前記第1のコンバータ回路を駆動させた後、前記第2のコンバータ回路を駆動させて前記光源を点灯させることを特徴とする請求項に記載の点灯装置。
【請求項5】
請求項1または請求項のいずれか1項に記載の点灯装置が設置された筺体と、前記第1のアダプタモジュールと、前記光源とを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項6】
請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の点灯装置が設置された筺体と、前記第1のアダプタモジュールまたは前記第2のアダプタモジュールと、前記光源とを備えたことを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アダプタモジュールの機能によって点灯回路の動作が異なる点灯装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、照明器具が信号線端子台と点灯回路と個別制御ユニットを搭載して構成され、各々に接続している配線のコネクタの接続方法を切り替えることで、信号線端子台と点灯回路の間における個別制御ユニットの有無を変更可能としている。これにより、特許文献1では、容易に点灯制御方式を切り替えて照明光の制御を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−086166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、個別制御ユニットの有無を変更した場合でも、点灯回路は照明光以外の制御について提示されておらず、この点において従来の技術はいまだ改善の余地を残すものであった。例えば、人感センサ付アダプタモジュールを備えた照明器具においては、人を検知してから点灯するまでに短い時間が要求されるような廊下などに設置された場合、人が照明器具を通り過ぎてから点灯してしまうようなことがあった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、人を検知してから点灯するまでに短い時間が要求されるような場所に設置された場合、確実に人に対して点灯開始できる点灯装置および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る点灯装置、電源から電圧が入力される第1のコンバータ回路と、前記第1のコンバータ回路からの出力を光源に供給する第2のコンバータ回路と、前記第1のコンバータ回路の出力電圧を定電圧制御するとともに、前記第2のコンバータ回路の出力電流を定電流制御し、第1のアダプタモジュールに接続された制御装置と、を備え、前記制御装置が、前記第1のアダプタモジュールからの識別信号に応じて前記第1のコンバータ回路の出力電圧を定電圧制御した状態で消灯待機しておき、前記第1のアダプタモジュールから点灯指令を受けたとき、前記第2のコンバータ回路を駆動して前記光源を点灯させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人を検知してから点灯するまでに短い時間が要求されるような場所に照明器具が設置された場合、確実に人に対して点灯開始できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る点灯装置1を示す回路図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る照明器具100の構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る点灯装置1の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態1に係る点灯装置1の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る点灯装置1を示す回路図、図2は本発明の実施の形態1に係る照明器具100の構成を示す図である。照明器具100は、複数のLED26を備えるLEDモジュール27と、点灯装置1と、収納部101と、この収納部101内に収納される人感センサ4aを備えたアダプタモジュール4と、を備えている。LEDモジュール27、点灯装置1、収納部101、およびアダプタモジュール4は、何れも照明器具100に設置される場合を示したが、LEDモジュール27と点灯装置1を設置した光源ユニットを器具に取り付ける構成であってもよいし、器具側に点灯装置1を設置し、この器具にLEDモジュール27を設置した光源ユニットを取り付ける構成であってもよい。点灯装置1は、昇圧チョッパ回路2(第1のコンバータ回路)、バックコンバータ回路3(第2のコンバータ回路)、および制御装置40を備えている。ここでは、LEDを光源として使用したが、LED以外の有機EL等の光源を使用してもよい。
【0011】
昇圧チョッパ回路2は、力率改善回路であり、整流回路8と、コンデンサ9と、抵抗31、32が直列接続した分圧回路と、インダクタ(チョークコイル)10と、スイッチング素子Q1と、ダイオード14と、コンデンサ17と、抵抗15、16が直列接続した分圧回路を備えている。整流回路8は、交流電源7と接続している。コンデンサ9は、整流回路8の出力端子に並列に接続する。抵抗31、32が直列接続した分圧回路は、このコンデンサ9に並列に接続される。コンデンサ9の両端電圧が抵抗31、32を用いて分圧され、制御装置40に入力される。インダクタ10は、一端が整流回路8の高電位側に接続される。
【0012】
スイッチング素子Q1は、本実施形態ではMOSFETであり、第1端子(本実施形態ではドレイン)、第2端子(本実施形態ではソース)および第1、2端子間をスイッチングするための制御端子(本実施形態ではゲート)を備え、インダクタ10の他端に第1端子が接続される。ダイオード14のアノードが、スイッチング素子Q1の第1端子とインダクタ10の他端との接続点に接続される。コンデンサ17は、ダイオード14のカソードに正極が接続され整流回路8の低電位側に負極が接続される電解コンデンサからなる。抵抗15、16が直列接続した分圧回路は、このコンデンサ17に並列に接続される。コンデンサ17の両端電圧が抵抗15、16を用いて分圧され制御装置40に入力される。
【0013】
バックコンバータ回路3は、スイッチング素子Q2と、ダイオード21と、インダクタ(チョークコイル)22と、コンデンサ23と、検出抵抗24を備えている。スイッチング素子Q2とダイオード21からなる直列回路が、昇圧チョッパ回路2のコンデンサ17と並列に接続されている。スイッチング素子Q2は、本実施形態ではMOSFETであり、第1端子(本実施形態ではドレイン)、第2端子(本実施形態ではソース)および第1、2端子間をスイッチングするための制御端子(本実施形態ではゲート)を備えている。この第1端子がコンデンサ17の一端(正極)と接続し、ダイオード21のカソードに第2端子が接続される。インダクタ22、コンデンサ23、および検出抵抗24がこの順に接続して直列回路を形成しており、この直列回路がダイオード21に並列に接続している。
【0014】
検出抵抗24は、バックコンバータ回路3に設けられており、LEDモジュール27に流れるLED電流の検出に用いられる。検出抵抗24からの検出電圧が制御装置40に入力され、制御装置40はこの検出電圧に基づいて、LEDモジュール27に流れる電流が一定電流になるようにバックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2をオンオフする。
【0015】
デジタル電源用制御装置として提供されるマイコンは既に各種のものが公知であるため、それら公知のマイコンを制御装置40に適宜に使用することができる。本実施の形態において一例として図1に示す制御装置40は、内部バスを介して互いに接続された駆動回路41、42、記憶部43、A/D変換回路44、処理装置45および通信回路46を備えている。駆動回路41、42は、スイッチング素子Q1、Q2それぞれをスイッチングするPWM信号を出力する。
【0016】
記憶部43は、例えば不揮発性メモリなどからなり、処理装置45で実行すべき演算プログラムおよび演算に用いられる各種データを記憶している。記憶部43に対して外部からデータの書き込みおよび読み出しが行われる。処理装置45は、スイッチング素子Q1、Q2のスイッチング制御におけるオン時間などを算出する。制御装置40には、抵抗15,16で分圧された電圧、抵抗31、32で分圧された電圧、および検出抵抗24で検知したLED電流に応じた電圧が入力される。A/D変換回路44でこれらの電圧値がデジタル値に変換され、このデジタル値を用いて処理装置45により演算処理が行われる。
【0017】
人感センサ4a付アダプタモジュール4は、照明器具100の収納部101内に収納され、制御装置40の処理装置45と通信回路46を介して通信を行う。処理装置45には、通信回路46を介してアダプタモジュール4からの調光指令値が入力される。処理装置45は、LED電流がこの調光指令値に基づいて決定される目標電流に一致するように、検出抵抗24で検知したLED電流に基づいてスイッチング素子Q2のオン時間を調整することで定電流制御を行っている。なお、通信回路46とアダプタモジュール4はシリアル通信により、調光指令値のほか、アダプタモジュール4の識別信号なども伝送する。
【0018】
図3、4は、本発明の実施の形態にかかる点灯装置1の動作を示すフローチャートである。以下、図3、4の各ステップに基づいて説明する。
【0019】
(S101)
図示しない壁スイッチやリモコンなどにより照明器具100の電源がオンされると、交流電源7は、点灯装置1と、アダプタモジュール4に電源を印加する。
【0020】
(S102)
照明器具100の収納部101内には人感センサ4a付アダプタモジュール4が収納されているので、アダプタモジュール4は、人感センサ4a用という機能を識別できる人感センサ4a用識別信号を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、人感センサ4a用識別信号を受信すると、予め記憶部43に設定した判定用識別情報をもとに、その識別信号を有効と判定し、ステップS103〜ステップS105に移行する。記憶部43には、予め人感センサ4a用識別信号という情報が、判定用識別情報の中で有効と判定する情報として設定されている。
【0021】
人感センサ4a付アダプタモジュール4とは異なる機能のアダプタモジュールも、収納部101内に収納でき、通信回路46を介して処理装置45と通信可能である。例えば照度センサ付アダプタモジュールが収納部101内に収納された場合、照度センサ付アダプタモジュールは、照度センサ用識別信号を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、照度センサ用識別信号を受信すると、予め記憶部43に設定した判定用識別情報をもとに、その識別信号を無効と判定し、ステップS106に移行する。記憶部43には、予め照度センサ用識別信号という情報が、判定用識別情報の中で無効と判定する情報として設定されている。
【0022】
また、照度センサ用識別信号という情報が、判定用識別情報の中にないときにも、無効と判定するように構成してもよい。処理装置45は、電源オン後、アダプタモジュールが収納部101内に設置されてもアダプタモジュールから所定時間、識別信号が送信されないときや、アダプタモジュールが設置されてなくて所定時間、識別信号が送信されないときも、無効と判定し、ステップS106に移行する。処理装置45は、無効と判定した時、駆動回路41、42により各々スイッチング素子Q1、Q2に対してスイッチング信号(PWM信号)を出力していないため、昇圧チョッパ回路2及びバックコンバータ回路3は駆動しておらず、LEDモジュール27は消灯状態となっている。
【0023】
(S103)
照明器具100の収納部101内に人感センサ4a付アダプタモジュール4が収納され有効と判定した後、処理装置45は、昇圧チョッパ回路2駆動用の駆動回路41を駆動する。駆動回路41は、昇圧チョッパ回路2のスイッチング素子Q1を駆動するために、スイッチング信号(PWM信号)を出力する。
【0024】
(S104)
処理装置45は、抵抗15、16を用いて分圧され入力された昇圧チョッパ回路2の出力電圧(コンデンサ17の両端電圧)が、予め記憶部43に設定されている目標電圧に達するように、駆動回路41によりスイッチング素子Q1をオンオフする。処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が、目標電圧に到達したかどうかの判定を行う。処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が目標電圧に到達するまで、判定を繰り返し、目標電圧に達すると、ステップS105に移行する。
【0025】
(S105)
処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が目標電圧に到達した後、その出力電圧が安定するまでの所定時間に達するまで、駆動回路41によりスイッチング素子Q1をオンオフする。処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が目標電圧に到達した後、その出力電圧が安定するまでの所定時間に達するまで、判定を繰り返し、所定時間に達すると、ステップS106に移行する。昇圧チョッパ回路2は、その出力電圧が目標電圧に達し所定時間維持して、定電圧制御がなされた安定した状態となっている。この時、処理装置45は、駆動回路42よりスイッチング素子Q2にスイッチング信号(PWM信号)を出力していないため、バックコンバータ回路3は駆動しておらず、LEDモジュール27は消灯状態となっている。
【0026】
(S106)
ステップS105からステップS106に移行した場合で、処理装置45により人感センサ4a付アダプタモジュール4が収納部101に設置され有効と判断した時、昇圧チョッパ回路2は、その出力電圧が目標電圧に到達し所定時間維持して、定電圧制御がなされた安定した状態となっているが、処理装置45は、駆動回路42によりバックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2を駆動していないため、LEDモジュール27は消灯した待機状態となっている。ステップS101の電源オンから、ステップS105の昇圧チョッパ回路2の定電圧制御の間も、処理装置45は、駆動回路42によりバックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2を駆動していないため、LEDモジュール27は消灯状態である。
【0027】
照明器具100としては、昇圧チョッパ回路2が目標電圧で定電圧制御された状態で、バックコンバータ回路3を駆動しないでLEDモジュール27を消灯状態にして、アダプタモジュール4からの点灯指令があるまで待機している。ステップS102からステップS106に移行した場合、上記したように処理装置45により人感センサ4a付アダプタモジュール4が収納部101に設置されずに無効と判断した時、処理装置45は、昇圧チョッパ回路2のスイッチング素子Q1もバックコンバータ回路2のスイッチング素子Q2のいずれもオフの状態で、昇圧チョッパ回路2及びバックコンバータ回路3を駆動させることなく、LEDモジュール27は消灯状態で、アダプタモジュールからの点灯指令があるまで待機する。
【0028】
(S107)
ステップS105からステップS106に移行した場合、人感センサ4a付アダプタモジュール4は、昇圧チョッパ回路2を定電圧制御維持し待機した状態で、人感センサ4aにより検知エリア内で人を検知すると、点灯指令を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、アダプタモジュール4から送信される点灯指令が受信されるまで、判定を繰り返し、点灯指令を受信すると、ステップS108へ移行する。処理装置45は、人感センサ4a付アダプタモジュール4からの点灯指令を受信するまで、バックコンバータ回路3を駆動しないでLEDモジュール27の消灯状態を継続する。
【0029】
ステップS102からステップS106に移行した場合、例えば点灯指令/消灯指令用の赤外線受光部を備えた照度センサ付アダプタモジュールは、昇圧チョッパ回路2及びバックコンバータ回路3とも駆動せずに待機した状態で、赤外線リモコン等で点灯用電源が投入されると、点灯指令を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、照度センサ付アダプタモジュールからの点灯指令を受信するまで、判定を繰り返し、点灯指令を受信すると、ステップS108へ移行する。
【0030】
処理装置45は、照度センサ付アダプタモジュールからの点灯指令を受信するまで、昇圧チョッパ回路2及びバックコンバータ回路3とも駆動しないでLEDモジュール27の消灯状態を継続する。なお、赤外線受光部のない照度センサ付アダプタモジュールの場合は、壁掛けスイッチで点灯指令用の電源投入を行うようにしてもよい。また、アダプタモジュールが設置されないで無効と判定され、ステップS102からステップS106へ移行して消灯状態で待機しているときも、点灯指令は壁掛けスイッチで電源投入するようにすればよい。
【0031】
(S108)
ステップS102の時と同様に、照明器具100の収納部101内に人感センサ4a付アダプタモジュール4が収納されているとき、人感センサ4a付アダプタモジュール4は、人感センサ4a用という機能を識別できる人感センサ4a用識別信号を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、人感センサ4a用識別信号を受信すると、予め記憶部43に設定した判定用識別情報をもとに、その識別信号を有効と判定し、ステップS112〜ステップS114に移行する。
【0032】
人感センサ4a付アダプタモジュール4とは異なる機能のアダプタモジュール、例えば照度センサ付アダプタモジュールが収納部101内に収納された場合、照度センサ付アダプタモジュールは、照度センサ用識別信号を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、照度センサ用識別信号を受信すると、予め記憶部43に設定した判定用識別情報をもとに、その識別信号を無効と判定し、ステップS109〜ステップS114に移行する。処理装置45は、アダプタモジュールが収納部101内に設置されてもアダプタモジュールから所定時間、識別信号が送信されないときや、アダプタモジュールが設置されてなくて所定時間、識別信号が送信されないときも、無効と判定し、ステップS109〜ステップS114に移行する。
【0033】
(S109)
ステップS108において、無効と判定後、処理装置45は、昇圧チョッパ回路2もバックコンバータ回路3も駆動していないので、まず、昇圧チョッパ回路2駆動用の駆動回路41を駆動する。駆動回路41は、昇圧チョッパ回路2のスイッチング素子Q1を駆動するために、スイッチング信号(PWM信号)を出力する。
【0034】
(S110)
処理装置45は、抵抗15、16を用いて分圧され入力された昇圧チョッパ回路2の出力電圧(コンデンサ17の両端電圧)が、予め記憶部43に設定されている目標電圧に達するように、駆動回路41によりスイッチング素子Q1をオンオフする。処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が、目標電圧に到達したかどうかの判定を行う。処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が目標電圧に到達するまで、判定を繰り返し、目標電圧に達すると、ステップS111に移行する。
【0035】
(S111)
処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が目標電圧に到達した後、その出力電圧が安定するまでの所定時間に達するまで、駆動回路41によりスイッチング素子Q1をオンオフする。処理装置45は、昇圧チョッパ回路2の出力電圧が目標電圧に到達した後、その出力電圧が安定するまでの所定時間に達するまで、判定を繰り返し、所定時間に達すると、ステップS112に移行する。昇圧チョッパ回路2は、その出力電圧が目標電圧に達し所定時間維持して、定電圧制御がなされた状態となっている。
【0036】
(S112)
ステップS108からステップS112に移行する場合、昇圧チョッパ回路2が定電圧制御された状態で待機しているときに人感センサ4aが人を検知すると、点灯指令を受信できるので、処理装置45は、直ちに、バックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2を駆動するために、駆動回路42よりスイッチング信号(PWM信号)を出力してスイッチング素子Q2をオンオフさせて、LEDモジュール27の点灯を開始する。
【0037】
ステップS111からステップS112に移行する場合、昇圧チョッパ回路2もバックコンバータ回路3も駆動せずに消灯状態で待機しているときにアダプタモジュールから点灯指令を受信すると、処理装置45は、通常点灯のときと同様、ステップS109〜ステップS111のように昇圧チョッパ回路2の定電圧制御を行った後に、人感センサ4a付アダプタモジュール4が設置されるような消灯待機状態を経ることなく、バックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2を駆動するために、駆動回路42よりスイッチング信号(PWM信号)を出力してスイッチング素子Q2をオンオフさせて、LEDモジュール27の点灯を開始する。壁掛けスイッチや赤外線リモコンを活用して点灯指示を出してステップS111からステップS112に移行する場合も、上記と同様、通常点灯の処理を行う。
【0038】
(S113)
人感センサ4a付アダプタモジュール4、照度センサ付アダプタモジュールいずれが設置された場合も、LED点灯開始後のステップS112〜S114までの動作は、同様の定電流制御処理である。処理装置45には、通信回路46を介してアダプタモジュールから調光指令値が入力される。処理装置45は、アダプタモジュールから送信される調光指令値に応じた目標電流をもとに、検出抵抗24にて検出されたLED電流が目標電流に一致するように、駆動回路42によりバックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2をオンオフする。処理装置46は、LED電流が目標電流に到達するまで判定を行い、目標電流に到達すると、ステップS114へ移行する。
【0039】
(S114)
人感センサ4a付アダプタモジュール4が設置された場合、人感センサ4a付アダプタモジュール4は、LEDモジュール27を定電流制御で点灯しているときに、消灯指令を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、アダプタモジュール4から送信される消灯指令が受信されるまで、判定を繰り返し、消灯指令を受信すると、ステップS115へ移行する。処理装置45は、人感センサ4a付アダプタモジュール4からの消灯指令を受信するまで、バックコンバータ回路3を駆動してLEDモジュール27の点灯状態を継続する。
【0040】
人感センサ4a付アダプタモジュール4からの消灯指令を送信するタイミングは、人感センサ4aが人を検知してからその照明器具100を人が通過するのに十分な所定時間(例えば10秒)であり、アダプタモジュール4内のタイマーにて予め設定される。人感センサ4a付アダプタモジュール4は、タイマーにて設定された所定時間に達すると、消灯指令を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。赤外線受光部を備えた照度センサ付アダプタモジュールが設置された場合、照度センサ付アダプタモジュールは、LEDモジュール27を通常点灯しているときに、赤外線リモコン等で消灯指示がなされると、消灯指令を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、照度センサ付アダプタモジュールからの消灯指令を受信するまで判定を繰り返し、消灯指令を受信すると、ステップS115へ移行する。
【0041】
(S115)
ステップS102、S108の時と同様に、照明器具100の収納部101内に人感センサ4a付アダプタモジュール4が収納されているとき、人感センサ4a付アダプタモジュール4は、人感センサ4a用という機能を識別できる人感センサ4a用識別信号を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、人感センサ4a用識別信号を受信すると、予め記憶部43に設定した判定用識別情報をもとに、その識別信号を有効と判定し、ステップS116に移行する。
【0042】
人感センサ4a付アダプタモジュール4とは異なる機能のアダプタモジュール、例えば照度センサ付アダプタモジュールが収納部101内に収納された場合、照度センサ付アダプタモジュールは、照度センサ用識別信号を、通信回路46を介して処理装置45に送信する。処理装置45は、照度センサ用識別信号を受信すると、予め記憶部43に設定した判定用識別情報をもとに、その識別信号を無効と判定し、ステップS116、ステップS117に移行する。処理装置45は、アダプタモジュールが収納部101内に設置されてもアダプタモジュールから識別信号が送信されないときや、アダプタモジュールが設置されてなくて識別信号が送信されないときも、無効と判定し、ステップS116、ステップS117に移行する。
【0043】
(S116)
人感センサ4a付アダプタモジュール4が設置され有効と判定した場合、処理装置45は、駆動回路42から出力される信号を停止してバックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2の駆動を停止し、LEDモジュール27を消灯した待機状態にしてステップS106に戻る。この時、処理装置45は、昇圧チョッパ回路2側の定電圧制御をそのまま継続しており、定電圧制御の状態で消灯状態となっている。これに対し、照度センサ付アダプタモジュールが設置された場合など無効と判定された場合、処理装置45は、駆動回路42からの信号を停止してバックコンバータ回路3のスイッチング素子Q2の駆動を停止し、ステップS117へ移行する。
【0044】
(S117)
バックコンバータ回路3停止後、処理装置45は、駆動回路41から出力されるスイッチング信号を停止して、昇圧チョッパ回路2のスイッチング素子Q1の駆動も停止させて、ステップS106に戻る。処理装置45は、照度センサ付アダプタモジュールが設置された場合など無効と判定された場合、昇圧チョッパ回路2及びバックコンバータ回路3とも停止し消灯した状態で待機する。
【0045】
この実施の形態では、人感センサ4a付アダプタモジュール4が設置された時にアダプタモジュール4から送信される識別信号を有効と判定した場合、昇圧チョッパ回路2の定電圧制御を行った状態で、バックコンバータ回路3側を停止し消灯した状態で待機するように構成したため、消灯待機状態から点灯指令により点灯状態へ移行する際に、ステップS109〜ステップS111には移行せず、昇圧チョッパ回路2の定電圧制御の一連の処理を一々最初から行うことなく、昇圧チョッパ回路2の定電圧制御の消灯待機状態から、直ちにバックコンバータ回路3を駆動させてLEDモジュール27を点灯開始することができる。このため、消灯待機状態の時に、人感センサ4aで人が検知されアダプタモジュール4から点灯指令が送信されてから、点灯開始するまでの時間を短縮することができる。したがって、人を検知してから点灯するまでに、短い時間が要求される場所、例えば廊下などに照明器具100が設置された場合でも、人が照明器具100を通り過ぎてから点灯してしまうようなことがなくなり、確実に人に対して点灯することができる。
【0046】
なお、アダプタモジュール4から送信される識別信号が有効の場合と、識別信号が無効または識別信号の送信がなくて無効の場合とで、識別信号の判定を逆にして構成してもよい。これにより、アダプタモジュール4から送信される識別信号が無効の場合または識別信号の送信がなくて無効の場合は、消灯状態から点灯状態へ移行する際に、ステップS109からステップS111には移行しないため、即ち、昇圧チョッパ回路2を定電圧制御し消灯した状態で点灯指令により直ちにバクコンバータ回路3を駆動してLEDモジュール27を点灯開始することができる。このため、アダプタモジュールから点灯指令が送信されてから点灯開始するまでの時間を短縮することができる。
【0047】
また、人感センサ付アダプタモジュール4とは異なる機能のアダプタモジュールとして照度センサ付アダプタモジュールを例示して説明したが、他の照明器具や照明制御機器との通信を行うための無線通信機能を備えたアダプタモジュールで構成してもよいし、PLCユニットを含むアダプタモジュールで構成してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 点灯装置、2 昇圧チョッパ回路、3 バックコンバータ回路、4 アダプタモジュール、7 交流電源、8 整流回路、9、17、23 コンデンサ、10、22 インダクタ、14、21 ダイオード、15、16、31、32 抵抗、24 検出抵抗、26 LED、27 LEDモジュール、40 制御装置、41、42 駆動回路、43 記憶部、44 A/D変換回路、45 処理装置、46 通信回路、100 照明器具、Q1、Q2 スイッチング素子。
図1
図2
図3
図4