(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1〜
図8に基づいて本実施形態にかかる検査装置を説明する。この検査装置10は、回路基板の設計レイアウトを決定する際に用いられる。回路基板が測定対象物に相当する。
【0013】
回路基板は、配線基板と、配線基板に設けられた電子素子と、を有する。配線基板は絶縁基板と、この絶縁基板に形成された配線パターンと、を有する。絶縁基板にはスルーホールが形成されている。このスルーホールに電子素子のリードが挿入される。そしてリードと配線パターンとがはんだなどによって電気的および機械的に接続される。
【0014】
このように配線基板に電子素子を搭載することで回路基板の設計レイアウトが決定される。この回路基板に電源が接続され、それによって回路基板の駆動が開始すると、回路基板に電磁ノイズが発生する。この電磁ノイズの発生を抑制するためには、コンデンサなどの回路素子を配線基板に新たに搭載することになる。すなわち、設計レイアウトの見直しが必要になる。電磁ノイズの発生の抑制を検証するには、この設計レイアウトの変更を必要に応じて繰り返すことになる。
【0015】
このような設計レイアウトの変更に伴う工数の増大を抑制するのに検査装置10は用いられる。以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、z方向と示す。
【0016】
(検査装置の概要)
図1に示すように検査装置10は、本体部30、プローブ50、および、架橋部70を有する。本体部30はユーザが手などで把持するものである。本体部30はユーザが片手で把持する形状となっている。また本体部30はユーザの操作によって弾性変形可能となっている。この本体部30に複数のプローブ50が設けられている。ユーザによる本体部30の弾性変形によって、複数のプローブ50の相対距離が変動する。このプローブ50の先端が、回路基板におけるノイズ検証部位に接触される。
【0017】
架橋部70は複数のプローブ50を電気的に接続している。架橋部70はコンデンサなどのノイズ対策素子74を有する。このノイズ対策素子74が複数のプローブ50と電気的に接続されている。したがって2つのプローブ50がノイズ検証部位に接触されると、そのノイズ検証部位に対して、2つのプローブ50と架橋部70によって構成されたバイパス経路が接続される。このバイパス経路に上記のノイズ対策素子74が直列接続されている。このためバイパス経路とノイズ対策素子74から成るバイパス回路がノイズ検証部位に並列接続される。このように検査装置10によれば、回路基板の設計レイアウトを変更することなく、任意のノイズ検証部位にバイパス回路を並列接続することができる。このような検査装置10の回路基板への接続をユーザが適宜選択し、その都度回路基板の出力をスペクトラムアナライザーなどによって検証する。こうすることで設計レイアウトの変更に伴う工数の増大が抑制される。
【0018】
なおもちろんではあるが、複数の検査装置10を用意しておき、これら複数の検査装置10を回路基板に接触することで、設計レイアウトの変更を検討してもよい。この複数の検査装置10それぞれのノイズ対策素子74はもちろん異なってもよい。また、回路基板を作成している途中において、配線基板に検査装置10を電子素子の代わりとして接続する。こうすることで回路基板の設計レイアウトを検証してもよい。
【0019】
(検査装置の構成)
次に、検査装置10の構成を詳説する。
図1に示すように検査装置10の本体部30は、第1把持部31、第2把持部32、および、連結部41を有する。これら第1把持部31、第2把持部32、および、連結部41それぞれの形成材料は弾性体である。この弾性体は、絶縁性の樹脂である。本体部30は射出成型などによって製造される。第1把持部31、第2把持部32、および、連結部41は一体である。
図1では第1把持部31、第2把持部32、および、連結部41の境界が不明りょうとなることを避けるために、連結部41を破線で囲って示している。連結部41が第1連結部に相当する。
【0020】
第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部は連結部41によって一体的に連結されている。これにより第1把持部31と第2把持部32それぞれは連結部41によって片持ち支持され、その先端が自由端となっている。第1把持部31と第2把持部32それぞれの先端はx方向で離間している。
【0021】
本実施形態の本体部30はいわゆるピンセットと同一の形状を成している。ユーザは第1把持部31と第2把持部32とを片手でつかみ、第1把持部31と第2把持部32それぞれの先端が互いに近づくように本体部30を弾性変形させる。若しくは、ユーザは第1把持部31と第2把持部32それぞれの先端が互いに離れるように本体部30を弾性変形させる。これにより第1把持部31と第2把持部32の先端同士の離間間隔が変動する。
【0022】
第1把持部31と第2把持部32それぞれの先端にプローブ50が設けられる。上記の本体部30の弾性変形により、第1把持部31と第2把持部32それぞれのプローブ50の相対位置が変動する。これにより回路基板と接触される2つのプローブ50の先端の間隔が変動する。
【0023】
図2に示すようにプローブ50は電気的接点51と導電部52を有する。電気的接点51は接触端子53、スプリング54、および、筒部55を有する。筒部55は底を有する筒形状を成している。この筒部55の中空にスプリング54とともに接触端子53が挿入される。接触端子53と筒部55とはスプリング54を介して電気的および機械的に接続される。接触端子53の延長方向に沿う圧力が接触端子53に付与されるとスプリング54が弾性変形する。これにより接触端子53は筒部55の中空に対して挿抜するように移動可能となっている。なお
図2では筒部55の中にスプリング54があることを示すために、スプリング54を破線で示している。
【0024】
回路基板との接触によって接触端子53に筒部55の中空へと向かう応力が印加されるとスプリング54は縮む。これによりスプリング54は回路基板へと向かう復元力を接触端子53に付与する。この復元力によって接触端子53の先端が回路基板に押圧される。これにより接触端子53と回路基板との接触が確保される。電気的接点51と回路基板との電気的な接続が安定化される。
【0025】
導電部52は筒部55の外径よりも広い内径を有している。そして導電部52の中空にはストッパ52aが形成されている。このストッパ52aと導電部52の開口部との離間距離は筒部55と等しくなっている。筒部55の端部がストッパ52aに接触するまで、筒部55を導電部52の中空に挿入する。すると導電部52に筒部55が収納され、導電部52の開口部から接触端子53が外に飛び出す態様となる。導電部52と筒部55とは互いに接触し、互いに電気的に接続される。これにより、導電部52と接触端子53とが、筒部55とスプリング54とを介して電気的に接続されている。このプローブ50のインピーダンスは、接触端子53への応力の印加によるスプリング54の弾性変形に応じて変化する。すなわち、
図4に示すプローブ50の長さLに応じてインピーダンスが変化する。また、架橋部70によって連結される2つのプローブ50の離間距離Wによってもインピーダンスが変化する。これにより上記のバイパス回路によって構成される共振回路の共振点が変化する。なお
図2では導電部52の中にストッパ52aがあることを示すために、ストッパ52aを破線で示している。
【0026】
図1に示すように、第1把持部31と第2把持部32それぞれはプローブ50の接触端子53が設けられる自由端部30aと、自由端部30aと連結部41とを連結する固定端部30bと、を有する。自由端部30aと固定端部30bそれぞれは一方向に延びた直線形状を有する。しかしながら自由端部30aと固定端部30bの延びる方向は異なっている。そのために自由端部30aと固定端部30bとは交差して連結されている。固定端部30bの一端が連結部41に連結され、他端が自由端部30aの一端と一体的に連結されている。自由端部30aの他端が把持部の先端(自由端)となっている。
【0027】
第1把持部31と第2把持部32それぞれの固定端部30bの一端が連結部41に固定されている。第1把持部31と第2把持部32それぞれの固定端部30bは、x方向で互いに対向している。第1把持部31の固定端部30bと第2把持部32の固定端部30bとのx方向における離間距離は、z方向に沿って連結部41から離れるにしたがって徐々に長くなっている。このように第1把持部31の固定端部30bと第2把持部32の固定端部30bは、z方向において連結部41側から自由端部30a側に向かうにしたがって末広がりになっている。
【0028】
第1把持部31と第2把持部32それぞれの自由端部30aは、x方向で互いに対向している。第1把持部31の自由端部30aと第2把持部32の自由端部30aとのx方向における離間距離は、z方向において連結部41側からプローブ50側に向かうにしたがって徐々に短くなっている。この結果、第1把持部31と第2把持部32それぞれの自由端部30aの他端のx方向の離間距離が、第1把持部31と第2把持部32それぞれの固定端部30bの他端のx方向の離間距離よりも短くなっている。
【0029】
図3に示すように自由端部30aと固定端部30bには、プローブ50を挿入して固定するための挿入孔30cが形成されている。挿入孔30cは自由端部30aと固定端部30bとの連結部位から、自由端部30aの他端(先端)へと向かって、自由端部30aの延びる方向に沿って形成されている。挿入孔30cは上記の連結部位と先端それぞれで開口している。この挿入孔30cの連結部位の開口部から先端の開口部へと向かって、接触端子53を先頭としてプローブ50が挿入される。これにより、
図4に示すように挿入孔30cに導電部52が収納され、自由端部30aの先端から接触端子53が外に飛び出す態様となっている。挿入孔30cの連結部位側の開口部は樹脂などによって閉塞される。
【0030】
架橋部70は第1把持部31のプローブ50と第2把持部32のプローブ50とを電気的に接続する。
図5に示すように架橋部70は、可撓基板71、第1配線基板72、第2配線基板73、および、ノイズ対策素子74を有する。架橋部70が第2連結部に相当する。
【0031】
可撓基板71は可撓性を有する。可撓基板71はフレキシブル基板である。可撓基板71は第1配線パターン75を有する。
図4および
図5に示すように、可撓基板71はx方向に延びた形状を成している。そして可撓基板71の中央は、連結部41側に凸となるように湾曲している。そのために可撓基板71はx方向に弾性変形し易くなっている。この可撓基板71の一端に第1配線基板72が連結されている。可撓基板71の他端に第2配線基板73が連結されている。
【0032】
第1配線基板72と第2配線基板73それぞれは可撓基板71よりも硬い材料で形成されている。第1配線基板72と第2配線基板73はガラエポ基板である。第1配線基板72と第2配線基板73は第2配線パターン76を有する。この第2配線パターン76ははんだなどを介して第1配線パターン75と電気的に接続されている。
【0033】
第1配線基板72と第2配線基板73それぞれはx方向に延びた形状を成している。第1配線基板72と第2配線基板73それぞれの一端が可撓基板71と連結される。第1配線基板72と第2配線基板73それぞれの他端が導電部52と接続される。
【0034】
図5に示すように、第1配線基板72と第2配線基板73それぞれの一端の上面に可撓基板71の下面が連結されている。これにより第1配線基板72と第2配線基板73それぞれの一端の端面はx方向で離間している。本実施形態では第1配線基板72と第2配線基板73それぞれの一端の端面の少なくとも一部がx方向で互いに対向している。
【0035】
図5に示すように第1配線基板72と第2配線基板73それぞれの他端の中央部が切欠いている。これにより第1配線基板72と第2配線基板73それぞれの他端は二又に分かれた形状になっている。
【0036】
図5に示すように第1把持部31と第2把持部32それぞれの自由端部30aには、挿入孔30cと連通する横穴30dが形成されている。横穴30dはx方向に沿って形成されている。この横穴30dを形作る4面のうちの自由端部30aの延びる方向に交差する上面と下面とに挿入孔30cが開口している。そのために挿入孔30cに挿入されたプローブ50の導電部52が横穴30dの上面と下面とを貫いている。これにより導電部52の一部が横穴30dに設けられている。なお横穴30dは第1把持部31と第2把持部32の互いに対向する面と、その反対側の面に開口しているが、対向する面の開口面積は、反対側の面の開口面積よりも狭くなっている。横穴30dを形作る上面は、対向する面から反対側の面に向かうにしたがって横穴30dを形作る下面から徐々に遠ざかる斜面形状となっている。
【0037】
第1把持部31の横穴30dに設けられた導電部52が、第1配線基板72の端部の二又に分かれた部位の間の端面と接触している。導電部52と第1配線基板72の第2配線パターン76とははんだを介して電気的に接続されている。第1配線基板72は横穴30dを形作る下面に接着材によって固定されている。
【0038】
同様にして、第2把持部32の横穴30dに設けられた導電部52が、第2配線基板73の端部の二又に分かれた部位の間の端面と接触している。導電部52と第2配線基板73の第2配線パターン76とははんだを介して電気的に接続されている。第2配線基板73は横穴30dを形作る下面に接着材によって固定されている。
【0039】
ノイズ対策素子74は第1配線基板72に設けられている。このノイズ対策素子74の設けられる第1配線基板72の第2配線パターン76の一部が除去されて、電気的な接続が断たれている。ノイズ対策素子74はこの電気的な接続が断たれた第2配線パターン76を架橋して接続するように、はんだによって第1配線基板72に固定されている。ノイズ対策素子74の一部は第1把持部31の横穴30d内に設けられている。
【0040】
以上に示した電気的な接続構成により、第1把持部31のプローブ50、ノイズ対策素子74、架橋部70、および、第2把持部32のプローブ50によってバイパス回路が構成されている。
【0041】
検査装置10は、本体部30、プローブ50、および、架橋部70の他に、第1把持部31と第2把持部32それぞれのプローブ50の相対位置を規定する位置規定部90を有する。位置規定部90は、
図1に示す連結ネジ91と、
図1と
図6に示すナット92を有する。
図3に示すように第1把持部31と第2把持部32それぞれの固定端部30bには、連結ネジ91を挿入するための規定孔30eが形成されている。規定孔30eは第1把持部31と第2把持部32の対向する方向に沿って形成されている。
図1で言えば、規定孔30eはx方向に沿って形成されている。規定孔30eは、第1把持部31と第2把持部32の互いに対向する面(以下、内面と示す)と、その反対側の外面それぞれに開口している。
【0042】
第1把持部31の規定孔30eにはネジ溝が形成されている。この第1把持部31の規定孔30eに連結ネジ91が締結される。連結ネジ91はネジ頭93とネジ軸94を有する。ネジ軸94の端部にネジ頭93が一体的に連結されている。このネジ頭93が第1把持部31の外面と接触するように、第1把持部31と第2把持部32それぞれの規定孔30eに連結ネジ91が挿入される。これによりネジ軸94の先端が第2把持部32の規定孔30eを挿通している。
【0043】
第2把持部32の規定孔30eはネジ軸94よりも径が長くなっている。連結ネジ91と第2把持部32の規定孔30eを構成する内壁面とは、本体部30の弾性変形によっては、非接触状態となっている。ナット92は、第2把持部32の規定孔30eから外に飛び出したネジ軸94の先端に取り付けられている。このためネジ頭93とナット92との間に第1把持部31と第2把持部32それぞれの固定端部30bが位置している。ナット92の連結ネジ91への取り付け位置は、連結ネジ91の軸方向に可変となっている。このナット92のネジ軸94への取り付け位置の調整により、第1把持部31と第2把持部32との最大離間距離が規定される。
【0044】
図7の(a)欄に示すように、本実施形態では、ユーザによって本体部30が弾性変形させられていない場合、ナット92と第2把持部32とは離間している。しかしながら、
図7の(b)欄に示すように、例えばユーザが第1把持部31と第2把持部32の先端が互いに離れるように本体部30を変形すると、第2把持部32がナット92に接触する。これにより第1把持部31と第2把持部32との最大離間距離が規定されている。この本体部30の変形により可撓基板71は伸びるように変形する。しかしながらその可撓基板71の伸びは、上記の第2把持部32とナット92との接触によって規定される。なおもちろんではあるが、ユーザによって本体部30が弾性変形させられていない状態において、ナット92と第2把持部32とが接触する構成を採用することもできる。
【0045】
図7の(c)欄に示すように、ユーザによって第1把持部31と第2把持部32の先端が互いに近づくように本体部30が変形すると、第1配線基板72と第2配線基板73の一端の端面同士が接触する。これにより第1把持部31と第2把持部32との最小離間距離が規定されている。この本体部30の変形により可撓基板71は縮むように変形する。しかしながらその可撓基板71の縮みは、上記の第1配線基板72と第2配線基板73との接触によって規定されている。この第1配線基板72と第2配線基板73との接触により、第1把持部31のプローブ50と第2把持部32のプローブ50との接触が避けられている。
【0046】
(ノイズ検証方法)
次に、
図8に基づいて検査装置10を用いたノイズ検証方法を説明する。先ずステップS10において、ユーザはノイズ対策素子74を選択する。本実施形態の検査装置10は本体部30にノイズ対策素子74の設けられた架橋部70がはんだによって接続された構成となっている。そのため、ユーザは異なるノイズ対策素子74を有する検査装置10を複数用意し、その複数の検査装置10の中から、ノイズ検証に用いるノイズ対策素子74の設けられたものを選択する。この後にユーザはステップS20へ進む。なお、第4実施形態などで例示するように、検査装置10へのノイズ対策素子74の取り付けが可変な構成の場合、ステップS10においてユーザはノイズ検証に用いるノイズ対策素子74を選択し、それを検査装置10に取り付ける。
【0047】
ステップS20において、ユーザは本体部30を把持して、回路基板のノイズ検証部位に応じて本体部30を弾性変形させる。すなわちユーザは第1把持部31と第2把持部32とを手でつかみ、回路基板のノイズ検証部位に応じて第1把持部31と第2把持部32それぞれの先端が互いに近づくように、若しくは、互いに離れるように本体部30を弾性変形させる。これにより第1把持部31と第2把持部32それぞれに設けられたプローブ50の接触端子53の相対距離を変動させる。ユーザはこの接触端子53の先端をノイズ検証部位に押圧する。こうすることでプローブ50のスプリング54を弾性変形させ、スプリング54の復元力によって接触端子53とノイズ検証部位との電気的な接続を安定化させる。この後にユーザはステップS30へ進む。
【0048】
ステップS30において、ユーザはスペクトルアナライザなどによって回路基板の出力に含まれる電磁ノイズが減少したか否かを判定する。電磁ノイズがユーザの所望値よりも減少した場合、ノイズ検証は終了となる。これとは異なり電磁ノイズが所望値よりも減少していない場合、ユーザはステップS40へ進む。
【0049】
ステップS40において、ユーザは検査装置10と回路基板との接触位置を変更する。すなわちユーザはノイズ検証部位を変更する。この後にユーザはステップS50へ進む。
【0050】
ステップS50において、ユーザはスペクトルアナライザなどによって回路基板の出力に含まれる電磁ノイズが減少したか否かを判定する。電磁ノイズが所望値よりも減少した場合、ノイズ検証は終了となる。これとは異なり電磁ノイズが所望値よりも減少していない場合、ユーザはステップS10へと戻る。そしてユーザは再度ステップS10〜ステップS50の処理を繰り返す。以上に示したように、回路基板の設計レイアウトを変更せずに、検査装置10や検査装置10の接触位置を変更することで電磁ノイズの減少を検証する。
【0051】
(作用効果)
次に、本実施形態にかかる検査装置10の作用効果を説明する。上記したように検査装置10は本体部30とプローブ50を有する。本体部30は、第1把持部31、第2把持部32、および、連結部41を有する。これら第1把持部31、第2把持部32、および、連結部41は同一の弾性体からなる。第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部が連結部41によって一体的に連結されている。これにより本体部30を弾性変形させることで、第1把持部31と第2把持部32の先端同士の離間間隔が変動する。
【0052】
第1把持部31と第2把持部32それぞれにプローブ50が設けられている。したがって本体部30の弾性変形により、第1把持部31と第2把持部32それぞれのプローブ50の相対位置を変動させることができる。
【0053】
以上により、回路基板の形状や配置、また測定対象物として回路基板そのものが変更されたとしても、それに応じて第1把持部31と第2把持部32それぞれのプローブ50の相対位置を変動する。これにより検査装置10と回路基板との電気的な接続が困難となることが抑制される。
【0054】
検査装置10は架橋部70を有する。架橋部70はノイズ対策素子74を有し、架橋部70によって第1把持部31と第2把持部32それぞれのプローブ50が電気的に接続されている。これによれば回路基板の設計レイアウトを変更しなくとも、回路基板の電磁ノイズの増減を検証することができる。そのためノイズ検証時間を短縮することができる。
【0055】
第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部が連結部41によって一体的に連結されている。これによれば、例えば複数の把持部の中央部が連結部によって連結される構成とは異なり、第1把持部31と第2把持部32それぞれと連結部41との連結部位が、ユーザによる第1把持部31と第2把持部32の操作の妨げになることが抑制される。
【0056】
プローブ50の電気的接点51は接触端子53とスプリング54を有し、接触端子53の延長方向に沿う圧力によってスプリング54が弾性変形する。これによれば、スプリング54の復元力によって接触端子53と回路基板との接触状態が確保される。この結果、電気的接点51と回路基板との電気的な接続が安定化される。
【0057】
架橋部70は、可撓基板71、第1配線基板72、第2配線基板73、および、ノイズ対策素子74を有する。可撓基板71は可撓性を有し、その中央は湾曲している。この可撓基板71の両端に、可撓基板71よりも硬い第1配線基板72と第2配線基板73が連結されている。そして第1配線基板72にノイズ対策素子74が搭載されている。第1配線基板72は第1把持部31に固定され、第2配線基板73は第2把持部32に固定されている。
【0058】
これによれば、第1把持部31と第2把持部32の相対位置の変動によって、ノイズ対策素子74とプローブ50との接続が不安定になることが抑制される。
【0059】
またノイズ対策素子74が可撓基板71に搭載される構成と比べて、第1把持部31と第2把持部32の相対位置の変動による可撓基板71の変形によって、ノイズ対策素子74と架橋部70との接続が不安定になることが抑制される。
【0060】
位置規定部90により第1把持部31と第2把持部32との最大離間距離が規定されている。これにより、架橋部70の可撓基板71の伸びが規定されている。そのため第1把持部31と第2把持部32との離間により架橋部70に損傷が生じることが抑制される。
【0061】
架橋部70の有する第1配線基板72と第2配線基板73の一端の端面同士の接触により第1把持部31と第2把持部32との最小離間距離が規定されている。これにより、架橋部70の可撓基板71の縮みが規定されている。そのため第1把持部31と第2把持部32との接近により架橋部70に損傷が生じることが抑制される。
【0062】
ノイズ対策素子74の一部は第1把持部31の横穴30d内に設けられている。これによれば、ノイズ対策素子74に外部から力が印加されることが抑制される。そのためノイズ対策素子74と架橋部70との接続が不安定になることが抑制される。なおもちろんではあるが、ノイズ対策素子74の全てが横穴30d内に設けられた構成を採用することもできる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を
図9および
図10に基づいて説明する。以下に示す各実施形態にかかる検査装置は上記した実施形態によるものと共通点が多い。そのため以下においては共通部分の説明を省略し、異なる部分を重点的に説明する。また以下においては上記した実施形態で示した要素と同一の要素には同一の符号を付与する。
【0064】
第1実施形態では、第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部が連結部41によって一体的に連結された例を示した。これに対して本実施形態では、別体の第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部が、連結ネジ42によって回転可能に連結された構成となっている点を特徴とする。連結ネジ42が第1連結部に相当する。
【0065】
図9に第1把持部31を示す。第2把持部32は第1把持部31と構成が同等なのでその記載を省略している。第1把持部31と第2把持部32それぞれの固定端部30bの一端には、y方向に沿う連結孔30fが形成されている。この連結孔30fに連結ネジ42が通される。これにより
図10に示すように第1把持部31と第2把持部32とが、連結ネジ42を中心として回転可能になっている。なお
図10では架橋部70と位置規定部90の図示を省略している。
【0066】
これによれば第1把持部31と第2把持部32を回転させることで、第1把持部31と第2把持部32のプローブ50の相対位置を変動させることができる。
【0067】
なお本実施形態にかかる検査装置10には、第1実施形態に記載の検査装置10と同等の構成要素が含まれている。そのため同等の作用効果を奏することは言うまでもない。以下に示す各実施形態でも同様である。したがってその記載を省略する。
【0068】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を
図11および
図12に基づいて説明する。
【0069】
第2実施形態では、別体の第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部が、連結ネジ42によって回転可能に連結された例を示した。これに対して本実施形態では第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部に形成されたボールジョイント43によって、第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部が回転可能に連結された構成となっている点を特徴とする。ボールジョイント43が第1連結部に相当する。
【0070】
ボールジョイント43は、球体部44と、球殻部45と、を有する。球体部44はその名の通り球体形状を成している。球殻部45はその名の通り球殻形状を成している。球体部44は第1把持部31の固定端部30bの一端に形成されている。球殻部45は第2把持部32の固定端部30bの一端に形成されている。
【0071】
球殻部45には、その内部に球体部44を挿入するための切欠きが形成されている。この切欠きを介して球殻部45の内部に球体部44が挿入される。これにより第1把持部31と第2把持部32とが連結される。
【0072】
なお、球殻部45の内径は球体部44の径と同等、若しくは、若干長い構成となっている。球殻部45の内径は、球体部44が球殻部45に対して摺動可能となるように設定される。これにより
図12に示すように第1把持部31と第2把持部32とが、ボールジョイント43を中心として回転可能になっている。この結果、第1把持部31と第2把持部32のプローブ50の相対位置を変動可能となっている。なお
図12では架橋部70と位置規定部90の図示を省略している。もちろんではあるが、検査装置10は位置規定部90を有していなくともよい。
【0073】
また、球体部44から球殻部45を抜くことができる。すなわち、第1把持部31は第2把持部32の球殻部45に対して着脱可能である。逆に言えば、第2把持部32は第1把持部31の球体部44に対して着脱可能である。これによれば、第1把持部31、若しくは、第2把持部32にて故障が生じたとしても、故障した把持部を交換することができる。
【0074】
なお、検査装置10が第1把持部31と第2把持部32の他に、第3把持部33を有する構成の場合においても、第3把持部33を第1把持部31と第2把持部32それぞれに対して回転可能に連結することができる。
【0075】
説明の都合上、第2把持部32に連結された球殻部45を第1球殻部45とすると、ボールジョイント43は、球体部44と、第1球殻部45と、第2球殻部46と、を有する。
図13に示すように第2球殻部46は第3把持部33の固定端部30bの一端に形成されている。第2球殻部46の内径は、第1球殻部45が第2球殻部46に対して摺動可能となるように設定される。第2球殻部46には、その内部に第1球殻部45を挿入するための切欠きが形成されている。この切欠きを介して第2球殻部46の内部に球体部44とともに第1球殻部45が挿入される。これにより第1把持部31、第2把持部32、および、第3把持部33が連結される。
【0076】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を
図14〜
図17に基づいて説明する。
図14では位置規定部90の図示を省略している。
【0077】
これまでの各実施形態では、検査装置10が架橋部70を有する例を示した。これに対して本実施形態では検査装置10が挟持部110を有する点を特徴とする。挟持部110が第2連結部に相当する。
【0078】
図14に示すように挟持部110はノイズ対策素子74のリード77を挟持して本体部30に固定する機能を果たす。挟持部110は第1把持部31と第2把持部32それぞれの自由端部30aに設けられている。より詳しく言えば、挟持部110は自由端部30aの横穴30dに設けられている。
【0079】
図15に示すように挟持部110は第1挟持部111と第2挟持部112を有する。第1挟持部111と第2挟持部112それぞれは、板部113、バネ114、押圧部115を有する。板部113とバネ114それぞれは横穴30dに設けられている。押圧部115の一部が横穴30dに設けられている。板部113は横穴30dの中心側に位置している。この板部113と押圧部115とはバネ114を介して連結されている。バネ114はy方向に弾性変形可能となっている。また板部113は導電性の材料から成り、導電部52と電気的に接続されている。
【0080】
横穴30dの上面と下面との間の左面と右面それぞれには押圧部115の一部を外に露出させるための窓が形成されている。第1挟持部111の押圧部115は左面の窓に設けられている。第2挟持部112の押圧部115は右面の窓に設けられている。そして第1挟持部111の板部113と第2挟持部112の板部113とはx方向に並ぶ態様で、横穴30dの中心側に設けられている。
図15〜
図17では第1挟持部111が紙面上方に、第2挟持部112が紙面下方に位置することを明示するために、第2挟持部112における第1挟持部111で隠れた部位を破線で示している。
【0081】
第1挟持部111と第2挟持部112それぞれの板部113にはx方向に貫通する挟持孔113aが形成されている。挟持孔113aはリード77よりも径が長くなっている。この第1挟持部111と第2挟持部112それぞれの挟持孔113aにノイズ対策素子74のリード77が挿入される。
【0082】
図15に示すようにリード77が挟持孔113aに挿入される前の状態において、第1挟持部111と第2挟持部112それぞれの挟持孔113aはx方向で互いに重なっている。より詳しく言えば、第1挟持部111と第2挟持部112それぞれの挟持孔113aの横穴30dの中心側が、x方向で互いに重なっている。この2つの挟持孔113aの重なりにより、x方向に貫通する貫通孔が構成されている。この貫通孔のy方向の間隔は、リード77の径よりも短くなっている。
【0083】
図16に示すように2つの挟持孔113aによって構成される貫通孔にリード77が挿入される。すると板部113は、貫通孔が広がるようにバネ114の復元力に抗して移動する。詳しく言えば、第1挟持部111の板部113は実線矢印で示すようにy方向に沿って右面側に移動する。第2挟持部112の板部113は破線矢印で示すようにy方向に沿って左面側に移動する。これにより、第1挟持部111のバネ114には左面側に移動しようとする復元力が生じる。第2挟持部112のバネ114には右面側に移動しようとする復元力が生じる。この互いに逆向きの復元力によって、リード77は2つの板部113それぞれの挟持孔113aを形作る環状の端面によって挟持される。これによりリード77と板部113とが機械的および電気的に接続される。この結果、リード77と板部113とを介してノイズ対策素子74とプローブ50とが電気的に接続される。
【0084】
図17に白抜き矢印で示すように、第1挟持部111と第2挟持部112それぞれの押圧部115における横穴30dの外に飛び出している部位を横穴30dの中心へと向かって押圧する。そうすることで第1挟持部111の板部113を実線矢印で示すようにy方向に沿って右面側に移動させる。第2挟持部112の板部113を破線矢印で示すようにy方向に沿って左面側に移動させる。これにより貫通孔を広げてリード77と挟持孔113aを形作る環状の端面との接触を解除する。この状態でリード77を挟持孔113aから抜く。これにより挟持部110によるリード77の挟持が解除される。
【0085】
なお当然ではあるが、
図17に示すように押圧部115を押圧して貫通孔を広げた状態で、貫通孔にリード77を挿入する。その後に押圧部115への押圧を解除する。これによってリード77を挟持部110に挟持してもよい。
【0086】
上記したように、リード77を有するノイズ対策素子74であれば、検査装置10に対して着脱可能である。したがって、ノイズ対策素子74として例えば容量の異なるコンデンサを用意しておき、そのコンデンサを適宜選択して検査装置10に接続することで、ノイズ検証を行うことができる。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0088】
(第1の変形例)
各実施形態では、自由端部30aと固定端部30bが一体物である例を示した。しかしながら
図18に示すように自由端部30aと固定端部30bとは別体でもよい。これによれば、自由端部30a、若しくは、固定端部30bにて故障が生じたとしても、故障した自由端部30a、若しくは、固定端部30bを交換することができる。
【0089】
自由端部30aと固定端部30bとの連結構造としては、例えば
図18に示す構成を採用することもできる。
図18では、自由端部30aの一端と固定端部30bの他端とにネジ溝30gが形成されている。自由端部30aの一端は凸型のネジ形状を成している。固定端部30bの他端は凹型のネジ形状を成している。ネジ溝30gは自由端部30aの軸方向(延設方向)周りに形成されている。
【0090】
以上により、自由端部30aの一端を固定端部30bの他端にネジ締結することで、自由端部30aと固定端部30bとを固定することができる。逆に、ネジ締結を解除することで、自由端部30aと固定端部30bとの固定を解除することができる。さらに言えば、自由端部30aと固定端部30bとのネジ締め具合を調整することで、自由端部30aを固定端部30bに対して延設方向に移動させることができる。これによれば、自由端部30aに設けられるプローブ50と回路基板との接続位置を調整することができる。
【0091】
なお図示しないが、例えば、自由端部30aの一端と固定端部30bの他端それぞれに、自由端部30aの軸方向に直交する環状の複数の溝を形成してもよい。すなわち、
図18で言えば、ネジ溝のようならせん形状ではなく、円環状の溝を自由端部30aの一端と固定端部30bの他端それぞれに形成してもよい。これによれば、自由端部30aを固定端部30bに対して延設方向に押し込んだり、引っ張ったりして自由端部30aと固定端部30bの互いに嵌合する溝の位置を調整することで、自由端部30aを固定端部30bに対して延設方向に移動することができる。
【0092】
(第2の変形例)
第3実施形態では、球体部44が第1把持部31の固定端部30bの一端に形成され、球殻部45は第2把持部32の固定端部30bの一端に形成された例を示した。しかしながら
図18に示すように、球体部44が第1把持部31の固定端部30bの一端に連結された構成を採用することもできる。図示しないが、球殻部45が第2把持部32の固定端部30bの一端に連結された構成を採用することもできる。これによれば、固定端部30b、若しくは、ボールジョイント43にて故障が生じたとしても、故障した固定端部30b、若しくは、ボールジョイント43を交換することができる。なお、
図18に示す変形例では、固定端部30bの一端と球体部44の支持部44aそれぞれに互いを嵌合して連結するための鈎部47が形成されている。
【0093】
(第3の変形例)
例えば第1実施形態では、ノイズ対策素子74がはんだを介して第1配線基板72の第2配線パターン76と電気的に接続され、第1配線基板72に固定された例を示した。しかしながら、例えば
図19に破線で囲って模式的に示すように、第1配線基板72に、第2配線パターン76とともにノイズ対策素子74を形成してもよい。また図示しないが、ノイズ対策素子74は第1配線パターン75とともに可撓基板71に形成されてもよい。
【0094】
(第4の変形例)
例えば第1実施形態では、架橋部70によって第1把持部31と第2把持部32それぞれのプローブ50を電気的に接続する例を示した。しかしながら例えば
図20に示すように第1実施形態に記載の連結部41の端面にノイズ対策素子74が固定される構成を採用することもできる。この場合、固定端部30bの内部には、プローブ50と電気的に接続するための配線を設ける。そしてその配線を連結部41の端面から外部に露出させる。この配線とノイズ対策素子74とをはんだ130を介して電気的に接続する。またはんだ130によってノイズ対策素子74を連結部41に固定する。このはんだ130が第2連結部に相当する。
【0095】
これによれば第1把持部31と第2把持部32の相対位置の変化範囲が、ノイズ対策素子74とプローブ50との接続によって規制されることが抑制される。また、第1把持部31と第2把持部32の相対位置が変動したとしても、ノイズ対策素子74とプローブ50との電気的な接続が不安定になることが抑制される。
【0096】
なお、この変形例の場合、配線長が長くなりがちである。そのために検査装置10のインピーダンスの増大が懸念される。したがってこの変形例の場合、検査装置10の大きさとしては、片手で操作できる程度を採用することはできるが、より好適には指で操作できる程度を採用するとよい。
【0097】
(その他の変形例)
各実施形態では、自由端部30aと固定端部30bとが交差して連結された例を示した。しかしながら
図21に示すように自由端部30aと固定端部30bとが連続して連結された構成を採用することもできる。
【0098】
カードエッジコネクタなどの多数の端子が並列に並んだ電子デバイスの場合、複数の端子の離間距離が短いため、任意の2つの端子と検査装置10との電気的な接続を保持することが困難と成りやすい。そこで、
図22に示すようにプローブ50の接触端子53に接続される導電性の端子部56を検査装置10は有してもよい。この端子部56は接触端子53と電気的に接続されるとともに接触端子53を固定するための固定孔の形成された本体部56aを有する。また端子部56は複数の新たな接触端子としての機能を果たす、本体部56aに連結された複数の端子接点56bを有する。この端子接点56bの太さは、
図22および
図23に示すように接触端子53よりも太くとも細くともよい。これによれば1つの接触端子53によって複数の端子間を電気的に接続することができる。
【0099】
各実施形態ではノイズ対策素子74の具体例としてコンデンサを示した。当然ながらノイズ対策素子74としては上記例に限定されず、一般的な受動素子を採用することができる。例えば、ノイズ対策素子74としては抵抗、インダクタ、コモンモードチョークコイルなどを採用することもできる。
【0100】
各実施形態では検査装置10が2つの把持部を有する例を示した。しかしながら、検査装置10は3つ以上の把持部を有してもよい。このように3つ以上の把持部を有する構成は、特に第2実施形態や第3実施形態の構成で有用である。
【0101】
例えば第1実施形態では第1把持部31と第2把持部32それぞれの端部が連結部41によって連結された例を示した。しかしながら第1把持部31と第2把持部32それぞれの中央部が連結部41によって連結された構成を採用することもできる。なおもちろんではあるが、連結部41ではなく、例えば第2実施形態に示した連結ネジ42によって第1把持部31と第2把持部32それぞれの中央部が連結された構成を採用することもできる。