特許第6743982号(P6743982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6743982エレベーターの乗場の側に設けられた気密材の点検システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6743982
(24)【登録日】2020年8月3日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】エレベーターの乗場の側に設けられた気密材の点検システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/30 20060101AFI20200806BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20200806BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   B66B13/30 R
   B66B5/00 G
   B66B3/00 P
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-549019(P2019-549019)
(86)(22)【出願日】2019年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2019017632
【審査請求日】2019年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】古谷 史郎
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−143993(JP,A)
【文献】 特開2004−224532(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/150497(WO,A1)
【文献】 特開2000−162148(JP,A)
【文献】 特開平8−105810(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/176297(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/30
B66B 5/00−5/28
B66B 3/00
G01M 3/38
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかごに設けられ、前記かごが前記エレベーターの乗場の周囲に配置された際に前記乗場の側に設けられた気密材の周辺を撮影するカメラと、
前記カメラに撮影された画像に基づいて前記気密材の周囲からの光の漏れを判定する画像判定装置と、
を備えたエレベーターの点検システム。
【請求項2】
エレベーターのかごの一側に設けられ、前記かごが前記エレベーターの乗場の周囲に配置された際に前記乗場の一側に設けられた気密材の周辺を撮影する一側カメラと、
前記かごの他側に設けられ、前記かごが前記乗場の周囲に配置された際に前記乗場の他側に設けられた気密材の周辺を撮影する他側カメラと、
前記かごの中央に設けられ、前記かごが前記乗場の周囲に配置された際に前記乗場の中央に設けられた気密材の周辺を撮影する中央カメラと、
前記一側カメラと前記他側カメラと前記中央カメラとに撮影された画像に基づいて気密材の周囲からの光の漏れを判定する画像判定装置と、
を備えたエレベーターの点検システム。
【請求項3】
前記一側カメラと前記他側カメラと前記中央カメラとは、前記乗場の上縁部の対向した位置において停止した状態で前記乗場の出入口の上縁部の側に設けられた気密材を撮影し、前記乗場の下縁部の対向した位置において停止した状態で前記乗場の一対の乗場ドアの下縁部の側に設けられた気密材を撮影する請求項2に記載のエレベーターの点検システム。
【請求項4】
前記一側カメラは、前記かごの昇降に伴って昇降している際に前記一対の乗場ドアの一方の戸袋の側の縁部に設けられた気密材を全体的に撮影し、
前記他側カメラは、前記かごの昇降に伴って昇降している際に前記一対の乗場ドアの他方の戸袋の側の縁部に設けられた気密材を全体的に撮影し、
前記中央カメラは、前記かごの昇降に伴って昇降している際に前記一対の乗場ドアの戸当たりの側の縁部に設けられた気密材を全体的に撮影する請求項3に記載のエレベーターの点検システム。
【請求項5】
前記一側カメラと前記他側カメラと前記中央カメラとは、前記乗場の照明が点灯している状態において気密材を撮影する請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のエレベーターの点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターの乗場の側に設けられた気密材の点検システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの気密材を開示する。当該気密材によれば、既設の乗場に対して、遮煙機能を追加することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開2015−20866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の気密材において遮煙機能を維持するためには、気密材を定期的に点検する必要がある。この際、かごの上に乗った作業員が気密材を点検する必要がある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、エレベーターの乗場の側に設けられた気密材を容易に点検することができるエレベーターの点検システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターの点検システムは、エレベーターのかごに設けられ、前記かごが前記エレベーターの乗場の周囲に配置された際に前記乗場の側に設けられた気密材の周辺を撮影するカメラと、前記カメラに撮影された画像に基づいて前記気密材の周囲からの光の漏れを判定する画像判定装置と、を備えた。
【0007】
この発明に係るエレベーターの点検システムは、エレベーターのかごの一側に設けられ、前記かごが前記エレベーターの乗場の周囲に配置された際に前記乗場の一側に設けられた気密材の周辺を撮影する一側カメラと、前記かごの他側に設けられ、前記かごが前記乗場の周囲に配置された際に前記乗場の他側に設けられた気密材の周辺を撮影する他側カメラと、前記かごの中央に設けられ、前記かごが前記乗場の周囲に配置された際に前記乗場の中央に設けられた気密材の周辺を撮影する中央カメラと、前記一側カメラと前記他側カメラと前記中央カメラとに撮影された画像に基づいて気密材の周囲からの光の漏れを判定する画像判定装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
これらの発明によれば、画像判定装置は、カメラに撮影された画像に基づいて気密材の周囲からの光の漏れを判定する。このため、エレベーターの乗場の側に設けられた気密材を容易に点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの乗場の正面図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの三方枠の正面図である。
図4】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの乗場ドアの正面図である。
図5】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの要部の側面図である。
図6】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの要部の平面図である。
図7】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムのブロック図である。
図8】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図9】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図10】実施の形態1におけるエレベーターの点検システムの画像判定装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0012】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、建築物の各階を貫く。機械室2は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場3の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場3の各々は、昇降路1に対向する。
【0013】
巻上機4は、機械室2に設けられる。主ロープ5は、巻上機4に巻き掛けられる。
【0014】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、主ロープ5の一側に吊るされる。釣合おもり7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合おもり7は、主ロープ5の他側に吊るされる。
【0015】
複数の乗場ドア8の各々は、複数の乗場3の各々の出入口に設けられる。かごドア9は、かご6の出入口に設けられる。
【0016】
複数の照明10の各々は、複数の乗場3の各々に設けられる。複数のスイッチ11の各々は、複数の乗場3の各々に設けられる。
【0017】
制御盤12は、機械室2に設けられる。制御盤12は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0018】
次に、図2から図4を用いて、乗場3の側の遮煙構造を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの乗場の正面図である。図3は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの三方枠の正面図である。図4は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの乗場ドアの正面図である。
【0019】
図2において、乗場3の側の遮煙構造は、上部気密材13と一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15と一対の下部気密材16とで実現される。
【0020】
上部気密材13は、乗場3の三方枠17の上縁部と一対の乗場ドア8の上縁部の隙間を遮蔽する。一対の側部気密材14の各々は、乗場3の出入口の両側部の各々と一対の乗場ドア8の各々の戸袋の側の縁部との隙間を遮蔽する。一対の戸当たり気密材15は、一対の乗場ドア8の戸当たりの側の縁部の隙間を遮蔽する。一対の下部気密材16は、乗場3の出入口の敷居18と一対の乗場ドア8の下縁部の隙間を遮蔽する。
【0021】
図3に示されるように、上部気密材13は、乗場3の三方枠17の上縁部に取り付けられる。図4に示されるように、一対の側部気密材14の各々は、一対の乗場ドア8の各々の戸袋の側の縁部に取り付けられる。一対の戸当たり気密材15の各々は、一対の乗場ドア8の戸当たりの側の縁部に取り付けられる。一対の下部気密材16の各々は、一対の乗場ドア8の各々の下縁部に取り付けられる。
【0022】
次に、図5図6とを用いて、乗場3の側の遮煙構造の点検方法を説明する。
図5は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの要部の側面図である。図6は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターの要部の平面図である。
【0023】
図5図6とにおいて、乗場3の側の遮煙構造は、点検システムを利用して点検される。
【0024】
点検システムは、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とを画像判定装置22とを備える。
【0025】
一側薄型カメラ19は、かご6の上部の一側に取り付けられる。一側薄型カメラ19は、かご6の床面が乗場3の床面と同等の高さとなった際に乗場3の出入口の上縁部と一縁部との交点の周辺を撮影し得るように配置される。
【0026】
他側薄型カメラ20は、かご6の上部の他側に取り付けられる。他側薄型カメラ20は、かご6の床面が乗場3の床面と同等の高さとなった際に乗場3の出入口の上縁部と他縁部との交点の周辺を撮影し得るように配置される。
【0027】
中央薄型カメラ21は、かご6の上部の中央に取り付けられる。中央薄型カメラ21は、かご6の床面が乗場3の床面と同等の高さとなった際に乗場3の出入口の上縁部と他縁部との交点の周辺を撮影し得るように配置される。
【0028】
例えば、画像判定装置22は、かご6の天井に設けられる。画像判定装置22は、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とに撮影された画像に基づいて光の漏れを判定し得るように設けられる。
【0029】
次に、図7を用いて、画像判定装置22の詳細を説明する。
図7は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムのブロック図である。
【0030】
図7に示されるように、画像判定装置22は、上部気密材13と側部気密材14と戸当たり気密材15と下部気密材16との正常時における基準画像22bの情報を記憶する。画像判定装置22は、複数の一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21との撮影画像22cの情報を記憶する。画像判定装置22は、画像比較プログラム22aを用いて基準画像22bと撮影画像22cとの比較結果に基づいて上部気密材13と側部気密材14と戸当たり気密材15と下部気密材16とからの光の漏れの有無、光の漏れの個所等を判定する。
【0031】
保守員は、保守点検時に保守用端末Aを操作することで制御盤12を介して画像判定装置22を動作させる。
【0032】
次に、図8図9とを用いて、エレベーターシステムの動作の概要を説明する。
図8図9とは実施の形態1におけるエレベーターの点検システムが適用されるエレベーターシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0033】
ステップS1では、制御盤12は、保守員による保守用端末Aの操作に基づいた自動運転で点検階床へかご6を走行させる。その後、ステップS2の動作が行われる。ステップS2では、保守用端末Aは、保守員による操作に基づいてエレベーターの運転モードが点検モードに切り替わった際に専用運転指令を送信する。
【0034】
その後、ステップS3の動作が行われる。ステップS3では、制御盤12は、専用運転開始指令を受信する。その後、ステップS4の動作が行われる。ステップS4では、制御盤12は、エレベーターの専用運転を開始する。
【0035】
その後、ステップS5aとステップS5bとの動作が行われる。ステップS5aでは、制御盤12は、上部気密材13の撮影位置にかご6を停止させる。ステップS5bでは、制御盤12は、スイッチ11にON指令を送信する。
【0036】
その後、ステップS6aとステップS6bとが行われる。ステップS6aでは、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とは、かご6が数秒間停止している状態で上部気密材13を撮影する。ステップS6bでは、照明10は、消灯していた場合に点灯する。
【0037】
その後、ステップS7の動作が行われる。ステップS7では、制御盤12は、側部気密材14と戸当たり気密材15との撮影位置までかご6を下方に低速走行させる。
【0038】
その後、ステップS8aとステップS8bとが行われる。ステップS8aでは、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20とは、かご6の走行中に側部気密材14を撮影する。ステップS8bでは、中央薄型カメラ21は、かご6の低速走行中に戸当たり気密材15を撮影する。
【0039】
その後、ステップS9の動作が行われる。ステップS9では、制御盤12は、下部気密材16の位置でかご6を停止させる。その後、ステップS10の動作が行われる。ステップS10では、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とは、かご6が数秒間停止している状態で下部気密材16を撮影する。
【0040】
その後、ステップS11の動作が行われる。ステップS11では、画像判定装置22は、基準画像22bと撮影画像22cとを使用して判定処理を実施する。その後、ステップS12の動作が行われる。ステップS12では、制御盤12は、スイッチ11にOFF指令を送信する。
【0041】
その後、ステップS13が行われる。ステップS13では、照明10は、ON指令の受信時に消灯していた場合のみ消灯する。その後、ステップS14の動作が行われる。ステップS14では、画像判定装置22は、制御盤12を介して保守用端末Aに判定結果の情報を送信する。この際、保守用端末Aは、光の漏れの箇所等の情報を表示する。その後、動作が終了する。
【0042】
以上で説明した実施の形態1によれば、画像判定装置22は、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とに撮影された画像に基づいて上部気密材13と一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15と一対の下部気密材16との周囲からの光の漏れを自動で判定する。このため、作業員の目視、触診等の作業を要することなく、エレベーターの乗場3の側に設けられた気密材を短時間で容易に点検することができる。その結果、上部気密材13と一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15と一対の下部気密材16とにおいて、亀裂または欠損が存在している場合、当該亀裂または当該欠損を容易に発見することができる。
【0043】
また、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とは、乗場3の上縁部の対向した位置において停止した状態で上部気密材13を撮影し、乗場3の下縁部の対向した位置において停止した状態で一対の下部気密材16を撮影する。このため、上部気密材13と一対の下部気密材16とを確実に撮影することができる。
【0044】
また、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とは、かご6の下降に伴って下降している際に、一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15とを全体的に撮影する。このため、一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15とを確実に撮影することができる。
【0045】
なお、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とがかご6の上昇に伴って上昇している際に、一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15とを全体的に撮影してもよい。この場合、一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15とを確実に撮影することができる。
【0046】
また、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とは、乗場3の照明10が点灯している状態において上部気密材13と一対の側部気密材14と一対の戸当たり気密材15と一対の下部気密材16とを撮影する。このため、光の漏れが存在する場合、当該漏れ判定精度を向上することができる。
【0047】
なお、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とをかご6の下部に設けてもよい。一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とをかごの6の上部と下部とにそれぞれ設けてもよい。
【0048】
また、光の漏れを点検する気密材の周囲を撮影できれば、カメラの数は、限定されない。
【0049】
また、実施の形態1の点検システムを機械室2のないエレベーターに適用してもよい。この際、巻上機4と制御盤12とは、昇降路1の上部また下部に設けられていればよい。
【0050】
次に、図10を用いて、画像判定装置22の例を説明する。
図10は実施の形態1におけるエレベーターの点検システムの画像判定装置のハードウェア構成図である。
【0051】
画像判定装置22の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0052】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、画像判定装置22の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像判定装置22の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロープ5ロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0053】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、画像判定装置22の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、画像判定装置22の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0054】
画像判定装置22の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とに撮影された画像に基づいて光の漏れを判定する機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、一側薄型カメラ19と他側薄型カメラ20と中央薄型カメラ21とに撮影された画像に基づいて光の漏れを判定する機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0055】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで画像判定装置22の各機能を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、この発明に係るエレベーターの点検システムは、エレベーターシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0057】
1 昇降路、 2 機械室、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合おもり、 8 乗場ドア、 9 かごドア、 10 照明、 11 スイッチ、 12 制御盤、 13 上部気密材、 14側部気密材、 15 戸当たり気密材、 16 下部気密材、 17 三方枠、 18 敷居、 19 一側薄型カメラ、 20 他側薄型カメラ、 21 中央薄型カメラ、 22 画像判定装置、 22a 画像比較プログラム、 22b 基準画像、 22c 撮影画像、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
【要約】
エレベーターの乗場の側に設けられた気密材を容易に点検することができるエレベーターの点検システムを提供する。エレベーターのかごに設けられ、前記かごが前記エレベーターの乗場の周囲に配置された際に前記乗場の側に設けられた気密材の周辺を撮影するカメラと、前記カメラに撮影された画像に基づいて前記気密材の周囲からの光の漏れを判定する画像判定装置と、を備えた。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10