特許第6744022号(P6744022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6744022
(24)【登録日】2020年8月3日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】スイッチ機構、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/06 20060101AFI20200806BHJP
   H01H 13/14 20060101ALI20200806BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   H01H13/06 B
   H01H13/14 Z
   H01H11/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-34523(P2016-34523)
(22)【出願日】2016年2月25日
(65)【公開番号】特開2017-152254(P2017-152254A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2019年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】599161890
【氏名又は名称】NECネットワーク・センサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】相沢 哲生
(72)【発明者】
【氏名】金本 要
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−134026(JP,A)
【文献】 特開2011−124746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 〜 9/28
H01H 11/00 〜 13/88
H01H 89/00 〜 89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筐体と、
前記開口部の内部に配置された、押圧式のスイッチと、
前記筐体の外側に前記開口部を覆うように配置され、前記スイッチとは逆方向に突出するように成形された、軟質材である、押しボタンカバーと、
前記押しボタンカバーと一体成形し、前記筐体に固定されたカバー板と、
を備え、
前記押しボタンカバーは、側面部が、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状であるとともに、
前記押しボタンカバーは、前記押しボタンカバーの上面部の内側から、前記スイッチの方向に向かって突出した、前記スイッチを押すための突起を備え、
前記スイッチの上面に対向する、前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離は、前記押しボタンカバーの前記上面部及び前記側面部に、略均一な荷重が作用した状態における、前記突起の変位量より大きく、
前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離を、使用環境に応じて略均一な圧力が作用した場合に突起の変位によりスイッチが動作しないような距離としたことを特徴とする、スイッチ機構。
【請求項2】
前記押しボタンカバーの上面部に、集中荷重が作用した状態における前記突起の変位量と、前記上面部及び前記側面部に、前記略均一な荷重が作用した状態における前記突起の変位量とが異なる、請求項1に記載のスイッチ機構。
【請求項3】
前記側面部は、前記押しボタンカバーの前記上面部の中心から、前記スイッチの中心に向かって伸びる軸を回転軸とする、回転体の少なくとも一部である、請求項1又は2に記載のスイッチ機構。
【請求項4】
前記筐体は、シール材をさらに備え、
前記カバー板は、前記シール材を介して前記筐体に固定されるとともに、
前記カバー板は、前記シール材を介して前記筐体に固定された状態において、前記スイッチの上方になる位置に、貫通孔を有し、
前記貫通孔は、少なくとも前記突起の先端を貫通できる大きさである、請求項1乃至3のいずれか一に記載のスイッチ機構。
【請求項5】
前記カバー板は剛体であり、所定の剛性を有する、請求項1乃至4のいずれか一に記載のスイッチ機構。
【請求項6】
水密に構成される、請求項1乃至5のいずれか一に記載のスイッチ機構。
【請求項7】
筐体に開口部を形成する工程と、
前記開口部の内部に、押圧式のスイッチを配置する工程と、
軟質材の押しボタンカバーを、前記筐体の外側に前記開口部を覆うように配置した場合に、前記スイッチとは逆方向に突出させて成形する工程と、
前記押しボタンカバーの側面部を、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状に成形する工程と、
前記押しボタンカバーの上面部の内側から、前記スイッチの方向に向かって突出させた、前記スイッチを押すための突起を形成する工程と、
前記押しボタンカバーとカバー板とを一体成形する工程と、
前記カバー板を、前記筐体に固定する工程と、
を含み、
前記突起を形成する工程において、前記スイッチの上面に対向する、前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離が、前記押しボタンカバーの前記上面部及び前記側面部に、略均一な荷重が作用した状態における、前記突起の変位量より大きく、
前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離を、使用環境に応じて略均一な圧力が作用した場合に突起の変位によりスイッチが動作しないような距離としたことを特徴とする、前記突起を形成する、スイッチ機構の製造方法。
【請求項8】
前記側面部を回転体状に成形する工程において、前記押しボタンカバーの前記上面部の中心から、前記スイッチの中心に向かって伸びる軸を回転軸とする、回転体の少なくとも一部となる、前記側面部を形成する、請求項7に記載のスイッチ機構の製造方法。
【請求項9】
前記押しボタンカバーとカバー板とを一体成形する工程において、前記押しボタンカバーと、前記カバー板とを、モールド成形して一体化する、請求項7又は8に記載のスイッチ機構の製造方法。
【請求項10】
前記筐体にシール材を配置する工程と、
前記シール材を介して、前記カバー板を前記筐体に固定する工程と、
前記カバー板を、前記シール材を介して前記筐体に固定した場合に、前記スイッチの上方となる位置に、少なくとも、前記突起の先端を貫通できる大きさの貫通孔を形成する工程と、
を含む請求項7乃至9のいずれか一に記載のスイッチ機構の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ機構、及びその製造方法に関する。特に、押圧式スイッチ機構、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水中において電子機器を使用する場合、電子機器が、水密性を備える構造であることは、非常に重要である。勿論、水中において電子機器のスイッチを操作する場合においても電子機器のスイッチが、水密性を備える構造であることは、非常に重要である。そこで、電子機器のスイッチの防水性を向上させる技術が提案されている(特許文献1−3)。
【0003】
特許文献1においては、防水筐体と、防水筐体の外側に設けられたスイッチと、防水筐体の開口部及びスイッチの周囲を覆い、防水筐体に接着して水密構造とした防水シートとを備える、水密スイッチが記載されている。
【0004】
特許文献2においては、ボタンとスイッチ基板とが、一体成形された硬質樹脂で覆われることで、プッシュスイッチの防水性を向上させる技術が記載されている。
【0005】
特許文献3においては、入力用のスイッチを実装したプリント基板と、プリント基板を設置するハウジングと、プリント基板を覆う弾性カバーと、弾性カバーを介してスイッチを押すキートップと、外側を覆うスイッチカバーとから成るスイッチが記載されている。そして、特許文献3に記載されたスイッチにおいて、キートップを嵌め合わせるための嵌合部と、ハウジングと密着する外枠部と、嵌合部と外枠部を繋ぐ、弾性を持った弾性部とから成る弾性カバーが一体成形される。その結果、特許文献3に記載されたスイッチにおいては、プリント基板の密閉性が向上することで、スイッチの防水性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平04−033225号公報
【特許文献2】特開2012−134026号公報
【特許文献3】特開2001−155573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
なお、上記先行技術文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0008】
水中において、電子機器を操作する場合には、当該電子機器のスイッチに対して、水圧が作用する。そして、押圧式のスイッチに対して水圧が作用した場合、水圧の影響で、スイッチ、及び/又はスイッチのカバーが押され、スイッチが誤動作する場合がある。しかし、水圧の影響に基づいて、スイッチが誤動作することを防止するために、スイッチ、及び/又はスイッチのカバーの硬度を高くすると、操作性が低下する恐れがある。
【0009】
特許文献1に記載された技術では、平面膜状の防水シートを使用する。そのため、特許文献1に記載された技術では、当該防水シートに、水圧が作用した場合、わずかな水圧であっても、当該防水シートが内側に押し込まれ、スイッチが誤動作する恐れがある。
【0010】
また、特許文献2、3に記載された技術では、水中においてスイッチを操作することについては、一切記載されていない。そのため、特許文献2、3に記載された技術では、スイッチに対して水圧が作用した場合については、一切記載されていない。従って、水中で特許文献2、3に記載されたスイッチを使用した場合、スイッチが誤動作する恐れがある。
【0011】
そこで、本発明は、水中において、適切に使用可能であり、容易に操作可能なスイッチを実現することに貢献するスイッチ機構、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の視点によれば、スイッチ機構が提供される。該スイッチ機構は、開口部を有する筐体を備える。
さらに、該スイッチ機構は、前記開口部の内部に配置された、押圧式のスイッチを備える。
さらに、該スイッチ機構は、前記筐体の外側に前記開口部を覆うように配置され、前記スイッチとは逆方向に突出するように成形された、軟質材である、押しボタンカバーを備える。
さらに、該スイッチ機構は、前記押しボタンカバーと一体成形し、前記筐体に固定されたカバー板を備える。
前記押しボタンカバーは、側面部が、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状である。
さらに、前記押しボタンカバーは、前記押しボタンカバーの上面部の内側から、前記スイッチの方向に向かって突出した、前記スイッチを押すための突起を備える。
さらに、前記スイッチの上面に対向する、前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離は、前記押しボタンカバーの前記上面部及び前記側面部に、略均一な荷重が作用した状態における、前記突起の変位量より大きく、
前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離を、使用環境に応じて略均一な圧力が作用した場合に突起の変位によりスイッチが動作しないような距離としたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の視点によれば、スイッチ機構の製造方法が提供される。該製造方法は、筐体に開口部を形成する工程を含む。
さらに、該製造方法は、前記開口部の内部に、押圧式のスイッチを配置する工程を含む。
さらに、該製造方法は、軟質材の押しボタンカバーを、前記筐体の外側に前記開口部を覆うように配置した場合に、前記スイッチとは逆方向に突出させて成形する工程を含む。
さらに、該製造方法は、前記押しボタンカバーの側面部を、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状に成形する工程を含む。
さらに、該製造方法は、前記押しボタンカバーの上面部の内側から、前記スイッチの方向に向かって突出させた、前記スイッチを押すための突起を形成する工程を含む。
さらに、該製造方法は、前記押しボタンカバーとカバー板とを一体成形する工程を含む。
さらに、該製造方法は、前記カバー板を、前記筐体に固定する工程を含む。
さらに、該製造方法は、前記突起を形成する工程において、前記スイッチの上面に対向する、前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離が、前記押しボタンカバーの前記上面部及び前記側面部に、略均一な荷重が作用した状態における、前記突起の変位量より大きい、前記突起を形成し、
前記突起の先端面から、前記スイッチの前記上面までの距離を、使用環境に応じて略均一な圧力が作用した場合に突起の変位によりスイッチが動作しないような距離としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の各視点によれば、水中において、適切に使用可能であり、容易に操作可能なスイッチを実現することに貢献するスイッチ機構、及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態の概要を説明するための図である。
図2】スイッチ機構100の一例を示す斜視図である。
図3】スイッチ機構100の一例を示す正面図である。
図4】スイッチ機構100の一例を示す側面図である。
図5図4のA−A断面図である。
図6】スイッチ機構100の一例を示す断面側面図である。
図7】スイッチ機構100の上面の寸法の一例を示す寸法図である。
図8図7のA−A断面の寸法の一例を示す寸法図である。
図9】押しボタンカバー2、及びカバー板3の正面の寸法の一例を示す寸法図である。
図10】構造解析の解析条件の一例を示す図である。
図11】構造解析の解析結果の一例を示す図である。
図12】構造解析の解析条件の一例を示す図である。
図13】構造解析の解析結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0017】
上述の通り、水中において、適切に使用可能であり、容易に操作可能なスイッチを実現することに貢献するスイッチ機構が望まれる。
【0018】
そこで、一例として、図1に示すスイッチ機構1000を提供する。スイッチ機構1000は、開口部1001を有する筐体1002を備える。さらに、スイッチ機構1000は、開口部1001の内部に配置された、押圧式のスイッチ1003を備える。さらに、スイッチ機構1000は、筐体1002の外側に、開口部1001を覆うように配置され、スイッチ1003とは逆方向に突出するように成形された、軟質材である、押しボタンカバー1004を備える。さらに、スイッチ機構1000は、押しボタンカバー1004と一体成形し、筐体1002に固定されたカバー板1005を備える。
【0019】
さらに、押しボタンカバー1004は、側面部が、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状である。即ち、押しボタンカバー1004の側面部は、上方から下方に向かって、回転半径が大きくなる、回転体状である。
【0020】
さらに、押しボタンカバー1004は、押しボタンカバー1004の上面部の内側から、スイッチ1003の方向に向かって突出した、スイッチ1003を押すための突起1006を備える。ここで、突起1006の先端と、スイッチ1003の上面との間に、所定の空間を有するものとする。具体的には、スイッチ1003の上面に対向する、突起1006の先端面から、スイッチ1003の上面までの距離は、押しボタンカバー1004の上面部及び側面部に、所定の略均一な荷重(例えば、水圧)が作用した状態における、突起1006の変位量より大きいものとする。
【0021】
押しボタンカバー1004の上面部に対して、上方から下方に、荷重が作用することで、押しボタンカバー1004の上面部は、下方へ変位する。そして、押しボタンカバー1004の上面部の下方への変位に伴い、突起1006が下方に変位し、スイッチ1003を押圧する。ここで、押しボタンカバー1004は、軟性材であり、伸縮性及び弾性を有する。そのため、人が、指等で、押しボタンカバー1004の上面部を押すことで、突起1006が変位し、スイッチ1003の入り切りを容易に行うことできる。
【0022】
ところで、スイッチ機構1000を水中に配置した場合には、スイッチ機構1000に対して、水圧が作用する。しかし、押しボタンカバー1004の側面部が、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状である場合、側面部に対して外側から、法線方向に所定の略均一な圧力が作用した状態においては、外側から作用した荷重に対して、応力の作用する方向が、所定の方向に集中せず、分散する。そして、応力の作用する方向が分散することで、押しボタンカバー1004の変形量が抑制される。
【0023】
さらに、上記の通り、スイッチ1003の上面に対向する、突起1006の先端面から、スイッチ1003の上面までの距離は、押しボタンカバー1004の上面部及び側面部に、所定の略均一な荷重(例えば、水圧)が作用した状態における、突起1006の変位量より大きい。そのため、スイッチ機構1000においては、押しボタンカバー1004に水圧が作用することで、突起1006が変位した場合であっても、スイッチ1003が押されることを防止できる。
【0024】
従って、スイッチ機構1000は、水中において、適切に使用可能であり、容易に操作可能なスイッチを実現することに貢献する。特に、スイッチ機構1000は、スイッチ機構1000の使用を想定する水深において、適切に使用可能であり、容易に操作可能なスイッチを実現することに貢献する。なお、上記の水圧は、スイッチ機構1000の使用環境に応じて異なる。そのため、スイッチ機構1000の使用を想定する水深に応じて、押しボタンカバー1004の厚み、硬度等を決定して良いことは勿論である。
【0025】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に係るスイッチ機構100の一例を示す斜視図である。図2を参照すると、スイッチ機構100は、筐体1の上面に、押しボタンカバー2を備え、押しボタンカバー2と、筐体1との間にカバー板3を備える。なお、図2は、押しボタンカバー2は、2個のボタン(押しボタンカバー2において上部に突出した部分)を備えるが、スイッチ機構100において、ボタンの数を2個に限定する趣旨ではない。スイッチ機構100において、ボタンの数は限定されず、1個、又は3個以上であっても良い。
【0027】
図3は、図2に示すスイッチ機構100の位置例を示す正面図である。図4は、図2に示すスイッチ機構100の一例を示す側面図(右側面図、及び左側面図)である。なお、図2図3図4は、本実施形態に係るスイッチ機構100に関係する部材を主に記載する。
【0028】
図5は、図4のA−A断面図である。図5を参照すると、スイッチ機構100において、筐体1は、開口部4を備える。ここで、筐体1は、水密な構成であることが好ましい。さらに、スイッチ機構100は、筐体1の外側に、開口部4を覆うように、押しボタンカバー2を備える。カバー板3は、押しボタンカバー2と一体成形し、筐体1に固定される。開口部4の内部には、押圧式のスイッチ5が配置される。押しボタンカバー2は、スイッチ5とは逆方向に突出するように成形される。ここで、押しボタンカバー2の突出した部分が、スイッチ5の直上に位置するように、押しボタンカバー2を配置する。
【0029】
押しボタンカバー2は、側面部2aが、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状である。さらに、押しボタンカバー2は、押しボタンカバー2の上面部2bの内側から、スイッチ5の方向に向かって突出した、スイッチ5を押すための棒状の突起6を備える。
【0030】
また、筐体1は、シール材7を備える。カバー板3は、シール材7を介して、筐体1に固定される。さらに、カバー板3は、シール材7を介して筐体1に固定された状態において、スイッチ5の上方になる位置に、貫通孔を有する。当該貫通孔は、少なくとも、突起6の先端を貫通できる大きさであるものとする。
【0031】
以下、スイッチ機構100の各部について、より詳細に説明する。
【0032】
筐体1は、凹状の開口部4を備え、水密な素材で構成される。さらに、筐体1は、カバー板3との接触面に、シール材7を備える。シール材7は、Oリング等を用いて実現し、水密な素材で構成されるものとする。また、筐体1において、カバー板3との接触面は、平滑面である。さらに、筐体1は、カバー板3との接触面に、ねじ穴等の凹部(図示せず)を備える。そして、筐体1と、カバー板3とを、シール材7を介して接着した上で、ねじ等を用いて、筐体1と、カバー板3とを接合する。シール材7として、Oリング等を用いることで、筐体1と、カバー板3とを水密に接合できる。
【0033】
開口部4は、凹状であり、内部に、押圧式のスイッチ5を配置する。スイッチ5は、筐体1の内部、又は筐体1の外部に配置された電気回路(図示せず)と接続する。
【0034】
押しボタンカバー2は、軟質材であり、水密な素材で構成される。さらに、押しボタンカバー2は、モールド成形、又は切削等による成形が可能である素材であるものとする。例えば、押しボタンカバー2の素材をクロロプレンゴムとし、金型等でモールド成形し、押しボタンカバー2を製作しても良い。
【0035】
ここで、押しボタンカバー2は、伸縮性を有する弾性材であって、水密な素材であれば良く、その素材は限定されない。例えば、押しボタンカバー2は、クロロプレンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンブタジェンゴム、アクリルニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム系ゴム、ブタジェンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、オキザイドゴム、フッ素ゴム、サーモプラスチックラバー等であっても良い。なお、以下の説明においては、押しボタンカバー2の素材を、クロロプレンゴムとして説明するが、これは、押しボタンカバー2の素材を限定する趣旨ではない。
【0036】
カバー板3は、剛体であり、所定の剛性を有し、水密な素材で構成される。例えば、カバー板3は、ステンレス等を用いて、構成されても良い。
【0037】
押しボタンカバー2、及びカバー板3の素材として、上記の素材を用い、加硫接着工程で成形し、押しボタンカバー2と、カバー板3とが一体化するよう成形する。具体的には、押しボタンカバー2とカバー板3との合わせ面に、加硫接着材を塗布し、押しボタンカバー2(ゴム)を加圧加熱し、所定の硬さに成形する。その結果、押しボタンカバー2とカバー板3とが一体化した状態で、押しボタンカバー2は所定の硬さに成形される。上記の通り、押しボタンカバー2と、カバー板3とを一体化して成形することで、水密に、押しボタンカバー2と、カバー板3と接合できる。
【0038】
従って、以上のようにして、押しボタンカバー2、及びカバー板3と、筐体1とを接合することで、スイッチ機構100は、水密な構成を実現できる。
【0039】
次に、押しボタンカバー2の形状について、より詳細に説明する。
【0040】
上記の通り、押しボタンカバー2の突出した部分は、スイッチ5の直上に位置するように配置される。
【0041】
例えば、押しボタンカバー2は、上面が所定の面積を有する平面であることが好ましい。押しボタンカバー2の上面部2bが平面であることで、人がボタンを押しやすくなる。なぜなら、押しボタンカバー2の上面部2bが平面であることで、人がボタンを押した場合(即ち、上面に対して、下向きに、集中荷重が作用した場合)に、荷重が作用する方向が集中し、突起6を効率的に変位させることができる。
【0042】
また、押しボタンカバー2の上面部2bに集中荷重が作用していない状態において、突起6は、スイッチ5の上面に対向する先端面と、スイッチ5の上面との間に所定の空間を有する。そして、人がボタンを押した場合(即ち、上面に対して、下向きに、所定の集中荷重が作用した場合)には、突起6が下向きに変位し、スイッチ5を押圧するように、突起6の長さが設定され、スイッチ5が配置されているものとする。
【0043】
また、上記の通り、押しボタンカバー2の側面部2aは、上方から下方に向かって外側に拡がる回転体状である。具体的には、押しボタンカバー2の側面部2aは、押しボタンカバー2の上面部2bの中心から、スイッチ5の中心に向かって伸びる軸を、回転軸とする、回転体の少なくとも一部であることが好ましい。例えば、押しボタンカバー2の側面部2aは、半球殻状、円錐形状、回転楕円体状等であっても良い。
【0044】
ところで、スイッチ機構100を水中に配置した場合には、スイッチ機構100に対して、水圧が作用する。特に、押しボタンカバー2に着目すると、押しボタンカバー2に対して、法線方向に、均一な水圧が作用する。ここで、押しボタンカバー2の側面部2aが、上記の回転体状である場合、外側から作用した水圧に対して、応力の作用する方向が分散する。その結果、側面部2aの変形量、及び突起6の変位量が抑制される。なお、側面部2aの変形量、及び突起6の変位量を抑制するために、押しボタンカバー2は、所定の弾性係数、ポアソン比、厚みを有することが好ましい。
【0045】
さらに、スイッチ5の上面に対向する、突起6の先端面から、スイッチ5の上面までの距離は、押しボタンカバー2の上面部2b及び側面部2aに、所定の略均一な荷重(例えば、水圧)が作用した状態における、突起6の変位量より大きい。そして、押しボタンカバー2の上面部2bに、集中荷重が作用した状態における突起6の変位量と、上面部2b及び側面部2aに、略均一な圧力(例えば、水圧)が作用した状態における突起6の変位量とが異なる。そのため、押しボタンカバー2に、略均一な圧力(例えば、水圧)が作用した場合には、突起6はスイッチ5を押すのに十分に変位せず、スイッチ5が動作することを防止できる。なお、押しボタンカバー2に、略均一な圧力(例えば、水圧)が作用した場合に、突起6の変位により、スイッチ5が動作しないように、押しボタンカバー2の材料特性(弾性係数、ポアソン比等)、突起6の長さが設計されているものとする。
【0046】
次に、図を参照しながら、スイッチ機構100の動作について、詳細に説明する。なお、以下の説明においては、押しボタンカバー2の側面部2aが、半球殻状である場合を例示して説明する。
【0047】
図6は、スイッチ機構100の一例を示す断面側面図である。図6は、図5と同様に、図4のA−A断面図である。なお、図6に示す寸法の単位はmmであるものとする。
【0048】
図6に示すスイッチ機構100において、押しボタンカバー2は、厚さ1.5[mm]のクロロプレンゴム製であり、側面部2aの外半径4.5[mm]の半球殻状に成形されている。そして、図6に示すスイッチ機構100において、突起6は、直径4[mm]の円柱状であり、上面部2bが、側面を構成する半球殻から露出して成形されている。つまり、図6に示すスイッチ機構100において、押しボタンカバー2の上面部2bは、平面上の直径4[mm]の円状である。
【0049】
図7図8図9は、スイッチ機構100の詳細な寸法の一例を示す寸法図である。図7は、スイッチ機構100の上面の寸法の一例を示す寸法図である。図8は、図7のA−A断面の寸法の一例を示す寸法図である。図9は、押しボタンカバー2、及びカバー板3の正面の寸法の一例を示す寸法図である。図7図8図9においては、寸法の単位は、mmであるものとする。
【0050】
図7図8図9に示す通り、押しボタンカバー2は、カバー板3と接合部分を有する。図7に示す通り、押しボタンカバー2は、カバー板3との接合部分は、高さ22[mm]、幅42[mm]である。また、図9に示す通り、カバー板3は、厚さ1.5[mm]の平板である。なお、以下の説明においては、カバー板3の素材は、ステンレスであるものとする。
【0051】
次に、図7図8図9に示す寸法のスイッチ機構100において、押しボタンカバー2の上面部2bに、集中荷重が作用する場合について説明する。
【0052】
図10図11は、突起6の変位、及び、押しボタンカバー2の側面部2aの変形に関する構造解析の解析条件、及び解析結果を示す。具体的には、図10は、押しボタンカバー2の上面部2bに集中荷重を作用させる場合の解析条件を示す。また、図11は、図10の解析条件に基づいて、CAE(Computer Aided Engineering)シミュレーションプログラムを用いて、有限要素法を利用した構造解析を行った場合の解析結果を示す。
【0053】
より具体的には、人の指等で、押しボタンカバー2の上面部2bを押さえた場合を想定して、解析条件として、押しボタンカバー2の上面部2bに30[N]の集中荷重を作用させるものとする。そして、図10に示す解析条件として、押しボタンカバー2は、素材がクロロプレンゴム60°であり、弾性係数4361000[N/m]であり、ポアソン比0.48である。カバー板3は、ステンレス(A5052−H32(JIS規格))である。また、体1の周囲、四面はカバー板3で固定されているものとする。
【0054】
図11に示す通り、図10に示す解析条件に基づいて、押しボタンカバー2の上面部2bに30[N]の集中荷重を作用させた場合、側面部2aが扁平し、突起6は、荷重の作用する方向に、2.243[mm]変位する。
【0055】
次に、図7図8図9に示す寸法のスイッチ機構100において、スイッチ機構100に、均一な圧力(例えば、水圧)が作用した場合について説明する。
【0056】
図12図13は、突起6の変位、及び、押しボタンカバー2の側面部2aの変形に関する構造解析の解析条件、及び解析結果を示す。具体的には、図12は、押しボタンカバー2の法線方向に、均一な圧力を作用させる場合の解析条件を示す。また、図13は、図12の解析条件で、CAEシミュレーションプログラムを用いて、有限要素法を利用した構造解析を行った場合の解析結果を示す。
【0057】
例えば、水深30[cm]に、スイッチ機構100を配置したとする。その場合、スイッチ機構100に作用する圧力は、303975[Pa]である。そこで、水深30cmに、スイッチ機構100を配置した場合を想定して、解析条件として、スイッチ機構100に、上方から下向きに、303975[Pa]の圧力を均一に作用させるものとする。ここで、押しボタンカバー2、及びカバー板3の材料特性等は、図10に示す解析条件と同一であるものとする。
【0058】
ここで、上記の通り、押しボタンカバー2の側面部2aが、半球殻状である場合、外側から、法線方向に均一に作用した荷重に対して、応力の作用する方向が分散する。その結果、図13に示すように、押しボタンカバー2の変形は抑制され、突起6の変位も抑制される。そのため、図13に示すように、図12に示す解析条件に基づいて、スイッチ機構100に、上方から下向きに、303975[Pa]の圧力が均一に作用した場合、突起6は、0.690[mm]変位する。
【0059】
さらに、図13に示すように、図12に示す解析条件に基づいて、スイッチ機構100に、均一な圧力(例えば、水圧)が作用した場合、押しボタンカバー2の側面部2aは変形しない。さらに、図13に示すように、図12に示す解析条件に基づいて、スイッチ機構100に、均一な圧力(例えば、水圧)が作用した場合、押しボタンカバー2の上面部2bに30[N]の集中荷重を作用させた場合に比べ、突起6の変位量は、十分に小さい変位量になる。
【0060】
例えば、上記の材料特性、及び寸法のスイッチ機構100において、突起6の先端と、スイッチ5の上面との距離とが、2[mm]であるとする。その場合に、押しボタンカバー2の上面部2bに30[N]の集中荷重が作用した場合、図11に示す通り、突起6は2.243[mm]変位し、突起6が、スイッチ5を押圧できる。一方、水深30cmに、スイッチ機構100を配置し、上方から下向きに、303975[Pa]の圧力が均一に作用したとする。その場合には、図13に示す通り、突起6の変位量は、0.690[mm]であるため、突起6が、スイッチ5に接触しない。
【0061】
従って、人が、押しボタンカバー2の上面部2bを、指等で押した場合には、スイッチ5が動作する。しかし、水深30cmに、スイッチ機構100を配置した状態において、人が、押しボタンカバー2の上面部2bを押さない場合には、スイッチ5は動作しない。
【0062】
以上のように、本実施形態に係るスイッチ機構100は、上記の形状、及び材料特性を備える場合、押しボタンカバー2の上面部2bに、集中荷重が作用した場合の変形状態と、押しボタンカバー2に、均一な圧力が作用した場合の変形状態とが異なる。さらに、本実施形態に係るスイッチ機構100は、水密に構成されている。そのため、本実施形態に係るスイッチ機構100は、水中に配置しても、スイッチ5が誤って押されることを防止できる。さらに、本実施形態に係るスイッチ機構100においては、人がボタンを押した場合には、容易に、スイッチ5を動作させることができる。従って、本実施形態に係るスイッチ機構100は、水中において、適切に使用可能であり、容易に操作可能なスイッチを実現することに貢献する。特に、本実施形態に係るスイッチ機構100は、使用を想定する水深において、適切に使用可能であり、容易に操作可能なスイッチを実現することに貢献する。さらに、本実施形態に係るスイッチ機構100は、突起6の先端とスイッチ5の上面との間の間隙の量を変えることで略均一な圧力が作用した場合に突起の変位によりスイッチが動作しないようにすることが可能である。
【0063】
また、本実施形態に係るスイッチ機構100においては、スイッチ5を押すための突起6を備える押しボタンカバー2と、カバー板3とを、モールド成形等を利用して、一体化して成形する。従って、本実施形態に係るスイッチ機構100は、容易かつ、効率的に製作できる。さらに、本実施形態に係るスイッチ機構100は、押しボタンカバー2と、カバー板3とを一体化して製作することで、水密性を向上させることができる。さらに、本実施形態に係るスイッチ機構100は、水密性を向上させ、水圧の影響による誤作動を防止することで、保守性、信頼性を向上させることに貢献する。
【0064】
また、本実施形態に係るスイッチ機構100においては、押しボタンカバー2と一体化したカバー板3を、シール材7を介して、筐体1に接着する。そして、本実施形態に係るスイッチ機構100においては、カバー板3と、筐体1とをねじ等を用いて、容易に固定できる。そのため、本実施形態に係るスイッチ機構100は、容易に製作可能である。従って、本実施形態に係るスイッチ機構100は、水中で使用可能である、押圧式スイッチの生産性向上に貢献する。
【0065】
また、本実施形態に係るスイッチ機構100は、構成が簡易であり、小型の機器に搭載可能である。従って、本実施形態に係るスイッチ機構100は、水中で使用可能である、押圧式スイッチの小型化、軽量化、及び回路構成の簡易化を実現することに貢献する。さらに、本実施形態に係るスイッチ機構100は、リサイクル可能な素材(ステンレス、ゴム等)を用いて実現可能であり、資源の再利用性を向上することにも貢献する。
【0066】
本実施形態に係るスイッチ機構100は、水中で電気の入り切りを行う必要のある機器に、適用可能である。例えば、本実施形態に係るスイッチ機構100は、水中カメラ、集中照明機器、各種センサ、水中ロボット等に適用可能であり、スイッチ機構100を実装する機器に関して、その種類は問わない
【0067】
なお、上記の材料特性、寸法は一例であり、スイッチ機構100の材料特性、寸法を限定する趣旨ではない。上記の機能を実現できれば、スイッチ機構100を構成する部材の材料特性、寸法については適宜設計可能である。スイッチ機構100を実装する機器、スイッチ機構100の使用環境(スイッチ機構100の使用が想定される水深)等に応じて、材料特性、寸法を変更しても良いことは勿論でなる。
【0068】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0069】
(付記1)上記第1の視点に係るスイッチ機構の通りである。
【0070】
(付記2)前記押しボタンカバーの上面部に、集中荷重が作用した状態における前記突起の変位量と、前記上面部及び前記側面部に、前記略均一な荷重が作用した状態における前記突起の変位量とが異なる、付記1に記載のスイッチ機構。
【0071】
(付記3)前記側面部は、前記押しボタンカバーの前記上面部の中心から、前記スイッチの中心に向かって伸びる軸を回転軸とする、回転体の少なくとも一部である、付記1又は2に記載のスイッチ機構。
【0072】
(付記4)前記筐体は、シール材をさらに備え、前記カバー板は、前記シール材を介して前記筐体に固定されるとともに、前記カバー板は、前記シール材を介して前記筐体に固定された状態において、前記スイッチの上方になる位置に、貫通孔を有し、前記貫通孔は、少なくとも前記突起の先端を貫通できる大きさである、付記1乃至3のいずれか一に記載のスイッチ機構。
【0073】
(付記5)前記カバー板は剛体であり、所定の剛性を有する、付記1乃至4のいずれか一に記載のスイッチ機構。
【0074】
(付記6)水密に構成される、付記1乃至5のいずれか一に記載のスイッチ機構。
【0075】
(付記7)上記第2の視点に係るスイッチ機構の製造方法の通りである。
【0076】
(付記8)前記側面部を回転体状に成形する工程において、前記押しボタンカバーの前記上面部の中心から、前記スイッチの中心に向かって伸びる軸を回転軸とする、回転体の少なくとも一部となる、前記側面部を形成する、付記7に記載のスイッチ機構の製造方法。
【0077】
(付記9)前記押しボタンカバーとカバー板とを一体成形する工程において、前記押しボタンカバーと、前記カバー板とを、モールド成形して一体化する、付記7又は8に記載のスイッチ機構の製造方法。
【0078】
(付記10)前記体にシール材を配置する工程と、前記シール材を介して、前記カバー板を前記体に固定する工程と、前記カバー板を、前記シール材を介して前記体に固定した場合に、前記スイッチの上方となる位置に、少なくとも、前記突起の先端を貫通できる大きさの貫通孔を形成する工程と、を含む付記7乃至9のいずれか一に記載のスイッチ機構の製造方法。
【0079】
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0080】
1、1002 筐体
2、1004 押しボタンカバー
2a 側面部
2b 上面部
3、1005 カバー板
4、1001 開口部
5、1003 スイッチ
6、1006 突起
7 シール材
100、1000 スイッチ機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13