(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エアーコンプレッサの現状に関する機器情報を、該エアーコンプレッサから離れた場所にいるユーザが所持する情報表示装置に向けて、無線通信により送信するための通信部を、更に有しており、
前記エアーコンプレッサの現状に関する機器情報には、次の(1)〜(6)の何れかの情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のエアーコンプレッサ。
(1)エアーコンプレッサの内蔵バッテリのバッテリ残量。
(2)エアータンク内の圧力値。
(3)現在のエアーコンプレッサが交流電源・内蔵バッテリのどちらからの電力供給で駆動しているのかを示す情報。
(4)交流電源が遮断された事実を知らせる情報。
(5)交流電源が遮断されて内蔵バッテリで駆動していることを知らせる情報。
(6)エアーコンプレッサの現在の電源モードを知らせる情報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、上述した問題点に鑑み、本発明の目的は、家庭用電源や仮設の商用電源といった一般的な交流電源で使用することができ、しかも、エアー吐出量等の性能が従来装置を凌駕する、新たなエアーコンプレッサを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電力不足等に起因する作業の中断を可能な限り回避し、エアー工具による作業の継続を可能にする、新たなエアーコンプレッサを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、エアーコンプレッサの現状やその現状に基づく各種ガイダンスなどユーザに知らせて、エアーコンプレッサを使うユーザ等を適切に支援することを可能にする、エアーコンプレッサおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的は、
圧縮エアーを生成するためのモータを具備する圧縮装置と、圧縮エアーを貯留するためのエアータンクとを備えるエアーコンプレッサであって、
交流電源を主電源(主たる電力供給源)として駆動するモータと、
前記モータに電力を供給するためのバッテリと、
前記交流電源からモータへの電力供給と、前記バッテリからモータへの電力供給を、それぞれ制御するための電源制御手段と、
を有するエアーコンプレッサによって達成される。
【0012】
また上記目的は、
圧縮エアーを生成するためのモータを具備する圧縮装置と、圧縮エアーを貯留するためのエアータンクとを備えるエアーコンプレッサであって、
必要に応じてモータに電力を供給するためのバッテリと、
外部電源である交流電源および前記バッテリの何れか一方または双方からの供給電力により駆動するモータと、
前記交流電源からモータへの電力供給と、前記バッテリからモータへの電力供給を、それぞれ制御するための電源制御手段と、
を有するエアーコンプレッサによって達成される。
【0013】
上記エアーコンプレッサにおいて、電源制御手段は、例えば
(1) 前記交流電源からの電力で前記モータを駆動させる第1の電源モード、
(2) 前記交流電源からの電力に対して前記バッテリからの電力を加えたもので前記モータを駆動させる第2の電源モード、
の何れかの電源モードで前記モータを駆動させる。
【0014】
また上記エアーコンプレッサにおいて、電源制御手段は、例えば
(1) 前記交流電源からの電力で前記モータを駆動させる第1の電源モード、
(2) 前記交流電源からの電力と前記バッテリからの電力で前記モータを駆動させる第2の電源モード、
(3) 前記バッテリからの電力で前記モータを駆動させる第3の電源モード、
の何れかの電源モードで前記モータを駆動させる。
【0015】
また上記エアーコンプレッサにおいて、電源制御手段は、例えば
(a) エアーコンプレッサの状況、
(b) 前記交流電源からの電力供給状況、
の何れかの状況に応じて前記電源モードを切り替える。
【0016】
また上記エアーコンプレッサは、電源モードを手動で切り替えるための電源モード切替手段を有していてもよい。
【0017】
また上記エアーコンプレッサにおいて、バッテリは、交流電源から供給される電力によって充電可能に構成されていてもよい。
【0018】
また上記エアーコンプレッサにおいて、バッテリは、取り外し可能に設けられていてもよい。
【0019】
また上記エアーコンプレッサにおいて、バッテリは、エアーコンプレッサに対して着脱自在に構成され、該エアーコンプレッサから取り外した状態で外部給電できるように構成されていてもよい。
【0020】
また上記エアーコンプレッサは、エアーコンプレッサの現状に関する機器情報を、該エアーコンプレッサから離れた場所にいるユーザが所持する情報表示装置に向けて無線通信により送信するための通信部を、更に有していてもよい。
【0021】
また、上記目的は、
上述したエアーコンプレッサと、該エアーコンプレッサとの間で無線通信を行う情報表示装置と、を用いたエアーコンプレッサの情報表示方法であって、
エアーコンプレッサが、該エアーコンプレッサの現状に関する機器情報を、エアーコンプレッサから離れた場所にいるユーザが所持する情報表示装置に向けて、無線通信により送信するステップと、
前記情報表示装置が、エアーコンプレッサから受信した機器情報に基づいて、該エアーコンプレッサの現状に関する機器情報をリアルタイムで表示するステップと、
を含む情報表示方法によって達成される。
【0022】
また、上記目的は、
上述したエアーコンプレッサと、該エアーコンプレッサとの間で無線通信を行う情報表示装置と、を用いたエアーコンプレッサの情報表示方法であって、
エアーコンプレッサが、該エアーコンプレッサの現状に関する機器情報を、エアーコンプレッサから離れた場所にいるユーザが所持する情報表示装置に向けて、無線通信により送信するステップと、
前記情報表示装置が、エアーコンプレッサから受信した機器情報に基づいて、エアーコンプレッサを使用するユーザを支援するための支援情報を表示するステップと、
を含む情報表示方法によって達成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明のエアーコンプレッサは、交流電源を主電源として駆動するモータと、当該モータに電力を供給するためのバッテリ電源を有している。圧縮エアーを生成するための動力源である前記モータは、家庭用電源や仮設の商用電源といった一般的な交流電源を主電源として駆動するとともに、エアーコンプレッサが具備するバッテリ電源から供給される電力によっても駆動する。交流電源はいわゆる「外部電源」であり、バッテリ電源はエアーコンプレッサ自身が備える「内部電源」である。
したがって本発明によれば、外部電源である一般的な交流電源から供給される電力に対し、必要に応じて外部電源であるバッテリから供給される電力を加味することが可能になるので、エアーコンプレッサのモータ容量を増大させることができ、その結果、エアーコンプレッサの性能を向上させることが可能になる。つまり、本発明のエアーコンプレッサは、一般的な交流電源で使用可能な機器であるにもかかわらず、従来の交流電源式コンプレッサを凌駕する性能を達成することができる。
また、交流電源からの電力とバッテリからの電力を合成することで、モータの回転トルクを上昇させることが可能になる。その結果、圧縮エアーの生成に係る性能を全体的に(底上げ的に)向上させることができることは勿論のこと、必要なときに又は状況に応じて性能を向上させることもできる。つまり、モータの回転トルクを(従来の交流電源式コンプレッサよりも)常に大きくすることが可能であり、また、必要なときに又は状況に応じて、回転トルクを一時的に大きくすることもできる。
なお一般的に、圧縮エアーの圧力が上昇すると、モータに対する負荷が大きくなり、それに伴って、モータの回転トルクが低下するとともに、圧縮エアーの吐出量(L/min)は低下する傾向にあるが、バッテリからの電力を加味してモータの回転トルクを(従来の交流電源式コンプレッサよりも)大きくすることで、高圧下でも高い回転速度が維持され、より多くの圧縮エアー吐出量を確保することが可能になる。したがって本発明によれば、交流電源式コンプレッサであるにもかかわらず、高圧下においても、モータの出力低下が可及的に回避され、従来装置よりも多くの吐出量を確保できる。
また、電源電圧の低下等により電力不足に陥り易い現場では、バッテリからの電力を加味することで、モータ出力の低下を回避し、エアータンク内の圧力を必要圧力まで上昇させることができる。つまり、電力不足に陥り易いような現場でも、エアー工具を使う作業の継続性を保つことができる。
【0024】
また、本発明のエアーコンプレッサでは、電源制御手段は、例えば次の何れかの電源モードでモータを駆動させるようになっている。
(1) 交流電源からの電力だけでモータを駆動させる第1の電源モード(通常電源モード)。
(2) 交流電源からの電力とバッテリからの電力を合成したものでモータを駆動させる第2の電源モード(パワーアップモード)。
例えば、従来の交流電源式のエアーコンプレッサでも性能的に足りるような状況下で使用する場合には、上記「第1の電源モード」でモータを駆動させ、また、従来の交流電源式のエアーコンプレッサを上回る出力で使用する場合には、上記「第2の電源モード」でモータを駆動させる。
例えば、モータの電流値が所定値(例えば9A)以下になったときに、交流電源からの電力とバッテリからの電力を合成してモータを駆動させるようにしてもよい(第1の電源モード)。あるいは、モータの電流値が常に所定値(例えば9A)を保つように、必要に応じて交流電源からの電力とバッテリからの電力を合成してモータを駆動させるようにしてもよい(第1の電源モードと第2の電源モードとの間での切り替え)。
このように、複数のモードでモータを駆動させることで、バッテリの無駄な消耗を回避することができる。また、交流電源からの電力に対してバッテリからの電力を加味してモータを駆動させた場合には、従来の交流電源式コンプレッサを上回る出力でモータを駆動させることができ、エアー工具使用時の作業効率が大幅に向上する。
【0025】
また、本発明のエアーコンプレッサでは、電源制御手段は、例えば次の何れかの電源モードでモータを駆動させるようになっている。
(1) 交流電源からの電力だけでモータを駆動させる第1の電源モード(通常電源モード)。
(2) 交流電源からの電力とバッテリからの電力を合成したものでモータを駆動させる第2の電源モード(パワーアップモード)。
(3) バッテリからの電力だけでモータを駆動させる第3の電源モード(バッテリーモード)。
例えば、従来の交流電源式のエアーコンプレッサでも性能的に足りるような状況下で使用する場合には、上記「第1の電源モード」でモータを駆動させ、また、従来の交流電源式のエアーコンプレッサを上回る出力で使用する場合には、上記「第2の電源モード」でモータを駆動させる。また、諸事情により電源供給ができない現場では、あるいは、供給電源が一時的に途絶えた場合には、上記「第3のモード」でモータを駆動させる。
このように、複数のモードでモータを駆動させることで、バッテリの無駄な消耗を回避することができる。また、電源供給ができない現場や、他の電動器具を同時に使用する等で起こる電源容量不足でのブレーカ遮断で供給電源が途絶えた場合でも、内蔵バッテリからの電力を使ってモータを駆動させることで、電源設備の乏しい現場でも、エアー工具を使う作業を一定期間継続することが可能になる。また、電源容量不足でのブレーカ遮断により供給電源が途絶えてしまうような現場でも、エアー工具を使った作業の中断を回避できる。
【0026】
また、本発明のエアーコンプレッサでは、電源制御手段が、
(a) エアーコンプレッサの状況(エアーコンプレッサの内部的要因)、
(b) 交流電源からの電力供給状況(エアーコンプレッサの外部的要因)、
の何れかに応じて前記電源モードを自動で切り替えるようになっている。
「エアーコンプレッサの状況」とは、例えば、エアータンク内の圧力(圧縮エアーの圧力)、モータの出力、モータに対する負荷、電源回路の出力電力の電流値、エアータンクに貯留された圧縮エアーの消費状況などが挙げられる。
「交流電源からの電力供給状況」とは、例えば、他の電動器具を同時に使用する等で起こる電源容量不足でのブレーカ遮断で供給電源が途絶えたような状況や、電源電圧が低下するような状況などが挙げられる。
このように、種々の状況に応じて電源モードを自動で切り替えることで、切り替えの手間をかけることなく、状況に応じた最適な電源モードでモータを駆動させることができる。
【0027】
また、本発明のエアーコンプレッサには、電源モードを手動で切り替えるための電源モード切替手段が設けられている。これにより、エアーコンプレッサのユーザの判断により、任意のタイミングで電源モードを切り替えることができる。その結果、例えば、従来の交流電源式コンプレッサを上回る出力での運転が必要になったときに、ユーザの判断により、電源モードを手動で切り替えることなどが可能になる。
【0028】
また、本発明のエアーコンプレッサでは、バッテリは、交流電源から供給される電力によって充電可能に構成されている。これにより例えば、バッテリからの電力供給なしで(つまり通常の交流電源で)モータを駆動させているときに、バッテリを充電することが可能になる。これによりバッテリを充電する手間を省くことができる。
【0029】
また、本発明のエアーコンプレッサでは、バッテリは取り外し可能に設けられている。
これにより、バッテリ残量が僅かになった場合に又は無くなった場合に、当該バッテリをエアーコンプレッサから取り外して、充電済みの新たなバッテリに付け替えることが可能になる。
【0030】
また、本発明のエアーコンプレッサでは、バッテリは、エアーコンプレッサに対して着脱自在に構成されており、該エアーコンプレッサから取り外した状態で充電することができる。
これにより、エアーコンプレッサからバッテリを取り外すとともに、その取り外したバッテリをアダプタや専用充電器等を利用して外部充電することが可能になり、バッテリの充電作業が簡単になる。
また、エアーコンプレッサに通電されてい状態でも、必要に応じて、外部充電器(エアーコンプレッサとは別の機器)を利用してバッテリを充電することができる。また、そのような外部充電器を利用して、複数のバッテリをあらかじめ充電しておき、電源遮断時におけるバッテリ駆動に備えることができる。
【0031】
また、本発明の情報表示方法では、
1) エアーコンプレッサが、該エアーコンプレッサの現状に関する機器情報を、エアーコンプレッサから離れた場所にいるユーザが所持する情報表示装置(携帯型通信機器/携帯端末)に向けて、無線通信により送信し、
2) 情報表示装置が、エアーコンプレッサから受信した機器情報に基づいて、該エアーコンプレッサの現状に関する機器情報をリアルタイムで表示するようになっている。
情報表示装置にリアルタイムで表示する機器情報の具体例としては、例えば、コンプレッサが内蔵している現在のバッテリ残量(内部電源の残量)などが挙げられる。
このような機器情報を情報表示装置にリアルタイムで表示することで、エアーコンプレッサから離れた場所にいるユーザ側で、現在のエアーコンプレッサの機器状態をリアルタイムで正確に把握することができる。
例えば、バッテリ残量を情報表示装置にリアルタイムで表示させることで、想定外のバッテリ切れを未然に防止し、電源供給の遮断などの不測の事態に常に備えることができる。すなわち、バッテリが必要なときに、確実にバッテリを機能させることができる。また、バッテリ切れが近いことが分かれば、適切なタイミングで、当該バッテリを充電済みのものに付け替えることも可能である。
【0032】
また、本発明の情報表示方法では、情報表示装置が、エアーコンプレッサから受信した機器情報に基づいて、エアーコンプレッサのユーザを支援するための支援情報を表示するようになっている。
情報表示装置に表示する「エアーコンプレッサのユーザを支援するための支援情報」の具体例としては、設定圧力値までの到達予想時間、バッテリの充電を促す警告、などが挙げられる。
このような支援情報を、エアーコンプレッサから離れた場所にいるユーザの情報表示装置に表示することで、エアーコンプレッサの操作や管理を行うユーザを適切に支援することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(エアーコンプレッサの構成)
図1に基づいて、本発明に係るエアーコンプレッサの概略について説明する。
図1は、本発明に係るエアーコンプレッサの機能的構成を概略的に示すブロック図である。以下、エアーコンプレッサを必要に応じて「コンプレッサ」と略称する。
【0035】
本実施形態のコンプレッサは、主として、
・圧縮エアーを生成するためのモータを具備する圧縮装置1と、
・生成した圧縮エアーを貯留するためのエアータンク3を
備えている。
【0036】
エアータンク3には、貯留する圧縮エアーの圧力を計測する圧力センサ5が設けられている。エアータンク3が具備する圧力センサ5は、後述する圧縮装置の制御回路29に電気的に接続されている。圧力センサ5による計測結果(計測値)は、制御回路29に送信され、後述する電源モードの自動切り替えやモータ13の各種制御などに利用される。
【0037】
このエアータンク3の上には、圧縮装置1がカバーに覆われた状態で載置固定されている。圧縮装置1を支えるエアータンク3は、一般的に2本のボンベからなり、並列状態で配置されている。
【0038】
圧縮エアーを生成するための圧縮装置1は、主として、
・外部のAC電源12(外部電源)を主電源として駆動するモータ13と、
・モータ13を動力源として駆動するエアー圧縮部15と、
・モータ13に電力を供給するためのバッテリ17(内部電源)と、
・制御回路29からの制御を受けてモータ13を駆動するための駆動回路19と、
・モータ13の出力や負荷等を検出するための検出回路21と、
・入力電力から必要な出力電力を生成するための電源回路23と、
・電源のON/OFF操作や各種モードの切り替えなどに用いられる操作部25と、
・電源のON/OFF状態や各種モードの状態などを表示するための表示部27と、
・ユーザが所持する情報表示装置との間で無線通信を実行するための通信部28と、
・圧縮装置が具備する各部の電子制御などを担う制御回路29を
有している。
【0039】
モータ13は、家庭用電源や仮設の商用電源といった一般的な交流電源(すなわち外部電源)を主電源として駆動できるように構成されている。モータ13が駆動し、そのモータシャフトが回転することで、エアー圧縮部15のピストンが往復動する。なお、モータの種類は特に限定されず、例えば、DCブラシレスモータなどを使うことができる。
【0040】
エアー圧縮部15は、主として、シリンダと、当該シリンダに対し往復動するピストンを有している。加圧運転時にエアー圧縮部15のピストンが往復動することで、シリンダ内でエアーが圧縮され、圧縮エアーが生成される。生成された圧縮エアーは流路を介してエアータンク3に送り込まれて貯留される。
【0041】
バッテリ17は、コンプレッサ自身が装備する内部電源であって、電源回路23に電気的に接続されている。このバッテリ17は、主としてモータ13に電力を供給する役割を担う。また、このバッテリ17は、AC電源12から供給される電力によって充電可能に構成されており、また、コンプレッサに対して取り外し可能に設けられている。また、このバッテリ17は、コンプレッサから取り外した状態で、アダプタや専用充電器等を利用して外部充電できるように構成されている。
【0042】
駆動回路19は、制御回路29、電源回路23、モータ13のそれぞれに電気的に接続されている。この駆動回路19は、制御回路29からの制御信号に基づいてモータ13を駆動する。モータ駆動用の電力は、電源回路23と駆動回路19を介して、AC電源12及び/又はバッテリ17から供給される。
【0043】
検出回路21は、制御回路29およびモータ13に電気的に接続されており、モータの出力、モータに対する負荷、モータの電流値などを検出する役割を担う。検出回路21による検出結果(検出値)は、制御回路29に送信され、後述する電源モードの自動切り替えやモータ13の各種制御などに利用される。
【0044】
電源回路23は、バッテリ17および制御回路29に電気的に接続されており、また、駆動回路19を介してモータ13に電気的に接続されている。また、電源回路23には、図示しない電源コードが接続されており、その先端の電源プラグを外部のAC電源12に接続することで、当該AC電源が電源回路23に電気的に接続される。
この電源回路23は、AC電源12およびバッテリ17の何れか一方または双方からの入力電力から、モータ13の駆動に必要とされる出力電力を生成する。
具体的には、後述する通常電源モード(第1の電源モード)では、電源回路23は、電源コードを介してAC電源12から入力された電力を、モータ13の駆動に適した電力に変換して出力する。
また、後述するパワーアップモード(第2の電源モード)では、電源回路23は、AC電源12およびバッテリ17の双方から入力された電力を、モータ13の駆動に適した電力に変換して出力する。
また、後述するバッテリモード(第3の電源モード)では、電源回路23は、バッテリ17から入力された電力を、モータ13の駆動に適した電力に変換して出力する。
電源回路23から出力された電力は、駆動回路19を介してモータ13へ供給される。
【0045】
操作部25は制御回路29に電気的に接続されている。この操作部25は、電源のON/OFFや各種モードの切り替えなどに用いられる。この操作部25には、電源のON/OFFスイッチのほか、後述する電源モードを手動で切り替えるための切り替えスイッチ(電源モード切替手段)などが設けられている。
【0046】
表示部27は制御回路29に電気的に接続されている。この表示部27には、LEDなどの情報表示手段が設けられており、当該情報表示手段によって、電源のON/OFF状態や各種モードの設定状態などを表示するようになっている。
【0047】
制御回路29は、
図1に示すとおり、電源回路23、駆動回路19、その他の各部に直接的または間接的に電気的に接続されている。
【0048】
本実施形態において、制御回路29、電源回路23、駆動回路19の組合せは、「電源制御手段7」を構成している。電源制御手段7は、AC電源12からモータ13への電力供給と、バッテリ17からモータ13への電力供給を、それぞれ制御する。
【0049】
具体的には、電源制御手段7は、その機能の一つとして、下記(1)(2)(3)の何れかの電源モードでモータ13を駆動させる役割を担っている。
(1) AC電源12からの電力だけでモータ13を駆動させる通常電源モード(第1の電源モード)。
(2) AC電源12からの電力とバッテリ17からの電力でモータ13を駆動させるパワーアップモード(第2の電源モード)。
(3) バッテリ17からの電力だけでモータ13を駆動させるバッテリーモード(第3の電源モード)。
【0050】
また、電源制御手段7は、
(a) コンプレッサの状況(コンプレッサの内部的要因)、
(b) AC電源からの電力供給状況(コンプレッサの外部的要因)、
の何れかに応じて上記電源モードを自動的に切り替える役割を担っている。
【0051】
なお、本実施形態では、前述したとおり、操作部25が切り替えスイッチ(電源モード切替手段)具備しており、コンプレッサのユーザは、この切り替えスイッチを利用して上記電源モードを任意のタイミングで手動で切り替えることも可能である。
【0052】
通信部28は、制御回路29による制御のもと、通信圏内にある情報表示装置との間で各種信号の送受信を行う。通信部28は、例えば無線通信モジュールで構成される。この通信部28を介してコンプレッサと情報表示装置は相互にワイヤレス接続される。
【0053】
(情報表示装置の構成)
本実施形態では、情報表示装置の具体例として、携帯可能な通信機器を例示する。
【0054】
本実施形態で用いる情報表示装置の機能的構成の概略を、
図5に示す。この情報表示装置は、携帯型通信機器(携帯端末)であって、所持可能な大きさ・形状を有している。情報表示装置を所持する者の代表例としては、エアー工具のユーザ(エアーホースを介してコンプレッサに接続されたエアー工具を使用する作業者)などが挙げられる。
【0055】
図5に示すように、情報表示装置は、
・液晶ディスプレイやLEDなどからなる表示部51と、
・コンプレッサのセキュリティー装置との間で無線通信を行う通信部53と、
・警告音や音声ガイダンスなどの音情報を出力可能なスピーカ55と、
・上記の各部を制御する回路からなる制御部57を有している。
【0056】
液晶ディスプレイやLEDなどからなる表示部51は、コンプレッサの現状に関する情報や、コンプレッサのユーザを支援する情報などを表示する役割を担っている。
【0057】
通信部53は、制御部57による制御のもと、コンプレッサの通信部28との間で各種信号の送受信を行う。通信部53は、例えば無線通信モジュールで構成される。この通信部53を介して情報表示装置とコンプレッサは相互にワイヤレス接続される。また、このような通信部53を情報表示装置に具備させることで、該情報表示装置を、遠隔操作用の「リモートコントローラ」として機能させることも可能である。
【0058】
コンプレッサと情報表示装置との間で実行される無線通信の方式は特に限定されず、その具体例としては例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格や、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANといったものが挙げられる。
【0059】
制御部57は、情報表示装置が具備する各部を制御する役割を担っている。
【0060】
情報表示装置の具体例には、携帯可能なリモートコントローラタイプの通信機器(無線通信機器/リモコン)や、コンプレッサのユーザ等が所持する携帯型情報端末などが含まれる。後者の携帯型情報端末の具体例としては、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、スマートウォッチ、ウェアラブルコンピュータなどの無線通信機器が挙げられる。
【0061】
上記構成の情報表示装置は、あらかじめ自己のID情報をコンプレッサが具備するメモリ等に登録(すなわちペアリング)しておくことで、後述する機器情報等を該コンプレッサから無線通信により受信することが可能である。
【0062】
次に、コンプレッサにおける各電源モードの詳細について説明する。
【0063】
(通常電源モード/第1の電源モードでの駆動)
図2は、通常電源モード(第1の電源モード)でモータ13が駆動するときの状態を概略的に示している。
【0064】
通常電源モードでは、AC電源12からの電力だけでモータ13を駆動させる。
したがって、本実施形態の場合において、通常電源モードでのコンプレッサの性能は、従来の交流電源式のコンプレッサと比較して差異は無い。
【0065】
また、通常電源モードでは、バッテリ17に充電が必要な場合(充電可能な状態の場合)には、AC電源12からの電力によって電源回路23を介して当該バッテリに充電が行われる。
【0066】
なお、後述するとおり、コンプレッサが通常電源モード(第1の電源モード)で駆動し始めたときには、その事実を知らせる機器情報をコンプレッサから情報表示装置に送信し、情報表示装置において「コンプレッサが通常電源モード(第1の電源モード)で駆動している」旨の情報を表示することが可能である。すなわち、コンプレッサのユーザ(情報表示装置を所持するユーザ)は、コンプレッサから離れた場所にいても、該コンプレッサのいま現在の電源モードをリアルタイムで正確に把握することが可能である。
【0067】
また、他の電源モードから通常電源モード(第1の電源モード)に切り替わった際に、その事実に関する機器情報をコンプレッサから情報表示装置に送信し、情報表示装置においてその事実を知らせるアラーム音等をスピーカから出力することも可能である。
【0068】
(パワーアップモード/第2の電源モードでの駆動)
図3は、パワーアップモード(第2の電源モード)でモータ13が駆動するときの状態を概略的に示している。
【0069】
パワーアップモードでは、電源回路23においてAC電源12からの電力とバッテリ17からの電力が合成され(すなわち、AC電源12からの電力に対しバッテリ17からの電力が加味され)、その合成電力によってモータ13を駆動させる。
【0070】
一般的に、圧縮エアーの圧力が上昇すると、モータに対する負荷が大きくなり、それに伴って、モータの回転トルクが低下するとともに、圧縮エアーの吐出量(L/min)は低下する傾向にあるが、バッテリ17からの電力を加味してモータ13の回転トルクを(従来の交流電源式コンプレッサよりも)大きくすることで、高圧下でも高い回転速度が維持され、より多くの圧縮エアー吐出量を確保することが可能になる。
したがって、本実施形態の如くパワーアップモードでモータ13を駆動させることで、高圧下においても、モータの出力低下が可及的に回避され、従来装置よりも多くの吐出量を確保できる。
【0071】
なお、後述するとおり、コンプレッサがパワーアップモード(第2の電源モード)で駆動し始めたときには、その事実を知らせる機器情報をコンプレッサから情報表示装置に送信し、情報表示装置において「コンプレッサがパワーアップモード(第2の電源モード)で駆動している」旨の情報を表示することが可能である。すなわち、コンプレッサのユーザ(情報表示装置を所持するユーザ)は、コンプレッサから離れた場所にいても、該コンプレッサのいま現在の電源モードをリアルタイムで正確に把握することが可能である。
【0072】
また、他の電源モードからパワーアップモード(第2の電源モード)に切り替わった際に、その事実に関する機器情報をコンプレッサから情報表示装置に送信し、情報表示装置においてその事実を知らせるアラーム音等をスピーカから出力することも可能である。
【0073】
(バッテリーモード/第3の電源モードでの駆動)
図4は、バッテリーモード(第3の電源モード)でモータ13が駆動するときの状態を概略的に示している。
【0074】
バッテリーモードでは、AC電源12への電気的接続の有無にかかわらず、内部電源であるバッテリ17からの電力を使ってモータ13を駆動させる。
【0075】
バッテリーモードでモータ13を駆動させることで、電源設備の乏しいような現場でも、エアー工具を使う作業を一定期間継続することが可能になる。また、電源容量不足でのブレーカ遮断により供給電源が途絶えてしまうような現場でも、エアー工具を使った作業の中断を回避できる。
【0076】
なお、後述するとおり、コンプレッサがバッテリーモード(第3の電源モード)で駆動し始めたときには、その事実を知らせる機器情報をコンプレッサから情報表示装置に送信し、情報表示装置において「コンプレッサがバッテリーモード(第3の電源モード)で駆動している」旨の情報を表示することが可能である。すなわち、コンプレッサのユーザ(情報表示装置を所持するユーザ)は、コンプレッサから離れた場所にいても、該コンプレッサのいま現在の電源モードをリアルタイムで正確に把握することが可能である。
【0077】
また、他の電源モードからバッテリーモード(第3の電源モード)に切り替わった際に、その事実に関する機器情報をコンプレッサから情報表示装置に送信し、情報表示装置においてその事実を知らせるアラーム音等をスピーカから出力することも可能である。
【0078】
(電源モードの切り替え)
次に、上述した電源モード(通常電源モード、パワーアップモード、バッテリーモード)を自動的に切り替える方法について説明する。
【0079】
電源モードの切り替えは、一定の判断基準(予め定めた基準値など)に基づいて、電源制御手段7が自動的に行う。具体的には、制御回路29がコンプレッサの状況(内部的要因)やAC電源からの電力供給状況(外部的要因)を監視し、その状況の変化等に応じて、電源制御手段7が電源モードを自動で切り替える。
【0080】
「コンプレッサの状況」とは、例えば、エアータンク内の圧力(圧縮エアーの圧力)、モータ13の出力、モータに対する負荷、モータの電流値、圧縮エアーの消費状況などが挙げられる。
【0081】
「AC電源からの電力供給状況」とは、例えば、他の電動器具を同時に使用する等で起こる電源容量不足でのブレーカ遮断で供給電源が途絶えたような状況や、電源電圧が低下するような状況などが挙げられる。
【0082】
例えば、エアータンク3内の圧力(圧縮エアーの圧力)に応じて、電源モードを自動で切り替える実施例について説明する。
この実施例では、通常電源モードで駆動しているときに、圧力センサ5から受信した信号(圧力値)に基づいて、所定の圧力を超えたと制御回路29が判断した場合には、電源制御手段7が、コンプレッサの電源モードを「通常電源モード」から「パワーアップモード」に自動的に切り替える。
一方、パワーアップモードで駆動しているときに、所定の圧力を下回ったと制御回路29が判断した場合には、電源制御手段7が、コンプレッサの電源モードを「パワーアップモード」から「通常電源モード」に切り替える。
【0083】
次に、例えば、モータ13の出力とエアータンク3内の圧力(圧縮エアーの圧力)に応じて、電源モードを自動で切り替える実施例について説明する。
この実施例では、通常電源モードで駆動しているときに、検出回路21から受信した信号(モータ出力)に基づいて、所定のモータ出力を下回ったと制御回路29が判断した場合には、電源制御手段7が、コンプレッサの電源モードを「通常電源モード」から「パワーアップモード」に自動的に切り替える。
一方、パワーアップモードで駆動しているときに、圧力センサ5から受信した信号(圧力値)に基づいて、エアータンク3内の圧力が所定の圧力を上回ったと制御回路29が判断した場合には、電源制御手段7が、コンプレッサの電源モードを「パワーアップモード」から「通常電源モード」に切り替える。
【0084】
次に、例えば、モータの電流値に応じて、電源モードを自動で切り替える実施例について説明する。
この実施例では、検出回路21からの検出値(電流値)を制御回路29が常に監視し、モータ13の電流値が常に所定値(例えば9A)を保つように、電源制御手段7が、「通常電源モード」と「パワーアップモード」との間で電源モードの切り替えを自動的に実行する。
【0085】
次に、例えば、AC電源12からの電力供給状況に応じて、電源モードを自動で切り替える実施例について説明する。
この実施例では、通常電源モードまたはパワーアップモードで駆動しているときに、電源回路23から受信した信号に基づいて、外部電源が遮断された又は所定の電圧値を下回ったと制御回路29が判断した場合には、電源制御手段7が、コンプレッサの電源モードを「通常電源モード」または「パワーアップモード」から「バッテリーモード」に自動的に切り替える。
一方、バッテリーモードで駆動しているときに、外部電源が復旧した又は所定の電圧値を超えたと制御回路29が判断した場合には、電源制御手段7が、コンプレッサの電源モードを「バッテリーモード」から「通常電源モード」または「パワーアップモード」に切り替える。
【0086】
このように、本実施形態のコンプレッサによれば、コンプレッサの種々の状況(内部的要因)や、AC電源からの電力供給状況(外部的要因)に応じて、電源モードを自動で切り替えることができる。
【0087】
なお、コンプレッサの電源モードの切り替えは、必ずしも、自動制御に限定されず、操作部25が具備する切り替えスイッチ(電源モード切替手段)を利用して、任意のタイミングで手動で切り替えることも可能である。
【0088】
(情報表示方法)
次に、コンプレッサと情報表示装置との間での無線通信を利用した情報表示方法について説明する。
【0089】
コンプレッサから情報表示装置に送信する情報の概要や、情報表示装置において表示する情報の概要は、
図6に示すとおりである。以下、
図1、
図5および
図6に基づいて具体的に説明する。
【0090】
本実施形態において、コンプレッサの通信部28は、該コンプレッサの現状に関する機器情報を、コンプレッサから離れた場所にいるユーザが所持する情報表示装置に向けて、無線通信により送信する。
【0091】
情報表示装置は、エアー工具のユーザ(エアーホースを介してコンプレッサに接続されたエアー工具を使用する作業者)などが所持している。なお、この出願において、エアー工具のユーザは、コンプレッサのユーザでもある。
【0092】
コンプレッサから情報表示装置への情報送信は、例えば、コンプレッサの現状(例えば、電源モード、バッテリ残量、圧力値など)が変化するたびに実行される。つまり、情報表示装置は、コンプレッサの現状に関する機器情報が更新されるたびに、その機器情報をコンプレッサから受信するようになっている。
【0093】
コンプレッサから離れた場所に位置する情報表示装置は、コンプレッサから通信部28を介して機器情報を受信し、次いで、受信した情報に基づいて、該コンプレッサの現状に関する機器情報をリアルタイムで表示部51に表示する。すなわち、情報表示装置に表示される情報は、いま現在のコンプレッサの現状に関する情報である。
【0094】
情報表示装置の表示部51にリアルタイムで表示する機器情報の具体例としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
1)コンプレッサの現在のバッテリ残量(内部電源の残量)。
2)コンプレッサの圧力センサで計測された現在の圧力値(コンプレッサが起動してから現在までに到達しているエアータンク内の圧力値)。すなわち、現在出力可能な圧縮空気の圧力値。
3)現在のコンプレッサが外部電源・バッテリのどちらからの電力供給で駆動しているのかを示す情報。
4)外部電源が遮断された事実を知らせる情報。
5)外部電源が遮断されてバッテリで駆動していることを知らせる情報。
6)コンプレッサの現在の電源モードを知らせる情報。
【0095】
なお、「バッテリ残量」、「外部電源が遮断された事実」、「外部電源が遮断されてバッテリで駆動している事実」などは、電源回路23からの信号に基づいて制御回路29において検知することができる。検知された事実は、現在の機器情報として、コンプレッサから情報表示装置へ送信される。
【0096】
このような機器情報を情報表示装置側でリアルタイムで表示することで、コンプレッサから離れた場所にいるユーザが、いま現在のコンプレッサの機器状態の詳細をリアルタイムで正確に把握することができる。
【0097】
例えば、コンプレッサのバッテリ残量を情報表示装置にリアルタイムで表示させることで、想定外のバッテリ切れを未然に防止し、AC電源12からの電力供給が途絶えるなどの不測の事態に常に備えることができる。すなわち、バッテリ切れの放置を防止して、バッテリ17が必要なときに、確実に該バッテリを機能させることができる。また、情報表示装置にリアルタイムで表示される機器情報をユーザが見て、バッテリ切れが近いことが分かれば、適切なタイミングで当該バッテリ17を充電済みのものに付け替えることも可能である。
また例えば、圧力センサ5で計測された現在の圧力値(起動後から現在までに到達している圧縮空気の圧力値)を表示することで、コンプレッサ側での圧力値の上昇をリアルタイムで目視にて確認することができ、それによってエアー工具を使う作業に備えることができる。
また例えば、「現在のコンプレッサがAC電源12・バッテリ17のどちらからの電力供給で駆動しているのか」といった情報、あるいは、「AC電源12が遮断されてバッテリ17で駆動している」といった情報をリアルタイムで表示することで、外部電源遮断の事実などをいち早く把握することができるようになり、必要であれば、電源復旧のための作業をいち早く進めることができるようになる。また、外部電源遮断の事実などを知らずに(すなわちバッテリ駆動に切り替わったことを知らずに)、そのままバッテリが消耗し続け、知らぬ間にバッテリ切れに陥る、といった事態を事前に回避することができる。
【0098】
なお、前述した通常電源モード(第1の電源モード)では、コンプレッサから情報表示装置に向けて無線通信を行うための電力は、AC電源12から供給される。また、前述したバッテリーモード(第3の電源モード)では、コンプレッサから情報表示装置に向けて無線通信を行うための電力は、バッテリ17から供給される。
【0099】
また、コンプレッサは、バッテリ17とは別に、ボタン電池などの無線通信用バッテリを搭載することも可能である。このような無線通信用バッテリを備えることで、バッテリーモード(第3の電源モード)において仮にバッテリの残量がゼロになった場合においても、そのバッテリ切れの事実を、無線通信用バッテリを使って情報表示装置側に知らせることができる。そして、情報表示装置を介してその事実を把握したユーザは、バッテリを充電済みのものに交換したり、あるいは、遮断した外部電源の復旧作業などを速やかに進めることができる。
【0100】
本発明の情報表示方法は上述した実施形態に限定されず、例えば、情報表示装置は、コンプレッサから受信した機器情報に基づいて、コンプレッサのユーザを支援するための支援情報を表示することも可能である。
【0101】
情報表示装置に表示する「コンプレッサのユーザを支援するための支援情報」の具体的態様としては、例えば次のようなものが挙げられる。
【0102】
1)コンプレッサから「圧力センサ5で計測された現在の圧力値」(起動後から現在までに到達している圧縮空気の圧力値)を受信した場合には、設定圧力値までの到達予想時間を表示する。
2)コンプレッサから「圧力センサ5で計測された現在の圧力値」(起動後から現在までに到達している圧縮空気の圧力値)を受信した場合であって、当該圧力値が設定値に到達した場合には、設定圧力に到達したことを知らせる情報を情報表示装置において表示する。
3)コンプレッサから「バッテリ残量」に関する機器情報を受信した場合であって、当該残量が所定値(所定の基準値)を下回っている場合には、バッテリ17の充電を促す警告を情報表示装置において表示する。
4)コンプレッサがAC電源12で駆動している場合であって、コンプレッサからバッテリ切れを知らせる機器情報を受信した場合には、バッテリ切れを知らせる警告を情報表示装置において表示する。
【0103】
このような支援情報を、コンプレッサから離れた場所にいるユーザの情報表示装置に表示することで、コンプレッサから離れた場所にいるユーザを適切に支援することが可能になる。すなわち、コンプレッサから離れた場所にいるユーザは、このような支援情報を見て現状等を把握することで、たとえば致命的な事態に陥る前に(あるいは事態が悪化する前に)現状に応じた適切な対応または処置を行うことが可能になる。
【0104】
なお、上述したような情報の表示と併せて、情報表示装置のスピーカ55から、ユーザに対するアラーム音、警告音、音声ガイダンスなどの音情報を出力することも可能である。
【0105】
情報表示装置のスピーカ55から出力する音情報の具体例としては、例えば次のようなものが挙げられる。
1)バッテリ切れを知らせる警告音や音声ガイダンス。
2)バッテリの充電を促す警告音や音声ガイダンス。
3)AC電源12が遮断したことを知らせる警告音や音声ガイダンス。
4)バッテリ17からの電力によって(すなわちバッテリモードで)駆動し始めたことを知らせる警告音や音声ガイダンス。
5)設定圧力に到達したことを知らせるアラーム音や音声ガイダンス。
6)電源モードが切り替わったことを知らせるアラーム音や音声ガイダンス。
【0106】
(その他の実施形態や変形例)
上述した実施形態は、本発明の実施形態を例示するものであり、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、特許請求の範囲の記載の範囲内で、種々の実施形態や変形例を採用することができる。