(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2接着剤は、前記幅方向の中央領域に配される第2接着剤と、該中央領域の両側に配される第2接着剤とで湿潤時の接着強度が異なっている、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1、
図2及び
図3には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1ともいう)の基本的な構造が示されている。
おむつ1は、
図2及び
図3に示すように、表面シート12、吸収体11及び裏面シート15を備えている。表面シート12は、おむつ1の肌対向面を形成し、裏面シート15は、おむつ1の非肌対向面を形成している。吸収体11は、おむつ1の厚み方向において、表面シート12と裏面シート15との間に配置されている。
肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材において、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材において、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
【0011】
おむつ1(吸収性物品)は、縦長の形状をしており、長手方向X(縦方向)と、おむつ1を、
図2に示すように平面状に広げた状態において、該長手方向Xと直交する幅方向Yとを有している。おむつ1の長手方向Xは、着用時に、着用者の前後方向に対応する方向である。
おむつ1は、長手方向Xに、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部A、背側に位置する背側部B、及び腹側部Aと背側部Bとの間に配される股下部Cを有している。また、おむつ1は、おむつ1を幅方向Yに二等分して長手方向Xに延びる中央線CLの左右両側が該中央線CLに対して線対称の構造を有している(
図2参照)。
おむつ1は、展開型の使い捨ておむつであり、背側部Bの両側縁部にファスニングテープ7が設けられており、腹側部Aの外表面に、そのファスニングテープ7を止着するランディングゾーン8が設けられている。
【0012】
おむつ1の長手方向Xの両側には、弾性部材16aを有する立体ギャザー形成用のシート16が配されており、その弾性部材16aの収縮により、着用状態における股下部Cに、着用者の肌側に向かって起立する立体ギャザーが形成される。また、股下部Cにおける脚周りに配される部位には、レッグ部弾性部材17が伸長状態で配されており、その収縮により、着用状態における股下部Cに着用者の脚周りへのフィット性を向上させるレッグギャザーが形成される。
【0013】
おむつ1における吸収体11は、吸収性コア13と該吸収性コア13を被覆するコアラップシート14とを有している。吸収性コア13は、例えばパルプ繊維等の吸液性繊維と吸水性ポリマーとの混合積繊体から構成することができる。吸液性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維が挙げられる。セルロース系の親水性繊維以外に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなる繊維を界面活性剤等により親水化したものを用いることもできる。セルロース系の親水性繊維と、熱可塑性樹脂等からなる合成繊維を併用することもできる。
吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等が挙げられる。吸水性ポリマーとしては、自重の20倍、好ましくは30倍以上の質量の水を吸収可能なものが好ましく用いられる。
【0014】
おむつ1のコアラップシート14は、
図3に示すように、吸収性コア13の肌対向面側に位置する上側コアラップシート14aと、非肌対向面側に位置する下側コアラップシート14bとを有している。コアラップシート14としては、例えば、ティッシュペーパーや透水性の不織布が用いられる。上側コアラップシート14aと下側コアラップシート14bとは連続する一枚のシートであっても良いし、別体のシートであっても良い。コアラップシート14は、1枚で吸収性コア13の全体を包んでいても良いし、2枚以上を組み合わせて吸収性コア13を包んでいても良い。
【0015】
下側コアラップシート14bは、第1接着剤2を介して吸収性コア13の非肌対向面に接合されており、且つ第2接着剤3を介して裏面シート15の肌対向面に接合されている。第1接着剤2は、下側コアラップシート14bと吸収性コア13の非肌対向面を接合する接着剤であり、第2接着剤3は、下側コアラップシート14bと裏面シート15の肌対向面を接合する接着剤である。また、第2接着剤3は、下側コアラップシート14bの幅方向Yにおける側縁及び長手方向Xにおける端縁を越えた延出部分において同じパターンで配されていても良い。この場合、第2接着剤3は、前記延出部分において裏面シート15の肌対向面を、表面シート12及び立体ギャザー形成用シート16の何れか一方又は双方に接合している。なお、第1接着剤2及び第2接着剤3は、本発明を説明する上で便宜的に用いる用語であり、第1接着剤2及び第2接着剤3には同一の接着剤を用いても良いし、それぞれ異なる種類の接着剤を用いても良い。
【0016】
おむつ1は、
図3に示すように、下側コアラップシート14bの非肌対向面側に裏面シート15を有している。おむつ1における裏面シート15は、液不透過性又は液難透過性の樹脂フィルムからなる防漏シート15aと、該防漏シート15aの非肌対向面を被覆する外装不織布15bとの積層体からなる。なお、本発明における裏面シート15は、防漏シート15aのみからなるものであっても良い。
【0017】
第1接着剤2は、
図3及び
図4に示すように、ストライプ状に配されている。具体的には、下側コアラップシート14bと吸収性コア13の非肌対向面との間において、第1接着剤2が配された第1接着剤配置部20と、第1接着剤2が配されていない第1接着剤非配置部25とが幅方向Yに交互に、且つそれぞれ長手方向Xに延びている。第2接着剤3も同様に、ストライプ状に配されている。具体的には、下側コアラップシート14bと裏面シート15との間において、第2接着剤3が配された第2接着剤配置部30と、第2接着剤3が配されていない第2接着剤非配置部35とが幅方向Yに交互に、且つそれぞれ長手方向Xに延びている。幅方向Yにおける、第1接着剤配置部20の長さ及び第2接着剤配置部30の長さは、それぞれ一定であっても良く、一定でなくても良いが、本実施形態のように、一定であることが好ましい。また、幅方向Yにおける、第1接着剤非配置部25の長さ及び第2接着剤非配置部35の長さは、
図3及び図に示すように、それぞれ一定であっても良く、一定でなくても良いが、本実施形態のように、一定であることが好ましい。
【0018】
下側コアラップシート14bは、吸収性コア13及び裏面シート15の何れにも接着されていない非接着部5を幅方向Yに複数有している。具体的には、非接着部5は、おむつ1における第1接着剤非配置部25と第2接着剤非配置部35とが重なった部分であり、該部分は第1接着剤2及び第2接着剤3の何れもが存在しない。また、複数の非接着部5は、第1接着剤非配置部25と第2接着剤非配置部35と同様に、それぞれ長手方向Xに延びている。
【0019】
下側コアラップシート14bの非接着部5は、第1接着剤配置部20と重なっておらず且つ第2接着剤配置部30とも重なっていない部分であり、長手方向Xに延びるように形成されていれば良く、第1接着剤非配置部25と第2接着剤非配置部35とが重なる形態は特に制限されない。すなわち、非接着部5は、第1接着剤配置部20どうし間、第2接着剤配置部30どうし間、及び第1接着剤配置部20と第2接着剤と30の間のいずれの部位に形成されていても良い。
例えば、
図6(a)の左側の非接着部5のように、第1接着剤非配置部25と第2接着剤非配置部35とが完全に重なって、非接着部5を形成しても良い。第1接着剤非配置部25と第2接着剤非配置部35とが完全に重なるとは、幅方向Yにおける第1接着剤非配置部25の両端部の一方と,第2接着剤非配置部35の両端部の一方とがそれぞれ完全に一致する場合、及び幅方向Yにおける一方の接着剤非配置部の両端部が、他方の接着剤非配置部の両側部よりも外方に延出している場合の双方を包含する。
また、
図6(a)の右側の非接着部5のように、両接着剤非配置部25,35が部分的に重なって、非接着部5を形成しても良い。この場合、非接着部5は、幅方向Yにおける第1接着剤配置部20又は第2接着剤配置部30の両側に形成されている。
【0020】
本実施形態のおむつ1によれば、下側コアラップシート14bが、吸収性コア13及び裏面シート15のいずれにも接合されていない非接着部5を有しているため、下側コアラップシート14bが幅方向Yに伸び易く、吸収体11が排泄液を吸収した際、吸収体11が全体として膨らみやすく(
図7参照)、吸水性ポリマーや吸収体の膨潤が阻害される現象である膨潤阻害も生じにくい。そのため、吸収性ポリマーの吸収容量が有効に活用され、吸収体11が優れた吸収性能を発現する。
一方、下側コアラップシート14bの肌対向面又は非肌対向面の全面に接着剤がベタ塗りされていると、吸収体11が膨らみ難くなったり、吸水性ポリマーの膨潤阻害が生じて、吸収体11における吸水性ポリマーの吸収能力を十分発揮させることができない場合がある。
【0021】
吸収性コア13、下側コアラップシート14b及び裏面シート15の各部材が幅方向Yに効率的に伸びる観点、及び非接着部5を容易に形成する観点から、第1接着剤2が配された第1接着剤配置部20は、第2接着剤3が配された第2接着剤配置部30に比して、幅方向Yにおける配置ピッチが短いことが好ましい。第1接着剤配置部20の配置ピッチPaの長さは、
図5(a)に示すように、幅方向Yにおける第1接着剤配置部20の長さWa及び接着剤非配置部25の長さDaの合計の長さである。また、第2接着剤配置部30の配置ピッチPbの長さは、
図5(b)に示すように、幅方向Yにおける接着剤配置部30の長さWb及び接着剤非配置部35の長さDbの合計の長さである。
【0022】
第1接着剤配置部20の配置ピッチPa〔
図5(a)参照〕は、第2接着剤配置部30の配置ピッチPb〔
図5(b)参照〕に対して、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、また好ましくは85%以下、より好ましくは50%以下であり、また好ましくは10%以上85%以下、より好ましくは15%以上50%以下である。
第1接着剤配置部20の配置ピッチPa〔
図5(a)参照〕と、第2接着剤配置部30の配置ピッチPb〔
図5(b)参照〕との差は、好ましくは1mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは45mm以下、より好ましくは35mm以下であり、また好ましくは1mm以上45mm以下、より好ましくは10mm以上35mm以下である。
【0023】
同様の観点から、第1接着剤配置部20は、第2接着剤配置部30に比して、幅方向Yにおける長さが長いことが好ましい。
幅方向Yにおける第1接着剤配置部20の長さWa〔
図5(a)参照〕は、幅方向Yにおける第2接着剤配置部30の長さWb〔
図5(b)参照〕に対して、好ましくは120%以上、より好ましくは150%以上であり、また好ましくは400%以下、より好ましくは300%以下であり、また好ましくは120%以上400%以下、より好ましくは150%以上300%以下である。
幅方向Yにおける第1接着剤配置部20の長さWa〔
図5(a)参照〕と、幅方向Yにおける第2接着剤配置部30の長さWb〔
図5(b)参照〕との差は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上3.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.5mm以下である。
【0024】
第1ストライプ配置領域21は、第1接着剤2をストライプ状に配した領域であり、第1接着剤配置部20と第1接着剤非配置部25とを含む領域である。
吸収体11の膨潤阻害の抑制、及び吸収性コア13と下側コアラップシート14bとの接合強度のバランスの観点から、第1接着剤2は下記の寸法で配されていることが好ましい。
幅方向Yにおける第1ストライプ配置領域21の長さW1(
図4参照)は、同方向Yにおける吸収性コア13の最大長さW13(
図4参照)と同じであることが好ましい。ここで「同じである」ということは、幅方向Yにおける第1ストライプ配置領域21の長さW1と、同方向Yにおける吸収性コア13の最大長さW13との比が10%以内であることをいう。また、長手方向Xにおける第1ストライプ配置領域21の長さL1(
図4参照)は、同方向Xにおける吸収性コア13の全長L13(
図4参照)と同じであることが好ましい。ここで「同じである」ということは、長手方向Xにおける第1ストライプ配置領域21の長さL1と、同方向Xにおける吸収性コア13の全長L13との比が10%以内であることをいう。
【0025】
幅方向Yにおける第1接着剤配置部20の長さWa〔
図5(a)参照〕は、第1接着剤配置部20の配置ピッチPaに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは20%以上80%以下、より好ましくは30%以上70%以下である。
幅方向Yにおける第1接着剤配置部20の長さWa〔
図5(a)参照〕は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは1.0mm以上5.0mm以下、より好ましくは1.5mm以上4.0mm以下である。
幅方向Yにおける第1接着剤非配置部25の長さDa〔
図5(a)参照〕は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上5.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上4.0mm以下である。
【0026】
第2ストライプ配置領域31は、第2接着剤3をストライプ状に配した領域であり、第2接着剤配置部30と第2接着剤非配置部35とを含む領域である。第2接着剤3は、前述した通り、幅方向Yにおける下側コアラップシート14bの側縁を越えた延出部分において同じパターンで配されていても良いが、この場合、下側コアラップシート14bと重なる部分だけでなく、幅方向Yにおける下側コアラップシート14bの側縁を越えて配された第2接着剤配置部
30も含めて第2ストライプ配置領域31とする。
【0027】
吸収体11の膨潤阻害の抑制、及び下側コアラップシート14bと裏面シート15との接合強度のバランスの観点から、第2接着剤3は下記の範囲及び寸法で配されていることが好ましい。
第2ストライプ配置領域31は、幅方向Yにおける下側コアラップシート14bの全域に亘っていることが好ましく、下側コアラップシート14bよりも幅方向Yの外側に延出していることがより好ましい。幅方向Yにおける第2ストライプ配置領域31の長さW2(
図4参照)は、該同方向Yにおける下側コアラップシート14bの最大長さW14b(
図4参照)より長いことが好ましい。また、第2ストライプ配置領域31は、長手方向Xにおいて下側コアラップシート14bの全長に亘っていることが好ましく、下側コアラップシート14bよりも長手方向Xの外側に延出していることがより好ましい。長手方向Xにおける第2ストライプ配置領域31の長さL2(
図4参照)は、同方向Xにおける下側コアラップシート14bの全長L14b(
図4参照)よりも長いことが好ましく、同方向Xにおける防漏シート15aの全長と等しいことがより好ましく、同方向Xにおける吸収性物品の全長と等しいことがさらに好ましい。
【0028】
幅方向Yにおける第2接着剤配置部30の長さWb〔
図5(b)参照〕は、第2接着剤配置部30の配置ピッチPbに対して、好ましくは2.5%以上、より好ましくは3%以上であり、また好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であり、また好ましくは2.5%以上15%以下、より好ましくは3%以上10%以下である。
幅方向Yにおける第2接着剤配置部30の長さWb〔
図5(b)参照〕は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上3.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.5mm以下である。
幅方向Yにおける第2接着剤非配置部35の長さDb〔
図5(b)参照〕は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であり、また好ましくは3mm以上50mm以下、より好ましくは5mm以上40mm以下である。
【0029】
吸収体11の膨潤阻害をより抑制する観点から、幅方向Yにおける非接着部5の長さW5〔
図6(a)参照〕は、幅方向Yにおける第1接着剤非配置部25の長さDa〔
図6(a)参照〕に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは40%以上80%以下である。
また、幅方向Yにおける非接着部5の長さW5〔
図6(a)参照〕の総和は、幅方向Yにおける第2接着剤非配置部35の長さDb〔
図6(a)参照〕の総和に対して、好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上であり、また好ましくは75%以下、より好ましくは65%以下であり、また好ましくは15%以上75%以下、より好ましくは25%以上65%以下である。
幅方向Yにおける非接着部5の長さW5〔
図6(a)参照〕は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上4.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.5mm以下である。
【0030】
同様の観点から、非接着部5は、長手方向Xにおいて、吸収体11の全長に亘って連続して延びていることが好ましく、吸収性物品の全長と等しいことがより好ましい。尚、長手方向Xにおける第1接着剤2及び第2接着剤3の長さが吸収性物品(おむつ1)の全長よりも短い場合、長手方向Xにおける両接着剤2,3の端縁よりも外方に延出した部分、即ち幅方向Yにおいて両接着剤2,3が存在しない部分が、第1接着剤非配置部25及び第2接着剤非配置部35と連続して、非接着部5を成していても良い。
【0031】
おむつ1における第2接着剤3は、相互に異なる部位に配される弱接着剤3aと強接着剤3bとを有している。第2接着剤3としては、下側コアラップシートと裏面シートとの間を異なる接着強度で接合する複数種類の接着剤を用いることもできる。例えば、第2接着剤として、幅方向Yの中央領域に配される接着剤と、該中央領域を挟む側方領域のそれぞれに配される接着剤とで湿潤時の接着強度が異なっていることが好ましく、側方領域のそれぞれに、中央領域に配される接着剤よりも湿潤時の接着強度の強い接着剤を配することがより好ましい。斯かる構成により、排泄液で吸収体11が湿潤した際、幅方向Yにおける吸収体11の中央部を幅方向Yに伸び易くして、該吸収体11の膨潤阻害をより抑制することができる。湿潤時の接着強度は、吸収体11が排泄液と接触して湿潤した状態における接着強度を想定している。また、湿潤時の接着強度の大小は、以下に示す方法で確認するものとする。
【0032】
<接着強度の大小の確認試験>
おむつ1の幅方向Yに沿って吸収性コア13が存在する任意の部分を切断し、その切断面の下側コアラップシート14bに当たる部分を中心にスプレーで水を徐々に含浸させる。下側コアラップシート14bと裏面シート15とが剥離する方向に力を加え、下側コアラップシート14b及び裏面シート15が破断無く剥がれるかどうかを確認し、剥がれが無ければ更に水の含浸量を増やす。この操作を下側コアラップシート14bと裏面シート15とが完全に剥離するまで繰り返す。この下側コアラップシート14bと裏面シート15とが完全に剥離した際の水の含浸量によって、湿潤時の接着強度の大小を判断することができる。
この方法において、弱接着剤3aの配置領域は、強接着剤3bの配置領域よりも少ない水の含浸量で下側コアラップシート14bと裏面シート15との剥離が発生する。
【0033】
弱接着剤3aは、幅方向Yにおける下側コアラップシート14bの中央領域Mに配されていることが好ましいが、中央領域Mは、幅方向Yにおける下側コアラップシート14bの最大長さW14bを3等分して3領域に区分したときの中央の領域に配されていることが好ましい。
また、強接着剤3bは、幅方向Yにおける下側コアラップシート14bの最大長さW14bを3等分して3領域に区分したときの両側の2領域に配されていることが好ましい。
【0034】
おむつ1において裏面シート15は、防漏シート15aと外装不織布15bとを備えている。防漏シート15aと外装不織布15bとは、
図3及び
図4に示すように、ストライプ状に配された第3接着剤4を介して接合されている。第3接着剤4は、防漏シート15aと外装不織布15bとを接合する接着剤である。なお、第3接着剤も本発明を説明する上で便宜上用いる用語であり、第3接着剤として、前述した第1接着剤や第2接着剤と同一の接着剤を用いても良いし、異なる種類の接着剤を用いても良い。
【0035】
第3接着剤4は、第3接着剤4が配された複数の第3接着剤配置部40が幅方向Yに間隔を空けて配されている。即ち、第3接着剤配置部40と、該第3接着剤4が配されていない第3接着剤非配置部45とが幅方向Yに交互に、且つそれぞれ長手方向Xに延びて形成されている。第3接着剤配置部40は、
図3及び
図4に示すように、第3接着剤配置部40間の間隔が一定であっても良く、一定でなくても良いが、本実施形態のように、一定であることが好ましい。第3接着剤配置部40同士間には、第3接着剤非配置部45が存在しており、その部位では、防漏シート15aと外装不織布15bとは接合されていない。以下、第3接着剤4をストライプ状に配した領域である、第3接着剤配置部40と第3接着剤非配置部45とを含めた領域を、第3ストライプ配置領域41ともいう。
【0036】
上記のように、防漏シート15aと外装不織布15bとが、ストライプ状に配された第3接着剤4により接合されていると、着用(装着)の際又は着用中に、外装不織布15bと防漏シート15aとの接合強度を保ちつつ、外装不織布15bの風合い、特に外装不織布15bの非肌対向面の感触を柔らかくすることができる。また、防漏シート15aとして、透湿性を有するものを用いた場合、透湿性の低下を抑えることができるので、おむつ1をムレにくくすることができる。
【0037】
また、第3接着剤非配置部45と前述した非接着部5とが、おむつ1(吸収性物品)の平面視において重なっていると、前述した吸収体11の膨潤阻害をより抑制することができる。以下、第3接着剤非配置部45と非接着部5とが重なっている部分を、非接着重複部6ともいう。非接着重複部6には、第1接着剤2、第2接着剤3及び第3接着剤4の何れもが存在しない。
【0038】
上記の効果をより確実に奏させる観点から、幅方向Yにおける非接着重複部6の長さW6〔
図6(b)参照〕は、幅方向Yにおける非接着部5の長さW5〔
図6(b)参照〕に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは40%以上80%以下である。
また、幅方向Yにおける非接着重複部6の長さW6〔
図6(b)参照〕は、幅方向Yにおける第3接着剤非配置部45の長さDc〔
図6(b)参照〕に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは30%以上70%以下である。
さらに、幅方向Yにおける非接着重複部6の長さW6〔
図6(b)参照〕は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは3.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上3.5mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.0mm以下である。
【0039】
同様の観点から、非接着重複部6は、長手方向Xにおいて、好ましくは吸収体11の全長に亘って連続して延びていることが好ましく、製品全長と等しいことがより好ましい。
【0040】
下側コアラップシート14b、防漏シート15a及び外装不織布15bの各部材が幅方向Yに効率的に伸びて、吸収体
11の膨潤阻害をより抑制する観点、及び非接着部5と第3接着剤非配置部45との重なりをより容易にする観点から、第2接着剤配置部30は、第3接着剤配置部40に比して、幅方向Yにおける配置ピッチが長いことが好ましい。第3接着剤配置部40の配置ピッチPcの長さは、
図5(c)に示すように、幅方向Yにおける第3接着剤配置部40の長さWc及び第3接着剤非配置部45の長さDcの合計の長さである。
【0041】
第3接着剤配置部40の配置ピッチPc〔
図5(c)参照〕は、第2接着剤3の配置ピッチPb〔
図5(b)参照〕に対して、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは60%以下、より好ましくは30%以下であり、また好ましくは5%以上60%以下、より好ましくは10%以上30%以下である。
第2接着剤3の配置ピッチPb〔
図5(b)参照〕と、第3接着剤配置部40の配置ピッチPc〔
図5(c)参照〕との差は、好ましくは1mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であり、また好ましくは1mm以上50mm以下、より好ましくは10mm以上40mm以下である。
【0042】
同様の観点から、第2接着剤配置部30は、第3接着剤配置部40に比して、幅方向Yにおける長さが短いことが好ましい。
幅方向Yにおける第3接着剤配置部40の長さWc〔
図5(c)参照〕は、幅方向Yにおける第2接着剤3の長さWb〔
図5(b)参照〕に対して、好ましくは150%以上、より好ましくは200%以上であり、また好ましくは500%以下、より好ましくは400%以下であり、また好ましくは150%以上500%以下、より好ましくは200%以上400%以下である。
幅方向Yにおける第2接着剤配置部30の長さWb〔
図5(b)参照〕と、幅方向Yにおける第3接着剤配置部40の長さWc〔
図5(c)参照〕との差は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上4.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上3.0mm以下である。
【0043】
外装不織布15bの柔軟性及び吸収体11の膨潤阻害の抑制を両立させる観点から、第3接着剤4は、下記の寸法で配されることが好ましい。
第3接着剤配置部40の合計面積は、第3ストライプ配置領域41の面積に対して、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下であり、また好ましくは25%以上50%以下であり、より好ましくは30%以上40%以下である。
【0044】
第3ストライプ配置領域41は、幅方向Yにおいて防漏シート15aの全域に亘っていることが好ましい。幅方向Yにおける第3ストライプ配置領域41の長さW3(
図4参照)は、幅方向Yにおける吸収体11の最大長さよりも長いことが好ましく、幅方向Yにおける防漏シート15aの長さW15aと同じであることがより好ましい。また、長手方向Xにおける第3ストライプ配置領域41は、長手方向Xにおける防漏シート15aの全域に亘っていることが好ましい。長手方向Xにおける第3ストライプ配置領域41の長さL3(
図4参照)は、長手方向Xにおいて、吸収体11の全長よりも長いことが好ましく、防漏シート15aの長さL15aと同じであることがより好ましい。また、長手方向Xにおける第3ストライプ配置領域41の長さL3(
図4参照)は、長手方向Xにおける吸収体11の全長よりも長いことが好ましく、長手方向Xにおける防漏シート15aの長さと同じであることがより好ましい。
【0045】
幅方向Yにおける第3接着剤4の配置ピッチPc〔
図5(c)参照〕は、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、また好ましくは8.0mm以下、より好ましくは6.0mm以下であり、また好ましくは1.5mm以上8.0mm以下、より好ましくは2.0mm以上6.0mm以下である。
幅方向Yにおける第3接着剤配置部40の長さWc〔
図5(c)参照〕は、第3接着剤配置部40の配置ピッチPcに対して、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下であり、また好ましくは15%以上70%以下、より好ましくは20%以上60%以下である。
【0046】
幅方向Yにおける第3接着剤配置部40の長さWc〔
図5(c)参照〕は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上4.0mm以下、より好ましくは1.5mm以上3.0mm以下である。
【0047】
おむつ1(吸収性物品)の幅方向Yにおける強度を向上させる観点から、防漏シートと前記外装不織布との間が、
図5(d)に示すように、スパイラル状に配された接着剤を介して接合されていることが好ましい。また、第3接着剤配置部40sを形成するスパイラル状の連続線90が幅方向Yに複数本、間欠配置され、且つ長手方向Xに伸びていることが好ましい〔
図5(d)参照〕。このスパイラル状に配された第3接着剤4からなる第3接着剤配置部40s間に配される第3接着剤非配置部45sが、前述した非接着部5と重なることにより、吸収体11の膨潤阻害をより抑制することができる。
【0048】
第3接着剤配置部40の各連続線90は、幅方向Yの両側それぞれに複数の折り返し部91〔
図5(d)中○を付した部分〕を有している。各連続線90においては、幅方向Yの両側それぞれにおいて複数の折り返し部91の幅方向Yの位置が揃っており、幅方向Yの一方側の折り返し部91と他方側の折り返し部91との間の長さが均一である。第3接着剤4は、幅方向Yの両側それぞれにおいて複数の折り返し部91の幅方向位置が不揃い、即ち、幅方向一方側の折り返し部91と他方側の折り返し部91との間の長さが不均一なように配されていても良い。また、上記の「スパイラル状」とは、
図5(d)に示すパターン以外に、オメガ字が左右の両端において複数連続したパターンである連続オメガ字パターンも含む。以下、第3接着剤4をスパイラル状に配した領域である、第3接着剤配置部40sと第3接着剤非配置部45sとを含めた領域を、スパイラル配置領域41sともいう。
【0049】
第3接着剤4をスパイラル状に配する場合、該第3スパイラル配置領域41sも第3ストライプ配置領域41の長さW3と同様、幅方向Yおける吸収体11の最大長さよりも長いことが好ましく、幅方向Yおける防漏シート15aの長さW15aと同じであることがより好ましい。また、長手方向Xにおけるスパイラル配置領域41sの長さLs(
図4参照)も同様に、長手方向Xにおける吸収体11の全長よりも長いことが好ましく、長手方向Xにおける防漏シート15aの長さL15aと同じであることがより好ましい。
【0050】
幅方向Yにおける第3接着剤配置部40の配置ピッチPcs〔
図5(d)参照〕は、好ましくは4mm以上、より好ましくは8mm以上であり、また好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下であり、また好ましくは4mm以上40mm以下、より好ましくは8mm以上30mm以下である。第3接着剤4の配置ピッチPcsの長さは、
図5(d)に示すように、幅方向Yにおける第3接着剤配置部40sの長さWcs及び第3接着剤非配置部45sの長さDcsの合計の長さである。なお、幅方向Yにおける第3接着剤配置部40sの長さWcsは、幅方向Yの一方側の折り返し部91と他方側の折り返し部91との間の最大長さであり、幅方向Yにおける第3接着剤非配置部45sの長さDcsは、幅方向Yに隣り合う第3接着剤配置部40sにおける対向する折り返し部91どうしの間隔の最大長さである。
【0051】
幅方向Yにおける第3接着剤配置部40sの長さWcs〔
図5(d)参照〕は、第3接着剤配置部40の配置ピッチPcsに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは70%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上80%以下、より好ましくは30%以上70%以下である。
幅方向Yにおける第3接着剤配置部40sの長さWcs〔
図5(d)参照〕は、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは3mm以上20mm以下、より好ましくは4mm以上15mm以下である。
【0052】
第3接着剤4をスパイラル状に配する場合においても、吸収性物品の平面視において第3接着剤非配置部45と非接着部5とが重なった部分である非接着重複部6は、幅方向Yにおける長さが、前述した範囲内であることが好ましい。また、非接着重複部6は、長手方向Xにおいて、前述した範囲内で連続して延びていることが好ましい。
【0053】
本実施形態における第1接着剤2、第2接着剤3及び第3接着剤4の各接着剤は、ホットメルト型の接着剤であり、コーターを用いて塗工してある。接着剤としては、使い捨ておむつ等に従来用いられている各種公知の接着剤を用いることができる。
接着剤をストライプ状に塗工する方法としては、前記コーター式のほか、グラビア式、凸版式、ビード式、スプレー式等の公知のいずれの方法をも選択することができる。
【0054】
第1接着剤2、第2接着剤3、第3接着剤4の塗布量は、充分な接合強度を確保する観点から、好ましくは0.1g/m
2以上、より好ましくは0.3g/m
2以上であり、また好ましくは5.0g/m
2以下、より好ましくは3.0g/m
2以下であり、また好ましくは0.1g/m
2以上5.0g/m
2以下、より好ましくは0.3g/m
2以上3.0g/m
2以下である。
上記の各接着剤2,3,4の塗布量は、各接着剤の接着剤配置部同士間に位置する接着剤非配置部も含めた配置領域全体の面積を求め、該面積に対する該領域中の接着剤の総重量を求める。
【0055】
おむつ1における各部の形成材料について説明すると、表面シート12、防漏シート15a、外装不織布15b、吸収体11、立体ギャザー形成用シート16の形成材料としては、従来の使い捨ておむつにおいて、それぞれ材料として用いられている各種公知の材料等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート12としては、不織布や開孔フィルム等の各種液透過性のシート材を用いることができる。防漏シート15aとしては、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。外装不織布15bとしては、各種製法による不織布、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等を用いることができ、多層構造のものであっても良い。
【0056】
テープ基材75の形成材料としては、ポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等などの合成樹脂、及びこれら合成樹脂2種以上の複合材料からなるシートや不織布等を用いることができる。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0058】
上述した実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>
表面シート、吸収体及び裏面シートを備え、長手方向及びそれと直交する幅方向を有する縦長の吸収性物品であって、
前記吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを有しており、
前記吸収性コアの非肌対向面側に位置する下側コアラップシートは、ストライプ状に配された第1接着剤を介して前記吸収性コアの非肌対向面に接合されており、且つストライプ状に配された第2接着剤を介して前記裏面シートの肌対向面に接合されており、
前記下側コアラップシートは、前記吸収性コア及び前記裏面シートの何れにも接着されていない非接着部を前記幅方向に複数有し、複数の該非接着部それぞれは前記長手方向に延びている、吸収性物品。
【0059】
<2>
前記非接着部は、前記第1接着剤が配されていない第1接着剤非配置部と、前記第2接着剤が配されていない第2接着剤非配置部とが完全に重なることによって、形成されている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記非接着部は、前記第1接着剤が配されていない第1接着剤非配置部と、前記第2接着剤が配されていない第2接着剤非配置部とが部分的に重なることによって、形成されている、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記非接着部は、前記幅方向における前記第1接着剤が配された第1接着剤配置部又は前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部の両側に形成されている、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記第1接着剤が配された第1接着剤配置部は、前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部に比して、前記幅方向における配置ピッチが短い、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記第1接着剤配置部の配置ピッチPaは、前記第2接着剤配置部の配置ピッチPbに対して、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、また好ましくは85%以下、より好ましくは50%以下であり、また好ましくは10%以上85%以下、より好ましくは15%以上50%以下である、前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記第1接着剤配置部の配置ピッチPaと、前記第2接着剤配置部の配置ピッチPbとの差は、好ましくは1mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは45mm以下、より好ましくは35mm以下であり、また好ましくは1mm以上45mm以下、より好ましくは10mm以上35mm以下である、前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品。
<8>
前記第1接着剤が配された第1接着剤配置部は、前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部に比して、前記幅方向における長さが長い、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記幅方向における前記第1接着剤配置部の長さWaは、前記幅方向における前記第2接着剤配置部の長さWbに対して、好ましくは120%以上、より好ましくは150%以上であり、また好ましくは400%以下、より好ましくは300%以下であり、また好ましくは120%以上400%以下、より好ましくは150%以上300%以下である、前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>
前記幅方向における前記第1接着剤配置部の長さWaと、前記幅方向における前記第2接着剤配置部の長さWbとの差は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上3.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.5mm以下である、前記<8>又は<9>に記載の吸収性物品。
【0060】
<11>
前記第1接着剤が配された第1接着剤配置部と、前記第1接着剤が配されていない第1接着剤非配置部とを含む第1ストライプ配置領域は、前記幅方向における長さW1が、前記幅方向における吸収性コアの最大長さW13と同じである、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記第1接着剤が配された第1接着剤配置部と、前記第1接着剤が配されていない第1接着剤非配置部とを含む第1ストライプ配置領域は、前記長手方向における長さL1が、前記長手方向における吸収性コアの全長L13と同じである、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記幅方向における前記第1接着剤配置部の長さWaは、該第1接着剤配置部の配置ピッチPaに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは20%以上80%以下、より好ましくは30%以上70%以下である、前記<5>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記幅方向における前記第1接着剤配置部の長さWaは、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは1.0mm以上5.0mm以下、より好ましくは1.5mm以上4.0mm以下である、前記<5>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記幅方向における前記第1接着剤が配されていない第1接着剤非配置部の長さDaは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上5.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上4.0mm以下である、前記<5>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部と、前記第2接着剤が配されていない第2接着剤非配置部とを含む第2ストライプ配置領域は、前記幅方向において前記下側コアラップシートの全域に亘っていることが好ましく、前記下側コアラップシートよりも前記幅方向の外側に延出していることがより好ましい、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記幅方向における前記第2ストライプ配置領域の長さW2は、前記幅方向における前記下側コアラップシートの最大長さW14bより長い、前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部と、前記第2接着剤が配されていない第2接着剤非配置部とを含む第2ストライプ配置領域は、前記長手方向において前記下側コアラップシートの全長に亘っていることが好ましく、前記下側コアラップシートよりも前記長手方向の外側に延出していることがより好ましい、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記長手方向における前記第2ストライプ配置領域の長さL2は、前記長手方向における前記下側コアラップシートの全長L14b長いことが好ましく、前記長手方向における前記裏面シートの全長と等しいことがより好ましく、前記長手方向における前記吸収性物品の全長と等しいことがさらに好ましい、前記<18>に記載の吸収性物品。
<20>
前記幅方向における前記第2接着剤配置部の長さWbは、該第2接着剤配置部の配置ピッチPbに対して、好ましくは2.5%以上、より好ましくは3%以上であり、また好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であり、また好ましくは2.5%以上15%以下、より好ましくは3%以上10%以下である、前記<5>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0061】
<21>
前記幅方向における前記第2接着剤配置部の長さWbは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上3.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.5mm以下である、前記<5>〜<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記幅方向における前記第2接着剤が配されていない第2接着剤非配置部の長さDbは、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であり、また好ましくは3mm以上50mm以下、より好ましくは5mm以上40mm以下である、前記<5>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>
前記幅方向における前記非接着部の長さW5は、前記幅方向における前記第1接着剤が配されていない第1接着剤非配置部25の長さDaに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは40%以上80%以下である、前記<5>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記幅方向における前記非接着部の長さW5の総和は、前記幅方向における前記第2接着剤が配されていない第2接着剤非配置部35の長さDbの総和に対して、好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上であり、また好ましくは75%以下、より好ましくは65%以下であり、また好ましくは15%以上75%以下、より好ましくは25%以上65%以下である、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記幅方向における前記非接着部の長さW5は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上4.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.5mm以下である、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記非接着部5は、前記長手方向において、吸収体の全長に亘って連続して延びていることが好ましく、吸収性物品の全長と等しいことがより好ましい、前記<1>〜<25>の何れか1に記載の吸収性物品。
<27>
前記第2接着剤は、前記幅方向の中央領域に配される前記第2接着剤と、該中央領域の両側に配される前記第2接着剤とで湿潤時の接着強度が異なっている、前記<1>〜<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>
前記裏面シートは、防漏シートと該防漏シートの非肌対向面を被覆する外装不織布とを備えており、
前記防漏シートと前記外装不織布との間が、ストライプ状に配された第3接着剤を介して接合されており、
前記防漏シートと前記外装不織布との間に、前記第3接着剤が配された第3接着剤配置部と、前記第3接着剤が配されていない第3接着剤非配置部とが、前記幅方向に交互に且つそれぞれ前記長手方向に延びて形成されており、
前記第3接着剤非配置部と前記下側コアラップシートの前記非接着部とが、吸収性物品の平面視において重なっている、前記<1>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>
前記第2接着剤が配された接着剤配置部は、前記第3接着剤配置部に比して、前記幅方向における配置ピッチが長い、前記<28>に記載の吸収性物品。
<30>
前記第2接着剤が配された接着剤配置部は、前記第3接着剤配置部に比して、前記幅方向における長さが短い、前記<28>又は<29>に記載の吸収性物品。
【0062】
<31>
前記第1接着剤、前記第2接着剤及び前記第3接着剤の何れもが存在しない非接着重複部は、前記幅方向における該非接着重複部の長さW6が、前記幅方向における前記非接着部の長さW5に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは40%以上80%以下である、前記<28>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
<32>
前記第1接着剤、前記第2接着剤及び前記第3接着剤の何れもが存在しない非接着重複部は、前記幅方向における該非接着重複部の長さW6が、前記幅方向における前記第3接着剤非配置部の長さDcに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは30%以上70%以下である、前記<28>〜<31>の何れか1に記載の吸収性物品。
<33>
前記第1接着剤、前記第2接着剤及び前記第3接着剤の何れもが存在しない非接着重複部は、前記幅方向における該非接着重複部の長さW6が、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは3.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上3.5mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.0mm以下である、前記<28>〜<32>の何れか1に記載の吸収性物品。
<34>
前記第1接着剤、前記第2接着剤及び前記第3接着剤の何れもが存在しない非接着重複部は、前記長手方向において、前記吸収体の全長に亘って連続して延びていることが好ましく、前記吸収性物品の全長と等しいことがより好ましい、前記<28>〜<33>の何れか1に記載の吸収性物品。
<35>
前記第3接着剤配置部の配置ピッチPcは、前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部の配置ピッチPbに対して、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは60%以下、より好ましくは30%以下であり、また好ましくは5%以上60%以下、より好ましくは10%以上30%以下である、前記<28>〜<34>の何れか1に記載の吸収性物品。
<36>
前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部の配置ピッチPbと、第3接着剤配置部40の配置ピッチPcとの差は、好ましくは1mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であり、また好ましくは1mm以上50mm以下、より好ましくは10mm以上40mm以下である、前記<28>〜<35>の何れか1に記載の吸収性物品。
<37>
前記幅方向における第3接着剤配置部の長さWcは、前記幅方向における第2接着剤が配された第2接着剤配置部の長さWbに対して、好ましくは150%以上、より好ましくは200%以上であり、また好ましくは500%以下、より好ましくは400%以下であり、また好ましくは150%以上500%以下、より好ましくは200%以上400%以下である、前記<28>〜<36>の何れか1に記載の吸収性物品。
<38>
前記幅方向における前記第2接着剤が配された第2接着剤配置部の長さWbと、前記幅方向における第3接着剤配置部の長さWcとの差は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上4.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上3.0mm以下である、前記<28>〜<37>の何れか1に記載の吸収性物品。
<39>
前記第3接着剤配置部の合計面積は、前記第3接着剤配置部及び前記第3接着剤非配置部を含む第3ストライプ配置領域の面積に対して、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下であり、また好ましくは25%以上50%以下であり、より好ましくは30%以上40%以下である、前記<28>〜<38>の何れか1に記載の吸収性物品。
<40>
前記第3接着剤配置部及び前記第3接着剤非配置部を含む第3ストライプ配置領域は、前記幅方向における該第3ストライプ配置領域の長さW3が、前記幅方向において、前記吸収体の幅よりも長いことが好ましく、前記防漏シートの長さW15aと同じであることがより好ましい、前記<28>〜<39>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0063】
<41>
前記第3接着剤配置部及び前記第3接着剤非配置部を含む第3ストライプ配置領域は、前記長手方向における第3ストライプ配置領域の長さL3が、前記長手方向において、前記吸収体の全長よりも長いことが好ましく、前記防漏シートの長さL15aと同じであることがより好ましい、前記<28>〜<40>の何れか1に記載の吸収性物品。
<42>
前記幅方向における前記第3接着剤配置部の配置ピッチPcは、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、また好ましくは8.0mm以下、より好ましくは6.0mm以下であり、また好ましくは1.5mm以上8.0mm以下、より好ましくは2.0mm以上6.0mm以下である、前記<28>〜<41>の何れか1に記載の吸収性物品。
<43>
前記幅方向における前記第3接着剤配置部の長さWcは、前記第3接着剤配置部の配置ピッチPcに対して、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下であり、また好ましくは15%以上70%以下、より好ましくは20%以上60%以下である、前記<28>〜<42>の何れか1に記載の吸収性物品。
<44>
前記幅方向における前記第3接着剤配置部の長さWcは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、また好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上4.0mm以下、より好ましくは1.5mm以上3.0mm以下である、前記<28>〜<43>の何れか1に記載の吸収性物品。
<45>
前記裏面シートは、防漏シートと該防漏シートの非肌対向面を被覆する外装不織布とを備えており、
前記防漏シートと前記外装不織布との間が、スパイラル状に配された第3接着剤を介して接合されており、
前記防漏シートと前記外装不織布との間には、前記第3接着剤が配された第3接着剤配置部と、前記第3接着剤が配されていない第3接着剤非配置部とが前記幅方向に交互に、且つそれぞれ長手方向に延びて形成されており、
前記第3接着剤非配置部と前記下側コアラップシートの前記非接着部とは、前記吸収性物品の平面視において重なっている、前記<1>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<46>
前記第3接着剤配置部と前記第3接着剤
非配置部とを含む第3スパイラル配置領域は、前記幅方向における該第3スパイラル配置領域の長さが、前記幅方向における前記吸収体の最大長さよりも長いことが好ましく、前記幅方向
における前記防漏シート15aの長さと同じであることがより好ましい、前記<45>に記載の吸収性物品。
<47>
前記第3接着剤配置部と前記第3接着剤
非配置部とを含む第3スパイラル配置領域は、前記長手方向における該第3スパイラル配置領域の長さLsが、長手方向における吸収体11の全長よりも長いことが好ましく、長手方向における防漏シート15aの長さL15aと同じであることがより好ましい、前記<45>又は<46>に記載の吸収性物品。
<48>
前記幅方向における前記第3接着剤配置部の配置ピッチPcsは、好ましくは4mm以上、より好ましくは8mm以上であり、また好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下であり、また好ましくは4mm以上40mm以下、より好ましくは8mm以上30mm以下である、前記<45>〜<47>の何れか1に記載の吸収性物品。
<49>
前記幅方向における前記第3接着剤配置部の長さWcsは、前記第3接着剤配置部40の配置ピッチPcsに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは70%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上80%以下、より好ましくは30%以上70%以下である、前記<45>〜<48>の何れか1に記載の吸収性物品。
<50>
前記幅方向における前記第3接着剤配置部の長さWcsは、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは3mm以上20mm以下、より好ましくは4mm以上15mm以下である、前記<45>〜<49>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0064】
<51>
前記第1接着剤及び前記第2接着剤の何れか一方又は双方の塗布量が、好ましくは0.1g/m
2以上、より好ましくは0.3g/m
2以上であり、また好ましくは5.0g/m
2以下、より好ましくは3.0g/m
2以下であり、また好ましくは0.1g/m
2以上5.0g/m
2以下、より好ましくは0.3g/m
2以上3.0g/m
2以下である、前記<1>〜<50>の何れか1に記載の吸収性物品。
<52>
前記第3接着剤の塗布量が、好ましくは0.1g/m
2以上、より好ましくは0.3g/m
2以上であり、また好ましくは5.0g/m
2以下、より好ましくは3.0g/m
2以下であり、また好ましくは0.1g/m
2以上5.0g/m
2以下、より好ましくは0.3g/m
2以上3.0g/m
2以下である、前記<28>〜<51>の何れか1に記載の吸収性物品。