(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6744710
(24)【登録日】2020年8月4日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】切換弁のための方法及び駆動装置
(51)【国際特許分類】
F16K 31/52 20060101AFI20200806BHJP
F16K 31/53 20060101ALI20200806BHJP
F16K 31/44 20060101ALI20200806BHJP
F16K 37/00 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
F16K31/52
F16K31/53
F16K31/44 C
F16K37/00 B
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-236470(P2015-236470)
(22)【出願日】2015年12月3日
(65)【公開番号】特開2016-121803(P2016-121803A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2018年10月3日
(31)【優先権主張番号】10 2014 117 800.9
(32)【優先日】2014年12月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ステン ヴァーリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】イェルク ガスマン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン フラウロブ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル パーナー
【審査官】
北村 一
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2013−0022809(KR,A)
【文献】
実開昭55−142776(JP,U)
【文献】
実開昭59−189974(JP,U)
【文献】
実開昭51−112103(JP,U)
【文献】
特開2004−218767(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102013220721(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/44−31/62
F16K 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動部と、歯車機構と、各弁端部位置の駆動装置を電気的に非作動にするためのスイッチと、を備える前記駆動装置によって、加熱装置のための切換弁を並進作動させるための方法であって、
前記駆動装置は、前記切換弁の弁作動棒に対して、時間に対し非線形の変位をする運動及び/又は力に対し非線形の変位をする挙動を作用させ、
前記歯車機構はスライダ/クランク機構又はカム機構として構成され、前記カム機構には、弁作動棒に力を伝達するためのカムディスク及びタペットが設けられていることを特徴とする切換弁の並進作動方法。
【請求項2】
前記駆動装置は、両方向力発生部として設計され、連結点によって、前記切換弁の前記弁作動棒に対して、両方向に、時間に対し非線形の変位をする運動又は力に対し非線形の変位をする挙動を作用させることを特徴とする、請求項1に記載の切換弁の並進作動方法。
【請求項3】
回転駆動部と、歯車機構と、各弁端部位置の駆動装置を電気的に非作動にするためのスイッチとを備える、加熱装置のための切換弁を並進作動させるための前記駆動装置であって、
前記回転駆動部、前記歯車機構、及び前記スイッチは、ベースに配置され、
前記歯車機構は、回転運動を直線運動に変換して、前記回転駆動部の連続運動時に、前記歯車機構の並進移動出力によって、運動の両方向に、時間に対し非線形の変位をする運動又は力に対し非線形の変位をする挙動を生じさせるように構成され、
前記歯車機構はスライダ/クランク機構又はカム機構として構成され、前記カム機構には、弁作動棒に力を伝達するためのカムディスク及びタペットが設けられていることを特徴とする、加熱装置のための切換弁の並進作動のための駆動装置。
【請求項4】
ばね部材が、前記歯車機構に配置されて、前記並進移動出力の連結点の位置が、前記弁作動棒からの反動力によって可変であるようになっていることを特徴とする、請求項3に記載の、加熱装置のための切換弁の並進作動のための駆動装置。
【請求項5】
回転運動を直線運動に変換するための前記歯車機構は、前記スライダ/クランク機構として構成され、
前記回転駆動部によって、クランク輪が駆動され、前記弁作動棒は、ロッカアーム及び連結点によって並進移動され、
前記ロッカアームの枢支点の位置は、力の作用としてばね部材によって可変であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の、加熱装置のための切換弁の並進作動のための駆動装置。
【請求項6】
回転運動を直線運動に変換するための前記歯車機構は、前記スライダ/クランク機構として設計され、
前記回転駆動部によって、クランク輪が駆動され、前記弁作動棒は、弾性ロッカアーム及び連結点によって並進移動されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の、加熱装置のための切換弁の並進作動のための駆動装置。
【請求項7】
機械的位置インジケータが外側から見えるように配置され、前記弁作動棒が弁端部位置にあることを示すことを特徴とする、請求項3乃至6のいずれか一項に記載の、加熱装置のための切換弁の並進作動のための駆動装置。
【請求項8】
機械的位置インジケータが、ハウジングの外側から見えるように配置され、
前記クランク輪は、前記ハウジングの案内路に沿って前記機械的位置インジケータを移動させて、前記切換弁の前記弁作動棒が弁端部位置の一方に位置することを示す位置輪郭を有することを特徴とする、請求項5又は6に記載の、加熱装置のための切換弁の並進作動のための駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]
本発明は、加熱装置のための切換弁のための方法及び駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]
主に、加熱装置のための切換弁として、主に2つの駆動の考え方による個々の異なる技術的解決手段の範囲全体が知られている。現在、下流歯車機構を有するリニアステッパモータ又は回転同期モータのいずれかを、加熱装置に好適に用いられている。リニアステッパ駆動装置の利点として、正確なステップ仕様に基づいた、切換弁の弁体の正確に規定可能且つ正確に調整可能な進行路が顕著である。ここで、切換プロセスの速度は、特定のステップ速度によって制御されるが、このステップ速度によって制限もされる。しかしながら、これらのリニアステッパ駆動装置の大きな欠点は、ステッパ駆動装置には、広範囲且つコストのかかる作動が必要なことである。
【0003】
[0004]
この欠点には、電気モータの回転運動を切換弁の封止体の並進運動に変換する適当な下流歯車機構を備える回転駆動装置(主に同期モータ)を用いて対抗する。これらの回転駆動装置は、作動が簡単であるという利点を有するが、従来、力の伝達が一方向であった。これは、アクチュエータが、弁棒を一方向にしか押すことができないことを意味する。両弁端部位置において必要な封止力を得るため、回転駆動装置は、弁棒を弁座に押し込みながら、同時に、適当に設計された戻し部材に予備負荷をかけなければならない。このような構成のため、回転駆動装置は、少なくとも封止力の2倍に相当する力を加えなければならないように設計される。
【0004】
[0005]
この駆動の変形例の別の欠点は、一般に、正確に規定された進行路を調整できないことである。更に、これらの駆動の解決手段の速度及び閉力は、進行路全体に亘って、制御可能でも一定でもない。
【0005】
[0006]
特許文献1には、自立ケーシングで短小構造に設計される流体弁を作動させるための駆動装置が記載されている。この駆動装置は、その端部位置で非作動可能に構成される。駆動は、特別に構成された各カム輪郭を互いに抗して移動させることにより、回転運動から並進運動を発生させる回転同期モータによって行われる。しかしながら、カムフランクの互いの摺動によって、勾配が大きい場合、過剰な摩擦が生じ、このため、低エネルギ消費の利点が相殺されるので、この駆動装置は、小さい並進運動(比較的短い進行路)にしか適さない。この解決手段も、駆動装置が、その一方向の連結のため、封止力の2倍の力を加えなければならない、及び、一定速度且つ一定閉力で進行路全体を通過しなければならないという上述の欠点を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP 2 126 431 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]
したがって、加熱装置のための切換弁を作動させる新しい方法が望まれており、ここで、駆動装置は、構造的に非常に小さく設計されるように、更に、このような切換弁に対して十分な閉力を加えて、それぞれの弁位置で切換弁を確実且つ永久的に封止するように意図されている。また、駆動装置は、大きい調整進行路を実現し、且つ、連続的に作動する駆動装置にもかかわらず、進行路に亘って速度及び力の変化を可能にするとともに、簡単な作動及び動作を可能にすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]
したがって、本発明は、その一態様において、回転駆動部と、歯車機構と、各弁端部位置の前記駆動部を電気的に非作動にするためのスイッチとを備える駆動装置によって、加熱装置のための切換弁を並進作動させるための方法を提供するものであり、ここで、前記駆動装置は、前記切換弁の弁作動棒に対して、非直線移動時間運動及び/又は非直線移動力挙動を作用させる。
【0009】
[0009]
前記駆動装置は、両方向力発生部として設計され、連結点によって、前記切換弁の前記弁作動棒に対して、両方向に、非直線移動時間運動又は非直線移動力挙動を作用させることが好ましい。
【0010】
[0010]
第2の態様では、本発明は、回転駆動部と、歯車機構と、各弁端部位置の前記駆動部を電気的に非作動にするためのスイッチとを備える、加熱装置のための切換弁を並進作動させるための駆動装置を提供するものであり、ここで、前記回転駆動部、前記歯車機構、及び前記スイッチは、ベースに配置され、前記歯車機構は、回転運動を直線運動に変換して、前記回転駆動部の連続運動時に、前記歯車機構の並進移動出力によって、運動の両方向に、非直線移動時間運動及び/又は非直線移動力挙動を生じさせるように構成される。
【0011】
[0011]
ばね部材が、前記歯車機構の各力の流れに配置されて、並進出力の連結点の位置が、弁作動棒からの反動力によって可変であるようになっていることが好ましい。
【0012】
[0012]
回転運動を直線運動に変換するための前記歯車機構は、スライダ/クランク機構として構成され、前記回転駆動部によって、クランク輪が駆動され、前記弁作動棒は、ロッカアーム及び連結点によって並進移動され、前記ロッカアームの枢支点の位置は、力の作用としてばね部材によって可変であることが好ましい。
【0013】
[0013]
代替例として、回転運動を直線運動に変換するための前記歯車機構は、スライダ/クランク機構として設計され、前記回転駆動部によって、クランク輪が駆動され、前記弁作動棒は、弾性ロッカアーム及び連結点によって並進移動される。
【0014】
[0014]
代替例として、回転運動を直線運動に変換するための前記歯車機構は、カム機構として構成される。
【0015】
[0015]
任意選択的に、回転運動を直線運動に変換するための前記歯車機構は、リンク機構として構成される。
【0016】
[0016]
機械的位置インジケータが外側から見えるように配置され、前記弁作動棒が弁端部位置にあることを示すことが好ましい。
【0017】
[0017]
任意選択的に、機械的位置インジケータが、ハウジングの外側から見えるように配置され、前記クランク輪は、前記ハウジングの案内路に沿って前記位置インジケータを移動させて、前記切換弁の前記弁作動棒が前記弁端部位置の一方に位置することを示す位置輪郭を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[0019]
【
図1】下部に示す切換弁の実施可能な一形態を有する駆動装置の外側を示す図である。
【
図2】剛性ロッカアーム及びばね部材を有する歯車機構を備える駆動装置の構造を示す図である。
【
図3】剛性ロッカアーム及びばね部材の代わりに、弾性ロッカアームを有するスライダ/クランク機構を備える駆動装置の構造を示す図である。
【
図4a】位置インジケータが弁端部位置にある状態の駆動装置の構造を示す図である。
【
図4b】位置インジケータが中間弁位置にある状態の、
図4aの駆動装置の構造を示す図である。
【
図5】カム機構を備える駆動装置の構造を示す図である。
【
図6】リンク機構を備える駆動装置の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0018]
ここで、添付図面の図を参照して、例示として本発明の好ましい実施形態を説明する。図において、複数の図に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般に、それらが現れる全ての図において同じ符号で表記される。図内に示される構成部品及び構造部の寸法は、一般に、便宜のため及び提示の明確さのために選択されたものであり、必ずしも縮尺通りではない。
【0020】
[0026]
各弁端部位置の駆動部を電気的に非作動にした状態で、回転駆動部3と、歯車機構7とを備える、加熱装置用の駆動装置1によって、切換弁2を並進作動させるための本発明の方法は、駆動装置1が、革新的な方法で、切換弁2の弁作動棒4の直線作動部に対して、非直線移動時間運動及び/又は非直線移動力挙動を作用させるように構成される。これによって、切換弁2の弁作動棒4にもかかわらず、これに十分な閉力を加えることができ、また、弁体を、その端部位置に、確実に封止されるように配置して保持することができる。この用途では、確実な封止のため、両弁端部位置には、比較的大きな閉力が必要とされるが、これらの端部位置間の自由進行路に亘って、ほとんど力を必要としない。駆動装置は、2つの弁端部位置間では、できるだけ高速で弁体を移動させるが、進行路の最後の部分では、かなり減速した速度で進行して、各端部位置に移動する(各弁座に入る)。したがって、これによって、できるだけ高速の弁の切り換えを確実にし、同時に、加熱システムの液圧システムの望ましくない流れ状態を防止することができる。
【0021】
[0027]
駆動装置1が両方向力発生部として構成され、連結点12によって、切換弁2の弁作動棒4の直線作動部に対して、非直線移動時間運動又は非直線移動力挙動を作用させる場合、弁作動棒4は、エネルギをほとんど消費せずに移動できるだけでなく、低エネルギ入力にもかかわらず、その2つの端部位置に保持することもでき、同時に、連結弁体に必要な閉力が加えられて、切換弁2は、その2つの位置のいずれかで、確実に封止する。
【0022】
[0028]
加熱装置のための並進作動切換弁2のための駆動装置1は、回転駆動部3によって作動され、歯車機構7と、各弁端部位置又は少なくとも歯車機構7の死点付近の駆動部を電気的に非作動にするためのスイッチ19とを備える。歯車機構7は、回転駆動部3の連続運動時に、歯車機構7の並進移動出力が、両方向に、規定の非直線移動時間運動及び/又は非直線移動力挙動を有するように設計される。概略的に示すように、駆動装置1は、カバー5とベース6とを備えるハウジングを有し、ここに、回転運動を変換するための歯車機構7が配置され、駆動部を切り換えるためのスイッチ19が設けられる。
【0023】
[0029]
駆動装置1において、回転駆動部3と弁作動棒4の直線作動部との間に、ばね部材14が配置される場合、弁体の封止の封止力及び耐密性を更に向上させることができる。
【0024】
[0030]
回転運動を直線運動に変換するための歯車機構7は、スライダ/クランク機構10として構成されることが好ましい。そこで、配置されたクランク輪15が、回転駆動部3によって駆動され、弁作動棒4は、ロッカアーム16及び連結点12によって並進移動される。ロッカアーム16の枢支点の位置は、力の作用として、クランク輪15内に配置されるばね部材14によって可変である。
【0025】
[0031]
駆動装置1の変形例では、回転運動を直線運動に変換するための歯車機構7は、スライダ/クランク機構10として構成することができる。そこで、クランク輪15は、回転駆動部3によって駆動され、弁作動棒4は、ロッカアーム16及び連結点12によって並進移動される。ここでも、ばね部材14は、クランク輪15内に配置されて、ロッカアーム16の枢支点の位置が、力の作用として可変であるように構成される。
【0026】
[0032]
若干修正した変形例では、回転運動を直線運動に変換するための歯車機構7がスライダ/クランク機構10として設計される場合、クランク輪15が、回転駆動部3によって駆動され、弁作動棒4が、弾性ロッカアーム17及び連結点12によって並進移動されることも可能である。この実施形態では、弾性ロッカアームによって、ばね部材の作用が付与される。
【0027】
[0033]
代替例として、駆動装置1の回転運動を、切換弁2を並進作動させるための直線運動に変換するための歯車機構7は、カム機構9又はリンク機構8として設計することができ、例えば、平歯車及び数個の連結リンク13の適当な配置によって、簡単に実施することができる。
【0028】
[0034]
駆動装置1及び切換弁2の作動を監視するとともに、メンテナンス作業を容易にするため、切換弁2の弁体の位置を示す位置インジケータ21が配置され、駆動装置1の外側から見えることが好ましい。
【0029】
[0035]
図1は、その上部に、駆動装置1の外面図を示し、その下に、弁作動棒4によって作動される切換弁2の実施可能な一形態の外面図を示す。位置インジケータ21は、駆動装置1のカバー5上で見えるので、切換弁2の弁体の位置を認識することができる。ハウジング内部の側面において、ベース6に、プラグ接続部20が配置・固締されて、その内部が見える。ベース6の足部は、差込み留め具の一種を用いる簡単な方法で、切換弁2に連結できるように構成される。
【0030】
[0036]
図2は、回転駆動部3の軸によって駆動されるスライダ/クランク機構10(ここでは、挿置された平歯車機構)を備える駆動装置1の内部構造を示す。歯車機構7は、ベース6によって支持される。クランク輪15は、平歯車に配置され、クランク輪15を用いて、回転駆動部3をオン・オフに切り換えるためのスイッチ19を作動させる。ばね部材14は、クランク輪15内に配置される。このばね部材14は、クランク輪15内部の一側面の固定点で支持される。ばね部材14の他端では、剛性ロッカアーム16を支持する軸受ジャーナルが、クランク輪15内において半径方向に移動可能に案内される。
【0031】
[0037]
ロッカアーム16は、連結点12で、連接棒軸受によって、弁作動棒4と連結される。この構造によって、回転駆動部3の被動軸の連続回転運動は、ロッカアーム16のばね負荷による支持及び案内によって、弁作動棒4を介して、切換弁2の弁体に対して、両方向並進運動だけでなく、非直線移動時間運動及び/又は非直線移動力挙動も作用させることができる。回転駆動部3がオフに切り換えられた後、常に、一定の閉力が弁体に作用して、切換弁の確実な封止を確保することができる。駆動部3をスイッチ19と接続するための関連の配線及び回路、また、適応可能な場合は、任意の電気部品が、配線基板18に配置される。
【0032】
[0038]
図3は、ばね部材の代わりに、弾性ロッカアーム17を有するスライダ/クランク機構10を備える駆動装置1の構造を示す。ここで、弾性ロッカアーム17は、ばね部材の機能を呈する。弾性ロッカアーム17は、クランク輪15の軸受ジャーナルにしっかりと支持される。
【0033】
[0039]
図4a及び
図4bは、位置インジケータ21の構造及び動作を示す。
図4aによる位置インジケータ21の上部位置では、弁体は端部位置にある。位置インジケータ21は、ハウジング内で案内される部材として簡単に設計され、弁体が端部位置にあるとき見えるように、カバー5を貫通して突出する。位置インジケータ21は、位置輪郭22に支持され、この輪郭によって強制移動される。
図4bは、位置インジケータ21の中間位置を示す。弁体は、中間位置にある。弁体は、更に駆動されると、弁作動棒4によって、第2の端部位置に移動し、位置インジケータ21は上昇する。すなわち、位置インジケータ21の見える部分が、カバー5を貫通して突出するので、読み易い。
【0034】
[0040]
図5は、カムディスク11と、弁作動棒4に力を伝達するためのタペット23とを有するカム機構9を備える一実施形態における駆動装置1の実施可能な構造を示す。
【0035】
[0041]
図6は、リンク機構8を備える駆動装置1の構造を示す。減速歯車と切換弁2の弁体を調整するための弁作動棒4との間に、数個の連結リンク13が、力を伝達するために配置されて、回転駆動運動が、連結点12の並進出力運動に変換されるようになっている。
【0036】
[0042]
上記の技術的解決手段は、主に、大きさが異なる加熱装置用の種々の加熱回路に熱水を供給する切換弁のための駆動装置として利用可能である。
【0037】
[0043]
本出願の説明及び請求項において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「含む(contain)」及び「有する(have)」、並びにその変形形態は、説明する要素又は特徴の存在を規定するために包括的な意味で使用され、追加の要素又は特徴の存在を排除するものではない。
【0038】
[0044]
明確にするために別個の実施形態に関連して説明されている本発明の特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供してもよいものと理解される。逆に、簡潔にするために1つの実施形態に関連して説明されている本発明の種々の特徴を、個別に又はそれらを適当に組み合わせて提供してもよい。
【0039】
[0045]
上記の実施形態は単なる例示であり、請求項に定義する本発明の範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0040】
1 駆動装置
2 切換弁
3 回転駆動部
4 弁作動棒
5 カバー
6 ベース
7 歯車機構
8 リンク機構
9 カム機構
10 スライダ/クランク機構
11 カムディスク
12 連結点
13 連結リンク
14 ばね部材
15 クランク輪
16 剛性ロッカアーム
17 弾性ロッカアーム
18 配線基板
19 スイッチ
20 プラグ接続部
21 位置インジケータ
22 位置輪郭
23 タペット