(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6744761
(24)【登録日】2020年8月4日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】圧電デバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 9/02 20060101AFI20200806BHJP
H03H 9/10 20060101ALI20200806BHJP
H03H 3/02 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
H03H9/02 A
H03H9/10
H03H3/02 B
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-102919(P2016-102919)
(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公開番号】特開2017-212508(P2017-212508A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】黒田 智孝
【審査官】
▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−087274(JP,A)
【文献】
特開2011−109567(JP,A)
【文献】
特開2005−026982(JP,A)
【文献】
特開2005−295041(JP,A)
【文献】
特開2012−015754(JP,A)
【文献】
特開2005−026974(JP,A)
【文献】
特開2011−087273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B5/30−H03B5/42
H03H3/007−H03H3/10
H03H9/00−H03H9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部及び該凹部の内底面に圧電振動片接続用の接続バンプを有するベースと、前記圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部を有する蓋部材と、前記接続バンプに導電性接着剤で固定されている圧電振動片と、を具える圧電デバイスにおいて、
前記ベースの凹部の深さを、20〜60μmとしてあり、
前記ベースの前記凹部の深さをd1(μm)、前記蓋部材の凹部の深さをd2(μm)と表したとき、前記蓋部材の凹部の深さd2を、80−d1≦d2≦120−d1で与えられる深さとしてあり、
前記ベースの前記凹部の内壁は該凹部の開口から該凹部の底に向かって順テーパ状の傾斜部となっていて、この傾斜角をθと表したとき、θは1度〜5度であり、
前記ベースの前記凹部を囲う側壁上に接合部材を設けてあり、
前記ベースと前記蓋部材とは前記接合部材によって接合してあること
を特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部及び該凹部の内底面に圧電振動片接続用の接続バンプを有するベースを用意する工程と、前記接続バンプ上に導電性接着剤を塗布する工程と、導電性接着剤の塗布が済んだ前記ベースに圧電振動片を固定する工程と、前記圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部を有する蓋部材を、前記圧電振動片を固定したベースに接合させる工程と、を含む圧電デバイスの製造方法において、
前記ベースとして、前記凹部の深さが、20〜60μmであり、前記ベースの前記凹部の内壁が該凹部の開口から該凹部の底に向かって順テーパ状の傾斜部となっていて、この傾斜角をθと表したとき、前記θが1度〜5度であるベースを用い、
前記蓋部材として、前記ベースの前記凹部の深さをd1(μm)、前記蓋部材の凹部の深さをd2(μm)と表したとき、前記蓋部材の凹部の深さd2が、80−d1≦d2≦120−d1で与えられる深さとしてある蓋部材を用い、
前記ベースの前記凹部を囲う側壁上に接合部材を設け、
前記ベースと前記蓋部材とは前記接合部材によって接合すること
を特徴とする圧電デバイスの製造方法。
以上
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やパーソナルコンピュータ等の各種電子機器では、周波数の選択や制御等のために、水晶振動子や水晶発振器等の圧電デバイスが多用されている。
【0003】
典型的な水晶振動子は、両主面に励振電極および引出電極を具えた平面形状が矩形状の水晶片と、この水晶片が固定されるベースと、このベースに接合される蓋部材と、を具えている。このような水晶振動子の典型例として、下記の2種類のものがある。水晶片を収納する凹部を有したベースを用いるものと、平板状のベースを用いるものの2種類である。
【0004】
前者の例として、例えば特許文献1に開示のものがある。
図4(A)はその構造を概略的に示した断面図である。この水晶振動子10では、凹部11aを有したセラミック製のベース11が用いられている。このベースの凹部11a内の接続バンプ11bに、水晶片13が、その一方の面の引出電極15aの位置で、導電性接着剤17によって固定されている。なお、
図4(A)において15bで示したものは励振電極である。このベース11の外側底面には実装端子11cが設けてあり、この実装端子11cはビア配線11dにより接続バンプ11bに接続されている。そして、このベース11の凹部11aに、平板状の蓋部材19が接続部材21により接合されている。
【0005】
また、後者の例として、例えば特許文献2に開示のものがある。
図4(B)はその構造を概略的に示した断面図である。この水晶振動子30では、平板状のベース31が用いられている。このベース31の接続バンプ31bに、水晶片13が、その一方の面の引出電極15aの位置で、導電性接着剤17によって固定されている。なお、
図4(B)において15bで示したものは励振電極である。このベース31の裏面には実装端子31cが設けてあり、この実装端子31cはビア配線31dにより接続バンプ31bに接続されている。そして、このベース31の水晶片13を実装した側に、水晶片13を内包できる凹部33aを持つ金属製の蓋部材33が、接続部材35により接合されている。接続部材35として、金・錫合金等のロー材が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−179771号公報
【特許文献2】特開2015−144405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
凹部11aを持つベース11を用いた従来構造の圧電デバイス10の場合、水晶片13をベース11に固定するに当たり、凹部11a内の接続バンプ11b上に、導電性接着剤17を塗布する必要がある。この際、水晶片13の導電性接着剤による保持位置が水晶片13の端部であるため、導電性接着剤17の接続バンプ11bに対する塗布位置も、ベース凹部11aの側壁に近接した箇所になる。一方、ベース11の側壁の深さd(
図4(A)参照)は、従来は、接着剤の塗布作業を考慮したものとは言えないため比較的深くなっていた。導電性接着剤17を接続バンプ11bに所定通りに塗布するためには、
図4(C)に示したように、導電性接着剤を塗布するための装置のノズル23は、接続バンプ11bにある程度近接させる必要がある。このようなとき、深さが深い凹部11aを有したベース11を用いた従来の圧電デバイス11では、導電性接着剤17をベース凹部11aの側壁の近くに塗布しようとすると、ノズル23が凹部11aの側壁に接触してしまい、目的の塗布ができない。そのため、導電性接着剤の塗布位置をベース凹部11aの側壁からベース11の中心側に寄せざるを得ず(
図4(C))、そのためベース11の凹部11内の容積を有効に使用できず、従ってムダなスペースが生じるため、圧電デバイスの小型化を損ねてしまうという問題点がある。
【0008】
また、平板状のベース31を用いた従来構造の圧電デバイス30の場合、ベース自体が平板状であるため上記の導電性接着剤の塗布時の問題は回避できるが、以下の別の問題が生じる。すなわち、この圧電デバイス30の場合、接続バンプ31bと接続部材(金・錫合金等)35とが同一平面上に近接して形成される。これらの形成は一般にスクリーン印刷法で行われる。その際、両パターン31b、35は、上記のごとく同一平面上に形成するが、両者のショートを回避するにはスクリーン印刷の能力の関係から、両者31b、35間の距離g(
図2(B)参照)は、一般的に少なくとも100μmは必要であり、距離gを狭くするにも自ずと限界がある。従って、距離gを確保するためのムダなスペースが生じることから、この場合も、圧電デバイスの小型化を損ねてしまうという問題点がある。
【0009】
さらに、平板状のベース31を用いる場合は、水晶片13を収納するための深い凹部を持つキャップ状の蓋部材33が必要になるため、この点からも問題が生じる。すなわち、蓋部材33の凹部33aを化学エッチングで作製する場合、凹部33aの底の角部は他の部分に比べてエッチングが進みにくいため凹部が深くなるほど凹部33aの底の角部に曲率を持った残存部が生じる。この残存部は圧電振動片を収納する際の弊害になるので、これを避けるために凹部の深さをさらに深くする必要が生じて、蓋部材の低背化の支障になる。また、蓋部材33をしぼり加工で製造する場合は、凹部の深さが深い程、加工精度は低下し、また、加工コストも高くなるという問題点がある。
この出願はこのような点に鑑みなされたものであり、従って、この出願の目的は上記の課題を解決できる圧電デバイス及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的の達成を図るため、この出願の圧電デバイスの発明によれば、圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部及び該凹部の内底面に圧電振動片接続用の接続バンプを有するベースと、前記圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部を有する蓋部材と、前記接続バンプに導電性接着剤で固定されている圧電振動片と、を具える圧電デバイスにおいて、
前記ベースの凹部の深さを、前記接続バンプの高さより深く、かつ、前記導電性接着剤を塗布する装置の塗布ノズルが当該接着剤を所定通りに塗布するために必要な接近距離より浅くしてあることを特徴とする。
【0011】
この圧電デバイスの発明を実施するに当たり、ベースの前記凹部の深さを、20〜100μm、好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは20〜60μmとするのが好ましい。
さらにこの圧電デバイスの発明を実施するに当たり、前記ベースの前記凹部の深さをd1、前記蓋部材の凹部の深さをd2(μm)と表したとき、この蓋部材の凹部の深さd2は、80−d1≦d2≦120−d1で与えられる深さとするのが好ましい。
さらに、この圧電デバイスの発明を実施するに当たり、ベースの前記凹部の内壁は凹部の開口から凹部の底に向かって順テーパ状の傾斜部としておくのが好ましい。また、この傾斜角をθと表したとき、θは1度以上とするのが好ましい。ただし、傾斜角θが大きすぎては弊害が生じるので、傾斜角θの上限は例えば5度が好ましい。
【0012】
また、この出願の圧電デバイスの製造方法によれば、圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部及び該凹部の内底面に圧電振動片接続用の接続バンプを有するベースを用意する工程と、前記接続バンプ上に導電性接着剤を塗布する工程と、導電性接着剤の塗布が済んだ前記ベースに圧電振動片を固定する工程と、前記圧電振動片の平面形状より広い開口を持つ凹部を有する蓋部材を前記圧電振動片を固定したベースに接合させる工程とを含む圧電デバイスの製造方法において、
前記ベースとして、前記凹部の深さが、前記接続バンプの高さより深く、かつ、前記導電性接着剤を塗布する装置の塗布ノズルが当該接着剤を所定通りに塗布するために必要な接近距離より浅くされているベースを用いることを特徴とする。
【0013】
この圧電デバイスの製造方法の発明を実施するに当たり、ベースの前記凹部の深さを、20〜100μm、好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは20〜60μmとするのが好ましい。また、前記蓋部材として、前記ベースの前記凹部の深さをd1、前記蓋部材の凹部の深さをd2(μm)と表したとき、蓋部材の凹部の深さd2が、80−d1≦d2≦120−d1とされた蓋部材を用いるのが好ましい。また、用いるベースは、その凹部の内壁が凹部の開口から凹部の底に向かって順テーパ状の傾斜部となっているものが好ましい。この傾斜角をθと表したとき、θは1度以上とするのが良い。なお、傾斜角θが大きすぎては弊害が生じるので、傾斜角θの上限は例えば5度が良い。
【発明の効果】
【0014】
この発明の圧電デバイス及びその製造方法によれば、ベースの凹部の深さが所定深さのベースを用いているので、導電性接着剤の塗布ノズルを導電性接着剤塗布に必要な位置まで下げたとしてもノズルがベースの凹部の側壁に当たることを防止できる。そのため、導電性接着剤の塗布位置をノズルと側壁との接触を気にせずに凹部側壁に近接させることができる。従って、従来では問題であったムダスペースを低減できるから、圧電デバイスの小型化を図ることができる。
また、ベース側に必要最低限の凹部を設けてあるので、このベース側の凹部により圧電振動片の収容高さを分担することができる。従って、蓋部材側の凹部の深さをベース側の凹部の深さ分だけ浅くできる。そのため、蓋部材の凹部の深さが深くなることによる従来の問題点を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(A)は実施形態の圧電デバイス40の平面図、(B)はその断面図、(C)はその底面図である。
【
図2】(A)〜(C)は製造方法の実施形態の説明図である。
【
図3】(A)〜(C)は、製造方法の実施形態の
図2に続く説明図である。
【
図4】(A)は従来の圧電デバイスの第1の例を説明する図、(B)は従来の圧電デバイスの第2の例を説明する図、(C)は従来の第1の例の圧電デバイスでの問題点を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこれら発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の実施形態中で述べる形状、寸法、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明が以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0017】
1. 圧電デバイスの実施形態
図1(A)は、実施形態の圧電デバイス40を説明する平面図、
図1(B)は、この圧電デバイス40の
図1(A)のP−P線に沿った断面図、
図1(C)はこの圧電デバイス40の底面図である。なお、
図1(A)では蓋部材の図示を省略してある。また、この実施形態は、圧電デバイスの一種である水晶振動子に本発明を適用した例である。
この実施形態の圧電デバイス40は、ベース41と、圧電振動片43としての水晶片43と、蓋部材45とを具える。圧電振動片43は、例えばATカット水晶振動片、SCカット水晶振動片である。もちろん、音叉型の水晶振動片等の他の振動モードのものであっても良い。
【0018】
ベース41は、例えばセラミックスで構成できる。このベース41は、圧電振動片43の平面形状より広い開口を持つ凹部41a及び、この凹部41aの内底面に設けた圧電振動片接続用の接続バンプ41bを有する。さらにこのベース41は、その外側の底面に設けた実装端子41cと、この実装端子41c及び接続バンプ41bを接続するビア配線41dと、を具える。
また、このベース41では、凹部41aの深さd1(
図1(B)参照)は、接続バンプ41bの高さより深く、かつ、導電性接着剤を塗布する装置の塗布ノズル61(
図2(B)参照)が導電性接着剤を所定通りに塗布するために必要な接近距離X(
図2(B)参照)より浅くしてあることを特徴とする。この深さd1は、水晶振動子や接着剤塗布装置の仕様により決定するが、発明者の実験によれば20〜100μm、好ましくは20〜80μm、より好ましくは20〜60μmが良い。また、このベース41は、凹部41aの開口から凹部41aの底に向かって順テーパ状の傾斜部41eとなったものが好ましい。こういう構造であると、塗布ノズルの接触をより回避し易いからである。この傾斜角をθと表したとき(
図1(B)参照)、発明者の実験によれば、θは1度以上とするのが良い。なお、傾斜角θが大きすぎてはベースの側壁の幅を狭めたり、ベースの内容積を狭めたりする等の弊害が生じるので、傾斜角θの限度は例えば5度が良い。なお、接続バンプ41bは例えば金を含む好適な金属ペーストを焼成したもので構成できる。
【0019】
一方、蓋部材45は、圧電振動片43の平面形状より広い開口を持つ凹部45aを有する。この蓋部材45は例えば金属材料で構成する。この蓋部材45の凹部45aの深さd2(
図1(B)参照)は、圧電振動片43を収容するために必要な最小限の深さとする。具体的には、この発明の圧電デバイス40では、ベース41側に所定の凹部41aを設けてあるので、その凹部41aの分、蓋部材43側の凹部43aの深さd2は浅くすることができる。従って、この深さd2は、ベース41の凹部41aの深さや圧電振動片43の厚み等を考慮して決めるが、ベース側の凹部41aの深さd1や汎用されている圧電振動片の厚みを考慮したとき、発明者の経験から、下記(1)式を満たす範囲の深さとするのが良い。ここで、(1)式におけるd1は上記のd1の具体的な数値例のうちの20〜60μmの場合である。
80−d1≦d2≦120−d1 ・・・(1)
【0020】
また、圧電振動片43は、その表裏の主面に励振用電極47aと引出電極47bとを具える。この圧電振動片43は、ベース41の凹部41a内に、引出電極47bの位置で接続バンプ41bに、導電性接着剤49によって接続・固定してある。
これら圧電振動片43を実装しているベース41と蓋部材45とは、接合部材51により接合してある。接合部材51としては任意好適なものを用いることができる。例えば、金・錫合金を含む各種のロー材、又は。接着剤を用いることができる。
なお、この発明の場合、接合部材51はベース41の側壁上に設け、接続バンプ41bはベースの凹部41aの底面に設けることから、接合部材51と接続バンプ41bとは、凹部41aの深さ分だけ、高さ方向において異なる面に形成される。従って、
図4(B)に示した従来構造におけるスクリーン印刷時の問題も回避できる。
【0021】
2. 製造方法の実施形態
次に、製造方法の実施形態について
図2、
図3を参照して説明する。なお、
図2、
図3の各図は、圧電デバイス40の製造進捗に応じた製造工程図であり、
図1(B)に示した断面図に対応する図で示した工程図である。
先ず、所定の深さd1の凹部41aを有した上述したベース41を用意する。そして、このベース41の接着バンプ41bに導電性接着剤を塗布するために、ベース41は塗布装置の塗布ノズル61の下方に置かれる(
図2(A))。
次に、塗布装置の塗布ノズル61が導電性接着剤を所定通りに塗布するために必要な接近距離Xまで、ベース41の方向に移動されて、導電性接着剤49が接着バンプ41b上に塗布される(
図2(B))。その後、塗布装置はベース41上方から別の位置に移動される(
図2(C))。
次に、導電性接着剤49の塗布が済んだベース41の所定位置に圧電振動片43が置かれ、さらに導電性接着剤49の硬化がされて、圧電振動片43はベース41に接続個体される(
図3(A))。
次に、深さd2の凹部45aを有した上述の蓋部材45を、圧電振動片43を固定し終えたベース41に所定関係で置き(
図3(B))、その後、ベース41と蓋部材45との間の空間を所定雰囲気にする処理をし、その後、ベース41と蓋部材45とを接合部材51に応じた好適な条件下で処理して、圧電デバイス40を得る(
図3(C)。
【0022】
上述においては、この発明の圧電デバイス及びその製造方法の実施形態を説明したが、この発明は上述の実施形態に限られない。例えば、上述の例では、圧電デバイスとして水晶振動子を例に挙げて説明したが、この発明は、水晶発振器、さらには、水晶以外の圧電材料を用いた圧電振動子や圧電発振器にも適用できる。また、上述の実施形態では実装端子41cの個数を2個とした例を示したが、例えば蓋部材45を接地する場合等では、圧電デバイス内にアースのための引き回し配線を設け、そして、ベースの外側底面にアース用実装端子を設ける等、配線や実装端子等は種々に変更できる。
【符号の説明】
【0023】
41:ベース、 41a:凹部、 41b:接着バンプ、 41c:実装端子、
41d:ビア配線、 41e:傾斜部、
43:圧電振動片、 45:蓋部材、 45a:凹部、 47a:励振電極、
47b:引出電極、 49:導電性接着剤、 51:接合部材、 61:塗布ノズル、
d1:ベースの凹部の深さ、 d2:蓋部材の凹部の深さ、
X:塗布ノズルの接近距離、 θ:ベースの内壁の傾斜角